3回
2020/09 訪問
今シーズンもう1回は食べておきたい。涼感と旨味を楽しめる完成度の高い一杯。
・平日18時10分。丁度私で満席。少し早い時間のせいもあるのか今回も若い方が大半でした。
女性の一人客も複数あり。心地よい音量でジャズが流れて落ち着ける良い雰囲気。
店内を満たす鰹出汁の香りが食欲をそそります。
・前回訪問時に周りの方がこぞって注文していて気になった「魚介だし汁 冷やし850円」を注文。
・ガラスの器にレモンが浮かびとても涼しそう。スープの色はごく淡い出汁の色で透過しています。
表面はキラキラと大小脂泡が浮かびちょっと脂っぽそうな感じもします。
・冷製なので香りは穏やか。煮干しの苦い風味を感じないのでやはり鰹と昆布中心の出汁に思います。
濃口醤油に劣らず違わず芳ばしくてじんわりと旨味深い。舌つづみを打ちたくなるような余韻の長さです。
表面の脂泡は何らかの香味油かもしれません。動物系のニュアンスは感じませんでした。
温度も涼感を感じつつも冷た過ぎないので風味がしっかり伝わります。本当に美味しい。
・麺は独特。低加水率でやや硬くごわっとした食感です。冷たくよく締まっていて、強い存在感が
涼感を増幅するように感じます。
・具材もことごとく美味しかったです。オクラとなめこのさっぱり感。カイワレの陰に身を隠した
微量の茗荷が爽やかな良いアクセント。豚肩ロース、鶏ムネ肉いずれも肉厚であっさりしながら
とてもジューシー。癖が全く無く唯々美味しい。味付けは抑え目で素材そのものの旨味を感じます。
冷たいラーメンは初めての体験ですが、"企画もの"のレベルでは無く、冷やし中華やそうめんに引けを取らない夏の定番メニューとなっても不思議無い高い完成度に感じました。抜群に美味しかったです。今シーズンのうちに少なくとももう一回食べに行きたいと思います。また、店主の方の気配りが素晴らしかった。代表並びの割り込みを諭すのも、食事中の大きな声でのおしゃべりを諭すのも、あくまで礼儀正しくかつ毅然としていて、ピリピリした雰囲気にならずに周囲の留飲を下げてくれる。いろんなことがきっちりしたお店だなあと改めて感銘を受けました。
2020/09/12 更新
2020/08 訪問
見た目と異なる柔らかさと上品さ。鰹昆布魚介と醤油、鶏のバランス絶妙。
・平日19時前、私で丁度満席。リノベされて雑貨屋さんとかアンティークショップのような外観で
雰囲気があります。この日は20代~30代の若い方ばかり。男女2人が多かったですが、女性の一人客も
いらっしゃいました。店内はダウンライトで落ち着いた雰囲気。ジャズがとても心地よい音量で流れて
います。冷房もきっちり効いていて待つにも快適。2人で運営。心地よく芳ばしい鰹出汁の香りが満ちて
いてそれだけで生唾がでてきそうです。
・初めてなのでメニューの最初にかかれている「濃口醤油780円」にしました。その他にも、塩、山椒白醤油、
魚介出汁冷やしなど魅力的なメニューが並びます。
・スープは非常に濃く、番茶のような色。これを大小脂泡がびっしり覆っているので、一見、醤油辛くて
脂っこい武骨でパンチの効いた味を想像してしまいます。ごろりと横たわる大ぶりな穂先メンマ、
赤いレアチャーシューもワイルドな印象を増幅します。
・しかし、味わいは見た目と随分異なりました。芳醇な鰹昆布の和出汁の風味。丸くて全く角のない
柔らかい醤油。程よい鶏のコク。穏やかで品よくかつ旨味の強い素晴らしく美味しいスープでした。
非常に好みな味付けでしばらくスープばかり掬って飲んでしまいます。
・麺はかなり細いですが、ずしっと重量を感じます。柔らかいけれど弾力歯ごたえがあってバランスの
良い麺に思いました。
・具材がことごとく美味しい。ほうれん草の湯がき加減が抜群で、瑞々しく新鮮で苦味は全く無し。
脇役とは思えない旨さがありました。三つ葉もしっかり薫ります。鶏胸肉のチャーシューはプリプリで
肉厚。パサつき無くラーメンの具材として食べたものの中では一番美味しいと思いました。
豚チャーシューも血が滴りそうな色ですが臭み癖は全く無し。肉厚で柔らかくて食べ応え抜群です。
カツオと昆布の魚介出汁が素晴らしく旨いです。しかも醤油と鶏とのバランスが保たれていて複雑な旨味が渾然と一体感を持っているような印象です。店主の方のミニマルかつ丁寧な接客や仕事ぶりもとても感じが良いです。これだけの味、クオリティで780円(味玉つけても880円)は申し訳ないくらいです。それほど待たないのもありがたいです。他のメニューも期待大。足繁くうかがいたいなと強く思いました。
2020/09/07 更新
平日19時前。私で丁度満席。待たずに入れてラッキーです。昨年大発見だった冷たいRamenを求めて伺いました。この日もお客さんは若い方が多かったです。子連れ家族や男女ペアなど。
変わらず照明とBGM(ジャズ)の加減が抜群(明るさ、色温度、音量、選曲等々)加えてエアコンの温度も最適で非常に心地よい空間です。
待望の「Ramen 冷 魚介だし汁 880円」を注文しました。※私の次の方で冷やしは終了。ギリギリでした。
ぱっと見は一年前と変わらない涼しげな姿ですが、つぶさに見ていくといくつか変更点あり。5mmくらいのかなり厚手の鶏胸肉が2枚載っていますが、昨年は一枚は豚ロースでした。また今年はとろろがトッピングに追加されています。
ほのかな鰹出汁の香ばしさは変わらず魅力的。オクラ、カイワレや自然薯の青くて爽やかな香りとあいまって食欲をそそります。冷製でも生臭さはありません。じんわりと臓腑に染みわたるような美味さも期待通りです。
麺は低加水率で芯がありややごわっとした食感。粘性の無い乾いた印象でとてもさっぱりしており冷たいスープにはバッチリ合っているように思います。量も適量で美味。
昨年も思いましたが、具材がどれも丁寧に吟味、調理されていてことごとく美味しい。オクラのゆがき加減とかカイワレの苦味具合とか素晴らしい。また、忍ばせられた茗荷が絶妙のアクセント。細かく刻まれ、気づかずに口の中で不意に遭遇するので効果てき面です。
ただ一点、好みもありますが、鶏胸肉は分厚くて弾力が強すぎ、やや大味に感じました。正直、流行りのコンビニサラダチキンに似た食感。。昨年の方が繊細さがあってグッド。また、同じもの2枚よりも豚鶏一枚ずつの方が変化があって良かったかなあと思います。
"冷たいらーめん"に開眼させてくれた一杯ですが、今年も期待に違わず非常に美味しかったです。お店の心地よさ、接客の素晴らしさも変わらずです。おしゃべりな若者カップルに会話を少し控えるように注意した後、ごくさり気ない調子で世間話を振っていたのは見事に思いました。休日は並びが苛烈とのこと、タイミングを合わせるのは中々むつかしいですが、冷やしのシーズン中にあと1回はうかがいたいと思います。