19回
2022/07 訪問
【新しい食べ方】
2ヶ月以上食べ歩きをお休みしてましたが休みに入る直前7月初め訪問時のリポートです。
毎回、全てのお皿が好きですが、今回のベストディッシュは「トマトと太刀魚」
太刀魚は炭火でじっくり焼いただけ(?)なのですが、ローストしたトマトが自家製ガラムマサラとエシャロット酢漬け、新生姜、コリアンダーでなんとも食欲をそそる。酸や辛味が強いのかなと思ったら全て混ぜてあっさりとした太刀魚と出逢わせると逆に甘味すらも感じる。凄い!
で、このトマトはそのまま食べるのではなく、ああしてこうして、食べるのですwww。
もう「ううぅ~」としか声がでないほど。
いつも100%を超える満足度ですが、今回は200%くらいの満足感がありました。品数も少し増えていたけれど、ボリュームよりなによりもとにかく味と楽しさが自分の好みに全て合いました。暑い日だったけど体力気力ともに300%回復しました!
帰りに興奮気味に「この料理美味しくて面白かったあ~」と坂本シェフにお伝えしたら、「新しい食べ方のね、ふふふ」って料理に向いてるトマトを料理として美味しくすることのお話をいただきました。楽しかったあ。
メニュー
☆ペルシュウ じゃがいも 柚子胡椒
☆ガスパチョ 茄子 桜海老
☆レタス 鮎 マジヤクリ(鮎にチーズ、めちゃくちゃ合います)
☆トマト 新生姜 太刀魚 パクチー
☆白アスパラ 丸麦 アオリイカ(甘いイカと欧州っぽい苦味のアスパラがとても相性よし)
☆とうもろこし 賀茂茄子 バジル
☆上賀茂胡瓜 経産牛 胡麻(胡瓜にバジルの組み合わせは地中海っぽい?黒麹味噌もいいんです!)
☆ニラ サザエ キタッラ
☆朝風胡瓜 雲丹 すだち リゾット(追加¥3,000)
☆ドルチェ
*赤蝦夷松 放牧牛乳(ミルク濃ゆ~)
*マンゴー パッションフルーツ 馬告
*アメリカンチェリー アマゾンカカオ 黒糖
☆カフェラテ チェンチ
2022/11/11 更新
2022/05 訪問
【イタリア:ますます頑張るという姿勢が好きです】
アジアのベストレストラン50入りのお祝いを坂本シェフにも横山スーシェフにもお伝えしました。
もちろん素直に喜んでいらっしゃるのだけれど、コロナ禍での審査員の限定的な動きの状況なども踏まえて、今後、動きが活発化していく中でも今のステータスをしっかり維持、アップして行くために益々頑張りたい、という言葉が聴けて、とても嬉しく思いました。「それでこそ常に進化を続けるチェンチさんなんだよなぁ」と、食べる前から感動しちゃいました。別にこういう評価付けを受けるためにやってるわけではないし、評価付けがあろうがなかろうが私にとっては何も変わらないのだけれど、行きつけのレストランに良い評価があればそれは素直に嬉しいです。
ハーブティーは涼しいガラス器になりました。
☆ペルシュウ
提供の仕方が変わりました。
フィンガーになりました。
以前はペルシュウ、チーズ、付け合わせが別々になっていて食べるときに自分で重ねて食べていたので、今回のようにまとめてあると「よしよし、これだよこれ」と頷いてしまいました。
コースの最後に出てくる「チェンチ」の甘味無しバージョンが敷いてありフィンガーでも食べやすい。これも時々自分でグリッシーニを小さめに折って巻き込んで食べていたので、小麦とペルシュウとチーズの三方相性よしは「知ってるもんね~」でした。
木の芽風味のじゃがいもソースがペルシュウの塩味と混じりあって素敵。
☆筍 鯛 梅 桜
塚原の筍が鯛カルパッチョ下に隠れています。
梅ソースと鯛の白子ソース。
何もつけずに筍鯛。
梅干しソースで筍鯛。
白子ソースで筍鯛。
ソース混ぜ混ぜで筍鯛。
どのパターンもとても良いけど、梅ソースが完全に梅干し!梅ソースではなく塩味が完全に「う・め・ぼ・し」。
思わず「梅干しでした」とバカみたいな感想を食べ終わって一番に言ったら笑ってくれました。
☆賀茂茄子 ホタルイカ
加茂茄子、うるい、蕨、芹などの山草にホタルイカのサラダ。
大葉の香り高いホタルイカ、鮎魚醤、米麹のソース。食感変化のイカ墨クルトンも散らして。
しっかり混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ。
旨っ。魚醤と糀と大葉の旨味後味が残る残る。
☆キヌア キャベツ 黒にんにく ととりこ黒豚
この豚美味しい!
蒸し豚なので柔らかくて旨味が「ごんっ」です。
黒にんにくと空豆醤油のソースが中華っぽくてぱらりと振りかけてあるメキシコチリのピリ感と合わせて、とても後を引きます。
キヌアの粒々感も面白き。
☆新玉葱 ホワイトアスパラガス アールグレイ
メインへと繋がるビーガン料理ですが、この流れが私には最高でした。
先ほどの後引き黒にんにくの口に、なんとまあ、爽やかな甘味ですこと。
玉葱とアスパラガスを含んだ豆腐クリーム。そこにアールグレイの風味が乗っています。上のチップもアールグレイ味なので風味が後から効いてくるんです。口の中の黒にんにくのピリ濃さが次第に爽やかな玉葱とホワイトアスパラガスの甘味に塗り変わっていき、最後は紅茶の風味がほわんと口の中に残っていくのです。
うっとりだわ。
☆人参 コールラビ 酒井さんの羊 蕗の薹
ほわんとした口に再度、ガツンと羊肉。赤身と脂身、どちらも好き好きぃ~。
ソースも肉汁ベースでシンプルに。
胸あばら骨肉のハンバーグがたまらないっす。粒マスタードは蕗の薹風味ときたもんだ。
当然「ぅんめえぇぇ~」と鳴きました。
☆菜の花 白魚 タリオリーニ
メニューには菜の花って書いてあったけど、グリーンアスパラガスでした。鮒寿司のお米味が良いのよパスタに、ほんとに。
ここは、あらゆるパスタが美味しいと思えます。
☆筍 海苔 リゾット(追加2,000円)
十六島ではありませんでしたが、新潟の有名産地の の海苔。これも香り高くて海苔を旨いと思える日本人で良かった。
香茸と糀のみの味付けに筍と海苔。
お茶漬けみたいなリゾットでした。
胃に優し。
心に沁みる。
☆黄金柑 蜂蜜 クレームフレ
パティシエさんが変わりました。
イルギオットーネ時代にご一緒だった人で、北海道から故郷の京都に戻って来られたそうです。
クレメダンジュと黄金柑とレモンソルベ。
ソルベの上に蜂の巣メレンゲに北海道の蜂蜜。
甘味と酸味の調和。
チェンチさんの物販とデザートを扱う二条通りの「マニーナ」というお店が開店したそう。インスタグラムのシュークリームを見たら行きたくなりました。火曜水曜しか開いてない?らしいけど、今度行こうっと。
☆苺 タロッコ アマゾンカカオ
北海道の苺、たっぷり。
マスカルポーネとバニラクリームの上に、アマゾンカカオ。そして濃厚ミルクアイスクリーム。
タロッコオレンジは微かにエキスが散らしてあるのですが、その酸っぱさはアマゾンカカオの苦味とともに存在感あり。
エスプレッソダブルでいただきました。ガテマラ産は苦味ばしり半端ない。
福岡の福山シェフ(ベストレストラン繋がり?)とコラボの話もあるそう。
実現したら行きたいなあ。
2022/06/12 更新
2022/03 訪問
【イタリアン:3つの食材、初体験。】
今回、私にとって新しい食材が3つありました。
どれも好きになりました❗
◎赤エゾ松
北海道ではよく使われている食材だそうです。チェンチさんから北海道に戻った?方が送ってくれたそう。横山さんとそんな話をしていたら、サービスの方がわざわざ食材を持って来て見せてくれました。こいつを食べているのか!?
太白ゴマ油と一緒にミキサーして、冷製パスタのソースに使われていたのですが、一言で言うと「青い清涼感」。とても独特な風味。これからのシーズンに使えそうです。
◎タテホシ貝
ググってみると、ムール貝みたいな容貌。
琵琶湖の固有種?らしい。
いつもカウンターでお話してくださる横山さんが「なかひがし」さんで食して、使ってみたいと思われたそう。
伝助穴子のスープの出汁に使われていたのですが、あさりとムール貝のええとこ取りみたいな出汁が出ていて、やはり貝の出汁は旨い!
◎十六島海苔
「"じゅうろくしま"ってどこですか?」
「"うっぷるい"って読むんです」
「北海道ですか?」
「北海道かと思いますよね。島根県なんです」
「えええっ!?」
とにかく、この海苔、凄いです。食す価値大。
いつ来ても楽しいなあ♪♪♪
☆ペルシュウ
空豆を焼いて砕いたものといつものチーズ。
今回のペルシュウの塩味は優しい。
☆長芋 キャビア 赤エゾ松
冷製パスタ。
太白ゴマ油と一緒にミキサーしてる赤エゾ松、爽やか~。太白ゴマ油が無味無臭で松の青さがしっかりと感じられて、冷製パスタに爽やかな絡み。
キャビアの塩味が絶妙。
☆海老芋 甘海老 桜海老 レモン
海老三昧。海老芋は海老違いですが(笑)。
発酵レモンの皮ごと粒々がとても良い仕事してます。桜えびがレモンのおかげで程よい塩味に落ち着いています。
海老芋と甘海老のねっとりとした食感と甘さ。
これは凄く好き。
☆キャベツ 原木椎茸 伝助穴子 完熟山椒
あさりとムール貝のええとこ取りみたいな旨味濃厚な出汁が穴子にめちゃめちゃ沁みてる。
山椒の風味がほこほこのスープにアクセントを加えていて、もう好き好き!!
参鶏湯から発想されたスープ。
チェンチさんらしい。
☆聖護院大根 蕎麦 柚子
お肉の前のビーガンサラダ。
食べやすい大きさの蕎麦がきのフリットと細角切りの大根に自家製柚子胡椒のピリリがめちゃくちゃ合います。蕎麦がきはフリットしてないと多分合わないと思うので、やっぱりいい仕事です。
☆ほうれん草 金柑 ビーツ 今帰仁アグー
アグーそのままでも俄然甘いのに、縮みほうれん草と金柑の付け合わせとビーツのソースをたっぷり付けていただくと、甘味三倍増。
こんな甘いメインの肉も初めてでした。
決して悪くない甘さです。その前の二皿がピリッと系だったので、余計にそう感じたのかも知れませんが、ほんとに、"たるくない"甘さ。
☆蕪 自家製からすみ 十六島海苔 タリオリーニ
とにかくこの海苔凄い!
香りも味わいも強力。
からすみの塩味まで柔らかくなっている。
失礼ながら、まさか海苔ごとき(本当に失礼な言い方ですみません)でこんなに感動するんだ‼️
☆フランス産黒トリュフ じゃがいも リゾット
(追加 +3,000円)
季節的に最後のトリュフですね。
インカの目覚めと北あかりで食感も味も変化。そして、宮城のカロリーナ米。この米、ほんとに美味しいです。
☆苺
カクテルグラスで苺パフェです。
クラッシュアーモンド、いいです。
☆みかん ジャスミン スパイス
何種類の食材、味が入ってんねん!?ってくらいパティシエさんから渾身の説明。
なので、あれとこれとそれを色々と組み合わせながらいただきました(笑)。
スパイスは台湾のマーガオで締まったかな?
☆ルイボスティーとチェンチ
やったぁ✌️
おめでとうございます。
アジアのベストレストラン50にランクイン‼️
昨年書いたとおりになりました。わ~い!
いけいけ、どんどん。ぱふぱふ♪
2022/04/02 更新
2022/01 訪問
【イタリアン:2022年を拓くのは・・・】
2022年を拓いて行くのは、やはりcenciさんだと思い、新しい年はcenciさんから始めました。
今年もどんな進化を魅せてもらえるのか、わくわくします。cenciさんの進化について行けるように私も進化しなくちゃ。
前回から1ヶ月程度しか経過していないので、素材は少し被りつつも、ちゃんと料理法や組み合わせはアレンジされています。お隣の方は私の前回のメニューだなあと聞いていました。
だから、京都に住んでいたら毎週来てもいいですってスーシェフさんに言っています。まあでも、1人で毎週来て違うもの求められても困りますね(笑)
パスタも私が伺った中では、同じものは一切出てこないし。
☆ペルシュウ
前回の安納芋のご先祖様である蜜芋のフリットとリコッタ/ホエイクリームのサンドイッチ。
ペルシュウの枚数もお年玉気分で多いかな。
ペルシュウに蜜芋とリコッタをくるくる巻いて、モグモグいただきます。
☆蕪 鰆 黒麹 からすみ
冬の鰆。なんて美味しいんでしょう‼️
好き好きっ。
前回はきずし風でしたが、コンフィして炙ってあるので、鰆のねっとり旨味がストレートに伝わってきます。ソースも黒麹と魚醤で発酵感も忘れずに。回は蕪も発酵感よりも冬らしくしゃきんとしてストレートに野菜を感じます。
自家製からすみパウダーで塩味も加えて。
☆ちぢみほうれん草 甘海老
前回は馬肉と牡蠣のタルタルでしたが、今回は甘海老タルタルでアレンジされてました。
どっちも好きです。
で、今回はハラペーニョの辛味が甘海老の甘旨味に抜群に効いてます。甘味の中に辛味を感じ出しても決して前面に出て来なくて甘旨味をグ~ンと増してくれるんです。
辛味の話をスーシェフさんにお聴きすると、1年程お酢に浸けたハラペーニョらしく「その辛味があると味にメリハリが出るんです。自家製調味料なので自分が食べても疲れないし」と私も感じていたことを的確に話してくださいました。
☆大根 蟹 完熟山椒 リゾット
「リゾットの米が凄いです、石川県のカルナローリ米でしたよね」とお訊きしたら、違いました。
食のイベントで出会った宮城の農家さんに特別にリクエストして作ってもらっているカルナローリ米だそうです。形は日本米でサイズは少し日本米より小さくて、細角切りの大根と水分を含んでも日本米にはないすっと粒が立つお米の食感がとても佳くて、更に、存分に鶏出汁を吸ったお米の旨味が焼き蟹の旨味と相乗効果でぶつかってまさに「うまみ爆弾」が炸裂です。
☆百合根 海老芋 ととりこ黒豚
鶏節の出汁が効いたスープの中に、黒豚のばら肉、海老芋、百合根。ほっと落ち着かせる。
☆落花生 王様椎茸 鳥取和牛
ランプ肉を炭火でじっくり。
蒸して米粉揚げした王様椎茸の存在感。
落花生ピューレと黒にんにく入りのジュのソースで、肉も椎茸もシンプルに力強い味わい。
☆九条葱 トマト 雲子 スパゲッティ
トマトの酸味と葱の甘味と雲子のふにふにが堪らない太めのスパゲッティ。こちらも、唐辛子の辛味が後から効いて来て、メリハリブンブンです。
タヤリンも含めて本日私には乾麺でした。
好きだわ!
