raccostarさんが投稿したすが弥(東京/赤羽橋)の口コミ詳細

美味いものは小デブに訊け

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すが弥赤羽橋、麻布十番、芝公園/寿司

29

  • 夜の点数:4.9

    • ¥60,000~¥79,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.5
29回目

2024/03 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

菅谷氏の舎利

土曜日の夜です。

東麻布です。

今夜はおよそ三か月ぶりのこちら、【すが弥】さんにお伺いしました。

今年に入り、『ズワイ蟹に鱶鰭を合わせてみようと思います』なんてご案内をいただいておりましたが、なかなか都合が合わず、三月になってからのお伺い。

ズワイ蟹はギリかな・・・、なんて、でも、まっ、いっか!虎河豚白子も鮟肝もあるだろうしなんて高をくくっていると、アイヤァ、来週からは虎河豚もズワイもオシマイということでああっ、良かったぁ、ギリギリセーフやねんな、アハッ、と一安心。

新国立美術館からノテノテと歩いて六時十分前に到着すると、既にインバウンドのカップルとお一人様の男子が外でお待ち。ほどなくご夫婦と思しき二組がいらっしゃり、八名が揃ったところでちょうど扉が開きます。

さてさてそれでは本題。
いただいた内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
素材の地味と滋味をいかす薄味のお鮨も好きですが、こちらの濃ゆい味は別枠。
なんといっても酢の立った舎利が口に合う。聞けば舎利が全ての背骨とのこと。先ずは舎利ありきで、それからこの強い味わいをシカと受け止めるネタを揃えるという段取り。
なるほどなるほど、脂を蓄えたネタは更に熟成させ、淡白な白身は寝かせて旨味を凝縮、青魚は強い酢で小骨を溶かします。
この仕立てがなんとも口に合う。
握りの仕舞い際に入ると、頬っぺたの裏側まで〆られたような感覚に襲われますが、でも大丈夫。今宵はズワイ蟹と鱶鰭のオジヤで完全中和。
こればっかりは好みですし、超高級店としての価格設定ですが、ホンモノの舎利を味わいたい方、強めのガツン味が好きな方、ピンの中のピンネタを愛する方には、是非ご賞味していただきたいお店のひとつです。

<つまみ>
⚫︎お造り:
 ・メジマグロ:赤身
 ・真鯛:小柴
 ・平貝
 ・小柱
⚫︎メジマグロ:バターソテー、トリュフチーズ
⚫︎帆立:天然、XO醤、有明海苔
⚫︎鮟肝
⚫︎唐墨
⚫︎虎河豚白子:リゾット、馬糞ウニ

<握り>
今夜の鮪は舞阪の一本釣りです。やま幸さんのピンピンです。
⚫︎縁側:明石、4kg
⚫︎背トロ:背鰭下、一週間寝かせ
⚫︎墨烏賊:小柴、酢橘、五日寝かせ
⚫︎赤身:海苔挟み
⚫︎金目鯛:山わさび、銚子
⚫︎中トロ:漬け、二週間、舞阪
⚫︎鳥貝:室津
⚫︎大トロ:舞阪
⚫︎鰯:一週間
⚫︎イクラとムラサキウニ:相盛り、八戸
⚫︎松葉蟹と鱶鰭雑炊
⚫︎鮪太巻き
⚫︎卵
⚫︎お味噌汁

<お酒>
・恵比寿:小瓶
・田酒:特別純米、青森
・惣邑:純米吟醸、長井
・浅間山:純米吟醸、東御
・Kiss of Fire:純米大吟醸、加賀

  • 最初はいつも通り、エビスビール

  • 柵を取り出したときは血色の良い鰹に見えましたが、実はメジ鮪でした

  • メジマグロです

  • 奥から時計回りに、メジマグロ、小柱、平貝、小柴の真鯛です

  • 薬味は生姜と山ワサビオカカ

  • 今が旬のメジマグロのトロはバターソテーでも登場。奥はトリュフチーズです。

  • 天然ホタテの炙りにほぼ貝柱のXO醤と有明海苔をトッピング

  • 今夜の日本酒は田酒でスタート

  • ラッコの大好物の鮟肝煮。この硬めの食感とたまり醤油系の香りがタマラン!

  • 仲買いさん、お手製の鮟肝。まるでハードチーズ、大好き

  • 室津の鳥貝です。貝の季節のスタートです

  • 山形の銘酒

  • トラフグの白子。今シーズンの最終です

  • 白子をつぶしたところ

  • 下にはウニシャリが隠れておりました

  • 今夜の踊り子さん達

  • 鮪もそろそろ産卵のために南下する途中なんですね

  • 明石の鮃の縁側です。4kgなので、まるでザブトン並みの大きさ。これh抜群にウンマイ

  • 群馬の銘酒。季節限定の春酒です。女将のお勧めに従い初体験、美味しヾ(≧▽≦)ノ

  • 背ビレ下の中トロ

  • 小柴の墨烏賊。五日寝かせて強いシャリをジャストミート

  • 赤身です。中に海苔を挟みます。香りが抜群

  • 銚子の金目鯛。軽く炙って脂を表面に浮かせます

  • 二週間寝かせた中トロの漬け

  • 一ノ蔵の輸出仕様

  • 室津の鳥貝、デカい、軽く湯通し

  • 大トロ。蛇腹部位です

  • 鰯です。小骨まで溶けています

  • 鮪全部入り太巻きのジュン分が進みます

  • イクラと青森のムラサキウニの合い盛り二段重ね

  • ズワイ蟹と鱶鰭のおじや

  • ワガママをいってXO醤をトッピングして味変

  • 鮪全部入りの太巻き

  • ああっ、この鮪に埋もれたい

  • お味噌汁です

  • 太巻き。端っこはお若い方に譲ります

  • 基本に徹した鮨屋の玉子

  • チューリップ。女将の見立てです

2024/03/11 更新

28回目

2023/12 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

菅谷氏の背骨

土曜日の夜です。

東麻布です。

今夜は二ヶ月ぶりのこちら【すが弥】さんに、飲み友紳士と二人でお伺いしました。

いつもの通り、カウンターの奥の席に座り、先ずは恵比寿の小瓶で乾杯。八月にご一緒したこちら、そして先月の神楽坂での飲み過ぎを反省しながら、『今夜は抑え気味にしますね・・・』と、女将に一言。

『抑え気味の気味ってところが我々らしいっすね』とその紳士。
『意思の弱さは隠せないっす、グフッ』とラッコ。

『フフッ、無理よ無理、無理なのよぉ、エヘッ』と言ったか言わないか、オヤジ二人の無意味な会話を聞きながら、後ろでニコニコと微笑む女将。
その手には、直筆の日本酒メニューがしっかりと握られておりました。

『いやぁ、ラッコさんのレビューはチョイエロというより、どエロかも知れません』と呟く紳士。

『ええっ、滲み出てますか・・・?』
『はい、滲み出るどころか、ダダ漏れっす』
『アイヤァ!』
『我々の業界で言う、ウージングじゃないっすね』
『グッ、グフッ』
『インコンティネンスっす』
『えっ、イン⚫︎(ピー音)!なんで知ってんやねん』
『いや、イン⚫︎テンツじゃなくて、インコ』
『あっ、失禁ね。フムフムフム』
『でもお鮨自体がエロいっすもん、仕方ないっすよ』

『ワタシもちょいエロ、好きです』と、割って入る菅谷氏。
知らんゾォ、後で女将さんに刺されても知らんからなぁ、アハッ\(//∇//)\

『そろそろお持ちしましょうかね?』と女将。
『はい、そうっすね』と白旗をあげ、日本酒のメモに目を通す意志の弱いオヤジがふたり・・・、グフッ\(//∇//)\

さてさて、毎度のことながら前置きが長くなりました。ここからは真面目にレビューいたします。

いただいたツマミと握りは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走さまでした。


<まとめ>
タイトルの背骨とは、菅谷氏のシャリを指した形容。強い酢が苦手な方も多いかと思いますが、新之助の新米と古米をブレンドした硬めの炊き上げ、立ち昇る酢の図太く分厚い香気。
その強靭な土台を基準に、全てのネタの仕込みを計算します。

ツマミに添えるブルーチーズやXO醬もオリーブオイルも、決して昔ながらの江戸前鮨では有り得ない薬味ですが、それもこれも全ては、お店の中心たるシャリに至るまでのアプローチにすぎません。

と言っても、別に傾奇者ぶっているわけではなく、その背骨には【鮨あらい】で仕込まれた熱い矜持が、江戸前鮨の王道の技とともに漲っております。

<ツマミ>
⚫︎お造り盛り合わせ:
 ・九絵
 ・勘八:二週間寝かせ
 ・鰯
 ・小柱
 ・鰹
 ・薬味:やま山葵ネギオカカ、本山葵
⚫︎白子:バター焼き
 ・薬味:ブルーチーズ、本山葵
⚫︎天然帆立:炙り
 ・XO醬
 ・本山葵
⚫︎酒のアテ三種:
 ・唐墨
 ・鮟肝
 ・ムラサキウニ:豊後の磯守、蓄養
⚫︎金目鯛:
 ・ウニ卵黄ソース
 ・オリーブオイル

