19回
2022/03 訪問
【和食:引き継がれていく。】
1年くらい前から見るようになった若手の人がいつもは木山さんが立たれている場所で包丁を扱っていたり、出汁を引いたりしていたので、木山さんはいるのにどうしてなんだろうと思っていました。もちろん、出汁をキメるのは木山さんがされていて何度か節を微妙に足していましたが。
後で木山さんにお聴きすると、この若手の人、「宮ざわ」さんに10年もいたんだって。なかなか人当たりの良い好青年。もちろん、どうしてこの若手の人が前面に立たれていたのかの理由はほんの瞬間的な事だと分かりました。木山さんがあと50年(笑)くらい前に立たれるだろうとも思うのだけれど、
・こうして味や技術は引き継がれていくのかなぁ
・京都数千年の歴史のひとこまを見ているようなことなのかなぁ
・一般社会も次世代の人達が増える季節だし、自分もしっかりと次世代に繋いでいかなきゃなぁ
とかとか、そんなフラグメントが妄想シーンとともに頭の2%部分に浮かびながら、今日も旨いなあと98%は本能のままに食べていたのでした。
☆茶碗蒸し
蛤。こごみと浜ぼうふうで鮮やかな緑。
"このこ"の餡の塩味と大きな蛤の旨味。
このこ餡の塩味がくっきりなのと蛤は旨味というよりも甘味も強く感じるので、さっぱり出汁の茶碗蒸しが嬉しいです。
☆飯蒸し
からすみとさっと炙った一夜干し白魚の飯蒸し。絶妙な塩味です。
基本的に飯蒸しは何でも好き!!
やっぱりご飯の力は偉大です。全ての味を包み込んでくれるから。
☆貝寄せ
赤貝、たいら貝、白ミル貝を春キャベツ。
せとかをかけてあって貝とキャベツの甘味に柑橘の酸味が"しゅっ"としてます。せとかは最後少し柑橘の苦味が感じられて、これを春と思う。
久々に、荒節、本枯節、まぐろ節の3種類全部いただきました。
☆お椀
白甘鯛のお椀。
板蕨が珍しい。わかめの旨味が厚いです。
甘鯛の海旨味が吸い地と一体となって至福。
この白甘鯛はふっくらとして旨味たっぷりでとても美味しい。
☆お造り
発酵ご飯をかけた本まぐろ。
「ご飯!?」思わず聞き返してしまいました。
醤油と酢を合わせた感じ?発酵は偉大です。
皮目を炙った鰆も美味しい。
☆焼き物
のどぐろの油が超~甘い。ほっぺたが落ちそうとはまさにこのこと。
クレソン、うるい、花山葵、からし菜でサラダ風にしてあるので、油がしつこくなくて旨味一層の佳き仕事です。
☆和え物
車海老と鮑のぬた和え。
分葱とホワイトアスパラガスも入っています。
☆炊き合わせ
蛍イカのひろうすは初めて。
関東だとがんもどきですか。
柚子の香りが先ず広がり、ひろうすにかぶりつくと蛍イカの風味が爆発。ふへへへ。
ひろうす、大好き。
☆揚げ物
河豚の白子フライ。
菜の花とこしあぶらも。
定番の白いウスターソースでいただきます。
☆締めご飯
*煮穴子玉締め丼
*鰹漬け丼
*貝出汁ラーメン
*アオリイカ餡かけ丼
*じゃこご飯
いつものとおり普通に5種類いただいて、珍しかったし美味しかったので、イカ餡かけ丼をお代わりしました。お代わりは何故か1回目よりサイズも大きく歯応え抜群のイカがたっぷりとのっていて、がつがつと食べました。嬉しい。
☆口直し
蕗の薹とふきのシャーベット。甘味と苦味。
☆お茶とお菓子
木山さんだけ簡単なメモをとるようにしました。
写真もメニューもないと覚えてられない。
コロナ禍の運動不足で頭ボケました(笑)。
2022/04/10 更新
2022/01 訪問
【和食:お正月は白味噌椀から始まりました】
概ね一番奥の席に座らせてもらいます。
本日の生け花を眺めて待つのですが、丸い鉢に南天と松葉と笹?が盆栽みたいに三角形に活けられていて、とてもお正月らしい風情です。
その隣のスペースにはお花屋さんで作ってもらったという小さな虎の藁人形が置いてあります。
カウンターの向こう側の壁の真ん中には手長海老?の水墨画な古美術掛け軸。
虎も海老も可愛らしくて和みます。
お正月の木山さん。
☆小吸い物
京都のお正月らしく白味噌の小椀。
白味噌吸い地の中に隠れた海老芋の上に車海老がちょこんとふた切れのせられて白地に海老の赤がおめでたく映えます。
出汁の旨味に白味噌の甘味。あぁ~。
はじまり~、はじまりぃ~。
☆揚げ物
ほおぅ、いきなり揚げ物です。
お正月らしく気分も揚げるということでしょう。
蛤と煮浸しの堀川牛蒡。蛤は大きくて旨味たっぷりですが、牛蒡がとにかく甘旨い!
黒糖入りの自家製ソースも甘酸っぱくて佳き。
☆三宝柑
中身をくりぬいた三宝柑の中に貝出汁濁りがたっぷり。お正月っぽい演出。赤貝、ほっき貝、数の子、黒豆が浮かんだおめでたい逸品。口の中がきゅ~んときます。
途中で三宝柑果汁を絞って味変。さらに果汁酸味で口内きゅ~んと。
☆お椀
最初にいただくお白湯も、お椀の前にいただく引き立ての出汁も、いつもよりさらりとしていましたが、そのせいか椀種に合わせたのか、お椀の吸い地もいつもよりすっきりしていて、その分、河豚身、特に骨付き身の味わいを濃く感じました。
新春に "ふく" 当然ですね。
☆お造り
甘鯛とくえ。
超厚切りのくえが低温油通しされて炙りを入れてあるので、歯が入った時、噛みきって含んだ時、弾力を楽しみながらハムハムした時、いずれも旨味の出具合が半端ない。
☆焼き物
焼き物が2つ続きます。
・からすみ餅
お正月です。餅は餅屋さん、からすみは自家製。
カウンター前で炭火焼きして熱々です。
・河豚白子
こちらもこの季節の定番。
カウンター前で炭火焼き。
はふはふ、ほっほっほ、熱々がぶしゅう~。
☆冷やし
酒のつまみっぽいけれど、こういうのが好き。
鉄皮、赤海鼠、蓮根、菜の花の酢和え。
☆炊き合わせ
鴨鍋です。
ココットみたいなグツグツ小鍋にお皿に並んだ鴨肉を三枚放り込む。
色が変わって熱が通るとさっといただきます。
柔らかくて "はひふへほ~" なジューシー鴨肉。
脂も旨い!
鍋に鴨丸がありましたが、こちらの鴨丸はエトフェ色で見た目どおり味も鴨鴨しく濃かったです。
☆ご飯
・煮穴子の卵とじ
・羽がつおの漬け丼
・あこや貝の天丼
・雲子の七草粥
・じゃこ山椒飯
いつものとおり全部普通で。
羽がつおが鰆みたいだったのでお代わり。
一杯目は漬けもしっかりで鰆のようでしたが、二杯目は漬け醤油の状態と漬けてる時間に違いがあるのか鰹っぽさがぐいっと出ていて、偶然なんですが味の違いが面白かった。
あこや貝には真珠は入っていませんでした(笑)
☆水菓子
でっかい苺。丸かじり。
☆茶菓子
こぼれ餡の銭形の紅白団子とお薄。
今年も美味しくをたくさん食べられそうです!
やっほ~。
2022/01/23 更新
2021/11 訪問
【和食:美味しいお魚】
今回最も印象的だったのはカウンターでお隣になったお一人様女子でした⁉️
何言ってんだか、食べログなんですけど(笑)
半分冗談半分本当なんですが、何が本当かというと「美味しい」と思わず口に出てしまったお料理がほぼ一致して、お料理に関する質問も「あっ、それ今、聞こうかと思った」とかとか。
まだ20代?と思われるのに相当な食いしん坊さんみたいで、東京や京都の和食でお好きなお店のチョイスが高級かつ真っ当で玄人好み!
話し方や会話の端々から上品なお嬢様感も漂っていて、とても楽しく会話をしてしまい、お料理の記憶はぶっ飛んで、その女性の記憶ばかりになってしまいました。
レビュアー的には泣きなのか、個人的には刹那の喜びなのか。まあ、こんなこともありか。
美味しいが一致したお料理。
☆飯蒸し
香茸をすりながして炊いて香茸色にピカピカと輝く餅米に素揚げした伊勢海老の旨味。
上にのせてある四角豆。
「四角豆って何?初めて聞いたね」でも一致。
味はいんげん豆みたいです。
☆お椀
帆立真丈に黒豆湯葉をさらりと纏わせて。
吸い地の変化が、吸い地だけではっきり→帆立旨味が溶け込んでくっきり→柚子酸味と合わせて淡い余韻が漂う。楽しい。
帆立ラブ❤️
☆お造り
前田さんのクエ。油通しや表面の焼きの具合も良くてとても旨味が濃~い。
牛肉みたいな刺しの本鮪。脂うんめいぃ。
☆揚げ物
長崎の太刀魚。長さ2m、厚さ10cm級。肉身から溢れる旨味。
☆菊名と赤蒟蒻の白和え
しゅみしゅみな利休麩の味わいと白和えの調和が素敵。こういう地味で何気ないお料理が美味しいと凄く嬉しくなります。
☆いしなぎ
スズキの仲間みたいです。弾力のある白身の塩甘味がじゅんと口の中に拡がって、そこに炭火焼きの赤万願寺の甘味が加わります。
☆ご飯
いつもの通り拉麺を含む5種類を普通にいただきました。網走のぶり漬け丼。ぶりの脂の酸味と甘味の余韻がとても長くて美味しい。もちろん、お代わりしました。
女子も5種類食べて、ぶり漬け丼をお代わり。だけでなく、なんと拉麺のスープもお代わりしてました。わかってるう~。
隣で美味しそうに元気にぱくぱく食べる人がいると見てて気持ちいいし、美味しいお料理がさらに美味しく感じます。
同じお店に通っていると、同じ時間を共有させていただいた方とけっこうな割合で再会することもあり、軽く会釈したりぱらぱらとお話しする程度ですが、今回はがっつりお話して、楽しい時間空間を共有させていただきました。
楽しくお話しするとお料理のことを忘れてしまいレビューの時に苦労しますが、たまにはいいか。
2021/12/05 更新
2021/09 訪問
【和食:小吸い物とお椀が凄かった】
いつにもまして小吸い物とお椀が凄く体と脳に沁みました。小吸い物は茗荷のすり流し。お椀は一夜干しの鮎と蓮根豆腐。
茗荷を揚げてからすり流してあるので、とても香り立ちが良く、蓋を開けた1秒後に茗荷の香りがぶわっと鼻腔に届きます。柔らかい鮑もすり流しをたっぷり含んだ冬瓜も当然美味しいのですが、種が無くてもすり流しをゴクンと飲むだけで充分だと思えるくらいすり流しそのものが素晴らしいです。口に含むとベースの魚出汁の旨味の中に茗荷の辛味と爽快感が刺してきて、そのまま口内時計が止まってしまうほど旨味に私は支配されてしまうのです。
「一夜干し」というところが仕事。生々しさが抜けているのだけど、まだ「青い」という言葉が似合う清冽さは残っているのに、「干されているから旨いが出ちゃってるよ~」という感じです。で、鮎だけでなくて蓮根豆腐の甘味が押し寄せる押し寄せる。怒涛の押し出汁か?一口目からきりっとした出汁の吸い地に清冽と旨味と甘味と時々、白髪ネギのしゃきんとした辛味も渾然一体となって旨かったあ~。
お隣のカップルの女性が全てのお皿に心からの「美味しい」を溢されていて、伊藤万理華並みの声で「お耳に合いました」ので、その声でさらに幸せになりました。ありがとうございました。
☆鱧のおこわ蒸し 銀杏素揚げ 鱧の子 実山椒
☆小吸い物:揚げ茗荷のすりながし 蒸し鮑と冬瓜
☆鰻の印籠焼き 水茄子昆布締め 鷹峰唐辛子のすり胡麻かけ
☆椀:一夜干し鮎と蓮根豆腐 白髪ネギ おかひじき
☆お造り:くえに雲丹、オクラ、もみ海苔、柑橘大根おろしをかけて
☆焼き物:のどぐろ 花穂紫蘇 梅酢ずいき
ほとんど焼いてない?と思うくらいの火入れ。梅だれをつけた炭火焼きで、脂が柔らかい肉身と梅だれと溶け合うので、食べるというより飲んでる感じでいただきました。
☆冷やし物:車海老と翡翠茄子の炊き合わせ 粟麩
茶豆のずんだかけが佳き。
☆揚げ物:愛菜鰹 小芋 とうもろこし
乾燥岩もずくもオサレでパリパリと面白かったですけど、出汁と土佐酢と青林檎すりおろしのソースが愛菜鰹に絶妙でした。
☆ご飯
*蛸柔らか煮の玉締め
お代わりしようと思うくらい思いの外旨かった。
*鰊のお茶漬け
*鰹漬け丼
*お馴染み貝だしチャーシュー拉麺
*鰹じゃこ卵ご飯
☆幸水のシャーベット
☆南瓜の水饅頭
そもそもメモも取らないので、写真がなくて書けるかなぁと思ってましたが、帰りの電車でなんとかなりました。よしよし。
2021/10/10 更新
2021/07 訪問
【和食:京都の夏は鱧のお椀】
同じ鱧でも「Iさんとは違うアプローチだなぁ、どちらも好きだなぁ」と、美味しければ何でもあり何でも好きという節操のない私を自ら再認識したお椀でした。
最初から吸い地がくっきりとしていて、ほわほわと立ち上がった鱧の身の隙間や冬瓜の繊維の隙間に吸い地がぐいぐいと入り込んで、吸い地と鱧の一体感が拡がる感覚のお椀。
ちなみにIさんは、一口目は味があるかないかくらいに儚い吸い地から始まり、鱧のはすむしが溶け込んでいく中で吸い地の旨味が鱧の旨味と重層的に膨らんでくる感覚のお椀でした。
ほぼ同じ時期にスタイルの違う和食店に行くのも面白いと思います。
「本当に鱧の旨い時期は夏じゃないよ」と言うけれど、京都の夏は鱧のお椀でしょう!
