『シリーズ「帰ってきた #だからワタシは嫌われる(その6)」小さくて人が集まるところ。』ムササビヒンソーさんの日記

【面白くって】もうぞこいてんなよ。【ためになる】

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ムササビヒンソー (60代前半・男性) 認証済

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旧い喫茶店は好きなのだが、喫茶店というのはそれぞれに個性があり、その喫茶店に出入りしているヒトの持つ個性ともセット。これはバーも一緒。

寿司屋とかスタンド割烹、より砕けてスナックなんかもそうだけど、総じてカウンター席のある店で良くも悪くも個性、特色、持ち味が保たれているところは同じ街に同業他社が一定以上あるところで、街で随一、唯一、になってしまうと、却って「平たく」なってしまうみたい。

街に同業が数軒あり、共にやっていけるというのはつまり、多様な価値観のお客に、それぞれ対応する店がある、という事で、なるほどこれは人口の高い「都市」でないと難しいのかもしれない。

或いは高度成長期の「産業街」であれば、周辺からも人が寄ってくるから、一時的にはアリなんだろうけどね

コロナ禍と共に郊外の住宅地にある「唯一の」酒場や小さなレストランが荒れ出した、という話をよく聞くようになったけど、これはそれまで(繁華街に)分散していたさまざまなお客が、物理的理由でひとつのところに集まってしまったから、なんじゃなかろうかと疑っている。

つまり「荒れる」というのはこれまでの雰囲気、「間」が保たれなくなってしまっている状態、を、指しているのだと思う。

媒体で取り上げられて急に人気が出ちゃった食べ物屋、なんかにも、こーゆー事、あるね。

若くてじぶんの「間」や「型」が決まっていないうちは、店の「雰囲気」「空気」は「あんまり」気にならないからいわゆる「食べ歩き」も面白いのだけれど、歳を重ねると段々、「馴染みの店」に行くところが統合されていく、というのも、ここいらへに理由がありそう。

ただまぁ...現代ではそもそも、通う店や着る物、聞く音楽や読む本で自分自身を規定する、という習俗はもはや消えつつあるのかな。

と、なると店とお客の関係は、情緒より「消費と損得」ばかりに重きが置かれるようになり、結果、どこの店も同じような「流行りもの」を追いかけ、お客も「食べログ人気店」にばかり... #だからワタシは嫌われる



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