☆フランス産黒トリュフ タヤリン(3,000円追加)
前回はイタリアの白トリュフでした。香りの拡がりは白かな、でも、その分トリュフが特出飛しちゃう感じもするので、黒トリュフの方がお料理のまとまりとしては好きかなあ。
☆栗 麦
栗と麦のクリームの上にヘーゼルナッツのジェラート。ヘーゼルナッツのクラッシュがカリっと。
メニュー名は同じでも前回とは少し違う重ね方。
☆みかん アマゾンカカオ
おお!そのまんまみかん!!
「これ、面白かったです」とパティシエさんにもお伝えするくらい面白い味でした。
ハーブ茶ジュレとカカオクリーム。
色々な甘さと渋さと苦さと酸いさと。
ピスタチオジェラートのナッツ的甘味も加わると複雑さ倍増して、ますます面白い!
☆カプチーノとチェンチ
昨年のベストレストラン発表の頃にカウンターでご一緒させていただいたフーディーな東京御姉様方とまたご一緒させていただきました。
こういう感じの人が増えた感じがします。好きなレストランがたくさんの人に知られて何度も通ってもらえるって嬉しい。
2022/01/23 更新
2021/11 訪問
【イタリアン:不思議のビーガン料理。椎茸が超絶美味。】
不思議のビーガン。
お肉の前のビーガン料理が定着してきましたが、今回はこのビーガンの椎茸が超絶旨かった❗
北海道の福田農園さんの「王様椎茸」。
椎茸菌を植えるために最適な木を作るところからこだわっているんだそう。椎茸そのものも単独でも旨味凝縮なんだけれど、百合根と豆腐のピューレや刻み椎茸の茎と玉ねぎを加えて乳酸発酵トマトと空豆で作った自家製豆板醤ソースで和えたデュカ風ソースが素敵。ソースだけだと甘ずっぱ辛く時々甘い豆風味みたいな不思議な味なんだけど、椎茸と一緒に食べると椎茸の旨味を最大限引き出してくれていて、お料理一体となって美味しかったあ‼️
前回「進化を体験したいです」とプレッシャーをかけておいた(笑)ティーペアリング(+4,500円)もオーダー。お茶は温度で風味が変わりますが、お料理に合わせてしっかり温度調整されていました。最後に飲んだお茶の葉サンプルを一堂に出してくれて、見るだけではなく触らせてもらえるという進化(誰も見てなかったのでお茶の葉をぽりぽり食べ比べたりもしてしまいました。すみません(笑)。)を楽しむことができました。
いつもの如く、レモングラス、ジンジャー等6種のハーブティーで免疫力アップと胃腸の準備。
☆ペルシュウ
今回合わせるのは安納芋の焼き芋とリコッタチーズ。芋の甘味とペルシュウの塩味とチーズの酸味が三位一体。
ペアリングの金毛紅茶の芋風味が焼き芋と手を取り合って面白いです。
☆小蕪 柿 鰆 柚子
下からスプーンで全てを掬って一口でぱくり。
鰆のきずし感の広がり、超~好き。
いろんな和食の料理人にきずしの作り方を聞きまくった上でチェンチさんの料理法で作ったそうです。
乳酸発酵柿と魚醤と糀とコンブチャのソースが鰆の旨味を引き出していて、口の中が洪水状態。
蕪も柿も発酵で甘味と酸味がバランスよく滲み出てきます。
普通の凍頂桂花烏龍茶かと思いきや、桂花と柚子の香りの共演から始まり、最後にはお料理の酸味と合わさってすっきり味から甘味に変化。おおっ、これがマリアージュって奴かい?
☆ちぢみほうれん草 牡蠣 馬
先ずは馬肉の艶々な赤を見ただけでエロくて興奮してしまいました。
馬肉のタルタルに牡蠣の身がコロコロ入った食べるソース。海と山のマリアージュ。
馬肉も牡蠣も大好きな上に両方一緒にパクリといけるなんて幸せ。美味しいに決まっている組み合わせです。ローストクラッシュの松の実もタルタルコロコロと食感合うし。
熊野古道の釜煎り番茶は番茶っぽくなくて不思議に牡蠣ソースに寄り添う感じでした。
☆じゃがいも 白菜 雲子
鶏コンソメをかけてヒタヒタしながら食べるのだけれど、焼き雲子が贅沢なお好み焼きみたいで明石焼きを食べてるみたいな楽しさ。更に雲子の下にじゃがいもと鱈を包み込んだラビオリが隠れていて、これは水餃子みたい。アクセントは発酵白菜。これが混ざるとコンソメの味が韓国ぽく変わります。
なんかめっちゃ楽しい。
岩茶(金牡丹) もお茶なのにミルキーで雲子のクリーミー感と楽し。
☆王様椎茸 トマト ピーカンナッツ
超絶旨かったビーガン料理。
ペアリングはアラビアというデザインの北欧カップに入った なんとかすーちょん?という燻し感な中国茶。ビーガンに合わせてエスニックです。
☆梨 大根 飛騨葱 鹿 ジュニパーベリー
丹波の鹿。鹿肉、好きです。
ジュニパーベリーのソースのおかげもあり、旨味たっぷりな赤身を堪能できます。
肉食ってる感を強く感じます。
お肉には赤ワインのような見た目のすっきり水だし珈琲。
☆蕪菜 トマト 蟹 完熟山椒 フィットチーネ
一度たりとも同じものは出て来たことないと思うチェンチさんの大好きな美味しいパスタ。
今回の太幅広フィットチーネは、紅ズワイ蟹とトマトの旨味が麺に馴染みまくりで、時に顔出す山椒でピリリと締まることで、更に旨味の広がりが大きくなります。しあわせなパスタです!
林さんのすっきり雁金ほうじ茶を蟹に合わせて。
☆アルバ産白トリュフ タヤリン(+7,000円)
やはりこのシーズンは白トリュフをいただくしかないでしょう。昨年いただいた日本人トリュフハンターさんのものではありませんでしたが、マスク越しに1mくらい離れていても香りました。
今年は日本の松茸と同じくイタリアのトリュフも気候の影響で少なかったそうです。
バター、チーズ、白トリュフのシンプルなタヤリンで、トリュフの風味を味わいます。
台湾の烏龍茶でトリュフの風味を邪魔せずに。
☆栗 麦
麦クリームの上に栗ペーストソース。
クラッシュ栗をちりばめて。
一番上はメレンゲです。
☆林檎 柚子 ヘーゼルナッツ
アップルパイ。熱い、甘い、酸いぃ~。
ヘーゼルナッツアイスクリームがアップルパイの酸いぃ~を和らげてくれます。
☆カプチーノ チェンチ
珈琲の豆が産地変わりました。たぶん。
星獲得のお祝いをお伝えしても、いつもと変わることなく謙虚な坂本シェフ。
もう、ベストレストラン50入りもいただいちゃいましょう!
チェンチファンとして私も頑張ります。食べに来ることしかできませんが(笑)。
2021/12/19 更新
2021/10 訪問
【イタリアン:か~もか~もしいぃ♪クロワゼの七谷鴨。】
七谷鴨、美味しかったあぁ‼️
今まで食べた七谷鴨で一番美味しかった。
「なんか特別な違う七谷鴨なんじゃねえ?」とか何故か若者言葉になりながら食べてましたが、帰りにシェフにお聴きしたら、クロワゼ(掛け合わせ)の七谷鴨だったらしく、より、鴨らしい鴨だったでしょ、と教えてもらい納得。
か~もか~もしいぃーーーーー!
落花生とジュのソースもピーナッツピーナッツしてなくて軽くて鴨を引き立てているし、ナムルもやしや発酵ブルーベリーも口の中が楽しくって楽しくって♪ 幸せになります。
一度たりとも同じ料理が出たことないんじゃないかなと思うくらいに常に何か新しい驚きがあるチェンチさん。通ってます。通います。
いつもどおりに、リラックス効果と胃腸を調える10種類くらいのハーブを調合したハーブティーで始まり。まだ、暑いのでコールドティー。
☆ペルシュウ
今回は、素揚げしたバターナッツのニョッキ。
もちろん、ペルシュウにニョッキもリコッタも巻き巻きして頬張ります。
熱が入って甘味増しのかぼちゃに、リコッタにふられた黒粒々のアンコールペッパーがペルシュウの塩味とはまた違うアクセントで効いてきます。
☆じゃがいも ビーツ 蟹
毛蟹のタコス。
トルティーヤ生地にじゃがいもペーストを塗り塗り。蟹肉、蟹味噌、酢漬けたまねぎ、ハラペーニョ、乳酸発酵ビーツをわんさかと盛ってます。タコス巻きにしてがぶり。
食べてる最中は玉ねぎとビーツの酸味とハラペーニョの辛味が勝っているので、蟹は何処へ行ってしまったの!?感あり。だったのですが、ちゃんといるじゃん。口蓋と喉前と舌に残る後味が蟹、蟹、蟹、蟹だらけ。やられました。
☆つるむらさき 鰹 黒糀
気仙沼の戻り鰹のたたき。赤身の旨味が強い。
黒糀と魚醤の発酵ソースの酸がポイントアタックしてくるのですが、ベースは乳酸発酵中に滴るトマト水に鰹節を合わせた出汁ジュレ。鰹出汁に少しだけ酸味があり、旨味が強そうな赤身から塩で水抜して更に旨味凝縮した鰹にベリマッチング。
和食のようだけどアジアンぽくて、cenciさんでしか味わえない鰹のたたきとソース。
つるむらさき、モロヘイヤで粘りまで合わせつつ、和食のように刻み茗荷でスキッとさせるところも忘れていません。
☆蓮根 子持ち鮎 タカナード
また、出た!一夜干し鮎!
一夜干し鮎の炭火炙りが蓮根餅にのってます。
ソースがこれまたハマります。ヨーグルトに鮎の卵がプチプチ。これだけちゅうちゅう飲みたい食感の楽しさとすっきりした酸味。絶佳。
蓮根餅の下に鮎の内臓ペーストも隠れていて、鮎をまるごと楽しみます。
☆翡翠茄子 マッシュルーム
トムヤンクンのイメージなんだそう。
確かに、発酵野菜とブラウンマッシュルームをことこと煮こんだ濃厚スープにスパイシーさを感じます。翡翠茄子を沈めて、フレッシュなホワイトマッシュルームスライスを浮かべて。
前回から始められたビーガンですね(o^-^o)。
☆落花生 七谷鴨 ブルーベリー ピィパーズ
七谷鴨胸肉の炭火焼き。
落花生とジュのソース。
沖縄の香辛料のピィパーズは甘酸っぱ辛く、大原のブルーベリーも乳酸発酵して酸甘味が素敵だし、ナムルのピーナッツもやしも楽しい。
☆剱先イカ 自家製からすみ タリオリーニ
イカスミ入りの自家製タリオリーニ。
焼きと生の両方の剱先イカが細切りにしてのせてあります。食感と甘味に違いがあって面白い焼きと生のイカ。イカスミタリオリーニととても良いお友達関係。そこにからすみの塩味が薄味ソースにとても良いバランスで馴染んできて、散らしてある大葉の若芽ですっきり感まで醸します。
和寄りのパスタ。好き。
☆さわらと柚子胡椒のスパゲッティ(+1,200円)
もう、私には定番化している追加パスタ。
炭火焼きの香ばしい鰆に柚子胡椒で、先ほどとは違って、和は和でもパンチのある旨味。
すぐき菜は青いままで、しゃりしゃり。
乾麺が合うぞっと!
う~ん、食った食った。
☆アマゾンカカオ
これは前回と同じ。
パンペルジュの上にカカオクリームとピスコソース。苦味走る大人のパンペルジュ。
☆無花果 胡麻
「ああ、無花果と胡麻クリームソースね。合うよね」と、安易に想像してしまった私を許して!
想像を超えてました。すみません。
胡麻はクロッカンとおからフレークにしてあってクリームソースなんかじゃないぞ。
ソースは無花果の葉っぱ?コンブチャと鰹節屋さんの燻製茶葉?のジュレ。無花果の甘味に酸味と旨味の滴りを垂らす。ごきゅっ。
胡麻のクロッカンとおからフリークをさくさくと砕いてジェラートといちじくと一緒に美味しくいただきました。
(追記)
このレビューはもう少し後にアップするつもりでしたが「祝ミシュラン☆獲得❗」ということでタイミングを外さずアップします。
おめでとうございます。
2021/10/24 更新
2021/08 訪問
【イタリアン:「なぜ料理人は、アマゾンを目指すのか」】
塩だけでその素材の持つ味わいを充分に引き出しているお料理たち。素材の旨さを知り、それを究極に引き出す料理がチェンチさんの目指すところなのか?
