この口コミは、如月 来夏さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら
利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。
問題のある口コミを報告する
-
昼の点数:5.0
-
¥2,000~¥2,999 / 1人
-
-
料理・味 5.0
-
|サービス 3.5
-
|雰囲気 3.0
-
|CP 3.0
-
|酒・ドリンク -
-
-
[ 料理・味5.0
-
| サービス3.5
-
| 雰囲気3.0
-
| CP3.0
-
| 酒・ドリンク- ]
とん活の集大成にふさわしい名実ともに一級品の店
-
{"count_target":".js-result-ReviewImage-110642595 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-110642595","content_type":"ReviewImage","content_id":110642595,"voted_flag":false,"count":2,"user_status":"","blocked":false}
-
{"count_target":".js-result-ReviewImage-110642589 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-110642589","content_type":"ReviewImage","content_id":110642589,"voted_flag":false,"count":0,"user_status":"","blocked":false}
-
{"count_target":".js-result-ReviewImage-110642594 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-110642594","content_type":"ReviewImage","content_id":110642594,"voted_flag":false,"count":1,"user_status":"","blocked":false}
2019/07/01 更新
今年の梅雨は本気モード、小雨降りしきるなか開店1時間前を目指し訪問。さすがにちょっと早過ぎたかなと思ったのも束の間、もう既に1組2人の先客が店前に並んでおり、すかさず並んだ自分の後ろにもあっという間に列ができていく。
もうこういう列に並ぶのに抵抗もないし慣れたもので、1時間なんてあっという間。開店10分ほど前になると店主が顔を出し人数確認を始めたので振り返ってみると、いつの間にやら列は軽く20人を超えている。この段階ではまだ注文とりはない。
フロアを取り仕切る年配女性に、意外と狭い店内のカウンター席いちばん奥に通される。先ほどの店主含め厨房に立つ男性三人衆がぞろぞろ入店してくる客に元気よく挨拶。各自オペレーション分担がしっかり出来ているようで、席への誘導からお茶とおしぼりの配膳へという流れは実にスムーズ。
間髪入れずに注文をとりに来られたので、事前に入手しておいた情報通り特ロースカツにご飯味噌汁のセット+バナナ海老を単品1本つけてオーダー。見ていると、大半の客が特ロースもしくは特ヒレにセットという組み合わせを注文している。メニューを見ると始めから定食になっているのはロースやらヒレやらチキンカツやらで、特ロースと特ヒレに関してはさすがプレミアムだけあって単品のみ。それにご飯と味噌汁のセットをつけるというのは「ぽん多本家」みたいだ。
お通しのキュウリのお新香からして相当ヤバい。若干中華寄りの味つけで浸かり具合がちょうどよく、これだけでご飯をいただきたくなる。あれ、このセリフ前にもどこかで言ったな。。。
20分弱で本丸登場。意外と衣が白く、ふわっとしたフォルムからして洋食屋のトンカツに見えるのは海老フライが1本添えられているせいもある。そして赤出汁の味噌汁がなんとも優しく滋味にあふれ喉を潤す。一緒に供されたドレッシングはちょっと変わった味つけでサウザンアイランド系にピリ辛のスパイスが加わる。
恥ずかしながら、これだけとんかつを食べ歩いてきて初めてとんかつの食べ方というか味わい方というか、かしこまって流儀とまではいかないまでも楽しみ方が分かった気がした。それだけこの店のとんかつが素人にも分かるくらい美味しかったということなんだけど。
まずロースとは脂身の甘みを楽しむ、とよく耳にするがこれはこの特ロースで初めて実感できた。まったく臭みがなく、とろんと口の中で弾け蕩けるコラーゲンの塊のような脂身を味わい尽くす至福のとき。頭の中がお花畑になる。
さらに、本当に美味しいとんかつはソースでなく塩で味わえとも。今まで何軒かのとんかつ屋にて岩塩だのナントカ塩だのとやらで試してみたものの、今ひとつピンとこなかった。それがはっきりと分かる。卓上に用意されたソースだって特製だろうに、それをかけることすらためらうほど塩で食べたいと渇望した。もう頭の中はいっぱいの花で埋め尽くされた養豚場だ。
いたずらに粗目のパン粉を使って見た目のボリュームでごまかさず、やや細目のパン粉で衣本来のもつサク味感を存分に引き出す匠の業。肉を噛んだ瞬間に溢れ出る肉汁といい、ふわっと鼻をぬけていく微かなラードの匂いといい、思い描いていたとんかつの理想像を具現化したかのよう。目の前にとんかつの神様が降臨した。
さらに言えば、お給仕を担当する年配女性の気配りの素早さと的確さも神レベル。こちらが言うが早いかご飯のおかわりはどうかと背後に立ち、食べ終わるや否や口直しのジャスミン茶を配膳。入店当初はずいぶん気丈な方だなと思ったが、これだけの客を捌くにはむしろこのほうがしっくりくる。
もっと驚いたのは、入店した際にさり気なく奪い取られた傘を帰り際にさっと手渡していただけたこと。どうやって膨大な数の客の多種多様な傘を判別し間違うことなく捌いているのか。祖父の形見として後生大事に使わせてもらっているので、紛失など言語道断罰が当たると密かに心配していたのだが。
都内近郊に数多あるとんかつ屋のうち、まだほんの一部しか訪れてないにも関わらず早くも頂点に君臨する店に出会ってしまったような。食べ終わって店を出るとき、ちらっと列を見たら最後尾が見えやしない。いやでもそこまでして食べたい気持ちもよく分かったし、またこれなら並んででも食べたいと心の底から思った。