2回
2022/01 訪問
季節の移り変わりを器と共に提供する日本料理店
ゴ・エ・ミヨ 2023で3トック(15.5/20)に選ばれた。
The Tabelog Award 2023 Silverに選ばれた。
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023に選ばれた。
文化のみち二葉館の近くにオープンした日本料理店
郡上出身の清水氏は、ミシュランガイド京都・大阪で2つ星に選ばれ続ける「本湖月」で11年研鑽した後に、ミシュランガイド愛知・岐阜・三重 2019 特別版で1つ星に選ばれた「たか田八祥」で6年勤め、独立するまでの3年間は料理長だった方。
本湖月同様にお料理撮影禁止となる。
店内は、かなり凛としたたたずまいで、高級感に溢れていた。
おまかせコース (18,000円)のみの提供。
使用する食材について、現物を見せながら説明してくれる。
先付は松葉蟹と湯葉、蟹ミソとの合わせが丁度よい。金箔が少しのせられていて、お正月を祝う感じ。
お凌ぎは、合馬たけのこ、北海道の干し数の子、千社唐の出汁ジュレ。
合馬たけのこは、1月~4月頃が旬で、北九州市小倉南区の合馬地区で採れる高級筍、最初に千社唐については説明がなかったけど、料亭の御節料理に入っている茎レタスだと教えてくれた。
ここで使われていた器は、300年以上前の中国製磁器で、姿が大変よく、ジロジロと見入ってしまった。
椀物は、九州産虎河豚白子とかぶらの吹き流しで、乾燥した蕗のとうが散らされ、上に相生結びがのせられていた。
白子は炭火で表面が焼かれていて、椀の中で一瞬「焼き餅?」と思うような景色が表現されていた。
お造りは、スジカツオ(歯ガツオ)、ケンサキイカで、調味料として、醤油、ピラミッド ソルト、このわたが添えられていた。
スジカツオは刺身と炙りの2種で、このわたはイカ用だけど、そのまま食べても十分アテになる味で美味しかった。
この料理に使われていた古備前皿は、とても姿と色が良く、シゲシゲと眺めていたら、かなり有名な作家の作品で、その作家さんに戸書きもお願いしたのだそう。
別のお造りとして、白甘鯛、ウロコと皮のせんべいに、九条葱の細切りとわさび菜が添えられていた。
最初のお造りの醤油に加えて、ネギと麹、酢のようなタレ?が追加された。
このネギと麹がとても美味しいと思った。
焼き物は、マナガツオの有湾焼きで、みりん粕が使われていた。
九重味淋の石川八郎治商店で、みりん粕の存在を知り、一時期自分もはまった事がある。
揚物は、岐阜県産活き本諸子魚の姿揚げで、粉山椒が添えられていた。
川を泳いでるかのような姿で3匹お皿にのっていて、景色がとても美しい。
手前で、九谷焼の壺が出てきて、中に昆布を吸わせた生きた本諸子魚が泳いでるのを見せてくれた。
箸休めは、とろろ汁で、福井県産短形自然薯に、炊いた麦とネギを加えた料理。
短形自然薯は粘りが強く滋養強壮にも優れているため、胃腸の回復を考えてくれたのだろうと思った。
炊き合わせは、新潟県産真鴨の鍋で、炭火でたたいた鴨肉を薄く切り、濃い目の出汁にしゃぶしゃぶしたのと、真鴨つくね、飛騨ネギ、九条ネギを合わせ、黒 一味を加えた料理。
一応、仕入れ先の説明では日本一の真鴨とのことだそうで、おそらく新潟県潟東産天然真鴨なのだと思う。
お腹の具合に合わせた料理として、真鴨の鍋の汁と主人が手打ちした二八蕎麦を合わせた鴨南蛮そばが出てきた。
最初は鴨がメインの料理だったのを蕎麦を加えることで脇役に変えるという変化球に感心した。
ただ、蕎麦の麺線がバラバラだったので、蕎麦打ち歴を聞いたら、本湖月では打っていたが、たか田八祥では打っていなかったそうで、ブランクがあるんだなと思った。
食事は、藁焼きサワラに大量の炒りゴマかけ、岐阜県高山市いのちの壱米、香の物、味噌汁。
信楽 雲井窯を使っているけど、良く見ると蓋に穴が空いてない。これはどこで買えるのかと聞いたら、窯と蓋がしっかりと閉まり、蓋に穴を開けない特注品だと教えてもらった。
いのちの壱は、2000年に岐阜県飛騨で栽培が始まった新品種で、コシヒカリの1,5倍もある大粒の米なのが特徴。そして、物凄く高いお米でもある。
水菓子は、愛知県産完熟苺、パールホワイト、ベニマドンナをトニックウォーターでまとめたフルーツポンチ。
最後に、お抹茶と薄くず餅で終了。
食材のレベルが高すぎるけど、それが分かる人がどれだけいるのだろうかと思った。
あと、魚料理が多いので、どれかを八寸に変えるか、飛騨牛とかを加えて欲しいかもって思った。
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2023/03/16 更新
ゴ・エ・ミヨ 2023で3トック(15.5/20)に選ばれた。
The Tabelog Award 2023 Silverに選ばれた。
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023に選ばれた。