<握り>
⚫︎鮃:明石
⚫︎背トロ:大間、釣り
⚫︎墨烏賊
⚫︎赤身:噴火湾
⚫︎皮剥:肝(塩をあてて三日寝かせ)
⚫︎カマスジ:炙り
⚫︎大トロ
⚫︎鰯
⚫︎馬糞ウニとムラサキウニ
⚫︎マグロ:太巻き
⚫︎お味噌汁:大根おろし、黒七味
⚫︎玉子

<お酒>
・恵比寿:小瓶
・羽根屋:純米吟醸、生原酒、富山
・雑賀:純米吟醸、辛口しぼりたて、紀の川
・浅間山:純米、しぼりたて、群馬
・義侠:純米、愛西
・東魁盛:純米吟醸、瓶火入れ、富津

  • まるでパウンドケーキのような鮟肝

  • 天然帆立のXO醬乗せ

  • マグロ全部入りの太巻き。端っこをゲット(^◇^)

  • 今夜の踊り子さん達。手前が大間の一本釣り。奥が噴火湾の定置網

  • 青森のムラサキと北海道の馬糞ウニ

  • 上から時計回りに、鰯、鰹、小柱、九絵、勘八。白身と薬味のやま山葵ネギオカカが抜群に相性が良い(^◇^)

  • カツオにやま山葵ネギオカカを乗っけたところ

  • 真鱈の白子のバター焼き。バターの塩味、ブルーチーズの苦味、本山葵の辛味がまさに垂涎のカルテット

  • 来月からは虎河豚の白子に変わるようです

  • この天然帆立はデカい

  • 大分の蓄養ムラサキウニ。豊洲に一日置きに10枚入荷。それを菅谷氏と麻布十番のメイさんで分け合うそうです

  • お酒のアテ、三種。ミッキーマウスに見たてました

  • この焼豚のような鮟肝がラッコの大好物

  • 豊後の磯守

  • ひねものの唐墨。チビチビと齧って日本酒を楽しみます

  • 金目鯛の卵黄ウニソースとオリーブオイル掛け

  • 混ぜ混ぜしたところ

  • 背トロ。全くスジがなく舌の上で溶けました

  • 墨烏賊

  • 赤身。中に混とびの海苔をはさみます

  • 皮剥。塩をあてて三日寝かせた肝が抜群に美味い。まるで海の加塩バター

  • カマスジの大トロ。軽く炙ります

  • 鰯。小骨が溶ける酢締め

  • 大トロ

  • カステラ風の玉子焼き

  • 大根おろしのお味噌汁

  • 最初はお約束の恵比寿でスタート

  • 富山の銘酒

  • 群馬の銘酒

  • 和歌山の銘酒

  • 愛知の銘酒

  • 富津の銘酒

  • 見せていただいたけど、恐くて飲めなかった\(//∇//)\

  • 壁の胡蝶蘭。女将の差配か?

  • 左はラッコです

2023/12/17 更新

27回目

2023/10 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

菅谷氏の静かな気勢

土曜日の夜です。

東麻布です。

今夜は初台お嬢をお誘いし、二ヶ月ぶりのこちら、【すが弥】さんにお伺いしました。

前回の八月は、季節柄、ラッコの大好物の鮟肝はお休み中。あのたまり醤油の濃ゆい旨味に浸かった鮟肝さまに出逢えるのか、ドキドキしながら開店の六時を待ちます。

軒下でまったりしていると、通り雨がシトシトと路面を濡らす中、しばらく振りの初台お嬢の到着。タッパが有るので遠目でも一目瞭然。

ラッコの姿を認めたのか、手を振りながら思わず駆け出すお嬢。そんな、駆け出さなくてもええやん、とまるで娘を見るような温かい眼差しの好々爺。

『アハッ、赤羽橋の駅を出たら逆方向に歩いちゃいました\(//∇//)\』とお嬢。

『ワタシ、ドがつくくらいの方向音痴なんです、グフッ』

そう言えば、前回もなんだかそんなプロローグだったような気がする・・・

それはともかく、先日の對馬さんのお誘いを先約有りでやむなくお断りしたお詫びを済ませ、表玄関の撮影をしていると扉が開いてご案内のスタート。

二人はカウンターの奥に座り、恵比寿の小瓶をお願いします。

さてさてそれでは本題。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走さまでした。


<まとめ>
ブルーチーズにオリーブオイル。
旧来の江戸前鮨の範疇を破る傾いたツマミに、今夜も熱い舌鼓を打つラッコ。
特色を出したい新店や遊び心を添加したツマミは何処にでも有りますが、『こりゃ違うだろ』『遊びすぎやねん』と感じることもままあるのが正直なところ。
しかし菅谷氏の傾いたツマミは違う。
古典の江戸前の技量が、太い背骨として屹立しているのでしょう、異色の組み合わせでも全くのハズレなし。
店名から【鮨】を外して唯一無二の航海に挑む菅谷氏。
決してお安いお値段ではありませんが、比べる対象が無いので納得するしか有りません。
次回は年末。
コースの中心を担うマグロもさらに磨かれている筈。早くもドキドキがとまりません。


<コース内容>
⚫︎お造り:
 ・カツオ
 ・小柱
 ・鮃:明石
 ・縁側:明石
 ・薬味:本山葵、山わさびとネギとオカカのタタキ
⚫︎ボタン海老:炙り、北海道
 ・薬味:ブルーチーズ、海老味噌、本山葵
⚫︎鰤シャブ:噴火湾
 ・薬味:本山葵、XO醬
⚫︎赤ウニ:唐津
⚫︎鮟肝
⚫︎唐墨
⚫︎バチコ
⚫︎金目鯛ご飯:
 ・馬糞ウニ
 ・縮緬雑魚
 ・オリーブオイル

<握り>
シャリは新之助の古米と新米のブレンド。酢は希釈した薄めの赤酢と米酢?
硬めの仕上げて、一粒一粒の独立感が半端無い。
このシャリがラッコの口にあいます。
マグロは全て大間の延縄。十日寝かせの149kgのピンピン。

⚫︎赤身:混とび
⚫︎中トロ:背鰭の別れ身
⚫︎縞鯵:高知、天然
⚫︎大トロ:漬け
⚫︎イクラ
⚫︎カマスジ:炙り
⚫︎小肌
⚫︎車海老:養殖、宇部
⚫︎馬糞ウニ:カネシン水産、北方四島
⚫︎太巻き:マグロ全部入り
⚫︎玉子
⚫︎お味噌汁

<お酒>
・恵比寿ビール:小瓶
・ZAO:特別純米、秋あがり、白石
・醴泉:純米大吟醸、岐阜
・雨後の月:純米大吟醸、呉
・義侠:純米原酒、東条特A山田錦、愛西
・東魁盛:純米吟醸、富津

  • 最初は恵比寿の小瓶でスタート

  • カツオ、小柱、明石の鮃とその縁側

  • 北海道のボタン海老

  • 宮城の銘酒

  • カマスジを捌いているところ

  • 噴火湾の鰤シャブ。薬味は本山葵とまさかのXO醬

  • 岐阜の銘酒、すが弥version

  • ミッキーマウスに見えてきた\(//∇//)\

  • 鮟肝の煮付け。たまり醤油の濃くがたまらん!

  • 唐津の名残りの赤ウニ

  • ひねものの唐墨

  • やはりミッキーマウス\(//∇//)\

  • バチコ

  • 金目鯛の炙りご飯。下には馬糞ウニと縮緬雑魚とシャリが

  • 混ぜ混ぜしたところで。ちょっとだけ垂らしたオリーブオイル【03】の青い香りがよくあいます

  • 今夜の踊り子さん

  • 踊り子さんに触れないで下さい\(//∇//)\

  • 呉の銘酒

  • 中トロ。背鰭下の別れ身

  • 赤身。間に丸山の混とびの海苔を挟みます

  • 高知の天然縞鯵

  • 大トロの漬け

  • イクラ。筋子から手でバラして十日寝かせて脱水。提供する日に軽く漬けて塩味を浸透させます

  • 岐阜の銘酒

  • 馬糞ウニ。今日は北方四島産。本社は札幌ですが、根室で加工して消費地に

  • カマスジの炙り大トロ

  • 小肌

  • 宇部の養殖車海老。天然と変わり無し

  • 千葉の銘酒

  • お味噌汁

  • マグロ太巻き全部入り

  • 玉子

  • すが弥の弥の字入りの湯呑み

2023/10/22 更新

26回目

2023/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

菅谷氏の大志

土曜日の夕方です。

東麻布です。

今夜はお鮨と和食を中心にご一緒している食べ友男子とふたりで、こちらの”すが弥”さんにお伺いしました。

前回の六月からおよそ二か月ぶり。
大好物の鮟肝は季節外れと承知しておりますが、それでも例年、八月に予約を入れる理由が、三つ。

ひとつ、房総の黒鮑!
ふたつ、赤ウニ、馬糞、ムラサキの食べ比べ!
みっつ、新イクラ!

