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空気が変わった! ほたてを揚げるときの、凄まじいばかりの若大将の集中。それまでと明らかに違う"気"が、カウンターのあちら側でピーンと張りつめて、カウンター越しに刺してくる。息を飲んで見入ってしまう。 他の素材よりも、少し長く揚げられるので、緊張感は、はち切れそうだ。 鍋から出してまな板に置かれ、半分に包丁を入れ、切り口を確認した瞬間、やっと若大将の"気"もふわっと緩み、私も"気"の呪縛から解放され、ふうぅ、と息をつく。 切り口を見せて私の目の前に置かれたほたては、弾力を帯びた外衣とそこに包まれた中のクリームのような貝肉がまさに蕩け出さんばかりのレアな仕上がりで、さくっ、パチン、ふにゅふにゅるん、とした歯触りに、思わず、目を閉じてしまった。 美味しすぎる!!! 一気に揚げるほたて全てを、中とろレアに仕上げるための、集中力。 鍋の前に並んで、若大将を優しく見守る料理長の深町さん。 カウンター12席、テーブル2卓。半分くらいが、外国人。女性のお一人様が二人。満席です。店を出る時には、2回転目の人達がお待ちでした。昼も夜も2回転だそうです。 コースは店内でオーダー。お昼は3コースとアラカルト。〆と雲丹の天ぷらがあるNo.3の13,000円にしました。追加の蛤が1,500円。 天つゆ、塩、レモン、大根おろしがセットされ、天ぷら毎に、どれかをお薦めされます。お薦めを括弧書きで記します。 私は、まず、そのままでいただき、お薦めを。大根おろしは天つゆに少し使い、口直しに、次の一品をいただく前に、そのまま、食べてました。 ☆車海老の脚(塩) ☆車海老(奄美大島、塩) ☆車海老(二本目はレモン、塩) 脚のぽりぽりといい、車海老の中のしっとり感といい、天ぷらの海老、間違いないですね♪ ☆タラの芽(塩) 全ての食材の揚げるところを目の前で見ていましたが、タラの芽だけが、他の食材とは違う衣の纏わせ方。食事の後で、お聞きすると、食材の表面粗度の違いや緑色を鮮やかに魅せるためとのこと。 なるほどね~。楽しい! ☆蕗の薹(天つゆ) やはり、春のほろ苦味を感じさせてもらえる食材。 好きだなあ。 ☆鱚(塩、レモン) 鱚は子供のころ、親父と魚釣りに行き、天ぷらやフライにして食べていた大好きな魚。 出来立てのほくほく感と白身のさらさら感と。 ☆筍(鹿児島、塩、レモン) この時期になると、鹿児島産はもう甘いですね♪ ☆生雲丹(塩) えっ、もう、メイン?!と思ってしまった、本日のお楽しみが登場。 写真では見えませんが、雲丹たっぷり二段重ねなのです。うううう、と声も出せずに口の中で溶けていく雲丹に身も心も溺れていたら、隣の女性お一人様が「いや~、雲丹、美っ味しい~」と発した言葉に「堪らないですよね」と思わずつぶやき返してしまいました。 北方四島の馬糞雲丹。隣のお姉様の「紫雲丹のほうが美味しいのかと思ってたわ」に、若大将が「馬糞雲丹のほうが天ぷら向きなんですよ。紫雲丹は天ぷらにすると甘味が飛んでしまうんです」と優しく微笑みながら。 ここで、鍋の油を全部取り替えられていました。 ☆空豆(塩) 雲丹とほたての間に、ほこほこの食感。 ☆ほたて 切り口の美しさに見とれて、塩とかなんとか聞き逃しました。でも、何もつけなくていいです。 ほたての甘味と旨味に惚れ惚れ~♥️ ☆アスパラガス しゃきしゃき。 ☆穴子(塩) さっくりとあっさり、でも、旨味深し。 ☆蛤 深町さんが蛤に包丁を入れ、海苔を巻かれます。 カウンターのあちら側で、アラカルトオーダーされていたお客様の海苔巻き状態を見て、我慢できずに追加オーダー。 もう、そろそろ終わる蛤。 最初に海苔の風味にくすぐられ、蛤の深みのある旨味が押し寄せる。風味絶佳。 ☆天茶 海老のかき揚げに、お出汁の効いた煎茶。 するするとはいります。 お漬物も美味しい。 ☆林檎のアイス 青森のジェラート屋さんから。 天ぷらって何だろう?と伺う前から、食事中も思いつつ、いただいていたのですが、食事の後、若大将とお話ししている中で、しっくりとくるお答えがありました。 「蒸しに近い揚げ方をしていますね。衣で素材を包んでしまうと、素材は油に接していないし、衣の中は100度以上にもならないですしね。そうですね、うちは、蒸しの感覚でやってます。」 胃も、本当に軽くて、天ぷら、恐るべし!
