19回
2022/12 訪問
師走の御馳走の波状口劇とレアな酒のマリアージュ…『丸新』
週末の金曜日の夜は東北新幹線に飛乗り郡山へ。そして向かった先は熊倉 誠店主兼総料理長と鈴木秀幸料理長が腕を揮われる東北屈指の割烹料亭『丸新』さんへ。店内は全席満席の中、カウンターの末席に席を取らせていただきマスターズドリームの生ビールで渇いた喉を潤し御馳走の波状口劇、師走の『熊倉劇場』の開演です。先付には今が旬の『香箱がに』と『唐墨(カラスミ)と唐墨餅(カラスミモチ)』の二品からスタート。『香箱がに』は甲羅詰(コウラヅメ)にして1パイ分の剥き身が供されるのが一般的ですが『丸新』さんのソレはどーんと3バイ分の甲箱蟹(コウバコガニ)を使った豪華版。内子(ウチコ)に外子(ソトコ)に丁寧に剥かれた脚肉(キャクニク)にほぐし身を蟹酢(カニス)ジュレとともにいただきました。更には一年間熟成させた厚切りの『唐墨(カラスミ)』と唐墨(カラスミ)を射込んだ唐墨餅(カラスミモチ)という贅沢なひと皿。目と舌を楽しませてくれる料理は続き自然の甘みが際立つ『南蛮海老(ナンバンエビ)』に濃厚な卵黄(ランオウ)ソース。料理人の腕の見せどころの椀物には『ずわいがに』100㌫の『蟹真薯(カニシンジョウ)』の椀。昆布出汁(コブダシ)に鰹出汁(カツオダシ)を下支えにした吸い地の味は京の吸い地に近く滋味優先の旨味が五臓六腑に染み渡ります。向付は変則三弾構えで先ずは五島列島産の26㌔超の天然物の『本九絵(ホンクエ)』をのっけもりスタイルで味わい次にその『本九絵(ホンクエ)』の縁側(エンガワ)の表面を炭火で炙り金時人参の摺流しとともに味わう皿と続き三弾目には『やま幸』さん仕入の青森大間産の一本釣りの天然『本鮪(ホンマグロ)』の赤身と中トロに天然の『寒鰤(カンブリ)』に『鰆(サワラ)』の焼霜造りに細やかな隠し包丁が入れられた『泥障烏賊(アオリイカ)』。八寸代わりの旬菜盛合せには茹で落花生(ラッカセイ)に大好きな『慈姑(クワイ)』チップス、螺貝(ツブガイ)の旨煮に鱗(ウロコ)をきっちり立てて焼かれた『甘鯛(アマダイ)』の若狭焼に酸漿(ホオズキ)に林檎(リンゴ)。箸休めには『豊水梨(ホウスイナシ)』と『柿(カキ)』の白和え、蒸物には銀杏(ギンナン)に蓮根餅(レンコンモチ)に百合根(ユリネ)にたっぷりの鼈甲餡(ベッコウアン)。強肴には大きな『鮑(アワビ)』の蒸し鮑(ムシアワビ)と完成度の高いベシャメルソースが秀逸な『ずわいがに』の『かにクリームコロッケ』。焼物と凌ぎを兼ねた天然物の『鰻(ウナギ)』の蒲焼の鰻小丼の後は『大和牛(ヤマトウシ)』のランプ肉の炭火焼。付合せの蕪(カブラ)に菠薐草(ホウレンソウ)、蒟蒻(コンニャク)も佳き役回りを演じておりました。締めの食事は『唐墨(カラスミ)』をこれでもかと一腹丸々削り掛けられた『唐墨(カラスミ)ごはん』に香の物に滑子(ナメコ)の赤出し(アカダシ)椀。食後の水菓子には自家製の完熟パインのドライフルーツに大納言小豆(ダイナゴンアズキ)のジェラートとふっくらほっこりと炊かれた大納言小豆。という御馳走の波状口劇の料理を大好きな会津の『飛露喜』にレア過ぎる『満寿泉』の呑み比べにドン・ペリニヨンの醸造最高責任者リシャール・ジョフロワ氏が手掛けられた幻級に超レアな『IWA 5』等の日本酒とChampagneともに存分に楽しませていただいた口福な時間を過ごさせていただきました。
2022/12/26 更新
2022/09 訪問
御馳走の波状口劇に悶絶必至…『丸新』
週末金曜日の夜は盛岡を離れ郡山へ。そして向かった先はTabelog Award Bronze賞に輝く熊倉 誠 店主兼総料理長と熊倉店主の右腕として裏方を取り仕切られる鈴木秀幸さんを筆頭にチーム丸新の方々が其々の持ち場で最高のパフォーマンスを発揮される『丸新』さんへと友人夫妻とともに寄せていただき長月のお任せ懐石料理に舌鼓を打たせていただきました。先ずはMasters Dreamの生ビールで再会を祝し乾杯。料理は北海道根室産の活毛蟹の茹でたて剥きたての『毛蟹(ケガニ)』の柑橘ジュレ掛けに口の中でトロけるフレンチならばミキュイ、イタリアンならプレコットという言葉を添えたい美味さの新物の『いくら』出汁漬に朝どれ成らぬ3時間前の夕方採りの香り高き『香り豆(カオリマメ)』からはじまった『熊倉劇場』。料理人の腕の見せどころの椀物には根室産の『毛蟹(ケガニ)』で作られた『蟹真薯(ニンジョウ)』の椀種に椀妻に『賀茂茄子(カモナス)』青みにアスパラガス、吸口に青柚皮(アオユズガワ)の椀。昆布出汁(コブダシ)と削りたての鰹(カツオ)の一番出汁(チバンダシ)の吸い地の旨味と滋味が五臓六腑に染み渡ります。そして鮮度抜群で活かった身質の『鱸(スズキ)』の薄造りにはたっぷりの鴨頭葱(ウウネギ)と花穂紫蘇(ナホジソ)で覆われシャインマスカットが添えられたテッサ仕立ての身の身皮の味と食感を愉しみ向付には食感が心地良い『墨烏賊(スミイカ)』に三陸塩竈産の天然『本鮪(ホンマグロ)』のトロ、喜知次(キチジ)とノドグロの肝(キモ)で作られた濃厚激ウマの肝ペーストの上には『金目鯛(キンメダイ)』その横には『石垣鯛(イシガキダイ)』の造り。更には厚み3㌢×直径8㌢程の超特大サイズの『帆立貝柱(ホタテカイ゙シラ)』は表面は香ばしく炙られ中はしっとりとした仕上り。自家製のブルーベリーのドライフルーツがあしらわれ胡瓜(キュウリ)のすり卸しの緑酢(ミドリス)とともに味わいます。自家製の乾貝柱(ホシカイバシラ)の滋味が味わいに効果的に深みを加えられておりました。そして五年間の刻を経て封印を解かれた自家製の5年熟成の『唐墨(カラスミ)』の飯蒸し(イイムシ)の凌ぎは途中から酢橘(スダチ)を搾り一度で二度美味しいを楽しみ酢の物代わりにはオクラの摺流しに『バフン海胆(ウニ)』と『ムラサキ海胆(ウニ)』の贅沢な味比べに舌鼓を打ち長崎県産のブランド『ノドグロ』紅瞳の焼物を鱸の油脂から造られた自家製タルタルソースと山葵とともに味わい強肴には奈良県産の『大和牛(ヤマトウシ)』のハラミの炭火焼の味に身を仰け反らせ熊倉店主が打たれた細切りの十割蕎麦(ジュウワリ)を啜り締めの食事は身厚の天然『鰻(ウナギ)』の蒲焼を味わう鰻めし。食後の水菓子には今が旬の福島の『白桃(ハトウ)』に白桃(ハクトウ)のジェラートにて締められた昨夜の口福な時間。更には帰りには明日の朝にでも食べてください。と炊きたての『栗ごはん』に『鶏の唐揚げ』のお持たせの御土産まで至れり尽せりの大サーヴィスに感謝感激雨霰。
2022/10/04 更新
2022/07 訪問
文月のお任せ懐石料理も御馳走の波状口劇…『丸新』
7月最初の週末の土曜日の夜は久しぶりに郡山へ。そして向かった先はTabelog Award にてBronze賞に輝く熊倉誠 店主兼総料理長と熊倉店主の右腕として裏方を一手に取り仕切られる鈴木秀幸さんを筆頭にチーム丸新の方々が其々の持ち場で最高のパフォーマンスを発揮される『丸新』さんへ友人夫妻とともに文月のお任せ懐石料理に舌鼓を打たせていただきました。先ずはMasters Dreamの生ビールで再会を祝し乾杯。當夜の熊倉劇場は味わい香りともに素晴らしい寄せ豆腐(ヨセドーフ)と冷製スープのハイブリッド『玉蜀黍豆富(トウモロコシドーフ)』の先付からスタートとなりました。白瓜(シロウリ)の摺流しに翡翠茄子(ヒスイナス)に北海道産の『バフン海胆(ウニ)』の冷やし鉢、蛤(ハマグリ)と見間違えた大きな貝の剥き身は超特大サイズの『北海浅蜊(ホッカイアサリ)』と浅葱(アサツキ)の煮浸し、料理人の腕の見せどころの椀物には昆布出汁(コブダシ)を下支えする鰹(カツオ)の一番出汁(イチバンダシ)の吸い地に椀種には北海道産の手ほぐしした『帆立貝柱(ホタテンイバシラ)』と『バフン海胆(ウニ)』で作られた贅沢な海胆(ウニ)の帆立真薯(ホタテシンジョウ)の椀種に椀妻には蓴菜(ジュンサイ)、青みに輪切柚子(ワギリユズ)、吸口に針柚子(ハリユズ)の椀。清らかな吸い地の滋味が五臓六腑に染み渡り向付は四段構えで前半には五島列島産の高級魚の『小豆羽太(アズキハタ)』、一昼夜塩水に晒された皮が食感の佳きアクセント。