8回
2023/07 訪問
久し振りに「手打ち蕎麥汐見」さんにて、「8周年記念特別コース」。美味しい御料理と温かい接客とで、心も身體も癒されました
をとゝひ(令和5年7月10日、月曜日)、東京都新宿區早稻田鶴卷町にあります「手打ち蕎麥汐見」さんにて、夕食を頂きました。
當日は、一泊二日の東京行き一日目です。「汐見」さんをたづねるのは、先の在京時である令和2年の大晦日以來です。今囘、私は「食べログ」をとほして、「8周年記念特別コース」を一名で豫約しました。「食べログ」の豫約サーヴィスを使ふのは、今囘、初めてです。
時間は、17時30分スタートです。私は奧から二番目のカウンター席に案内されました。
因みに同日、御晝のまへには同じく早稻田界隈である「自家製中華そばとしおか」さんにて、「鹽ラーメン(小)」「チャーシュー」「メンマ」を食べてゐました……。在京時には、「竝」にしてゐましたが、今囘は夕食を「汐見」さんで食べる爲、初めて「小」にして見ました。此方に就いては、後にレヴューを書くかも知れませんが、私にとつては「小」で充分だと云ふ事が判明しました……。
それにしても、をとゝひ、きのふと東京都内は頗る暑くて、參りました……。「汐見」さんに向ふまへ、私は豫定よりも早くホテルにチェックインして、一旦、部屋にてシャワーを浴びて、シャツも着替へました。
豫約をしてゐるのですから、そんなに早く御店に向ふ必要はないのでせうが、之は私の性分でせうか、今囘もほんの少しだけ早く、御店のまへに到著します。すると暫くして、御店の方が出て來て……。副料理長に就任されてゐるTさんですが、どうやら私の事を覺えて下さつてゐるやうです。もう二年以上が經ちますのに、嬉しい事です。
店内に案内されると店主さんである汐見氏も、勿論、いらつしやり、矢張り、私の事を覺えて下さつてをり、いや/\、本當にそれだけで頗る嬉しいのです。コロナ禍とその後に就いて、私の之までに就いて、色々と御話しましたが、勿論、こゝでは書きません。
扠、當日、私の註文は以下のとほりです――。
「8周年記念特別コース」(要豫約、12,000圓)
日本酒「而今」(グラス、1,500圓)
「りんごジュース」(400圓)
――以上です。その「8周年記念特別コース」に就いては、以下のとほりです――。
一、「稚鮎の春卷き」
二、「燒き茄子と北海道産ズワイ蟹、三杯酢のジュレで」
三、「自慢のそばがき椀」
四、「本日のお造り」
五、お魚料理「イサキの燒きトマト添へ」
六、お肉料理「仙臺牛で仕込むローストビーフ、ミョウバン無添加の鹽水ウニ乘せ」
七、「揚げたての天ぷら、高知縣産の天然鹽で」
八、「締めの蕎麥、群馬縣赤城産、手打ち十割」
――以上です。また、サーヴィスとして、「鱧の卵に據る佃煮(?)」と「鮪の握り」を頂く事が出來ました。左記、上述しましたメニューに就いて、詳しくは何時ものとほり、畫像を御覽下さい。「百聞は一見に如かず」と申しますから。
コースのまへに、まづはサーヴィスでスパークリングワインが提供されます。そちらを飮みながら、「稚鮎の春卷き」、「燒き茄子と北海道産ズワイ蟹、三杯酢のジュレで」を食べ進めて行きます……。「稚鮎の春卷き」は因より、味が附いてをり、稚鮎らしい程良い苦味と、春卷きらしいパリ/\とした食感とが特長です。
「燒き茄子と北海道産ズワイ蟹、三杯酢のジュレで」はキャビア迄乘つてをり、豪華な一品です。かう云ふアッサリとしてゐて清涼感がある、適度な鹽梅である一品は、御酒とよく合ひます。
二品目を食べをへるぐらゐのタイミングで、「而今」をグラスで頂きます。「十四代」と共に人氣な御酒であり、その「十四代」もメニューに表記されてゐますが、今囘は何とはなく「而今」の氣分でした……。スッキリとしながらも、フルーティーな風味が特長で、殊更、重い御酒でもない處から、若い女性でも樂しめる日本酒ではないでせうか……。
このタイミングで、サーヴィスとして「鱧の卵に據る佃煮(?)」をおつまみとして、出して頂けました。