「なぜ料理人は、アマゾンを目指すのか」というドキュメンタリーBLDを観賞しました。
スペインのエルブジやペルーのガストンでも修行され、日本にアマゾンカカオを伝えたと言われる太田シェフが主役なのだけど、フロリレージュの川手シェフ、モトイの前田シェフ、ナカタニの中谷シェフ、もちろんチェンチの坂本シェフ等々日本の名だたるシェフ達がペルーからアンデス、アマゾンへ食の根源を求めて旅するドキュメンタリー。世界のベストレストランTop10常連のセントラルで皆さんお料理したりするシーンもあったりして、2時間近い作品でしたが、料理人でなくてもとても興味深く見入ってしまいました。
食材の力強さ、大地への感謝、自然との共存、命の尊さ、受け継いでいくこと、環境問題等々、坂本シェフがお料理を通して柔らかく発信されているメッセージをこのドキュメンタリーからも感じることができます。
☆ハーブティー
レモングラス、ローズヒップ、ドライアップル、ジンジャー等の冷たいハーブティーで整ってからスタートです。
☆ペルシュウ
始まりはいつものボンダボンのペルシュウとブッラータ。本日のソースは昆布出汁で延ばした黒崎茶豆(あっ、泉さんの枝豆も黒崎だった)。
ペルシュウ、ブッラータ、昆布枝豆。旨味最強トリオです。
☆ガスパチョ 鮎
クリームとマイクロ胡瓜の椅子に置かれた鮎のしゃちほこ。蓋を開けると涼しげなガスパチョ。野菜に塩して発酵した酸味だけなので野菜もストレートに感じるし味も涼しい。
内臓は一旦取り出し稚鮎と一緒にペーストにして揚げ鮎のお腹に戻すなんて仕事がされています。苦味が柔らかい。
♪鮎を齧って、ガスパチョ飲んで♪
♪鮎を齧って、ガスパチョ飲んで♪
苦味や酸味が繰り返して面白かった。
☆賀茂茄子 帆立 北寄貝 穂紫蘇
賀茂茄子のタルタル~。穂紫蘇の紫とハラペーニョ?の緑の煌めきが美しくて、思わず「わあぁ~」と声が出てしまう。
丸いタルタルの上に帆立と北寄貝が散りばめられて、なんかいろいろ自然の発酵調味料等を閉じ込めたペルシュウ糀?のソースがかけられて。
ちょっと食べた時の旨味が、食べた後の余韻が尋常ではないです❗
ハラペーニョのアクセントの効かせ方も楽しいのだけど、これは貝の旨味がしっかりとしたベースを作っているから。貝の旨味余韻もだけど長期発酵させたマコモ茸の余韻が舌、口、鼻、喉にいつまでも漂って深いいっ!水を飲みたくないです。
☆とうもろこし 玄米 伝助穴子 山椒
来た---!!
バチバチ、ジジジの鉄鍋リゾット。
先ず、香ばしい穴子に山椒のピリつきやらアマゾンカカオ果肉の甘酸っぱい香り。
目の前で穴子骨と鮎魚醤の出汁を注ぐとジャアアアアアア~の大音響と共に強い穴子と醤の香りを含んだ湯気がぶわぁ---と顔に。
これだけで73%くらい味わった気分。
残りの227%(100%超えてるし)を分厚い伝助くんの旨味と焼けたとうもろこしの甘味とアマゾンカカオ果肉の酸味で出汁と共に味わいました。
☆胡瓜 マスカット ハーブ 酢橘 アーモンド
なんとビーガンまで始めたの?
胡瓜、マスカット、いんげん豆で爽やかに。
コリアンダー、シナモン、クミン等のハーブやナッツで中東的雰囲気もありつつ、ソースが豆腐と糀?でアジアっぽくもありで楽しい。
強烈な穴子の後に、静かに爽やかに動物性たんぱく質なしのひとさら。この対比が面白いし、人間の欲とか環境問題とかちらりと考えます。
☆茄子 赤島らっきょう 経産牛
サカエヤさんで熟成された赤身の美味しい黒毛和牛。トマトと玉葱とジュの甘旨にハラペーニョで辛味アクセントのソースが熟成肉に合うんです。
焼き千両茄子と茗荷と島らっきょうピクルスが熟成赤身肉の合間合間にお楽しみ的。
☆アスパラ 雲丹 馬告 タリオリーニ
馬告=マーガオという台湾のスパイスだそうです。香りはレモングラス、味は山椒?一粒で何度も美味しい夏にぴったりなスパイス。単純な爽やかさではなくて中華っぽい風味もしました。雲丹と一緒に手打ちタリオリーニに凄く馴染んでる♪
アスパラのしゃきしゃき感もひとつのお皿として素敵です。もうひとさら食べたいよ~。
☆トマト 万願寺唐辛子 スパゲッティ(+1,200円)
「もうひとさら欲しいよ」という心の声を拾っていただいたのか、「良かったらトマトですけど、、」とお薦めあり。もち、のります。
前回はシンプルトマトでしたが、万願寺を加えてあり味が膨らみます。もちろん、乾麺。
☆アマゾンカカオ
アマゾンカカオのパンペルデュ、シナモン風味のカカオクリーム、アマゾンカカオの果肉とカカオだらけです。パンペルデュにかけられていたピスコがアクセントな風味あり。ピスコはペルーのお酒ですが、口当たりが良いので、ペルーのリマで興味本位でこくこく飲んでたらぶっ倒れた経験ありです。
☆桃 レモンバーベナ
桃のコンポート、レモンバーベナアイスクリーム。中のヨーグルトが全体をまとめて良き。
最近、珈琲ばかりでしたが、久しぶりにアッサムをミルクで。チェンチと一緒にいただきました。
冒頭のBLDで、アンデスの貴重な蛋白源であるクイ=山ネズミをいただくシーンを見て、またペルーでクイを食べに行きたいなと懐かしく思いました。東京のペルー料理店でも数週間前にお願いしておけば食べられますけど。。
2021/09/12 更新
2021/06 訪問
【イタリアン:自家製パスタ始まりました】
以前、dancyuのパスタ特集でも10頁程こちらのパスタが紹介されたこともあるくらい毎回とても美味しいパスタをいただいていますが、これまでは乾麺だけでした。私的には乾麺が美味しいので全く自家製とかノーマークだったのですが、最近、前菜の中に冷製パスタのタヤリンとか自家製麺がお目見えしてきたなあと思っていたら、ついに〆のパスタに自家製麺が登場。平たいトレネッテ。
「麺がめちゃめちゃ旨いですねぇ」とお皿を下げに来たお姉様にお伝えしたら「この人この人」とばかりにカウンターの中を指差します。いつものスーシェフさんが打ったパスタだったのでした。スーシェフさん「てへっ。ありがとうございます」と。イタリア時代はいつも打ってたそうで、メニューが以前のパスタ3種類選択に戻ったら、1種類は手打ちにしようかと考えているそう。
いやあ~、この自家製麺のソースの馴染み具合が素晴らしかったあ!!麺の表面への絡み具合は言うまでもなく、麺を噛んだときに中からソースが溢れてくる感じ、まるでソースを麺に練り込んであるかのような馴染み具合なんです。麺を噛めば噛むほど旨味が溢れてくる。帰りに坂本シェフにお伝えしたら、まんまとシェフの狙いに嵌まっていたみたいです(笑)。
スーシェフさんからは「坂本シェフの注文がめちゃめちゃ厳しくて」と笑いながら自家製麺打ちの苦労を教えていただきました。
麺まで進化してるなんて、もうぉ、素敵さ!
先ずは、冷たいハーブティーでリラックスやら胃を調えるやら、歩いて火照った身体を落ち着けて静かに戦闘態勢へ入ります。じゃじゃじゃ~ん。
☆ペルシュウ
今日のペルシュウ、なんだかいつにもまして色鮮やかに感じました。目に美味しい。
本日のソースはホワイトコーン。いつもの自家製ブラータとソースをペルシュウで巻いてぱくり。
塩い。甘い。微酸っぱい。
☆アボカド ズッキーニ アオリイカ
フレッシュなものと炭火焼きのものと風味も食感も2倍楽しめる構成のアオリイカのサラダ。
お野菜は、アボカド、グリーンアスパラ、ズッキーニ、大葉のスプラウトもあります。
エシャロットとライムのドレッシングが爽やかで、イカの旨味が引き立つし、イカスミ入りタコス生地チップの食感やズッキーニのくるくる切りもとても楽しいです。
☆桜海老 白海老 新生姜 島らっきょう
桜海老フリットのカリカリ海塩味と生白海老タルタルのねっとり甘味の後にガリのような新生姜の風味がほわんと口の中に残るのが好き。
プチトマト水に鳥と鮎出汁を加えたすっきりさっぱりソースが細い自家製タヤリンに馴染むこと!
「時々、島らっきょうが "キュン" ときますね」
「でしょ、玉葱ではダメなんです。らっきょうのくせのある味が海老との相性もいいんですよね~」
☆トマト 加茂茄子 油目
油目の骨出汁スープの中に油目と揚げた加茂茄子とケッパーか浮かんでいます。先ほど水分を取ったトマトが真ん中に。トマト水とハラペーニョオイルが浮かんでいるのですが、混ざり込まないようにして素っぴんのスープを一口二口。「滋養強壮」「疲労回復」「芯から温か」の言葉が頭の中をく~るくる。器の蓋に飾られていたフェンネルの花部分を指で摘まんでぱらぱらと振りかけるとさらに漢方薬的清涼感が駆け巡ります。
その後、トマト水とハラペーニョオイルでピリッと味変うっひょっひょ♪
油目というかアイナメと加茂茄子が旨いのはもう当たり前だよ~♥️
☆ホワイトアスパラ ホロホロ鳥 山わさび ヨーグルト
「最近食べたホロホロ鳥の中では一番美味しかったです」
「鳥は焼き方ひとつで旨味の引き出し方が変わりますからね」と坂本シェフ。
むね肉ともも肉。2つの食感と味わい。
写真では見えないのですが、肉の下のヨーグルトとわさびのソースはむね肉の淡白さにも、もも肉のジューシーさにも合う酸味と辛味だし、手前に見える油のようなソースはお肉出汁やら黒豆酢やらの旨味ソースでアスパラや玉葱も引き立てるんです。
☆あさかぜ胡瓜 鮎 木の芽 トレネッテ
出ました!自家製トレネッテ。
鮎の骨の使い方がバリエーション進化。以前はパスタの上にのせて砕き合わせていましたが、今回は先にぼりぼりといただいて鮎の骨味を口の中に残したところに鮎の身とトレネッテに馴染んだ鮎出汁ソースを重ねてきて口中旨味爆発状態を作ってくれます。あさかぜ胡瓜も含めた爽やかさの中にトレネッテに練り込んだ木の芽のアクセントがピーンと張ってくるのです。旨かった!
☆アラビアータ(追加1,000円)
私が食いしん坊だと知っているお姉様からのご提案で久しぶりにパスタもう一皿をいただきました。
トマトだけのシンプルなアラビアータ。複雑味の後にこの素直さがとても嬉しい。何皿でもイケる。
☆パイナップル ココナッツ
台湾に行くと必ずお土産に買って帰っていたパイナップルケーキみたいでした。ソテーされたパイナップルの実もごろって。好き~ぃ。
☆バナナ アマゾンカカオ ホップ
香りは甘いのにカカオとホップの苦味が強烈で、バナナの甘味なんぞ何処へ行ったの?的。カカオとラム酒のブリオッシュも子供な私にはつよつよっす。
珈琲が欲しい!ラテが来たあ!よっしゃあ!
珈琲飲みながら、今日のメニューを振り返りつつ、毎回進化してることに気づくのが楽しい。
2021/07/11 更新
2021/04 訪問
【唯一無二なイタリアン】
カウンターでハーブティーをいただきながらメニューをゆっくり見たら叫んでしまいました。
「おっ熊ぁ?!」
「ふふふ、今日は面白い食材があります。」と。
イタリアンのお店はたくさんありますが、チェンチさんのイタリアンってチェンチさんだけの唯一無二な味だと思っています。京野菜とか米糀とか野菜の乳酸発酵とか和出汁とか日本の地元の文化をリスペクトして取り入れながら、韓国とか南米とか中東とか中国とかのお料理法もアクセントに使って、日本人だけでなく外国人にも説得力のあるお料理を提供してくださる。イタリアンなの?そりゃ土地のものに敬意を持つというイタリアンらしさたっぷりでしょ。今やなかなか家庭で繋げていけない日本の文化をレストランで繋げていくというまさにサステナブルな姿勢を自然にお持ちなんだなといつも思います。坂本シェフとチェンチの皆様。
この自然に唯一無二な美味しさと繋ぐを意識しながら進化していく姿勢を食に関わるたくさんの人たちに支持されたのだなあと思いました。アジアのベストレストラン100へのリストアップおめでとうございます。関西ではラシームさんとヴィラアイーダさんとチェンチさんだけですもんね。坂本シェフも嬉しいとおっしゃっていましたが、私もなんか嬉しいぞ!継続してリストアップされてラシームさんみたいにランクアップしていくと良いなあ。
始まりはハーブティー。レモングラス、オレンジピール、ローズヒップぐらいしか覚えていませんが、10種類くらいのブレンドハーブティー。いつもこの一杯で落ち着きを取り戻します。
☆ペルシュウ
最初に緑色のソースをじゃがいもと説明されたので「ん?」と思いましたが続けてお聴きすると、春の山草こしあぶらを混ぜ込んであるので緑色なのでした。ホエイを加えてクリーミーな吉田牧場さんのリコッタチーズを自家製モッツァレラで包んだブッラータと共にペルシュウで巻いてぱくぱく。こしあぶらの苦味と香りがまさに春です。
ペルシュウは新潟三元豚で24ヶ月もの。塩の馴染みがとても良くて味わい深いです。
☆山菜 ホタルイカ 甘夏
ホタルイカの春巻!!これは初めての経験。
叩いて旨味熟熟のミンチになったホタルイカに行者にんにく、荏胡麻の葉、バーニャカウダが混ぜ合わさっていて、先ずは一口。美味いよ~。
春巻の下の緑は、こごみ、うるい、白菜、ぜんまい等の山菜を細かく刻んだものですが、そこに鯖寿司のお米ピューレと発酵させた聖護院蕪の酸味を加えて山菜のほろ苦さと調和させながら熱々の旨甘味春巻と対象的。
ここに春巻をがしゃっと崩して山菜と甘夏も一緒に混ぜ混ぜしていただくと熱と旨味と苦味と酸味と甘味が一体になって、うぐうぐと堪らない。
さらにホタルイカまるごと2杯。
ずっと喉の入口に残る発酵の酸味と甘夏の自然の酸味の調和したチェンチ家の旨味。素敵な余韻。
☆トマト 鯛白子 葉山葵
自家製タヤリンの冷製。このタヤリン、ラーメンみたいな食感と感想をお伝えしたら、卵を入れずにアジア人が好きな食感を狙ったとのご説明。
タヤリンに絡めてあるソースが、鯛のあらと乳酸発酵させて刺すような鋭角さが取れたプチトマトを混ぜて取ったトマト水に鯛の出汁を合わせたトマト酸味も香りつつの涼やかな和ソース。器の底に残ったソースをチュウチュウ飲みました。
鯛白子の炭火焼きピューレが昆布締めの鯛の身の下に隠れていて、これと、鯛の身の上にのせてあるトマト水を取った後のトマト果肉と葉山葵の和え物が対照的に濃厚さを醸し出します。葉山葵の絶妙な効き具合が好きです。
器といい見た目といい味といいお箸で食べることといい、和食でしょ、これ!!