二番目には千葉県産の『もち鰹(カツオ)』と称される『鰹(カツオ)』をのっけ盛Styleで味わい三番目は『やま幸』さん仕入れの鳥取 境港産の天然『本鮪(ホンマグロ)』の赤身と中トロと舌にねっとりと絡みつく『煽烏賊(アオリイカ)』の造りを味わい最後の皿は伊豆 稲取産の脂乗りの良い旬の『金目鯛(キンメダイ)』の湯霜(ユシモ)造りを金目鯛(キンメダイ)の肝(キモ)ソースとともに味わう一品をいただいた後はコース料理の華である八寸代わりの旬菜盛合わせに太平洋の紅いダイヤモンドとも称される常磐沖の3Lサイズの肉厚うま味MAXの『吉知次(キチジ)』焼に『鮃(ヒラメ)』の木の芽焼。会津の郷土料理の『人参しりしり』をリスペクトした人参(ニンジン)と柑橘(カンキツ)の小鉢に酢取り茗荷(スドリミョウガ)、隠元胡麻和え(インゲンゴマアエ)に『大和牛(ヤマトウシ)』と新玉葱(シンタマネギ)の丑捏焼(ウシツクネヤキ)の酒を呼ぶ旬菜の数々。箸休めの酢物には鰻胡(ウナキュウ)成らぬ低温真空調理され皮目を香ばしく焼かれ口の中に入れた瞬間にホロホロとトロケゆく『穴子(アナゴ)』とシャキシャキの胡瓜(キュウリ)。そして奥会津産の蕎麦粉(ソバコ)を使い手打ちされたぶっかけStyleの冷そばを間に挟み能登産の600㌘超えの『鮑(アワビ)』の柔らかな蒸し鮑(ムシアワビ)と鮑(アワビ)の肝(キモ)と赤酢(アカズ)の舎利(シャリ)で作られた鮑(アワビ)の肝(キモ)のリゾット風の和え飯(アエメシ)に身を仰け反らせ更には干し貝柱(ホシカイバシラ)の旨味が活きた自家製のマヨネーズで和えらた『帆立貝柱(ホタテカイバシラ)』と冬瓜(トウガン)の翡翠煮(ヒスイニ)、そして鮟鱇の肝(アンコウノキモ)成らぬ『金目鯛(キンメダイ)』の肝(キモ)。強肴には新玉葱(シンタマネギ)のソースで味わう『大和牛(ヤマトウシ)』のハラミ焼ステーキ。蒸し焼の蕪(カブラ)に韮(ニラ)の付け合わせ。締めの食事は『白魚(シラウオ)』の炊込みごはん。食後の水菓子には大納言小豆(ダイナゴンアズキ)と焙じ茶(ホウジチャ)のアイスクリームとともに自家製の『白桃(ハクトウ)』のスカッシュにて締められた圧巻の熊倉劇場の御馳走の波状口劇に幾度となく身を仰け反らせた週末土曜日の夜。
2022/07/26 更新
2022/01 訪問
口福で至福な睦月の熊倉劇場…『丸新』
1月第四週の金曜日の夜は盛岡を離れ福島は郡山へ。そして向かった先は『The Tabelog Award 2022』にてBronze受賞店となった熊倉 誠 オーナー兼総料理長と鈴木秀幸料理長が腕を揮われる日本料理店『丸新』さんです。いつものカウンター席の中央部に席を取らせていただき先ずはYEBISUのプレミアムな生ビールで渇いた喉を潤し開演となった『熊倉劇場』。料理は菜花(ナバナ)と思いきやスティックブロッコリーに蕗の薹(フキノトウ)のチップス、長芋(ナガイモ)と一番出汁(イチバンダシ)の寒天(カンテン)寄せに丹波黒豆(タンバクロマメ)、柚皮(ユズガワ)、苫小牧産の『黒北寄貝(クロホッキガイ)』の湯霜(ユシモ)の煮浸し(ニビタシ)に蜜柑(ミカン)の先付(サキヅケ)三品の料理からスタート。料理人の腕の見せ所の椀物(ワンモノ)には秋田県男鹿半島産の1.2㌕の活けの『本ズワイガニ』を惜しげもなく使い作られた『蟹真薯(カニシンジョウ)』の椀種に青みは和蘭芥子(クレソン)、大根(タイコン)の短冊(タンザク)に吸口(スイクチ)に針柚子(ハリユズ)の煮物椀(ニモノワン)、更にはその『本ズワイガニ』の『爪肉(ツメニク)』と『脚肉(キャクニク)』を『蟹(カニ)みそ』と柑橘(カンキツ)ジュレとともに味わい、蟹(カニ)の味わいの余韻に浸る間もなく糸魚川産の超特大サイズの『ボタン海老(エビ)』、天草産の『鰤(ブリ)』の蜜柑卸し(ミカンオロシ)、長崎県産の『本九絵(ホンクエ)』の腹身(ハラミ)の部分を軽く湯霜(ユシモ)にして柑橘(カンキツ)ポン酢で味わい、続いて天然物の『縞鯵(シマアジ)』、豊洲市場の『やま幸』さんから直送された静岡産の天然『本鮪(ホンマグロ)』の赤身(アカミ)にトロ、飾り包丁が施された舌にねっとりと絡みつく『煽り烏賊(アオリイカ)』の造りを岩塩(ガンエン)と卸したての本山葵(ホンワサビ)、自家製のドライ柚子(ユズ)パウダーと割り醤油(ワリジョウユ)を使い分け味わい、低温調理されたふわっとろの『鮟鱇(アンコウ)の肝(キモ)』は土佐酢(トサズ)のジュレと自家製のドライパインという意表をつかれる組合せで供されるも食べて納得。コース料理の華である八寸(ハッスン)代わりの旬菜(シュンサイ)盛合せには『甘鯛(アマダイ)』の鱗焼(ウロコヤキ)に『油坊主(アブラボウズ)』の味噌柚庵(ミソユウアン)、銀杏餅(ギンナンモチ)に自家製の『唐墨(カラスミ)』に慈姑(クワイ)チップスに赤大根(アカダイコン)と林檎(リンゴ)の霙卸し(ミゾレオロシ)、蒸し物には天草産の無添加の『赤海胆(アカウニ)』に天草産の天然物の『鮑(アワビ)』を丸々一個使った鼈甲餡(ベッコウアン)がけ。更に下には『蓮根餅(レンコンモチ)』の贅沢過ぎる蒸物(ムシモノ)代わりに続いては真鱈(マダラ)の『白子(シラコ)』の『くもこ』のフリットと火入れした濃厚な玉子のTKG(タマゴカケゴハン)。強肴(シイザカナ)には熊本産黒毛和牛『黒樺牛(クロカバギュウ)』のランプの炭火焼です。付け合せには蕪(カブラ)、甘手唐辛子(アマテトウガラシ)、手作り蒟蒻(コンニャク)、堀川牛蒡(ホリカワゴボウ)を牛蒡(ゴボウ)のソースでいただき締めの食事は会津産の蕎麦粉(ソバコ)を使い熊倉店主の手により手打ちされた絶品の十割そばを『冷かけ』にて味わい更には青さ海苔(アオサノリ)香る『金目鯛(キンメダイ)』の炊込みごはんは流石にお腹に入る場所がなく水菓子のジェラートをいただき睦月の『熊倉劇場』は終演の時間を迎えたのでありました。
2022/02/01 更新
2020/09 訪問
長月の感動 熊倉劇場の御馳走の波状口劇…『粋・丸新』
久しぶりの郡山遠征、ランチは郡山で人気のイタリア料理店『Incontra Hirayama』さんにて黒毛和牛と短角牛のクロスブリード牛『短角牛』に舌鼓を打たせていただきました。そして夜は五代目店主の熊倉 誠さんと六代目となる御子息と後方支援に徹される焼方、煮方の敏腕料理人の鈴木秀幸さんが腕を揮われる『粋・丸新』さんへ郡山在住の友人夫妻とともに再訪させていただきました。席は熊倉店主が腕を揮われるいつものカウンター席へ取らせていただき先ずは『Lou Dumont Cremant de Bourgogne Blanc De Blancs』にて再会を祝し乾杯。『熊倉劇場』の開演です。料理は冬瓜(トウガン)と茄子(ナス)の揚げ浸しに胡瓜(キュウリ)の剣(ケン)、トマトのジュレに夏豆(エダマメ)のすり流しと郡山産の2種類の葡萄(ブドウ)と太くて食べ応えのある特大サイズの『富山海老(トヤマエビ)』に糸人参(イトニンジン)のフリーズドライを天盛りにした和食に軸足を置きながら洋風なエッセンスを感じさせる先付2品からスタートです。コース料理の華であり料理人の腕の見せどころでもある椀物には『松茸(マッタケ)』に夏豆(エダマメ)と椎茸(シイタケ)の真薯(シンジョウ)、吸い地は鮪節(マグロブシ)と昆布出汁(コブダシ)で松茸(マッタケ)の香味を活かす為にギリギリの按配に調えられて供されました。唐墨(カラスミ)のパウダーと岩塩(ガンエン)、山葵(ワサビ)が添えられた向付は螺貝(ツブガイ)、目一鯛(メイチダイ)、目鯛(メダイ)、喜知次(キチジ)、塩竈産の天然本鮪(テンネンホンマグロ)のトロに金目鯛(キンメダイ)の六点盛。コリコリとした食感が楽しめる螺貝(ツブガイ)に目をつぶって口に運ぶと多分、鮪(マグロ)と思うであろう稀少な目一鯛(メイチダイ)、軽く湯霜にされた釣り物の喜知次(キチジ)に塩竈産の天然本鮪(テンネンホンマグロ)の背トロは150㌕の牛肉の霜降りと見間違えるような立派なもの。並居る強豪を抑えた一品はダークホース的存在の『目鯛(メダイ)』、そして安定的な美味しさの金目鯛(キンメダイ)のオールスター級の造りを味わった後にはたっぷりのバフン海胆(ウニ)が使われた白桃(ハクトウ)とパッションフルーツの柑橘(カンキツ)ジュレ掛けて一度、口中をリセット。焼物には一本釣りの『ノドグロ』に『喜知次(キチジ)』の豪華で贅沢過ぎる脂ノリノリの焼物二点盛にモロッコ隠元(インゲン)に万願寺唐辛子(マンガンジトウガラシ)の付け合せ。