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昼の点数:4.0
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¥4,000~¥4,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 3.0
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|雰囲気 3.0
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味5.0
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| サービス3.0
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| 雰囲気3.0
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| CP4.5
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| 酒・ドリンク- ]
小気味よく艶かしい 京鯖寿司の真骨頂
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鯖寿司膳
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2023/11/28 更新
2002年秋。鯖寿司で有名な京都の「いづ重」にタクシーで向かっている時だった。
「運転手さん、八坂神社の前の辺りで停めてもらえますか」
「お客さん、もしかして、いづ重に行かれはるん違います?」
何で判ったのだろう。
「顔に書いてありますさかいに。けどな、いづ重なんか行かれはるのはおのぼりさんだけどす」
「・・・ほ~う。じゃあ、運転手さんはどこの鯖寿司を召し上がってるんです?」
「私言うたらハナオレどす」
場所を尋ねると
「デマチどす」
あの、デマチどす、と言われても、どこだかわかんないんですけど‥
運転手さんは、正確な住所はわからないけれどと言いながら、私が差し出したメモ帳に「花折」「出町」と書いてくれた。タクシーの車内に店の名刺を積んでいたりしないところが、よかった。その晩、ホテルで住所を調べてもらい、翌日、出かけてみた。
出町というのは、「出町柳」という京阪電鉄の駅のことで、そこから鴨川を渡って少し歩いたところに「花折」はあった。
ほの暗い店内のショーケースに、肉厚の立派な鯖を使った棒寿司が並んでいる。店内でお吸い物と寿司が戴ける。早速食べる。全体にきりっと酢を効かせた小気味よい印象の味だ。
「いづ重」の鯖寿司が、まろやかな甘めの酢飯にとろりと脂が乗った鯖をあわせ、食べる者を蕩ける夢現の世界に誘う味ならば、「花折」のは鯖と寿司飯に程よく効かせた酢で背筋をシャキッと伸ばしてくれる味。それでいて、寿司飯と鯖のもっちりした食感は、どこか艶かしく浮世離れした京都っぽい。
このアンビバレントさ、かなり気に入った。
以来、秋が来るたび通っている。