2019/03訪問
1回
前回、「必ず蟹を食べに来たいです」と宣言した通り、蟹をいただきに来ました! ビルの上階に生け簀があって、この季節、夜は、生け簀から取り出した蟹を豪快に捌くところも目の前で見られるそうです。 お昼、通常10,000円が、蟹シーズンは15,000円。 日本海から直送の、植村さん曰く「松葉蟹(せいこ蟹)のメス。松葉せいこちゃん」(=松田聖子さんのもじりで、ドカンとウケを狙ったかな。。)を堪能しました。 ☆先付 茶碗蒸しに筋子を乗せて。茶碗蒸しの甘味と筋子の塩味。食欲増進。 ☆お椀 松葉蟹真丈。 赤い金時人参と緑のうぐいす菜が白味噌仕立てに映えて、お椀もルミナリエの蒔絵なので、色彩がクリスマスです♪ そのままのお出汁で。 真丈をほどいて。 中に詰まったカニ味噌を溶いて。 白味噌との相性抜群の蟹三段活用で美味しかったあ。口に含む度に「あぁ~」「あぁ~」って何度も吐露してしまう。 ☆さわら 藁焼きでたたきにして漬け。 すりつぶしたネギと和辛子で。 定番の逸品。 ☆蟹 植村さん曰く、この状態に身が詰まった蟹が植むらさん仕入れの漁港では水揚げされるそうです。そんなわけないですが(笑)、一本一本丁寧にとても手間をかけられています。 クリスタルドームの中で、キラキラと私を誘う松葉せいこ。少し、時間をかけて目の前に置かれています。 もう待てない!たまらん!口中あわあわ!って感じで、待っている間に頭くらくら。 ふっくらとした脚身の下にほぐした身が詰まって。ほぐし身の合間に、乳酸発酵させた蕪が混ぜてあり、食感の楽しさとともに、カニ身の甘い水分と少し渇いた乳酸の味が口の中で劇的反応。 美味しい~。 外子盛り盛り。内子もしっかりと。 蟹を食べている間は、剥き身の作業はないのに、店内、超~静かでした。 「美味しい」が店内に漂った。 ☆箸洗い 菊菜と菊花のおひたし。 箸だけでなく、蟹味でいっぱいのお口の中もさっぱり。 ☆焼き物 氷見の寒ブリの照り焼き。 ぶりの脂ってどうしてこんなに美味しいのでしょう。それものりのりの氷見寒ブリ。 甘さ控えめの栗のすりおろしをたっぷりとかけて、こちらも、潤と乾の食感の楽しさ。 目の前ですりおろされる栗の匂いが立ち込めて、此方は本当に心を待たせるのが上手い!! ☆お口直し 蔓海蘊。またもや、すっきり。 ☆揚げ物 此方の揚げ物は本当に楽しい。 海老いものフライドポテトです! 銀杏、生姜、芽ねぎ、もって菊(山形の食用菊の最高峰)を合わせた蟹餡掛け。 ☆ご飯 土鍋白ご飯です。 ☆甘味 シャインマスカット大福。 ☆いつものお出汁のお茶 やはり、このお店、只者ではありません。 「今日も食べていただきたいものがいっぱいあります!」と、植村さんのとても自信に満ちた元気なご挨拶で始まり。最初からとても気持ちがいい。 全てのお料理の説明も植村さんがなさいます。これが一斉スタートのお客側の利点なのかな。 お昼は12時一斉スタート。11席のカウンターは満席。お一人様は私を含めて3人でした。 カウンター前で焼きも炊きも盛り付けも見ることができます。私は植村さんが盛り付けをされる目の前だったので、超ラッキーでした。 ちなみに、夜も18時と20時50分の二部制の一斉始まりとのこと。 全体にかなりくっきりとしたお味。蟹の季節になると更にくっきり感が増すのではないかと思います。 とても楽しくて美味しくて、是非、夜もいただきたいと思ってしまいました。 また、お隣のお一人様のお二人が最近も来られた方のようで、お料理が重ならないように少しずつ食材を変えられていて、お料理の説明の後にお二人にだけ静かに追加の説明をされていました。そんなお客様目線のお気遣いも素敵でした。 ☆先付 「モロヘイヤのすりながし、汲み上げ湯葉、毛蟹、荏胡麻、花紫蘇、大葉」 ねばねば系、涼し系で夏の一皿目にぴったり。モロヘイヤと汲み上げ湯葉と毛蟹の組み合わせが美味しく、そこに荏胡麻、紫蘇、大葉の清涼感。 ☆お椀 「のどぐろ 焼茄子 叩きオクラ 梅肉 柚子の香り」 先付の前にお椀に出汁が注がれていて、のどぐろに焼きの火が入いるまでかなり長い時間置かれていたので、あれれ?と思っていたのですが、なんと、最初の出汁は香り付けだけ(?)のためだったようです。空にしたお椀にのどぐろ、焼茄子、オクラ、梅肉を盛り付けて、その後、新たな出汁が注がれます。なんと贅沢! 出来上がりの蓋をしたお椀に霧吹き。ふふふ。 出汁はとてもくっきりとしたお味。炭火でちょうどいい感じに油が残ったのどぐろの口どけと甘味。ふくよかな焼茄子の香りと歯応え。ふわりと香った柚子の後に梅肉の酸味が効いて、美味しい。 ☆淡路島のさわらのたたき 藁焼きで香り付けの後に、軽い漬けにしてあります。右がすりつぶした葱、左が本和辛子(?)。 口に入れて噛んだ瞬間の旨味伝達速度がマッハ級! お隣のお一人様から「堪らないですね」と声が漏れてましたが、本当に同感でした。 ☆小芋、蛸、金時草 小芋はさっと蒸し上げて出汁に漬け込んであります。蛸は煮浸し。金時草はお浸し。香りの強い茶豆を剥き枝豆にして、上から赤紫蘇の穂先を散らす。柚子の香り。小芋や蛸に味が沁みて、しみじみ。 ☆剣先烏賊の糸造り、鱒こ、赤酢飯 目の前で出来上がって行く過程に魅せられて、早く食べたいと思っていたためか、器の写真は撮りながら肝心のお料理の写真を撮り忘れてしまった。(T_T) いくらにしては少し小振りで明るい色だなと思っていたら、鱒の子でした。混ぜ混ぜして食べると烏賊の甘味と鱒このプチプチとが楽しい。 ☆天竜川の若鮎 先付の前に、丸いお鉢の中で泳いでいる鮎を見せていただき、お料理が進む間に、目の前で50分かけて炭火で焼き上げられたもの。「銀座奥田」と同じ焼き方で、頭、胴体、尻尾の3部分の火の通し方も同じ。食感のグラデーションが楽しい。東京まで行かなくても良くなりました(笑)。 写真の通り、お弟子さんが「鮎、焼いてます。」が、この団扇の文字が徐々に変わりますので、ご注意(笑)。 付け合わせに青い江戸切り子の器に盛られた、蔓もずく。これがとても素晴らしい鮎のソースになっていました。 ☆淡路島の鱧カツ、三度豆の揚げ、トリュフかけ 写真はトリュフしか見えませんね(>_<)。ごめんなさい。でも、目の前でトリュフが削られていくのは、少し感動的な凄さでした!堪らない香り。 このお皿は関西でしかないよなあ。途中で手渡しで配られる「幸せの銀杏」の串揚げも含めて。 お料理の下に隠れているカツソースも何気に料理屋仕様と言う感じですが、トリュフ以外は完全に串揚げの感覚ですね。 ☆食事前食事 植村さんが香川県のご出身だそうで、香川県といえば大好きな讃岐うどん。「日の出製麺所」の植村さん特別仕様麺。豆乳スープの鰹節風味の担々麺風。もっと食べた~い。 ☆秋刀魚ご飯 植村さんのご飯の装い方に、「晴山」の山本さんのご飯の装い方を思い出してしまいました。とても上品で美しい三角。 大きな土鍋で炊き上がったご飯が目の前でほぐされる。ぶわっと熱い匂いが。たまらんっす。 年間を通すと白飯が多いそうです。こちらの白飯も食べてみたい。 ☆デザート 杏仁豆腐。てんぐさの寒天。秋田の蓴菜。長野パープル。クコの実。無花果のお汁粉をかけて。 ☆最後のお茶に隠し味あり。気づいた方だけのお楽しみですね。 お昼は10,000円。夜は20,000円。但し、11月中旬から「せこ蟹」が入ると5,000円ずつアップするそうです。 必ず、蟹を食べに来たいです!
