『子どもによる「無断課金事案」の被害額は平均33万円 小学生がパスワードも生体認証も突破する』でかちび調査隊さんの日記

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3/31(日) 16:15配信


NEWSポストセブン
子供はゲームにハマると課金したくてたまらなくなる(イメージ)

「子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!」と国民生活センターが発表してからというもの、心当たりがあったり、もしやと不安にかられている保護者は少なくない。「まさか、うちの子が」と、使い古された言葉が繰り返されるのはなぜなのか。子どものネット関連トラブルと対策に詳しい成蹊大学客員教授高橋暁子さんに聞いた。

【写真】スマホの指紋認証

 * * *
「古いスマホを小学生の子どもに貸していたら、知らぬ間に30万円以上も課金していた。契約していないスマホだから大丈夫だと思ったのに…。子どもが勝手にやってしまったので、何とか返金してもらいたい」

 青ざめた顔で打ち明けた30代女性は、最初はなぜそんなことになったのか分からなかったという。改めて子供に使わせたスマホを調べると、以前、何かを購入したときのアカウントでログインしたままになっており、たとえ携帯電話としては不通でも、インターネットに接続さえしていれば購入できる状態になっていた。そして子どもは、スマホをWi-Fiに接続して利用していた。

「ゲームを利用しているのは知っていたけれど、課金するほどハマっているなんて思わなかった。金額も大きいしこれでは生活ができない。一体、どうしたら…」

 お下がりスマホでゲームをしていても、それは無料の範囲内で遊んでいるとばかり思っていた。失った金額も痛手だが、ゲームの遊び方や時間を把握していなかったことなど、親としての自分を責める気持ちがおさまらないのが辛そうだった。

 国民生活センターが3月14日に公表した2022年度の小中学生のオンラインゲームに関する相談件数は4024件で、課金額の平均は約33万円だった。センターへ相談に至らなかった暗数があること、筆者が実際に相談されている頻度などを考えると、不通に身近で起きていることだと考えられる。

 中学生の息子がいる40代女性も、ゲームの課金について告白され、困惑し、相談内容を語り始めた。

「自分のスマホで5万円以上も課金したと言うんです。キャリア決済で課金していたので、半年近くも気づかなかった。料金が高いとは思っていたけれど、まさか課金していたとは…。せっかくのパート代が消えてしまう。何とかならないか」

 利用明細をその都度、細かく確認していたら早く気づけたかもしれない。だが、こまめに毎月、すべての明細を確認しながら生活できている人はどのくらいいるだろうか? だれでも陥る事態だ。

 彼女たちが話すように、子どもが保護者に無断でオンラインゲームに課金する事例は後を絶たない。中には、数十万円以上と驚くほど高額になっている例も多い。なぜこのようなことが起きているのだろうか。

自分の指紋を登録し認証突破も
「うちの子に限ってまさかと思った」
「小学生だからわからないと思っていた」

──これらは、相談だったり、被害を打ち明ける多くの保護者が異口同音に使う言葉だ。

 予想もしなかった地震が起きた、事故に遭ったようで、なぜこのようなことになったのか原因が分からない、と受け止めている人が多い。しかし実際は、トラブルが起きた経緯を落ち着いて検証すると原因が見えてくるものばかりだ。親が設定しそうなパスワードを推測して突破した例はもちろん、保護者の指の動きで推測してパスワードを突破した例、スマホに残る指跡からパスワードを突破した例など、まるでハッカーのような事例も珍しくない。

 子どもとネットの専門家という立場で聞いた話、相談をうけた話だけではない、筆者も過去に、トラブルが起きる寸前になって気づかされたことがあった。

 筆者の息子も小学生時代に、油断した夫が眼の前で解除したパスワードを記憶しており、こっそり解除して利用していたことがある。子どもの観察力と、興味があることへの集中力、記憶力は大人の予想を上回っており、そのくらい子どものスマホを自由に使いたい、課金したいという気持ちは強いのだ。課金こそされなかったが、子どもが勝手に利用する事例が相次いでいる理由がつくづく実感できた。今どきのスマホは顔認証や指紋認証等の生体認証なので破りづらいが、それを上回ってくる子どももいる。