☆先付
鰻の飯蒸し。鰻がパリっパリ。山椒粒の代わりに木の芽を散らして。餅米だからか今日の飯が少し枯れ気味なのは鰻のパリパリ感に合わせたのかな?全体的にパリっパリ。
細く桂剥きにされた大根がくるくる巻きで飾られていて目を惹きます。
☆すりながし
白海老のすりながし。すりながしの中にうすい豆の豆腐が隠れていて、車海老が半身浴。
白海老の塩味が塩梅よろしく、うすい豆豆腐の儚い味わいも車海老の凝縮された旨味も浮かび上げてくれるのです。
☆煮凝り
鼈の煮凝り。赤白の毛蟹の身に緑色の絹さやが斜め掛けで目に鮮やか。鼈のえんぺらと白葱を薄く小さく四角切りされて紙吹雪が散ったように毛蟹の回りを華やぎます。
鼈が強烈な味わいかと思いきや、濃い部分がすっぽん(?)と抜けてる感じの涼やかさで、毛蟹や昆布締めした山芋の味が際立ちます。
恒例の削り節クイズは、見た目は白いけど旨味の濃い鮪節でした。
☆お椀
鱧と冬瓜。叩いたオクラと柚子を載せて。
お椀の前の恒例の削り節クイズは、見た目は白いけど旨味の濃い鮪節でした。引き立ての出汁は鮪の旨味でくっきりとしていて、これがお椀の感覚に繋がっていたと言うことですね♪
☆お造り
炙りで脂が締まったクエと鮮やかな色ととろりん食感の琵琶マス。おかひじきと炒めたじゃがいも千切りを添えて。醤油、炒り酒、塩であれこれと少しずつ味わいます。
☆焼き物
加茂茄子をさっと油で焼き揚げてる。
香ばしくて表面が油艶々のバリっとした茄子にねばねば蓮根ととろとろ雲丹の組み合わせが最高。
干し椎茸と胡麻油の利休麩が深みのあるじゅわりとした旨味を加えています。
☆お凌ぎ
蓴菜、スナップえんどう、花丸胡瓜、ヤングコーン。たいら貝とミル貝の旨味爽やか。
☆揚げ物
こちの餅粉揚げを蓼ソースで。
茗荷と小芋も揚げ揚げ。
子供の頃釣りによく行っていて、こちはけっこう釣れてましたが、ヌメヌメが気持ち悪くて不味そうで海に戻してたなあ、もったいなかったと思うくらいに今は美味しい。
☆〆のご飯
「全種類大盛ですか?」とこちらが何も言う前にスタッフさんに突っ込まれましたが、落ち着いて(笑)いつもどおり全種類普通サイズで一杯ずついただきました。
木山さんの拉麺の麺を提供されている「猪一」さんの大将が偶々カウンターにいらっしゃったので敬意を表して拉麺をお代わりしたら、「猪一」さんの大将に名刺をいただきました。ありがとうございます。帰りにお店の場所を確認しに行くと、「ああ、此処か」。
*煮穴子の卵とじ丼(煮穴子、大好きなんです)
*鰹漬け丼(間違いない)
*金目鯛の胡麻茶漬け(黄金の茶漬けですね)
*鰹節とじゃこのご飯(じゃこがいつもの2倍!)
*貝出汁拉麺(麺は猪一さん、出汁は木山さんのコラボ!後日猪一さんに伺ったらチャーシューも猪一さんでした)
☆水菓子
カウンターの皆様お待ちかねの和三盆ゼリーに浮かぶスイカボール。夏の人気者です。
☆お茶菓子
玉蜀黍餡のミニどら焼き。
写真禁止になりました。全く知らなくて途中までパチパチ撮影していました。ごめんなさい。この1,2ヵ月の間にお客様側のマナー問題があったみたいですが、私的には写真がないと一粒で二度美味しいも出来なくなるし、写真を手懸かりにお料理の細かいことを思い出していたのでレビューも難しくなりそうで困ったな。。。
2021/07/18 更新
2021/04 訪問
【和食:僅か一週間の旬。極みの筍と花山椒】
いつもの奥の席に座ると立派な筍の置物。
「(置物だけど)筍美味しそうですね。」
「今年は京都の筍と花山椒は例年より早くて、この一週間(4月10日前後)がピークですよ。」
「おっ、今日のメニューに入っているってことですね?ぐふぐふ(もうはや涎が出てきた)。」
と期待していたら、間違いのない「僅か一週間の旬の極み」を味わえたのでした。
いつ極旬に出逢えるかなんて毎年の気候や予約のタイミングという本当に「運」に尽きますが、でもつくづく運にだけは恵まれてきたなあと天にお礼してしまいました。
食べ終わって神戸から来られたお隣のご夫婦と情報交換させていただいたら、やっぱり木山さんが一番ですねという結論になりました。
☆飯蒸し
黒鮑の柔らか煮とタラの芽を添えたホタル烏賊出汁の飯蒸し。
黒鮑が柔らかくてじゅんっと旨味湧き出ます。お米だけではなくてタラの芽にもホタル烏賊の旨味がしゃみしゅみで、うまうまうまうまうまうまからの春の苦味が口の中に残ります。
☆若竹煮
さすがにピークというだけあって筍がめちゃくちゃ甘い。若布が最初はぬるっと感じてからの "しゃきしゃき" 歯応え。シンプルな若竹煮ですが、だからこそ素材の極みを感じます。2つむこうの席のお姉さまが「ベストオブ筍だわ」と木山さんにお話されていましたが、そのとおり!
5種類の貝の出汁を恥ずかしげもなく、ごくごくと喉を鳴らして飲み干します。出汁に少しの黒胡椒がいつまでもいつまでも余韻。ふうぅ。
☆飯蛸とホワイトアスパラガス
蛸うんめぃ~!
飯の詰まった頭はもちろんだけど歯応えといい旨味といい、もう一度言います、うんめぃ~!
辛子酢味噌と黄金パートナーの野蒜を刻んで散らしてありますが、これが更に蛸とアスパラガスの旨味を引き出しています。
ホワイトアスパラは素揚げで旨味を閉じ込めて。
☆鰹節クイズ
「クイズです。はい、これはなんでしょう?」
(うっ、外したらどうすんだよ~)と心の中で焦りながらも、鮪節でないのは一口でわかる。
「すっきりした抜け感が出てるので2年もの」
「正解です」
ほっとして、他2種類の節もいただいて、本日の一番出汁をごくり。ふう。
☆お椀
白甘鯛は日本海ではなくて駿河湾。肉身は味も食感も素敵な塩梅。
鯛の下は、うすいえんどうの胡麻豆腐でこれも味と食感にすっきり感を残しながら葉山葵と白い柚子の花の酸味と苦味が溶け込んで、味百変化。
☆お造り
石垣鯛と黒むつ。
石鯛の白子を石鯛の身で編み込み包み。背徳感いっぱいの白子ぶしゅっう。
黒むつは塩で脂を楽しみます。
☆焼き物
桜マス。
分厚い肉感。
色具合も焼きのレア感も超絶エロい。
美味い!素晴らしい!
だだこぼれの桜マスのエロさを、ふきと蕗の薹のソースがきゅっと締めてくれて。レンコン、うど、クレソンの胡麻和えで口変わり。
☆揚げ物
あまごの唐揚げ。生姜、茗荷、芽ネギをほんわりとのせて。
ばりばりのあまごにとてもすっきりとした南蛮酢を絡めながらいただきます。生姜と茗荷の風味が時々ポンと来るのも一興かと。
☆天ぷら
山菜の天ぷら。
こごみ、こしあぶら、にわとこ。にわとこは初めて食べましたが、こしあぶらが一番好きかな。
豆腐ソースがすっきりとした甘さで、天ぷらの油揚げと山菜の春苦味を包み込んで抜群でした。
☆牛しゃぶ
牛、美しく、花山椒、鮮やか。
「来週はもうこんなにフレッシュな花山椒は手に入りません」と。
説明不要の風味超絶至極。
旬、ここに極まれリ。
☆ご飯
「聞かずとも全種類ですよね」と笑いながら言われてしまいました。ふへへ。
*たいらぎ貝の玉〆(たいらぎ貝、分厚っ)
*アジ寿司(木山さんのおまけ。サバ寿司と選択でしたけど珍しいアジの方にしました。海苔包み山葵のせで手渡し。♪フレッシュ、フレッシュ、フレ~ッシュ♪)
*蕎麦 しゃぶしゃぶのお出汁(しゃぶしゃぶ出汁が最高です、飲み干す)
*桜海老かき揚げ丼(ほへほへ香りがほへほへ)
*じゃこ鰹節飯(猫になってぱくぱく)
*鰹漬け丼(ぐぐっぐぐんと気力体力ア~ップ)
☆水菓子
デコポン生絞り立て。ごくごくごくん。ぷはー。
☆お茶菓子
桜餅とお薄。桜餅の餡は一寸豆(空豆)。
桜の葉は食べる派ですか食べない派ですか?