この三食材は夏の海の至宝の中の至宝。
並みのそれは巷に溢れておりますが、ピンピンのピンのモノホンの至宝がいただけるお店は、やはり限られます。

期待通り、その三至宝も眼前に勢揃い。
糖尿のことなぞ忘れて、日本酒も八種類ほど痛飲。

懐はいたみますが、やはり明らかにモノが違うので、悲しいかな、納得せざるを得ません。

あっ、誤解無く。
ネタだけでは有りません。酸味の強いシャリとの完璧な一体感。江戸前の定石にこだわらない組み合わせの妙味など、それらが何とも言えずラッコの我儘な口にジャストミート。

さてさてそれでは本題。
いただいた内容は以下の通りです。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

<まとめ>
房総の黒鮑の色艶と大きさに先ずはビックリポン。600g程度なんだそうです。一体全体、何年間、海女さんにも見つからずに過ごしてきたんやろ。

赤ウニは天草と唐津の二種類。
なかでも唐津は今季のナンバーワンでした。生クリームで溶いた卵黄のような香り。ツマミで天草産と食べ比べましたが、恥ずかしながら、言葉を失い、しばし朦朧とするラッコ。
ムラサキはダイセンの大間。馬糞は札幌のカネシン水産が全道から集めた逸品。
この二種類は麻布台ヒルズ仕立てでいただきます。丸山の混とびの香りとの相性も抜群。

そして垂涎の新イクラ。
この季節だけの宝石。
痛風なんて怖くないモン。糖尿だって薬で抑えればいいモン、なんちゃって、アハッヾ(≧▽≦)ノ


<コース内容>
⚫︎つまみ五点盛り:
 ・北寄貝
 ・平貝
 ・クエ
 ・カツオ
 ・真鯛:お腹
 ・薬味:本山葵、山ワサビとオカカetc.
⚫︎蒸し黒鮑:房総、肝添え
 ・薬味:ブルーチーズ、本山葵
 ・600g
⚫︎オリーブオイルご飯:
 ・桜海老
 ・バフンウニ
 ・ジャコ
 ・数の子?
⚫︎赤ウニ:二種の食べ比べ
 ・唐津
 ・天草
⚫︎唐墨
⚫︎稚鮎と実山椒


<握り他>
鮪はやま幸さんのボストン。真冬の近海物に匹敵する脂の乗りでした。

⚫︎金目鯛:銚子
⚫︎背トロ:血合い岸
⚫︎天端
⚫︎北寄貝:長万部
⚫︎霜降り:漬け
⚫︎新子:天草
⚫︎大トロ:蛇腹横
⚫︎ウニ:馬糞、ムラサキ
⚫︎新イクラ
⚫︎鮪:太巻き
⚫︎玉子
⚫︎お味噌汁

<お酒>
・エビスビール:小瓶
・19:Grotta Azzurra, 出羽燦燦、長野
・富久長:純米吟醸、八反草、広島
・上川大雪:純米吟醸、吟風、北海道
・澤屋まつもと:守破離、山田錦、京都
・東魁盛:純米吟醸、山田錦、千葉
・義侠:純米吟醸、東条特A山田錦、愛知
・十四代:中取り純米吟醸、播州愛山、兵庫
・醴泉:純米大吟醸、岐阜
日本酒は四合くらい

  • ツマミの五点盛りです。上から平貝、北寄貝、真鯛のお腹、クエ、鰹です。薬味は本山葵と山わさびオカカ

  • 房総の黒鮑です。蒸してこのサイズ

  • とても一口で頬張れませんでした。薬味はブルーチーズと本山葵、肝です。ブルーチーズの塩味と鮑が合う

  • この薄い枇杷色はエロい

  • 黒鮑の肝です。これはお酒のお供です

  • 油そばにインスパイヤーされた桜海老とバフンウニのオリーブオイル和えご飯

  • 赤ウニの産地違い、食べ比べ。本山葵をトッピングした方が天草。下が唐津です

  • 唐津です。これは今シーズンのナンバーワン

  • 天草です。唐津よりはクリーミーさが控え目ですが、昆布の旨味に溢れておりました

  • 唐墨です。チビチビと齧りながらお酒をズズズズッ

  • 稚鮎と実山椒。お酒でチビチビとやりながらツマミを待ちます

  • 真冬の近海物と遜色のない脂

  • 上段左から中トロ、天端、背トロの血合い岸、霜降り、蛇腹横です

  • 銚子の金目鯛です

  • 背トロの血合い岸

  • 天端。最高の赤身です

  • 長万部の北寄貝

  • 霜降りの漬け

  • 天草のシンコ。一枚付けです

  • 大トロ。蛇腹の隣の部位です

  • 麻布台タワー用のウニです

  • 大間のムラサキウニ

  • 全道から集まるので具体的な産地は不明ですが、北海道産のバフンウニ

  • 紫と馬糞の二層構造。麻布台タワーの完成です

  • 鮪全部入りの太巻きの準備が始まります

  • 出ました!新イクラ

  • 鮪の太巻きを仕込んでいる合間の新イクラご飯

  • 太巻きの端っこ、アハッヾ(≧▽≦)ノ

  • 玉子焼き

  • お味噌汁

  • 最初はエビスの小瓶でスタート

  • 長野の銘酒

  • 千葉の銘酒

  • 広島の銘酒

  • 京都の銘酒

  • 愛知の銘酒

  • 岐阜の銘酒

  • 隠し酒にまで手を出してしまいました

  • ラッコは顔がでっかいので隠します、アハッヾ(≧▽≦)ノ

2023/08/20 更新

25回目

2023/06 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

菅谷氏の弛まぬ挑戦

土曜日の夜です。

東麻布です。

六本木ヒルズで映画を見てから東麻布までノテノテノテ。
六時十分前に到着したのがこちらの”すが弥”さん。

およそ二か月ぶりのお伺いとなります。

この夜はひとりではなく、珍しく二人。
自称、元峰不二子たまに裏紀香に変身するらしい、開店初期に一度お伺いしたキリという女史。

『随分と進化してるんだよぉ~』と無理やり口説いて今日のこの日となりました。

六時ちょうどに入店。
カウンターの端に座り、恵比寿の小瓶で喉を濡らします。

『お二人でお越しでしたので・・・』という女将の戦術に見事にはまり、ここ最近は三種類にとどめていた日本酒を六種類も痛飲。とうとう諭吉六人を超えてしまいましたが、まぁ純大吟の銘酒揃いなのでそれも想定内。

さてさてそれでは本題です。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
この価格帯で今夜も二回転が満席。
それもむべなるかな。
やはり何かが違う。食べ比べて初めて感じるこの違い。

目指すはチョモランマ鮨の山頂。

『リストランテすが弥と申します』なんて、銘醸物のオリーブオイルを駆使した鰹のカルパッチョやウニしゃりパスタで、常に果敢な挑戦を重ねる菅谷氏。

シャリも新潟の新之助の古米と新米のハーフブレンドに変更。立ち止まることなく、前を向いて一歩一歩着実に登攀。

山頂はもうすぐその掌に・・・
いやいや、失礼。
山頂を極めればそこで進化は停止。
菅谷氏が立ち止まることを良しとするわけも無し。だってこの日はアテにブルーチーズまで登場。まさかその内『ビストロすが弥と呼んでください』なんてことになってしまうかも、アハッヾ(≧▽≦)ノ

<つまみ>
⚫︎九絵:二週間熟成、13kg
⚫︎勘八
⚫︎本ミル
⚫︎小肌
⚫︎牡丹海老:銚子、
 ・薬味:ブルーチーズ
 ・海老味噌:50尾で仕込み
 ・本山葵
⚫︎馬糞ウニ:シャリパスタ
 ・カッペリーニ
 ・太刀魚
 ・オリーブオイル:シチリア、モレスカ種
⚫︎赤ウニ:大分、塩水
⚫︎唐墨:ひねもの
⚫︎鮟肝
⚫︎鰹:カルパッチョ
 ・ルッコラ
 ・オリーブオイル:シチリア、モレスカ種

<握り>
更にシャリが進化。
新潟は新之助の新米と古米のブレンド。一粒一粒がしっかりと主張しています。
ピンピンの鮪は竜飛岬沖の釣り。
多分、気のせいかと思いますが、やはり縄や網とは異なるかも、グフッヾ(≧▽≦)ノ

