7回
2019/10 訪問
細やかな職人芸
表参道にある、ミシュラン二つ星にして本サイトでの評価も非常に高い日本料理店。
定期訪問です。
カウンター8席の店内は、黒い壁がシックかつ静謐な雰囲気を醸し出す。
間もなく開店して4周年になるそうで、その間絶えまぬ努力を続け名声を維持してます。
コースの値段がいくらか不明ですが、お酒を少しだけ頂いて3万5千円くらい。
非常に人気なお店ですが、予約が超困難ではないようです。
写真が禁止な点で、人気が出過ぎない方向に行ってるという噂も。
当日の料理は以下になります。
秋にしては真夏を思わせる気温の中でも、素材は秋の到来を告げてました。
*先付 クエ酒蒸し 大黒シメジ 天然舞茸 銀餡
*造り 塩釜産鮪 平目
*お椀 岩手の松茸 マナガツオ 冬瓜
*焼物 鰆 実山椒のタレ 丹波の無農薬野菜
*八寸 栗の揚げ物 新銀杏 姫さざえ旨煮 あん肝ともずく酢 平目手毬寿司 雲子 穴子煮凝り 雲丹と湯葉 蛸の湯引き?
*煮物 二子芋 ニシン 金時人参
*強肴 カワハギを肝醤油で カマスの焼物
*食事 近江米の新米 まぐろヅケ いくら 金目鯛の煮物 香の物 赤出汁
*甘味 栗きんとん
*抹茶
*水菓子 シャインマスカット 豊水梨 いちじく 次郎柿 すもものアイス ピンクグレープフルーツのジュレ
相変わらず丁寧で、とてつもなく美味しい。
今回もうひとつかな?と思ったのは、最初のクエが蒸し過ぎか固くて旨みもやや乏しかったことくらい。
他は悶絶の連続。
造りの鮪や平目は非常に質が高く、鮪は肌理細やかな脂の乗りでとろけつつも品の良さがある。
平目も旨みがよく引き出されており、悶絶級。
お椀は吸い地が相変わらず透明感があり繊細で、マナガツオが火の入り方も良くて旨みたっぷり。
鰆は、絶品まではいかないまでも、適度の脂の乗りと絶妙な火入れで美味しい。実山椒のタレもあってます。
八寸は、雲子が特に美味しかった。処理が良いのかまったり濃厚。穴子の煮凝りのすっきりしつつもコクのある典雅な風味にも唸った。他もきちんと美味しい。
煮物は少し地味な具ですが、その滋味深さにも唸る。身欠きニシンの戻し方も良かったな。
カワハギの肝醤油は肝と醤油とのバランスが絶妙で、他店を大きく凌駕する美味しさ。
こういう何気ない品が美味しいのは、とてもスゴイ。カマスも脂の乗りがよくて美味しかった。
近江米の新米は甘みや香りが素晴らしくて、これまた悶絶。
日本人であることの幸せ感を噛みしめる。
それだけでも十分過ぎる程ですが、おかずのイクラが非常に皮が薄いことや、金目鯛の煮物の上品さ、鮪のヅケのコクなどまでも味わえるのだから素晴らし過ぎます。
今回も大満足。
ご馳走様でしたー。
2019/10/28 更新
2019/07 訪問
細やかな職人芸
定期訪問させて頂いてる此方。
夏の食材を頂きに。
当日の料理は、以下になります。
*先付 胡麻豆腐 利尻の雲丹 車海老 焼き茄子 出汁ジュレ
*造り 鮪2種(ボストン産・気仙沼産) ホシガレイ
*お椀 昆布森の毛蟹真丈 賀茂茄子
*焼物 網走のキンキ 実山椒のタレ 丹波無農薬野菜
*八寸 帆立玄米粉揚げ 姫サザエ マコガレイの粽寿司 鮑とそのジュレと湯葉 ハモの子 穴子煮凝り 白海老ともずく 鮎のテリーヌ
*煮物 淡路のハモしゃぶ 万願寺とうがらし 冬瓜
*強肴 舞鶴の鳥貝炙り キジハタ焼霜 金糸瓜 ちり酢
*食事 近江米 青森のアイナメのフライ ヅケ鮪 ちりめん山椒 香の物 赤出汁
*甘味 水羊羹 黒豆 真珠豆 レモンピール
*水菓子 国産マンゴー 無花果のアイス ピンクグレープフルーツジュレ シャインマスカット他
宮坂さんの料理は、多少波はあるものの、どんどん素晴らしくなってます。
素材はとても良く、最高品質。
そして、実に丁寧な調理。