ううううう、と声が漏れてしまう、好き好き。
☆春キャベツ 甘鯛 ハーブ
甘鯛は甘鯛のあら出汁とホエイのスープで炊きあげたもの。やっぱり和なんだけどイタリアンなんだよなあ、これも。
春キャベツのサラダが添えてあるのですが、甘鯛の鱗をカリカリ素揚げしたチップを散らしています。鱗チップは初めて。鯛の松笠仕立ではなく、要素は同じでも引き出しが増えています。凄い。
鯛の身の下の黒いペーストは黒にんにくのような作り方の発酵キャベツに紫蘇オイル。これが目の前で注いでいただくあら出汁ホエイスープに溶け込んできて旨味炸裂。
☆白子筍 熊 木の芽
熊肉がんもどき\(◎o◎)/!!
いやはや、びっくりです。
熊肉とがんもどきが結び付くとは!
で、もちろん、美味しいし。
水と塩だけで茹でた塚原の白子筍が甘くて美味い!んだけど、その茹で汁のスープがめちゃくちゃ美味しいよう~。筍出汁の水が旨すぎる‼️
頭くらくらしてきました。
茹で筍だけでなく、筍の糠漬けも合わせてあるので同じ筍で味の違いも楽しめる。
がんもどきの下に米糀、香茸、鮎魚醤を合わせた調味料が隠れていて、優しい味わいの後に三大アミノ酸たっぷりの濃旨味がガツンと来て最高。
☆アスパラ 今帰仁アグー やんばるスパイス
純血100%アグーの肩ロースオーブン焼き。
付け合わせはグリーンアスパラガスの炭火焼き。
チェンチさんお気に入りのデュカがアスパラガスの上に。私もお気に入りです、アーモンドと胡麻の風味が好きなのです。
豚さんの下に"やんばるスパイス"なるものが敷かれています。やんばる地域の唐辛子、生姜、コリアンダーなど10種類くらいのブレンドスパイスで、そこに干し柿ピクルスペーストの酸味を組み合わせたもの。豚の甘味にパンチのあるスパイシーなソース。しっかり、ぱくぱく、いいね。
☆筍 三つ葉 あさり リングイネ
時短メニューなのでパスタは1種類のみ。まあ、前半に冷製パスタがあったからいいよね。
粒の大きな横綱あさり。パスタに貝出汁は間違いないでしょう。筍がリングイネと同じ細さに刻んであるので、筍とパスタの交ざり合う食感がとても楽しいです。
☆クリームチーズ 黄金柑
宇和島の黄金柑。いろんな柑橘類が次から次へと出てくるなあ。生産者さん万歳。
ベースに黄金柑の皮を練り込んだチーズケーキ。上にクリームチーズをたっぷりのせて甘い黄金柑の果実。柑橘が酸味ではなく甘味でチーズの酸味と調和してます。
☆オレンジ アマゾンカカオ
アマゾンカカオのクレープ仕立て。クレープ生地の中には果実クリームとフレッシュタロットオレンジとマスカルポーネクリーム。ドルチェにまでカカオ糀なんでものが味わいに使われているぞ。
上のアイスクリームはカカオバター。回りにかぼすソースも散りばめられて大人の苦味酸味。
最後はハートラテとチェンチでまったりと今日のお料理を思い出しながら、お隣のいかにもフーディーなお姉さま方の会話を右耳だけ全集中(笑)で聴いてました。
2021/05/16 更新
2021/02 訪問
【イタリアン:水で煮るだけで美味しい】
聖護院蕪は名前の通り京都の蕪です。
京都の和食では当たり前のように食材として使われています。
私はこの蕪の持つ甘味、辛味、苦味、水分がとても好きです。ほとんど手を加えなくても優しいでもしっかりとした味わいが感じられます。
二皿目に出てきた温かい聖護院蕪のスープ。雪の花のようなスープ。
冬の寒さで蓄えられた甘味、大根系の辛味、野菜の渋苦味を京都らしくはんなりと味わうことができます。ただ、水で煮ただけだそうです。仕上げにオリーブオイルがさっと垂らしてあるだけ。本当に良い素材は水で煮ただけで美味しいのです。
その次のお皿の岩魚のたたきも素材の良さを感じましたが、イタリアンとは素材の本来の良さをシンプルな塩や水やオリーブオイルだけで引き出すものと理解していますが、そういうところで和食との共通点を見いだして和食の素材や料理法との融合が可能なのかも知れない。「京都でイタリアン」のチェンチさんのベースはそこにあるのかもと改めて感じました。4皿目の怪しい粉(笑)も実は和食由来です。
こんな時期なので、料理とドルチェを各一皿少なくしてお値段を変えずに素材のグレードをアップした滞在時間短縮メニューです。
☆ハーブティー
カモミールベースで、ドライジンジャー、なんやらかんやらといつものようにたくさんのハーブがブレンドされたほっとする温ったかティー。
☆ペルシュウ
うすい豆のソースの上に吉田さんのリコッタチーズ。ホエイを加えてよりリッチな味わいに仕上げてあるので、爽やかうすい豆と絶妙な補完。
蒸した芽キャベツの春の甘さが、ペルシュウの旨塩味と一体感を醸します。
チーズの合わせ方が昨年と変わりましたね。こちらもヨーグルト感覚が感じられて今までとはまた違う美味しさ。
☆聖護院蕪 甘海老 自家製キャビア
蓋付きの器の上には、乾燥モッツァレラの揚げチップに甘海老と乳酸発酵した聖護院蕪のタルタル。写真で茶色のソースみたいなものが見えるでしょうか甘海老のビスクです。チョウザメを調達して取り出したキャビアは自家製に塩梅。
一口で頬張ると甘、酸、塩の三位一体に蕪の水分とビスクの旨味がじゅわんと広がって、もう、何個でも頂戴的!!
器の中には温かい聖護院蕪のスープ。水で炊いただけで、最後にさらりとオリーブオイル。とてもシンプルですっきりとしているのに蕪の味わいが温かくも優しくも沁みます。
チョウザメのお肉はフロリレージュさんとのコラボの時にキャビアとの親子丼にしたんだそうです。知らなかった。。。行けば良かった(泣)
☆花菜 岩魚 胡麻
岩魚に対する概念が一変しました。素晴らしい!
岩魚には山奥での塩焼のイメージしかありませんでしたが、レストランの逸品として存在感抜群。
この時期が脂乗り一番だという2kgの岩魚。大きな切り身です。昆布締めして皮だけ炭で炙って"たたき"のような仕上げにしてあるからか、川魚なのに海の青魚を〆たようなねっとりとした旨味が感じられます。白胡麻香るバーニャカウダの濃厚なソースとの相性も素敵。
菜の花のことを京都では花菜というそうですが、その花菜、からし菜、クレソン、スナップえんどう等々の春野菜を付け合わせに。ハラペーニョのピリピリと自家製柚子ベースの酸味ドレッシングが野菜たちだけではなくて岩魚に戻っても効いてきます。
☆新玉葱 春野菜 白魚
この春のサラダは幸せ以外の何物でもなかった。とてつもない旨味に溢れだす唾液。じーんとまさにじーんと音が鳴っているように脳髄に美味いの痺れ信号が届きます。自然と目を閉じて恍惚にヒタヒタ状態で呆けてしまいます。
何が恍惚かって?
新玉葱?
白魚?
ホワイトアスパラ、独活、筍や金柑たち?
もちろんそれらも美味しい。ですが、恍惚にまで導かれる素は白魚にかけられているオレンジ色の粉なのです!怪しいっ(笑)
何の粉かは秘密にしておきます。何かを作る過程で捨ててしまう何かを乾燥させて粉状にしたもの。乾燥させることであの(?)生臭さが飛んでアミノ酸のかたまりのような天然旨味調味料になるのだそう。
いつの時代も恍惚の素=怪しい粉(笑)
「めっちゃ好き」とパスタオーダーを聞きにきた方にハンカチを口に当てながら力強く宣言してしまいました。
漆のお箸デビュー。木製カトラリーを創作されている埼玉の方に作っていただいたそうです。お箸のほうが食べやすいメニューもあるよねという気づきからの日々の進化。
☆じゃがいも 北寄貝 酒粕 アーモンド
蒸して炭火で炙った北寄貝とじゃがいもに貝の紐、葱を入れて揚げ餅。噛むほどに貝の旨味が出てきます。魚出汁ベースに酒粕、バター、白ワインのブールブランソースでリッチなバターと酒粕の味わいに貝のパンチの効いた旨味の重なりを感じました。
アーモンドは食感にパラパラと。
☆椎茸 大豆 酒井さんの羊 蕗の薹
純粋に羊肉を味わいます。ただ美味いです。
野菜の旨味を含んだ大豆ペーストソース。
食材を無駄にしない羊ラグーが蕗の薹の風味を纏って椎茸の下に隠れています。最近いろんなところで出てくるメインのお肉のラグー。本当に濃い旨味が好き。蕗の薹の苦味も春らしく。
呉さま椎茸?の炭火焼きも肉厚ジューシー。
☆パスタ
*九条葱 河豚白子 柚子 スパゲッティ(追加料金)
ふへへへへ。ここでも河豚の白子。
スパゲッティに白子と葱と柚子だって♪♪
白子クリームソースで繋がれたスパゲッティ。
河豚の白子に溺れたいっす!
季節を存分に堪能しましょう!わ~い♪
*トマト プチベール マナガツオ スパゲッティ
炭火焼きのマナガツオの塩味がとてもパンチがあるのですが、プチベール(球にならない芽キャベツと理解)とトマトの甘味で調和してます。
毎度のことながら、パスタの順番もオッケー!。
☆モロ アマゾンカカオ
モロ?モロとは何ぞや?
宇和島のなんとかさんのブラッドオレンジの品種名だそうです。
下からモロのジュレ、アマゾンカカオのムース、フレッシュモロ、カカオ皮茶ジュレ、カカオニブの階層です。私が食べ方を間違ったかなあ。混ぜ混ぜして食べれば良かった。各層が個別に存在していて、かなり実験的な感じでした。何故か何年も前に不思議感覚のままだったフロリレージュのノンアルコールペアリングのひとつを思い出してしまいました。
☆苺 マリーゴールド
見た目よりけっこう手が込んでるお皿。
苺のタルト。苺飴。苺果汁とコンブチャミックスソース。タルト生地を砕いて散らしてあったり。
マリーゴールドの葉っぱでジェラートを作っていたり。春ですね~♪
お茶はここのところ暫く珈琲を飲んでいましたが、春みたいにぽかぽかしてたので久しぶりにキャンディでほっこりしました。
滞在時間が長くても良くなってきたらノンアルペアリングを久々にオーダーしようと思います。かなり進化しているのでは?と根拠もなく思っています。
2021/03/07 更新
2020/12 訪問
【イタリアン:幸せの白トリュフ】
トリュフの香りも味も大好きというわけでもなく、ものの良し悪しもわかりません。
でも、今回の白トリュフは香りが立った瞬間も栗リゾットと一緒に食べた瞬間も、
「アニキ、上物が入りましたぜ。ヒヒヒ。」
的なヤバい匂い(笑)がしました。
ヤバい匂い?だけではなく、本当に幸福感ヒタヒタの風味でしたので、帰りにシェフに「白トリュフ、オーダーして良かったです。すごく幸せになりました」とお礼したところ、楽しいお話をお聞きすることができました。
現在ピエモンテアルバに在住の京都の料理人だった人が、数年前に日本人で唯一「トリュフの騎士?」を授章されたそう。何年もかけて築いたトリュフハンター達との信頼関係から昨年からは更にトリュフハンターとしての許可も得られたとのこと。その方が水曜日に収穫して空港に持ち込んだものが木曜日に東京、金曜日にはチェンチさんに入荷されるそうで、間違いなく純正のとてもフレッシュで香り高い白トリュフなんですというお話。
本当に、香りだけでなく、食べても嫌みなく栗や米の甘味に寄り添う素敵な白トリュフで、幸福感に浸ることができました。
今月から高い方のコースは13,000円になりました。
☆ハーブティ
カモミール、ジンジャー、ミルクシスル、林檎など8種類のハーブ。
四条河原町から遠回りしてのんびり歩いていたら予約時間に5分以上も遅れてしまい電話もせずすみませんでした。ハーブティで落ち着きました。
☆ペルシュウ ブッラータ
定番のはじまり。本日のペルシュウは削り丹波栗のソース。ブッラータと丹波栗の甘味でペルシュウの塩味はぶっ飛びぃ。
私はけっこうそら耳なので丹波栗が蛤と聞こえてしまい「はまぐり?」と固まってしまいました。
「(蛤だったら)削れないですよ」と冷静にピシッとされました。いきなり、あほでした!(笑)
☆ほうれん草 京地鶏 クコの実
めちゃくちゃ、そそる香り。カウンター前でスープから湯気とともに香りがたちのぼってきます。
スープは、鶏、ネギ、生姜、にんにく、高麗人参、松の実、棗、もち米って、参鶏湯じゃ~ん!