⚫︎鮃の縁側:明石、一週間熟成
⚫︎背トロ:背ビレ下の別れ身、竜飛、釣り
⚫︎泥障烏賊:内房
⚫︎赤身:竜飛、釣り
⚫︎縞鯵:皮炙り、高知
⚫︎霜降り:竜飛、釣り
⚫︎鳥貝:七尾、炙り
⚫︎カマスジ:竜飛、釣り、炙り
⚫︎鯵:酢締め
⚫︎車海老
⚫︎ウニ:ムラサキ、馬糞
⚫︎鮪太巻き:全部入り、沢庵
⚫︎玉子焼き

<お酒>
・エビスビール:小瓶
・義侠:純米、東条特A山田錦、愛知
・乾坤一:純米吟醸、宮城
・吾妻嶺こうのとり:純米大吟醸、雄町、無濾過、岩手
・東魁盛:純米吟醸、千葉
・三千盛:純米大吟醸、岐阜
・醴泉:純米大吟醸、岐阜

  • 最初はお約束の恵比寿の小瓶

  • 最初のアテです。ゆっくりと日本酒に進みます

  • クエだったかな。13Kgの大物。二週間の熟成を経ているので、まるで生ハムみたいな香りと食感

  • この熟成感がタマラン

  • 勘八です

  • この勘八の熟成感も半端ない

  • 本ミルです

  • 愛知の銘酒

  • 小肌です。薬味はネギと鰹節と山わさびのタタキ

  • 銚子に揚がったボタンエビ。底引き網に偶にかかったときのみの仕入れ

  • 太平洋岸の牡丹海老とは珍しい

  • 薬味のブルーチーズです

  • なんか女子の指が延びてきました。バルタン聖人かよヾ(≧▽≦)ノ

  • 握りの準備が整います

  • 北海道の馬糞ウニのパスタ。底にはシャリが潜みます。トッピングは太刀魚の炙り

  • 宮城の銘酒

  • カラスミのひねもの、大分の赤ウニの塩水、鮟肝

  • この鮟肝がラッコの大好物

  • 大分産の赤ウニ。塩水なので水切りをしっかりしてご提供

  • ひねものの唐墨は日本酒のお友達

  • カツオのカルパッチョ仕立て

  • シチリアのモレスカ種のオリーブオイル。新宿伊勢丹のオリーブオイル専門店にも置いてありました

  • 今宵の踊り子さん達は竜飛岬からやってきました。左上から背トロ、赤身、霜降り、カマスジです

  • 釣りはやはり違う、と思う

  • 明石の鮃の縁側

  • 背ビレ下の別れ身。別名、背トロ

  • 障泥烏賊。内房です

  • 赤身です。中に海苔を挟みます。これぞ鉄火握り

  • 千葉の銘酒

  • 高知の天然シマアジ。皮を残して炙るお店は珍しい

  • この霜降りに悶絶

  • 七尾産の鳥貝。軽く炙って甘味を際立たせるのがすが弥流

  • カマスジの炙り、ただただ悶絶

  • 鰺の酢〆です

  • 岐阜の銘酒

  • 車海老

  • バフンウニとムラサキウニのタワマン

  • 岐阜の銘酒

  • 鮪全部入りの太巻き。今夜は端っこをゲット

  • ダイエット中の女史から鮪太巻きのお裾分け

2023/06/11 更新

24回目

2023/04 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の真剣

土曜日の夜です。

東麻布です。

今夜は二か月ぶりのこちら、″すが弥″さんにお伺いしました。

材木町からは奈可久さんがその真裏に、銀八からはメイさんが麻布十番に社稷を築かれるチョー激戦区。

基本価格の設定に、異論反論オブジェクションの喧しいこちらですが、なんのなんの今夜も満席の大盛況。厳しい大競争時代も、きっとこれまでの蓄積で悠々と泳ぎつづけられること、間違いなし。

だってこの夜も、二ヶ月前とは明らかに進化した仕立て。
確かに良いお値段ですが、素材のピンピンの力とそれをさらなる高みにマキシマイズされる技量と努力には、衷心より敬服いたします。

さてさてそれでは本題。

いただいた内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走さまでした。


<まとめ>
たまたまですが、先週の土曜日からカウントすると、海宇、鮨しゅん輔、鮨まつうら、よねがみと数えて今夜で五軒目。
やはり鮨しゅん輔と鮨まつうら、すが弥の三軒は別格ですが、ひとつひとつの完成度はすが弥さんが首一つ抜けているかも。
と言っても価格帯が違いすぎるので、一概に比べても詮無いのですが、それにしても心地良い。
客あしらい、全体への目配り、卒のない会話、真摯で真剣な所作、それら嫌味のない全てが超一流の証かと思います。

<つまみ>
前回より多めのつまみ。
いずれも文句無しの仕上がりでした。
大好物の濃ゆい鮟肝の煮付けもまだまだご提供。こいつはお酒を呼び込みますね。
滅多に出ない牡丹海老もまた嬉し。頭の味噌を軽く炊いた薬味がもうね、パーフェクトな味わいでした。

●アイナメ:明石
●鰆
●小柱
●牡丹海老:頭味噌、酢橘
●鮟肝
●唐墨
●カッペリーニ:馬糞ウニ、炙り金目鯛、シャリ
●カルパッチョ:鰹、生野菜、桜海老、雑魚、海苔他

<握り>
シャリは雪若丸。
季節により、つや姫やななつぼしと使い分けされているようです。
炊き上がりは硬め。一粒一粒がしっかりと独立し、たまに他店で出会う粘り気の強いネットリ系のシャリとは一線を画します。
やま幸さんからのピンピンマグロは、大船渡の定置網と銚子の延縄の二種類。真冬よりは脂が抜けましたが、苦手な青魚を餌にした酸味は有りません。部位の異なる五貫をいただき、これも大満足。

●背トロ(分かれ身):銚子、延縄
●鮃:明石
●天端(赤身):銚子、延縄
●小肌
●大トロ:漬け、大船渡、定置網
●煮蛤:黄柚
●カマ筋:大船渡、定置網
●カマ筋:炙り、大船渡、定置網
●鰯:酢締め
●馬糞ウニ
●太巻き:マグロ全部入り、とびっこ、沢庵
●玉子
●お味噌汁:丸山の青糸、黒七味、蛤出汁

<お酒>
・恵比寿:小瓶
・松の寿:辛口、純米、栃木
・天狗舞:山廃、純米、石川
・雪の茅舎:大吟醸、生酒原酒、第713番、秋田
お酒は三合くらい

  • 最初は恵比寿の小瓶でスタート

  • 嬉しい。希少ラベル品(びくに真鯛が入っています)をわざわざ取っておいてくださいました。この気配りがお店の繁栄の全てかも

  • 明石のアイナメ。旬ですね。ネットリ感が半端無い。ピンピンに間違いありません

  • 奥は鰆。手前は小柱、、薬味は山わさびと鰹節他を混ぜ混ぜしたもの。こいつは万能調味料ですね、アハッ\(//∇//)\

  • 小柱はラッコの大好物

  • この鰆の繊細な身質には朦朧としてしまいました

  • 牡丹海老です。こちらでお使いになるのは珍しい

  • たまたま極上の牡丹海老、五十尾が手に入ったとのこと。その頭の味噌を軽く火を通して調味した右手の薬味がヤバい。海老の臭みが全くなく、これだけでお酒が一合、蒸発してしまいました

  • 栃木の銘酒

  • まだまだ鮟肝はそろいます。この濃ゆい味付けがラッコの舌と胃と脳幹にドストライク

  • 唐墨をチビチビと齧りながら握りを待つラッコ

  • 新潟の銘酒です。懐かしの酒蔵ですが、歴史に裏打ちされた実力を思い知りました

  • カッペリーニの馬糞ウニパスタに金目鯛の炙りがトッピング。底にはシャリも僅かですが敷いてありました。なので、ギリ、和食\(//∇//)\

  • 混ぜ混ぜしていただきます。炙りキンメの香ばしさと馬糞ウニのコク、シャリの酸味と海苔の潮の香りをクセの無いオリーブオイルがまとめます

  • 雪の茅舎、、秋田の銘酒。まさかのシリアルナンバー付き

  • カツオのカルパッチョ

  • 全体の流れに変化をつける一皿。青臭く無いオリーブオイルを厳選。お鮨屋さんの野菜不足に極めつけの一手でした

  • 上段左二つが銚子の延縄。他が大船渡の定置網です

  • 今夜の踊り子さん達も美しい

  • 背トロです。筋の強い分かれ身部位ですが、その筋を全く感じさせません

  • 明石の鮃です。文句無し。これが鮃の香り

  • 赤身の天端部位です。この濃ゆい香りが本鮪の真骨頂

  • 小肌です

  • 大トロの漬け。卵白にビネガーを加えたような舌触りと香りでした

  • 煮蛤。このツメも好き。この煮出汁が〆のお味噌汁のベース

  • 10日寝かせのカマ。朦朧とする美味さでした

  • カマの炙り。これもうんまい

  • 鰯です。酢で小骨まで溶けました

  • 馬糞ウニのタワマン仕立て

  • 蛤出汁のお味噌汁。香り付けに黒七味を添加。青いのは四万十川の青糸

  • マグロ全部入りの太巻き。端っこはお若い方達にご提供

  • フワフワ仕立ての玉子

2023/04/22 更新

23回目

2023/02 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の至誠

土曜日の夜です。

東麻布です。

今夜は凡そ二ヶ月ぶりのこちら、″すが弥″さんにお伺いしました。

開店当初の諭吉四人でお釣りから、今は六人でお釣りという状況。それにもかかわらず新規の予約はおまかせのキャンセル枠のみ。赤本の掲載基準などどこ吹く風。

諭吉五人越えで脚が遠のかれた方もいらっしゃるかと思いますが、それでも埋まり続ける席の予約。

ラッコを含め、こちらのシャリや濃い目の味付けが口に合うのでしょう、今宵も八席全てで素敵な笑顔が広がります。

さてさてそれでは本題。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
今夜は久しぶりに車海老が登場。穴子は菅谷氏のお眼鏡にかなわず舞台の裏に・・・
うーん、穴子が食べたい、でもこればっかりは仕方ありません。

