えー、こんな経緯
https://tabelog.com/rvwr/motobusu/rvwdtl/B445017646/ があって、イニシエのソーシャルネットワークシステム「mixi」に残っていた、10年ほど前自分で書いた「日記」を読み返していたら、こんな文章が出てきました。
「大震災」のあと、電力が足りなくて、「計画停電」をやる、やらない、なんて言ってた頃に書いたモノらしいですが、これって今の、
「人との接触機会を出来るだけ制限する」
方がいい時代に、却って有効かも。なんて、ね。
昔なんで、表現がかなり上ずってますが、考えは今と「あんまり」変わってないので手を加えず、そのまま掲載します。
#だからワタシは嫌われる。(以下、本文20110331日初稿)
1987年…なんとも中途半端な年ですが、一年浪人したアタシが落第はせず、四年間で学校を出て、世の中にお世話になった年です。
当時は1985年のプラザ合意の影響で、急激に本邦はしなものの輸出競争力を無くしていた時代。
ま、その一方で、今で言うところの規制緩和と公営事業の民営化によって一挙にお金が溢れ出し、これが土地に向かい、後にバブル景気に繋がる分岐点あたりでもあったわけです。
そんな頃アタシが奉職致しましたのは、今では金融機関とナニガチガウノ? って感じですが、当時は「モノを仕入れて売る」事を専らとしていた総合商社。
しかも鉄鋼なんて固くて硬い部門で丁稚奉公をする事になりました。
英単語知ってるか? と聞かれ「パン! 」と応え、「パンは英語じゃない! 」と叱られたアタシですから、配属されたのは当然、国内事業向け部門。
しかも自動車鋼板という「製造ラインを一分止めたら、罰金300万円」な、とにかく商事会社といいながら、「商い」より「とにかく渋滞なくモノを現場にお届けする」という、黒猫さんか飛脚のアンちゃんがやったほうが似合いそうな事を専らやってた訳です。
さて、その頃の製造業は、と言いますと、生産拠点を今まさに海外に移転しようとはしていましたが、言うところのW・I・P(ワークインプログレス:作業進行中)
実際には、エアコンやラジカセ(死語 みたいな家電も、自動車も、まだまだ国内でばんばんに作っておりました。
勿論、それらを組み立てるための部品だって、国内生産です。
円高とは言え、まだ国民に気合とドコンジョーとQCとカイゼンな、進め一億火の玉だ! の残り火がしっかり灯ってましたし、あの「お隣の国」が台頭しだす寸前でしたから、どうにかこうにかコスト的には合い、世界中から上記商品の受注を、一手に引き受けていました。
つまり、イマドキの小奇麗な、ボタン一つで何億ものお金が動く時代ではなく、そこいらじゅうにシャーリングの轟音が鳴り響き、プレス油の匂いが立ち込め、国が一つの工場みたいだったんですね。
ところで工作機械や加工機械、工場の天井クレーンやアッセンブリーラインのベルト・コンベアというのは、たいがいエレキ仕掛け、つまり、電気で動きます。
加えてこの頃から、地下鉄に「エアコン」がつくようになりました。当然これも、電気を使います。
会社の中だって、クールビズなんて甘っちょろいモン、「薬にもしたくない」という気風でしたから、背広ネクタイは当たり前。当然クーラーがビンビンに効いてます。
加えて夏になるてぇと、Jリーグが始まる以前ですから、ニッポンのオトウサンの八割が野球に恋してた時代です。昼は甲子園、夜はプロ野球のナイターと、球場の電灯も、ご家庭のテレビもフル稼働です。
当然、電気が足りなくなる。
その時、本邦の産業界はどうやってしのいだか?
と、言うと、自動車や家電の工場は、業界ごとにある会社は火曜日から土曜日まで、とか、他の会社は水曜日から日曜日までとかの、変則稼動シフトをとって、なるべく一週間での電力使用量が平準化されかつ、一日の総量のピークを下げるようにしたんですな。
これに伴いまして、自動車会社と、その部品工場に材料を差配していたアタシたち商事会社も、実際に鉄板を切り刻んで、工場にお届けしていた鉄工所(本当はコイルセンターと言うべきなんだが、分り難いからこう書いておきます)のみなさんも、交代制で会社に出て、対応申し上げたモンでありました。
今年は、当時以上に電気が足りなくなりそうです。しかも作った電気はためておく事が出来ませんから、夜に発電所がフル稼働で作った電気はムダになります。
が、こう考えたらどうでしょう? つまり、一日というのは24時間あるわけです。
そして、当時と違い、わが国は国内取引中心から、海外取引に比重が移ってきています。加えて昔と違い、扱っているものはゴツい「現物」よりむしろお金(のデータ)、ソフト、サービスなんてものが増えていて、これはヒトが介在しなくっちゃどうにもならない。
しかも、これらのうりもの=データが、本邦とやりとりされている社会とは、かなり時差っつーモンがある。
と、なれば、産業界全体で、従来対応した「曜日でのズラし」に加え、「時間のズラし」もやるわけです。
つまり、属する産業によって、働いている時間帯も曜日も、ぜんぶバラバラにしちゃう訳です。
当然、学校の子供たちも、オトウサンやオカアサンの仕事にあわせ、昼制と夜制に分けます。教える先生だって同様に分けます。
通勤電車は24時間動かします。しかし、一台あたり、一時間あたりの常客は減るから、ダイヤは全体に間引かれます。
病院だって、夜の涼しい時間のほうが、お年寄りには居心地がいいかもしれません。いや、もともとお年寄りってのは早起きですから、4時開診で10時にはおしまい、なんていうのでイイのかも。
世の中のヨッパライだって、みんながみんな宵っ張りじゃないだろうから、昼から晩酌? したい奴もいるでしょう。これも仕事にあわせる。
飲食店も同様。昼がディナーなところ、夜がそうなところに、分かれてもらう。
何? コイビトとのデートがしにくくなる? 大丈夫、いまの若いモンは草食タイプで逢引なんかしたがらないし、セーヨクが無駄に盛んな「ちょいわる」さんたちは、時間も曜日もメチャクチャになるから、却って「カーチャンの目」を気にせず、狩猟? に専念できることであろう。
色々なお店の、営業時間も定休日もマチマチにしてもらいましょう。
つまり、「通勤」「通学」「就業」「学業」「買い物」「色事」…など、世の中のすべての事象に、「ピーク時間」を作らせない、とまぁ、こういう事です。
あ、そうそう、ついでに、今このときの「花見」がケシカラヌ、というのであれば、これも時期をずらし、「アジサイの花見をするヒト」「ひまわりの花見をするヒト」「コスモスで愛でて一杯やるヒト」に分けちゃう。
とにかく「みんなで一緒に」というのを、この際やめちゃうわけです。
やるかやらないかの計画停電のために、通勤や通学、工場の稼動やマーケットの運営、お店屋さんの売り上げに問題が出るんであれば、とにかく「ヒトの営み」を細かく振って、ひとつひとつのクラスター(って言うの? )を分散したほうが、マシなんじゃねぇかな? と、ここのところのバタバタをみてると、無責任にこんな事思っちゃう。
・・・でも白昼、ランドセルからリコーダーの袋を突き出して、これから通学という小学生が闊歩する新宿で、キャバクラのオネェちゃんとビフォア・アフターおぢさんの横を、昼の夜勤? 明けの工員諸君がホッピー片手にぐでんぐでんになっていて、でも百貨店の門は、しっかり閉まっている、なんて風景は、かなり異様では、あるだろうね。
ホント、どうなっちゃうんだろ? 今年の夏。