2018/12訪問
2回
【イノベーション:スペインの中にある和食】
2019/10訪問
2回
中華好きなので、ついついあれもこれもとたくさん食べてしまいます。 関西にも、東京の「虎峰」みたいなお店はないのかな?小量多皿は東京にしかない文化なのかな? 前回伺ってとても美味しかったので、再訪しました。前回とは違うものをできるだけいただこうとメニューを開きますが、餃子や春巻は外せないし、アスパラガスと干し貝柱も勧められるままに食べてしまいました。 相変わらず、17:30から満席の人気店です。 ☆アオリ烏賊の葱山椒ソース とてもさっぱりとして最初のお皿としては最適。 百合の芽もしゃきしゃき。 ☆老虎菜特製餃子 ☆海老のパリパリ春巻 ☆子羊のキャレ十三香粉炒め 前回、食べ損ねてしまっていたので、満を持して(?)いただきました。 背中の骨肉をその名の通り13種類のスパイスでローストしてあります。 けっこう脂身もあるのだけど、スパイスのおかげで、お肉は全くしつこくありません。 ☆アスパラガスと干し貝柱の炒め物 また、オーダーしてしまいました。干し貝柱から出てくるこの塩梅好き。 ☆明石蛸とニンニクの芽のマーライ醤炒め 蛸さんぷにぷに。マーライ醤が旨し。 ☆鶏とカシューナッツの甘辛炒め 中華の定番の始まり。鶏とカシューナッツ、どうしてこんなに相性いいのかなぁ♪ ☆麻婆豆腐 暑いので、今回はこれが食べたかったのです。 麻はしっかり効いていますが、日本的に抑えた痺れ。でも、顔から汗はじわりじわりと出てきます。 うん、日本の夏も麻婆豆腐だあーーー! ☆大海老のチリソース 定番の最後は海老チリ。こちらの海老チリは頭から尻尾まで殻つきで、頭から尻尾まで殻つきのまま、ボリボリバリバリです。 ☆叉焼と白葱の和えそば 平打ち麺に中華胡麻ソースで、締めに爽やか~~。 ☆白桃と薔薇と胡桃のパフェ お楽しみのデザート。毎回、中華屋さんとは思えない楽しさ。 牛肉系をまだいただいていないので、次は、その辺りを攻めたいと思います。 「一菜一格百菜百味」 料理ひとつひとつにそれぞれの個性がありそれぞれの味がある。という四川の言葉だそうです。 店名の下に添えられたこの言葉どおりに、いただいた全てのお皿の個性溢れる味、香、食感、視感を楽しみました。 黒板メニューが広東、北京、四川と区分されていますが、味のベースは広東だと感じました。東京でいうとミモザの味に近い。甘く淡く上品。私好みでした。 元気で可愛い女性のサービスはとても気持ちよく、食事の美味しさと楽しさを増し増しにしてくれます。 アラカルトでオーダーしたのに、ちゃんと前菜、魚、肉、〆の考えられた順番で、かつ、タイミングよくサーブしていただけるのは、何気ないことかもしれないけれど、とても気配りがされているなあと感じました。カウンター5席、4人席3テーブルは満席なのに。 ・本鰹のお刺身サラダ タレをかけて、和えて。 ・アスパラガスと干し貝柱の炒め物 干し貝柱の風味がアスパラガスにもしっかりと絡んでのしゃきしゃき。 ・口水鶏 辛くない‼ このヨダレ鶏、好き。 ・餃子 羽根が、羽根が~、うわ~い。羽根の下には、もちもちの皮の可愛い餃子。 ・エビのぱりぱり春巻 爽やかピリリの出汁を浸けて。 ・トマト焼売 これはこれは、見た目斬新。味もトマトの酸味が海老や肉と絡んで。一口食いで口の中がジューシー。 ・あこうの蒸し 葱とパクチー オリーブ 中国醤油 本日明石で採れたあこう。身がプリプリで淡白なのにじわりじわりと旨味を感じる。 さすがに、あこうは高級魚なので時価で8,000円でした。 ・家鴨のはまなす酒 ロースト お肉は噛めば噛むほど甘みが出てきます。 ・桜エビの炒飯 とてもあっさりとしたご飯つぶパラパラの炒飯。 ・ナッツのパンナコッタ ガトーショコラ仕立て 中華料理店のデザートではありません。必ずデザートまで食べられることをお薦めします。 お昼にデザート教室までやっている元パティシエさんのデザートで、メニューに4,5種類、黒板メニューに同じく5種類。力、入ってます! 旨かったあ~、です。 ・白桃烏龍茶 桃と烏龍茶の香りが鼻腔に抜けます。ポットへのお湯足しもタイミングよくて。 夜は、17:30 - 19:20、19:30 - 21:20の2部制。 JR摂津本山駅からも、阪神青木駅からも、歩いて15分くらいの住宅地にあるとてもいいお店です。