暫くして、「自慢のそばがき椀」が提供されます。天然眞鯛の骨でお出汁を取つたもので、細かく挽いたそばがきの甘い香りと、眞鯛の滋味深いお出汁とが樂しめるお椀です。素人が偉さうな事を云ふやうですが、美味しいお出汁を作る事が出來る料理人さんこそが、正に本物だと思ひます。そして、云ふ迄もなく、「汐見」さんに據るお出汁は頗る美味なのです。そばがきも、勿論、「汐見」さんが得意とする一品で、今はちやうど「夏の新そば」が使用されてゐるとの事です。
「新そば」と云へば、一般的には秋眞つ只中に出るものですが、群馬縣の赤城では夏にも新そばが収穫されるとの事です。とてもかをり良く、今囘のそばがきは捏ね方にも工夫が凝らされてゐるらしく、とても瑞々しい食感をも有してゐるのが特長との事です。實際に食して、さう感じました。少し黄緑色を帶びてゐるのが、外見上の特徴でもあります。
因みに「そばがき椀」のうへに乘つてゐる赤いものは、「マイクロトマト」と云ひ、今では一般的であるミニトマトよりも更に小さな野菜との事です。頗る小さいながらも、シッカリとトマトの味がします。
天然眞鯛の骨で取つたお出汁ですから、當然ながら、鯛との相性は拔群です。
「本日のお造り」は、4種盛りです。魚の名前に就いては失念しましたが(メモをしてゐない爲)、いづれも美味しく頂けます。海老は「天使の海老」と云はれるものらしく、頭に就いては、パリ/\と燒いたものを別皿で頂きました。左記しました食感は然る事ながら、意外に身も豐富で、ミソも澤山あり、美味しく頂けます。お造りは自家製の土佐醬油で頂きます。
矢張り、お造りと日本酒とはよく合ひます。
お魚料理は「イサキの燒きトマト添へ」です。イサキを燒き上げ、旨味の強い「燒きトマト」と合はせた、「8周年記念特別コース」に於ける特別メニューとの事です。慥かにイサキも燒きトマトも頗る旨味が強く、燒きトマトをソースのやうにして食す處から、イタリア料理にも通ずるやうな感想を抱きました。
この邊で「而今」を飮み干した爲、御酒ではなくて「りんごジュース」を註文します。
お肉料理は「仙臺牛で仕込むローストビーフ、ミョウバン無添加の鹽水ウニ乘せ」です。「仙臺」と云へば、私が私淑してゐる元早大教授であらせられるアメリカ文學者さんを思ひ出します。續けてサーヴィスとして「鮪の握り」です。中々、握る機會がないと云ふ店主さんの握りを食べられるとは、何とも幸運です。然も、種が鮪ですので、あゝ、矢張り、東京に來たなあ、と云ふ思ひを強くします。
之は色々な處で書いてゐますが、練馬區、池袋、高田馬場、早稻田、新宿と云ふ邊は、私にとつての第二の故郷です。
續けて、「揚げたての天ぷら、高知縣産の天然鹽で」は、何時ものとほり、Tさんに揚げて頂けます。ズッキーニ、茄子、天然車海老の3種類です。ズッキーニは食べ易いやう、半分にカットして頂けました。天然車海老は、適度にレアな揚げ具合で、天然車海老特有の甘味も感じられ、とても美味しいです。
「締めの蕎麥、群馬縣赤城産、手打ち十割」は、上述しましたやうに「夏の新そば」との事で、蕎麥に於けるかをりと甘味と瑞々しさとを存分に樂しみたい爲、「せいろ」にしました。そばがき同樣、黄緑色を帶びてゐる御蕎麥は、左記しましたとほりのかをり、甘味、瑞々しさです。まづは蕎麥のみ啜り、その後、そばつゆのみ味見して、最後にはほんの少し蕎麥をつゆに浸けて、思ひ切り蕎麥を啜ります。十割ですが、喉越しにも優れてゐて、見た目も美しいです。
最後は、蕎麥湯、そして3種のデザートを頂き、御店を出る際には、お土産も頂きました。私事では色々とある私ではありますが、「汐見」さんにて歡待して頂き、美味しい御料理も頂けて、頗る力を得て、心も癒やされました。
とまれ、御馳走樣でした。
2024/01/08 更新
2020/12 訪問
汐見さんで大晦日のディナーを食す
以下は私のFacebookからの轉載です。
皆樣、明けましておめでたう御座います。