その代わりという訳では有りませんが、やはり菅谷氏の本領はマグロ。やま幸さんのピンキリの中からピンの中のピンが揃います。

今夜のマグロはいずれも気仙沼。
霜降りと蛇腹こそ延縄ですが、血合い岸と天端は大目。

先月の″島津”さんのレビューでも記載しましたが、”大目”とは免許制の流し網漁法。その網の目は15~18cm。小魚は資源保護のために捕獲の対象外。もともとは初夏のカジキなどの大物を狙った漁法のようです。

そのメリットは、延縄のように針を咥えて暴れないので身焼けリスクをミニマイズ。ただし漁獲量は極めて少なく滅多に出回りません。
その希少なピンピンマグロが揃うのは、やはり菅谷氏とやま幸さんの太い絆あってこそ。

しかしてその身は?
素直な還暦爺さんの感想ですが、若い娘さんのように青臭くなく、熟女のようにくどくない。その清廉な脂にただただ悶絶。

不埒な表現ですいません。勝手な妄想です。
なにとぞご容赦をヾ(≧▽≦)ノ

<つまみ>
●九絵:勝浦、一週間
●盛り合わせ:
 ・小柱:北海道
 ・鰆
 ・鰯:北海道
 ・薬味:山わさび
●めじ鮪:佐渡、50kg
●虎河豚白子:炙りご飯。卵黄ウニソース
●鮟肝
●唐墨

<握り>
●鮃:明石
●背トロ:血合い岸、気仙沼、大目
●赤身:天端、気仙沼、大目
●小柱:北海道
●霜降り:気仙沼、延縄
●鰯:大羽サイズ、北海道
●煮蛤
●蛇腹:気仙沼、延縄
●車海老
●煮牡蠣:広田湾
●ムラサキウニ:カネシン水産
●太巻き:マグロ尽くし、とびっこ、沢庵
●お味噌椀:あおさ
●玉子

<お酒>
・恵比寿:小瓶
・三千櫻:純米大吟醸、きたしずく45、北海道
・十九:degel、長野
・鳳凰美田:髭判、純米大吟醸、栃木
・磯自慢:純米大吟醸、一滴入魂、焼津

  • 最初はエビスの小瓶でスタート

  • 勝浦のクエです。ネットリ感が秀逸

  • 盛り合わせ、三種です

  • 北海道の鰯。大羽サイズです。酢の酸度で小骨が溶けています

  • 鰆と薬味の山ワサビ和え(ネギ、鰹節、生姜)

  • 佐渡の50kgのメジ。肥満児ですね

  • 北海道のきたしづくです

  • トラフグの白子の炙り

  • 卵黄ウニソースと混ぜ混ぜ、即、悶絶

  • 大目は漁法です

  • 長野の銘酒です。雪どけを意味する春の酒

  • 鮟肝です。このたまり醤油を強火で炊き上げた濃い味がタマラン

  • カラスミです

  • 今夜のマグロ、四人娘です。上段左から血合い岸、赤身の天端、霜降り、蛇腹です

  • 左が血合い岸。右が赤身の天端です

  • 栃木の銘酒です

  • 明石の寒鮃です

  • 背トロの血合い岸です。大目です

  • 大目の天端です。間に混とびの海苔を挟みます

  • 北海道の小柱です。富津のお母様が剥きました

  • 気仙沼の延縄の霜降り

  • 酢の強酸で小骨の溶けた鰯

  • 焼津の銘酒

  • 煮蛤

  • 気仙沼の延縄の蛇腹

  • 久しぶりの車海老

  • 広田湾の煮牡蠣

  • 北海道のムラサキウニ

  • アオサのお味噌汁

  • マグロ全部入りとトビッコ、沢庵の太巻き

  • 玉子です

2023/02/05 更新

22回目

2022/12 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の神髄

大晦日の前日です。

東麻布です。

昨年と同様、一年の外食締めくくりはこちらの”すが弥”さん。およそ二か月ぶりの訪問となります。

前回はまだお目当ての鮟肝が痩せていて揃わず、名残りの黒鮑に慰められた十月。今月は師走だもん、必ずご用意されている筈だよなぁ、なんて若い娘さんのように胸ときめかせながら、五時に暖簾をくぐります。

今日は怒涛の四回転とのこと。
新井氏の『働け・・・』との厳しい指導を胸に迎えた五年目の冬。価格帯も跳ね上がりましたが、人気のほども右肩上がり。

さてさてそれでは本題です。
いただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
納得の鮟肝。このたまり醤油の濃ゆい味付けがことのほか口に合う。根室の馬糞ウニタワーも、高騰する浜値なんてどこ吹く風の超高層スタイル。
極めつけは、大間に揚がった延縄鮪の六貫攻め。シャリの酸味も塩味も硬さもラッコのドストライク。2023年も変わらずよろしくお願いいたします。

<つまみ>
●九絵:一週間熟成
●鰆:山わさび、ネギ、生姜
●帆立:天然、海苔、山葵
●鰤ご飯:卵黄ウニソース
●鮟肝
●唐墨

<握り>
鮪は全て大間の延縄、二週間寝かせです。

●勘八:昆布〆、二週間
●中トロ:背ナカ、背鰭下
●赤身:天端、海苔挟み
●小柱:軍艦
●中トロ:背ナカ、血合い岸
●真鱈白子:出汁漬け、炙り
●中トロ:腹ナカ、漬け
●大トロ:砂摺り
●煮蛤
●大トロ:カマスジ、炙り
●鰯:酢締め、六日寝かせ
●馬糞ウニ:根室
●太巻き:鮪全部入り
●玉子
●お碗

<お酒>
・恵比寿ビール:小瓶
・醴泉:純米大吟醸、すが弥ラベル、岐阜
・黄金澤:山廃純米、初搾り生原酒、宮城
・結:純米大吟醸、結城

  • 最初はエビスの小瓶でスタート

  • 一週間ほど熟成させたクエ。その旨味に朦朧とします

  • 鰆です。薬味の山ワサビと生姜とネギのタタキが抜群にウンマイ

  • 天然ホタテの炙り

  • 帆立を箸で割ったところ

  • 炙った鰤。その下にはウニ卵黄ソースとシャリ。

  • 醴泉のすが弥ラベル。年間100本の限定酒です

  • トラフグに白子ヴァージョンもノドグロヴァージョンもあるけど、鰤が一番合うかも。全てを混ぜ混ぜしていただきます。

  • この鮟肝がラッコの大好物

  • カラスミ

  • 宮城の銘酒。山廃だけど比較的柔らかな味でした

  • 今夜の踊り子さん

  • 砂摺り部位です

  • 昆布〆のカンパチ。二週間寝かせ

  • 背びれ下の筋肉部位。柵は背ナカです。肌理細やかな脂に朦朧

  • 茨城の銘酒

  • 赤身。天端です。間に海苔を挟みます

  • 小柱の軍艦

  • 背ナカの中トロ。血合い岸です

  • 真鱈の白子の出汁漬けを炙りました

  • 中トロ。腹ナカの漬けです

  • 大トロの砂摺り

  • 煮蛤

  • カマスジの大トロ

  • 酢〆した鰯。小骨が溶けています

  • 根室の馬糞ウニの高層マンション仕立て

  • 山葵をトッピングしてツマミでもいただきます

  • アラ出汁の味噌椀

  • 玉子

  • 鮪部位全部入りの太巻き

2022/12/30 更新

21回目

2022/10 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の社稷

木曜日の夜です。

東麻布です。

コロナ嬢との甘い生活も昨夜限り。
神奈川県のレギュレーションに従い、自宅に軟禁状態だったラッコ。コロナ嬢の愛の魔力のせいで体重が5キロも減ったやないかい、アハッ\(//∇//)\

そうか!
禁酒、自炊の日々がこんなにも健康に宜しいなんて、今更ながら痛感したのねん。

でもカワユイ胃には申し訳ない。
『ううっ、お鮨が食べたいの・・・』なんて真珠のような涙を見せられると、しゃあない、病み上がりやけど予定通り東麻布まで出かけるとすっか。

さてさて凡そ二ヶ月ぶりのこちら、すが弥さん。
今夜は一回転の七時スタート。

秋も迎えたし、どんな肴が出てくるのかな?

