4回
2021/10 訪問
再々・最高の味、空間、サービス
何とも約1年ぶりの西川。今回も来れたことに感謝。
味、空間、サービス共に変わりなく、いや皿の工夫は重ねられていて、今回も大満足。
いただいたのはこの通り(名前は勝手に名付けたものあり)。
・梅肉添え茶碗蒸し
寒くなって来たのでホッとする。
・松茸と雲丹の鯛巻
見ただけでも美味しいさ満天の組み合わせ
・イワシといくらのコラボ
初めての組み合わせに脱帽。生クリームと竹谷味噌が旨さを更に広げている。水牛のスプーンも味わい深い。大将に怒られるかもしれないが、本日の1,2を争う素晴らしい味わい。
ここで序盤だと言うのに早くもビールを平らげて醴泉をいただき始める。
・鱧と松茸のにゅうめん
大将に見せてもらった松茸がたっぷりで出汁に滲みている。きつすぎない匂いがまたいい!
・早めに玉登場!ここから鮨だ!
・名物の車海老冷水塩締めと茶釜蒸し
相変わらず立派で色鮮やかな車海老。冷水は新鮮さが、蒸しの方が海老の香ばしさが立つ。
・平目の昆布締め 柚子山葵添え・・・大好きな平目が甘い!そこに柚子山葵が決める!
・鰆の藁炙り
以前にも藁炙りはいただいたが、匂いの付きが手早いそうだ。良い香りが鼻を抜ける。
ここで酔鯨に移る。良いペースだ。それもそのはず。この日はこの後に九平治も2合頂いた...
・海老頭焼き
ひたすら香ばしくてサクサク。
・輪島岩もずくのやまがけ
これまた大将に怒られるかもしれないが、本日の1,2を争う一品。巨峰、ラフランス、甘酢を合わせた奇跡のコラボ。どうやって創造するのか?勿論皿だけでなく、どの鮨も最高である。
・土肥の本鮪赤身漬け
どれほど寝かしたのか分からないが鮪とタレが一体化している。なかなか食べられない味。
・トロのアオサのり入り
ただでさえ旨いトロにアオサが加わって海鮮の王者。
・甘エビの共和え
ただ甘いだけではなく、良い意味での海老臭さが濃厚に絡む。
・わさびだし
本日の素材たちの出汁が合体。
・イカ雲丹サンド
前回も堪能したが既にマブダチのイカと雲丹。写真を忘れて口に放り込んだほどだ。
・穴子
ベタっとしたタレはなく、しっかり味が滲み込んで身もしっかりした技の一品。
・いなり
しそ、ゴマ、わさびの風味を一緒に楽しみながら最後の鮨をいただく。
・赤出汁、玉子
美味しい時間が終わりに向かっているのを一番感じる時である。
・焙じ茶くずプリン
今回は水菓子も変化あり。焙じ茶大好きなので嬉しい変化。焙じ茶の味が濃厚でたまらない。
大将や女将さん、お客さんとの適度な会話を楽しみながら、あっという間の3時間。曜日にもよるが、大将たちは夜の1部、2部がある日もあるそうだ。朝から仕入れに仕込みで休む間もない。このスタイルはどこかでは切りをつけるそう。
そんな人気店。来る前の評判では2022年の予約も取れないと聞いて諦めていたのだが、一応聞いてみると2022年11月頃なら予約が取れるそうだ。喜んで予約させてもらった。また1年間、楽しみに待とう。
今日も笑顔に送られて店を出た。
ご馳走様でした!!