ノドグロの後方には鱧の子(ハモノコ)の寄せ物と丁寧な仕事ぶりが窺える一品。自家製のドライトマトが目を引くその陰には大きな大きな蒸し『鮑(アワビ)』に乾し貝柱(カイバシラ)の煮凝り(ニコゴリ)に胡瓜(キュウリ)と『鮑(アワビ)』に乾し貝柱(ホシカイバシラ)の旨味を重ねる反則級の貝出汁(カイダシ)に思わず身を仰け反らせ香り高き青飛びの海苔(アオトビノリ)の上には郡山産の『采女牛(ウメネウシ)』のA5等級、マーブリング率No.10の極上サーロインの炭火焼にたっぷりの山葵(ワサビ)、付合せには牛蒡(ゴボウ)、オクラに胡桃(クルミ)のペーストに実山椒(ミザンショウ)のアクセントにたっぷひ削り掛けられた『サマートリュフ』と御馳走の波状口劇が続きます。穴子(アナゴ)の飯蒸し(イイムシ)に箸休めの自家製の干した海鞘(ホヤ)、そして熊倉店主渾身の外一の手打ちそばを岩塩(ガンエン)とつゆで味わい締めの食事は玉蜀黍(トウモロコシ)の炊込みごはんに削り方を変えた2種類の『サマートリュフ』に香の物に滑子(ナメコ)の味噌椀(ミソワン)、水菓子には白桃(ハクトウ)とヴァニラのジェラートにてひと通りです。もう非日常的な高級食材のオンパレードでお腹一杯、胸一杯の感無量。帰りは虎丸の坂を転げ落ちるように一気に下り郡山遠征時の定宿の『ホテル』へと帰ったのでありました。
そして翌日は定宿の『ホテル』で朝食、御土産で持たせていただいた『サマートリュフ』掛けの焼玉蜀黍(ヤキトウモロコシ)の炊込みごはんは昼にいただき前夜の余韻に浸ったのでありました。
2020/11/15 更新
2019/12 訪問
師走の御馳走に身を仰け反らせた夜…『粋・丸新』
熊倉 誠オーナー料理長と開店以来、裏方に徹されている頼れる右腕の鈴木秀幸さんが腕を揮われる郡山屈指の日本料理店『粋・丸新』さんへ友人夫妻とともに、ひと足早い年忘れの会、開催で再訪させていただきました。福島を代表する豊国酒造さんの『一歩己』の純米吟醸酒で乾杯をし口福で至福の宴の時間の幕開けです。先付の一品目には今が旬の『香箱蟹(コウバコガニ)』からスタートです。蟹(カニ)の香りに包まれつつ外子(ソトコ)、内子(ウチコ)、カニみそとともに蟹(カニ)の身を口に運ぶともう言葉になりません。雌蟹(メスガニ)の資源保護の為、漁期が決められている『香箱蟹(コウバコガニ)』は今しか味わうことの出来ぬ季節感を感じる一品です。そして二品目には朝揚げされた『真鱈(マダラ)』から取り出された新鮮この上ない、ぷりっぷりの真鱈(マダラ)の『白子(クモコ)』です。三品目は『生湯葉(ナマユバ)』と野菜の柑橘(カンキツ)ジュレ掛けで口中をリセットした後に北は北海道、南は九州・沖縄から調達された厳選素材を惜しげもなく使った正に御馳走の波動口劇がはじまったのでありました。先ずは蒸したての『梅貝(バイガイ)』を圧搾法ではなく手搾りされた上質な一番搾りの胡麻油(ゴマアブラ)で味わいます。和食の域を超えて洋食の世界へと誘われそうになるところを岩塩(ガンエン)の塩味(エンミ)が引き留めてくれます。懐石のコース料理の華であり料理人の腕の見せ所の椀物には椀種に『揚げ鱧(アゲハモ)』、椀妻に出汁(ダシ)を含ませた聖護院大根(ショウゴインダイコン)、青みに芹(セリ)、吸い口に一文字の針柚子(ハリユズ)の椀物です。『揚げ鱧(アゲハモ)』をひと口、口に含み吸い地(スイジ)をいただき、また揚げ鱧を口にして『聖護院大根(ショウゴインダイコン)』で『鱧(ハモ)』を受け止め目を閉じるとまるで祇園にTime travel(タイムトラベル)したかのような錯覚に陥ります。本枯れ節(ホンカレブシ)の一番出汁(イチバンダシ)と昆布(コブ)の旨みが絶妙な『吸い地(スイジ)』が五臓六腑(ゴゾウロップ)に染み渡り日本人に生まれて本当に良かったと思われる瞬間です。箸休めにはひと手間かけて仕込まれた『蛸(タコ)』は柔らかさの中にも蛸らしい咀嚼感(ソシャクカン)を残した食感に仕上げられています。凌ぎ代わりに供された『生唐墨(ナマカラスミ)』と『藤九郎銀杏(トウクロウギンナン)』で造られた『銀杏餅(ギンナンモチ)』、そして向付には噛み込んだ歯を押し返すような弾力の『真子鰈(マコガレイ)』に鳴門のカリスマ漁師の村さんから届けられた『沖鰡(オキボラ)』、北海道 余市で水揚げされた『天上鰤(テンジョウブリ)』の超稀少な八の身(ハチノミ)、14㌕超の『鰆(サワラ)』の焼霜(ヤキシモ)、隠し包丁(カクシボウチョウ)が無数に入れられ舌にねっとりと絡みつく『墨烏賊(スミイカ)』の五点盛。更にクリスタルの皿の中には天草牛深産の『ヤイトカツオ』=正真正銘の天然物の『スマ鰹』の大トロです。近海物の天然本鮪(テンネンホンマグロ)のソレを凌駕するウマウマ過ぎる脂分が口中に広がり忽ち(タチマチ)味蕾(ミライ)が占拠されてしまいました。こんなに美味い『スマ鰹』の大トロを口にしたのは京都の西木屋町の今は無き銘店『あと村本店』さんで10年程前に口にした以来ではないでしょうか?更にリクエストで鮨舎利(スシシャリ)を即興で合わせていただきスマ鰹のにぎり鮨を二貫で前半から後半へと料理の折り返しです。後半の焼物には鱗をきっちり立てられた『甘鯛(クジ)』の若狭焼に羅臼産の赤いダイヤ『喜知次(キチヂ)』焼の源平(ゲンペイ)の焼物に茹でた生落花生(ナマラッカセイ)、大好きな『河豚(フグ)の唐揚(カラアゲ)』更には『河豚(フグ)の白子揚げ(シラコアゲ)』を滋味深い牛蒡(ゴボウ)のすり流しとともに味わい本日のメインの皿は宮崎県産『尾崎牛(オザキギュウ)』のイチボの炭火焼です。締めの食事は『香箱蟹(コエバコガニ)の炊き込みごはん』が用意されていましたが滅多に口にすることの出来ぬ熊倉料理長のSpécialitéの『尾崎牛のスパイスカレー』をいただき福島産の国産小豆(コクサンアズキ)で造られた小豆の煮こぼしが添えられた小豆のアイスにてひと通りとなった至福で口福な熊倉劇場。今回の『粋・丸新』さんはいつの日にも増して御馳走の波動口劇に一同、終始、身体を仰け反りまくりとなった次第です。最高のおもてなしと御馳走の波動口劇に感謝申し上げます。
そして翌朝の朝食はホテルの部屋にて味が良く染み込んだ『香箱蟹の炊き込みごはん』をいただいたのでありました。
2019/12/24 更新
2019/09 訪問
東北屈指の豪華食材の波状口劇に悶絶…『粋・丸新』
東京を離れ盛岡へと向かう途中に郡山にて途中下車し『粋・丸新』さんへ開店口開けにて訪問させていただきました。席はいつものカウンター席に取らせていただき先ずはギン冷えのYEBISUビールのグラスで渇いた喉を潤します。『粋・丸新』さんの長月のお任せコース料理は『蓮根餅(レンコンモチ)』に青菜(アオナ)、『海胆(ウニ)』に『いくら』、手で揉みほぐし柔らかな食感に仕上げられた『蛸(タコ)の柔らか造り』。出逢いものの『鱧(ハモ)』の焼霜造り(ヤキシモツクリ)と『松茸(マッタケ)』に柑橘(カンキツ)はサマーフレッシュの豪華過ぎる先付三品からのスタートです。先付には『楽器正宗』の愛山✖️山田錦の純米吟醸特別限定酒を合わせいただきました。そして料理人の腕の見せどころでありコースの華である椀物には香り立つ『松茸(マッタケ)』と『毛蟹(ケガニ)』真薯(シンジョウ)の椀、『毛蟹真薯(ケガニシンジョウ)』の繋ぎには何と『雉羽太(キジハチ)』の擂り身、尚且つ『毛蟹(ケガニ)』の蟹味噌(カニミソ)が『真薯(シンジョウ)』の中に加えられており青みは地場の菠薐草(ホウレンソウ)と蔓紫(ツルムラサキ)の交配品、吸い口に青柚子(アオユズ)。京の都のソレを彷彿させる絶妙の塩梅の昆布出汁(コブダシ)の吸い地が『毛蟹真薯(ケガニシンジョウ)』の旨さを引き立てていました。『松茸(マッタケ)』と『毛蟹(ケガニ)』の旨味と香味を受け止めるのは『冩樂』の純米酒しかありません。向付は多皿構成で『螺貝(ツブデイ)』と『梅貝(バイガイ)』の二種類の貝のコリコリとした食感を愉しみ更には羅臼産の釣りものの『喜知次(キチジ)』の湯霜造り(ユシモツクリ)に常磐産の『鮃(ヒラメ)』に戸井産の『本鮪(ホンマグロ)』のトロの三点盛へと繋がれ脂の旨味に負けぬ手取川の『吉田蔵』で受け止めレアな『鍋島』純米大吟醸 山田錦で脂分を流します。