先付の胡麻豆腐は、ネットリモチモチ。利尻の雲丹は甘く、車海老の甘さには悶絶。少しの酸味がある優しい出汁ジュレの加減が、それらの味を絶妙に引き出してる。
造りは、安定の美味しさ。特にホシガレイの旨みには悶絶。ボストンの鮪はまずまずの美味しさで、やはり気仙沼産の鮪の方が香りが良い。
お椀は、吸い地が素晴らしい。夏ということでか、あっさりと淡麗で透明感のある味。そこにたっぷりの蟹真丈を合わせるのだから、悶絶。
焼物は鮎を期待していたのですが、雨の影響でいつも使う郡上八幡のものが入らず、キンキに。
まあ、これはこれで。穏やかな実山椒のタレが、脂感を良い具合に和らげ、美味しい。
八寸は、中をレアに仕立てた帆立が素晴らしい。甘みの品が良くて。宮坂さんの真骨頂ですね。
穴子の煮込りも、臭みが一切なくて穴子の旨みが凝縮しており、美味しい。
ハモの子は薄味で、これまたツボ。
そして、四万十の天然アユを用いて骨やワタ含め丸ごとテリーヌにしたものは、お酒に最高に合う。焼物が出なくても満足。
他の品もちゃんと美味しい。普通レベルのものは一切ないという。
鱧しゃぶは大振りで、骨切りの技術が良くて、骨が障らない。
出汁も美味しくて、これまた悶絶。
強肴は、大きな鳥貝がなかなか。連れと私ので少し違い、私の方は少し貝臭さがあったものの、連れのはメチャクチャ美味しかった。キジハタは手堅く美味しい。
此方の近江米は、相変わらず都内最高峰の美味しさ。炊き加減も良いし。
最後にフライは個人的にちょっと重いけれど、ちりめん山椒が嬉しい。
フライは要らないから、ちりめん山椒5倍くらいほしい・・・。
甘味の水羊羹は、固まってはおらずピュレ状。
小豆はもとより、中に入れた黒豆及び水晶豆含め、全体として上品に炊かれた豆の風味が際立つ。
レモンピールの存在は好みが分かれそうですが、素直に美味しい。
松川さんとは違ったアプローチで、甲乙つけがたい美味しさ。
最後は水菓子でさっぱり。
ということで、二人でお酒を軽く頂いて約7万と決して安くはないものの、満足度は高い。
次回の予約をして帰途に。
ご馳走様でしたー。
2019/07/14 更新
2019/04 訪問
細やかな職人芸
レビューしてないけど、定期的に行ってます。
表参道の駅から10分弱。
入口にはお弟子さんが立っていて、予約を告げると地下のお店へ案内してくれます。
黒の漆喰が相変わらず素晴らしいですな。
桜の時期の料理は、以下になります。
*先付 本ミル貝とタイラギ貝の炙り 花菜 銀餡
*造り 千葉産鯛 千葉勝浦242kgの鮪
*お椀 蛤真丈 胡麻豆腐 蛤出汁の潮仕立て
*焼物 桜鱒の幽庵焼き
*八寸 稚鮎玄米粉揚げ 桜鯛の手毬鮨 ふきと姫川筍煮 鯛の子とふき さより昆布〆と水菜
うすいえんどう豆 雲丹と湯葉 もずくとつぶ貝
*中皿 京都塚原産筍 木の芽
*強肴 鮑の肝ソース掛け 毛ガニの酢ジュレ掛け
*食事 近江米 金目鯛のフライ 鮪のヅケ 香の物 赤出汁
*甘味 桜葛焼き
*抹茶
*水菓子 小玉西瓜 デコポンゼリー 苺 木の芽アイスなど
相変わらず、手間を掛けて繊細に作り込んだ料理。
先付の貝は炙ることで旨みと甘みが出て、とても美味しい。優しい味の銀餡も良いな。
お椀の潮仕立ては蛤の出汁がたっぷり。
宮坂さんの吸い地は、結構バリエーションがあります。
繊細な風味に仕立てることもあれば、旨みたっぷりのしっかりめに仕立てることも。
旨みたっぷりでも後味が綺麗なのが、素晴らしいなと思う。
お造りの鮪は山幸のものでトロける。
希望を言えば、お造りは毎回鮪と白身(鯛や平目など)が多い印象で、もう少し季節の魚を用いても良いのかな?とは思いますが。
桜鱒は、この季節は色々なお店で頂きますが、こちらのは脂が乗っていてすこぶる美味しい。
ここまでのは、なかなか無いというか。
こういうところが、宮坂さんの素晴らしさ。
手の込んだ八寸は、こちらの真骨頂とも言えます。
フキとか地味な食材がとても美味しいのが、感動的。
