川井 潤さんが投稿した茶禅華(東京/広尾)の口コミ詳細

ほぼ毎日食天国

この口コミは、川井 潤さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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茶禅華広尾、白金高輪、麻布十番/中華料理

4

  • 夜の点数:4.8

      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.8
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
4回目

2021/11 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

【今年も三つ星おめでとうございます♪】

今年3回目の訪問。上海蟹を最高峰の料理法でいただく。
贅沢だと自分でも思うけど、来年も頑張るって事でって事で。事前にご褒美ご褒美(^^)

やはり相変わらずの満席だし、近くの人の会話で2ヶ月以内の予約しか受け付けておらず、予約でいっぱいと言う会話が聞こえて来た。まぁ、そうだよね。今回もなんとか席を確保してもらって訪問。

まずはビールで乾杯の後、ワインのペアリングで進行。

「香虎竹茶」…毎度毎度、お茶と素麺で驚かせてくれるエントリー一品目。高知の虎竹のお茶に鶏の出汁を使った素麺。上品で強い香りと味。
虎竹って昔よくFacebook広告に出て来てた店でこんなステキなお茶まで扱ってたんだ。

「黄金皮蛋」…見たこともない色のピータン。ホントに黄金。本来は灰で寝かせて黒くなるが、これはお茶が染み込んだものだそう。黄身はとても濃厚で一個食べれるものではない。それをタワー状に食べやすい?ように仕立てて下さりいただく。
確かに濃厚な味ながら鮮烈。

「蟹黄春捲」…パリパリの揚げられた皮の中に蟹身がギッチリ詰まっている春巻。贅沢とはこの事か。美味い以外の表現なし。

「酔大閘蟹」…紹興酒に漬けた酔っ払い蟹。まずは雌。
オレンジ色の味噌と内子たっぷり。スプーンで掬って、あとはチューチュー吸い出していただく。味が濃厚で美味。

続いて雄の上海蟹も最初はスプーンで上品に、でもやはり同様にチューチュー喰らい付いて食べる。至福の時間。

さらには蟹爪肉。右の雌のモノから食べる。
これで上海蟹の部位コンプリートって感じ。

「紫蘇海蜇」…クラゲに紫蘇を和えた料理。食感を楽しむためには左側から食べる方が良いのだそう。コリコリ食感が段々強くなる。面白いひと品。

「雉雲呑湯」…あったかい雉のスープではあるが、体を冷ます料理で蟹身ビッシリ入ったワンタン。スープには朝鮮人参と白インゲンも入ってていて、これも上質な味。

掴む用の蓮の葉が用意される。続いての料理は
「四川鶏翅」…唐辛子の中に炒めた手羽先があるが、この唐辛子が染み込んでいて美味。中にはフカヒレと蟹肉が詰まっている反則技。ダメでしょ、これは。美味すぎます。

ここで口直しに「干し梅と柿」…この柿がまた単なる柿ではなくて八角のようなスパイスが染み込んでいる。ひとつひとつ驚かせて喜ばせてくれる。

「鴛鴦蒸蟹」…上海蟹雄雌の蟹肉と上には味噌がミルフィーユ状態になって出てきたヤバい一品。そのまましばらくいただき堪能しつつ、途中味変で「生姜と黒酢」のソースでより豊かな味を楽しむ。

「蟹皇魚翅」…蟹肉とフカヒレがたくさん絡み合って贅を尽くしたひと皿。こんなモノ食べたらバチ当たるかも。

さらにはそれをベースにしたリゾットが用意され、その上に白トリュフを掛けていただく。白トリュフも3つの中から一番膨よかな香りのするモノをセレクト。反則技の連続。もう、どうにも止まらない。

「炸羅蔔糕」…蘿蔔(らふく)は大根の事。糕は粉餅の事。おっ、ここで少し地味めな大根餅が来た!…と思ったら…。半分食べたところで薬味(大根のお漬物のすりおろし)を加えて味変。
今まで食べて来た大根餅とは別次元の味。これだけでもご馳走。

「茶禅小鴨」…最初にプレゼンのあった小鴨。皮目はパリッと肉は柔らかジューシー。肉の旨味も凄いが火入れは相変わらず抜群。

「上湯麺」…途中で上海蟹のXO醬で味変。いつも通りに上品な味。

「ココナッツアイス」…ソースにはタピオカと苺、グレープフルーツまでも入っている。
そのままでも美味しいし、ソースをかけてももちろん豊かに美味しい。

「胡麻団子」…中にはとろとろの熱い胡麻餡が入っているので猫舌注意。一口で食べると火傷しそうなので、まずは皮をひと口齧ってから心の準備ができたところで餡まで含めて一気にいただく。胡麻の風味が立ち、とても濃厚で美味い。