私はその日の気分です(笑)。
4月の訪問直後に書いてたのにアップを忘れていました。極旬をテーマに書いたのに旬を逃してしまうとは。失態これいかに。
2021/06/05 更新
2021/01 訪問
【和食:削り節からお椀への物語】
前回のレビューで何故お椀の前に削り節をいただくのかということについて自分なりの感覚を書きましたが、今回、削り節から一番出汁さらにお椀への流れがいつもと少し違ってとても興味深いひとときでした。(前回レビューは流行りもので遊びすぎたので今回は真面目に?書きます)
いつもは三種類全ての削り節をお弟子さんから1枚ずついただくのですが、今回は、一種類の削り節をお皿に盛って木山さんが「何か当ててください」と持ってこられました。旨味がとても濃かったので鮪節だとわかります。その旨味が残った口で一番出汁を飲むといつもより旨味が濃くてほっほっほっ。一番出汁で少し薄まった口で次に飲むお椀の吸い地の一口目はいつもよりも微かで儚い味わい。お椀の口を進める度に、先ほどの鮪節の旨味が甦ってくるように感じられる。この変化を感じてほしくて、木山さん自ら鮪節だけ持って来られたんだなあと得心。
出汁だけでこんなに面白い時間を過ごせるなんて、本当にやめられません。
☆冷たい先付け
三宝柑を器にして、鮑とつぶ貝が貝出汁の煮凝りの中に浮かんでいます。百合根と白菜と壬生菜、大きな黒豆。
鮑はもちろんだけれど、つぶ貝が大きくて噛み締めれば噛み締めるほど旨味が出てきて、煮凝りの旨味が合わさるとほっぺたの内側がきゅうっと。
酸味がないので三宝柑をお好みでと説明がありましたが、この三宝柑の酸味の優しいこと!
食べ終わって、スプーンに三宝柑の果汁を絞ってごくり、またごくりと飲みます。
めちゃ甘いっ!!
☆温かい先付け
蛤と海老いもの白味噌仕立て。
蛤出汁の味噌汁って、嗚呼、嗚呼しか出て来ないのです。白味噌を纏う蛤も海老いももこの上無しの"嗚呼!"です。
☆焼き物
駿河湾の赤座海老。とんでもなく甘い!
ちょっとレア感覚の焼き具合が実に佳きです。
食感にも味覚にも。
味噌もぐふふ的。
☆お造り
青海苔が乗った石鯛。しこしこ。
ここで、鮪節、一番出汁、お椀の流れへ。
至高の時間。
☆お椀
くえのお椀。
くえのうま海味もさることながら、聖護院蕪と菜種の出汁沁み沁み感も佳きと思っていたら、金柑の甘味と蕗の薹の苦味のバランスが大絶賛で、もうぉ~いつもいつも超えてくるよぅ♪
☆からすみ餅
熱っ、熱っ、熱っ、熱っ、熱っ。
ふうふう、ふうふう、ふうふう。
ふにゅ、ふにゅ、ふにゅ、ふにゅ。
食べてる最中は美味しい美味しいだけだけど、後からお腹に効いてきました。さすが餅。
☆焼き白子
鯛や鱈の白子では代え難き河豚の白子の食感と味わいと背徳感。
弾力のある皮を噛み破ると、ぶしゃっと出てくる白子ちゃん。愛してるぜ!
☆揚げ物
ばちこ、数の子、堀川牛蒡、くわいの天ぷら。
数の子の天ぷらを初食。ぽりぽり。
☆炊き合わせ
伊勢海老と揚げ胡麻豆腐の蕪蒸し。
緑の葉っぱをつけた子蕪くんが美しき哉。
☆ご飯
*煮穴子玉〆丼・・・ 煮穴子大好き。
*雲子雑炊・・・CoCoで出た。鱈の白子。
*ひらめの胡麻だれ漬丼・・もう一杯食べたい。
*拉麺・・・魚介出汁が沁みるん。
*じゃこご飯・・・ど定番。黄身真ん中の法則。
まだこの段階ではお腹にきてなかったので、ちゃんと普通に一杯ずついただきました。
もう一杯ずつ食べたかったけど、在宅勤務で運動不足なので我慢しました(泣)。
拉麺は京都「麺屋猪一」さんの麺。3月の始めにコラボ@猪一さんするそうで、木山さんは麺の湯切り担当だそうです(笑)。
☆水菓子
デカい!!
甘い!!
滋賀のやよい姫という苺。新しい苺がどんどん出てきます。
☆茶菓子
むかご餅。お薄。
この季節、カウンター9人のうち7人が津居山の蟹コースでした。隣で蟹が出てくるのを見てると食べたくて食べたくてしょうがない。予約の時に蟹の話もあったのですが、一人で蟹一杯追加はいくら私でもボリューム的に無理かなと思いその時は諦めたのですが、来シーズンは一人でも食べようかな。
相談しよっと。
2021/02/21 更新
2020/11 訪問
【和食:水+昆布+節の呼吸=出汁の呼吸。】
木山さんは水の呼吸を感じていらっしゃる。
お庭で採れる井戸水の呼吸を感じているからこそ、その日その日で最高に整う水の温度で昆布を入れ、水の呼吸に同期する鰹節/鮪節の配分を調整されていらっしゃる。
だからこそ、最高の出汁が出来上がるのです。
最初に井戸水の白湯が供されるのは、私たちも今日の水の呼吸を感じるため。
椀の前に鰹節/鮪節をひとひらずつ供されるのは、私たちも今日の節の呼吸を感じるため。
そして、今日の2つの呼吸を合わせて引かれる今日の出汁の型が決まり、椀で、炊き合わせで、究極の技が炸裂するのです。
すみません。流行りものが大好きなので、原作をオマージュしつつ、全集中で遊んじゃいます。
☆水の呼吸 伍の型 干天の慈雨
井戸水の白湯はまさにジロ鬼の心も身体も溶かす干天の慈雨なり。
☆水の呼吸 拾参の型 すり流し
魚出汁に香茸のすりながし。少しすりすりとざらつく香茸が柔らかいとこぶしの身肉に絡みつく。
玉子豆腐は魚出汁と茸をさらりと流す。
勢いづくジロ鬼の舌をさらりとかわしながら、すりすりざらざらと流していく。
☆塩の呼吸 壱の型 栗栗舞
剣舞を踊りそうな栗のふわふわが山盛り舞。
素揚げした銀杏と蒸した百合根の舞。
ホタテの干し貝柱出汁で蒸した飯蒸し。
素揚げした銀杏の微かな塩味が干し貝柱飯の旨味や栗の甘味を引き締めながらジロ鬼の舌を落とす。まさに塩の呼吸の基本型。
☆塩の呼吸 弐の型 粒々乱撃
こちらも塩の呼吸が決め手だか、塩味いくらの粒々で乱打乱打の乱れ撃ちという進化型。
塩味いくらの乱撃で、一週間寝かしてねっとりとした白かじきの旨味の核心がくっきりと浮かび上がり、さらに蓮根の網にかかってしまったジロ鬼の舌に大黒しめじの極太の一撃が襲いかかる。
☆豆の呼吸 壱の型 ずんだ
丹波黒豆をずんだ(=すりつぶし)にして湯葉と合える。すりつぶすほどに豆の持つ優しい甘味という本性が現れてくる。
新小芋と車海老の甘旨味と合わせて、禰豆子が持つ本来の優しい心持ち。
ジロ鬼すらも優しい心持ちにする。
ここで出ました。出汁の呼吸 弐の型 枯節水車。
一年ものと二年ものの鰹節と鮪節が水車の如く廻り、絞り出された壱の型 出汁斬りの一献に、ジロ鬼は眩暈陶酔して意識が翔んでしまう。
☆出汁の呼吸 肆の型 打ち塩 改伊勢海老
意識を翔ばしてしまった一献の出汁に、塩を打った出汁の呼吸の究極型。
胡麻豆腐で雑念の塩すら透いとる。
ほぐした伊勢海老の旨味が究極の出汁との合わせ技となり、打ち塩は改伊勢海老として完成する。
☆獣の呼吸 陸の牙 醤油甘咬み
揉み海苔、あさつきと細角の蕪が舞う鮪のトロは、とろみ醤油で甘咬みされる陶酔。
目の前で入り酒にさっとくぐらせた白甘鯛は、白い肌に吸い付く入り酒と紫蘇の花の実の甘酸っぱさを舌の上に転がしながら咬み味わう。
♪ここで令和のこそこそ噂話♪
400年前に日本の茶人がバランスを欠いた造形にしてわざわざ子供のような絵を描かせた未完成の美を狙って中国に発注した器が使われているそうですよ♪
☆岩の呼吸 参の型 南部鉄の膚
練り胡麻を塗って炭で焼き上げたさわら。醤油で焼いたいちじく。本日唯一の現代陶芸家の皿。何れもが南部鉄様の膚がさらされるも、その内に潜む本性は三位一体となって剛と柔なる食感と旨味を貪るさわらの南部焼。さわらの塩旨味に絡む胡麻の余韻を残して息を吐き切る。
☆獣の呼吸 伍の牙 茸狂い裂き
切り裂かれた、なら茸、むき茸、なめこの三種の神器茸が狂ったように纏わりつきしゃぶしゃぶにされてしまった牛獣の肉は "稀肉" なるサーロインとしてジロ鬼に100人力を与える。
黒七味の舌への衝撃は稀肉を極みに引き上げる。
☆雷の呼吸 弐の型 熱塊魚
熱の塊と化したかますと舞茸が、ジロ鬼の口に放り込まれ、味蕾を断ち切るかのごとく熱の旨味を打ちかます。かますの旨味の回りを舞茸が舞躍り、散りばめられたネパール山椒のぴりぴりが映像のような残像を脳膜に残して消えていく。
☆収穫の完成型 伍連の呼吸改蕎麦壺
伍連の呼吸は各々の写真に記す。
*鯖すし
*鱧カツ丼
*金目鯛の出汁茶漬け
*ちりめん山椒と鰹節ご飯
*手打ち蕎麦
☆果の呼吸 陸の型 渦梨
梨の渦を飲んで、飲んで、飲み込まれる。
飲み込まれた後に、全ての業が流れていき、無への陶酔が訪れる。
☆残ったものは
和三盆の甘さと山椒の辛さ=ジロ鬼の半生。
お料理をいただいて、写真を見ながら反芻して、レビューで遊んで、一粒で三度も美味しい♪
2020/11/23 更新
2020/08 訪問
【和食:鮎の飯蒸し】
今年は鮎料理が私にとっては当たり年です。美味しい鮎料理との出会いがたくさん。
丁寧に焼かれたいつもの泉さん、フレンチアプローチの呂色さん、変化するリゾットのチェンチさん。そして、木山さんの飯蒸し。
あまりにも美味しくて、遠くの木山さんにOKマークを贈ると、前にいらっしゃって「初めてやってみました」とおっしゃる。初めてでこの完成度って、やっぱり、天才です。
生きたままで塩蒸しすることで魚臭さやら青臭さやらがすっかり抜けて、清流の甘味すら感じます。おろした鮎の半身はそのままのせて、残りの半身は飯蒸しに混ぜ混んである。一緒にいただく飯まで甘く、絶妙な温度が口の中でほどけていくのです。細角切りの生姜の食感と酸味が甘味を引き立てます。
美味しかったあ~。
ほんとに、毎回、楽しい!
辞められない、止まらない。
☆小吸い物
オクラとこのわたのすりながし。揚げた翡翠茄子の上に車海老がどーん。
先ずは椀種の車海老から。半生に焼かれているので、食感がふにふに。海老の焼いた薫りから、このわたの塩味を帯びた海老の甘味が広がります。翡翠茄子も少しさくっと入る食感に、塩味と茄子の甘味が一体。さらに、オクラのすりながしも、このわたのマイルドな海塩味でごくんごくん。
最初から、顔が弛んでしまいました。
☆冷やし物
白とり貝がとり貝よりも肉厚で、少し焙ってあるので旨味も厚いです。ひょっとしたら、とり貝よりも美味しいくらい。冬瓜や岩昆布が酢を吸って貝の甘味を引き締めます。えびちゃ豆という枝豆が彩りとぱりっとした食感を添えています。
☆飯蒸し
最高でした。安曇川の鮎と美味しく仕上げる技。
☆お造り
くえと由良の雲丹です。
くえは、いり酒でいただきましょう。
雲丹は、醤油海苔でいただきましょう。
豪速球勝負。これは食材勝負で文句なし。
間違いなしの旨さ!!