(それ自体にインパクトがある高級素材ではなく)こういう地味な素材を美味しく仕立てるのはとても手が掛かる仕事。そういう手間を厭わないことに掛けては、都内でも随一かも。
京都の塚原で採れた筍は、根が付いている状態。
朝取りのものを送って貰っている、いわゆるエグミのない白子筍。
ただ、頂いたのは採った翌日の夜なので、少しエグミがありました・・・。
美味しいことは美味しいけれど、最高かというと・・・。
強肴は鮑と毛ガニで、高級素材を少し出して満足感を。毛ガニの甘さに驚愕。
最後の食事は、白米というのも嬉しい。こちらの近江米は、ほんと美味しいと思います。
おかずが付いてくるのも嬉しい。魚のフライと鮪のヅケが定番。
ただ最後に来て魚のフライは、美味しいことは美味しいものの自分には少し重いので、出来れば他のものが良いな・・・と思いつつ、なかなか言うことができないまま・・(汗)。
ということで、ほんとうに繊細で手が込んだ料理。
いわゆる高級素材が次から次へ出て来るタイプの料理ではなくて、地味系含め季節を映した食材を食べさせてくれる。
その食材は非常に吟味され、質はどれも高い。
写真を撮れないこともあってか、他の食べログ日本料理上位店に比べれば、予約は取れる方なのもありがたい。
唯一、お値段が少し高いのが難点でしょうか。
お酒を少し飲んで、二人で7万円くらい。
とはいえ、満足。
ご馳走様でしたー。
2019/05/08 更新
2018/02 訪問
細やかな職人芸
2か月ぶりに訪問。
こちらの内装は、何度見ても素晴らしい。
当日の内容は、以下になります(写真は禁止)。
ちなみに、お酒を二人で2合&烏龍茶・ビール各1杯で一人三万円くらいでした。
*座付 塩香煎
*先付 九条ネギの餡かけ 筍 白甘鯛 人参 湯葉
*造り 鮪(山口と長崎) 竹岡の鯛
*お椀 桜鱒葛叩き 胡麻豆腐 柚子あられ
*焼物 のどぐろ
*箸休め 桑名蛤の茶碗蒸し
*八寸 帆立の玄米粉揚げ 堀川牛蒡蒲焼 姫サザエ旨煮 わかさぎ南蛮漬け 雲子 雲丹と湯葉 鮑ともずく
*中皿 新潟産尾長鴨炭焼き 肝のソース
*炊合せ 焼き聖護院大根 筍 ふき
*強肴 鳥取松葉蟹 宍道湖白魚 下関とらふぐ
*食事 近江米白ご飯 平目と葱のフライ 香の物 赤出汁
*甘味 椿餅
*抹茶
*水菓子 せとかのゼリー 人参アイス キウイ 苺 晩白柚
今回も、とても美味しかった。
ただ以前と比べて、少し完成度がイマイチだった感も。
最初の九条ネギは、それなりには甘いけど、もう少し葱の香味を抑えてもっと甘みを出して欲しい。
お椀の出汁は鰹節が少し勝っていて、葛叩きという吸い地を濁らせる椀種とも相まって、やや凡庸。
炊き合わせの焼き聖護院大根は、大根の甘み以上に焼いた焦げの苦みが出ていて、これももう一つ。
前回超感動した鴨も、やや火入れが深かった。
宮坂さんのスゴイところは、何気ない素材(特に野菜)からとてつもない滋味を引き出すところだと思っているので、今回はそういう地味系素材がもう一つだったのはやや残念かな。
これが偶々なのか、最近六本木ヒルズに宮坂茶寮を出した影響なのかは不明なのですが、今迄が非常に素晴らしかっただけに、少し意外でした。
とはいえ、とてもレベルが高い事には変わりがない。
のどぐろの焼き加減はとても良かったし、蛤の出汁と玉子のみで塩を加えてないという茶碗蒸しの滋味にも唸る。
お造りの鮪のシルキーさにも悶絶。
松葉蟹の甘さも良かったし、少し焼き霜にした虎河豚の旨みにも感動。
地味系では、お造りに添えた青菜の品の良い美味しさに唸ったし、わかさぎ南蛮漬けの品の良い味にも感心。
蛸の柔らさも良かった。
宮坂さんは、相変わらずとても感じが良くて、今回も良い時間を過ごしました。
とはいえ、値段が値段なので、このブレが次回(予約済)は修正されていることを願う(あくまで個人的な印象・好みですが)。
