25回
2022/05 訪問
やはり素晴らしい
前回が4月初めだったので、久しぶりな感じです。
冬の食材が終わり、鮎などの華となる食材が少ない4月から5月が、和食の名店の腕の見せ所です。
今日のどの皿も、季節の食材に丁寧な「仕事」をして提供する素晴らしいもの。「普通の食材に手をかけるのが腕の良い料理人や」という大将の父上のお言葉通りです。
例えば、とり貝。旬の最終の時季ですが、舞鶴のとり貝は、肉厚で初夏の名品だと思います。
先日行ったお寿司屋さんでは「新鮮だから刺身で出します」。。
星野さんのとり貝ももちろん極上のものですが、少し炭火で炙って(電気コンロでないところが腕の見せ所)、それに、醤油と山椒を少々。とり貝の甘みがマックスに口の中に広がり、京味の料理を思い出します。最高です。
「鮑でもとり貝でも、貝類は熱を加えたほうが良いのが多いですね」とさらっとおっしゃってました。
ごちそうさまでした。
2022/05/26 更新
2021/08 訪問
大将のおかげ
星野さんは毎月行きますが、結論から言えば、今月の料理は出色でした。
聞けば「京味物語」と言う本が出版されたので読んで、原点回帰するところが多少あったようです。
確かに、「雲丹をのせた京茄子」は、懐かしい味がしました。ただ、それだけで終わらないのが、星野さん。敢えてバフンでなく赤雲丹でスッキリ仕上げ、茄子も揚げるだけでなく揚げ浸しのようにして、雲丹に合わせて味を「淡く」するのは、星野さんじゃないとできないです(味を濃厚にして、大衆受けするようにするのは、簡単です)。
それも偉大な大将(西さん)が居たからこそだと思います。
とこで、星野さんには新店にも3年通ってますが、今日は、定位置でなく奥の席でした。ここからですと、魯山人直筆の書が見えます。「稚拙」の2文字。魯山人らしからぬ言葉ですが、初心を忘れず、しかも新しいことに物怖じせずに挑戦する、と言う星野さんの決意を見るような気がしました。
素晴らしい!
2021/09/04 更新
2021/06 訪問
みんな感動してました
6月の星野さん
6月になると鱧以外の夏の食材がわんさかと出てくるので、ガラッと雰囲気も変わりますよね。
一番良かったのは、アワビでしょうか?柔らかく旨みのあるアワビの刺身に、肝のソースをかけて磯の香りがたっぷり、しかも肝の淡い苦味を残してあり見事でした。
鮑自体は、郡司さんのやつのほうがしっとりしていて印象深いものでしたが、肝のソースの美味しさは、他では真似できないものだと思いました。
他にも、三田のじゅんさい(でかくてプリプリして美味しいです)、鯛のジュレを纏った噴火湾の赤ウニも夏味ですね。
最後の白米が美味しすぎて、参加した7人全員が、四杯おかわりして、しかもおこげを食べて歓声をあげていました!
2021/06/17 更新
2021/05 訪問
今日は、ほぼ満点!
1ヶ月ぶりの星野さん。
今日も、星野さんしかできない、季節の味を届けてくれます。
まずは、山利さんの白味噌のすり流し。空きっ腹に優しい味が染み込みます。
そして、お凌ぎの鰻飯。
蓴菜は、ゼリー仕立てでアワビを載せて。美味しいです。
今日感心したのは、とり貝。醤油をかけて炭火で焼きたてを食べます。
丁寧に処理してあるので、口の中に甘みが広がります。
旬のトリ貝ですが、臭みがなく、磯の香りも抑えて、甘みをしっかり出せるお店は、そんなにはありません。
太刀魚の塩焼きも、ものすごくジューシーで、連れはしきりに感心していました。
どれ1つとっても、手抜きせずに、余計な食材をのっけたりもせず、旬の素材の味を出せることにおいて星野さんは当代随一だと思います。
個人的には、鮑をもうちょっと良いやつにして、那須をもうちょっと焦げを入れてくれたら200点でした。
本当に有難うございます!