☆お椀
なんと!燕の巣の真丈!
いやぁ、しゅみます、しゅみます。それだけでは無色透明な燕の巣に、暑い夏にさっぱり感を出した鮪節多めの吸い地がしゅみしゅみです。
木山さんのお椀は、いつも、種の味が吸い地に溶けていくことで吸い地の変化を楽しみますが、今回は真逆。吸い地を純粋に味わってから、無味な燕の巣にしゅんだ吸い地を燕の巣の食感と共に楽しむという、いつもとは違うプロセス。
逆もまた真なり、です。
☆焼き物
のどぐろの脂が甘過ぎる~。
脂が唇に、口の中に、舌の上に下に、ぬらぬらと纏わりついて、熱を持った甘味が浸透します。
糸瓜と鷹ヶ峯唐辛子で脂を切りながら、柔らかい白身から海味が滲み出てきます。
☆お凌ぎ
蛸の子、木耳、白ずいき。蛸の子って時々、食べるけど、こんなに大きな塊は、ほほぉ級です。お凌ぎだから、ちょっと一口寿司みたいな形。ほろほろと口の中で崩れていき、出汁と微かな柑橘の香り。のどぐろの脂ぬらぬらが、さっぱりほろほろのシンプルな蛸の子で、とても落ち着きます。
まさに、凌ぎました。
☆蟹餅
中華のお菓子みたいな感覚。炒って擦ったとろとろ胡麻がたっぷりとかけてあって胡麻団子みたいな見映え。
大根おろしと山芋を蒸したもちもち食感の生地に蟹身たっぷり。2つあるのかと思うと、ひとつは、いちじく。いちじくの甘酸味が蟹に合うんだなあ。
☆鱧しゃぶ
目の前に、しゃぶしゃぶ鍋。私の鱧しゃぶ。
この出汁に鱧しゃぶ。好きだよ~ん♪
「木山さんの鱧は骨がないんですよ」とお隣の上品なご婦人が私に解説してくださり、「ほ・ね・な・し・は・も」と「半沢直樹の江口のりこ」ばりに応じてくださる木山さん。
倍どころか10倍旨いに決まってんでしょ!
蕩けるぅ~。骨無し鱧=ボンレスハモ。
☆ご飯
遂に。
ここでも。
ラーメンが!!
出ました--------(笑)
ほんとに、なんか、笑ってしまいました。
今年は私、ラーメン男か?と思いました。
・鰹の漬け丼:この鰹、とても美味しい。水揚げされたばかりの最上位物3本のうちの1本。
・ローストビーフの玉〆丼:食欲をそそる鮮やかな赤身。玉子の黄色に映える。
・じゃこご飯:じゃこが心なしかいつもより多い感じ!超嬉しい!
・鱧寿司:何個でも食べられる。切り分ける前のデカ鱧の塊をがぶりがぶりと食べたい!
・鱧スープラーメン:クリーンな鱧出汁に塩と生姜と九条葱の油がぽわんぽわんと浮かんで、いっきにラーメンになってる!
ごくごくとお汁まで飲み干し終えたところに「替え玉いかがですか」って。。。早く言ってよぉ!
写真を忘れてしまいましたが、透明になった水ナスの塩漬けが美味しかった。
☆桃ジュース
8月の終わり。もう、桃なんですねぇ。
☆葛饅頭
白小豆の餡。木の芽が入るだけで、清涼感と甘味の上品さが変わります。
最近知ったのですが、英語のレストランの語源がラテン語で「再び強くする」ということらしい。
こんなご時世だし、うだるような酷暑だし、なんだか気力も体力も消耗しちゃう毎日だけれども、木山さんのお料理をいただくと、元気になれる!
2020/09/27 更新
2020/06 訪問
【和食:美味しいの刹那が繰り返す。】
ひとつのお皿の中に、五味六味が複数存在するので、お料理の説明をしっかりと聞いて食べる順番を考えます。
ぴったりとはまると、味の重なりが楽しくて、食べ終わった後の旨味の残像が半端ない。
はまらなくても、自分の浅はかな計算を遥かに超えていく味の重なりを感じて笑っちゃう。
美味しいものをいただくって、本当に楽しい!
そして、いつも思うけど、旨味の残像がなくなるまでは、暫くの間、虚ろな目をして美味しさを噛み締めていたい。
次のお皿が運ばれてきた時に、瞳孔を再び絞って、涎をずるりと拭い、残像をお茶で振り払い、しっかりと説明を聞いて、段取りを構築して、味の重なりを楽しみ、自らの浅はかさを超える美味しさも知り、何度も何度も旨味の刹那に "きゅんきゅん" してしまいます。
美味しいの刹那の繰り返し。
☆飯蒸し
ぱりっと鰻の直焼き。
鰻がそうだからか、炒った松の実がぱりぱりと散らしてあるからか、飯も「ぱりっ」と食感。鷹ヶ峯青唐辛子も揚げてあるので「ぱりっ」と食感。
山椒醤油の香ばしさと合わせて、食感と香りで食欲の呼び水です。
☆賀茂茄子
これ、美味しかったあ。
軽く揚げてある賀茂茄子の上にすりおろして粘りが出て餡状になった蓮根。さらに、その上に雲丹がたっぷり。
いずれも柔らかい食感に甘味が超絶上品。
そこに三度豆のしゃき感と柚子の酸味のコントラストが加わって、美味しい~。
食べ終わったあとに旨甘味三重奏がふわふわと戻ってくるのです。
☆お吸い物
鼈の玉〆。あぁ、すっぽん味!
大きな鮑の切り身が柔らかで、鮑自体の旨味と鼈味との絡みで、ふへぇ~、となってしまう。
胡麻豆腐と鼈の縁ぺらも浮かんでおりました。
梅雨シーズンの滋養強壮。
☆お造り
甘エビを叩いて昆布締め。お団子状のものを目の前で木山さんが皿の上で丸くのばして、その上に、海老の殻出汁の煮凝り(色が薄い方)と醤油の煮凝り、さらに水茄子とオクラを散らして、仕上げに日向夏の皮。
甘旨味の贅沢!!!
叩いたことで甘味が増し増しの上に、二種類の煮凝りで甘旨味4倍増。更に更に、日向夏の皮の苦味と酸味がめちゃくちゃ効いて、甘旨味は百倍増です。大袈裟ではなく、本当に。
食べ終わっても、旨味の塊が口の中にずっと残っていました。
☆お椀
蓴菜に囲まれた鱧の真丈は毛蟹の身肉がいっぱい詰まっています。蟹真丈と言ってもよいくらい。
最初は白湯のように、鱧と蟹のエキスが染み出してくるとくっきりと。いつもの至高の吸い地。
☆焼き物
5日寝かせたハマダイ(深海魚らしい)の梅焼き。
花穂紫蘇が乗っていて、手前にクラゲときゅうりと椎茸の胡麻和えがなくて、お皿を洋風にするとフレンチのひとさらみたい。
真鯛のような上品でしっとりとした身肉に梅と紫蘇がほどよいスパイスです。
☆冷やし物
岩牡蠣、ど~ん。
シンプルに塩とライムで。
美味しい牡蠣が、泉さん、アドックと続いたためか、こちらでは少し乾き感が感じられ、ミルキーさや海味が物足りなく感じました。
食材に頼りすぎかな。
もちろんシンプルはありだけど、木山さんなら、違うアプローチがあるのでは?と思ってしまう。
☆揚げ物
面白い!&美味しい!
米粉揚げの稚鮎を揚げたてでさっと木の芽酢にくぐらせてあるので、木の芽酢が満遍なく鮎の苦味を包み込んでくれます。
鮎の苦味と酸味が残る中で、まる十の甘露煮をいただくと薩摩芋の甘味が爆発的な拡がりに。
最後に、とうもろこしのかき揚げの甘味がぶっ飛んでいくのです。
食べる順番の妙。
☆炊き合わせ
あこう。白ずいき。一寸豆。セロリ。
あさりのお出汁餡が魚の王様あこうに染み染み。
最後に心もしみじみ。
☆〆ご飯
負けた。初めて負けました。完敗です。
私は5種類全部とお代わりの鰹の薬味丼を全て普通盛りで計6杯いただきましたが、お隣の小柄な若い女性が、なんと、普通盛りで計8杯!?
悔しい。ギャル曽根か!?
巣籠もりで筋肉が減って余計な脂肪が増えてしまったからに違いない。ヤバい。頑張る!
しみじみしている場合ではないぞ。
*鰹の薬味丼(鰹は薬味で完全に旨味のみです)
*ニシンの冷やし茶漬け(というより氷漬け。でも、ニシンとお茶とひんやりの重なりが旨い。)
*煮穴子の玉〆丼(煮穴子、好きだよ~♪)
*胡麻だれ素麺(中華ではない和の胡麻だれ)
*いつものちりめんじゃこTKG(間違いない!)
☆水菓子
和三盆とオレンジリキュールゼリーの中に浮かぶスイカボール。
冷たいオレンジリキュールが、♪きゅ~んきゅんきゅんきゅん愛しい♪と、日向坂46の歌みたいに効いてます。
☆菓子とお薄
京番茶の寒天と抹茶の羊羮の2階建て。
次も、その次も、いつまでも、"きゅんきゅん" したい!
2020/06/20 更新
2020/02 訪問
【和食:旬の「旬」に出逢える醍醐味】
琵琶湖のもろこ。
卵を持つか持たないかの時季。今回いただいたものも半々くらいでした。もう少し早いと卵の美味しさはないし、もう少し時間がたつと卵が大きくなりすぎて身の脂がなくなり味が落ちてしまう。
卵も味わえて、もろこ本来の旨味も味わえるぎりぎりの旬に巡り会えました。
旬の旬。
鴨。
もう3月になろうかというこの時季に鴨。
例年なら本鴨は11月から遅くても1月まで。
今季は11,12月は全く採れず2月の今が旬だとか。暖か過ぎて日本に降りて来れなかったみたい。
本鴨さんたち。美味しかったよ。ご馳走様。
旬の変化。
新玉葱。
新玉葱が美味しいのは近くに淡路島があるので、良くわかるようになりましたが、今回の天ぷらは新玉葱の一番出荷もの。「オニオンヌーボー」って、初めて聞きました。天ぷらという選択。瑞々しくて、甘かったぁ~。
こちらも旬の旬。
お隣さん二組は、恐らく今季最後の蟹の炭火焼きを召し上がっていらっしゃいます。良い匂い。
名残の旬。
白魚、はまぐり、赤貝、走りの旬。
今回もお料理すべてが、一番佳き「旬」を最高の状態にしていただきました。
幸せ。
和食の醍醐味。
☆先付
菜種のすり流し。
雲丹を抱いた揚げられたユリ根の饅頭が浮かんでいます。
老練な鰹出汁が菜種の苦い若さを優しく包みこんでいて、ほっ、とする始まり。
☆飯蒸し
さっと火を入れた煮はまぐりを2月らしくお稲荷さんにした蒸し寿司の上に。
蒸し寿司には「ん=運」のついた七種類の具材が入って、七運蒸しと呼ばれる善き縁起。
にんじん、れんこん、だいこん、なんきん、いんげん、どんこ椎茸、きんかん。
貝が美味しい季節になってきました。
木の芽が爽やかに効きます。
☆赤貝
貝が続きます。
貝好きな私にはたまらない。
赤貝は、黄身酢よりもさっぱりとしている茶碗蒸しを裏漉しして白味噌と酢で合わせた卵ソースでも善き、梅と昆布出汁を合わせた餡でも佳き。
赤貝をこりっといただき、合間に、蕾菜と葉山葵をさくさくといただき。
赤芽紫蘇と赤貝とソースの鮮やかさが、貝の形をした青磁色の器に映える。
☆椀
河豚の白子。ほんのりと焼きの香り。
何故か、口の中で弾け広がる艶かしきエロさ。
堀川牛蒡も聖護院蕪も分厚くて大きくて、「食べてる~。」感、半端なき。
全体に浮かぶ鬼おろしが極上の吸い地を存分に吸い込んでころころと甘~い。
で、揚げた蕗の薹の苦味が、吸い地と吸い種の甘旨味の中に "ぽーん" と一石を投じたと思う間もなく、苦味の向こうから、じわじわと全体の旨味が繰り返し繰り返し戻ってくる。
なんという味のコントラストの効かせ方。
☆お造り
ひと塩入れて旨味凝縮された石鯛で醤油昆布を巻いて食べる。"う~ん" と首ふり人形になる私。
手前が少し炙りを入れた河豚。鉄皮と下ろしポン酢をのせてぱくり。分厚くて旨味たっぷり。
☆焼き物
琵琶湖のほんもろこ。
もちろん、何もつけずに、いただき。
生姜と酢のソースをつけてで、いただき。
どっちも、美味しいよ~。
何匹でも食べられるよ~。
縮みほうれん草とこごみの黒ごま合えも春♪
☆和え物
牡蠣のオイル煮のおろし合え。
うるいと芯を刻んだ白菜と芹。
牡蠣のオイルのドレッシングにぶぶあられと少し柑橘の香りもあるネパール山椒。
合間に出てくるちょっとした和え物が好き!