数日前に誕生日を迎えた友人のため中国でお誕生日のお祝いに食べる「寿桃」とも呼ばれる「桃まんじゅう」もお店側で用意してくれていた。
いつも有り難うございます。

お値段も最高峰だが、お味も最高峰。納得の内容。思い出になる料理となった。
さぁ、また働こっと。また、来年もこの店に来たいし。

  • 上海蟹雄雌

  • 香虎竹茶

  • 香虎竹茶の素麺

  • 黄金皮蛋

  • 黄金皮蛋を食べやすく

  • 小鴨のプレゼンテーション

  • 海黄春捲

  • 上海蟹肉ビッチリの春巻

  • 酔大閘蟹(上海蟹雌)

  • 酔大閘蟹(上海蟹雌)

  • 紹興酒に漬けた上海蟹雌

  • 酔大閘蟹(上海蟹雄)

  • 酔大閘蟹(上海蟹雄)

  • 蟹爪肉右が雌、左が雄

  • クラゲに紫蘇

  • 雉雲呑湯、ワンタンの中にも蟹身

  • 手羽先を挟む用の蓮の葉

  • 四川鶏翅

  • 四川鶏翅

  • 四川鶏翅、中に蟹味とフカヒレ

  • 柿と干し梅

  • 黒酢と生姜

  • 「鴛鴦蒸蟹」…上海蟹雄雌の蟹肉と上には味噌がミルフィーユ状態

  • 「鴛鴦蒸蟹」…上海蟹雄雌の蟹肉と上には味噌がミルフィーユ状態

  • 蟹皇魚翅…蟹肉とフカヒレ

  • 蟹皇魚翅…蟹肉とフカヒレ

  • 白トリュフ

  • 蟹とフカヒレリゾットに白トリュフ

  • 大根餅

  • 大根餅

  • 茶禅小鴨

  • 茶禅小鴨

  • 上湯麺

  • 上湯麺

  • 上湯麺、味変に上海蟹XO醬

  • ココナッツアイス

  • ココナッツアイス。ソースにはタピオカと苺、グレープフルーツ

  • ココナッツアイス。ソースにはタピオカと苺、グレープフルーツ。

  • 温かい杏仁豆腐と冷たい杏仁豆腐

  • 胡麻団子

  • 胡麻あんたっぷり胡麻団子

  • 桃まんじゅう

  • サイン

  • 入口

2022/08/29 更新

3回目

2021/07 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

【夏の茶禅華は鮎が泳いでいた】

「香鉄観音」…鉄観音を出汁に極細の麺。ほんの少量だが、懐石料理の最初に出される「煮えばな」のような役割。空腹の胃袋がほっと出来る。

「紹興香鮎」…紹興酒に生きたまま泳がせた鮎を筋切りにして串で刺し、魚醤のタレに潜らせていただく。初めて食べた!生の鮎がこんなに美味いとは!

「五粮香鮎」…その酔っ払った鮎を使って唐揚げに。頭からガブリといただく。肝の苦味が絶妙に美味い。紅タレをつけて少し爽やかな味変も楽しむ。

「香港焼味」…蜂蜜が塗られたチャーシュー。合間合間に添えられた幾つかの薬味で味の深みが変わるのが面白い。
さらに手羽焼き。皮目は良く焼けてパリパリ、中は柔らか旨味たっぷり。これはたまらん。

「青柚海蜇」…柚を器に見立てて、蓋の柚子部も搾って中のクラゲに掛けていただく。コリコリ食感のクラゲが心地よい。

「雉雲呑湯」…上湯スープに雉の肉を詰めたワンタン、クレソン。ホントに上品な味。

「芙蓉鱧魚」…ほくほくに温かい鱧に甘みのある醤油とナンプラーをかけていただく。中には刻まれた冬瓜が入っていた。鱧の新しい食べ方を教えられたひと皿。

「酸辣肉圓」…これが酢豚?…と思える形状だが、豚バラ肉を巻いてカリッと揚げたタイプの酢豚。なんとも上品で美味。

「紅焼三宝」…鮑と毛蟹とフカヒレと。贅沢三昧のひと皿。下の方に鮑の肝のソースが隠れていてそれを全体と混ぜながら食べる。何も言う必要のない一品。

「清蒸蕪菁」…青森の野辺地で作られた蕪。まずは蕪そのものの甘みを感じながら食べ、そのあと腐乳に潜らせて食べる。蕪はレフェルブソンスと言い、茶禅華と言い、日の目を浴びない存在から一気に主役級食材に格上げされた感じ。