更には戸井産の『本鮪(ホンマグロ)』の超稀少な『天身(テンミ)』の中落ちとともに『甲州F・O・S』のオレンヂワインとのマリアージュを愉しみ焼物には『赤鯥(ノドグロ)』の炭火焼と鱗をキッチリ立てて焼かれた『甘鯛(アマダイ)』の若狭焼(ワカサヤキ)、その陰に『胡桃(クルミ)』の真薯(シンジョウ)に豚肉の真薯と『鬼灯(ホオズキ)』、夏豆(エダマメ)、『南瓜茶巾絞り(カボチャチャキンシボリ)』が添えられた皿と続きました。脂ノリノリの『赤鯥(ノドグロ)』にシャリシャリとした皮目の小気味良い『甘鯛(アマダイ)』の食感をChampagneとともに味わい続いては立派なサイズの常磐産の700㌘超の『鮑(アワビ)』のコンフィへと続きます。この『鮑(アワビ)のコンフィ』は揚げネギの自家製フリーズドライにハネージュ桃のスライスにたっぷりの『トリュフ』が削り掛けられ大きなガラスボウルに収められて登場です。いやぁーこれは凄い。『トリュフ』の香りが鼻腔を通じて身体全体に行き渡るかの如し。もう筆舌に尽くし難い悶絶級の美味しさです。『鮑(アワビ)』の余韻に浸る間もなく続いては凌ぎ代わりの1.6㌔の『天然鰻(テンネンウナギ)』を使った『鰻(ウナギ)の小丼』という御馳走の波状口劇です。皮目はパリッと中はジュワーと最高です。更には奥会津産の『黒毛和牛』✖️『ジャージー牛』の『ジャークロ』と称されるクロスブリード牛のローストのメインの皿です。『黒毛和牛(クロゲワギュウ)』の濃密な旨味とジャージー牛のサッパリとした味わいが同時に楽しむことが出来る優れもの。これをローストと『胡瓜(キュウリ)』の千切りを挟んだ『かっぱ巻』スタイルで斬新的な食べ方で味わい締めの食事は旬の味わいの『松茸(マッタケ)』の炊込みごはんと滑子(ナメコ)の赤出汁椀(アカダシワン)、水菓子のバターナッツのアイスと焙じ茶(ホウジチャ)のジェラートにてひと通りです。本当は他にも活けの鯵を使った『鯵(アジ)フライ』や特大サイズの『車海老(クルマエビ)のフライ』等の揚げ物に熊倉店主曰く会心の出来という手打ちそばが用意されておられたようでしたが盛岡行きの最終の新幹線に乗るために揚げ物は辞退し『松茸ごはん』のみオミヤにしていただきました。東北屈指の豪華食材による御馳走の波状口劇が体感出来る口福日本料理店『粋・丸新』さん郡山にアリ。名残惜しさを感じつつ郡山駅発pm21:03➡︎仙台駅着pm21:43、仙台駅発pm21:48➡︎盛岡駅着pm22:27と新幹線を上手く乗り継いで盛岡へと無事に移動完了したのでありました。
2019/10/09 更新
2019/06 訪問
水無月の熊倉劇場は御馳走の波状口劇…『粋・丸新』
そして大宮を後にして次に目指したのは東北新幹線で約1時間の距離にある福島県郡山市です。オーナー兼料理長である熊倉 誠さんと長年、熊倉さんの右腕として熊倉さんを支えている鈴木秀幸さんが腕を揮われる『粋・丸新』さんへ久しぶりに再訪させていただきました。席はいつものカウンター席に取らせていただき郡山在住の友人夫妻と店で合流し三名のつもりでしたが馴染みさんにも店で偶然逢い四名にて定刻時間に『熊倉劇場(クマクラゲキジョウ)』の開演です。先ずはYEBISUの生ビールで乾杯をし料理は『冬瓜(トウガン)』と『豌豆豆(エンドウマメ)』に振り柚子(ユズ)に花穂を天盛にしたの目にも涼し気な皿からスタートです。更に『陸蓮根(オクラ)』のすり流しに東沢加工の『生海胆(ナマウニ)』を贅沢に使い燻油漬にされた『帆立貝柱(ホタテカイバシラ)』のほぐし身に『キャビア』で留めた硝子鉢へと繋がれ『活蛸(カツダコ)』を使い絶妙な火入れを施され適度な咀嚼感が愉しめる『蒸し蛸(タコ)』に『陸鹿尾菜(オカヒジキ)』と『唐墨(カラスミ)』を削り掛けられた前菜三皿が続き料理人の腕の見せどころでありコース料理の華でもある椀物には鰹の一番出汁を吸い地に使い椀種には皮目に焼き色を付けた『真魚鰹(マナガツオ)』椀妻のさしこみに焼茄子(ヤキナス)、青みに蓴菜(ジュンサイ)、吸い口に青柚子(アオユズ)を使った椀をいただき翡翠色の卵が目に鮮やかな甘くとろける身の『南蛮海老(ナンバンエビ)』の造りと続きます。そして白磁の皿で供された向付は日本料理というよりもフランス料理のエッセンスを感じさせる盛付がされた『鮟鱇(ウンコウ)の肝(キモ)』に『赤鯥(ノドグロ)の肝(キモ)』が添えられた『赤鯥(ノドグロ)』の炙りに『鯵(アジ)』に『メジ鮪(マグロ)』のトロに『女梶木(メカジキ)』の造りの盛込みに低温圧搾で絞られた白胡麻油を隠し味に少量使った『梅貝(バイガイ)』の造りに釣りものの『鯵(アジ)』とパッションフルーツのカルパッチョ仕立、そして鱗を立てて揚げられた『甘鯛(アマダイ)』の若狭揚げはサクサクとした食感の鱗とふんわりとした身の食感のコントラストを愉しみ会津産の『ホワイトアスパラ』の茹で汁をスープ仕立てにリメイクして贅沢にも『トリュフ』削り掛けた一品、いわき沖の650㌘超えの特大サイズの『活鮑(カツアワビ)』の煮鮑(ニアワビ)とその鮑(アワビ)の肝(キモ)を使い『海胆(ウニ)』を射込んだ贅沢過ぎる『鮑のリゾット』、『真魚鰹(マナガツオ)』の西京漬の生ハム仕立ての箸休めを挟み天然物の肉厚の『鰻(ウナギ)』の蒲焼と鰻のタレを使った焼おにぎりと鰻の蒲焼に舎利を合せた鰻のにぎり、『会津牛(アイズギュウ)』のイチボのローストに軽く火を入れた『時不知鮭(トクシラズ)』、締めの『焼玉蜀黍(ヤキトウモロコシ)ごはん』の『トリュフ』がけの食事に『メロン』のジェラートまで厳選素材を惜しげもなく使われた水無月の『熊倉劇場』は御馳走の波状口劇 全18皿の怒涛の内容。もう笑うしかありません。個々の説明は割愛させていただきますが画像から想像の翼を広げていただければ幸甚です。
2019/09/06 更新
2019/01 訪問
睦月の口福な熊倉劇場…『粋 丸新』
山形での目的を終えて再び山形新幹線つばさ号に乗り込み次の目的地である郡山へ。郡山には顔を出さなければならぬ店が数多ありますが今回は諸々の打合せがあり熊倉 誠さんが営まれる『粋 丸新』さんのいつものカウンター席へ。先ずはChampagneにて渇いた喉を潤します。料理は『長芋』の寒天寄せの先付からはじまり蒸したてホッカホカのトロける口あたりの『鮟鱇の肝』へと繋がれ此処から例によって怒涛の口福な皿の波状口劇がはじまりました。コースの華であり料理人の腕の見せどころでもある椀物には『鮑』と天然『とら河豚の白子』が使われた豪華な椀物で昆布出汁に鮪節を下支えに使われた吸い地は京都や大阪の割烹や料亭のソレに匹敵する絶妙な塩梅、椀種の『鮑』は三陸産の『エゾあわび』で丸々一個使い、尚且つ河豚の焼白子とは本当に贅沢過ぎる椀でした。更には『鮑』が再び登場です。供された鮑の柔らか煮は熊本産の『黒あわび』をまたしても一個使いです。柔らかさの中にもクニュっとした歯応えと咀嚼感が残されておりしっかりと『鮑』を食べているという印象を与えてくれる二種類の鮑の食べ比べに河豚の白子とエンジン全開での『熊倉劇場』の開演です。向付には『ヨコワ』のトロのブツ切りに『鰆』の焼霜、甘くねっとりと舌に絡みつく細やかな隠し包丁が入れられた『烏賊』にコリコリとした食感が小気味良い『ツブ貝』に『寒鰤』の腹身の五点盛に噛む程に味が広がる『蛸』の造り更には『甘鯛』の最高峰の『白川』の造りと続きます。更にはその『白川』を鱗を立てて焼いた若狭焼にし出汁とともに味わう白川の焼浸し、そして会津産の馬肉のユッケに幻の玉子に唸り締めの食事は炊きたてのちりめんぢゃこと生姜の炊き込みごはんの上に黒毛和牛の炭火焼に幻の玉子の小丼に止め椀の赤だし、更には加水率を変えて打たれた手打ちそばに岩塩と太白胡麻油で下味をつけられたそばの上に『生海胆』と千切った焼海苔に刻み葱に山葵、これを混ぜ和えて『まぜそば』としていただきました。小豆と南瓜のジェラートの水菓子にて『熊倉劇場』の口福な時間はひと通りです。
2019/03/10 更新
2018/12 訪問
熊倉劇場 師馳のお任せ料理…『粋・丸新』
