ミニミニ大作戦さんが投稿したお料理 佐藤(福岡/小倉)の口コミ詳細

ミニミニ大作戦の庶民的食文化に関する調査報告書

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お料理 佐藤小倉、平和通、旦過/日本料理

1

  • 昼の点数:4.5

      • 料理・味 4.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2014/12 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-

「お客人、この味がお分かりか?」「恐れ入りました、ご主人」

自分の「食べログレビュアー・プロフィール欄」を見てて愕然とした。前報までの735レビューのうち、実に91%が1999円以下の料理である。ワシってこんなにボンビーだったの!?いくら食べログテーマが「庶民的食文化に関する調査報告書」だからって、ちょっとドイヒーちゃうか!?

2014年12月20日

で今回、一念発起して路線変更したかと見せて(┐(-。ー;)┌ムリムリ)、事実はそうじゃなく、ひょんなご縁で、良く知る方々とご一緒させて頂く事になった次第。いずれにせよ736件のレビュー中、最もお高級な料理である。「ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版」で一つ星レストランの名誉に輝いた、小倉が誇る極上割烹。果たして味わう舌力がワシにあるのかしら・・・

【おまかせコース】12000円
お任せなので、その料理の説明を伺ってから頂く。従って、いわゆるメニュー名は存在しないのだ。もうこの時点から目がピクセルな私。

【香箱蟹の蒸しものに、水菜と若芽の甘酢和え紫蘇風味】
先ずは甘酢和えもので舌の準備体操。サクサクした白いダイスは西洋なしだとか。酢のものと言うには、極限まで酢を抜いた穏やかさ。ここって京都?的な霞の如き浮遊感。この盆のメインである香箱蟹は、北陸産の雌ズワイガニ。蒸して解して盛り直しただけの味付け無し潮風味。蟹肉、外子、内子の本来の食感と旨みを素直に感じながら頂く。

【タイラギの揚げもの、洋梨と柿の天ぷらに、振り海鼠のおろし和え】
絶妙の火入れ。中心付近に微妙なレアさの残る揚がり方。付け合されるダイスは西洋ナシと柿の揚げもの。再びの果実素材で、こいつはえらく新鮮な展開。そして、驚きの振り海鼠。石ころと共振りして水抜きした海鼠は、これまで一度も噛んだ事のない食感。オノマトペとしては、ジャクジャクってところか。絶品。

【すっぽん出汁の春雨】
春雨で出汁を連れ上げてスススと啜れば、やはりギリギリまで抑えた味付け。だからこそ感じる、ちょっと渋みのあるすっぽん出汁。導入のっけから薄味素材主義ワールドに引き摺まれることで、お次に登場する極皿が益々活きる仕掛けである。

【天然本河豚刺しに、本河豚皮】
久々の天然本河豚が、堂々の二枚引きで登場。そのグニャリとした食感は、これが本来の本河豚だと納得できるもの。感心したのは薬味の提案。一応ポン酢が添えてあるが、断然もう一方の薬味である極細刻み昆布が素晴らしい。こいつを河豚で巻いてじっくり噛んだなら、本河豚の甘味がじんわり滲みだして来る仕掛け。キッチリ厚みの残った本河豚皮の引き技もお見事である。絶品。

【白子の河豚出汁柚子釜】
本日の焼きもの素材が一通り紹介されて、ここからは焼きものパート。白子の柚子窯とは言うが煮物じゃあない。あくまでも焼きもの。焦げ目が付かぬよう炭火で丁寧に炙った白子は、ごく表皮は硬化しつつ、中はフワトロに炙り上げられる。脇の柚子窯で温められた出汁は、河豚の旨みと野菜の甘みに、仄かに柚子の香りが転写されたとろんとした逸品。この二つを、供される直前に合体させる手の込みようだ。やはりこちらも、調味料らしきものはほぼ使ってなさそうな、素材本来の塩分と旨みのみで食す。絶品。

【からすみ餅の炙り】
これまでの流れを一旦断ち切るかの如きクッキリした味わいの、言わば逆箸休め。繊細な味わいに鋭敏になって来た舌を、フッとリラックスさせてくれるような分かり易さ。とは言ってもその濃い味は、からすみ本来の濃厚な塩気と旨みのみであり、素材本来の味に変わりは無いのだが。

【烏賊つみれの炙り】
ただの烏賊つみれかと思いきや、中にはサプライズの銀杏が。炭火で程よく炙られた烏賊のすり身は、穏やかな香ばしさをフワリと伝えて来る。何だかアミューズのような愛らしさ。

【合馬椎茸の挟み焼き】
地元合馬産の椎茸を丁寧に炙り、すっぽんのゼラチン質ともろみを合わせた味の素が挟まれる。もろみによるアクセントの効き方は、えっ?と思う程に明快である。からすみ餅に続き、ここら辺りからコース終盤に向けて、味のコントラストが波状的に増し始める。