「麻辣鵪鶉」…唐辛子に埋もれたうずら。赤い唐辛子は風味付けのみで食べられないが、青い野菜が辛いので、これで味の調整。このパターン前回はフグの唐揚げだったが、僕的にはかなり好きな料理。帰り際にこの唐辛子をもらって帰り、家で焼きそばに和えていただくと、また美味い。

〆は「清湯(チンタン)スープでいただく細麺」…僕は麺少なめでいただく。途中でXO醬で調味された毛蟹を入れて味変。旨味がグッと増す。

このあたりでもちろん相当お腹がいっぱいになり、三品予定のデザートも「ライチシャーベットに薔薇のタピオカのソースを掛ける」一品だけにさせてもらった。

でも、とっても美味しく満足。
ホント、ここに来ると幸せ気分になれる。
川田シェフはホントに心優しく感じの良いシェフ。
 今回も色々のやり取りご対応ありがとうございました。

2022/08/29 更新

2回目

2021/04 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

【もはや次元の違う中華料理】

オープン1年目にお邪魔して以来2年ぶりの訪問。
もちろんミシュラン三つ星を獲得してからは初。
前回もスゴいと思ったが、今回はさらに料理に磨きがかかっていて、普通の料理と全く違うもはや別次元の料理である事をつくづく感じる。

お酒は緊急事態宣言のため提供なし。故にお茶のペアリングで進む。川田シェフ曰く、入れる器次第でお茶の味も変わると言う繊細なお茶を今日は思いっきり楽しもうと思う。
お茶スイッチ入る。

東方美人、冷たい状態で2日おいてスパークリング、
「春天茶花」…お茶と鳥出汁のスープにソーメンを少々。懐石料理の最初にほんの少しだけ出される「折敷膳」のような役割。空腹の胃袋がほっとする感じ。

「酒酔青蟹」…いわゆる酔っ払い蟹。渡り蟹の紹興酒漬け。上品な室内の雰囲気には合わないが手で持ってしゃぶりついてしまう。当たり前だけど味噌も含めて相当美味。

「桜蝦春巻」…海老と桜エビの春巻き。春巻きの皮はパリッパリ。海老の匂いが鼻から抜けて五感で美味しさを感じる。味は薄味に感じるが、茶禅華ではこの繊細な味が標準レベル。

「密光山茶」…前回訪問時でもいただいたお料理。蜂蜜が塗られたチャーシューはテーブル上の炭火で最終的に焼かれて食べごろに。脂もとっても美味しく、添えられた大豆と一緒に食べるとさらに味は膨よかに、酢の物のウドは甘さをスパッと切る役割。
さりげなく重要な役割(前回は落花生とカブだったけど、今回の方がピッタリ)。添えられたもの含め全部で美味しい。

メニューにはなかったが、「雲白肉片」を出してくださった…花びらのように広がる肉片の見た目がまず美しい。生の薄切り茄子とバラ肉の相性が水分の出やすい胡瓜より美味。味付けは甘味、ラー油、山椒。
合わせるお茶は『鳳凰単叢 (ほうおうたんそう)』と言う四大烏龍茶のひとつ。香り深く華やかな味わい。

「山葵海蜇」…山葵の葉を一枚外すと大きな一本のクラゲが出現。本山葵、葉わさびで爽やかな味とコリッコリの食感。
合わせたお茶は白茶の「古樹銀針」。樹齢数百年の古樹から採られた茶葉で繊細な味わい。

「雉雲呑湯」…茶禅華のシグニチャー料理のひとつ。雉のスープワンタン。透明で綺麗で、なんと上品なスープなんだろう。

紅茶の元祖と言われている『ラプサンスーチョン=(松の葉で煙で燻した福建省武夷山周辺で作られる中国茶)』で合わせる。スモーキーな薫香と味がクセになるタイプのお茶。

「姜葱烤魚」…金目鯛のソテーと思っていたら、蒸し工程は入らず川田シェフが火に約8分付きっきりで何回もひっくり返して焼いて、皮目はパリっと身はふわっと柔らかに仕上げた絶品。
合わせたお茶は長い大きな茶葉をプレスして、長いグラス(本当は一輪挿しの花瓶らしいが)に入って目にも楽しい釜入り緑茶『太平猴魁(たいへいこうかい)』。高価な茶葉。