郡山の人気料理店『粋 丸新』さんへ師馳のお任せ料理をいただきに友人を誘い五名で再訪させていただきました。店主であり料理長でもある熊倉 誠さんが腕を揮われる いつものカウンター席の中央部に陣取り華やかな宴の開宴です。料理はドライトマトが載せられた『梅貝(バイガイ)』の高糖度のミニトマト『アイコ』のソースからはじまり『白子豆腐(シラコトウフ)』に『海胆(ウニ)』を天盛りにした先付二品から凌ぎにはたっぷりの『いくら』が使われた『いくら小丼』、椀物には『鮪節(マグロブシ)』と『昆布(コブ)』出汁で引かれた吸い地に飾り包丁が施された『蕪(カブラ)』と『百年草(ヒャクネンソウ)』の椀、次いで供された御手塩皿には『生海胆(ナマウニ)』につぶ貝と貝出汁のジュレ掛け、向付は多皿構成で前半にはボタン海老の原種の『トヤマ海老』に今、話題の『シロカワカジキ』に『メジ鮪』のトロ、『平鱸(ヒラスズキ)』、『つぶ貝』に『白烏賊(シロイカ)』を岩塩と山葵、仕上げに削りかけられた『唐墨(カラスミ)』と割り醤油で味比べをした後に白眉の一本釣りの『喜知次(キチジ)』をレアな湯霜造りにした物が載せられた淡雪の如く口の中で蕩け行く『鮟鱇(アンコウ)の肝(キモ)』。アクセントに落とされた黒七味の妙味のひと皿に脂のりが秀逸な『ノドグロの飯蒸し』、一見、茹で蛸に見えますが口に入れた瞬間に誰しもが驚かれるであろう食感の再構築が計られた『蛸(タコ)の柔らか煮』、油物に供された『河豚(フグ)の白子』のフリットの美味しさに思わず身体を仰け反らせ その余韻に浸る間も無く福島県産『黒毛和牛』の稀少部位の通称カブリの部位の炭火焼、締めの食事は『シロカワカジキ』の炙り焼の小丼に蕎麦の香りが鼻腔に抜けてゆくみずみずしい手打ちそば、焙じ茶のアイスの水菓子、更には明日の朝の朝食にとわざわざ炊いて全員にお持たせで持ち帰りさせていただいた『鱧(ハモ)の炊き込みご飯』まで怒涛の全十八皿の料理の数々で満たされた郡山の夜。余りにも楽しかったのでいつにも増して酒量も進みふと気が付けば四時間余の宴。楽しい時間はあっという間に過ぎ去るもの。翌朝は熱めのシャワーを浴びて昨夜お持たせでいただいた『鱧(ハモ)の炊き込みご飯』を朝餉にいただき帰省の途に着くこととなった郡山での楽しい師馳の想い出。
2019/01/14 更新
2018/10 訪問
神無月のお任せ口福料理…『粋・丸新』
山形を代表するフレンチレストラン『Pas Mal』さんを後にして山形駅へ。東京行きの上りの山形新幹線『つばさ号』に乗込み次の目的地である郡山を目指します。米沢、福島を経由し6つ目の駅、郡山で下車し西口へ。山形から郡山までは凡そ130㌔の道のりを新幹線で約1時間30分かけての到着です。先ずは定宿である『郡山ビューホテルアネックス』にチェックインを済ませ部屋で一時間程、時間調整。ホテルから向かった先は郡山と言えば絶対に外すことの出来ぬ店『粋 丸新』さんです。オーナーであり料理長である熊倉 誠さんを筆頭に銀座の割烹での修行時代から熊倉料理長の右腕として支え続けられている鈴木秀幸さんとチーム丸新のスタッフの方々に温かく出迎えていただきいつものカウンター席へ。先ずは一般人では入手することの出来ぬ『Rococo Tokyo White 』の白ビールからスタートです。料理は千葉八街の茹で落花生に上質な海苔で巻かれた熱々の『銀杏餅(ギンナンモチ)』から。凌ぎで供された『蒸し鮑(ムシアワビ)』の飯蒸しの『いくら』掛けに使われていた『鮑(アワビ)』の見事なこと。そして料理人の腕の見せ所でありコースの華である椀物には『松茸(マッタケ)』を惜しげもなく使い三日月形の玉子豆腐の差込みにズッキーニの青みに吸い口に青柚子の椀。向付は怒濤の少量多皿構成で昆布締めにした『秋刀魚(サンマ)』の炙りに『唐墨(カラスミ)』を削り掛けた『甘海老(アマエビ)』、軽く火を通した『螺貝(ツブガイ)』は手絞りの白胡麻油と塩で味わい大きな肉厚の『鮃(ヒラメ)』の縁側(エンガワ)の炙り、そして『鮃(ヒラメ)』、『新烏賊(シンイカ)』、『鰤(ブリ)』、『稚鰤(ワラサ)』、『バチ鮪』の中トロにそれを凌駕する白眉の美味しさだった『戻り鰹(モドリガツオ)』の腹身に『鱸(スズキ)』の七点盛。焼物も多皿構成で最初に『金目鯛(キンメダイ)』と『鰤(ブリ)』の腹須の炭火焼。焼魚の台となっていた『帆立真薯(ホタテシンジョウ)』が射込まれた『玉蜀黍(トウモロコシ)』がこれまた美味。そしてspécialitéの『毛蟹(ケガニ)』の甲羅盛の蟹味噌焼(カニミソヤキ)、更に天然物の『鰻(ウナギ)』のつけ焼に『焼松茸(ヤキマッタケ)』と続き最後に『黒毛和牛(クロゲワギュウ)』の上ハラミの炭火焼。いやもうこれは『美食の暴力事件』と言って笑うしかありません。口直しの柑橘(カンキツ)ジュレを間に挟み締めの食事は『松茸(マッタケ)』に天然物の『舞茸(マイタケ)』、『和栗(ワグリ)』に『銀杏(ギンナン)』の炊き込みご飯。滑子(ナメコ)の赤だし椀に香の物、水菓子は『和胡桃豆腐(ワクルミドウフ)』に『焙じ茶のアイスクリーム』。料理に合わせていただいた日本酒は『田村』、『廣戸川』に『飛露喜』の純米吟醸に純米酒の『飛露喜』、『BOURGOGNE PINOTNOIR 2011』、『Château beaumont Haut-Medoc』。四時間超の郡山での口福の夜を過ごさせていただき感謝です。
2018/11/16 更新
2018/07 訪問
御馳走の波状口撃にもうメロメロ…『粋・丸新』
郡山の夜を語る上に措いて『粋・丸新』さんを抜きにして語ることは出来ません。當日の福島県の日中の最高気温は37℃と自分の体温を上回る酷暑。全八席のカウンター席のいつもの席に陣取り先ずは冷え冷えのヱビスの生ビールで駆けつけの一杯で友人達との再会を祝し乾杯。料理は地場 郡山産の初物のトウモロコシから作られた『玉蜀黍豆腐(トウモロコシトウフ)』。玉蜀黍(トウモロコシ)のすり流しを玉蜀黍の持つ澱粉質(コーンスターチ)で固め焼玉蜀黍(ヤキトウモロコシ)の粒で香りと食感のアクセント付。仕上げに福島県産の手搾りの黒胡麻油(クロゴマアブラ)の一滴。トウモロコシの甘みとコクが実に素晴らしく、もうこの料理にはchampagneを合わせるしかありません。宮崎産のパッションフルーツをくり抜き中には初物の地場ものの『夏豆(エダマメ)』と釣り『鯵(アジ)』を軽く酢洗いしイチゴのジュレで留めた一品。目に涼しげで口元に涼を運んでくれました。料理人の腕の見せどころでありコースの華である椀物には椀種には愛媛産の梅雨鱧(ツユハモ)で牡丹(ボタン)の花を模した『ボタン鱧(ハモ)』、椀妻に油通しした賀茂茄子(カモナス)、鱧(ハモ)は梅肉で留め吸口に青柚皮。椀種を引き立てる吸い地の出過ぎぬ絶妙な塩梅の素晴らしさは見事。箸休めに供された『活蛸(カツタコ)』の柔らか煮は何と手で揉んでここまで柔らかくされたのだとか?『甘海老(アマエビ)』の造りには焼いた海老味噌(エビミソ)の香ばしいアクセント。造りの盛込みには『北海ツブ貝』、『スジアラ』、『槍烏賊(ヤリイカ)』そして八丈島沖で水揚げされた148㌕の夏の『本鮪(ホンマグロ)』は食べ頃まで寝かせ仕上げられたもので甘めの霙卸(ミゾレオロシ)と卸したての本山葵(ホンワサビ)、芽ねぎでサッパリと味わい焼物へと繋がれます。鱗(ウロコ)をキッチリと立てられた『甘鯛(グヂ)』の若狭焼(ワカサヤキ)に上品な脂が口の中に広がる『トキシラズ』。蚕豆(ソラマメ)に三度豆(インゲン)に甘酢漬の茗荷(ミョウガ)。そして相馬沖の540㌘アップの立派な鮑(アワビ)を使った『煮あわび』は鮑が寝てる間に絶妙な火入れで仕上げられたもの。鮑の断面を見れば一目瞭然ですが見事な鮑の繊維の断層。今まで全国各地で色々な店で色々な鮑料理を口にしてきましたが微かな咀嚼感のニュアンスと香り高きこの煮あわびは人生の中で10本の指に入る極上級の『煮あわび』でした。更に『海胆(ウニ)』と山芋の白扇(ハクセン)揚げに煮あわびの下には酢メシと海胆(ウニ)を混ぜた和風リゾット風のUNI-GOHANともう笑いが止まりません。圧巻は天然物の『活鰻(カツマン)』を使った『照寿司』さんの『鰻(ウナギ)バーガー』を凌駕する焼いた『鰻(ウナギ)』と鰻のタレを染み込ませた焼おにぎりにパリッパリの有明産の海苔(ノリ)で包み作られた『鰻巻(ウマキ)』は圧巻でした。更に滋味優先の『鰊(ニシン)』を炊いたもの、揚げたて熱々で甘い玉蜀黍(トウモロコシ)の天ぷら、三度豆(インゲン)のお浸しの口直しを経て日本料理の技の粋を集結して仕上げられた神戸牛(コウベビーフ)、松阪牛(マツザカウシ)、近江牛(オウミギュウ)とともに日本が世界に誇る国産四大和牛のひとつである『米沢牛(ヨネザワギュウ)』の上サガリ。口の中でサクッサクッと小気味良く切れる歯切れの良さに旨味を肉の中に留め凝縮された肉の旨味は悶絶級の一皿で洋食の肉を焼く火入れの技とはまた違う日本料理の凡ゆる技を駆使した集大成の火入れ。あしらいの牛蒡(ゴボウ)の素揚げに『トリュフ』での香りづけ、もう言葉になりません。本来はこの後に締めの食事となりますが既に時計の針は日付変更線と重なっておりspécialitéの『サマートリュフごはん』はオミヤにしていただき青じそのジェラートで口直しをして葉月(7ガツ)の『熊倉劇場』はひと通りです。料理に合わせてワインと日本酒のペアリング、熊倉料理長を筆頭に『チーム丸新』の方々の最高のおもてなし。これぞ『口福』という言葉が相応しい至極の時間。郡山での至福な時間を満喫させていただき感謝。