2021/11/15 更新
2020/11 訪問
再・最高の味、空間、サービス
2020年2月の訪問から約10ヶ月後の11月。西川を再訪問した。予約をした時にはだいぶ先だなあと思っていたが何かあっという間である。年のせいなのであろう。先に書いてしまうとランチでお願いしたら次の予約は2021年の10月。ほぼ1年待ちだ。人気は上がる一方なのであろう。こんなペースで待つのものいいかもしれない。
店は店の多いエリアからは離れているので前回はちょっと迷ったが、ひっそりかつ洒落た入口に今回は15分前に余裕を持って到着。店は10分前に空けてくれて以前と変わらぬ大将、女将さん、目標を持つ店員さんの2人が温かく迎えてくれる。女将さんがお好きな席にどうぞと言いながら上着を預かってくれる。2回目なのに入り込みやすい店の雰囲気も人気の理由の一つであろう。
今回もランチ1万円のコースをいただく。自分は瓶ビール、嫁さんはメニューにはなかったノンアルのワインをお願いする。お酒に詳しい女将さんはメニュー以外にも日本酒を中心に色々と揃えているようだ。酒類は瓶ビールをもう1本いただいた後は女将さんが並べて説明してくれた日本酒から選んだのだが、芸なく前回と同じ醴泉と九平治をお願いした。でも自分には正解。そう言えば、空を知らせる鳴き声をならす「鳴き徳利」が可愛かった。料理皿にもスヌーピーありで遊び心も感じられる。
前回と重複もあるので詳細は省くが、鮨も皿もどれも変わらず旨かった。
・梅添え茶碗蒸し
・真鯛刺身
・イワシの西京焼きといくら
・甘鯛とカラスミの昆布だし
・石川産岩もずく
・冷水締め車海老
・蒸し車海老
・平目昆布締め 縁側仕込み
・鰆の藁燻り
・こはだ
・車海老頭焼き
・天然シマアジ
・三河産蛤
・玉
・大間産本鮪ヅケ
・大間産本鮪トロ
・本日の出汁
・すり身イカ&イカとウニ
・穴子
・稲荷
・赤味噌
・玉子
・苺大福
寒い時期に有難い茶碗蒸しから始まり、目の前で作られていく苺大福で〆てもらった。
どの皿も唸るほどで実際嫁さんと唸っていたのだが、今回で言うとイワシの西京焼きといくらが最高。こんな絶妙なコンビはなかなかないと思う。イワシに言い方はは悪いが良い相棒がいたものである。
鮨も同じくどれを食べても笑顔になる。名物ともいえる冷水&蒸し車海老に香ばしい頭焼き、プリプリミルキーな立派な蛤、時期によって産地を変えて提供する本鮪、すり身も入ったイカとウニの
甘さ対決巻などなど。
その中で強いて言えば大好きな平目が特に旨かった。中に縁側も仕込んだ一品。意外とこの組み合わせで平目を楽しんだことがなかった。当然なのだろうけど平目の縁側には平目の身が合う!単独ばかりで食べないように覚えておかなくては。
大将とも結構話ができた。ネタの仕入れの話までしてくれる。TVの取材もあったが中堅のスーパーと協力し合っているのだ。ルートや目利きをスーパーに教え、スーパーからは量のコスパを活かした価格で仕入れる。だからこその価格なのであろう。「うちのネタはスーパーと一緒ですから
。」と茶目っ気タップリに大将が言う。それでも毎日時間が足りないよう。その努力とサービスを受けさせていただき有難うございます。
再度、最高の味と空間、サービスを満喫した3時間であった。
10月の再会を期待しながらゆっくり待ちたいと思う。
ご馳走様でした!!
2021/01/04 更新
2020/03 訪問
最高の味、空間、サービス
フォローしてる方が絶賛していた西川を漸く訪問する日がやって来た。
昨年の12月1日に嫁さんに電話をかけまくってもらったのだが全くつながらず一旦は諦めた。流石人気店である。が、諦めた後、お店から折り返しの電話があったのだ。約4ヶ月も先となる3月の日曜なら空いているとのこと。どうやら繋がらなかった客に対して女将さんが手の空いた時にかけ直してくれるらしい。というものお邪魔した時に大将から聞くには色々な方に来て欲しいので3割ほどは新しい客のために空けておくみたいだ。新規には嬉しいし、店にとっても上手い商売だと思う。そうはいってもランチのみらしい。夜は相当先まで埋まってしまっているようだ。
さて店の位置はというと名古屋駅よりは国際センター駅近く。ちょっと店の多いエリアからは離れている。余り慣れていない場所なので予約の12時よりも余裕を持って向かったのだが近くに行けどそれらしき店がない。地図が指すブロックを一回りして漸く店らしき1画を発見した。通りから小さな路地のようになっている所に扉がある。近付くと看板というよりはひっそり西川と書かれた表札を見つけて安堵したのであった。予約をして目的を持った者でないと入ってこないための工夫だろうか。単純に造りとしても落ち着いていて良い感じである。
