レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2009/09訪問 2009/09/19
(新たなレヴュー)
火曜日に初めて訪問したばかりなのに、また行ってしまいました。でも今回はランチです。
オープンしたばかりなのに、既にランチは非常に混んでいるという情報をマイレヴュアーの「じゅあん」さんから入手していたので、時間をずらして1時半過ぎに到着。でに未だ店内は90%満席状態。日本人と外国人、そして幅広い年齢層の人が楽しそうに食事をしていました。いなかったのはスーツにネクタイのサラリーマンだけ。
選んだのは前菜⇒メイン⇒デザートの2,625円のコース。この日のメインは当初サーモンだったのに、売り切れで帆立に変更という事を最初に告げられ少しガッカリ。サーモン好きなので。
まず前菜はオニオン・グラタン・スープ。あまりに定番なのですが、とても美味しかったです。料理しているのが経験豊かなフランス人シェフだから美味しく感じるのか?
メインはエシャロットとバターの入った白ワイン・ソースのリゾットの上に帆立が載った一皿。食べ初めて直ぐに、自分の好きなサーモンが売り切れで良かったと思ったくらい美味。そして確信できたのは、この店の料理はフランス人がつくっているから美味しく感じるのではなく、本当に美味しいから、美味しく感じるという単純な事実。
そして美味しい料理を美味しく食べさせてくれるのは、4人のホール・スタッフ。その中、2人は感じの良いフランス人。勿論、日本語を話してくれるのですが、片言のフランス語を使ったら、レストラン向けのフレーズを幾つか教えてくれました。次回の訪問までに、オーダーだけでもフランス語でできるように少し勉強します。
(最初のレヴュー'09/09/16)
自分が頻繁に顔を出す、神楽坂のルグドゥノム・プション・リヨネのオーナー・シェフ、ポコさんに強く薦められて訪問。まさしくフレンチ・コネクションの力です。
この店の名前になっているオリヴィエさんも、紹介してくれたルグドゥノムのポコさんもル・コルドン・ブルーの東京校で教鞭をとったという共通のポイントあり。未だ今月になってオープンしたばかりですが、さすがに料理の完成度は非常に高いです。
今回はコースではなく、アラカルトのメニューからオーダー。前菜に選択したのは「ナンチャラ風のサーモン」。ナニ風なのか説明してもらったのですが、例によって失念。出てきたのは薄くスライスされたサーモンに包まれた新鮮な野菜。そんなに感動するような味ではありませんが、シェフの実力を感じさせる一皿でした。
そしてメインは「豚肉のロースのポワレ」。スライスされた肉の量には大満足。そして付け合せのジャガイモ、ニンニク、そして薄くスライスされたサマー・スカッシュ、そして勿論の肉の味わいも殆ど完璧です。これこそフランス料理!シェフの実力と自信を物語る一皿。これを選らんで良かったです。
おもしろかったのは、このサマー・スカッシュに関してのシェフとのやりとり。最初、このレモンのような鮮やかな黄色をした野菜が何か判らず、シェフに片言のフランス語で質問したところ、シェフはフランス語で説明してくれたのですが、全く理解できず。するとシェフは、壁に貼られた紙を見ながら、自信無さげに”summer squash”という英語名をフランス語読み。最期は日本人のキッチン・スタッフがサマー・スカッシュという名前と、それが何かを教えてくれました。
デザートは、バニラ・アイスクリーム。シェフのこだわりなのか、それとも単に十分冷凍されていなかったのか判りませんが、アイスクリームよりはソフトクリームといった感じ。勿論、味に問題はなし。バニラの風味が強かったのが好印象です。
さて今回、自分が食事をしたのはテーブルではなく、カウンター。入り口の直ぐ右側にはバーがあり、そこには椅子が5っ程度あるのですが、そことは別にキッチンの中を覗けるカウンター席が2つだけあり、そこをゲット。キッチン中は、この規模の店にしては非常に広く、そこでシェフと一緒に日本人のスタッフが男女1人ずつと、もう1人フランス人がテキパキと働いていました。静かで、適度の緊張感のある空間でプロの仕事バッチリと見させていただきました。