さてさてそれでは本題です。

いただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走さまでした。


<まとめ>
穴子が無い。車海老が無い。ハシリの鮟肝も無い。
一見、無い無い尽くしのように思えますが、菅谷氏の強いシャリを受け止めるピンピンが揃わないのだから仕方無し。
菅谷氏のお眼鏡に叶うのはチョモランマのごとき高き壁。
でもそれは、裏を返せば半端な妥協を良しとせず、自身の握りに接する礼儀のようなもの。
その見返りと言っては僭越ですが、アラと鰆の熟女っぷり。恐らく大原の名残の黒鮑。関東では珍しいフエダイ娘のズブズブ肌に溺れては、挙げ句の果てに大間の延縄五貫漬けに悶絶。
還暦ラッコ、コロナとの離婚明けをものともせず、瞬間昇天。
ああっ、次回が楽しみっす\(//∇//)\

<つまみ>
″鮨すが弥″から“すが弥“に屋号を変えられた際、師匠筋の新井氏から『鮨って外すんだから、その内パスタでも出すんじゃ無いの』なんて軽くイジられていた菅谷氏。
『・・・といったわけでも無いのですが、パスタとオリーブオイル、使っちゃいました』と爽やかな笑顔で呟きます。
シャリも潜んでいるしピンピンのムラサキなので、下手なイタリアンも尻尾を巻いちゃいそうでした。

●アラ
●鰆
●黒鮑:肝、千葉
●ムラサキウニ冷製カッペリーニ
●稚鮎:山椒煮
●唐墨

<握り>
マグロはすべて大間の延縄です。

●フエダイ:一週間寝かせ
●背トロ
●赤身:コントビ挟み
●小柱:釧路
●中トロ:漬け
●小肌
●縞鯵:皮炙り、天然高知
●大トロ:蛇腹
●大トロ:カマスジ
●鰯:酢〆
●新イクラとムラサキウニ
●太巻き:マグロ全部入り
●玉子
●お碗:青海苔

<お酒>
・醴泉:純米大吟醸、東条特A山田錦28%、岐阜
・極幻:純米大吟醸、MINAKI、山形
・東魁盛:純米吟醸、千葉

  • 大トロの蛇腹です

  • 新イクラが見えました

  • マグロ全部入りの太巻きです

  • 房総の黒鮑です。ゆがいた栗の香りがしました

  • 手前が大トロに近い部位のカマスジ

  • アラです。一週間寝かせて熟女の味。塩と酢橘と煮切りが万全のハーモニーを奏でます

  • 日本酒は三種類縛り。一本目は東条山田錦28%のすが弥醴泉

  • 一週間寝かせの鰆。薬味は山ワサビ。エロいまでの身質に悶絶するラッコ

  • 黒鮑の肝

  • 角度を変えて

  • 鶴岡の奥羽自慢です。

  • 喉黒の炙り。下に潜むのは・・・

  • ムラサキウニとオリーブオイルで和えた冷製カッペリーニです。

  • 奥が唐墨。手前が稚鮎の山椒煮です。

  • 旬の頃の稚鮎を実山椒と煮付けした名残りのお酒のアテ

  • 唐墨です。このくらいのひねものが好き

  • 今夜の踊り子さんです

  • 千葉の銘酒

  • 関東では珍しいフエダイです

  • 背トロ

  • 赤身。中に混ぜトビを挟みます。香りが抜群でした

  • 釧路の小柱。早く大星にな〜れ\(//∇//)\

  • 腹カミの中トロの漬け

  • 小肌です

  • 高知の天然縞鯵。皮目を炙ります

  • カマスジの炙りです

  • 酢〆した鰯。小骨も溶けています

  • 新イクラとムラサキウニです

  • 青海苔のお碗

  • シットリしたカステラ風味の玉子

2022/10/07 更新

20回目

2022/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の厚情

土曜日の夜です。

東麻布です。

気温も低めなので、広尾から反時計回りに麻布十番までノテノテとブラ散歩。

天現寺橋を左折し明治通りに突入。古川橋で更に左に折れ麻布通りを北上。その道すがら幕末の通詞、ヒュースケンの葬られているお寺を偶然にも発見。歴史好きなラッコはその墓前で手を合わせます(写真の最後に掲載しておりますので、興味のある方はどうぞご覧ください)

その後スタバで時間調整し、六時ちょいと前にお店の前に到着。タイミング良く若い男子が扉を開け、手指をシュコシュコして中にご案内。

『つい先日、お会いしましたね、アハッ』なんて言葉を交わしながら、菅谷氏の正面に座ります。ほどなくして他の七名の方々もご到着。ご夫婦らしき二組とお一人様男子が二名、ご常連の旦那様を残してひとりでいらした若奥様、といった面々です。

『今年の夏は休み無しなんですぅ』と眉を下げる菅谷氏。
お盆の間も暖簾を掲げていらっしゃるんですね。

『幸いお越しいただけるお客様がいらっしゃるので、有難い限りです』
『ガッツリ、儲けますね、ヘヘッ』と、スケベオヤジのラッコ。

『”あらい”の看板を背負っているので、働かないと親方に叱られてしまいますから・・・』と控え目に呟きます。
師匠を超える価格設定をよほど気にされているのかな?

恵比寿の小瓶で唇を濡らしながら『来週お伺いするので「菅谷さん、休みなしで働いてますよ」と新井さんにお伝えしておきますね』と、安請け合いが得意なラッコ。

ひととおり、場が和んだところで、アラのツマミからスタート。

さてさてそれでは本題です。

詳細は写真欄に記載しますが、今夜は菅谷氏のご厚情が全て。

どこからその情報を仕入れられたのか?
亡き家内への深い思いやりをいただき、思わず目頭の熱くなるラッコ。久しぶりに女将さんの笑顔にも触れ、なんとも心温まる一夜となりました。

ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。


<まとめ>
垂涎の鮟肝は終了。鰻も痩せているので小丼は喉黒のまま。今夜のネタはちょいと寂しいなぁ~、と肩を下ろしていると、アイヤァ、なんと早くも熟柿色に煌めくエロい粒々が登場。

『えっ、まさかの新イクラっすか?』と唖然呆然のラッコ。

『今日からひとケース、豊洲に入りました。まだ小ぶりですけど』と控え目に呟く菅谷氏。

『テニスラケットですね?』といじります。
『まだ小粒なのでバドミントンラケットで、アハッ』とノリノリの菅谷氏。
聞けば筋子から自ら解されたとのこと。

魚の仕込みからお米の水加減まで、すべてをひとりで差配される菅谷氏。ご自身の眼の行き届く範囲の丁寧な仕事が持ち味です。それで二回転をこなすわけですから、いつ休んでいらっしゃるんやろう?

<つまみ>
●アラ:振り酢橘、本山葵、四日寝かせ
●鰆:山わさび、オカカ
●蒸し鮑:黒鮑、房州、味噌漬け肝
●喉黒ご飯:馬糞ウニ、黄身ソース
●唐墨
●稚鮎と実山椒

<握り>
●クエ:三重、8kg、十日寝かせ
●背トロ:血合い岸、生ボストン
●赤身:天端寄り、生ボストン
●縞鯵:天然、高知、皮目炙り
●腹カミ:中トロ、生ボストン
●煮蛤:鹿島灘
●カマ:炙り
●小肌
●新イクラ:小丼
●車海老:宇部
●ウニ:シモキタの馬糞ウニ、ムラサキウニ
●太巻き:鮪全部入り
●玉子

●ご厚情:小丼
亡き家内への影膳です。
命日が翌日と知り、ドッキリで全部入りのちらしの小丼をご用意されました。
ネタに包丁を入れながら、なんだか小さな細切れを丁寧にストックされているなぁ、と眼を細めておりました。
ひととおり全てが提供され、他の方が追加で所望された干瓢を巻き終えると、おもむろに小鉢を取り出します。
更にウニを二種、カマを炙ってミニ胡瓜を丁寧に刻む菅谷氏。
何やろう?
まかないにしては一個だけやし・・・
頃合いを見計り、後ろから木製の匙を差し出す女将。
『どうぞぉ~』
『えっ、ええっ?』
『親方が説明しますので・・・』