扉を開けて中に入ると、早速女将さんが名前を確認してカウンターの右端の席に案内してくれた。カウンターは全8席。左端には4人組の年輩の女性客とお隣に年輩のご夫婦という組み合わせ。このご夫婦の旦那さんがお鮨に詳しく、大将から話を引き出してくれたり、お薦めの鮨屋を教えてくれたりと色々と勉強をさせていただいた。先輩、有難うございました。
席に着くと大将らしき方とは別にお弟子さんらしき方も2人。客側は8人なので2人に1人の対応となる。贅沢な扱いを受けている。そのお弟子さんの1人が元気よく「加藤です。よろしくお願いします。」とおしぼりを提供しながら挨拶に来てくれた。後で聞くと弱冠22歳とのこと。もう1人の方は上田さんで自分の店を畳んで大将の元で修業し直しているそうだ。大将曰く、独立する気がないなら辞めてもらうが独立する目標を持って頑張らせているそうだ。お2人とも大変そうだが志が高い。
さて余りの嬉しさに前置きが長くなったが、ランチは1万円のコースのみ。まずは瓶ビール900円をお願いする。鮨の前にまずやってきたのは具はない梅肉だけを載せたシンプルな茶碗蒸し。熱々の蓋が提供される前に水で冷やされる。丁寧な仕事である。シンプルと言えど出汁は上品かつしっかりしている。この出汁はその日に使用するネタをベースに採ったもので早朝からとにかくあく抜きをしてクリアにしているそう。色々な料理に使用しているそうだ。後半に提供される山葵の吸い物でその美味しさを存分に味わえる。
続くのは石鯛の刺身、稲庭うどんとアワビ、アオサの酢の物。
石鯛は三重の天然。石鯛というだけで高級であるが、昆布醤油を添えられたそれは歯応え抜群で味も奥に甘みがある。アワビは肝付きで目ネギと卵黄と合わせる。これまた昆布醤油で統制されて一つの作品。青さは苦手な酢が突出することなくトロロと山葵で青さの香りを引き立てる。ここまでで鮨前である。既に嫁さん共々幸せ。
ビールを空けて次は岐阜は小左衛門 醴泉1,500円をお願いする。この日はお酒に弱い嫁さんも一緒にチビチビ。前菜で分かっていたことだが、器も料理と酒にあったものが揃えられている。驚いたことに大将はお酒が飲めないとのこと。すいませんがお顔からは想像もつきません。恐らく女将さんが酒をセレクトなさっている?4名のお客を相手に1升瓶を並べて説明していた。
始まった鮨パレード。出だしから凄い!大将も認める立派な天然車海老。
身も十分に大きいので冷水締めと湯煎の違った味わいを楽しませてくれた。冷水締めは塩とカボスで、湯煎は生醤油で。甲乙つけがたい。兎に角、どちらも素晴らしい。コリコリ硬いのに淡泊ではなく甘みがあふれてくる。シャリは赤酢で茶色ながら酸味はほんのり。小ぶりで柔らかく握られているのに崩れずにネタと一体となっている。車海老の4ショットは撮って来ましょうか?と自ら聞いてきてくれた加藤さん撮影の物。とことん良いサービスだ。
目の前の七輪で仙台牛が焼かれている間に出てきたのは真鯛の昆布締め。
ゆずが効いた真鯛は石鯛よりは柔らかくさっぱりしている。
焼かれていた仙台牛。
昆布締めに加えて行者にんにく醤油で整えられた一品。本当に舌に触れた瞬間に口の中に甘みが広がる!そのままトロっと溶けてシャリと一体となる。いやあ肉も旨い。
先ほどの車海老の頭が焼かれた品。
海老の色と九谷焼とのコラボも面白い。中は柔らかく殻はパリパリと香ばしい。
ここで玉。
ネタ鮨はげたの中央に置かれるが玉は隅に置かれる。甘みが抑えられ玉子そのものを味わえる。
穴子のつめがかかった蛤。
シャリから暴れる立派な大きさの蛤は十分水分を取って提供される。その分良い歯ごたえと共に貝らしいミルキーな甘さを味わえる。つめは濃過ぎず蛤の味を邪魔していない絶妙なバランス。
富山産ホタルイカ
形のシッカリとした新鮮なホタルイカは生姜醤油で味わう。小さいイカなのにイカ本来の味に別格に旨い味噌の味まで残っている。いやあ今までで一番のホタルイカだ。
マナガツオ
塩昆布で味付けされたマナガツオを藁で炙っている。香り付けには藁が手っ取り早いらしい。でもその一工夫でちょいと淡泊になりがちなマナガツオが一層美味しくなる。そしてここらで勢いづいて愛知は醸し人九平治2,000円を注文。1升瓶も持って来てくれた。鮨にも合う銘品。
海苔巻きのどぐろ
海苔と共に手渡されたのどぐろは皮が焼かれて何とも香ばしい。この皮と身の脂の甘さを海苔がまとめている。大将曰く、顔が綺麗なのどぐろはダメで尻尾が太いものが旨いらしい。