オーダーした料理は、上記の前菜とメインそしてデザートの3皿だけ。でも、この席に座っていると、目の前でシェフがアミューズをつくって出してくれたり、オーダーしたものとは別に、もう1つデザートをつくって、出してくれたりして非常に嬉。
そしてパンが美味しいだけでなく、リエットと自家製のバターが素晴らしく美味。最初のアミューズが出る前にリエットを味わって、その瞬間にオーダーした料理への期待度がドドンとアップ。
まだオープンしたばかりなので、店内はピカピカ。全体的な印象はレストランなのですが、テーブル・クロスがテーブルの上全体を覆うものではないのと、メインが黒板に書かれているのでビストロ的な要素もありです。でも料理の味わい、そしてプレゼンテーションはビストロではなく、レストランなのは間違いなし。
気さくなフランス人の男女と、日本人女性のホールスタッフのサービスも心地良く、再訪間違いなし・・・というか、またしても通いたくなるレストランに出会ってしまいました。
因みに、★☆★☆なのは未だ一度しか訪問していないから。今後、数が増える可能性は大というか、そうなるのは確実です。
3位
1回
2009/07訪問 2009/11/12
(最新のレヴュー)
このレヴューのタイトルは第40回アカデミー作品賞を受賞した「夜の大捜査線」という映画の原題。それを直訳すると「夜の熱気の中で・・・」といった感じになるはず。
さて今年の夏、殆ど毎日のように最高気温の記録を更新している東京で、このレストランが位置するのは恵比寿駅から400メートル弱。その気温は駅周辺に比べて若干低いのではないかと感じさせるくらいひっそりとしたエリア。
店内は適度に空調が効いて、非常に心地良し。シンプルでありながらも洗練された内装が作り出すのは、決して暑い夏向きのリゾートを思わせる空間ではないが、都会的でありながらもリラックスできる空間。
今回、食べたのは、前菜に「空豆のポタージュ」、そしてメインに「熟成和牛ブリスケのステーキ」。デザートは前回と同じ「マスカールポーネのパルフェ」。全て現代的で洗練された味わいを感じさせてくれる料理。これらの料理が、シェフは十分な経験をもちながらも、決してフランス料理に関して凝り固まった考えを持つ原理主義者ではない事を証明。
蒸し暑い東京の夜、美味しい本物の料理を食べて落ち着ける空間。(それを演出するのはマダムのキャラクター)そんなレストランが東京にあるという事に感謝!
(当初のレヴュー'09/07/12 )
恵比寿駅周辺の喧騒から程好い距離感のロケーション。こんな場所に、こんなレストランがあるとは。食べログのおかげ・・・というか、このレストランを初めて食べログで紹介してくれた、じゅあん様のおかげで存在を知りました。
そして、この控え目なロケーションが、このレストランに関しての全てを象徴しているように思えます。アルファベットで何と5文字だけというシンプルな名前。飾り気のない看板。シンプルな内装。控え目だけど、心地良いサービス。静かな店内。そして料理は・・・
料理もシンプルです。そして洗練されています。食べた前菜は時鮭のスモーク。このスモーク加減も控えでしたが、美味しい鮭を食べていると実感できました。そしてメインはマナガツオのムニエル。こっちも美味しかった。料理の外見には普段こだわらないようにしているのですが、久し振りに美しく美味しい料理を食べさせてもらいました。
デザートはチョコレートのムース。勿論これも美味しかったのですが、何故かコーヒーの味わいが記憶に残っています。良い意味で。
これらの料理がテンポ良く出てくるのですが、とてもゆったりと食事ができました。座席数を抑えているせいか、小さな空間なのですが、窮屈な感じはありません。久し振りに、本物のレストランとしての洗練された雰囲気の中で食事をしていると実感しながら、美味しいフレンチを楽しみました。