☆鴨
木山さんでは、初めて2月に使われたという鴨。
とても濃~くて、肉肉しい鴨。
辛味が程よく抜けて完全発酵してぱくぱく食べられる6年物のかんずりが、鴨の旨味に素晴らしく合うのです。
ホワイトアスパラガスで、口の中を中和。
☆揚げ物
オニオンヌーボー(新玉葱の一番出荷)と山独活の天ぷら。自家製のもろみ味噌で、さくさくと。
手前は蟹コロッケ。クリームの代わりに胡麻豆腐と蟹味噌で仕上げてあって、うんめぇ~。
☆ご飯
・白魚の玉〆ご飯:宍道湖の大きな白魚。
・イワシ茶漬:醤油煮イワシが茶漬けに染みる。
・鮪の漬け丼:赤身、大トロ、中トロ。海苔がっ。
・河豚雑炊:ほえぇ~。和む~。
・じゃこTKG:木山さんに来たねという感じ。
佳き順番でした。良い感じで口が変わり、良い感じでお腹に収まっていく順番。
今回の止め椀は粕汁。温まりぃ~。
☆水菓子
あまおうのジュース。まさに、王様の甘さ。
☆甘味とお薄
ミニどら焼き。可愛らしい。餡に金柑が入っていて、甘さも可愛らしい。
コロナで3月の土日は全く外にすら出かけていない。
超ストレス。美味しいものが食べたい。
幸いなことに、木山さんは、キャンセルがでてもまた予約で埋まっているみたいで、今回もカウンターは満席。良かった。良かった。
コロナ退散、コロナ退散。
2020/03/14 更新
2019/12 訪問
【和食:新しいパフォーマンスが始まりましたか?】
何?コーヒー豆袋みたいな袋の列は。。。
食事が終わった頃にカウンター前にたくさん袋を並べ、なんと、いつも〆のご飯でいただくことができる「ちりめんじゃこ」と「おかか」を袋に詰め始めたのです。
以前から「これ、分けて!」というお客さまの要望があったらしく、つい、2週間ほど前から、お土産用に売り出しているそうです。
もちろん、早速、購入しました。
じゃことおかかのセットで、1,500円。
帰って、自宅で、木山さんの〆ご飯を、また、味わうことができるなんて!しあわせですね♪
真っ赤な黄身の卵がなかったけれど、白飯の上の純なじゃこは味落としそうなくらいに繊細な旨味が感じられて、良い発見。
湯豆腐を真ん中くりぬいて、このじゃこを入れて上からおかかをかけて、そのまま食べても美味しい。醤油不要です。
さて、お料理は、終始、蕩けっ放しでした。
今回のレビューのテーマは多少強引なところもありぃ~の「蕩けた」です!
☆河豚の白子の飯
白子を裏漉ししてもち米と菊芋と一緒に炊いた飯。
白子そのものだけでなく、飯がもち米なのに一緒に炊いた裏漉し白子のおかげで、超蕩ける~。
蒸した下仁田葱の粘りが加わって、たまらない。
全部が蕩ける中で、しゃりしゃり菊芋がアクセントになっていて、もう~最初から、ヤバい。
☆薯蕷蒸し
「このこ」の薯蕷(じょうよ)蒸し。芹のすりながし餡がとても香り良い。「このこ」の塩味を山芋と芹が包みこんで、まさに、良い塩梅で蕩ける。
それでも喉前に残る塩味は、芹のすりながしが効いているのでしょう、塩味の中に微かに甘味さえ感じる上品さ。
ここで、いつもの、削りたての三種類の節をひとひらずついただきます。2年物の鰹節の旨味が濃い!
☆香箱蟹
この季節の定番です。土佐酢のジュレも定番。
面白かったのはグラニースミスという青リンゴを昆布締めにして、土佐酢の中に散らしてあること。
昆布締めで丸くなった青リンゴの酸味が土佐酢すらもさらに丸くして、蟹の身肉に纏わる。
口の中、次から次へと唾液だらけで蕩ける。
☆お椀
蓮根饅頭とくえ。
鬼おろしのみぞれ椀。
「くえを食え!」とアホみたいなフレーズが頭をぐるぐる回るほど、くえが美味しいし、吸い地と絡めば絡むほど、くえがさらに美味しくなっていくし、ほどけたくえの旨味が吸い地に溶け込んで、さらに美味しくなるし。
天国の循環。美味しさのスパイラル。
くえっ、くえっ、くえぇ~♪と脳みそまで蕩ける。
☆お造り
トロとカンパチ。旨味の脂が蕩ける。
こちらの山葵菜の醤油煮が好きです。
ちょっと甘辛くて、山葵のつーんもありで、それだけを食べ続けることができます。
☆焼き物
伊勢海老の焼き加減。かなり強めに火を通してあり、外側が歯でパチンと弾ける感じ。身肉も噛み応えがあり、噛みこむほどに旨味がじゅわじゅわと出てくる。
艶かしい赤色の卵黄醤油がかけてありますが、海老の強い旨味を柔らかく蕩かします。卵って凄い。
クレソンの胡麻和えで、卵黄醤油を掬って食べちゃいました。
☆白和え
大徳寺麩(利休麩)と赤蒟蒻と帆立てと柿の白和え。
煎った胡桃も香ばしく、食感も楽しい。
ほっと、落ち着く。
大徳寺麩は、生麩を醤油で煮て胡麻油で揚げたものですが、牛の胃袋みたいな見た目、食感で、麩の蕩け方と違う肉の蕩け方でした。
精進料理の肉擬きは本当に面白いです。
☆揚げ物
見た瞬間、お皿の上が、牛の顔に見えました。
目まで蕩けてしまいましたか~♪
京都牛のランプのビーフかつと海老いもフライ。
これがまた、柔らか肉で蕩けて、パリっとしたフライの中からとろりとポタージュスープのように出てくる海老いもでも蕩ける。
牛の目玉のような実山椒醤油が、最初は醤油味で肉やいもに絡むのだけれど、最後の最後に山椒味が肉の旨味を残した口の中で弾けて、うひょうひょ~、でした。
☆炊き合わせ
ばい貝と小蕪に蟹餡かけ。
ばい貝の歯応えにさくとろの蕪。塩味と旨味の効いた蟹餡が蕩ける。
揚げた下仁田葱のぱりぱり感。
☆ご飯
なんと、本日の〆ご飯は5種類。いつもは4種類。
・雲子とむかごの玉〆丼
・牡蠣茶漬け
・サバ寿司
・からすみご飯
・じゃこご飯
当然、全てをいただきました。全てをお代わりしたかったけど、牡蠣茶漬けだけお代わりして、牡蠣ではなく生姜に再び蕩けました。
☆洋梨のジュース
☆かぼちゃ団子とお薄
「来年も美味しいものを食べさせてください」と帰りのご挨拶をすると、木山さんの人を蕩けさせる笑顔が返ってきました。
2019/12/22 更新
2019/09 訪問
【和食:「今この瞬間(とき)」をいただき、元気になる。】
少し体調が良くなくて、しっかりと味わえるかなと心配してきましたが、食べ始めたら、楽しくて美味しくて、気持ちがぶっ飛び、元気になりました。
見えないけれど手間をかけられた仕事とその場で見える、さらには、魅せる仕事を存分に五感で楽しむことができました。
本当に楽しくて美味しくて、幸せの高揚感を感じられる場所。好きです。
今回のラッキー。
・いつもは30分前には着いて一番に中に入って気分に応じた席を選ぶのですが、今回は5分前到着で、ほぼ満席でしたが、ぽっかりと空いているど真ん中の席に座ることができました。やはり、真ん中は木山さんの包丁さばきが見られるし、木山さんに直接ご説明をいただいたり質問ができたりする、いいお席なのです。
・20,000円メニューが私一人だけだったこともあり、私のメニューにはないお刺身や鱧しゃぶしゃぶが目の前でお料理されているのを垂涎状態で見つめていたら、ひと口ずついただくことができました。
ラッキーなのか、私の垂涎が怖かったのか(笑)。
ありがとうございます。
・「今、日本で一番美味しい」とご説明をいただいた、天草の赤雲丹をいただけました。
舌の上にのせる。
体温で溶けて、舌全体から口中にふわふわとろとろゆるゆると広がっていく。
純粋無垢な、それでいて、人間をダメにしてしまうような背徳的な天使の甘味が、口中に広がり、鼻腔に抜け、感覚がないはずの食道にまで甘美な陶酔が渡る。
幸せの鐘が脳内にうっとりとスローモーションで鳴り響きました。
「今この瞬間(とき)」をいただく幸せ。
美味しかったあぁぁ。
☆すじこ 菱蟹の蒸し寿司
いつもの飯蒸しではなく、本日は蒸し寿司でスタート。
ぷっちんぷっちんな大粒すじこ。味噌〆にしてあるので、海臭さが消えて弾けても淡い。
蒸し寿司の中に細かく賽の目切りの生姜が混ぜられていて、これが味も食感もアクセントになっていて好き。もちろん菱蟹(=渡蟹)と酢飯の相性よろし。
☆すりながし
銀杏を裏漉しして、鱧出汁とのすりながし。
木耳と鱧の真丈。
まだ緑色の銀杏が鱧出汁に染み込んで、たまらないです。銀杏の自然のとろみも気持ちが良く、体調悪いなあという気持ちがとろりんと解れていきます。真丈を箸で崩して、銀杏のすりながしに鱧のすり身と木耳の「とろり」がほんわりとした香りとともに渾然となっていく。恍惚の時間。
☆車海老
キャビアを乗せた車海老はほんの数秒だけ油を通して半生状態。キャビアの塩味とほんの少しだけ熱を入れることで浮き上がった車海老の甘味のコントラストとマリアージュに「ほえ~」って叫びそうに。
海老出汁に浮かぶ秋茄子の出汁の染み具合。
海老出汁、最後の一滴まで飲み干しました。
~お椀の前に、いつもの鰹と鮪の削り節を一枚ずついただきます。~
☆お椀
くえに重陽の節句の菊のあしらい。
淡くても深い吸い地。
ふんわりとしたくえ。
くえと混ざり合う吸い地の止揚。
いついただいてもこちらのお椀は素敵です。
江戸末期の漆匠佐野長寛の三代目が作られた漆器。佐野長寛が作った当時の元号が嘉永だったそう。黒船の年ですね。お椀の底と蓋の裏も富と貴の文字。
☆お造り
美味しすぎます、赤雲丹!天草です。
口に入れたとたん、「あっ」と出たきり、目をつぶっちゃいました。きっと、人としてダメな顔になってしまっていたことでしょう。
「今、日本で一番美味しい」とご説明があったとおり、私的には過去最高の雲丹でした。
めいち鯛は鯛系の脂がのったもっちり。
☆おまけのお造り
「塩をふって酢で〆て、醤油漬けにして、藁で炙ったもの」と私のメニューにはないさわらの説明にほうほうと頷いていたら、木山さんが「さわらはメニューに入ってないですけど、食べますぅ?」とおっしゃってくださったので、首ふりふりふりふり人形になり、ご相伴に預りました。
見えない仕事がしっかりとしてあるなぁ~。
☆焼き物
目の前で、名残の鱧の骨切りを始められたので、鱧の焼き物?と思ったら、穴子でした。
パリッパリッに白焼きにされた穴子。これだけでもあっさりと美味しいのだけれど、しゃきしゃき角切り野菜の入った自家製味噌をつけていただくと、コクのある旨味に変化。
穴子、大好き。
☆八寸?