長崎産本マグロ
マグロが出て来て終盤戦。この時期は小ぶりで40kgほどの赤身を昆布締めして水抜きを行って漬けに。優等生な形と色の見た目通り上品な味わい。ネタも無論違うであろうが、処理と味付けでこうもマグロは変わるのか。
同トロ
赤身の中に脂身が高級な牛肉の様に綺麗なサシが入っている。とはいえ、くどくはなく丁度良いバランス。寒くないとこの味は無理で次は勝浦に移り、暫くは海外産が美味しくなるそう。マグロの旨さに押されて更に酔鯨。日本酒が進んで仕方がない。
ここで一息がつく。色々親切に教えてくれる強面の大将が「自分が嬉しいことは何でもやる。右へ倣えはダメ。」と仰っていた。それが店の店員さんの全面に出ていると感じた。西区で鮨屋を開いている頃の苦労も背景にあるそう。苦労は後の人を支える。
と一息ついたところで出てくるのは冒頭に書いた山葵の吸い物。残念ながら美味しかったトロをリフレッシュ。
イカとウニの海苔巻き
勉強不足の自分はイカとウニの相性の良さを初めて知った。海の香りと甘みを堪能できるウニに歯応えがあり、その甘さを邪魔しない程度の軽い甘さのあるイカは何とも良いコンビ。ウニだけより断然いい。
タレなしの穴子。
蒸してタレのかかっていない穴子も初めて食べる。ややもするとタレの味だけがする穴子が多いので余り好きではなかったが、この一品は穴子を味わうためのもの。タレがなくても穴子は旨いことを知ることが出来る。蒸し加減のお蔭でフワフワ感さえある。恐れ入りました。
いよいよラストスパートでいなりと味噌汁、今度はデザートっぽい甘めの卵。これに続いてデザートがは目の前で作られていく章姫の大福。最後の一連のメニューも良く考えられていてお腹も心も落ち着いていく。最後の大きな湯飲みで提供されるお茶で本当の〆。全てが満足できるコースであった。
帰り際に大将と加藤さん、上田さんの3ショットを頂いて帰路へ。大将とメインで担当してくれた加藤さんが扉の外で見送ってくれる。最後まで晴れやかな笑顔である。外も晴れていて何と気持ちの良い午後か。
ミシュラン東海二つ星とは知らずに訪問したのだが、ミシュランとはこういうことかと思い知らされた。最高の味と空間、サービスを満喫したあっという間の3時間であった。
次の予約は半年以上も先だけれども必ず伺います。
ご馳走様でした!!
2020/04/05 更新
本日は待ちに待った西川ランチ。
4回目の訪問となる。
良い意味で大きな変化はなかったので旨かった寿司たちを記しておこう。
飲んでも優しい茶碗蒸しから始まった。
海苔醤油とばっちりの相性である真鯛の刺身。
ビールから始めていたがこれだけでいくらでもいける。
最初の酒は御代桜にした。何ともフルーティ。
余市のあん肝は新鮮過ぎ。こんなの次は何時食べられるのか。
松前漬けはたらこと帆立と子持ち昆布の組み合わせ。大将のセンスは変わらず高い。
ゴマ豆腐は白子の擦り流し。贅沢過ぎる。
鮨の前でノックアウト状態。
ここで九平治を投入して鮨へ。
玉のクッションを挟んでからの名物車海老。
2%程しかないサイズで80gあり色も丁度いいらしい。
焼いて蒸して、香り良しの頭もいただけば最高。
松川カレイの昆布締めは柚子山葵と。シンプルな旨みにアクセント。
コハダは酢橘醤油で。どんだけ木目細かいんか。苦手な酢が逆に旨い。
脂肪率20%を越えると言う三重県産鰆は脂がノリノリ。藁の香りも加わって昇華している。
箸休め的に山芋と石川岩もずく。箸休めと言っては失礼な一皿。
本鮪の赤身は旨い血の塊。トロに至っては肉だ。
この日の出汁と山葵を合わせた吸物をいただくころには而今も追加。
以前にも感動した組み合わせの雲丹イカ巻。
ほうじ茶で炊いたという穴子はホロホロ。
玉2種目と稲荷、デザートでフィニッシュ。
本日も言うことなし。
お土産に太巻きもお願いしたので会計は2人で32,000円ほどになってしまった。
さて、次の幸せな時間を過ごさせてもらおうと1年先を覚悟して次回の予約をお願いしようとしたが、電話をかけ直させて欲しいとのこと。
1ヵ月間ほど結局かかってくることはなく、こちらからかけてみると2023年一杯埋まっていて予約できないとのこと。色々事情があるのだろうがモヤっとした。
お店とは別のところから2023年4月よりランチ11,000円が1万6-7千円に上がると聞いた。
ここまで来ると自分では難しい価格帯だ。
幸せな時間を過ごせなくなるのは残念だが、今回が最後の訪問となろう。
ご馳走様でした!!
現在鮨屋探索中。