4位
1回
2009/05訪問 2016/04/10
(2009年6月2日追記)
先週、ここで食事をする機会に恵まれる。思い出に残った品を2点ほど紹介。
最初にブータン・ブラン。久し振りに美味しいものを食べる事ができて感動。ナイフを通した瞬間に自家製である事が判る。とても柔らかい。そのソーセージがマッシュポテトの上にドンと載って、キノコと栗のソースがタップリとかかっている。程好くトリュフの香りがする素朴な美味しさ。
そしてデザート。自分が食べたのはブランマンジェ。でも敢えて紹介したいのは友人が食べた巨大なマカロン。それを食べた友人が一言、“小さなハンバーガーみたい”。彼女曰く、とても甘いけど、一緒にでてきたパッションフルーツのソルベの酸味と絶妙のバランス。
料理人でもあるフランス人オーナーの自信を感じる2品でした。
(2009年5月29日追記)
久し振りに夕食を食べ、デザートをオーダーしてビックリ。自分でオーダーしたのはブラン・マンジェ。大きくて、ほど良く甘く満足。
そして相方がオーダーしたのが、マカロン。てっきりビスケットやクッキーのような大きさのマカロンが可愛らしくでてくると思っていたら・・・大きかった。マクドナルドの普通のハンバーガーよりも大きい・・・かも、とは彼女の驚きの一言。たかがデザート(少なくとも男性には)ですが、書かずにはいられませんでした。おやすみなさい。
(2009年2月9日追記)
本当に久し振りに、平日のランチを食べる。もしかしたら平日のランチは初めてか?とは言っても、今まで昼も夜も何度も利用して、何度もレヴューに追記しているのは事実。訪問する度に、毎回レヴューを書き加えているわけではないが、今回は些細な事ながら新しい感動があり、追記することに。
このTabelogで写真をアップする人の殆どが、このレストランで撮影するのが布袋に入ってでてくるパン。(正確にはスライスされたバケット)今まで週末の遅めのランチ、もしくは早めのディナーを食べていて、このバケットを地元のフランス人がto-goしていくのを何度か目撃した事がある。
今まで、このパンを食べる時には、何もつける事なく、そのまま食べていたが、今回はパンにのせて食べるレンズ豆が登場。これがウマイ!店のスタッフによると、レンズ豆意外には、細かく刻んだ人参、ガーリック、玉葱そしてベーコン等が入って、マスタードで和えてあるとの事。勿論、この店のマスタードは、ハンバーガーなどに塗るもものとは全くの別物。
今までパンが美味しくて感動したレストランは多々あったが、パンと一緒に食べるもので感動したのは今回が初めて。
(2008年11月19日追記)
仕事を辞めて既に半年近く、収入が無いので極度の金欠状態。でも時には美味しいものが食べたい。そんな時は、やはり安心して食べられる場所を選択するにかぎる。最近レヴューを書いた殆どの店は、そんな安心して行けるレストラン。そんな訳で、またしても、この名前を覚えられないレストラン。
今回食べたのは、先ずリヨン風サラダ。これは完全にバカの一つ覚え。これを食べないと此処に来た気がしない。
その昔、外食の楽しみを覚えた当時に感動したのがシーザース・サラダの美味しさ。未だに大好きな、このアメリカ料理の定番的なサラダと全く違うベクトルに存在するのが、このリヨン風のサラダ。美味しいシーザース・サラダの最低条件となるのは、歯ごたえのあるローメイン・レタス。でもリヨン風のサラダで使われているレタスは柔らかい。(決して萎えているわけではない)因みに、このサラダ、皿ではなくボウルに入って出てくる。そして、何とそのボウルの中には4つの異なる種類のレタスが入っているらしい。
もう1つの前菜は、豚足、フォアグラと茸のロティーヌ。トリュフの入ったマヨネーズが効いた一皿。
そしてメインには鳩!平和の象徴を食べてしまう自分は一体何者か・・・!?