2018/08訪問
2回
1回
「スポンテニアスはここだよ」と英語で書かれた案内の紙を貼らないとお昼間は通りすぎてしまいそうな隠れ家的入口の扉を開けると、目の前の壁にも「stairway to heaven」という英語が繰り返し出てくる詩のような英語の文字。後でお聞きすると、「天国への階段」という曲の歌詞だそう。お店は扉の中の階段を登って2階に。まさにこの階段は「天国への」階段なのか? 上りきって更に中扉を開けると、真っ暗。天国は闇の中なのか? お店に入るところから、もうはや、訪れた人の感覚を揺さぶり、こだわってます!楽しんでください!という気持ちが伝わってくる。 楽しかったあ~。 17mのカウンターの1番奥に案内されましたが、ここは建物の柱を利用して二人だけの隠れシートになっています。私のようにお一人様ではなくて、カップルで来ると密室感ありですよ。 照明も一人一人のカウンターにハロゲンスポットが当たってお料理が美味しく映えるように工夫されています。 カウンターにメニューが置いてありますが、別に詳しい説明書を"最初に"いただけます。パッと見て、あまりにも詳しく書いてあるので、最後まで見ずに、珈琲タイムに思いだしながら読ませていただきました。 サービスやお店の雰囲気と設えだけでなく、お料理もとても楽しくて美味しい。 ランチ9,000円のコースをいただきました。 ☆The usual 始まりは「いつもの」=季節の食材を織り込んだお煎餅。今回はイカスミで色をつけた発酵生地を薄く焼いたもの。ガーリックピューレがぽつんぽつんと埋め込まれているフィンガーチップス。 針金の手の形をしたテーブルウェアが面白い。 ☆エスカルゴ ブルゴーニュ種エスカルゴを三重県で育てているそう。身が真っ白でぷりぷり。エスカルゴをパセリやガーリックを効かせたバターソースを吸わせたじゃがいものピューレで包み、チンタセネーゼ豚のラルドを入れてパセリを入れたパン粉でコロッケにしたもの。 ☆一根二青 根菜一種、青魚二種。 レンコンチップスの上に豚のリエット。無花果とケッパーでアクセント。 マリネしてある鯖に赤パプリカのピューレとオレンジの風味。ディルや花紫蘇の香りも。 香ばしいスモークした秋刀魚に茄子と胡桃をのせて。三皿全て美味しい。 ☆calmar マリネした蕪が覆い被さっていて中が見えませんが、イカスミを出したカルマール=烏賊を片面だけ軽くソテー。ソテーされて旨味と香りが立った剣先イカに蕪のムースがクリーミーで優しい味わい。なんとキャビアととんぶりが散らしてあります。キャビアととんぶりが一緒だなんて、口の中では、どの粒が"キャビア"で、どの粒が"とんぶり"か、わかりませ~ん♪ マリネ蕪の酸味とキャビアの薄塩味もいい感じ。 デンマーク王室御用達のジョージジェンセンのカトラリーが手にしっくりとして、とても使いやすい。 ☆竹炭のパン 自家製パン。後で出てくるパンも全て自家製パンで、なんと三木さんが焼いていらっしゃるそう。 歯触りも味も柔らかい。 ☆カンボジア カボチャの語源がカンボジアという事で。 オリーブとアンチョビを織り込んだカボチャピューレの上にフォアグラのソテー。そこにカボチャのローストを立てかけて。マデラソースですね。 赤いお皿に黄色が映えて、とても華やか。 カボチャの甘味とマデラソースがフォアグラの旨味を引き立てます。 ☆パン 炭が底に敷かれた大きなお鉢が登場。 なんと目の前で米粉のミニイギリスパンを炭でこんがりと焼いてくださいます。 