『どうぞ、奥様に』と菅谷氏。
『アイヤァ~』と突如、目頭が沸騰。
『xxxさんがいただかれたもの、全てが入っております』
『グッフゥ』と胸で十字を切り、手を合わせていただくラッコ。

ああっ、アカン。
こんなことされた日には更に通い続けてまうやないかい、ウウッ。

<お酒>
血糖値対策で日本酒はちょっとづつ三種類をお任せでいただきます。
最初はお約束の”すが弥”ブランドの醴泉。二杯目はシュワシュワの夏純吟で口中を洗い、とどめは鳳凰美田の限定酒。夢ささらを25%まで磨いた小売諭吉三枚の逸品。『これは原価でしかお出しできません』と呟く菅谷氏でした。

・瓶ビール:恵比寿、小瓶
・醴泉:純米大吟醸、岐阜
・文佳人:夏純吟、高知
・鳳凰美田 日光:水分神-MIKUMARI-、純米大吟醸、栃木

  • 最初はエビスの小瓶でスタート

  • アラです。振り酢橘と山葵でいただきます

  • 鰆のお腹部位。薬味の山わさびオカカとの相性が抜群

  • 房州の黒鮑。肝は味噌漬けです。酒に抜群に合う

  • 醴泉の純大吟。お約束のスタータです

  • ノドグロの炙りとバフンウニと黄身ソース

  • 全てを混ぜ混ぜします。ノドグロの脂が酢の強いシャリに絡んで至福の味わいでした

  • いつもならここで鮟肝が提供されますが、真夏なのでお休み。奥が唐墨。手前が稚鮎のチャンクと山椒の煮物です

  • 高知の銘酒の夏versionです

  • やばい奴が出てきました。これから封を切ります

  • 水分神と書いてミクマリと読むようです

  • すんごいケースに入っておりました。日光杉の枡が三種類、添えられておりました

  • 中サイズの枡を選びます。杉の香りが素敵でした

  • 今夜の踊り子さん達。奥の左から時計回りに、腹カミの中トロ、赤身、背トロ、カマです

  • 握りに入るとお茶を所望

  • クエです。三重の8kg。つまみでいただいたアラとは全く異なる食感に朦朧としてしまいました

  • 生で空輸されたボストンの背トロ。真冬の鮪そのものの味でした

  • やはりボストンの赤身。中に挟んだ青混ぜの海苔の香りと赤身の鉄臭さが劇的に合う!

  • 高知の天然シマアジです。皮目は炙りました

  • 腹カミの中トロです。ボストンです

  • 鹿島灘の煮蛤。裏の内臓のモフモフもそのまま煮込みます。そのモフモフの食感が好き

  • 煮蛤のドアップ

  • カマは炙って提供します。細かな脂スジが走っていますからね

  • はしりの新イクラ。痛風の大敵ですが、この時期だけの珠玉の粒々です

  • 小肌です。ちょうどよい塩梅

  • 宇部の車海老

  • シモキタ半島のバフンウニにムラサキウニがトッピング

  • 鮪全部入りの太巻きです

  • しっとりしたカステラ風の仕立ての玉子焼き

  • 亡き家内への影膳です。菅谷氏のご厚情に感謝します。不覚にも目頭が熱くなりました

  • 四万十の海苔のお味噌汁

  • ヒュースケンのお墓です

  • 墓碑を見るとアムステルダム産まれ。アメリカ公使の通訳で29歳の生涯でした

  • 古刹です

  • 港区の指定文化財でした

2022/08/07 更新

19回目

2022/07 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の覚悟

日曜日の夜です。

東麻布です。

今年もまたつらい季節を迎えることになりました。

暑さ?
いいえ、違います。

八年前の夏、愛妻が帰天しました。
6月に京大に異動された主治医に挨拶したいと、か細くなった足元を杖で補いながら、一種間の京都、奈良、大阪の旅。

その二週間後、東海大学病院に入院し、8月7日に天に召されました。

個室で過ごしたその三十数日。
会社帰りに立ち寄り、お弁当を食べながら夜遅くまで過ごした平日。土日は泊まり込んで、ただただなんのことはない会話を重ねた日々。

不謹慎な言い方ですが、父と母が鬼籍に入ったとしても、こんなに重く深い哀しみに暮れることは無いでしょう。

ひとりで自宅に居ても涙が頬を伝うばかりなので、この二週間ほどは意識的に外食の予定をいれたなか、今夜は馴染みの“すが弥“さんにお伺いしました。

ああっ、こちらに連れて来たかったなぁ。
一緒に鮟肝の煮付けや濃ゆい酢飯を堪能したかったなぁ。

黙って頷きながら、小さく『美味しいね』と呟く愛する人との時間は、何ものにも変えられない最高の贅沢。

いけません。
そんなことを考え始めると、カウンターで涙を流してしまいそう。

『わっ、ワサビが効きましたぁ〜』なんて野暮な言い訳は通じません。

だって哀しい眼をしているに違いないはずなので。

それでは本題です。

今夜のおまかせ内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走さまでした。


<まとめ>
お店の暖簾から『鮨』の文字を外された菅谷氏。基本のお値段も、都内でも数少ない五枚の大台に。
師匠の新井氏からは『あり得ねえっすよ』と叱咤されながらも、そこは一国一城の主。四年目の覚悟が垣間見えました。

<つまみ>
名残の鮟肝は安定の濃ゆい味。これを日本酒でいただかないなんて、犯罪です。
加えて黒鮑。
25個をまとめてボイル。肝の使えない部位から素敵な汗が染み出します。その後、蒸して冷やすとそのお出汁がゼラチンに変化。提供する直前に蒸して人肌で目の前に。
味付けは僅かな塩のみ。ブツ切りで供されるので齧りつく愉悦にあふれます。
肝は味噌漬け。これも爆発的に酒に合う。

●クエ:三重、10日寝かせ、酢橘
●鰆:3日寝かせ、山わさび
●鰹:山わさび
●黒鮑
●喉黒ご飯:卵黄、馬糞ウニ
●鮟肝
●唐墨
●稚鮎:実山椒

<握り>
マグロはやま幸さんのボストンの生。140kg。
この時期、身焼けリスクの高い痩せた近海延縄よりはるかにウンマイ。

●伊佐木:4日目
●背トロ
●赤身:漬け、天端
●星鰈:宮城、3.3kg
●腹カミ:中トロ、漬け
●蛇腹:大トロ
●煮蛤:鹿島
●車海老:宇部
●ウニ軍艦:馬糞ウニ、ムラサキウニ
●トロたく:太巻き
●お味噌汁:青海苔
●玉子

<お酒>
・エビス:小瓶
・醴泉:純米大吟醸、岐阜
・天美:純米大吟醸、山口
・鳳凰美田:純米吟醸、栃木

  • 最初はエビスをゴキュゴキュゴキュ!

  • クエです。10日寝かせなのに、弾力が半端無い。三重で水揚げされた太平洋産。外洋なので肉質が強い

  • 鰹と鰆。山ワサビとオカカ、白ネギの薬味でいただきます。この薬味だけでお酒が呑める

  • 立派な黒鮑です

  • 三個を八人でいただきます

  • 鮑は薄切りより絶対にブツ切り

  • 鮑です。暑さが判るように撮影角度を変えました。

  • 岐阜の銘酒。すが弥vergion

  • 喉黒ご飯です。底には馬糞ウニと卵黄ソースが潜みます

  • 喉黒ご飯は混ぜ混ぜしていただきます

  • 下関の銘酒です

  • 握りの準備が揃うまでのつまみ三点セット

  • この濃ゆい味付けのあん肝が大好き

  • 稚鮎の山椒煮のチャンク

  • 唐墨です。小さく齧りながら日本酒に合わせます

  • 豚のバラ肉では有りません。ボストンのクロマグロの砂擦り(蛇腹)です。いつも『その鞭でしばいて欲しい』とドMが呟くので、鞭に見立て皆さんの前におひろめです

  • 蛇腹をどの方向から切り付けようかな?