このメインを食べた後、デザートの代わりに何ともう1つ前菜を食べたが、それに関しては失念。でも当日のスペシャルだったような気が。
合計で前菜を3皿とメイン。オーダーしたものを全て食べ終わった時点で、満腹満足。
でも予想外の驚きは、最後の最後。
良かったら食べてみて、と言われ、出てきた皿の上にはドライ・フルーツ。何とパイナップルに黒胡椒がかかったもの。自分が無知なのか、この発想には驚く。勿論、良い意味で。やはりフランス人シェフ恐るべし。
(2008年7月18日追記)
このレストランどうやら8月の上旬に2週間のバカンスをとるらしい。その前に一足先にバカンス・モードなのは、新しい料理の数々。とは行っても決してキッチンのスタッフが暑さでダレているわけではない。
内陸部にあるリヨンの人間がバカンスで海岸近くに移動するように、料理も海を求めて南下。先ず前菜はタラの卵をスモークしてペースト状にした“タラマ”。これはリヨンの料理ではなくギリシャ料理(らしい)。この上品なピンク色をした自家製のタラマを一緒にでてきたトーストにタップリと塗って食べる。それでもタラマが残って普通のパンに塗って食べ終える。
そしてメインは“マダイのピザラティエール”。これは南仏のニースやマルセイユで食べられるピザに似た生地。その昔、イタリアン人が南仏に紹介したらしい。チーズは乗せず、白いピザと呼ばれる事もあるらしい。この上に刺身のようにスライスされたマダイが盛られている。確かに夏向きな味わい。でも特筆されるべきは、この料理のソースの色合いが黄色やオレンジなど完全なサマーカラー。
ある程度の料理人なら常に旬な食材をつかってメニューづくりをするのは当然。ここでは旬な素材を使うだけでなく、プレゼンテーションでも季節を感じさせてくれる。
そして勿論シェフのセンスは料理の見た目だけでなく、味わいとなって表れる。
因みに、今回はランチのレヴュー。
(2008年7月3日追記)
最近になって久し振りにランチとディナーで利用。今回のレヴューはディナーに関して。
最初に食べたのは“リオン風のサラダ”。ランチでもディナーでも、このレストランに来ると必ず食べる。半熟の卵ののったサラダで、酸味の効いたドレッシングが単なる生野菜を食べているのではなく、1つの料理を食べていると実感させてくれる。
外国人のシェフは日本人シェフと比べ、サラダにしっかりとドレッシングを使う。以前そんな外国人シェフの一人が日本人シェフのつくるサラダに関して”under dressed“という言葉をつかって表現していたのを思い出す。
サラダの後に前菜をもう1つ。当日の朝に入荷されたばかりのズッキーニ。このズッキーニの本体から花までの全ての部分を軽く天ぷらのように揚げたもの。もう一度タイミングが合えば食べたい。というか入荷日にタイミングを合わせてでも食べたい。
そしてメインはコレナシ豚。コレステロールの少ない豚という事らしい。その味よりも、低コレステロールを期待してオーダー・・・。勿論その味はサッパリとしていて、期待どおり。その豚はスパゲティのボロネーゼのようなミートソースの上に乗っていて、そのソースが非常に美味。ソースの中に入っているのは細かく刻まれたズッキーニ。さらに豚を囲むのはアスパラガスや蚕豆などの野菜。
最後のデザートは、熱が加えられたイチジクとフランボワーズの上にバニラのアイスクリームがのったもの。イチジクとバニラという単語にだけ反応して、暖かいとは知らずにオーダー。その結果は・・・暖かいデザートを食べて初めて満足。夏なのに。