ご馳走様でしたー。
2018/03/07 更新
2017/12 訪問
細やかな職人芸
久し振りの宮坂さん。
食べ友さんにお誘い頂き、訪問。
お店の前にお弟子さんが立っていて、迎えてくれるスタイル。
そこから階段を下りて地下へ。
カウンターと個室がありますが、個室は基本的には使ってないそう(希望があれば・・ということらしいです)。
黒の漆喰を基本にした内装は、素晴らしいの一言ですな。
なお、今も変わらず写真撮影は禁止です(個室でもダメだそう)。
料理はお任せで、23000円かな。
ガス入りの水とウーロン茶1杯を頂き、支払いは29500円でした。
宮坂さんは、にこやかで相変わらず感じが良い。
当日の料理は、以下になります。
*先付 湯葉 金目鯛 銀杏 津居山産松葉蟹餡かけ
*造り 大間鮪 青森産平目 肝醤油
*煮物椀 白甘鯛 胡麻豆腐
*焼物 新潟産尾長鴨 鴨の肝ソース
*箸休め 喉黒入り茶碗蒸し 蕪すり流し
*八寸 イクラ 白バイ貝旨煮 堀川牛蒡蒲焼 かます棒寿司 鰆藁燻し 雲子 あん肝もずく
菊菜お浸しとナマコこのわた掛け 雲丹と湯葉
*炊合せ すぐき
*強肴 津居山産松葉蟹 黄身酢 佐世保産くえ
*食事 近江米白飯 鯛と九条ネギのフライ 赤出汁 香の物
*甘味 蕎麦掻の白餡掛け 丹波黒豆
*抹茶
*水菓子 スターフルーツ さぬきゴールド(柑橘)のジュレ掛け シャインマスカット とちおとめ 林檎のアイス
素晴らしかったです。
印象に残るのは、出汁の美味しさと丁寧な調理、素材の質の高さ。
豪華食材をガンガン出すのではなく、それらを盛り込みながら野菜などを丁寧に調理して、完成度が高い皿に仕上げる。
丹波の無農薬野菜の美味しさが相変わらず印象に残るし、高級素材の津居山の蟹や喉黒・金目鯛なども質が高くとても美味しかった。
また、偶々入ったという網取りの尾長鴨の美味しさにも悶絶。血の入り方が素晴らしく、香りが良くて、でも臭みは一切ない。その肝で作ったソースも絶品。フレンチのジビエの名店で出るものと遜色がない(マジで)。
そして出汁。
透き通るような繊細さで、奥深い。
都内の日本料理店の中でも、個人的に最高。
その出汁がベースなので、品が良く繊細な品が多い。
調味も、酢が柔らかだったりして抑制が効いてるので、それも繊細につながる。
すぐき(漬物にする蕪みたいなやつ)は、それのみを炊いただけのシンプルな皿ですが、出汁の美味しさと相まって、しみじみ和む味で感動。
そして調理の丁寧さ。
香の物の蕪にまで細かな包丁仕事を施している。
ここまでのお店はなかなか無いかと。
一方で、八寸や甘味はクリスマスを意識した盛り付けになっていて、そういうお茶目というか型にはまらない楽しさも(これはご出身の未在譲りですね。料理自体は全く違いますが)。
そういうことで、とにかく繊細で品の良い味に感動しっぱなし。
前回よりもさらに良くなってました。
再訪の予約を入れて帰途に。
ご一緒して頂いた方々に感謝。
ご馳走様でしたー。
2017/12/23 更新
2016/07 訪問
細やかな職人芸
あの超人気店未在で活躍された方が表参道に開いたお店。
出来て半年ほどですが、本サイトでの評価も高く、人気もあるようです。
和食では珍しく一人でも予約を受け付けてくれるとのことで、サクッと訪問。
2週間ほど前でも週末の予約が取れたので、人気店ながら予約困難ではないのかも。
場所は、表参道から歩いて10分弱。
根津美術館の先です。
地下1Fにありますが、予約時間前から若い衆が1Fの階段上で待っています。
店内は黒塗りの漆喰で、すごくシックかつ高級感ある雰囲気。
この設えは素晴らしい。
こちらはお任せのコース1本で、22000円~(時価)。
今回はノンアルコ―ㇽシャンパーニュ1杯と梅酒1杯を頼んで、28700円でした。
飲む方だとトータル3万円少々くらいなのかな?