2018/08/05 更新
2018/03 訪問
厳選素材の波状口劇の素晴らしさ…『粋・丸新』
郡山と言ったら絶対に此処『粋・丸新』さんを外すことは出来ません。日本全国、北は北海道、南は九州の産地から調達される厳選素材はいづれも上質のものばかりです。御託を並べるよりも論より証拠。画像を見ていただければ、その悶絶級の美味しさをきっと御判りいただけるのではないでしょうか?弥生三月のお任せコースの料理の内容は蚕豆(ソラマメ)に菜花(ナバナ)、三つ葉に白魚(シロウオ)の柑橘ジュレに自家製の『唐墨(カラスミ)』を削り掛けた先付からはじまりコースの華であり料理人の腕のみせどころである椀物には椀種には『鮑(アワビ)』を使い椀妻には早春の味わいの『筍(タケノコ)』、筍の上に針茗荷(ハリミョウガ)、青みに『菜花(ナバナ)』、吸口に木の芽の贅沢過ぎる煮物椀です。主役の『鮑(アワビ)』はとても柔らかく仕上げられているものの鮑(アワビ)であるということを決して忘れさせぬように微かな咀嚼感が意図的に残されている辺りは流石のひと言です。向付には『鮃(ヒラメ)』、同 縁側(エンガワ)、『ボタン海老』、『羽太(ハタ)』、『螺貝(ツブガイ)』の盛込み、そして蒸したてほわほわの『鮟鱇(アンコウ)の肝(キモ)』と雪中浅葱(セッチュウアサツキ)炊合せ、八寸には『鯛の子(タイノコ)』に鱗をきっちりと立て焼かれた『甘鯛(グジ)』の若狭焼(ワカサヤキ)に『会津地鶏(アイヅジドリ)』の焼物に『蛍烏賊(ホタルイカ)』の黄身酢がけ、焼物は多皿構成で天然『トラ河豚(フグ)の白子焼』に悶絶した後は和のテイストから洋風テイストへ。会津産の極太の『ホワイトアスパラ焼』には千切り人参の素揚げに特製の『海胆(ウニ)』のソース。フランス料理であればホワイトアスパラには『オランデーズソース』がテッパンですが『海胆(ウニ)のソース』を合せるとは熊倉料理長の柔軟な発想に感服します。更に油物の『牡蠣(カキ)』のフライに焼物の『黒毛和牛』の炭火焼に会津産の『立川牛蒡(タテカワゴボウ)』を使ったたたき牛蒡に牛蒡のピュレが添えられた皿に新玉ねぎの素揚げの皿が供され洋のテイストにどっぷりと傾斜しかけた料理を再び『筍(タケノコ)』と『若芽(ワカメ)』の『若筍煮(ワカタケニ)』の炊合せで軸足を和のテイストに戻し蒸し物の『玉〆(タマジメ)』は桜花漬(オウカヅケ)で留めひと足早い桜の季節の到来を料理を通して愉しませてくれました。締めの食事は本来は手打ち蕎麦を考えられていたようですが突如、予定を変更して炙った『ノドグロ』の小丼になめこの味噌汁、食後の水菓子にはビーツのジェラートで熊倉料理長の弥生三月のお任せコース料理はひと通りです。画像をご覧になっていただき如何でしたでしょうか?目は口ほどにモノを言うのではないでしょうか?日本料理の王道の技にイタリアン、フレンチの技法をも駆使して作られる御馳走の波状口劇に幾度となく身を仰け反らせた郡山の夜。エントランスに飾られた見事な『桃の花』に圧倒されつつも東北の春の訪れも、もうすぐと感じていたのは決して自分だけではないことでしょう。
2018/07/11 更新
2017/11 訪問
人気店の昼餉は席待ちの行列必至…『粋・丸新』
郡山を代表する人気料理店『粋・丸新』さん。夜の部へは幾度となく足を運ばせていただいておりますが昼の訪問は今回が初めてです。開店時間に合せ宿泊先のホテルから店に向かったところ開店前にも関わらず既に席待ちの行列が出来ており吃驚。自分の後からも続々と押し寄せる大勢の客の波。噂には聞いておりましたが聞きしに勝る人気の高さ。何とか一巡目で席に着くことが出来ましたが個人的には軽く昼酒などをやりながら丼ものでも。などと考えておりましたがそんな状況では無いことは店内を見渡せば直ぐに判ります。昼餉に供されているメニューも実に豊富で十数種類と豊富。全国各地から取り寄せられた鮮魚類を使った刺身定食や焼魚定食、煮魚定食、海鮮丼にハンバーグにいかミンチにフライや揚物の定食等、和食の枠に留まらぬ幅の広さにも驚かされます。中心価格帯は千三百八十円程ですので決して安い値段の定食という訳ではないのにこの人混みは供される定食のクオリティの高さを物語っているようです。一体何を戴くべきか?余りにも種類が多過ぎて悩みに悩み抜きウケ狙いで此処は『丸新 ハンバーグ』≒『マルシン ハンバーク』とも一瞬考えましたが店主の熊倉さんのアドバイスを得て『海鮮丼』をいただくこととなりました。程無くして供された『海鮮丼』、内容はその日によって変わるようですので此処に書き記しても参考にならないとは思いますが『放血神経締め』の『スジアラ』をはじめとして『寒鰆』や『金目鯛』に『つぶ貝』に『海胆』等が丼一面を覆い尽くすように盛り込まれており感激です。開店前からの行列も納得ものです。副菜の小鉢や汁物、香の物に至るまで一切の手抜かりの無い素晴らしい『海鮮丼』美味しくいただきました。余程、呑みたそうな顔をしてたのでしょうか?ひと段落した頃合いで日本酒『泉川』が自家製の『唐墨』とともに供されました。いやぁ幸せですね。定食で人気のある『いかミンチ』までいただき御馳走様でした。夜も魅力あふれる『粋・丸新』さんですが昼もまた魅力的です。いつの日か『丸新』さんの『ハンバーグ』定食を味わってみたいと思います。
2017/12/29 更新
2017/09 訪問
日本中の山海の厳選素材で口福な夜…『粋・丸新』
郡山いや福島県を代表する料理店『粋・丸新』さんへ先週の興奮が未だ冷めやらぬ内に再訪させていただきました。日本中から届けられる山海の厳選素材の数々、二週連続での訪問となりましたが熊倉料理長が主演を務められる『丸新劇場』は前週同様に素晴らしい料理でのおもてなし。全8席のカウンター席の中、2/3の5席にはFacebookやリアルな世界での友人知人。和気藹々の雰囲気の中、五時間にも及んだ口福な時間。個々の料理の説明は割愛させていただきますが総ての料理には美味しく食べさせる為の丁寧な仕込みと時間を掛けられての調理が施されていました。供された厳選素材は富山湾産の旬の『白海老』、北海道産の『新いくら』、香り高き『松茸』、天草産の『牡蠣』、『トヤマエビ』=富山湾産の活ボタン海老、三陸産の赤いダイヤとも称される『喜知次』、戸井産の天然『本鮪』と遠洋モノの『ミナミ鮪』、放血神経締めの『スジアラ』、常磐沖産の850㌘超の『黒あわび』、『ぐじ(甘鯛)』、築地市場で最も高値のつく東沢水産の『海胆』、茨城沖1.5㌕の『天然うなぎ』、牛肉と言ったら『松坂牛』、そのシンシンとイチボ。最高の食材とともにバックナンバーの『赤ワイン』、福島の地酒の『飛露喜』、『冩樂』、『穏』に石川県の『五凛』に山形の『十四代』。もうこれは笑うしかありませんでした。どれだけの料理が供されたかは画像をご覧いただき想像していただければ幸甚です。目は口ほどに物を言う。画像は文字列以上に鮮明なイメージを齎してくれることかと。熊倉料理長&『チーム丸新』の皆々様、今回も御馳走様でした。そして大変お世話になり有難うございました。
2017/10/19 更新
2017/09 訪問
郡山の夜を語るのに當店は外せません…『粋・丸新』