今回、料理以外で気付いたのはフランス人の客の比率が今まで以上に高くなっているという事。そのフランス人の中の何割がリオン出身だかは解らないが、この事実は少なくともこのレストランが本場の味わいをフランス人に提供している事を物語っていると解釈。
誰も正確に覚えることのできないこのレストランの名前。この店に集うフランス人は単にLugdnumと呼ぶらしい。これなら自分でも覚えられる。
(最初のレヴュー2008年5月8日)
過去4ヶ月の間、最も頻繁に利用している店舗。その最大の理由は、クリストフ・ポコ氏の存在。そのポコ氏が以前シェフを勤めていた、ソフィテル東京のプロバンスで食事をした際に、友人が言った“やっぱりフランス人がつくると何かが違う・・・”という言葉を思い出す。
日本人シェフが細部にこだわり、一生懸命丁寧に料理するのに比べて、フランス人がフランス料理をつくるに際しては、肩の力が抜けた状態で、心身共に自然体で料理をしているような印象を受ける。フランスで生まれ育ち、その料理を食べ続けた結果として、料理の本質を殆ど先天的に理解しているという事か。
ソフィテル閉店後、今回は自らがオーナーも兼任する店でシェフが提供するのは、シェフの出身地であるリヨンの料理。その地に行った事のない自分は、“リヨンの人たちは毎日こんな食事を・・・”と単純に納得できる美味しいもの。その一方でブータン・ノワールなどの幾つかの料理で表現されているのは、シェフが単にリヨンの日常的な郷土料理を再現するだけでなく、フランス料理の現代的な一面を伝えようとする意思。
そのフランス人オーナー・シェフが細部にまでこだわっているのは店の内外装。そこで使用されている殆ど全てのものがリヨンもしくはフランスから取り寄せられたという事は一目瞭然。流暢な日本語を話すシェフからは日本の文化と人々を尊重しながら、自分の出身地の文化を分ち合おうとする前向きな姿勢を感じる。
唯一残念なのは、席と席との間隔が狭く、体が比較的大きな自分には窮屈なこと。今や完全に観光名所となった神楽坂で、リヨンを再現するには大きな投資と維持費が掛かる。その為にも、可能な限り座席数を増やす事は仕方なし。
5位
1回
2012/11訪問 2012/12/03
(最新のレヴュー2012/12/02)
このレストランのワイン・リストは決して貧弱ではありません。小さなレストランに相応しく厳選されたワインが並んでいるので非常に選びやすく、価格は信じられないほど良心的に設定されています。おそらくインポーターと良い関係を築いているのではないでしょうか。なので持ち込みをする必要はまったくありません。少なくとも自分には・・・ですが。
さらに良心的な価格設定はワインだけではありません。このル・デッサンよりもリーズナブル価格でフランス料理を楽しませてくれるレストランは少なくとも東京には無いはずです。そして何よりも、ここの料理は決してビストロ・レベルのものではありません。
そして自分がル・デッサンに通う理由の一つが、シェフの奥様のサービス。控えめで謙虚な方で、美味しい料理を気持ち良く食べさせてくれます。
今まで何度も利用していますが、一度も満足できなかった事はありません。そして一緒に食事をした人は必ずリピーターになってしまうレストランでもあります。なので心無い人には利用してほしくないレストランでもあります。
因みに、今回ディナーで食べた料理の中で最も印象に残っているのは、新たにメニューに加わったナヴァラン・ド・アニョーという子羊のトマト煮込みでした。
また今週も行ってきます!