沁みるぅぅ~ん。
スープだけでなく、鶏のミンチと発酵白菜を混ぜて素揚げしたミンチボールがジューシーでよだれもんに堪らんし、クコの実の甘味が効くうぅ。
乾燥クコの実を戻すのに使う静置発酵した酢を飲みたい。クコの実の甘味が滲みて美味しそう。
ワインビネガーば使わずに日本食材に合う米酢を使われているそうです。
☆小蕪 根セロリ 鯖
長崎の鯖は皮目から炭火焼き、とはいえ、ほぼ生感覚のサラダです。
鯖の身だけでぱくり。
コリアンダーのベビーリーフとホースラディッシュを巻いてぱくり。
根セロリピューレと柚子酵母でマリネした小蕪と一緒にぱくり。小蕪と一緒に食べるとしめ鯖。
酵母マリネ小蕪の甘酸味が効くうぅ。
☆落花生 鱧 山椒
まだ鱧か!?でも鱧だ。まだ活きています。
鱧と昆布の出汁に落花生ピューレを合わせたスープを目の前で注がれます。落花生の匂い満開。
シンプルに湯通ししたふわふわの鱧と九条ネギや芽生姜を混ぜた鱧ミンチのラビオリに落花生味噌がのっています。
鱧と落花生ソースだけだとあっさりとするりと食べてしまいそうですが、鱧ミンチのラビオリがなかなかのくせ者でぎゃんと旨みがくるし、なによりも、緩やかなひとさらを一粒でパチンと〆てしまう山椒のパンチのある痺れ辛味が効くうぅ。
別のお客様に提供されるあの薬膳スープの香りと湯気が何度となくカウンター越しに立ち上ぼり、その度に、脳内薬膳状態になって幸せです。
☆大根 鮪 薄荷
一口目は薄荷ソースが "すっと" して不思議な感覚と味も美味いのか何なのか分からない複雑なのですが、ふた口、み口と重ねる毎に旨みが口から鼻腔から喉元から満ち満ちてきて、ちょっとちょっと、えっえっ、うわあああああ、って感じの絶品でした。
炊いてから3日間60℃で保温したもちもち柔らかい酵素玄米がベースになって水キムチ大根と鮪のタルタルの旨味をしっかりと支えていて、口に運ぶ毎にどんどん出てくる米の甘味が効くうぅ。
☆バターナッツカボチャ 三度豆 マッシュルーム 今帰仁アグー豚
お肉には発酵させたマッシュルームと肉汁を合わせたソース。
緑のクレソンの下には、熱を入れて甘味の増したバターナッツ。バターナッツの種は三度豆をケッパーや唐辛子と絡めてソースにしてあります。
最初は純粋にお肉。
次は軽めのマッシュルームソース。
そして、マッシュルームソースよりも酸味辛味の強いかぼちゃケッパー唐辛子ソースで三度の味わいを楽しめます。
豚肉の旨みに炭と藁焼きの風味も効くうぅ。
☆聖護院蕪 鰆 柚子七味 スパゲッティ
炭火焼きした鰆の身が程よく散らしてあり、ベースは魚の塩旨味で、これに柚子七味が時折、ピリッと来つつ、実は、短冊切りの乳酸発酵した蕪はもちろんなのだけど、蕪の葉の爽やかな苦味とすっきり感が効くうぅ。
☆丹波栗 アルバ産白トリュフ リゾット
パスタ追加1,700円?+白トリュフ特別4,500円。全体コースの半額相当の追加になりましたが、この幸せ感がこの程度のお金でいただけるのなら素敵です。
カウンターでこれでもかと削ってもらいました。
栗の甘味だけでも美味しいリゾットが、白トリュフの風味で幸福感いっぱいに。
☆ドルチェ
果実三重奏です。
新しいパティシエ君、面白くなってきたぞ♪
*みかん
果肉、ジュース、皮を練り込んだヨーグルトクリームをソースにしたクレープ。
巾着にして柚子の枝で留めてあるなんて、なんだか和菓子みたいな仕立てです。
一口で食べて、じゅわって。
*林檎 ジャスミン
ジャスミンの香りのビアンゴマンジャーレをベースにオーブン焼きで甘味の増した紅玉の果肉とグラニテが、しゃきん、じゅわん、ふにゅんって。
*洋梨
トンカ豆とかコーヒーとかラム酒ベースではないシロップをたっぷり含んだババが洋梨ソースの上に、ババが、じゅみじゅみんって。
マスカルポーネやカボスのクリーム、フレッシュな洋梨がババの上にのっています。
手前の洋梨ジェラートと合わせながらいろいろと組み合わせながらいただきます。洋梨の甘味が子供っぽくなくて、ババとマスカルポーネやカボスクリームの組合せには大人な甘味を感じられて、カウンター内のパティシエ君に「これは好き!」とストレートにお伝えしました。
☆カプチーノ チェンチ
今年はコロナ緊急時期を除くと良く通いました。良く通ったことでこちらのチャレンジやら進化やらも良く感じることができました。
来年もね♪
2020/12/19 更新
2020/10 訪問
【イタリアン:新しい世界を拓いていくコロッケとフレッシュのイカ】
東京オリンピックを見据えてなのか、日本に居住する人たちの多様化への対応なのか、これまで専門のレストランでしか扱われなかった南米や中東の料理や調味料が、ファインダイニングでも日本に適応させた形で提供されるようになってきたのかも。南米的なものは随分前からこちらでも他のレストランでもありましたが。。
前回の中東の調味料デュカに続いて、今回は中東のコロッケがメニューに。ファラフェルというひよこ豆のコロッケ。
クミン、コリアンダーでスパイス感。衣のアーモンド粒の食感も中東っぽい。
で、このコロッケの上にのせてあるのが、フレッシュとすこし火入れしてある剱崎いか!!
面白いっ!
普通のコロッケとは違う少しパサつき感のあるほくほく、衣のざくざく、火入りイカの弾力、フレッシュイカのねっとり、下に敷いてあるザワークラウトビーツのしゃきしゃき、ローストパプリカソースのとろりん。いろんな食感が楽しい。
火入りと生の2種類のイカが、コロッケのスパイス感に負けることなく、イカ旨味をしっかりと主張しているのも、♪ふふふん♪って感じでした。
実は、ファラフェルはサウジアラビアで食べたことがあって懐かしさとともに、だからこそ、生のイカとの組合せが驚きの楽しさだったのでした。
世界は広い!
☆食前茶
ジンジャー、カルダモン、カモミール、リンゴ、ミルクシズル?の温かいハーブティー。
台風が通り過ぎて日射しが出て蒸し暑い中を歩いてきたので、リンゴ風味の適温なハーブティーが身体に沁みました。
☆ペルシュウ ブッラータ
生落花生のソース。
落花生の甘味とペルシュウの塩味。それを結ぶ、とろとろブッラータ。今年から、チーズがブッラータになってより良くなったなあと感じます。
☆枝豆 白海老 檸檬唐辛子
青大豆のプリンに枝豆ソース。
生と米粉フリットの2種類の白海老。
メロン胡瓜のピクルスと檸檬唐辛子。
大豆や枝豆の青臭い甘さと生の白海老のねっとりとした甘さを、海老フリットの甲殻類風味漂う塩味とピクルス&檸檬唐辛子の酸味がとても引き立てるし、フリットのカリカリ感がそれ以外のふにふにぷるぷる感とも相性良し。
☆茄子 オクラ トマト 伝助穴子
5日ほど寝かせて水分を抜きつつ旨味を凝縮した穴子、そのままでもとても美味しい。水温が下がって脂がのっています。
揚げ浸しにした茄子、万願寺、オクラと畑しめじの付け合わせ。乳酸発酵させたトマトから出る水分に茗荷と冬瓜を入れた酸味と旨味のジュレソースがかけられています。付け合わせだけでいただくよりも、全部を穴子と一緒にいただくと、なんとも言えぬ旨味の重なりで、口蓋の上の方から鼻に目にじーんとしてきます。
☆とうもろこし 子持ち鮎 ハレヤ ハーブ
カウンターでとうもろこしソースがとくとくと注がれます。鮎の身のクレープ包みです。
とうもろこしをヨーグルトで合えてハーブを加えた酸甘味の白いソースや甘い黄色のとうもろこしソースでクレープ包みを楽しむのですが、実は、ヨーグルトソースの下に隠れていたハレヤというアマゾンカカオの果肉を煮詰めたソースのほろ苦さがじわりじわりと効いています。食べ終わってからも、カカオの苦味の余韻がとても心地よくて満足。
そして、鮎の骨の苦味も味わいながらぼりぼり。
☆ひよこ豆 ビーツ パプリカ 剱崎いか
面白かった!
スパイス感満載コロッケに生イカの組み合わせ!
☆蓮根 鳥取和牛 山椒
和牛ランプのロースト。肉出汁に黒豆酢のすっきりソースで、シンプルに旨い。
牛肉ミンチにアンコールペーパーで味付けした蓮根挟み揚げが付け合わせも、それだけいただくと肉の旨味がシンプルに旨いし、上にのせられた蔓むらさきとモロヘイヤのねばねばコンビや酢漬け蓮根と一緒にいただくと複雑化して楽しい。
時々、生山椒が緊張を与えてくれます。
☆トマト 茄子 秋刀魚 スパゲッティ
今年は秋刀魚が不漁みたいなので、秋刀魚という文字に惹かれて選択。トマト、茄子でさわやかに秋刀魚を味わう。
☆ゆり根 天然舞茸 原木椎茸 リゾット
椎茸出汁に浮かぶアルデンテのお米とさっくりユリ根の食感と甘さが、塩を効かせた舞茸揚げでよりくっきりとしてきます。お味噌みたいな糀ソースが椎茸出汁と合うんだ、これが。
3種類からひとつ選択するのがコースのデフォルトなのですが、いつも追加でもうひとさらオーダーしてしまいます。こちらのパスタ、リゾットが好きなので、何皿でもイケてしまうのです。
今回のもうひとつの選択肢はクリームソース系だったのですが、だんだん寒くなるし、こちらのクリーム系は未食なので、次回は選択しようっと。
☆ドルチェ
*エクレア
中にチーズ?のクリーム。上にパッションフルーツのソース。好きだな。
*無花果 ピスタチオ ビール
ビールのプリン、無花果。無花果の葉のコンブチャをかけて、無花果の甘味が際立つ。
ピスタチオのアイスクリーム。
*黄桃 生姜 金木犀
金木犀の香り漂う紅茶ジュレ。
黄桃、チーズ、生姜アイスクリーム。
☆カプチーノとチェンチ
エチオピアのイルガチェフェ豆なので、とても華やかな香りが立つ珈琲。
さて、次回はどんな驚きが。楽しみです。
2020/10/24 更新
2020/08 訪問
【イタリアン:変化していくリゾット】
パチパチパチパチッ、パチパチパチパチッ。
器の中の水分のはぜる音が凄い!
シェフがキッチンから運んでこられる時から、水分はぜる音が聴覚を刺激して、それだけですでに美味しい「とうもろこしと鮎のリゾット」。
シェフのご説明も聞こえないほど、お料理を見つめて、はぜる音と水蒸気に耳目が張りつく。
スプーンを入れても、ジジジジジジッ。
食べ終わるまで終始熱々のままで、バチバチ、ジジジジ音が心地よく耳を擽り、脳の聴覚&視覚野から美味しい信号が身体の隅々に伝達されます。
とうもろこしがあま~~~~いのなんのって。
のっけっから甘いのだけど、ジジジジと熱を含んでいくと甘さはいや増すばかり。最後に少し焦げた良い香りの焼きとうもろこし感が出て来るに至っては、もう甘味大爆発状態です。
「あま~~い」って山のてっぺんから叫んだみたいな声が出ちゃう。やまびこの代わりにカウンターの向こうから笑い声が帰る。
もちろんリゾットですもの、鮎の苦みととうもろこしの甘味ととうもろこしピクルスの酸味を包容するお米も、最初は具材の旨味の詰まった水分を保ったふんわり状態から、段々と水分が抜けて旨味が凝縮して歯応えも出て来た状態へと変化し、最後には "おこげ" になって、米ととうもろこしと鮎の味が渾然一体のパ~リパリ。おこげ薫もくぅんくぅん。
どんどん美味しく変化していくリゾットなんて、楽しくて仕方ないんですけど!