郡山と言ったらもはや此処『粋・丸新』さんを抜きに語ることは出来ません。いつもの通りカウンター席にて和気藹々の雰囲気の中、全国各地より独自に集められた厳選素材を使い作られる熊倉料理長の渾身の皿の数々に昨夜も身を悶えさせたのでありました。しかし昨夜の『粋・丸新』さんは凄過ぎでした。先付には富山湾産の稀少な『トヤマエビ』に地場産の甘みの強い茶豆のすり流しと旨味を凝縮したジュレを合せた涼しげな一品から。そして此処からが怒濤の旬菜のオンパレード。宮城県産の『焼松茸』、椀物代わりの『松茸の土瓶蒸し』種物には主役の『松茸』と出逢いものの『鱧』。松茸の香味が鼻腔を強く刺激。向付は二段構えで前半には太平洋の海のダイヤとも称される釣りの『喜知次』の皮目を軽く湯引きし肝と共に味わう一皿、後半には超特大サイズの釣り物の『鮃』に戸井産の『本鮪』のトロ、脂のりが良く旨味の強い『笛鯛』に徳島のカリスマ漁師 村さんの『鰆』にコリコリ感が楽しい『つぶ貝』の造り。八寸も多皿構成で『喜知次』の焼物に葡萄と梨の白和え、粟麩の田楽に万願寺唐辛子、『サマートリュフ』で覆われた皿には会津産の『馬肉』のタルタル、絶品の肝ソースで味わう800㌘アップの常磐産の『煮あわび』には敢えて柔らかさの中にも咀嚼感を楽しめる食感を残し。天然ものの『鰻の蒲焼』は焼リゾットと合わせ自前にて今や日本中から熱い注目を浴びる北九州の『照寿司』さん風の『鰻バーガー』に。添えられた青汁ペーストが佳き役回りを演じています。焼物には国産の『黒毛和牛』のハラミを二種類の異なる火入れにて。一方は厚みを持たせた肉片を牛タン焼のような食感に仕上げ、もう一方はミディアムレアの極上ステーキの如し。添えられた舞茸焼と韮も重要な役割を果たしていました。揚物の『玉蜀黍』の天ぷらと続き締めの食事は土鍋で炊かれた鼻腔を擽ぐる『松茸ごはん』に香の物と赤だし椀、水菓子にマスクメロンのジェラートを戴き熊倉料理長の渾身のSpecial版お任せ料理はひと通りです。日本料理をベースにイタリア料理のニュアンスを加えた皿の数々に合わせ泡に、ワイン、日本酒と堪能させていただいた五時間余りの最高に口福な時間、『チーム丸新』さんの面々に見送くられホテルへ戻ったのは既に日付変更線を過ぎていたのは内緒です。
2017/09/29 更新
2017/02 訪問
絶品の酒肴の波状口劇に悶絶した夜 …『粋・丸新』
郡山と言えば自分にとって絶対に外すことが出来ぬ店があります。その店の名は『粋・丸新』さん。料亭を思わせるような外観と本格的な割烹料理から庶民の味まで幅広い料理の知見に長けたオーナー兼料理長である『熊倉 誠』氏が腕を揮われるとても魅力的な店であり郡山に一泊延泊をしてでも是非とも立ち寄って行きたい素晴らしい店なのです。そう思わせる理由は色々とありますが他店ではなかなか此処までの超尿酸チックな酒肴の波状口劇を体験することは出来ないと思います。自分が知る限りでは曙橋の『はらまさ』さん以外には先ず頭に思い浮かびません。いつもの通りカウンターの中央部の席に腰を下ろさせていただき久しぶりの『熊倉劇場』を愉しませていただきました。席に着いた後は御釈迦様の掌の上に乗せられた状態で次々に供される料理と日本酒を味わうという至極、贅沢なひと時を約半年ぶりに体感させていただきました。當日の前菜は『天然とら河豚の白子』を贅沢に使った白子豆腐の『バフン海胆』添えからのスタート。続いて外皮だけではなく中の身の部分まで紅い大根の『紅くるり』に自家製の『唐墨』に焼いた『ばちこ』と酒を呼ぶ酒肴が続きます。コースの華である椀物は『ずわい蟹』をふんだんに使った『蟹真薯』の椀種にハシリの『筍』のつまに春の訪れを感じさせる『菜花』の青み、吸い口に柚皮という構成で要である『吸い地』の仕上がりは作りたての一番出汁ならではの味わい。椀物の余韻に浸るのも束の間、再び御馳走の怒涛の波状口劇がここからはじまるのでした。向付は二段構えで前半には『甘鯛』の造り後半には『針烏賊』に氷見の『鰤トロ』に『シビのトロ』に『のどぐろの炙り』の盛込み、のどぐろは舌にねっとりと絡みつくブランドものの『紅瞳』。本当に美味しいものを少しづつ最高の贅沢です。続いて供された小鉢の中には剥きたての活けの『コッペ蟹』の脚肉と『内子』、『外子』、『かにみそ』を和えたもの。茹でたての『鮟鱇の肝』に揚げたての『鮟鱇の竜田揚げ』と続き『鯛の子』を炊いたものが供され小休止。八寸には『ぐじ(甘鯛)の若狭焼』に金時人参に堀川牛蒡、百合根に松風焼に田楽に酢漬け茗荷、波状口劇はまだまだ続き『河豚の白子焼』に『黒アワビの柔らか煮』、『黒毛和牛の炭火焼』に『牡蠣フライ』と容赦なく攻め続けられます。そして〆の食事には『spécialité』の悶絶級の『ノドグロ炙り小丼』。もう笑うしか手立てはありません。箸休め的に『甘海老の酒粕漬』や端材の『真魚鰹の焼物』や『人参』のチリチリ揚げや『鶏の唐揚げ』などが料理の合間合間に供され絶妙な緩急と抑揚をつけられつつも口撃の手を緩められることはなく今こうして改めて画像を見て思い返しただけでも垂涎モノです。口福感で満たされる幸せ。小豆と黄な粉で作られたジェラートの盛合せで火照った身体をクールダウンさせそろそろ御開きの時間。料理に合わせていただいた日本酒は『田村』、『新政』そして『満寿泉』波状的な御馳走口撃を受け幾度となく悶絶し身体を仰け反らせた超尿酸チックな綿雪が舞散る郡山の夜。次回の再訪が待ち遠しく感じる『粋・丸新』さん最高にゴキゲンな郡山の夜を代表される一軒です。
2017/05/24 更新
2016/06 訪問
続編 絶品の酒肴の波状口劇に悶絶した夜 …『粋・丸新』
約半年ぶりの『粋・丸新』さん。衣替えと夏服を取りに戻る間に郡山駅で途中下車し立ち寄らせていただきました。今回は一人での訪問でしたが店主兼料理長である熊倉氏のご配慮でカウンターの中央部の席に腰を下ろさせていただきました。當日も大入り満員の上、カウンター席も自分の分の席だけがぽっかりと空けられていただけで端から端まで鈴なりのお客さんで賑わっている中での後発スタート。前回の手厚いもてなしに感銘を受けての再訪ですが今回は料理の量を少し加減していただくことにして全て料理長に一任です。後は御釈迦様の掌の上に乗せられた状態で供される料理と日本酒を味わうという至極贅沢なひと時。地元のモデル並みの美男美女のステキな御夫婦をご紹介いただき奥様を挟んで差しつ差されつ和気藹々の楽しい三時間余の宴を満喫させていただきました。供された料理は程良い酸味が食欲を誘う季節の野菜の柑橘ジュレ掛けからはじまり、愛媛県産の活鱧を割き作られた『ぼたん鱧』の椀物、出汁をしっかりと引き作られた『吸い地』の仕上がりは見事、作り立ての一番だしならではの味わいに酔いしれる間も束の間、前回同様に御馳走の怒涛の波状口劇がここからはじまりまるのですが今回は洋食のエッセンスを取り入れ緩急と抑揚を巧みにつけられ供されましたので最後まで食べ疲れることもなく気がつくと前回より食べた皿数は多いのでは?と思った次第。吸物の後の皿は凌ぎ代わりの『生海胆』と『煮えばな』のごはんで作られた和製の『海胆のリゾット』です。おろしたての本山葵と目の前で千切られたもみ海苔がなければ完全にイタメシと見間違うかと。米は煮えばなが最も美味しいと言われますがそのごはんに贅沢にも生海胆を合わせた一品、考えただけでも垂涎ものです。口福感で満たされる幸せ。『造り』は二段構えで前半が長崎県産の『のどぐろ』と宮城県産の『活鮃』の二点盛、後半が北海道産の『甘海老』に濃厚な特製海老みそを合わせたものです。のどぐろは、ねっとりと舌に絡みつくブランドものの『紅瞳』で活かった身の『鮃』との食感のコントラストが妙味、ぷるんと弾けそうな海老と濃厚な味噌の味の美味しさに思わず身体が仰け反ります。造りの流れで塩竃産の『本鮪』の中トロに近い部位を舎利とたっぷりの山葵とともに。赤身の鉄味と上品な脂の味が同時に味わえるもので次の皿は静岡県産3.6㌕の超特大サイズの『金目鯛』の真子と白子を炊いたものと宮城県産3.9㌕の活『鮃』の白子の造り。原了郭の黒七味が良きアクセント。河豚の白子ほど濃厚ではないものの『金目鯛』も『鮃』の白子も酒を呼ぶ酒肴です。焼物は徳島県産の友釣りの『天然鮎』と茶豆の後ろには先の超特大サイズの『金目鯛』の焼物、鮎は蓼酢とともに金目鯛は身に弾力があり旨味が強く美味。しかし此処からが本番で無類の『あわび』好きであることをお見通しの料理長、三陸産の『鮑』を天ぷらに独活とともに。薄衣を纏わされた鮑は絶妙な火入れ加減で噛み締めるとクニュッとした鮑特有の食感が愉しめ独活のオトナの味が全体を引き締めます。そして今宵の『spécialité』の食材は立派な大きさの『天然物の活鰻』です。備長炭で時間を掛けて焼き上げられたその身は皮目はパリッと身はみっちり。土用丑の日には未だひと月程早い時期でしたが久々の天然鰻に感謝です。唐墨を摘まみ酒盃を傾け差しつ差されつを繰り返し〆の『手打ちそば』が供されることには絶好調、小豆と黄な粉で作られたジェラートの盛合せで火照った身体をクールダウンさせそろそろ御開きの時間。料理に合わせていただいた日本酒は『会津中将』、『あぶくま』そして小布施ワイナリーの『Sogga pere et fils』 6号酵母と7号酵母の呑み比べ、〆は『寶劔』。帰りしな明日の朝、新幹線の中で食べてってくださいと『特製弁當』までおもたせくださり感謝感激雨霰。前回にも増して尿酸チックな酒肴と料理で御もてなしいただき深謝。