(今回のレヴュー2010/3/7)
何と前回のレヴューから、もう少しでマル一年。今回は、久し振りにランチを食べてきました。
新宿で、公開初日の映画を朝一番で見た後に、大江戸線に乗って行ってきました。勿論、映画を見に行くのが決まった段階で、予約済みです。
さて今回のレビューは端的に。印象に残ったのは、先ず前菜の「ココットに入った生クリームと生ハムのパテ」。このパテの上にはメロンのジュースが注がれています。決して昔ながらのメロン・ソーダの緑色の合成着色料の産物ではなく、本物のメロンのジュースです。ココットに入ったものをパテと呼ぶには多少の抵抗があるのですが、このメロンのジュースがこぼれないようにする為、と考えると納得です。
そして最初はパテとメロン・ジュースの組み合わせに少し驚いたのですが、落ち着いて考えてみれば、単なる生ハムとメロンの組み合わせ。黒澤明の映画に出てくる野武士のようなルックスのシェフですが、可愛い事をやってくれます。通常パテはビストロを象徴する一品なのですが(自分にとって)、このパテこそが、ここはビストロではなく、レストランである事の証であるような逸品です。
今回のメインの1つはアンコウ。よく「人は外見で判断してはいけない」と言いますが、どうやら魚も同じようです。外見はグロテスクなアンコウですが、しっかりとポワレさらたアンコウは、味わいと食感の両方で素晴らしかったです。
レヴューの最期はいつものように・・・前菜から、メイン2品、そしてデザートとコーヒーが付いて2,800円ポッキリ。★を5個しかあげられないのが残念です。
(前回のレヴュー2009/4/14)
今年になってから初めてディナーでの訪問。そして初めて男同士でのディナー。いつものように高い方の、メインで肉と魚の両方を楽しめるコースを選択。高い方といっても5,500円で税サ込み。
相変わらず熱いハートをもったシェフの、手抜きのない料理を堪能。そして今回はワインを2本飲む。これで2人合計で約25,000円。でも、このレストラン(けっしてビストロではない!)に関しては、異常に優れたCPだけが強調される傾向があるのは非常に残念。
さて久し振りに食事をして、新たに気付いたのはシェフの奥様のサービスの優秀さ。やはり男性同士で食事をすると女性に眼が行くという事か?マダムは付かず離れず、適度な距離とテンションで気持ちよく食事を楽しめ大満足。動作と言葉が演出されていないのが美しい。
因みに、今回一緒に食事をしたのは、いかついアメリカ人。そのアメリカ人がショフとマダムを形容するのにつかった単語は"HUMBLE"。この単語の選択、まさしくBINGO!
(前回のレヴュー2009/1/20)
幸運にも木曜日に電話をして土曜日のランチのテーブルを確保。昨年後半から平日のランチ営業を止めているので、この日が今年最初のランチ営業とのこと。
いつものように前菜と、魚と肉の両方を楽しめるコースを選択。
先ず前菜は“鴨の燻製”。この鴨の上にはインゲン、下には下仁田ネギ。鴨は程好くスモークされ美味しく、量も予想以上。下仁田ネギを食べるのは初体験。そしてインゲンが美味しいと思ったのも生まれて初めて。
魚は今が旬のアイナメ。比較的薄い皮はカリッと焼かれ、内側の白身はとても柔らかい。
そして肉は豚トロのフリカッセ。豚トロと一緒に入っているのはマッシュルームやジャガイモ。
これら3皿を食べて感じるのは、シェフが慎重に素材(特に野菜)を選び、丁寧に料理しているという事。ランチでも手抜きは全く無しの全力投球。
勿論、上記の3皿の後にはデザートとコーヒーが待ち受ける。
食前酒にシャンパン(確かグラスで1,200円)を飲んだ後に、ワインを2杯飲んで、1人5,000円チョイ。
料理人の気持ちが込められた料理を、気持ち良くたべさせてもらい、この値段。罪の意識と感謝の気持ちの両方を感じながら満腹。
この気持ちを星数で表現すると★☆★☆★+☆!
(当初のレヴュー2008/5/31)
優れたCPを贅沢する事で満喫すべし・・・
いきなり結論から・・・。常にCPの高さが評価されるル・デッサン。このCPという略語を直訳すと、「割安」というような意味になり、時として安っぽい印象を与える。しかしながら、このレストランに関して「安っぽい」ものは何もない。
壁にはシェフが描いたデッサンが飾られ、テーブルの上にはパレットの形をした陶器とスケッチブック型のメニュー。細かいところにまで、店のコンセプトが浸透。テキパキとしたサービスを提供するマダムの仕業か?