ちなみにこちら、料理の撮影は禁止。
当日の料理は以下になります。
*食前酒 汲み上げ梅酒 小梅
*先付 たいらぎ貝炙り 蛸半夏生叩きオクラ 白バイ貝海苔ソース
*向付 愛媛八幡浜の鯛 噴火湾の101kg鮪 しろ菜 葉山葵 塩入柑橘果汁 昆布醤油
*煮物椀 鮑 冬瓜 汲み上げ湯葉真丈 葱
*焼物 佐島の甘鯛 丹波の無農薬野菜(マイクロ胡瓜他)
*箸休め すり流し ゴールドラッシュ 山形アスパラガス 鰹出汁ジュレ スーパーフルーツトマト 車海老
*八寸 白烏賊ともずく ハモの子煮凝り 赤ずいき酢漬け胡麻和え 隠元と茄子の胡麻クリーム掛け 星ガレイの粽
利尻雲丹と汲み上げ湯葉 由良川天然歩夢のフライ 白ずいきとつる菜のお浸し つぶ貝煮
*煮物 賀茂茄子の含め煮 胡麻餡掛け
*強肴 噴火湾毛蟹 下田金目鯛炙り 金糸瓜 わかめ 土佐酢ジュレ
*食事 近江米の釜炊き白飯 香の物 赤出汁 鱧のフライ 鷹ヶ峰唐辛子のフライ
*甘味 枝豆の葛饅頭
*抹茶
*水菓子 ワンダーベリー 小玉スイカ 完熟マンゴー 巨峰 佐藤錦 シャインマスカット 白桃 グレープフルーツのゼリー
いちじくのアイス 豆腐のソース
非常に満足。
こちらで印象に残ったのは、すごく細やかで丁寧な仕事をしている事。
そして品が良い。
一方で、王道ながら少し創意も加わって、食べていて素直に楽しい。
インパクトが無いという口コミが散見され、それはその通りだと思う。
高級素材を、これでもかっ!と次々繰り出すわけではないし、全体的に味付けは控えめだし。
なので、料理にインパクトを求める人にはあまりピンと来ない店だと思う。
逆に言うとその分繊細で手が込んだ料理。
どの品も地味に見えて、何気にすごく手間を掛けてるし、精度が高い。
素材の良さを丁寧に引き出してるというか。
個人的に非常にツボ。
特に野菜が美味しいのが嬉しい。
ずいきのお浸しなどの地味な料理も実に美味しいんですよ。
野菜って、その美味しさを引き出すのは肉・魚より大変だったりしますが、こちらは実に上手い。
最近は高級素材をそのままあまり手を掛けずに出すところが人気ですが、個人的にはこういう料理を頂く方がしみじみ幸せを感じる。
ロッテファンなので、全員4番バッターみたいなチーム(料理)より、こういう方が性に合うとつくづく思った(ほんと地味好きでスイマセン)。
印象的なのは、やはり煮物椀。
吸い地が薄味ながらほのかな鰹出汁・鮪節によって、キレがあり澄んだ味わい。
最近頂いたお椀の中では、一番の吸い地。
また、向付の鯛も非常に良かった。鯛は難しい時期ですが、脂が乗って旨みもたっぷり。
鮪も香りが良くて美味しかったな。
箸休めのすり流しも素晴らしい。
とうもろこしの甘さに驚き、スーパーフルーツトマトの酸味と甘みの立体感に陶然。そして、それらが非常に滑らかなことに驚嘆。
食事は潔く白米で、その炊き加減と言い、米自体の甘みといい、これまた素晴らしい。
あえて言えば、おかずに鱧のフライと鷹ヶ峰唐辛子のフライを添えてくれたのですが、美味しいものの、普通にちりめん山椒とかが良かった。