で、こんがりミニイギリスパンが次のお料理に絶妙にマッチしています。 ☆小さな鼈 シェフのスペシャリテ、すっぽんのコンソメスープ。沁みます。フレンチの最高級スープである海ガメのスープからシェフがインスパイアされたそう。海ガメは使えませんものね。 もう一回。 「沁みます」 パンにも沁みます。 ☆白と翡翠 ソースの色合いが白と翡翠色。白ワインとバターのソースと苦味の効いたセルバチコのオイルソース。 蒸し焼きの金目鯛はとてもしっとりとして旨味が溢れ、上にムール貝がフリットでのせてあります。 添えられた翡翠茄子がとても瑞々しくてソースと絡めても美味しい。 ☆くりぶた スペインで栗を食べて育った豚さんのロースト。 中心部にレア感があって火入れも素敵。 フォンドボーにシェリービネガーや粒マスタードのアクセントも効いている濃い旨味のソースがとても豚の旨味を引き出してくれます。ごぼうのチップスとピューレもアクセント大です。 ナイフもライヨール、アイヘンラウプ、オピネルの3種類から好きなものを選ばせてもらえます。私はまだ日本でもあまり出回っていないというドイツゾーリンゲンのアイヘンラウプにしました。クラシックな感じで、さすがドイツマイスターの職人芸、切れ味抜群です。 ☆梨山烏龍茶 芦屋uf-fuの大西さんお奨め、10年に一度級の極上梨山烏龍茶のジュレに桂花陳酒(キンモクセイ)のグラニテ。お口直しとして最高でした。とても淡く甘い香り。 ☆Maron 栗が、クリーム、しっとり目のパウンドケーキ、シロップ煮といろいろな形で楽しめます。カシスの酸味が相性よろし。更に、イタリアのマジア=魔法というブランデーを一振りすると、薔薇の香りの魔法で別世界へ。 ☆Les Mignardises(これ以下の写真とお店の案内やら扉やらの写真が消滅してしまいました。悲しい) シャインマスカット、紅芋とりんごのタルト、秘密の小菓子。 プレゼンテーションがロマンチック。 目の前に四角い木の箱。天板の丸い光窓からカウンターの上の照明が差し込み、箱の扉の開けると、3つのミニャルディーズにスポット。この為にお店は暗くしてあるんだと思うくらい。 秘密の小菓子はその場で素敵なショーがありますので、是非、お店で♪ 私はこの食べ物が大好きなのですが、香りが凄くてストレートに美味しさが感じられる食べ方でした。この種類のものを置いているお店も教えてもらいました。 ☆珈琲 お砂糖が枯山水に造形されています。最後まで楽しい♪ 岩が和三盆、砂がグラニュー糖。 スプーンとピンセットの隣の木製の道具、さてなんでしょう?楽しんで見て下さい。自分の下手さ加減に笑えます。ふふふ~ん♪ この木製の道具もそうなんですが、いくつかのテーブルウェアは、三木さんオリジナルとのこと。 シェフとはお会いできませんでしたが、マネージャー・チーフソムリエの三木さんはとてもお話しやすい方で、神戸と京都で業界人お奨めのパンチの効いたイタリアンのお店や三木さん絶対お奨めスイーツ店も教えていただきました。
2018/10訪問
1回
土用の丑は過ぎたが、日本の夏は鰻でしょ。尾花 10時過ぎに着いて、既に4人。線路側の影に並んでいると女将らしき人が中に入れてくれる。この暑さに嬉しい心遣い。門を入ると直ぐにお稲荷さん、ちゃんとお詣りします。御手水は井戸水なのだろうか、とても冷たくて気持ちいい。10:47、遂に20人。11:30開店だよ。 お座敷に順番に通される。 うざく 暑い日にこの甘い酢が沁みる。鰻はふわとろ。 うまき 熱々の玉子に刻まれた鰻が美味い! 専用のたれ。それだけでは少し濃いかと思ったが、うまきを浸けて食べるとうまきの味がまろやかに変化した。 白焼き これが鰻ですね。わさびだけ。わさび醤油で。 皆さん美味しい!と言って下さるとのこと。 うな重 上品なたれ。 鰻はたぶん鹿児島産だそうです。 日本の夏。鰻の夏。
2017/08訪問
1回
【フレンチ:私の身体と心を豊かにしてくれる余韻と記憶】