「麻辣河豚」…数種類の中国唐辛子、日本の唐辛子をふんだんに使って味風味付けをしたフグの唐揚げ。身もホクホク柔らかで上品な辛さでジワッと汗も出てくる印象的な料理。美味しいと言う以外に言葉がない。

お口直しに「八角、トマト」…トマトがとっても甘い。そこに強く甘い香りの星型の八角が味に相乗効果をもたらす。たかが口直しがご馳走みたい。

「紅焼魚翅」…
気仙沼の肉厚の青鮫を使う。一本一本が太いフカヒレで食べ応えもある。とろりとした白湯で味付け、黒酢が用意され途中で味変を試みるも、味変しなくても十分最後まで楽しめる。

合わせたお茶は『岩茶奇蘭』。茶の採れる武夷山は渓谷や奇岩の多い景勝地。フルーティで穏やかな味。

「フカヒレタレご飯」…そのフカヒレの白湯を使ってリゾット風のご飯。もちろんこれも絶品。食べようと思えばいくらでも食べられそう。

「翠玉白菜」…ミルキーなソースを纏った小さな白菜。かぶりつくとシャキッとした食感。
白菜の旨味がしみじみ伝わる料理。
合わせたお茶は「阿波晩茶」。酸味があるのが特徴。成分中に乳酸菌があって乳酸発酵、カフェインも少なく体に良さそう。

「茶禅鴿子」…鳩の脚、胸肉、そして状態が良かったと言うことで鳩の頭(脳みそ)。
それぞれの部位に適した火入れと味付け。味付けは混合香辛料の五香粉(ごこうふん)がベースか。そしておっかなビックリ初めて食べる鳩の脳みそがとろけて美味しいこと。
参りました。

「清湯(チンタン)スープでいただく細麺」…途中でXO醬で調味された毛蟹を入れて味変。旨味がグッと増す。

デザートは「ココナッツアイス」…下にはフィンガーライム、セルフィーユ、ピンクグレープフルーツが添えられている。ひと口、ココナッツアイスを食べ少し混ぜて食べた後、タピオカ入りキウイソースをたっぷりかけていただく。今までの中華とは全く不連続であるが、素材ひとつひとつの個体違いでデザートのソースも替えるところのこだわりは共通。

「蓬団子、周りもほんのり甘みを持たせた蓬のお茶」…お茶の甘さはこれ以上甘くなるとつらくなる美味しいギリギリを突いてくる。団子の蓬が濃厚なので、このお茶とも合うのも計算済みと思える。

この日は数日前に誕生日を迎えた友人が同席していたので、中国でお誕生日のお祝いに食べる「寿桃」とも呼ばれる「桃まんじゅう」を突如ではあるがお店側で用意してくれた。
こう言う気遣いあるサービスがホント嬉しい。

料理も川田シェフの性格でもある優しさに満ちている。
料理ってホントに性格出るなぁ…。味も最高でしたが、サービスも最高でした。
ありがとうございました。

2022/08/29 更新

1回目

2018/09 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.4
    • | 雰囲気4.4
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

【深くて繊細。中華の概念ではない料理】

友人の予約に混ぜてもらって初訪問。

確かに料理もペアリングのお茶も、器もスゴい。上品に美味しい。料理テクニックも手間のかけ方もスゴい。ただ僕程度の食べ物好きでは分不相応かも。
ただの中華じゃない、ただの食事じゃない。かなり高度だ。
川田シェフは中華の「麻布長江」で10年修行の後、和食の龍吟でさらに腕を磨き、この店で日本の食材の豊かさを中華に活かすことに注力する。

最初に封筒が渡されメニューの書かれた紙が中に入っている。
四文字熟語のようなメニューだが、漢字の字面を見ておおよそ食材の想像はできるモノが多い。

シャンパンで乾杯の後、僕はお茶のペアリングで行くことにした。ワインペアリングもあり、両方を半分づつのハーフペアリング、両方とも行くダブル、という選択もあり。

青山緑水 …
四川省のお茶の油、玉露、太白ごま油を使っての温かな清湯(ちんたん)スープにシッカリしたコシの三輪そうめんをいただく。美味。匂いと言い、食感と言い、全体の優しさと言い、五感をとても刺激される。