そして、そのコンセプトは個々の料理にも明確に反映される。最初に運ばれてきたアミューズは“パプリカのスープ仕立て”。これを見たたけで、料理に妥協が無い事が判る。同時に既にコースが始まっている隣のテーブルに運ばれてくる料理の数々を見ているだけで期待感が高まる。
最初のオードブルは“ホワイト・アスパラガスのババロアとパルミジャーノのガレット”。この季節、多くのレストランが新鮮なホワイト・アスパラガスを提供するが、今まで食べた中で最も手の込んだユニークなもの。
オー ドブルの後には魚を選択するか、もう1つオードブルをたのむ事ができる。2つめに選択したオードブルは“クリーム仕立ての生ハムとパセリのテリーヌ“。こ れも非常に手の込んだ逸品。これら2つのオードブルは初夏を感じさせる季節感満点の味わい・・・であるが当日は雨が降り、気温が低かったのが残念。
しかし、そんな天気にもメインの“豚トロ フリカッセ”とデザートの“アーモンドと生クリームのショコラショーとバニラ アイスクリーム”は完璧にマッチ。
全 ての料理の外見が、シェフの手間を惜しまない丁寧な仕事を物語る。そして、その仕事が外見だけに留まらず、味わいとなって完結するのがミソ。食べ終わった 時には、このレストランの最大の魅力は、単にCPが素晴らしいという事ではなく、その料理の味わいを中心とした全てを満喫できるという事だと実感。
そんなレストランを本当に楽しむ為には、迷わず高い方のコースを選択し、食前酒にはシャンパンを飲み、ワインをボトルでオーダーしたい。思い切り贅沢することで、このレストランの存在意義を体感し、本当の意味でのCPの高さを満喫できるのかもしれない。
そんな贅沢を引き続き楽しむ為にも、多少の値上げを願ってしまう稀有なレストラン。
(4/5/2010追記)
昨日の夜、またしてもピリ辛の「カラブレーゼ」を食べてきました。今までスパイシーな味わいの秘密は、ナポリの南にあるカラブリア産のサラミにあると思っていたのですが、それだけではありませんでした。
今回は夜遅めで、他のお客さんも引けた後だったので、直接シェフのイーヴォから話を聞く事ができたのですが、本当の秘密は何と自家製のチリ・オイルにあるようです。そして、それは赤と緑のハラペーニョをオリーブ・オイルに入れて1ヶ月間熟成させたものだと教えてくれました。確かに、人工的な辛さではありません。
また次回も同じものをオーダーしそうです。
(10/26/2009追記)
イタリアンの店から足が遠のいていて、今までは毎月のように通っていた、この店にも2ヶ月以上のご無沙汰。
この店では、長い間、バカの1つ覚えで、野菜 サルシッチャ フレッシュ・トマトの「田舎風」を必ずオーダーしていたのですが、最近はリコッタ ゴルゴンゾーラ モッツァレラ パルミジャーノの「4 種のチーズ」にハマッてました。
でも今回の訪問の目的はメニューに載っていないピッツァを食べること。
そのピッツァとは、モッツァレラにサラミとパプリカが載った「カラブレーゼ」。今まで食べてきたものと比べると、かなりスパイシー。食べながら少し汗をかいてしまいました。そしてピッツァ自体もジューシーで少しウェットな感じ。食べ終わった後には、思わず自分の指を舐めてしまいました。まさしくFinger Licking Good!