【海老芋の衣焼き】
コントラスト強めな一品のあとは再び穏やかへ。海老芋に衣をまぶして焼き上げてあるが、訊けばこの衣、おかきの粉と極細パン粉を合わせたものなのだとか。確かに、揚げたかのような極細粒立ちがクッキリした面白い食感ではあるけれど、訊かねば誰もこれがおかきとは想像も付かぬだろう。芸が細かい。

【下仁田葱の挟み焼き】
薄味転じて再び濃い味へ。しっかり炙られた下仁田ねぎは、表面の焦げた層は取り除かれ、火が入りズルリとした芯の部分が使われる。椎茸の挟み焼きに比べれば、更に多めのもろみが挟まれて、コース最大の濃い味わいとなっている。塩味と言うより、もろみの甘さと旨み。ちょっとやり過ぎでは?と思う程、許容ギリギリのところまで持ち上げられている。

【穴子の笹ずしに、千枚漬けの山葵巻き】
ご飯ものの第一波は穴子の笹寿司。ほぼ白焼きに近い穴子と薄作りの寿司めしには、ほぼ塩味を感じない。と言うよりも、直前一品のもろみ後味が強いから、折角の穴子もちょっと分が悪い。付け合せの千枚漬け山葵巻きも、かなり低刺激の優しい山葵風味。

【香箱蟹ご飯に、漬けもの】
コース前半で頂いた香箱蟹の、とり置き分で炊いた蟹ご飯。これも味という味は存在せず、ひたすら蟹の旨みと風味が転写された繊細極みなしの炊き込み。碗に盛り付ける直前に炙った焼き海苔と水菜をトッピング。最後に再び、佐藤流の素材感全開ワールドに引き戻された気分。う~ん、カッコイイ。

【あまおう苺の白ワインジュレ寄せに、林檎蜜柑ジュース】
デザートも心憎い構成。先ず第一波は白ワインジュレとあまおう苺を楽しんでから、泡立ちが消えぬほど濃厚な、林檎と蜜柑の合わせジュース。口の中で転がせる果実ジュースと言うのもそうそうお目には掛かれない。絶品。

【蓮根餅に、抹茶】
次いでデザート第二派。わらび粉にれんこん粉を混ぜ合わせたわらび餅。仄かに生姜を効かせたきな粉で覆われる。れんこん粉による食感変化は、申し訳ないが良く分からぬ始末。なお、添えられた黒蜜は私には不要。黒糖の風味で全てが塗り込められてしまった。添えられる抹茶椀で口をすっきりリセットしたら、長延壮大な極上コースもいよいよ終焉となる。

【まとめ】
ここは逆立ちしても京都じゃあない。この九州の地で、これほど薄味で素材感一本槍の料理があり得るとは。これだけ極端だと、いつも二郎ばっかりバカ舌の私でも、嫌でも分かると言うものだ。コース後半からのコントラスト強弱の波状攻撃と言い、二重デザートを二枚重ねる洒落感覚も、意表を突かれる面白さ。加えてロイヤルコペンハーゲンのソーサーに有田を合わせてみたり、アンティーク風な一閑人や切子が出て来ると思えば、いきなりサンタクロース柄のお茶目な椀など、決して格式張らない、遊び心満点の器チョイスも大したものだ。なるほど、これだけの仕事をされるからこそ、ミシュラン一つ星なのだなと。食べログやってなけりゃ、まず一生お目に掛かれぬ、味わえぬ料理を、疲れる程に堪能できた。いや~食は経験。勉強ですな。

  • 焼き場備え付けのカウンター式個室

  • 香箱蟹に、酢の物

  • 香箱蟹

  • タイラギの揚げ物に、振り海鼠のおろし和え

  • 振り海鼠のおろし和え

  • すっぽん出汁の春雨

  • つい何時ものクセで・・・

  • 天然河豚刺し

  • 本河豚の二枚引き

  • 河豚刺しの薬味

  • 河豚皮

  • 焼きもの用食材の説明

  • 白子を炙り中

  • 白子の河豚出汁柚子釜

  • パツパツ白子

  • からすみ餅の炙り

  • からすみ餅断面

  • 烏賊つみれの炙り

  • 合馬椎茸の挟み焼き

  • 海老芋の衣焼き

  • ほぼ里芋

  • 下仁田葱の挟み焼き

  • 穴子の笹ずしに、千枚漬けの山葵巻き

  • 穴子の笹ずし

  • 香箱蟹ご飯

  • 海苔は炙りたて

  • 漬けもの

  • あまおう苺の白ワインジュレ寄せ

  • 林檎蜜柑ジュース

  • 蓮根餅

  • 抹茶

  • ミシェラン一つ星は伊達じゃなかった

2015/01/20 更新

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