本日は暑くて身体から水分が抜けてしまったので、ティーペアリングもお願いしました。
「+」で記載したのが、今回のティーペアリング。一品一杯でペアリングされますが、前回よりもお料理とのペア感がしっかりと組み立てられていると感じました。ただのお飲み物ではなくペアリングなんですから、お料理との相性が楽しくなくっちゃ。
良いお店は細部にわたって進化しています♪
☆ハーブティー
免疫力と消化を高める8種類のハーブティー。
京都の蒸し暑い夏の最中を歩いて来た私には、天界からの甘露。
☆ペルシュウ ブッラータ
お馴染みのペルシュウ。
爽やかな豆色は枝豆ソース。とろとろのブッラータと両方を塩味の効いたペルシュウに巻き巻きして、ペロリ。始まるぞ~とウキウキしてきます。
食事の終り頃にお掃除のため?にスライサーをどーんと目の前に置かれたので、カウンターから乗り出して、しげしげと伊ベルケル社の格好いいマシンを見せてもらいました。
+杉林渓烏龍茶にジャスミンの花をブレンドし水出ししたもの。ブッラータの薫と良い感じペア。
☆茄子 鯵 デュカ
焼き茄子の上に鯵のタルタル。生姜と大葉がねっとりとしたタルタル鯵に軽みを加えて夏仕立て。
そこにアーモンド、白胡麻、クミン、コリアンダー等のデュカというエジプト!のソース。粒々感の残った食感とスパイス感が花を添えています。
前回の鯵も美味しかったけれど、今回のタルタルもほんとに好き好き。
+フェンネル、レモンなんとかとオレンジピールのハーブティー。これはとてもお料理と一体化していました。フェンネルの香りと清涼感に柑橘の酸甘味がそのままお料理に入れても良いくらい。
☆胡瓜 トマト 甘鯛 檸檬唐辛子
乳酸発酵させたガスパチョのソース。
メロン胡瓜のピクルスとフレッシュの胡瓜塩揉み&糠漬けを刻んで、檸檬唐辛子で和えたソース。
ガスパチョのソースが甘鯛の旨味と合うのは想像できたのですが、胡瓜三昧の発酵ソースがこれほどまでに合うとは!?単純な胡瓜ではただの青臭い水で甘鯛の旨味を損ないそうですが、三種類の発酵胡瓜が予定調和的に和えられて檸檬唐辛子のピリッとアクセントの酸味と辛味で甘鯛の旨味を引き立てる。
素晴らしいソースでした。
+林さんの被せ茶。胡瓜の青っぽさと言うより酸味を和ませてくれると共に、玉露独特の口に残る甘味が甘鯛の口に残る旨味とペアリング。
☆とうもろこし 天然鮎 リゾット
聴覚を刺激するリゾット。
動きのあるリゾット。
変化していくリゾット。
はぜるリゾット。
美味しくて楽しい。最高!!
+はぶ茶?漢方?麦茶っぽい、でも、豆の甘さみたいな味がする飲みやすいお茶。リゾットで熱々の口の中を落ち着かせて、とうもろこしの甘味もましましに刺激します。
☆水茄子 ホワイトアスパラ 時鮭
水茄子とホワイトアスパラガスの上に、皮目はぱりっと中はレアに仕上げた時鮭。
時鮭のしっとり、ねっとりに、フロマージュブランと乳酸発酵させた野菜のソースが爽やか。
+林さんのほうじ茶。京都でよく出る癖の強いほうじ茶ではないすっきり感。乳酸の酸味に対応してるし、皮目の焼き感にも薫りが寄りそう感じ。
☆夏野菜 短角牛 黒にんにく
わぁ、短角牛の赤身が綺麗。
塩揉みした緑のズッキーニとソテーした黄色ズッキーニを添えて。ロマネスコもしゃきしゃき。
黒にんにくソースにメキシコのオアハカパウダーも赤身の旨味をあげあげ。
+金萱烏龍茶。発酵低めでしっかり焙煎。肉の風味と馴染んでくれる優しいお茶。単体でも、ボリュームのある甘い薫りが美味しくて好きなお茶。お肉の口をすっきりしてくれます。
☆パスタ
また、二皿、お願いしてしまいました。
お腹大丈夫だし、こちらのパスタ大好きだし。
*トマト 鰯 ディル スパゲッティ
ディルの香りがいきなり飛び込んで来ます。
めちゃ、いい匂い。
鰯とトマトが良い感じに絡んでくるのだけど、ナッツが散らしてあって、これが食感だけでなく味にもアクセントになってます。
+同じ金萱烏龍茶でも、発酵も焙煎も両方しっかりされたもの。葉酸がたくさん出てる?らしく、少し乳酸飲料みたいな甘酸味があって、先程の金萱烏龍茶とは違う個性のある面白いお茶で、鰯とのペア感がすこぶる良い感じ。リーフワインさんという料理用のお茶をブレンドしている会社のものだそう。
で、楽しかったのが、スパゲッティの後味で口に含むと蜂蜜の味がしたこと。へぇ~。
*アスパラ バター スパゲッティ
アスパラとバターとチーズと山椒のシンプルだけど旨い奴。
+凍頂桂花烏龍茶。シンプルなスパゲッティに華やかな香りをプラス。
☆カンノーリ
リコッタチーズとライムとピスタチオとパイナップルのクリーム。夏らしい酸の涼しさ。
☆桃 アーモンド
チェンチさんで流行りのコンブチャ発酵エキスに浸けた桃にアーモンドアイスクリーム。
ドルチェまで、発酵がキテます。
☆パッションフルーツ マンゴー
マンゴーにパッションフルーツソース。
アマゾンカカオのチョコレートクリームと板。
それに、スパイスアイスクリームを溶かしたり、アーモンドクラッシュを混ぜたりして。
ティーペアリングだったこともあり、最後のお茶はルイボスティーにして、まったりと反芻しました。
2020/08/13 更新
2020/06 訪問
【イタリアン:旨味の余韻】
「いつもどれも美味しい。その中で特に私的に好きなひと皿ふた皿をいつも勝手に決めてるんですが、今日は全てのお皿が特別でした。どれも旨味の余韻が凄い。」とお答えしてしまいました、マネージャーさんの「如何でしたか?」に対して。
ひと月営業自粛されていたそうですが、マネージャーさん曰く「自粛で溜め込んでいた皆の思いが凝縮して爆発的に込められたんでしょう」と。
なんてことをお話ししていたら、坂本シェフもキッチンから出てこられたので「今回は全て好きです!ペルシューも以前と変わって面白い」とお伝えして、いろいろとお話させていただきました。
「美味しいも、どれが正解なんてないし。自分達もどこかに合わせようとかしてなくて、自分達の好きな味を作って、味が合う方、合わない方いらっしゃる。味が合う方が継続して来ていただいて、前回よりもupdateしたねと楽しんで下さる。そういう関係性が自分達も楽しい」という趣旨のお話が心に残りました。
自粛明けには、まずは、自分的にずっと続いてほしいお店に行くんだと足を運んで来ましたが、良かったあと思えたし、本当に第二波がくる前にワクチンが開発されて普通の風邪みたいになってほしいと心から願いました。
☆ハーブティー
レモングラス、エルダーフラワー、オレンジピール、エキナセアともうひとつレモン関係?のハーブが入った冷たいハーブティー。免疫力アップに効果的だそう。ふらふらと30分歩いて来た身には、乾いた身体に染み込む生き返りの一杯。
☆ペルシュー ブッラータ
前回、ペルシューのスライサーがupdateしていましたが、今回はチーズがupdate。
いつもの自家製モッツァレラの中に吉田牧場のリコッタを包んで、もちもちの中にとろとろが楽しいブッラータ!極限薄のペルシューでブッラータとうすい豆のピューレを巻き巻きしていただくと、もう、ふへへへへと笑うのみ。
☆トマト 蓴菜 鯵 キャビア
何コレ!?
鯵とキャビア、超絶、合うし!
ガスパチョはビネガーを使ってないようで、トマトとミックスしてある乳酸発酵野菜の酸味とトマトの酸味だけでカドのない酸旨味に仕上げてあるので、蓴菜ふにふにと合わせてこちらも超絶。
超絶同士を合わせると、絶対領域的な神味。
☆茄子 岩牡蠣 檸檬唐辛子
坂本シェフが岩牡蠣を食べ比べて「旨味しっかり」とチョイスされた熊野灘?産岩牡蠣のフリット。ペルシューにフリットがないと思っていたら、ここで登場。ベースに焼き茄子とおかひじきのサラダ。
自家製の檸檬唐辛子ソースがフリット岩牡蠣に合うなあ。ほんの少しのピリッとと檸檬の酸味と一緒に牡蠣の旨味がじゅわ~と拡がります。
焼き茄子は対照的に甘いし。もう、堪らない!
☆黒米 芽生姜 小鮎
干し椎茸と昆布と小鮎の出汁を目の前でかけて、リゾット完成。注ぐ時の、椎茸の香り、香り、香り。注ぎ終わった後にゆらりと立ち上る昆布と鮎の薫り、薫り、薫り。とうもろこしと黒米と鮎に出汁が絡んで、甘苦酸塩「旨っ」と思ったところに、乳酸発酵した芽生姜が素晴らしいアクセントを加えてきました。
「この芽生姜って、ちょっと、いい感じ」とカウンター前のスーシェフにお伝えしたら、昨年の香港でのコラボイベントでコラボ先が使われていたそう。
骨煎餅も、ぼりぼり。
☆ズッキーニ 今帰仁アグー豚 バジル
このサラダも旨味たっぷり!
発酵させたズッキーニ、ラディッシュ、コリンキーに、フレッシュな水茄子、トマト、クレソン、更に、蒸したアグー豚のバラ肉と皮のパリパリ揚げをミックスしたサラダ。
蒸し豚がとても効いてます。ソースも豚の出汁にバジルとにんにく味なので、豚の存在感がありありのあり。
☆人参 酒井さんの仔羊 フェンネル
北海道の酒井さん、美味しい仔羊を育ててくれて、ありがとうございます!
チェンチの坂本さん、美味しいお料理に仕上げてくれて、ありがとうございます!
・肉だけで食べるとヨーロッパの羊、
・フェンネルと発酵檸檬の効いた人参ラペを合わせて食べるとアジアの羊、
に味が変わるのです。めちゃ、楽しい!
人参ラペ単独でも、旨し。
☆パスタ
追加(+2,200円)で2種類にしました。
*トマト ニラ サザエ スパゲッティ
アラビアータのパンチの効いた辛さ。でも、この辛味でサザエが活きたって感じがします。ニラが何故か甘く感じる。
*じゃがいも 雲丹 木の芽 スパゲッティ
メニューの素材だけ見ると、ひと皿目の辛味で味がボケてしまうかもと心配しましたが杞憂でした。
雲丹の旨味と木の芽ペーストがしっかり。
じゃがいももホクホク。
☆カンノーリ
久しぶりにカンノーリ。
吉田牧場さんのリコッタチーズが再び登場。ピスタチオ、ドライマンゴー、ラムレーズンがチーズクリームの中に浮かんで来ます。両サイドの蓋は、キャラメライズドアーモンド。
☆とうもろこし アマゾンカカオ
とうもろこしのジェラート。
アマゾンカカオで煮出したコンブチャをかけて完成。モノを知らない私はコンブチャを「昆布茶?」と何度も聞き返してしまい、サービスの女性を困らせてしまいました。ごめんなさい。見かねたスーシェフさんが、成分から作り方まで、ハリウッドセレブに流行したことまで丁寧に説明して下さいました。
後でググったら、紅茶キノコだって。知らね。
☆桃 赤紫蘇 ルバーブ
美しい!
ここにも発酵の酸味=ルバーブ。
フロマージュブランと桃が幸せです。
☆カプチーノ
2ヶ月くらいでメニューは変わるんでしたっけみたいな話もしていたからか、「早いペースで来てくださっても、メニューアレンジしますよ」とお見送りの時に言って下さった坂本シェフに、「ありがとうございます。了解です」と答えながら、今日のメニューなら同じものを何度食べてもいいよなあ、と思っていたのでした。
2020/06/28 更新
2020/01 訪問
【イタリアン:初めまして。ティーペアリング。】
前回、こちらでも夏ごろからティーペアリングを始められたと聞いていたので、早速オーダー。
4,000円です。
どちらかというとお料理に寄り添う系ペアリングが多いかなと感じながら、コースの途中で顔を出された坂本シェフにティーペアリングの話を持ちかけると、
・香りだけで合わせられないし、ワインと同じでお茶も多種多様だし、
・タンニンとかでキメることも考えられるけど、キメすぎると料理の余韻が無くなることもあるし、
・逆に油ものに烏龍茶みたいな組み合わせばかりだとつまらないし、
・ワインみたいに料理と同調していくものもあった方がいいし、
・お茶カクテル的なものは素材の力を出したい自分の料理観ではなくてフレンチ的だし、
等々、色んなことを考えていらっしゃいました。
メインとのペアリングは他とは少し違った方向性も感じられて面白かったです。
☆ペルシュウ(+水出し煎茶)
ペルシュウのスライサーが更新されていました。これまでとは違うペルシュウ専用スライサー。ふわふわと飛んで行きそうなくらいのスライスしあがり。
堀川牛蒡のフリットといつものモッツァレラを包み込んで、ぱくり。塩梅宜しく。
更に、すぅ~とした味わいの体に馴染む煎茶で、ごっくん。
☆カリフラワー ほうれん草 ムール貝 芹
(+高山烏龍茶杉林渓withジャスミンの香り)
カリフラワーとムール貝のクラムチャウダー。
ホワイトマッシュルームとカリフラワーの温かい香り。ムール貝は柔らかく、ほうれん草、キノコ、芹はサラダっぽくしゃっきりと。
台湾の1,600m以上の山で栽培される杉林渓はジャスミンの香りが主張しすぎることもなく優しい。
☆聖護院蕪 白菜 茴香 鰤 柚子(+凍頂桂花烏龍茶)
鰤の火入れが素敵!片面だけ焼きを入れて、鰤の旨い脂をレア感残しつつ感じる。柚子入りバーニャカウダソースが脂の旨味をさら増しするし♪
千切りの蕪、乳酸発酵させた白菜、金柑をのせて、フェンネルをパラパラ。
金柑や茴香と桂花の香りが爽やかに透き通る烏龍茶。
☆長ネギ じゃがいも あんこう(+ほうじ茶)
テリーヌしたあんこうの肝を身で巻いてムニエルのように仕上げてあります。下にじゃがいものピューレと長ネギとケッパー。アンコールペッパーを加えた刻んだ長ネギがソース。
好き!じゃがいもピューレに全素材の味が沁みていて、旨いのなんのって。更に、長ネギ。刻んで少しねっとりが出て、最高!