 子どもとITリテラシーについて講演など話をする機会を各地で持たせてもらっているが、そのとき多くの保護者から相談をされるのだが、話を聞いているうちに、課金の仕組みを十分に理解していなかったり、子どものことを甘く見ていたり、金銭やパスワード管理などが不十分などの問題があることを強く感じる。

「情報」科目が必修となって以降の親世代が増えてきているとはいえ、消費者トラブルに繋がる危険性については、ほとんど教わっていない。実践的なITリテラシー教育を受けていない世代なので同情すべき部分もあるが、子どもにスマホを、ネットを利用させる責任は保護者にある。それをわかった上で、今からでも意識的に学ぶ必要があるのではないだろうか。

必ずしも返金されるとは限らない
 未成年者の契約取消権により、未成年者が保護者に無断で行った課金は原則として取り消すことができる。万一子どもの無断課金が発覚したら、プラットフォーム或いはゲームの運営事業者に相談したり、消費者ホットライン(188)に相談してほしい。

 子どもが年齢を成人と偽っていず、保護者が課金を認めていない場合は、子どもの年齢や課金方法などを総合的に判断して、返金される可能性がある。課金に至った経緯や家庭での再発防止策などを伝え、交渉してみてほしい。

 しかし手間と時間がかかる上、対応は事業者によって異なり、必ずしも返金されるとは限らず、返金されても全額ではないこともある。

 保護者のアカウントやクレジットカードで課金していた場合は、保護者の同意があったとみなされることも。課金前に「保護者の同意を得ていますか」「成人ですか」などの問が表示されることがあるが、「同意を得ている」「成人である」などの偽りの回答をしていた場合も同様だ。

 つまり、子どもの無断課金は未然に防止するか、少なくとも早めに気づくことが大切なのだ。

無断課金を防ぐためのポイント
子どもによるゲームの無断課金を防ぐためには、以下のポイントに注意して設定してほしい。

1:保護者のアカウントからはログオフしておく

 クレジットカードを紐づけた保護者のアカウントからは、必ずログオフしておこう。子どものスマホにクレジットカードなどを登録していた場合も必ず削除を。

2:アカウント決済・キャリア決済はパスワードなどの認証必須にする

 アカウント決済やキャリア決済をする際は、パスワードまたは顔認証・指紋認証などを必須にしておこう。前述のようにパスワードは子どもには教えず、類推できないものにすること。

3:クレジットカードの明細書、アプリストアの領収メールは毎回確認する

 クレジットカードの明細書、アプリストアの領収メールは毎回確認し、万一子どもが無断課金してもすぐに気づけるようにしておこう。

4:子どものスマホや古いスマホを利用させる場合、ペアレンタルコントロール機能で課金制限する

 子どもにスマホを持たせている場合や古いスマホを利用させる場合は、子どものアカウントを作成した上で、ペアレンタルコントロール機能で課金制限しておこう。ペアレンタルコントロール機能とは、iPhone等のiOS端末のスクリーンタイム機能、Android端末のファミリーリンク等、保護者が子どもの利用を管理制限できる機能のことだ。課金ができない設定にしておくと安心だ。無料で利用できるので、ぜひ調べて活用するようにしてほしい。

5:キャリア決済は上限金額を引き下げておく

 キャリア決済は上限金額を設定していない場合、たとえばNTTドコモの場合は月額10万円までで自動で設定されてしまう。万一に備えて、「月額1万円」など上限を引き下げておくと安心だ。

6:課金についての約束を決め、課金したい場合は相談させる

 課金の有無、課金する場合の上限金額について話し合って決めておこう。多くのゲームは課金したくなるようにできている。利用しているうちに課金したくなったら相談してもらうことで、無断での高額課金は防げるはずだ。

 子どものゲームの無断課金は毎回問題になるが、実際は、保護者が理解し設定しておくことで防ぐことができる。少なくともすぐに気づけるようにしておくことで、多くのトラブルが防げるはずだ。参考にしていただければ幸いだ。

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