きのふの大晦日は、夕食を早稻田鶴卷町の手打蕎麦汐見さんにて頂きました。もう何度もたづねてゐる御店ではありますが、一人でのディナーと云ふ事で、ほんの少し不安ではありました。が、結果を申し上げると、非常にリラックス出來、美味しいお料理、お酒、デザートを頂け、樂しい時間を過ごせました。17時半のスタートで、食事を終へたのは19時半くらゐでせうか。店内は滿席、私はいつものやうにカウンターにとほされました。
當日はディナーのみ、一萬圓のコースのみです。
まづはサーヴィスで、グラスにスパークリングが注がれます。眞澄と云ふお酒で、「和食に合ふスパークリング」を目指してつくられたさうです。「晴れの日本酒」としても最適との事で、正に大晦日のディナーを始めるのに最適と云へませう。よく冷えてをり、シュワっとした泡立ちが心地好く、お米の風味も感じます。
一品目は、フグの唐揚げです。後の御造りにもトラフグが出ますが、先日、Tさんがフグの免許を取得された事も關係してゐるのでせうか。お若いのに大したものだなあ、と偉さうな事を思つたりします。フグが名産の山口縣の下關では、フグの事をフクと云ひますが、一説には福を捩つて、縁起を擔いでゐるとか。フグの唐揚げは、お好みで添へられてゐるレモンと鹽を用ゐて食します。非常に上品な風味で、あつさりとした味に揚がつてゐる爲、大變美味しいです。
二品目は、この時期だけのお樂しみと云ふ香箱蟹三杯酢ジュレかけです。活きたまま仕入れ、丁寧に調理されたとの事です。この邊りでスパークリングを飮んで了つた爲、金澤屋の熱燗をお願ひします。矢張り、冬のディナーですと、辛口を燗で頂きたくなります。香箱蟹は初めて食べます。身はやゝあつさりでふんわりとしてゐ、蟹味噌は濃厚です。そして、その蟹味噌よりも濃厚なのが卵でせうか。頗る美味で、食通に好まれる理由が分ります。ジュレは蟹全體をあつさりに仕上げる効果があると思はれますが、これは好みですが、私はジュレの量は控へ目のはうがより良いと感じたかも知れません。それでもとても美味しく頂けました。
三品目は當店自慢のそばがき碗です。鯛の骨で出汁をとつてあり、細かく挽いたそばがきの甘い香り、香ばしく燒いた鯛の身、滋味深いお出汁が樂しめるとの事です。素人が偉さうな事を云ふやうですが、和食の膽と云へばお出汁で、汐見さんのお出汁は絶品だと思ひます。解説されてゐるやうに滋味深いお出汁は頗る美味ですし、それでゐて繊細なそばがきの香りと鯛の身の味はひとを活かしてゐます。お野菜もシャキシャキして食感が心地好く、柚子の香りも良いアクセントです。
四品目はお造りです。餘談ですが、武士の方々はお刺身ではなく、お造りと云ふらしいですね。矢張り「刺」と云ふと切腹を聯想する爲でせうか。そして關西が町人文化であるのに對し、關東を始めとする東日本は武士の文化圏です。煮凝り、トラフグのねぎ卷き、長崎縣五島列島より直送のスジアラ、ヒレナガカンパチと云ふ内容です。煮凝りはその儘食べますが、濃厚な風味とプルンとした食感が樂しいです。トラフグは、酢醤油を輕くつけて食べます。深い味はひでありながら、しつこくなく、矢張り上品な風味と舌触りです。ネギも存在感があります。スジアラと云ふお魚は初めて食べましたが、御造りに適してゐる高級魚で、可也の美味との事です。實際に食して見ると、あつさりとした味で、コリコリとした食感が心地好く、何度か噛んで食感を樂しんでゐると、より味を感じられるやうです。ヒレナガカンパチは脂が乘つてゐて、甘味が濃厚で醤油にも負けないくらゐです。ブリ屬との事で、とても美味しいです。
扨、その後、燒き物やローストビーフと續く訣で、この邊りで生ビールをお願ひしました。
五品目は本日のお魚料理、甘鯛の鱗燒きです。身はふんわり、鱗のついた皮目は香ばしくパリパリ。食感のコントラストにこだはつて、店主さんがじつくりと燒き上げます、と解説されてゐます。配膳の際、Tさんが、店長のスペシャリテです。鱗と身とを一緒に食べて下さい、と仰つたので、そのとほりにします。成程、慥かに皮目と身との食感のコントラストが頗る樂しいです。風味も豐かで、味も適度についてをり、生ビールともよく合ひます。流石は店主さんのスペシャリテだけあります。
續けて、ミョウバン無添加の鹽水うにを毛蟹と飯蒸しにしたものです。こちらはうに、毛蟹とも非常に濃厚な味はひです。