八寸でも鮎のフライが出てるし、鮎とハモという夏の2大スター食材をともにフライにするのは、美味しくても勿体ないと思う庶民なので・・。
日本料理で揚げ物はそんなに要らないかな?というのも、あります。
とはいえ全体を通せば、前述のように感動を伴う満足感。
またサービスも良い。
ご主人の宮坂さんはきちんと話相手になってくれるし、若い衆の気配りもなかなか。
一人でも退屈しませんでした。
そんなこんなで大満足。
ご馳走様でしたー。
2016/08/20 更新
2020もミシュラン二つ星の宮坂さん。
いわゆる高級食材のオンパレード的派手さはないのですが、質を吟味し手を掛けて実に味わい深い味に昇華させる。
個人的にはかなり好き。
全部はレビューしてないものの季節ごとに伺ってます。
また、その繊細さが逆にウケないのか写真を撮れないせいか、予約が取りやすいのも魅力。
表参道の駅から7~8分歩いたビルの地下。
黒を基調とした格調ある空間。
料理は、税サ込みで3万円少々ではないかと思います(二人で行って少しお酒を飲んで総額7万円くらい)。
この日の内容は以下。
*先付 蓮根蒸し ぐじ 堀川牛蒡 京人参
*造り 鮪(舞鶴) 鯛(佐島)
*お椀 松葉蟹の真丈 花菜
*焼物 ノドグロの西京焼き 丹波篠山の無農薬野菜
*八寸 白魚玄米粉揚げ 鯛手毬寿司 磯つぶ貝旨煮 飯蛸煮 ナマコとモズク酢 鰆の燻し
紫雲丹と湯葉 雲子
*煮物 聖護院大根 伊勢海老のしゃぶしゃぶ
*強肴 ふぐ煮凝り ふぐ焼き霜 ふぐ皮
*食事 近江米 鮪のヅケ 太刀魚のフライ 香の物 赤出汁
*甘味 椿餅
*抹茶
*水菓子 人参のアイス オレンジのジュレ 苺 せとか
悶絶の連続。
何気にないものが本当に美味しい。
例えば、八寸のイイダコ。生のような感じがありながら、柔らかく滋味に富む。
ナマコもそうで、生っぽい食材感なのに柔らかい(普通ナマコは生だと固いですよね)。
造りの鯛も旨みが素晴らしくて質の高さを感じる。
雲子も、ねっとりとして臭みが一切なく、最高級の質と調理。
ノドグロの西京焼きは、超悶絶級。
ノドグロを頂く機会はそこそこありますが、これは何でか分からないくらいけど無茶苦茶美味しい。
西京味噌の味の付け方が上品ながら、ノドグロの脂の旨みとバランスが良いのかな?
最初の蓮根蒸しは、蓮根の土の香りが非常に良く出ていて、そのもっちり感とともに完成度の高さを感じる。
聖護院大根の煮物は、これまた大根の甘いを引き出しており、美味しい。
伊勢海老のしゃぶしゃぶの火の通り方も、ジャストと言える適切さで、固くならずに旨みを引きだしてる。
ふぐの煮凝りは、口に入れた途端に溶ける固さに仕上げているのも見事。
お椀の松葉蟹真丈は、かなり美味しいもののもう少し味に奥行きがあっても良いかな?とか、造りは鮪と鯛の王道ばかりではなくて、今ならサヨリとか地味だけど旬のものを使っても良いのでは?などは思いましたが、全体を通して一品一品の完成度の高さが半端ない。
また器も素晴らしく、水菓子を乗せる皿がラリックだったりします。
サービスも非常にしっかり。
そういう訳で、今回も大満足。
ご馳走様でしたー。