木山さんでは初めてかも。いわゆる八寸的なプレゼンテーションは。
・子持ち鮎の焼き
木山さんらしい卵を鮎で包み結びしたもの。
で、山椒醤油。
「旨い!」って声にでてしまい、目の前の木山さんがちらり笑い。
・小芋
フリーズしたと聞こえたのだけど、出汁の染み込ませ方のことかな?
・赤こんにゃくと春菊の白和え
この白和えも、旨いって、ほんとに。
・蓮根スライス
しゃきしゃき。
☆揚げ物
乾燥させた岩もずく。
管牛蒡=中をくりぬいて管のようにした牛蒡。
口の中でほろりと崩れる白めばるの淡い白身に、バルサミコみたいな黒糖と酢のソースがとても良い相性。
☆おまけの鱧しゃぶしゃぶ
これも、私のメニューではなかったのですが、目の前で骨切りからしゃぶしゃぶまでじっと垂涎していたら(笑)、ひょいと、ひと切れ出していただきました。出汁、ごくごく。
もうひと切れ。上品な梅ソースかけまで、いただいてしまいました!
感謝です。涎は出すものです(笑)。
☆炊き合わせ
ぐじはあられでまぶして揚げてあるので、表面のぽりぽり食感と白身のしっとり感。
鼈の出汁で炊いています。
鼈のえんぺらをのせて、冬瓜の三角形。
美味しい鼈出汁も、当然、ごっくんごっくん。
☆ご飯
じゃこご飯だけは固定ですが、毎回違う3種類。
全ていただくのが礼儀というものでしょう!
・戻り鰹の漬け丼
・じゃこご飯
・鰻の玉〆丼
・にしんとろろそば
☆桃ジュース
最後に蕩ける果実の甘さ。
☆小菓子
とうもろこしと米粉のクレープ生地に包まれたとうもろこしクリーム。指で摘まんで、ぱくっ。
☆お薄
6月のG20の「首脳パートナーおもてなしプロジェクト」のひとつだった安部昭恵さんが京都東福寺にファーストレディたちをお招きしての食事会で、スペイン料理「アカ」さんとコラボでお料理を担当されたそうです。
どんなお料理だったのでしょう。食べたいなあ!
2019/09/16 更新
2019/06 訪問
【和食:透明なウスターソース!?】
「ウスターソース!?」
素頓狂に声を上げてしまった私に、
「食べてみたら分かります」
と、私の勢いに、やや、ひき気味になりながらも落ち着いて説明してくれた若手さん。
素頓狂になってしまった理由は2つ。
・岩牡蠣にウスターソース???
・ウスターソースが透明無色???
帰りに、木山さんに「透明のウスターソース。面白かったです。」と、お伝えすると、「実は正直に言うと、黒いの作ろうと思って失敗したんです。でも、こっちの方がいいやと、今は狙って透明に作ってます。」と、遊び心満面の素敵なお応え。
楽しい!美味しい!大好き!
私のコースではなかったけど、他の方のお造りを盛り付ける様が、上からソースをかけて、まるでフレンチの一品のような仕上がりになるのも垣間見えて、今回も、味の重なりの美味しさと素材そのものの味わいを期待です。
いつもの20,000円のコース。
☆鰻の飯蒸し
この時期の琵琶湖の鰻。皮の焼き加減、カリカリ。そして引き締まった肉身。1日1本、捕れるかどうかくらいの良い鰻。
タレが鰻屋のそれではなく、あくまで和食の味、木山さんの味。鰻そのものの味わいを深く感じられるように。お皿に余ったタレを指で掬って舐めてみる。上品かつじわりじわりとしみてくる味わい。
☆白海老のすりながし
蓋を開けた時のビジュアルインパクト!
なんだ?
トマト?!どーーん!
国旗かっ。
あさりの出汁が柔らかくて、さらに白海老のすりながしで甘く。トマトの甘さと二重奏かと思っていると、中に潜む冬瓜の透明感とさっくりに絡むすりながしとあさり出汁。
☆雲丹、剱崎イカ、青大豆豆腐
雲丹とイカ。
雲丹と青大豆豆腐。
イカと青大豆豆腐。
雲丹とイカと青大豆豆腐。
全ての食在が甘味なのに、組み合わせて食べても、すっきりとした後味で、特に、3つ重ねると、各々の甘味の波状攻撃に冷やした出汁が絡み合って、至極の甘味が現れる。
目の前で宮津のとり貝が殻から取り出される。
大きな剥き身を見せられて、期待でわくわく。
☆椀もの
はた。蓴菜。三度豆。梅肉。蕪。
梅肉以外は淡白な食材だからか、吸い地は、いつもより、強めの味わい。
対馬海流を泳いでいた「はた」。
一口目の「甘い衝撃」。
どんだけ旨味を出してるの!
どんだけ出汁を吸ってるの!
と頭の中、ぐるぐる。
さらに、出汁を存分に吸った蕪の幸せ。
☆お造り
*こち
噛み応えのある肉厚な切り方。
これに、まずは、花山椒の醤油炊きとわさびをくるんで食べます。この花山椒醤油炊き、あんまり美味しいので、木山さんに「これだけでご飯が進みそうですよ」と伝えると、「これと玉子のご飯、たまらないですよ」と。ごくりっ。
もうひとつは、煎り酒。室町時代末頃からの調味料らしい。醤油よりも上品な味わいで、梅干しの塩味も感じられて、淡白なお刺身にとても良いです。
*とり貝
はらりとふった塩と炭火で軽く炙ることで、とり貝の甘味が爆発。うっとりしてしまう貝の旨味を味わいました。肝は酒蒸しで、とり貝の甘味と調和。
☆のどぐろ
胡麻焼き。白ずいきの梅酢。
「絡まります。これは」と前を通りながら、木山さんが一言おっしゃった通り。
のどぐろの脂とあの30分以上霧吹きで水分を加えながらゆっくりと焦げ付かないように炒られた胡麻が凄い絡みです。
脂と油の絡まり。
なんだ、これ!?ってくらい、美味しすぎる!
のどぐろの脂をさっぱりさせるために白ずいきがあるのでしょうが、不要なくらいに、胡麻の油との絡みで、何故かしつこさが消えて、脂の旨味だけが抽出されています。
☆冷やしもの
岩もずく、毛ガニ、叩きオクラ、パッションフルーツ、雷干しの酢漬け。
パッションフルーツの酸味をベースに雷干しのパリパリ感がアクセント。
☆岩牡蠣
まさかの、カツレッツ\(◎o◎)/。
貝殻の上に、豚カツ的、見せ方。
唐揚げチックな衣の纏わせ方ですが、カツのしっかりとしたザクザク感あり。
中はとろりとしたミルキーな海味。
そこに、透明なウスターソース!!味は完璧なウスターソースだけど、無色なんです。
牡蠣好きでがっつり食べたい私には、最高の逸品。
☆炊き合わせ
すっぽんの唐揚げ。賀茂なす。蓮根の餡。
それぞれへの出汁の染み込み、しみじみ好きだな。
☆ご飯
*フカヒレ玉〆丼:フカヒレほぐしほぐし。
*へしこ出汁茶漬け:へしこが効く効く。
*鮎素麺:鮎の苦い苦い。
*フカヒレ玉〆丼(お代わり)
*鰹節、ちりめんじゃこ、卵ご飯:黄身至福。
こちらの〆ご飯は、毎回、楽しみでどれも期待を裏切らない美味しさ。それぞれ、3回くらいおかわりしたい。。
あっ、醤油炊き花山椒の卵ご飯をお願いするのを忘れてました。
食べたかった。。。
☆水菓子
スイカのゼリー。スイカの中をくり抜いて、その中に、赤い玉のゼリーがたくさん入っていました。
おかわりしてしまいました。
☆甘味
冷やしぜんざい。
お薄。
いきなり、照明が消えて、こちらのお店では、初めて遭遇した誕生日のサプライズがありました。女性3人組の誕生日食事会。
まさか、こんなこともあるとは。
2019/06/30 更新
2019/04 訪問
【和食:木山さんの出汁と料理の技に惚れてしまっている。】
木山さんでいただくお料理は、木山さんが時間と技術とこだわりを尽くされ、時に遊び心(遊び心と言っては失礼なのかも知れませんが、木山さんとの会話やお人柄の中に凄く感じるし、どんな料理店でも私にとっては重要な要素だと思っています)をちょいと足して、いわゆる和食で言われる引き算だけではなく、まるでフレンチのように味を重ねることで素材の美味しさを引き出し、ひとさらひとさらとコース全体とでの世界観と美味しさを創出されていていることを、まざまざと感じます。
ここに、さらに、素材そのものの質の高さが加わっていて、最強になる。
今回、これまでよりも木山さんご自身からお料理の詳しいご説明を聞くことができ、ひとさらひとさらを楽しく、かみしめながらいただくことで、改めてそう感じました。
木山さんの世界に浸れる幸せ。
ずっと、これからも、溺れていたい。
いつもの20,000円のコース。
10,000円のコースでも、お料理の数がふた皿と素材が違いますが、出汁と料理法は同じなので、幸せな世界に浸れることに変わりはないと思います。
☆井戸水のお白湯
お店の井戸水。カウンターに入るといつも炭火炉に鉄瓶で沸かしてあります。このお白湯を飲むとすう~として「ご飯食べるぞ」と気持ちが整います。
☆天縁
天のご縁という福岡の日本酒。木山さんのお酌でいただきます。お酒は飲みませんが、和食での食前酒は縁を大切にし、食事の前の清浄の儀式だと勝手に思って、一口だけいただいています。
☆先付
ほたるいかの出汁で炊いた鮑と一寸豆の飯蒸し。
最初にご飯をいただくのは懐石の道ですね。
飯に染み渡った、姿はないけれど存在感に満ち満ちた、ほたるいか。
柔らかく、噛めば噛むほど旨味がじわりじわりと感じられる鮑。
そして、一寸豆の食感のアクセント。
お米そのものも好きですが、さらに、お米に違う美味しい味が滲みているって、飯蒸しに限らず、なんか、楽しくなりませんか♪カレーライスとか。
☆お吸い物
菜の花のすりながしに、新じゃがいもの饅頭、桜鱒、蕨。
出汁があいなめとぐじでとってあり、更に、味付けにこのわたを使っていると木山さんから追加で説明していただきました。くっきりとしてパンチがあり、とても深い味わい。
このすりながしに絡むじゃがいも饅頭と桜鱒もそれぞれの味わいがくっきりと現れていて、美味しい。
☆貝のお料理
たいらぎ貝の大きな貝殻を器にした貝尽くし。
焼き目のついたたいらぎ貝。赤貝。ホタテ貝。
うるい、かんぞう(山菜)、アスパラガスなどの春野菜を添えて、そこに、貝の出汁餡をかけて、ライムを垂らしてあります。
たいらぎ貝は少し焼くことでしゃきしゃき感が増しているのと、餡出汁が最高。
かんぞうの苦味が貝や出汁の旨味に合って、とても好きです。
☆引き立ての出汁
井戸水なので毎日変わる水の味、昆布出汁の出方に合わせて、出汁引きの温度も変えているそう。
鰹節の削る厚みも変えるために、歯の長さが違うかんなを使い分けされていることも以前お聞きしましたが、出汁へのこだわり、半端ないです。
☆お椀
うすい豆の胡麻豆腐、椎茸、白魚、伊勢海老とふき。柚を散らして。
やはり、美味しい出汁は、椀種を活かす間はさりげなく存在していて、最後にお出汁だけを含むと、種の風味も溶け込んで、ぎゅっぎゅっと旨味が詰まった最高のお汁になるんだあ~。
☆お造り1
素晴らしい!