更に續けて、牛の塊肉を仕入れて仕込まれた自家製ローストビーフです。非常に柔らかく、霜降りの牛肉は脂が適度にのつてをり、甘味が豐かです。ソース、わさび、鹽をつけて食べますが、個人的にはわさびを好ましく感じました。こちらも矢張り、生ビールとも合ひます。
天麩羅は何時もの如く、Tさんが揚げて下さいます。獅子唐、茄子、椎茸、天然の車海老です。相變らず美味しいです。カウンター席ですので、一つづつ出して頂けます。
締めのお蕎麦は、群馬縣赤城産、新蕎麦の手打十割です。せいろで、お蕎麦の香りや喉越しを堪能するのもありですが、矢張り當店はお出汁も美味しいですし、温かいものも食べたいですから、かけを鴨南蠻に變更して貰ひます。私にとつて贅澤なお蕎麦とは鴨南蠻なのです。お蕎麦もお出汁も美味しいですし、鴨やつくねも美味しいです。柚子がはひつてゐるのも嬉しいです。料理の締めとしてのみならず、一年の締めとしても最高な鴨南蠻を食べる事が出來て本當に滿足です。
デザートも、ランチのそれとは違ひ、質量共に豪華で、とても美味しく頂けました。特にみかんの大福のやうなものが氣に入りました。少しだけ故郷廣島の八朔大福を思ひ出します。
恥づかしながら、生涯で一番の贅澤をさせて頂き、本當に思ひ出深い大晦日のディナーを食せました。汐見さん、お料理、お酒だけではなく、接客も素晴らしく、本當に良い御店だと思ひます。
一萬圓特別コース
金澤屋
生ビール
かけを鴨南蠻に變更
合計13,580圓
https://www.facebook.com/100041831059363/posts/451199616284403/?d=n
2021/02/10 更新
2020/12 訪問
豚つけの思ひ出
以下は私のFacebookからの轉載です。
とある日は、早稻田鶴卷町の手打蕎麦汐見さんで御晝を食べました。
色々と書きたい事があるものゝ、この記事に於ては、飽く迄も御食事のリポートに專念します。註文は、選べる天御膳1,980圓、天麩羅のメインは天然車海老を選擇します。お蕎麦は後に出して頂き、追加料金の200圓を払ひ、季節のお蕎麦の中、豚肉つけを擇びます。
コロナ禍で大變な御時世ですが、當店の御晝營業はとても活氣があります。それもその筈、ランチでもお料理はとても美味しいですし、御店の皆樣の御心遣ひも有難いものです。
まづは御膳が運ばれて來ます。土鍋炊き御飯、自家製のお豆腐、揚げ豆腐、大根、青菜の煮物、とろゝ、香の物です。加へて、カウンターでの食事ですから、天麩羅は一品づつ、カウンターうへのお皿に随時、盛つて頂けます。全てのお料理が眞面目で正統派だなと感じられます。ご飯は少しかためでちやうど良い炊き具合です。お豆腐も卓上の鹽を少し添へて頂くと、ほんのり甘味を感じられ美味ですし、食感としては心地好い齒應へと云へば、お豆腐に就いては不適切な形容かも知れませんが、柔らかさの中にも、食べる者に媚びない、芯の強さのやうなものを感じ、それが心地好いのです。煮物に就いては、素人が偉さうな事を云ふやうですが、煮物でその御店のレヴェルが分るやうに思へます。ちやんと具材に味が染みてゐますし、食感も適度に殘つてゐます。それに何より、これは當店のディナーを食べれば、存分に味はへる事ですが、兎に角、お出汁が美味しいのです。天麩羅は何時もの方が揚げて下さいます。まづは天然車海老と紫蘇の葉。揚げて直ぐ出すのではなく、或程度、時間を置き、蒸してから出すのが定石と聽きます。揚げ過ぎる事なく、絶妙に蒸してある車海老は、衣がサク/\でありながら、海老は適度に瑞々しく、鹽で食べると、矢張り、より一層甘味が引立ち、頗る美味です。茄子、肉厚の椎茸、もう一尾天然車海老で天麩羅は終了ですが、いづれも美味しく頂けました。
