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1回
夜の点数:4.9
2018/09 訪問
夜の点数:4.9
おそらくは、神が握っている。
2018/09/14 更新
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私は疲れていた。
隠岐諸島西ノ島から本土に帰還したばかりだった。西ノ島は最高だったが、野宿、20kmほどの歩行、雨、そして傘の大破が私の肉体を限界に追い詰めていた。疲労はお腹を刺激し、お腹は闘争を求めていた...。
そして、私はすし若に立った。
この店は、友人の仁保間二郎が狂ったように推していた店だった。しかし二郎は、京大の横にある迷店、ニヴォジーロにあしげく通うような人間だ。本当にすし若が美味しいのか、それは疑問だった。ニヴォジーロは付近の京大生からはゲテモノの代名詞として用いられ、「ニヴォジーロに行くよりは、私は名誉ある死を選ぶ」とさえ言われることもあるほどだった。それを彼は好んでいたのである...。
私は椅子に座り、注文する。
来た。
溢れんばかりの光。
寿司は輝いていた。
ダイヤモンドを見ているのだろうか。
私はそれを指輪に仕立てたいとさえ思った。
これが120円…?
120億の間違いではないのか?
理性はこれを食することを拒んだ。
ダイヤモンドを食べるだなんて...。
しかし腹が闘争を求めていた。
体が勝手に動いた。
私にはそれ以降の記憶がない。
おそらくそれは極めて「美味しかった」。
私の記憶はその後、雨の夜を歩く所から始まる。
湿った風を感じながら思った。
しゅごい…。
私は一生を捧げる寿司屋に今、出会ったのだ...。
私は子供の名前を「すし若」にすることを決めた。
たとえそれが娘であっても。