ペアリングのお茶は「東方美人のスパークリング茶」、シャンパンウーロンと呼ばれているモノ。

秋刀春捲…
漢字の字面から分かるメニュー。大葉の入った秋刀魚の春巻き。梅肉を味の変化が起きるように春巻き後半部だけに入れてある。こうした細かい配慮が面白い。
お茶は「京都の玉露、2日かけて抽出したモノ」

酸橙鶏肉…
かぼすを器に見立てて、中に鶏肉とクラゲ。上品な薄味でまるで懐石料理。

密汁叉焼…
焼きたてチャーシューの付け合わせで千葉産の大ぶりの落花生、と、かぶ。叉焼の味は複雑でありつつ程よい控えめな甘さ。

ペアリングのお茶は「チャーシュー用の蜜高山茶」

開水銀耳…
これは字面からは分かりかねるメニュー。銀耳は白木耳だった。静岡の雉をつかってのスープとワンタンに白木耳が入り、底の部分に杏仁が入る。杏仁の仄かな香りが鼻腔を優しく刺激する。なんでも気管支や肺に効くんだとか。医食同源。器は有田。

三杯鶏腿…
サンベーシという料理名だとか。バジルに囲まれた鳥もも肉を土鍋で調理。
蓋を開けるとバジルの香りが一気に立ち、鶏腿肉とバジルの共演。どちらを楽しむのか分からないくらい。鳥もも肉、ひと切れ目はそのまま、ふた切れ目はライムを絞って引き締まった味で。これもまた上品でオトナの味。

ペアリングのお茶は、正山小種(ラプサン・スーチョン)。紅茶茶葉を松葉で燻したフレーバーティー。強い燻香でスモーキー。生産地は中国福建省武夷山市周辺。

豆鼓鮮魚…
魚はハタ、まずは腹を焼いた棒状のもの。ハタの脂の香ばしさを楽しむ、パリパリ煎餅のような食感で。香ばしい。

ペアリングのお茶は「高山金萱烏龍茶」。標高の高い山での見とれる貴重なお茶だそう。面白いことにココナッツの風味を持つお茶。

蟹肉魚翅…
気仙沼青鮫のヒレと北海道毛ガニを使っての一品。青鮫は、全体の5%しかいないと言われる貴重モノ。肉厚で弾力のある食感。毛蟹をふんだんにまとったこのひと皿でお腹に一気にズンッときた。途中黒酢を掛けて味の変化も楽しむ。

さらにこのフカヒレと毛蟹のソースを使ったリゾット風ご飯が提供される。美味しくないわけがない。お腹が張ってきてもお代わりしたいくらい。これも黒酢で味変を楽しむ。

広東白菜…
白菜が出てくると思いきや、良い食材が入ったという事で「かぶ」に変更だそうで、ひと口囓ったあと、残りは腐乳をくぐらせて楽しむ。この瞬間に中華料理になるのが面白い。

お茶は雲南省の僻地で採れる銀針を白茶で。

孜然羊肉…
クミンを周りに施した羊肉のロースト。香ばしさが半端なく、それはそれで美味しいが、骨に近い脂身部分を添えられた「ネギソース」でいただくと、また一段と美味しさを増す。

〆には
最初に出た澄み切った雉のスープ清湯(ちんたん)に、シンプルに麺。
後半、XO醬と毛ガニが入るソースを加え、一粒で二度楽しむ。

デザート3種…
①ぶどうの金木犀ゼリー…金木犀の香りに包まれぶどうの美味さが増す。

器は茨城の原田登さん作。釉薬が一部無いのも、宋の時代の器を真似てのことだそう。

②杏仁豆腐2種。右冷たい杏仁豆腐、左あたたかい杏仁豆腐。どちらも美味しいが温かい方がよりまろやかに美味しい。

③栗の小菓子。

その場での美味しさもさることながら、ひと晩経っての余韻がまたひとしお。
お値段も張るしそうそう簡単に予約も取れないので、いつかまた大切な日に来れれば良いかなと。
中華料理っぽくはあるが、中華料理の概念ではない、何か新しい料理の存在が確認できた。実に面白い。


2018/09/28 更新

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