ほうじ茶で、純粋にさっぱり。
☆大根 セロリ 紅ずわい蟹 コリアンダー(+上撰ほうじ茶、写真撮り忘れています。ガクン。)
10日程干して鬼おろしにして蟹身と合わせて焼いた大根餅。その上に、炭火焼きの蟹身肉と蟹味噌ソースとジェノベーゼ風のコリアンダーソースで合わせた蓮根とセロリと揚げたエシャロットとえ~と忘れた。とにかくいろいろ乗ってる蟹大根餅だあ!(またなんと雑な説明だこと。すみません。)
何が乗ってるかは忘れましたが、蟹の旨味と大根、蟹味噌/蟹身肉の旨味とジェノベーゼ風蓮根/セロリの組み合わせで夢心地でした。
☆緑野菜 ビュルゴー鴨 アーモンド(+水出しガテマラ珈琲)
パリッと炭火焼きした皮目にオアハカパウダーでアクセントをつけた鴨。ソースはアーモンドピューレに鴨出汁をミックス。これに、少しだけ甘味をつけた珈琲が不思議な組み合わせ。鴨に果実の甘味は良く会わせますが、アーモンドと微かな酸味と苦味と甘味の珈琲とは面白いです。夢から覚めました。
菜の花は香ばしく焼かれて、菜の花ピューレに塩麹のソース。空豆、スナップえんどうとアーモンドクラッシュでかりっとした食感も。
☆キャベツ 牡蠣 山椒 リゾット(+玄米茶)
今回はリゾットにしました。
牡蠣の旨味をシンプルにストレートに味わえる。イタリア米に染み込む牡蠣の旨味ぃっ。
また、夢心地になりました。
お米には玄米茶。シンプルなリーズニングがなにより一番です。
そして、〆のお薄。京都でおますなあ~。
☆ドルチェとカプチーノ
*アマゾンカカオ アニス
アニスの香りの求肥。チョコレートクリームとカカオ果肉。求肥がバランスをとる甘味。
*苺 シークー アマレット
苺が可愛い。シークー(シークワーサーとは違うそうです)がどれかいな?
アマレット風味のビアンコマンジャーレがベースに。白ワインジュレとシークーの皮がかけられています。酸味爽やか。
*林檎 蕎麦 黒糖 コニャック
林檎のタルトタタン。グラニュースミスと蕎麦粉で作った?クランブル。自家製バタースコッチのアイスクリーム。マスカルポーネもどこかにあったような。黒糖のチップだったよね、一番上。
P.S.1:
何度か思っているのですが、こちらの課題はパンだと思います。
P.S.2:
この日、過去の私的外食史上最悪の体調で、お料理を味わうための大きな要素だと思っている鼻が効かないのではないかと心配でしたが、鼻腔はなんとか機能してくれたので美味しく味わう事ができました。というか、こんな体調でも美味しいなあと感じられるってやっぱりcenci凄いじゃん!
2020/01/21 更新
2019/10 訪問
【イタリアン:京都を意識するリゾットと伝助穴子】
一番に「みずの実」を試してみる。
みずの実の粘りのあるジェル状の膜が舌を包む。
妙な感覚。
味が分からなくなるじゃないか!?と思いながら、香りを感じつつリゾットと炭火焼きの鮎と穂紫蘇を口に入れる。
瞬間、みずの実の膜は弾けて、鮎の出汁をたっぷりと吸ったリゾットと卵を孕んだ鮎の苦味と穂紫蘇の酸味が一気に味覚を舐め回す。それは、怒涛の強さではなく、淡い撫でるような優しさで、でも、確固たる信念で広がる京都の和の旨味。
「このリゾット、好きです。」と思わず、器を下げに来た方に呟いてしまいました。
京都には「研鑽会」という和食の勉強会が20年以上もあるそう。時に、フレンチやイタリアンや中華のシェフの会もあるそう。言いたい放題の会だそうで、言いたい放題しちゃうのは3つ星の瓢亭や菊乃井のご主人たち。最近、偶々、本屋で立ち読みした雑誌で、チェンチ、キメラ、ポンテベッキオの3シェフがトマトのパスタと牛肉のメインをテーマにした料理で、優しく?ボコボコに(笑)されている記事を読んだので、最初の坂本シェフとの挨拶で話題にしました。菊乃井の村田料理長とは日頃からよくお話をされるそうで、いろんなヒントをもらったり、逆に坂本シェフがこんなことしてますと話したアプローチを「それいただき」と村田さんが採用されたりとか、ジャンルを超えた美味しいものへの好奇心、探求心が食いしん坊には嬉しいお話になりました。
台風の日のお昼。いつもの12,000円のコースです。
☆ペルシュー
蓮根のすりおろしを焼いて、アンコールペッパーのソース。今日のペルシューは塩味が抑え気味。蓮根も淡く、ペッパーソースがアクセントに。もちもちモッツァレラの温かい塩味と酸甘味が、バランス良く全ての食材を包み込む。
最初にこれを食べると、いつも「来て良かった」と思えるし、台風の雨で滅入った気持ちも冷えた身体も温かく解けていく。
☆茄子 鮪 カルダモン
鮪のカツレツ。焼き茄子。グリーンオリーブのソースとサワークリームにカルダモンとクミンを加えたソースのダブルソース。
全体の味と食感のバランスが良くて、香り、食感、鮪カツレツの旨味と3拍子。
☆オクラ 全粒粉 牡蠣 レモン
トレネッテ(細くて平たい麺)の冷製パスタ。
つるむらさきを合わせて粘りのあるタルタルソースとオクラでねばねば増し増し。
コンフィにして一粒大にされた牡蠣が、濃厚さがあるようでないような、でも確かな存在感を主張していてそこに絡んでいく楽しさ。
ペルシューのはじっこを醤油みたいな色になるまで煮詰めた出汁に米糀を加えて発酵させたお味噌は、
冷製パスタにインパクトを与える濃い旨味で秀逸。
☆椎茸 舞茸 トマト 伝助穴子 バジル 松の実
伝助穴子の炭火焼き。原木椎茸と舞茸を敷いて、刻んだトマト、バジルソース、松の実をかけて。
穴子のジュが目の前で注がれます。
まずは香り。注がれる途中から ほわん と立ち上がる穴子出汁の香りと炭火焼きの薫り。
大振りな穴子はどうかなあと思ったけれど、想像を超える旨味。肉厚の身から炭火焼きでじわりじわりと出てきた旨味が肉厚の身の芯の芯まで染み渡り、仕上げの出汁との絡み具合で最高!
帰りに坂本シェフに穴子の旨味の染み染み具合の素晴らしさをお伝えすると、絞め方や寝かせ方で1週間くらいの仕事がされていました。やはり。
☆アボガド 枝豆 唐辛子 冬瓜 糸瓜 南瓜 椎茸 フェンネル ボタン海老
アボガド豆腐をベースに、揚げ浸しにした野菜たちを散りばめて、ボタン海老の上に、北海道の完全放牧野生牛のコンソメジュレをたっぷりと。
海老の甘味に強さを抑えたコンソメジュレと野菜たちがバランス良くて、メインの前のお口直し。時々、ぴょ~~んと現れる糸瓜が面白い。
☆蕪 百合根 ホロホロ鳥 青みかん
岩手県のホロホロ鳥のロースト。
素揚げにした蕪とクレソン。
百合根のピューレと肉汁ビネガーのソースといつものタカナードに青みかんの果汁と刻んだ皮が入ったものを混ぜ合わせて、ホロホロ鳥に絡めていただきます。パリパリジューシー。
まだ甘味未成熟な蕪が、若々しくて瑞々しい。
☆みずの実 子持ち鮎 穂紫蘇 リゾット
言うことなし。大好き!
☆松茸 からすみ 酢橘 リングイネ(+2,200円。)
和食のお吸い物のような風味。
大好きなリゾットの後だったので、少し負けてしまいました。
☆柑橘 銀杏
いつものカンノーリではなく、マスカルポーネのクリームと河内ばんたんのコンフィチュールを包んだクレープ。上は揚げた銀杏。
銀杏は好きではありません。だけど、銀杏の渋みがあることで、不思議な味わいの大人のお菓子になっています。
☆蓮粉 アマゾンカカオ
蓮餅の回りにアマゾンカカオのニブとパウダー。
こういうチョコレートあるよなあ。
☆桃 葡萄 レモン 酒粕 ココナッツ
桃、巨峰。メレンゲがココナッツ。マイヤーレモンのクレームとココナッツ風味ヨーグルト。
酒粕アイスクリームにマイヤーレモンの皮をぱらぱらと仕上げに。
この夏から、ノンアルペアリングも始められたというお話もお聞きしたので、次回は、必ず、いただこうと思います。
2019/10/19 更新
2019/07 訪問
【イタリアン:やっぱり、パスタ好き】
「danchu」6月号。チェンチさんのパスタが10ページぶち抜きで紹介されました。
6月号はパスタ特集でしたが、チェンチさん一店で10ページ=パスタ10皿もなんて、凄いなあ~と、早くパスタを食べに行かなくちゃと思ってました。
カウンターに座って直ぐに、厨房から顔を出された坂本シェフに「danchu、凄かったですね!」と伺うと、「danchuって読まれてるんだな、と思いました。パスタを求めて、特に、男性のお客様がたくさんいらっしゃってくださって、有り難い話でした」と笑顔。
"まさに「今」を代表するパスタが、チェンチのパスタなのだ"
と紹介された1ページ目の写真のパスタがメニューにあったので、「これって、danchuに出てたパスタですよね」と確認して、3種類から選択。
初めてお昼に伺いましたが、いつもの、12,000円のディナーメニューです。
☆ペルシュウ
花咲イカとコーンのフリット。
いつもの出来立て練りたてモッツァレラ。
やっぱり、このモッツァレラは最高のソース。
ペルシュウの塩味とイカとコーンの甘味を温かく結んでくれる。
☆賀茂茄子 ライム アボガド シマアジ
シマアジのカルパッチョに木の芽のソース。春菊のスプラウトをふわり。
緑のソースがアボカドとライム。
シマアジの下に隠れているお出汁をジューシーに含んだ賀茂茄子にも、シマアジにも、爽やかな木の芽とライムが微かに効いて、暑い夏にぴったり。
☆トマト 新生姜 全粒粉 キャビア
全粒粉を練り込んだ冷製パスタ。
乳酸発酵させたトマト、キャビア、生姜、芽葱をのせて。両脇に秋田の蓴菜。
そこに、発酵トマトとレモングラスを加えたとり節の出汁を注ぎます。枕崎の鰹節製造者がほぼ同じ工程で作っているとのこと。
これまた、暑い夏には嬉しい、トリ節の効いた冷たい出汁。酸ましましトマトと塩味キャビアに生姜をアクセントにしてパスタに絡める。少しアルデンテ強めのパスタとふにふに蓴菜の食感も楽しい。
☆じゃがいも パッションフルーツ いか 豚
アオリイカの墨を練り込んだ豚のソーセージ。
マッシュポテトの上に素揚げしたじゃがいもとクレソン。
パンチのあるソーセージに、高菜ードとパッションフルーツのソースで、これまた、さっぱり。
☆空豆 スナップエンドウ 枝豆 茶 玄米 すぐき 胡瓜 玉葱 白海老
酵素玄米=玄米と黒米を数日間寝かせた、もちもち。黒米のピューレで和えた空豆、スナップエンドウ、枝豆、すぐきと胡瓜。
発酵させた茶葉、オニオンチップス、そして、出てきたときから、いい香りの白海老。
このサラダは最高!
全体をしっかり混ぜていただくと、ベースが酵素玄米と茶葉の酸味。そこに、白海老の甘味と塩味で完成する。白海老の使い方、素晴らしい。
☆ルバーブ 茄子 あさり 牛
北海道の赤牛の経産牛。滋賀のサカエヤさんから。
焼きナスの上にルバーブとエシャロットの酢漬け。
真ん中にあさりのお味噌。
牛肉と海のものって何故か合うんだよなぁ、と思いながらいただくと、あさりのうま味で肉のうま味が際立つ。何故なの?
☆パスタ
来ました!パスタ----!!
いつもは3種類から一皿だけですが、パスタ特集だもんね、二皿お願いしました。はい、1,200円追加。夏の定番だそうです。二皿とも、美味しい。
*あさかぜ胡瓜 鮎 穂紫蘇 スパゲッティ
これが、danchuパスタ特集の巻頭を飾った鮎と胡瓜のスパゲッティ。穂紫蘇が美しい!
あさかぜ胡瓜と鮎は和食みたいな苦味を楽しみます。鮎は堅めに焼いてあり食感も面白い。
*ニラ トマト サザエ リングイネ
メニューではスパゲッティでしたが、シェフがリングイネに変えてくださいました。
トマトの酸味と甘味でサザエの渋みを包み込んだソースが幅広リングイネにしっかりと絡んでいます。
少しだけ加えられた鷹の爪が時折のぞくのも一興。
☆カンノーリ
今日のカンノーリは、リコッタチーズのクリームとラムレーズン。両端が、ヘーゼルナッツ。
☆マンゴー ホエイ ココナッツ
吉田牧場。これまでは余って捨てていたホエイをなんとかしようとゼリーにしたもの。何かの果実みたい。
☆アメリカンチェリー 黒糖 アマゾンカカオ
チョコレートのスポンジにカカオティー(カカオの殻を煮だしたお茶)をしみこませて、チョコレートクリームを絞って。喜界島の黒糖アイス。アメリカンチェリーにもチョコレートをかけて。
とても、カカオが効いて、大人なドルチェ。
見た目重そうですが、とても軽いです。
☆お茶
なんと!お薄!
さすが、京都のイタリアン。
チェンチ(小菓子)と合うのが、不思議。
冷製スープパスタも合わせると、パスタ3皿。
やっぱり、パスタ好き!