石鯛を細作りにして網代のように編み上げてキューブにしてあります。中に鯛の白子。
おろしポン酢とお醤油を浸けて、一口でいただくと、鯛の良い具合の熟れ熟れ食感と旨味の中に、滑らかな白子が渾然一体となり、堪らない!
☆お造り2
叩いてのした北海道のぼたん海老。
グレープフルーツで酸味を足して、海老の卵と醤油を合わせて、空炒りしたもので塩気。
叩かれてねっとりしたぼたん海老に絶妙な酸味と塩味のハーモニー。堪らない!の2乗。
☆焼き筍
京都物集女の朝掘り筍を湯がかずに出汁で直炊きして、香りがたつように焼いてあります。
出汁の沁みた、でも、出汁の味ではない、まさしく、筍の旨味と香り。幸せです。
最初の「湯がかずに」というご説明に「うん?灰汁抜きは?」と思いましたが、木山さんのご説明で納得。掘られて30分でお店に届けられ、灰汁が出る前にすぐさま調理されるので、直炊きでも、全く、えぐみがありません。
☆胡麻和え
ぜんまい、こごみ、赤蒟蒻の胡麻和え。
胡麻の油分が出て、ねっとりとして、ピーナッツバターのような粘り。目の前で、ずっと胡麻を煎っていたのを厭きるくらいに見ていたので、美味しさもひとしおです。
☆蕎麦
蕎麦は自家製ではないですが、とても細いけれど、しっかりとしていて、淡いおつゆに合います。
鰻の上にのせられた玉ねぎとともに、フレンチか?と思わせる玉ねぎの白いソースが、淡いおつゆと相まって、蕎麦が引き立ちます。
鰻は身も柔らかいだけでなく、味付けも蕎麦の風味を邪魔しないやわらかさ。
☆油もの
氷魚(この時期、まだあるんですね)、はまぼうふう、新生姜のかき揚げ。
行者にんにく。ばちこ。
油ものといいながら、油っぽくないさくさくといただける天ぷら。
味の濃いばちこを最後に。お酒飲みでない私でも、うひゃうひゃものの旨さでした。
☆ご飯
4種類。何種類でもお代わり自由。
いつもは、少な目4杯の後、気にいったものをお代わりするのですが、今回は全て普通サイズで。
*桜海老のかき揚げの天茶=熱々茶漬けに、桜海老の風味がほんわりと融けていく。
*雲丹丼、アオサ海苔のせ=アオサのりの効かせ方が最高。
*京都牛サーロインの玉締め=うめぇぇ~と牛なのに羊になってしまう。
*じゃこ卵ご飯=定番です。
雲丹丼と牛丼が同時に来てしまい、雲丹丼を先に食べねば、でも、牛丼が冷めないうちにと、しゃかしゃかと雲丹丼を食べてしまったので、お代わりは雲丹丼にしました。2杯目はゆっくりと味わう。
更に、おかか白ご飯も食べたいと思いましたが、雲丹とアオサのりの余韻に浸ることにして、思い止まりました。
☆ブラッドオレンジジュース
愛媛産のタロッコ種という品種。モロ種という品種もありますが、モロッコ種はありません。
☆桜餅とお薄
食事の後、近くの京都御所をふらふらとお散歩。今年も京都の夏は暑そうと感じる、お昼過ぎでした。
2019/04/21 更新
2019/01 訪問
「次のお料理を持ってこないで❗」
とまで、思ってしまった。
「口中に残る余韻このままの状態で、暫く、悦楽の世界を揺蕩っていたい❗だから、次のお料理をまだ持ってこないで❗」
とまで、感じてしまったのです。
全てのお皿がそうだったのだけど、特に、焼きふぐの白子が口中で弾けて飛び出した瞬間に駆け巡った官能に痺れて、久々に、私、宇宙に、ぶっ翔びました。
いただく一品、一品が、胃の中に収まってしまってもなお、視覚と嗅覚と味覚と触覚の刺激が残り続けて、美味しさの幸福に神経が踊り、細胞に美味しさの愉悦が漂う。脳内麻薬状態。
ああ~もう、食事が快楽であることを再認識です。
昨年10月の料金改定で1万円と2万円の2つのコースになり、今回は2万円のコースをいただきました。
☆伊勢海老と黒豆の飯蒸し
お正月らしく、金箔がゆらゆら。
上品に優しくそのエキスが滲みた蒸し飯の美味しさったら❗
お料理全体がしっくりとくる温かさ。
飯の少し硬めと伊勢海老のぷりぷりと黒豆のさっくりな質感。
最初から、キテます。
☆蓮根饅頭の白味噌仕立て
これがまた、つぶつぶに散らしてある柚子の酸と白味噌の甘さの味の重なりに、舌どころか身体中が蕩ける。
蓮根饅頭に雲丹をのせて食べる。嗚呼。
大根と人参の紅白の結び、お正月らしく。
☆蟹と鮑
おろした自然薯とこのわたを混ぜた冷たいお汁の中に蟹と鮑。
蟹と鮑に纏わってそれぞれの旨味を引き出すことは言うまでもないけれど、自然薯とこのわたのお汁は、これだけでもずるずると啜って飲み続けちゃいたい!
ここでも、お料理の温度の大切さを感じます。美味しい冷たさ。
☆いつもの一番出汁を一杯
☆お椀
毎回、あの一番出汁が素材を最高に活かす吸い地に止揚する、こちらのお椀。
澄みきった吸い地に、ふっくらとしたふぐ。
皮身部分もあり、これがまた美味しい。
底に沈んだ、少し蒸して炊いてある大根が透き通っていながら出汁を十二分に吸い込んでいます。
美味しい以外に何も言うことありません。
☆お造り
・伊勢の20kg超えのかんぱち。
・白甘鯛は皮目を炙って。
・駿河の8.4kgの鮃。
醤油やぽん酢も用意されていますが、塩とわさびだけでいただくのが、旨味と脂をとても良く味わえます。
☆鴨
新潟の鴨に新潟のかんずり(唐辛子に柚子や糀を混ぜて発酵させた味噌)。
回りを少し強目に焼いて旨味を閉じ込めた厚目にカットされた鴨。そのままでも、とてもジューシーだけど、かんずりをアクセントにすると甘さが引き立って、より旨味を感じます。
☆和え物
・茶ぶりなまこにおろし大根のぽん酢。
・数の子、堀川ごぼう、菜の花のゴマ酢和え。
お正月らしく。
ぽん酢もゴマ酢もとても繊細な味で、ひんやりとした温度感もあり、このタイミングで、素晴らしい口休めです。
☆ふぐの白子
目の前に炭火鉢が出てきたところから、テンションアップ⤴️。
串に挿されたふぐの白子登場で、さらに⤴️⤴️。
木山さんが絶妙に火を入れてくださいます。
少し焦げ目も入れて、お皿に盛られるとお餅みたい。でも、既に、ふわっと海の香り。
鱈の白子では味わえない芳潤な豊潤が口の中で弾けたぁ✨✨✨。うっとり。
☆天ぷら
・はまぐり。もう、こんなに大きくて美味しいはまぐりがいただけるんですね。
・京かんざし。若取りの金時人参。舞妓さんのかんざしのように細く、艶かしい甘さ。
・蕗の薹。もうはや、春の苦味。
もろみ味噌には、奈良漬なんかも混ぜられていて食感もよろし。
☆ご飯
毎度お楽しみな4種類の〆ご飯。
・白魚の玉〆
・ホタテの雑炊
・牡蠣の出汁茶漬
・ちりめんじゃことかつおぶし
いつもの如く、普通に4種類をいただき、さらに、白魚の玉〆をお代わり。
〆の〆に、いつもの、かつおぶしにお醤油たらりご飯。本当に、毎回、「余は満足じゃ」。
☆ 甘味
・絞り立てのでこポンジュース
京都では流行りなのかな。最後の果物生絞りジュース。
・紅白たまぜんざい
小豆が大きくてしっかりとした甘味。
そして、お薄。
帰りは吹雪で、いつものように歩き回れませんでしたが、幸せホルモン出まくりの私は京都から神戸の電車の中で天国に翔んでいました。
ただ、美味しい夢見てヨダレ垂らして眠ってただけですが。。。
2019/01/27 更新
2018/10 訪問
やっぱり好きです。
やっぱり美味しいです。
7月に初めてお伺いして、とても好きになった木山さん。その場で次は秋の味覚をいただこうと、この時期を予約していました。
秋と言えば、松茸。
今回、追加で焼いてもらいました。
食べちゃいました。
旨いっ!!
だって、カウンターの前に山盛りで置いてあるんですもん。気になって気になってしょうがないです。コース終盤に申し訳けなさそうに「実はコースには入ってないんですが、、、」と山盛り籠を目の前に出されて薦められると、制御不可能な食欲は弾け飛んでしまい、薦められるままに、追加で焼いてもらいました。
今回も、やはりこちらの真骨頂である出汁の旨さをひときわ感じました。
それが、鱧のお椀とくえの炊き合わせ。
今回の出汁は鮪節の甘味が前回よりもより強く感じられ、鱧真丈とくえの旨味と相俟って最高でした。
お料理が始まる前に鉄瓶で沸かしてある井戸水をいただきます。京都は地震や台風の水害がありましたが、井戸の水は健在、というよりも、以前にもまして円やかになっていると思います。
食前酒に福岡の天縁を木山さんのお酌でいただき、始まりです。
☆子持ち鮎 栗おこわ
さらに栗を削ってぱらぱらと振ってあります。栗の身の塊だと割りと強い栗の甘味が削ってあることで淡く感じられて爽やか。充分に火を入れられた子持ち鮎の苦味と共に秋らしい先付。
ここでお馴染みの、鰹節を削る木山さん。削られた荒節、本枯節、鮪節を1枚ずついただきます。
☆車海老 かぶら 銀杏のすりながし
銀杏ってこんなにすっきりしてるんですね!車海老の甘味が際立ちます。
☆黒鮑 焼き茄子
生姜を乗せて、鮑の出汁が効いたとろみ餡。鮑がとても柔らかく、出汁と絡まって最高。焼き茄子も出汁餡を吸ってじゅわわ。
☆出汁
香深の昆布出汁に3種ブレンド節でひかれた出汁を一杯。前回より上品で円やかな甘味/旨味を感じられます。
☆お椀
鱧真丈が面白い!鱧の子が加えられていて、粒々食感も味も新鮮で美味しい。それをお伝えすると、「鱧の子を加えて初めて作りました」と、ニコニコ顔の木山さん。
松茸と鱧真丈と澄んだ出汁の三重奏から、さらに、真丈を崩した時に出てくる鱧の子が出汁に混ざりあって、これは口中幸せ以外のなにものでもないです!