天麩羅を食べ終へ、季節のお蕎麦として豚つけをお願ひしました。温かい濃口の御汁に豚肉と燒き葱が具材としてはひつてゐます。御汁も豚肉もしつかりと味が付いてゐますから、當然ではありますが、お蕎麦は少し許り御汁に浸けて食します。新蕎麦と云ふ事もあつて、香りをよく感じられますし、喉越しも頗る良いです。ちやうど一年まへくらゐの事です。豚つけを目當てに當店をたづねた處、先週で終はつてゐた處を、店主さんの圖らひで、餘つてゐる材料で特別に出して頂いた事を思ひ出しました。さう云ふ柔軟な對應を正にホスピタリティと云ふのでせうね。非常に有難い事ですが、お店をたづねる側としては、それを當りまへと思ふ事は愼しむべきと私は思ひます。
〆としてのお蕎麦のデザートと蕎麦湯も、とても美味しく頂けました。
https://www.facebook.com/100041831059363/posts/441258447278520/?d=n
2020/12/17 更新
2020/11 訪問
今囘はアラカルトで
以下は私のFacebookからの轉載です。
きのふは早稻田鶴卷町の汐見さんにて、御晝を食べました。何時もは御膳を頼むのですが、今囘はアラカルトにしました。
お料理とは關係ないのですが、當日、私はかなり疲れてをり、註文の際にも滿足に言葉が出ないやうな状態でした。體の疲れと云ふよりも、變な云ひ方ですが、腦が疲れてゐると云ふやうな感じです。
汐見さんでは、お酒は日本酒を頼む事が多いのですが、當日は私にはめづらしく、生ビールを頂きました。同時に玉子燒きもお願ひしますが、燒いて頂くには少しお時間が掛かるものです。その間は、生ビールに附く鴨皮をおつまみに、生ビールをちびちびと飮みます。疲れてゐる時には、シュワつとしてゐるビールのはうが、日本酒よりも心地好く感ずるかも知れません。メインと云ふか〆と云ふか、その二つを兼ねるやうな形で、最後には天婦羅蕎麦を温かいはうで出して頂きます。
玉子燒きは出汁卷き玉子です。一人まへとして、ハーフのやうなものを出して頂けたと思ふのですが、店主さんが、◯◯のものと◯◯のものとどちらにしますか、と云ふやうな事を仰られたと思ふのですが、上述したとほり私は疲れてをり、上手く聽き取れず、苦し紛れに、最初のはうで、と答へて了ひ、どうにも恥づかしかつたです。もしかしたら、その言葉自體、私へ向けられたものではなかつたものを、私が勘違ひしただけかも知れません。とまれ、暫くして頂けた玉子燒きは、フワフワな感じとトロトロな感じとが、良い鹽梅に同居してをり、味附はとても上品で、美味しい一皿でした。
温かい天婦羅蕎麦は、天婦羅とお蕎麦とは別々に出されます。カウンターの席ですので、天婦羅は揚がつた順に提供され、お蕎麦は、お汁、赤城の新蕎麦、三つ葉に柚子と云ふシンプルイズベストと云へる一杯です。まづは天然車海老と獅子唐。適度な揚げ具合と蒸らし具合で、車海老の甘味と瑞々しさを樂しめながらも、衣はサクサクでとても美味しいです。獅子唐の控へ目な辛味が、車海老の甘味と對を成してゐて面白いです。その次に上述したかけ蕎麦です。前囘同樣、新蕎麦は香りが豐かで、喉越しも心地好く、お汁に關しても、汐見さんのお汁やお出汁は絶品と云ふしかありません。シンプルなかけ蕎麦だからこそ、お蕎麦とお汁の良さが引立ちます。茄子、肉厚の農家直送の椎茸、再び天然車海老と云ふ順番で天婦羅は終了ですが、どれも美味しく頂けました。最後はデザートをサーヴィスして頂け、有難い限りです。
會計の際、大晦日の豫約もしたのですが、坂田ですと云ふ處を、自分で坂田樣ですと云つて了ひ、本當に恥づかしく思ひました。矢張り、上述した日頃の疲れのせゐでせう。そんな詰まらない私を、何時もお店の方々は歓待して下さり、有難い事ですし、お店を出る頃には、心なしか心身共に疲れが癒えて來たやうに感じました。
かへりに早大のオフィシャルショップへ寄り、エンブレムピンバッジを買ひ、ブラッドリーオレンジを飮み、一服しました。
https://www.facebook.com/100041831059363/posts/412805663457132/?d=n
2020/11/10 更新
2020/11 訪問
矢張り新蕎麦は頗る美味です
以下は私のFacebookからの轉載です。