前回が2022年1月だったので10ヶ月ぶりに行った。
郡上出身の清水氏は、ミシュランガイド京都・大阪で2つ星に選ばれ続ける「本湖月」で11年研鑽した後に、ミシュランガイド愛知・岐阜・三重 2019 特別版で1つ星に選ばれた「たか田八祥」で6年勤め、独立するまでの3年間は料理長だった方。
本湖月同様にお料理撮影禁止となるも、お酒と食材の撮影は可能になっていた。
おまかせコース (25,000円)のみの提供。
最初はレモネーディアの湯
豊橋市にある河合果樹園で作られている甘くて皮ごと食べてしまうことが出来る無農薬レモンで、皮に数倍のビタミンC、リモネンがあり、あえて皮を残して湯に落としてあった。
先付は、外が寒いということで、いくらのせ茶碗蒸し、高山産餅米、銀杏、ゆず。
本来のメニューは、北海道産鱈白子だったけど、前回、行った時に「白子が苦手」ということを覚えていてくれて、自分だけいくらになっていた。
次は、静岡産赤座海老の昆布押し、自家製生カラスミ、辛大根が添えられていた。
静岡県の駿河湾で水揚げした活の赤座エビはテナガエビとも呼ばれ、活〆をして氷を詰めて出荷される。その特徴的な姿から、手を残すなど形を保った料理が多いけど、こちらでは身だけにし、それを利尻昆布で挟んで、昆布の旨味を移した一品。
本来は、酒のアテとした料理だったのかもと思った。
ここで食材の説明が行われた。
岐阜県産飛騨ネギ、多治見市の菊芋、鹿児島県産蜜芋、大阪富田林の海老芋、秋田県産天然なめこ、生姜、鬼くるみ。
湾物は、クエの蕪蒸し、香茸、ゆず。
香茸は、高級茸の代表格でおめでたい席に使われ、香りが強いのが特徴で、松茸よりも旨い。
食材表には書かれていなかったけど、中にバフンウニが入っていた。書いていない理由を聞いたところ、全てをネタバレしないためだそう。
向付は、長崎県産ケンサキイカ、北海道網走産キンキ、水前寺菜、蓼の花、岐阜県郡上市の蛇穴山葵。
味は、醤油、ちり酢、ネギと塩麹の3種類用意されていた。
キンキは半日寝かせて臭みを抜き、皮目を炙ってあった。
この向付の中で、ケンサキイカの質がかなり良かった。
こうしたベストな食材を手に入れるために、納入業者全てに、入ってきた食材の感想を電話で伝え、信頼関係を高めていると教えてくれた。
納入業者側からすれば、重さで売ってるだけで、品質の優劣は仲買者の判断に寄るところが大きく、その心理的な部分を良く分かっているんだなって思った。
焼物は、三重県産クエで、酢をかけて焼き上げられていて、下に飛騨ネギの丸蒸し焼き、うろこせんべい、天然老茸の松葉打ち、白葱打ち、大徳寺納豆と重ねられていた。
小鉢は、白和え衣で、飛騨の菊菜、栃木県産にっこり梨、多治見市の菊芋、秋田県産天然なめこ、松の実。
今回の料理の中で、一番だったのが、この白和え衣で、お店の側にある「豆腐処 味匠くすむら」の出来立て絹ごし豆腐を、ゆっくり丁寧に裏漉しのみで作られていた。
一般的な日本料理では、すり鉢を使うことが多いけど、綿のような柔らかさを出すために、あえて手間がかかる調理を行っているようだった。
炊き合わせは、大阪富田林の海老芋、揚げ湯葉、京都産ミブナの白味噌仕立て。
大阪富田林の海老芋は、最高級の里芋の一種で、親芋・子芋・孫芋の3種あり、最も入手困難なのが、子芋の「荒子(中)」と呼ばれるもの。
それを入手出来ていることが凄い。
越前がに(GI)は、雌のみを使用した越前かに甲羅盛で、りんごの酢ゼリー冷蟹か、蓮根餅の生姜の甘酢あん掛けのどちらを選ぶ。
今回は、甲羅盛としては珍しい温かい料理である、蓮根餅の生姜の甘酢あん掛けを選んだ。
食事は、氷見のブリ、岐阜県高山市いのちの壱米、香の物、味噌汁。
いのちの壱は、2000年に岐阜県飛騨で栽培が始まった新品種で、コシヒカリの1,5倍もある大粒の米なのが特徴。そして、物凄く高いお米でもある。
前回とても興味を持ったのが、蓋に穴が空いてない信楽 雲井窯で「あれから、色々なお店に行ったけど、龍の瞳のような粒の大きい平成後半に出来た新品種は、昔ながらの土鍋では圧力が足りず、龍の瞳米に芯が残ってしまい『土鍋で炊けば、どんなお米でも美味しくなると思ったら大間違い。』ということを知った。」と話したら、それを分かっていて、穴の空いてない雲井窯を作ってもらい、また、蓋に微妙なゆがみを加えてもらっていることも教えてくれた。
甘味は、蜜芋のきんとんで、4時間かけて火入れし、中に白小豆が入っていた。色合いは紅葉といったところ。
茶菓子は、飛騨牛乳のミルクアイス、鬼くるみ、スーパーラフランス。
こちらは、やはり、牛肉や豚肉を使わない料理で献立られているため、食材の価値が分からないと値段とのバランスが分かってもらえないと思った。
予約に関しては、2023年3月からOMAKASE[オマカセ]に移行する予定とのことで、鬼電して予約することはなくなるようです。
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