☆お造り
縞鯵。縞鯵は鮮烈な脂身が大好きなので嬉しい。
愛菜鰹、皮目を焼き。身がとてもねっとりとして皮とのコントラスト。
髭だらを昆布締め。髭だらを初めていただきました。たらと言いつつ鱈の仲間ではないそう。昆布締めしてあるからでしょうか、とても旨味が強い。
☆伊勢海老 白いちじく
伊勢海老には、伊勢海老の出汁にこのこ(くちこ)を合わせたとろみ。
いちじくには、ごま和え。
海老のぷりぷりに纏わるとろみで口の中が美味しくてたまらない。
ごま和えの上品さがいちじくの甘味をさらに引き立てて。
両方を合わせて食べると、思わず「ふへへへへ」と破顔してしまいました。
前回はど真ん中に座ったのだけど、今回は前回同様一番に入りましたが、場所を変えてみたくて一番奥に座りました。で、目の前で、二番手さん(?)がお漬物のきゅうり、大根、コリンキーに包丁を入れられるところを見せてもらいました。技でした!
☆蕎麦 なめこ 辛味大根
蕎麦はお知り合いのお店で打ってもらったとのことですが、口休めとして、すっきり。
なめこ、大きいです。
☆もろこ 香茸 とうもろこしの天ぷら
「もろこって、この時期ですか?もう少し後かなと思ってました」と木山さんにお聞きしたら、とても楽しいお答えが返って来ました。なるほど。そのとおりのお味でした。
香茸の天ぷらも美味しい。とうもろこしも甘い。
☆松茸 焼き
私は岩手産の松茸を。お隣の方は和歌山産を召しあがっていらっしゃいました。
目の前で、炭火で、木山さんが焼いていただいたのですが、「部位で火のとおり方が違うので、4箇所にちょうど良く火が通るように焼くのは簡単なようで難しいんですよ」とのこと。慈しむように焼いていただき、ありがとうございます!
焼いて手で割いて、ふくよかに立った香り。香りまで写真に撮れたらいいのにとその場にいらっしゃった皆さんの声、声、声。
ピンクソルトとすだちが添えられていますが、焼く前に、木山さんがふられた塩加減だけで絶妙な味わいでした。
☆くえ かぶら ゆば 金時草の炊き合わせ
美味しかったあ!
くえの旨味が凄かった。こんなに旨味溢れるくえは初めてでした。寝かせ加減が最適なんでしょう。焼津産とのことでしたので、前田魚店だということもありますね、たぶん。炊き合わせの二番出汁もくえの旨味を引き立てて素敵です。
☆〆のご飯
鯖ずし、イクラ丼、秋刀魚フライの玉〆、鰹節・ちりめんじゃこ・卵黄身ご飯を、またも思う存分にいただきました。
こちらの4種類の〆ご飯が大好きです。
☆甘味
・ピオーネのシャーベット
・焼き栗
今回は前回と同じ夜のコースに松茸焼きを追加したので、22,500円でした。
10月の予約から昼夜とも10,000円と20,000円の2コースになりましたので、お昼に夜のコースをお願いしなくてもよくなりました。
次回はお正月に。
2018/10/08 更新
2018/07 訪問
京都は祇園祭。町のあちこちに山車があり、お昼でも着物姿の人で賑わい。でもとんでもなく暑い!
地下鉄烏丸線の丸太町駅の5番出口からすぐ。私は20分位前に着いてしまいましたが、まだ、玄関前に打ち水をされているところ。マンションロビーの中で待てるので助かります。お店はマンションの1Fにもかかわらず、ちゃんと玄関までの石畳を作られていて素敵。店内もカウンター席の所しか見ませんでしたが、まるで茶室にいるような佇まい。
私は最初に着いたということで、一番に店内に案内していただきお好きな席にお座りくださいと勧められて、ど真中の特等席に座ることができました。カウンター9席。満席です。他に完全個室と離れたカウンター席があるそうです。
お昼でしたが、夜の15,000円のコースをいただきました。
・白湯
始まりはお店専用の井戸水の白湯。開店に当たって水脈があるとのことで庭に井戸を掘ったそう。とてもまろやかな口当たりと含みとのど越し。全てに井戸水を使われている。
帰りに周辺を歩いて見ると、造り酒屋が有って水の説明板もあるので、確かに水脈があるみたいです。
木山さんがザクザクザクザクと目の前で鱧の骨切りを始める。とても綺麗な鱧が身をふわふわと立てて切り身になっていく。
・食前酒
伏見の松の翠を置かれていた赤い杯でいただく。すっきりした口当たり。
・鮎 飯蒸し
鮎の一夜干しと鮎の骨で取った出汁を使った飯蒸し。飯への出汁の染み具合がいきなり旨い!
かつお節登場。鹿児島枕崎産。
カビをつけていないかつお節。カビをつけたかつお節。マグロ節の3種類。これを目の前で削ります。
井戸水なので毎日成分が変わり、水の味も変わるそう。それに合わせて、3種類のブレンド具合や削りの厚みを変えるとのこと。かんなの歯を3種類用意されていたのはそういうことでした。
カビをつけない荒節と2年熟成のかびをつけた本枯れ節の削り節を1枚ずつ渡して下さり、そのままいただきます。
・すりながし
枝豆のすりながし。鮑の下にごま豆腐が隠れています。柔らかい鮑や少しそのものの味を抑えたごま豆腐に枝豆の優しい温かみ。
・加茂茄子と玉味噌
少しだけ揚げて旨味を閉じ込められた茄子に纏われた此方の玉味噌はとてもまろやか。茄子も大きなポーションながら、柔らかく。スナップえんどう。根室の雲丹。青ずいき。ホタテが乗せられていて、ぱらりと紫蘇の花。
目の前で、礼文島香深港の利尻昆布を2日間水出した昆布出汁にブレンド節をじわりじわりとかけて、何も足さない出汁を取る過程を見せていただきます。その出汁をそのまま飲ませていただく。
・お椀
このお出汁に絶妙な塩梅で味付けされたお椀。木山さんの真骨頂でしょう。澄みきったお出汁に甘みのあるぐじ。ぐじの油がほわほわと浮かび、一口飲む毎に口中に幸せが広がり、ずっと旨味が残ります。揚げて皮を剥いた千両茄子は先ほどの茄子とは食感が違う歯応え。白瓜と蓮根スライス。柚須の香。
・鱧の落とし
軽く湯引きされて井戸水で〆てあり、はんなりと温かみと柔らかみがあります。優しい梅肉ソースと山葵がとても合います。
・鰻の印籠焼き
かりっと焼かれた皮、ふんわりとした身。朧気なタレなので、塩を合わせると、とても美味しさが増します。
・岩牡蠣
目の前で包丁を入れ塩をぱらりと振る木山さんが「これは濃いですよ」と仰るとおり、見た目から分厚い身と艶かしいピンク色にうきうきして、口に入れると磯の香りと濃厚ミルクと塩気がじゅわっときて、牡蠣好きの私には幸せ以外のなにものでもありません。すだちを振る必要もありません。
京都の鷹峯唐辛子は全く辛くありません。
・炊き合わせ
新小芋、蛸の柔らか煮、南瓜、冬瓜、さやえんどう。このお汁が淡いのに具材に染み込んでいて美味しい。
・揚げ物
愛菜鰹といちぢく。揚げた愛菜鰹ってどうしてこんなに美味しいのでしょう。キュウリおろしですっきり。
・酢の物
木もずくに叩きオクラとパッションフルーツ。
ここからのご飯が凄かった。
凄かったというのは私がいただいた回数も凄かったのでした。だって美味しかったんだもん!
・鱧寿司
鱧は蒲焼き風に。
・ふくの天ぷらの玉〆
ふくの天ぷらほど旨いものはないでしょう。玉子丼も卵が濃い濃い。
・鱧雑炊
うひゃうひゃ、お汁が滲みます。
・またも鱧寿司(笑)
・かつお節とちりめんと卵の黄身を乗せてたらりとお醤油のご飯
・かつお節と卵の黄身にたらりとお醤油のご飯
・お焦げにたらりとお醤油のご飯
よく食べました。よしよし。
・デザート
桃のアイスクリームとつぶ餡で巻いた葛餅
・最後はお弟子さんが目の前で立ててくれるお薄
私は陶器に何の知識もないのですが、他のお客様とは使用されている食器についてもお話が弾まれていました。
食材も厳選されているように感じられます。魚は焼津のサスエ前田魚店からも仕入れされているとのこと。7/22放送の情熱大陸でもこのお魚屋さんが取り上げられています。もちろん、観ます。
次は、秋に。
2018/07/18 更新
前半、〆前、〆がいつにもまして沁みました。
しみしみに支配された本日のお料理たちでした。
しみじみ~。
☆白湯
こちらではお料理の前に井戸水のお白湯を必ずいただきますが、このお白湯がいつもより甘く柔らかく感じられて、初めてお白湯をお代わりしてしまいました。いきなり、沁みました。
☆白海老の飯蒸し
飯蒸しが普段よりも水分が多くておじやみたいな仕上げになっていました。お米の水分に白海老の風味が強く感じられて、沁みました。
☆すっぽんの小椀
素晴らしかった!
一点の濁りもない凄く清くて上品な味のすっぽんスープ。酒と塩と木山さんの水だけ。
スープだけで完結しているので、他の具材は要らないと思えるくらい素晴らしい。
雑味が出ない、でも、旨味を出しきる、最高のタイミングですっぽんをスープから取り出しているんだろうなあ。うううう~、沁みました。
飯蒸しとすっぽんについては帰りに木山さんにも直接お伝えすることができて、木山さんもニコニコで頷いていらっしゃいました。
☆賀茂茄子
すっぽんで「沁みます」は一段落かなと油断していたら、次の賀茂茄子がまた素晴らしい。
夏茄子ですもの分厚い塊でもぎゅうと身がしまっているところに出汁がしみしみなんです!
雲丹、青海苔、山かけ山葵が効く効く。
夏茄子にしみしみの出汁、出汁がしみしみの夏茄子、あ~ん、沁みました。
☆炊き合わせ
〆の前の炊き合わせ。ぜんまいを蕎麦のような感じで湯葉で巻いたものと鱧はんぺんの炊き合わせ。出汁を纏ったアスパラガス甘味を内蔵した鱧はんぺんがじゅわりと、出汁の沁みた湯葉巻きぜんまいがじゃきじゃきと、沁みました。
☆水菓子
夏の定番。2日前から始まりました!
西瓜ボール。
西瓜をまるごとくりぬいて和三盆ゼリーをたっぷり注ぎ、そこに肉団子サイズの西瓜ボールがたくさん浮かんでいます。
これ好きだよ~~。ゼリーの甘味が丁度よい塩梅なので西瓜の甘味が沁みるんですよ~。
(ちょうど2年前の6月のログに写真がありました)
面白かったのは、
*お椀の種がタコだったこと。
「たぁ~こぉぉ~!!」って頭の中で叫んでしまいした。タコのお椀って初めて。
挑戦か!?
冒険か!?
と思いましたが、食感は柔らかくタコ味がじゅんじゅんきて、これは、否(いな)寄りの是(ぜ)。
*お造りへのアプローチ。こちらでも、いさきが出たのですが、木山さんは素材そのものの味よりも独特の醤油とシャリたれで食べる併せ技。
*岩牡蠣を追加(1,600円)でいただいたのですが、これはこれで良いけど、圧倒的に先日の岩牡蠣の方が勝ちだなあ、と思ってしまったこと。。。
*〆のご飯。いつももう一杯食べるのに5種類を1杯ずつしか食べられなかったこと。
へしこの茶漬けをもう一杯いただきたかったなあ。タイミングを逃してしまい、ぐすん(泣)。
ご時勢ですね、7月から20,000円が25,000円に料金改定です。