きのふは久し振りに早稻田鶴卷町の手打ち蕎麦汐見さんで御晝を食べました。コロナ騷ぎのせゐで苦戰するお店が多い中、汐見さんは開店して直ぐに滿席で、その人氣が伺へます。地元の方々や早大關係者にも利用されてゐるでせうし、遠方からいらつしやる方もゐる事でせう。ちよつとした集ひや會合にも、半個室のテーブル席があり便利です。
今囘は、すき燒きか天婦羅かで直前迄迷ひましたが、天御膳を擇びました。天婦羅のメインは、天然の車海老か帆立か、どちらかを擇べますが、久し振りに車海老を擇びます。帆立も御造り用のものが使用され、レアな状態で上手に揚げて頂けるので、頗る美味なのですが、車海老と云ふ天婦羅の王道な種が食べたいと思ひました。お蕎麦は、せいろを大盛で、〆として出して頂きます。季節のお蕎麦であるきのこのお蕎麦も氣になりますが、赤城より新蕎麦がはひつたとの事ですから、茲は矢張り基本のせいろで食すべきでせう。飮みものはと伺つて頂けたので、天婦羅に合ふのは、どんなお酒ですか、と聽いた處、メニューに就いて、矢張りこの邊のすつきりとしたものでせうとおつしやるので、その中から九頭龍を擇びます。
まづはその九頭龍がグラスで運ばれて來ました。鴨皮のおつまみも附きます。九頭龍は福井のお酒で、すつきりとした辛口です。鴨皮もこりこりとしてゐて大根卸と共に食べると美味しく、お酒も進みますが、そこは少し我慢して天婦羅が來る迄、お酒を取つて置きます。グラスで二杯飮む事も偶にある私ですが、當日は一杯にして置きました。
暫くして、天婦羅以外の御膳が運ばれて來ました。土鍋で炊かれた御飯、自家製のお豆腐、煮物、山芋、なめたけです。店名は手打ち蕎麦汐見さんと云ふお名前ですが、當店は日本料理の正統派でもあらせられる爲、ランチの煮物にしても、その仕事の一端を伺へますが、その全てを味はひたいならば、是非ともコースのお料理を食べるべきでせう。メインの天婦羅は、獅子唐、那須、天然の車海老、慥か岩手の農家さんより直送の肉厚な椎茸、天然の車海老と云ふ順番で揚げて頂けました。私は何時もカウンターでの利用ですから、種は一つづつ、カウンター越しに直ぐに運んで頂けます。どれも美味しいですが、特に椎茸が美味しく思ひましたし、矢張り天然の車海老も美味しいです。辛口のお酒ともよく合ひます。
天婦羅を食べた後は、〆として手打ちのせいろです。今囘は新蕎麦を大盛で頂きます。本格派のお蕎麦を久し振りに頂きましたが、新蕎麦と云ふ事もあり、頗る香り高く、喉越しも心地好く、とても瑞々しく、本當に美味しいお蕎麦です。矢張りせいろで頂き正解です。量も大盛りにして正解です。せいろだけでなく、汐見さんではかけもお薦めで、母とディナーのコースを食べた際、矢張り〆として食べましたが、當店のお出汁は頗る美味です。せいろはつゆも、辛過ぎず、薄いと云ふ事もなく、ちやうどいゝ鹽梅です。東京で好まれるタイプの味附です。
デザートと共に蕎麦湯も頂け、蕎麦湯はとても濃厚な風味です。
久し振りの汐見さんでの御晝でしたが、矢張り自分は日本人なのだなと自覺した一時でした。またたづねたいと思ひます。
會計
天御膳 1,980圓
大盛 300圓
日本酒 外 450圓
https://www.facebook.com/100041831059363/posts/406572414080457/?d=n
2020/11/03 更新
2020/01 訪問
汐見さんにてお晝に旨いお酒と料理とお蕎麦
以下はFacebookからの轉載です。
けふは早稻田鶴卷町の手打ち蕎麦汐見でランチ。
まづは十四代の確か吟釀1,200圓を註文。鴨皮と共にグラスで提供される。加へて、「仙臺牛と濃厚な大分縣産のブランド卵『蘭王』を使つたすき燒き鍋」であるすき燒き御膳1,890圓を註文。お蕎麦は追加料金200圓を拂ひ「サッと炙つた油あげと九條ねぎの香り、柚子胡椒の刺激がマッチ」した九條ねぎへと變更、更に300圓拂ひ麺を大盛にする。蕎麦は〆として出して貰へるやう、註文の際に傳へると、頃合を見てこちらから店員へ傳へて呉れと云はれた。御膳の内容は、主菜、お代はり自由のご飯、とろろ、小鉢、香の物、蕎麦、甘味。酒も料理も蕎麦も旨く、日頃の疲れを癒し、英氣を養ふには最高の御晝であつた。