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2016/01のレビュー
郡山と言えば真っ先に駅前に店を構えられる鮨割烹の看板を掲げられる『魚紋』さんと駅から離れたロケーションながら旬の味を愉しませてくれる隠れ家的料亭の『らん亭』さんを思い浮かべますが今回はFacebookに日々垂涎ものの厳選素材をアップされている『粋・丸新』さんへ福島で大変お世話になっている素敵な御夫妻と三名で寄せていただきました。店は住宅街の中にひっそりと佇むように構えられており、その門構えはまるで京都か金沢の料亭の趣。暖簾をくぐると入口のエントランスには見事な花器。ずいぶんと立派なアプローチと感心されられつつ足を先に進めるとホテルのダイニングレストランを思わせるような明るい光景が目に飛び込みまたまた驚き。広い店内に置かれたテーブル席は全席満席。予約名を告げると"お待ちしておりました。こちらへどうぞ"とカウンター席へと通していただきました。広いカウンター席はやはりホテルの日本料理店を彷彿させる作りで奥手には天ぷらカウンターらしき席も設けられていた。メニューに目を向けると何種類かの価格帯別のコース料理に単品のアラカルトも豊富に揃えられており何を頼んだら良いか迷うこと迷うこと。迷った時は店主にお任せするのが原理原則。ということで供された料理は全て料理長の『熊倉 誠』さんの掌に身を委ねることでスタート。料理は『菜花』等の早春を告げる六種の山菜の柑橘ジュレ掛けの皿からスタート。それに合わせ大好きな『飛露喜』の無濾過特別純米酒を所望しゆるゆると宴のはじまり。次いで供された料理は蓋付きの椀物。蓋を開けると中には見事な『黒あわび』が鎮座。丁寧な隠し包丁と飾り包丁が入れられた鮑は二つに切り割れられていたものの丸ごと一個使いの超豪華版。鮑の下には真薯、張られた吸い地は清汁。鮑は柔らかく炊かれつつも絶妙なクニュっとした食感を残しつつ。実に素晴らしい。そして造りは軽く薫香を加えた『鯖』と細かな隠し包丁が入れられた『煽り烏賊』の二点盛。『鯖』の厚みは咀嚼感と美味しさとの相関関係を考えられての厚み。一方の『煽り烏賊』は細かな隠し包丁で食感を変えることにより旨味が倍増。続いて供された料理は煮もの椀と吸物の両方を兼ね備えた『つぶ貝』の潮汁仕立て。最初の鮑の椀物とは比較対象させるかのように敢えて螺貝の食感を楽しませるように確信犯的に考えられており感銘を受ける。続きの器の上には見事な厚みの『金目鯛』の炙りと『肝』、そしてたっぷりの卸したての本山葵。半端なく脂の乗った金目鯛は皮目を炙られることで更に旨味がアップ。こんなにも金目鯛が美味しいと思ったことは最近では記憶にない。余韻を楽しんでいる間に供された料理が『あわびのステーキ』にたっぷりの肝ソースと山葵。この御馳走の波状口劇に耐えられるかとばかりに攻め立てる料理長。次の皿は再び造りで『天然インド鮪』の生のトロに『寒鰤』のブリトロの二点盛。入れられた包丁の目は舌への接地面積を考えてのこと。味蕾に届きまくる脂の旨み。ひと呼吸措き酒杯をゆっくり傾けていると次の料理は『甘海老』と自家製の『海老みそ』の組合せ。甘みの強い正真正銘の甘海老に濃厚な海老みそ。味の相乗効果は頭では計算できず。美味すぎて美味すぎて。『セロリ』の酢漬けが供されホッとしている一行をまるで嘲笑うかのようにここからが"超尿酸チック"な皿で攻められまくります。先ずは『河豚の白子焼と海胆』の小丼、後半には『河豚の白子焼』と『生からすみ』。時々、美味しいものを求め小旅に出掛けますがこんなにも上質な高級食材を惜しげもなく使い楽しませてくれた店は記憶にありません。流石の自分と友人の奥様は10皿でストップをお願い致しましたがハンドルキーパー役を買ってくれた旦那様へは上記の料理に肉料理や焼魚等、全13皿の料理が供されたとのこと。翌日は真っすぐに歩くことが出来ぬのではと思う程、絶品の酒肴の波状口劇に悶絶した夜。
2016/11/11 更新
週末の金曜日の夜は東北新幹線に飛乗り郡山へ。そして向かった先は熊倉 誠店主兼総料理長と鈴木秀幸料理長が腕を揮われるTabelog日本料理部門の百名店にも名を連ねられる東北屈指の割烹料亭『丸新』さんへ。店内は三十数名の団体さんの宴席の他に個人利用の先客数組で全席満席の中、カウンターの末席に席を取らせていただきマスターズドリームの生ビールで渇いた喉を潤します。郡山の友人夫妻と合流し『Lou Dumont Crémant de Bourgogne Blanc de Blancs Brut』にて半年ぶりの再会を祝し乾杯後に御馳走の波状口劇、水無月の『熊倉劇場』の開演です。料理は碓井豌豆(ウスイエンドウ)の摺り流しにたっぷりの『赤海胆(アカウニ)』と朝採りの裏磐梯産の『蓴菜(ジュンサイ)』にすり卸したオクラの酢の物の先付二品からスタート。そして旬の夏牡蠣(ナツガキ)では無く超稀少な濃厚な海のミルクとも呼称される『冬牡蠣(フユガキ)』の味に舌鼓を打ちその余韻に浸るのも束の間、料理人の腕の見せどころの椀物へと繋がれました。椀の蓋を開けると中には北海道産の手ほぐしの『ずわいがに』で造られた『蟹真薯(カニシンジョウ)』の椀種にズッキーニの知恵の輪に天然物の楤ノ芽(タラノメ)に吸口に一文字の青柚子(アオユズ)を使った椀物、吸い地の旨味が五臓六腑に染み渡ります。向付は多皿構成で前半には北海道産の『螺貝(ツブガイ)』と能登産の『梅貝(バイガイ)』の味比べ、そして中盤には全国第二位の消費量を誇る福島の今の時期には欠かすことの出来ぬ『初鰹(ハツガツオ)』、後半には細かな隠し包丁が施された熊本天草産の『アオリ烏賊(イカ)』、長崎壱岐産の天然『本鮪(ホンマグロ)』のトロ、長崎五島列島産の『縞鯵(シマアジ)』に静岡稲取産の『地金目(ジキンメ)』の盛込みです。凌ぎ代わりには絶品だった振り柚子(ユズ)香る『白川(シラカワ)』≒『白甘鯛(シロアマダイ)』の手鞠すし。コース料理の華である八寸は九谷焼の大皿に盛り込まれた『白甘鯛(シロアマダイ)』と『金目鯛(キンメダイ)』の紅白の鯛(タイ)の源平鱗焼(ゲンペイウロコヤキ)に『たいら貝』、焼玉蜀黍(ヤキトウモロコシ)に芥子の実が塗された二つの寄せ物に焼一寸豆(ヤキチョットマメ)に煮凝り、更には蟹好きが狂乱乱舞で悶絶必至のたっぷりの蟹みそとともに味わう『ずわいがに』、炊合せ代わりには『穴子(アナゴ)』の白焼きと冬瓜(トウガン)の鼈甲餡(ベッコウアン)かけに『帆立貝柱(ホタテカイバシラ)』と『ずわいがに』の蟹みそ和え、更には口の中でプルプルと踊る500㌘超えの立派な『鮑(アワビ)』の騙し煮(ダマシニ)に添えられた花ズッキーのフリット。そのフリットの中には何と『とら河豚(フグ)』の『白子(シラコ)』のリピエノと超贅沢な一皿の後に供された強肴には『尾崎牛(オザキギュウ)』のサーロインとズッキーに〆の食事は熊倉店主の渾身の手打ちそば更には焼玉蜀黍(ヤキトウモロコシ)の炊き込みごはんを滑子(ナメコ)の赤だし椀と香の物とともに味わい、水菓子に焙じ茶(ホウジチャ)のアイスクリームと大納言小豆(ダイナゴンアズキ)で〆られた盆と正月の御馳走が一度に供されたとような豪華な水無月の懐石コースを堪能させていただきました。