2019/07/27 更新
2019/04 訪問
【イタリアン】日本食材とイタリアンの素敵な出逢いを楽しむ
前回、衝撃的な出逢いをしてしまったcenciさん。
旅好きなシェフが、宮古や喜界島で、また、新しい食材に出会われたようで、日本食材とイタリアンの鮮やかで豊かな結びを今回も楽しみました。
GWが終わると、スタッフ全員でベトナムの日本人酪農家さんと、ベトナムの畜産物、野菜(日本の夏野菜がたくさんある感じらしい)を使ったイタリアンのイベントをされるそうです。
世界が広がる、いいですね。
1月にコラボされたアラプリムを始め、ミングルス、土俗村などのソウルの美味しいお店も教えてもらいました。アラプリムとはまたコラボの計画があるそうで、その時にソウルに食べに行けたらいいな。
夜のコース、12,000円。
☆水
竹野酒造さんの仕込水。すうっと入ってくる。
☆ペルシュー
今日のペルシューは単体だと少し塩味が硬い。ところが、練りたてのモッツァレラと筍と氷魚のフリットを巻いて食すと、とてもマイルドに変化する。
こちらの練りたてモッツァレラは最高のソースだと思います。
☆自家製フォカッチャ
少し油分が多く、食べにくい。
☆トマト ケッパー 白菜の花 桜鯛
白菜の花、宮古ぜんまい、フレッシュトマト、ケッパーを、軽く湯引きした桜鯛で覆っています。そこに、鯛の白子を炭火焼きしてピューレにしたソース。桜の花びらの塩漬けをパウダーにして散らしてあります。
これ、絶品!
野菜はほとんど苦味もなく、桜鯛の旨味を邪魔しない食感。白子ソースと微かな塩気の桜パウダーが旨味を存分に引き出していて、危うく、イッテしまいそうなくらいの口中幸福。
☆アマゾンカカオ 人参 ビュルゴー鴨 オアハカ
楽し~い!遊び心はほんとに大切です。
全粒粉の丸いクレープ生地の上に、人参のサラダ、ビュルゴー鴨もも肉のフリット!をのせて、鴨のソースはアマゾンカカオのジャムソース。
野菜の白ソースは卵黄とカルダモンにメキシコの唐辛子オアハカを混ぜたもの。
鴨と甘いジャムソースがぴったりなのと、野菜のドレッシング的な白ソースはカルダモンとオアハカのちょいピリッ感がエスニックで、これを鴨に合わせると、これまた、新しい味わいで楽しい。
くるりと包んで、がぶりといただくと、甘味とピリリに鴨の旨味が渾然一体。めちゃくちゃ、旨い。
☆筍 ホタルイカ 香茸 花山椒
石川県で栽培しているイタリア米のリゾット。筍とホタルイカの味が滲み滲み滲み。
ホタルイカの上は、米糀味噌に香茸と鮎の魚醤を混ぜたもの。香り高く塩味も足して。最後に、花山椒で、アクセント。
お米の固さが、味と一体化しています。この芯を残した固さじゃなきゃ、ダメ。
☆ホワイトアスパラ 蕗の薹 笹
炭火焼きのホワイトアスパラが入ったカップに、笹の香りをつけた牛のコンソメスープを注ぎます。
注いでいる間はコンソメスープの香り、注ぎ終わると焼ホワイトアスパラの香りが立ち上がります。
スプーンの素揚げした蕗の薹を混ぜいれます。
スープだから、いいんでしょうね。焼く、揚げる、温めるに含まれる風味の熱量を感じます。
☆葉玉葱 レンズ豆 仔羊 ハーブ
北海道の仔羊と玉葱のソテー。
乾燥野菜で炊いたレンズ豆ソースにアーモンドを砕いて、喜界島の赤ワインビネガーを足して。
セルフィーユ、セロリ、春菊、ミントをハーブサラダでのせてあります。
少しお肉の食感がワイルドでしたが、玉葱の甘味とハーブ野菜の清涼感で救われたかな。
☆白菜の花 新生姜 油目 スパゲッティ
オイルパスタ。油目の淡白な白身に白菜の花のほのかな苦味と新生姜の味がオイルでふわりと落ち着いています。
☆カンノーリ
今回は、ヘーゼルナッツとカカオのクリーム。
☆柑橘 豆乳 番茶
和歌山のさつき八朔の上に、八朔を焦がして香りつけした番茶のジュレ。喜界島の砂糖で甘味を増した豆乳のエスプーマ。すっきりしてます。
☆苺 紹興酒 ピーナッツ
さちのかに、ピーナッツと紹興酒のアイスクリーム。リコッタチーズムースにピーナッツせんべい。
☆カプチーノとチェンチ
四条烏丸でのお昼の後、cenciでの夕食までの時間に、ぷらぷらと高瀬川沿いを歩いて、cenciの近くにある熊野神社、聖護院、積善院を見学。
聖護院蕪の由来であろう聖護院を一度、訪れてみたかったのですが、熊野修験道が始まりだったり、神仏習合の極致だったり、天皇家の別邸だったりで、とても興味深い門跡です。学生アルバイトの拙い案内でしたが、それでも面白かった!
隣の積善院でご開帳されていた弁財天の真っ白なお肌に一目惚れ~。
2019/05/06 更新
2019/02 訪問
蕪。やばみぃ~⤴️
冬の寒さに耐えるために、身体中にせっせと甘味を溜め込んだんでしょう。糖度、げき高っ!
こちらはイタリアンらしくバーニャカウダでいただく赤蕪とビネガーと昆布に漬け込んだ聖護院蕪。
「うわっ、この蕪、何ですかあ~!」と思わず声をあげてしまうほど、やばみざわぁ~⤴️
京都の地物野菜を使った日本でしかいただけない味わいのイタリアンが好きな人には超~お薦め。
もちろん、私はドンピシャな好み。
パティスリーエスのマダムから、激推しされましたが、「激推し」をしっかりと受け止めましたよ。
チェンチとは「素朴」という意味とのことですが、いえいえ、イタリアンの確かなベースの上にガストロノミックに計算された和との調和も感じられて、とても洗練されたお料理でした。
和食の料理長さんに「料理のベクトルが似ている」と好かれているそうで、名前を言えば皆さまご存じの有名和食店の若手さんが研修に来るそう。
「老舗で修行されて独立された40代の京都の料理人はとても仲が良くてジャンルに拘らず教えあう。京都の食のレベルが上がっていく」と、私たち食べる人間にはとても嬉しいお話も聞くことができました。もちろん、ではではと、お薦めフレンチ店もちゃっかりお聞きしました。
平安神宮の北西の角っこで、夜はとても静かな一画。中に入ると地下に掘ってあるので天井が高く感じるメインダイニング、箱庭も見えたりして、ヨーロッパ感もあるお店の作り。外壁やカウンター前の煉瓦の積み方がとてもいい感じです。
私は、入口近くのカウンターを独占(ランチのお店で板前さんに「よく取れましたね。僕も行きた~い」と羨ましがられましたが、今日は4人掛けのカウンターを独占)、カウンター内の男女1人(男性はスーシェフさんかな?たぶん。)ずつの料理人さんと楽しく会話しながら、美味しく、いただきました。
12,000円のコース。基本、夜のコースですが、お昼でも、お願いできるそうです。
メニューは、見開きの左側に素材のみの表記、右側にオーナーシェフ坂本さんの思いが記されたもの。
☆ハーブティー
カモミール、エルダーフラワー、マリーゴールド、ローズヒップ、アップル、オレンジピールをブレンドしたもの。
「おお!そんなにたくさん!」とびっくり感を丸出しにしてしまいました。
寒い時季限定のおもてなし。身も心もぽかぽか。
超~食欲促進。
☆水
丹後の竹野酒造さんの仕込み水。
お料理の邪魔をしない無垢な透明と清涼。
透明の瓶にお水の名前が書いてあったのですが、写真では見えない(T_T)
☆グリッシーニ
自家製です。ポリポリ。
☆ペルシュウ
岐阜ボンダボン=多田さんのペルシュウ。
24ヶ月熟成。
もち米、丸麦、玄米、黒米、すぐきを合わせたお焼きをキャベツで巻いたものの上に、練り上げたばかりのモッツァレラチーズがトロっとのってます。
お焼きとモッツァレラをペルシュウで巻いて食べると、もう永遠に食べられそう。
こちらのスライサーは銀色のシャープな感じでしたが、写真撮り損ねた(>_<)。
岐阜まで、スライス研修に行かれたそうです。
これで、関西でボンダボンのペルシュウが食べられるお店4店に全て伺うことができました。
☆聖護院蕪 鰤 黄柚子
鰤はわらの煙で燻製っぽく。
小蕪の下に柚子を混ぜたバーニャカウダソース。
ビネガーと昆布に漬け込んだ聖護院蕪と赤蕪のスライスをのせて、黒ニンニクのパウダーを散らしてあります。
鰤も脂がのってむっちりと美味しかったのですが、それよりもなによりも、思わず「この蕪、美味しい!」と叫んだら、カウンターの中のスーシェフさんが、蕪の美味しさの訳を説明して下さいました。
バーニャカウダの小蕪も千枚漬けのような聖護院蕪も必食です。太鼓判です。価値あり❗
☆菊芋 ととりこ豚 タカナード
置かれた白漆仕上げの木製スプーンとフォークをしげしげと見ていたら、スーシェフさんが「可愛いでしょっ」とこれも説明して下さいました。
一本の角材から削りだした神奈川のすがわらさんという作家さんのもの。なんと、2年待ちだそう。
鳥取のどんぐりモグモグの豚(「ととり」が韓国語でどんぐり+「りこ」はスペイン語で美味しい、から名付けられたそう)の焼豚。
原種ベビーリーフのサラダに揚げた菊芋。酒粕とサワークリームを合わせたソースと高菜の種で作ったマスタードのような味わいのタカナード(阿蘇で作られている)。ロースして砕いた松の実にクミンやコリアンダーの香りが微かに。
焼豚がどんな焼き方をしてあるんだろう?焼豚にも酒粕かな?柔らかなじゅわり旨味。それだけでも美味しいけど、タカナードとの絡みも素敵。カリカリの松の実がお口に楽しい♪
☆チーマディラーパ 雲子 アヒパンカ
スープ仕立てのラビオリです。
じゃがいもと塩だらを詰めたラビオリ、西洋菜の花、焼いた雲子を鰹出汁に香味野菜やトマトを煮込んだスープと一緒にいただくとイタリアンぽくない和食をいただいているような不思議な感覚。
赤いペーストみたいなのが、ペルーの唐辛子=アヒパンカ。シェフがペルーで見つけて来たそう。米麹と混ぜてあるからか辛くはないけど、香りは唐辛子。
最近、シェフがペルーに行かれたとの話で、ペルーは美味しい料理がたくさんありますよね~と、クイという食用ねずみの話で盛り上がりました。
☆ほうれん草 紅ずわい蟹 アーモンド
香住産の紅ずわい蟹に蟹味噌のソース。
アーモンドのピューレを葛粉で固めたアーモンド豆腐にアーモンドソース。
蟹+アーモンド+ほうれん草を重ねると、凄い旨味と豆腐の食感が面白い。蟹身にだけ少し温度を残してあるので、甘味が際立ちます。
スーシェフさんの楽しいお話;
・日本にしかない食感=胡麻豆腐の食感
・ほぐした蟹身=蟹身を綺麗にほぐして提供するという概念がイタリアにはない。
☆海老芋 九条葱 ビュルゴー鴨
今の時季のマダムビュルゴーのシャラン鴨。皮目をしっかりと焼いて、赤身が艶かしい~。皮と赤身の間の脂も堪らない。
鴨、好き。
ビュルゴーのシャラン鴨、好きっ!
昆布出汁で炊いた海老芋は蒸した九条葱とブラックオリーブで風味をつけた餡をかけてあり、和食の一品みたい。鴨と合うしっ!
ソースはシンプルに骨出汁。
Ryusenのナイフとフォーク。チェンチの店名入り。切れ味、サイコーっす!
☆キャベツ 牡蠣 ペペロンチーノ スパゲッティ
キャベツと牡蠣とペペロンチーノは黄金律。
溢れたお汁はフォカッチャで掬って♪ふふふん♪
追加料金の一品と合わせて3品から選択。次回は選択肢のリゾットもいただいてみましょう。
フォカッチャは自家製です。もう1つのパンは「アネ」さんのパンでした。シェフの小学生からの同級生だそうです。
☆カンノーリ
シチリアのペストリー菓子。
中は、リコッタチーズと黒糖と生姜のクリーム。
☆はれひめ ピスタチオ
はれひめ=ミカンとオレンジの交配種。
冷やしたピスタチオのカタラーナ(イタリアンクリームブリュレ)。アマレットと砕いたピスタチオを散らして。
一口食べて「これ、好き」と呟いたら、カウンターの向こうの女性の料理人さんに "くすっ"とされてしまいました。
☆洋梨 黒文字 アマゾンカカオ
塩っ気のあるメレンゲ菓子の上に、洋梨と黒文字茶のアイス。仕上げに、アマゾンカカオをトロリとかけて。
☆食後のお飲物
選択肢が多い。スリランカが懐かしくて、キャンディをいただきました。
スプーンの上のお菓子は「チェンチ」。もともとは家庭で作った手打ちパスタの端っこを揚げておやつにしていたものが始まりだとスーシェフさんに教えてもらいました。素朴なお菓子。
店を出る時に、坂本シェフから、
「自分たちが美味しいと思ったもの、体験したものを自分たちのフィルターを通して作りあげています」
「やりたいことをやりたいようにやっているだけなんですけどね」
「蕪は当たり年です」
なんて話も伺い、楽しい時間を過ごせたことに感謝をお伝えしました。
京都に住んでたら、ほんと、通いたいなぁ。
2019/02/09 更新
イタリアンを超えたイタリアン。
常に新しくより高い美味しさの味わい・素材の組み合わせに挑戦し続けていて、挑戦が挑戦で終わらず素晴らしい完成品として提供される。
調味料は全て月日をかけた自家製なので毎回唯一な味わいになる。
イタリアンをベースに和食、韓国、中華、東南アジア、南アジア、中東アフリカ、中南米などのトレンドを巧みに取り入れて世界の最先端も感じることができる。
基本のパスタとリゾットが素晴らしく美味しいし、これまで同じものが出てきたことがない。
毎回、全てのお皿に「こんな味食べたことがないよぉ」という新鮮な驚きがあり本当に楽しすぎる‼️
2022/11/11 更新