2020/01/30 更新
2019/09 訪問
初めてのディナーでの利用。非常に満足しました。
最近食べログを始めたのだが、まだ食べログを始めるまへの昨年、お昼で利用した際には、天御膳と十四代を一合頼み、味、技術、サーヴィス、ドリンク等に満足し、それから久し振りに、今度はディナーで利用しました。予約で頼んだのは、一人六千円のお薦めのコース。少し早くお店に到着すると、お店の前には満席とのお知らせ。お昼にたづねた際にも、沢山のお客さんがいらつしやいましたが、やはり夜も人気のやうで期待が高まります。
まづは、スープがはりとして、お出汁のやうなものが出ますが、これが美味。かういふ一品が旨いといふ事は、良いお店の証拠。
前菜は、器の演出からして、非常に楽しいメニュー。押し寿司も美味しいし、銀杏や無花果は季節を感じます。
このあたりで、ドリンクとしてジンジャエールを注文。お酒は良いものが揃つてをり、本来ならば頼みたいところですが、けふは我慢。
北海道産、生食用の真牡蠣のカキフライ。添へられてゐるレモンを絞つて食します。私は広島出身で、カキフライは大好物ですが、こんなに大振りで、クリーミーなカキフライは初めて食べました。今迄はプルンとした食感の牡蠣を食べて来ましたが、この真牡蠣はトロリとしてゐて、甘味も豊かです。それでゐて、衣はサクサクとしてゐて、その対照的な食感がとても素晴らしい。今迄で一番のカキフライで頗る美味。
松茸の土瓶蒸し。具は、松茸の他に海老、鶏肉やミツバ等。松茸と云へば、正に秋の味覚の代表格。そのかをりとシャキシャキとした食感はたまりません。土瓶蒸しと云へば、お出汁ですが、非常に上品ながらも、薄過ぎず、ちやうど良い塩梅の味付。とても美味しいです。後半はすだちをしぼり、味の変化を楽しみます。
お造りは、五島列島より直送のヘダイを自家製の土佐醤油で。瀬戸内の鯛よりも、味が濃く、シコシコとした食感で美味。
子持ち鮎の塩焼き。子持ち鮎で、これだけ卵や身の状態が良いものは、中々、ないのではないでせうか。仕入からして、しつかりしてをられる事が分かりますし、焼きの技術も確かなもの。頭以外は、全て食べてしまひました。
活きたまま仕入れた北海道産のズワイガニと北海道のイクラ。筋子で仕入れ、店内で出汁醤油漬けにしたもの。他のメニューもさうですが、殊にこのメニューは、日本酒と共に飲み食ひすれば、最高でせうね。カニもイクラもとても美味です。
天麩羅の盛合はせ。海老、オクラ、ナスの三品。以前、天御膳を食べてゐた為、分かつてゐましたが、どれも美味しいですし、やはり天麩羅を食べると豊かな気持ちになります。全て塩で食す。
締めの蕎麦は、群馬県赤城産の蕎麦を手打の十割で。せいろかかけが選択出来るが、非常に出汁が旨いお店と云ふ事が分かつた為、かけを選択。これが大正解。西日本の出汁とはまた違ふ、それでゐて私好みの上品でありながら控へ目過ぎない味と豊かなかをり。蕎麦自体も、喉越し、かをり共に素晴らしく、非常に旨い一杯でした。
最後はデザートで終了。スタッフ皆さんの接客も心地良く、料理の味や技術も確かで、また是非たづねてみたいお店です。
2019/09/25 更新
をとゝひ(令和6年3月15日、金曜日)、東京都新宿區早稻田鶴卷町にあります「手打ち蕎麥汐見」さんで夕食を頂きました。
當日は二泊三日の東京行きに於ける二日目です。豫約は大分以前にて、「食べログ」をとほして行つてゐます。「特別なコース」(13,000圓)を豫約して伺ひましたが、用事の爲、時間に遲れて了ひ、申し訣なく思ひます。
それでも汐見店主を始め、お店の方々に歡待して頂き、洵にありがたく思ひます。美味しいお料理を愉しむのは當然として、心身を癒やす爲と云ふのも私が「汐見」さんをたづねる大きな理由の一つです。
以下、お料理の説明に就いては、「店主よりご挨拶」據り――。
・まづは「十四代」をグラスで一杯(2,100圓)。當日「十四代」は二種類ありましたが、雜味がないはうを選擇します。最近は優しいお酒が好みな私です。