久し振りに自分の意思でイタリアンを食べ、自分好みの第3のピッツァに出会えて大満足。
(8/6/2009追記)
レストランで初めて写真を撮影しました・・・携帯でですが。
今まで何度も訪問している店なのに、今回始めてテーブル・クロスの色がレモン・イエローである事に気付く。そして床のタイルに描かれている、お店の青いロゴの中にも、同じような色のレモンがあるのを発見。
そしてトイレに行くと、レモンの樹の置物が。思わず写真撮影してしまいました。
さて食べたのは4種類のチーズのピッツァ。その4種類とはゴルゴンゾーラ、パルミジャーノレッジャーノ、モッツアレラそしてリコッタ。チーズだけでトッピングは何もないのですが、4種類のチーズの個性が絡んで濃厚な味わいです。好き嫌いがはっきりするかもしれませんが、まさしく自分にとってはクセになる味わいです。
さて今回は体調が少し悪かったので、ビールはなし。でも、これを食べて少し元気になりました。
(6/28/2009追記)
夕方に恵比寿でミーティングを済ませた後に、のぞいてみるとテーブルが1つだけ空いているとの事だったので、軽く食事をする事に。いつものように田舎風のピッツァを食べながら、ビールを飲む。Pizza & Beer = Best of Both Worlds とても気持ちの良い時間でした。
(10/27/2008追記)
相方と一緒に、ラストオーダー間際に軽く食事をする為に訪問。丁度、歩道に面したテーブルが空いたので、そこに座らせてもらう。
前菜は、牛乳ではなく羊乳でつくった本物のリコッタチーズをプロシュートで巻いたもの。それがルッコラを敷き詰めた上に乗ってでてくる。美味しいです。
そして、いつものように"田舎風のピッツァ“を食べた後、パスタはPasta a Cavolfioreというもの。これは初めてオーダーしました。直訳するカリフラワーのパスタとなるようですが、カリフラワーを形が崩れるまで煮込んだソースというかスープの中にパスタが入ったもの。この料理のユニークなのは、幾つかの種類のショートパスタをゴチャ混ぜにしたものであるという事。シェフ曰く、典型的なイタリアの家庭料理で、貧しい人のパスタとも呼ばれるものらしい。
そんなパスタを自分のレストランで薦めて、おいしく食べさせてしまうのはイタリア人シェフならではの余裕。さすがです。
(6/28/2008追記)
この季節もしも天気が良ければ、ここの明治通りに面したチョッとしたテラス席は美味しいイタリアンを食べるのに最適。目の前の歩道は幅広いが、人通りは多くない。
前回のレヴューにも書いたモッツァレラがのったサラダを食べ、田舎風のピザを食べる。結局、いつも同じもの・・・。
次回こそは“イチゴのリゾット”に挑戦する・・・予定。(因みに、イチゴだけでなく、“メロンのリゾット”も存在するという噂あり)
(2/25/2008追記)
ラストオーダーの直前にフラッと立ち寄って、いつも同じものをバカの一つ覚えで食べるのだが、今回は何故か違うものを食べてみることに。
最初にルッコラとトマトの上にモッツァレラ・バッカの乗っているサラダ。お店のスタッフに、このモッツァレラは水牛ではなく、普通の牛のミルクでつくるモッツァレラだという事を教えてもらう。
そしてパスタはローバ・クオーレというフジッリカサレッチ。この名前、日本語にすると「ハートを奪われて・・・」といった意味になるらしい。トマトソースでバジリコとモッツァレラが乗っている。こっちのモッツァレラはスモークされたもの。因みに、このパスタはメニューには載せていないものらしい。
この2品を食べて強く感じるのは、新鮮なルッコラとバジリコの強い存在感。こういった極めてシンプルな料理からこそ、イタリアの食文化の豊かさを感じる。
スタッフは決して知識をひけらかす事無く、美味しいものを気持ち良く楽しむ場を提供する事によってイタリアの食文化の豊かさを体験させてくれる。掃いて捨てるほどある東京のイタリアン・レストラン。そんな中で明確な存在意義を感じさせる数少ない店舗。
(当初のレヴュー)
美味しい料理を楽しい雰囲気で気持ち良く食べさせてくれるピッツェリア兼リストランテ。
店の前を通って、席が空いていれば気軽に立ち寄って軽くビールを飲みながらピザを食べる。因みに、ここの田舎風のピザは秀逸!
その一方で、この店の真価はピッツェリアとしてではなくリストランテとしての存在にあり。ナポリ人のオーナーシェフが、日本人のスタッフと共に常に本当のイタリアそしてナポリの味を提供してくれる。
イタリアで生産されたばかりの新鮮なモッツァレラを空輸したり、一般的なパルマ産だけでなくサンダニエレ産のプロシュットも紹介してくれる。
日本人による日本人の為のTokyo Italianとは全く違った、独自の存在意義をしっかりと確立した貴重な店。