2021/05/29 更新
2021/04 訪問
トーク力
こないだ伺ったと思ったら、もう今月の順番が来ました。1ヶ月はあっという間ですね。
4月は和食にとっては、お金の取れる食材がない、谷間の月。これをどのような食材で乗り切るのか、が腕の見せ所です。蛍烏賊とか白海老とか出しているようじゃ一流とは言えませんよね。
星野さんの回答は、広島と静岡の筍の食べ比べ。広島のものは、じっくり炭火で焼いただけ。実際に見に行って決めたという静岡の筍は、花山椒と合わせて出していただきました。和歌山の碓井豆も、鯛の子も甘く炊いてよくできています。
俗に、「味普通、サービス最高」が繁盛店の条件というそうですが、星野さんの食材と調理は申し分なく、それに加えて、食材と調理方法の説明が、誰にも負けないくらい魅力的です。
来月は鮎が出るまで、どうするのか、また楽しみですね!
2021/04/08 更新
2021/03 訪問
最高です
コロナで先月行けなかったので、久しぶりの星野さんです。
長らく星野さんを助けてきたお弟子さんが、今月で独立するとのこと。
この厳しい時節に独立とは立派です。
さて、食事ですが
酢の物から始まり、お凌ぎで、錦糸卵のご飯で小腹を満たし、ふくの白子、これはこの時期ならではの厚めの皮に塩気があり絶品です。
そしてふくの煮こごり。星野さんだからこそ出来る、シンプルで繊細な味わいに脱帽です。
そしてふくの身を炭火で醤油焼きにして2口食べてから、め芋。
ぐじの素揚げに、春野菜の天ぷら。春の苦味が、口に広がり幸せです。
赤貝、お刺身をさっと食べて、星野さんの真骨頂のお椀。ぐじの絶品のお椀でした。
最後に焼き物と若竹煮(福岡産)でご飯です。
これを真似できる料理人はいるんでしょうか。参りました。
2021/03/21 更新
2021/01 訪問
正月の料理として満点です
米国に新政権ができるので来月にDCに赴任する友人の壮行会を兼ねて伺いました。
新年、今日が最初とのこと。
新年のご挨拶をしてから初めていただきました。
最初は、山利さんの白味噌の雑煮。完璧です。
そして3種盛りの後が、ふくの白子。今年のふくの白子は、最初から皮が厚く、季節の終わりのような感じです。私は皮が厚いほうが、塩味を感じられるので好きです。ということで、今年は白子の当たり年ですね。満点。
そして、兵庫のかに。津居山でも香住でもないのですが、美味しかったです。次にでできた蟹味噌も、スッキリした後味で美味しいです。
そして、めいも。これは、京味のお弟子さんのところでしか見れない名品ですね。灰汁を抜くのにものすごく手間がかかるので、大変です。食感と、含ませたお出汁の素朴な味が素晴らしいです。日本人でよかったと思う瞬間ですね。
宍道湖の白魚の天ぷら。白魚、小麦粉、塩だけで、どうしてこんなに滋味深い味を出せるのか。研究熱心な星野さんだからこその味です。1組ずつ揚げて出すのも素晴らしい。脱帽。
マグロ2種の後に、淡路の鯛のお刺身。美しいです。
そしてお椀。えびの雪見仕立て。海老がびっくりするほど甘くて、そして星野さんのお出汁は日本一です。お椀が大好きな星野さんの真骨頂です。200点。
白ぐじ。パリッとした皮めと、しっとりした白身のバランスが大好評でした。
大根の煮物。こういう「季節が味を読んでくる」という大将の言葉を具現したものを食べるとホッとします。最後の真薯も同じで、季節の当たり前のものが当たり前以上においしい、、、なかなかできないことですね。
これ以上望むべくもないほどの、美味しい料理でした。
友人の餞に最高の夕方でした。
2021/01/09 更新
寒い冬の魚もよいですが、そろそろ、蟹とか河豚とか飽きる頃になると、ちょうど春の苦味の野菜が恋しくなります。フキ、タラの芽、ゼンマイなどなど。
超高級和食店では、お金取れないから余り見ませんが、こういう野菜を丁寧な仕事で味あわせてくださるのが、本当の京の味だと思います。
星野さんの薇には本当にびっくりしました。京味でもこの時季出ましたが、かなり苦くて、若いときは、なんだろな~、春を迎える修行だなって思って食べてました。
星野さんのは、野菜ならでわの甘みに、ほんのり苦味があり、春が口の中で溢れていました。コツは、低温でゆっくり揚げること。
これは星野さんでないとできない仕事です。参りました。