・「早堀りたけのこ」甘さを活かし、薄衣の唐揚げに。木の芽の香りが食欲をそそります。
……日毎に春らしくなつて行く、けふこの頃ですが、その春らしさを感ずる「早堀りたけのこ」が一品目です。
・「櫻肉のユッケ風」熊本産の馬刺しを使ひました。臭みのない、クリアな旨みが特徴です。大分縣産ブランド卵「蘭王」を絡めてどうぞ。
……汐見店主は、熊本は天草の御出身との事です。私の父も熊本出身の爲、馬刺しはよく食べます。(※殘念ながら寫眞を撮り忘れました)。
・自慢の「そばがき椀」千葉縣産の地ハマグリでお出汁をとりました。細かく挽いたそばがきの甘い香りと、ハマグリの滋味深い味が樂しめます。
……正に「自慢の」と仰有るに相應しい一杯であり、「汐見」さんらしさを存分に感ぜられる一杯です。
・本日のお造り「アフリイカ」(鹽と山葵か)自家製の土佐醬油でお召し上がりください。
……イカの王樣と云はれる「アフリイカ」は最も美味いイカと評されてゐます。
・お魚料理「寒鰤の橙みぞれあんかけ」脂の乘つた寒鰤をふんはりと燒き上げ、すつきりとした酸味の橙みぞれあんかけをかけました。
……ふんはりと仕上げられてゐる處とカリッと仕上げられてゐる處との對比が面白くもあります。
・「りんごジュース」(400圓)
・「毛蟹とウニの手卷き壽司」活きたまま仕入れた「毛蟹」と「ウニ」は手卷き壽司に。千葉縣産の最高級海苔は香りよく、毛蟹やウニを引き立てます。
……まづは下の海苔を上へと疊み、其處から左右の海苔を疊んで頂くやうにと説明されます。矢張り、蟹やウニは美味しいです。
・「神威豚の角煮」じつくりと柔らかく仕上げました。淡路島から直送の新玉ねぎの甘さが合はさつて絶妙です。
……「美味い料理とはフハトロアマだ」と云ふやうな事を、何處かで福田恆存さんが書いてゐたと記憶しますが、この一皿は正にさうだと云へます。
・「揚げたての天ぷら」は、高知縣産の天然鹽でどうぞ――。
……「汐見」さんでは、天ぷらは鶴岡さんが揚げられる事が多いのですが、現在、その鶴岡さんは産休育休中との事。私、そこ/\の年月、「汐見」さんに通つてゐる事と思ひますが、汐見店主が揚げる天ぷらを食べるのは、今囘が初めてかも知れません。
「スナップヱンドウ」
「ホタルイカ」
・「ジンジャエール(辛口)」(400圓)
「淡路島の新玉ねぎ」……玉ねぎやナスの天ぷらは、とても熱いので要注意ですね。その點、説明を怠らない「汐見」さんは流石です。甘くて、瑞々しくて、美味しいです。
「蕗の薹」……山形縣産の天然蕗の薹。「汐見」さんは、山形の農家さんから、毎年、山菜を仕入れられてゐますが、今は蕗の薹が出始めた時期との事です。もう少し時期が進めば、各種の山菜が出るのではないでせうか。因みに私、一番好きな天ぷらは、この蕗の薹です。蕗の薹特有の苦味が正に美味で、春のかをりもして、非常に滿足です。
「帆立」……お造り用の帆立の爲、天ぷらでもレアな仕上がりを心掛けていらつしやいます。月竝な表現ですが、外はカリッ、中はトロリで甘く、美味しいです。
「天然の車海老」……矢張り、天ぷらと云へば車海老は外せません。
・「締めの蕎麥」締めの蕎麥には、群馬縣赤城産、手打ち十割です。直接畑を見に行つて擇んだ、こだはりの蕎麥でございます。「せいろ」、もしくは「かけ」をお擇びいただけます。本日は、「五島列島産、生あをさ蕎麥」もお擇びいただけます。
……蕎麥自身を愉しめる「せいろ」や「あをさ」も勿論、魅力的ですが、蕎麥と共に「汐見」さんのお料理の基本であるお出汁も、純粹に愉しみたいと思ひ、「かけ」を選擇しました。この上質な東京スタイルのお出汁を頂けるのは、矢張り、「汐見」さんならではです。
・デザートは春のデザートとして
「あまわうのいちご大福」
「蕎麥茶のババロア」
「夜櫻をイメイジした羊羹」
一番氣に入つたのは、いちごの甘酸つぱさとシャキシャキ感、大福の甘さとふんはり感とが対照的で面白い「あまわうのいちご大福」ですね。
・お土産「櫻海老の炊込みご飯」
何時も美味しいお料理を頂け、心も身體(からだ)も癒やされてゐます。とまれ、御馳走樣でした。