  • 栃木の銘酒です

  • 今夜の踊り子さん達です。生のまま東海岸のボストンから空輸されました。

  • 夏の魚のだいひ、伊佐木です

  • ボストンの踊り子さんの背トロ

  • ボストンの踊り子さんの天端。中に青混ぜの海苔を挟みます。この握りが大好き

  • 宮城の星鰈。眞子鰈にプロテインを飲ませたかのような筋肉質にビックリポン

  • ボストンの踊り子さんの腹カミの中トロ

  • 鹿島灘の煮蛤。内臓のモフモフを敢えて生かした仕立て

  • ボストンの踊り子さんの蛇腹。お腹が砂に擦れる部位。マグロなので実際は擦りませんけどね。7月のマグロとは思えません。脂が強めなので身に塩をあてました。スジも舌の上で溶けました

  • 宇部の車海老。旨味が濃かった

  • ウニのタワマンの準備です

  • 土台は利尻礼文の馬糞ウニ。屋上はムラサキウニです。隣の女子が一口でトライしますが、慌てて断念しました\(//∇//)\

  • マグロ全部入りの太巻きの具材です、、マグロの北アルプスです

  • 青海苔のお味噌汁

  • マグロ部位全部入りの太巻きです。菅谷氏が視線で『いきますか?』と聞いて来ますが、端っこはお若い方に譲りました

  • カステラ仕立ての玉子

2022/07/24 更新

18回目

2022/07 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

掟破りの同日師弟食べ比べ:夜の部なのだ、の巻

土曜日の夜です。

東麻布です。
鮨、の冠を外した″すが弥″さんにお伺いしました。

この日のランチが、その菅谷氏が三年の薫陶を受けた“鮨あらい″さん。

新井親方に『鮨って名前を取っちゃったので、パスタでも出てくるかもしれやせんぜ、アハッ』と、いじりネタをいただき、六時のカウンターに座ります。

事前に『血糖値が上がったので、お酒は控え目にします』とお伝えし、いつもの女将の手書きお酒メニューは遠慮しておりました。

だって、それを受け取ると、無限ループに突入しちゃいますもんね、アハッ\(//∇//)\

『お勧めしちゃいけないかなぁ、とは思いますが、次はいかがなさいますか?』と、恵比寿の小瓶を舐めるラッコに菅谷氏が控え目に問うてきます。

『ううっ、いっ、一合で終わらせます』
『それでは三種類を少しづつお出ししましょう』
『はい。お任せします』

最初に出てきたのが、醴泉の純大吟のすが弥ラベル。

そう言えば前回『名前をつけていただきました』と仰っておりましたね。

大好きな鮟肝と房州の蒸し黒鮑で垂涎の三種をいただき、握りからは初めての温かいお茶を所望。

鶴八の先先代の親方が仰っておりました。

『シャリには温かいお茶。コイツに勝るものはありやせん』

御意。

新たな水平線に覚醒したラッコ。
今後は飲み過ぎ、炭水化物取り過ぎに気をつけます。

だって診療所のドS女医に怒られちゃうもんね、アハッ。

さてさていただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみ下さい。

そしてご馳走さまでした。


<まとめ>
店名も改め、新たな地平に挑む菅谷氏。
確かにお値段は強気の設定に跳ね上がりましたが、それは親方の度量と努力次第。
だって一国一城の主ですもの。全てが自己責任。
新井氏からの言伝に『有難いです。そんなお小言を仰っていただける方は他に居ないので』とはにかむ菅谷氏。
徐に後半、ななつぼしを炊き上げるお釜の水を調節しながら、『私もこんなに働いております、とお伝え下さい』と呟きます。
承知しました。写真も撮りましたし、来月お伺いする新井氏にお見せしますね。

<つまみ>
今夜はなんと言っても黒鮑。
デッカくて切り分けられた薄桃色にかぶりつきます。
アアッ、赤ちゃんのお尻みたい。噛んだことないけど、アハッ\(//∇//)\

●アラ:酢橘
●鰹:山ワサビ
●蒸し鮑と肝:房州黒鮑
●喉黒:針海苔ご飯、ウニと卵黄ソース
●鮟肝
●唐墨

<握り>
お米は北海道のななつ星。酢は他店の1.5倍。この濃さが口に合う。

●クエ:十日熟成
●背トロ:血合い岸
●赤身:海苔挟み
●スズキ:昆布〆
●中トロ:腹カミ
●煮蛤
●砂擦り:一週間熟成
●小肌
●車海老:宇部
●ムラサキウニ:八戸
●太巻き:鮪全部入り
●お味噌汁:丸山の青糸(四万十海苔)
●玉子

<お酒>
・恵比寿:小瓶
・醴泉:純米大吟醸、すが弥ラベル、岐阜
・東魁盛:純米吟醸、千葉
・白岳仙:純米吟醸、夏虫、福井

  • 砂擦りです。一週間寝かせた熟成香が鼻腔をくすぐります

  • 赤身です。中に海苔を挟みます。磯の香りと鉄分が合う

  • その三分の一をいただきます

  • 下北半島のムラサキウニ。この高層建築は他店の三貫分

  • 鮟肝です。この濃ゆい味付けが口に合う

  • アラが並びます

  • アラの二枚付け。昆布や木の芽はやめ、酢橘一本に絞りました、とのこと

  • 鰹です。この山ワサビの薬味が口に合う

  • 房州の黒鮑何登場

  • デカい。箸で持てない

  • 硬すぎず柔らかすぎず、プルンプルンの食感。20杯分を一緒に炊き上げ、鮑の汗だけで味付けします

  • 喉黒の炙りの混ぜご飯

  • シャリは卵黄ウニソース。丸山の針海苔の香りと喉黒の脂が絶妙でした

  • 名残りの鮟肝。真冬に比べて脂は抜けましたが、ウンマイもんはウンマイ

  • 唐墨です。ポリポリと齧りながら、少ないお酒を舐めるように堪能しました

  • 今夜の踊り子さんです。境港だったかな。左上から血合い岸の背トロ、赤身、腹カミの中トロ、砂擦り。

  • 十日寝かせたクエ

  • 血合い岸の背トロです

  • 昆布〆のスズキ

  • 腹カミの中トロ

  • 煮蛤

  • 小肌

  • 宇部産の車海老

  • マグロの北アルプスです。これから太巻きに。

  • マグロの全部入りの北アルプス

  • 丸山の青糸のお味噌汁

  • マグロの太巻き。巻けるかなぁ?

  • 中心部位をいただきます。沢庵の食感と塩味が嬉しい

  • 玉子です

  • 恵比寿の小瓶でスタート

  • 岐阜の銘酒

  • 千葉の銘酒

  • 福井の銘酒

  • お米の水分量の調整中。全てをお一人で差配

2022/07/03 更新

17回目

2022/04 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の熱意

土曜日の夜です。

東麻布です。

六本木から東京タワーを経て三田一丁目、麻布十番を時計回りに散策し、東麻布に到着。

四月に入り、恐らく魚や貝、それに加えお米も一新された筈。

プリンのキャラメルのような味わいの鮟肝煮はまだいただけるのかなぁ、トラフグ白子は終わりだよなぁ、マグロはどんなんなってんやろう、なんてワクワクドキドキ。尽きない興味に足取りも軽く辿り着いたのが、こちらの”鮨 すが弥”さん。

六時ちょうどに扉が開き、検温と手指のシュコシュコを済ませ、菅谷氏の正面にご案内。

ラッコはこの一か月で四キロも肉厚になってしまいましたが、いつにも増してシュッとした立ち姿の菅谷氏。

エビスの小瓶で唇を湿らしながら世間話をしていると、ほどなく全員が揃い、今夜のコースがスタート。

ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
海の端境期にあたる四月。難しい季節かとは思いますが、そこは手練れの菅谷氏。フラットになりがちなリズムに軽快な変化が加わり、お酒がもうね、進む進む、アハッ。とりわけ、プリンのキャラメルのような香りとネットリ食感の鮟肝。これに勝るものは有りません。

他にも建築基準法違反のウニタワー。
都知事もビックリ、三密状態の野付の小柱。
エペソスの女神のような赤イカの仕立て。
キラウエア噴火のような鮪太巻きの端っこ。

数多あるお鮨屋さんの中でも頭一つ抜け出た味わいに、いつものことながら感謝します。

<つまみ>
馬糞ウニとの混ぜご飯はトラフグから金目鯛に季節替わり。この皮目を炙った金目鯛と硬めのシャリをつなぐのがクリーミーなバフンウニ。
初夏になればウナギに変身ですね。

●ハタ:木の芽、塩と山葵、一週間熟成
●初鰹:山わさび
●金目鯛:馬糞ウニご飯
●唐墨
●鮟肝:余市

<握り>
お米が北海道のななつ星に。
一粒一粒の輪郭が際立つ硬めの米粒を、酸味の際立つ強い酢でコーティング。好みは分かれると思いますが、熟成させたネタや地味の濃ゆいネタと調和したこのシャリが、ことのほか口に合います。

●鰆:昆布〆
●中トロ:背ナカ、銚子
●小柱:野付
●赤身:銚子
●赤イカ:炙り、山ワサビ
●中トロ:腹カミ、下田
●小肌:塩締め、砂糖締め
●車海老
●牡蠣:煮上げて赤酢漬け、室津
●馬糞ウニ:根室加工の北方四島産
●マグロ:太巻き
●お味噌汁:生海苔
●卵焼き:カステラ仕立て

<お酒>
・エビス:小瓶
・御山杉:純米吟醸、生、三重
・ニ兎:純米吟醸、岡崎
・醴泉正宗:純米大吟醸、中汲み原酒、岐阜
・白岳仙:純米大吟醸、極走、福井
・義侠:純米、愛西
日本酒は四合くらい

  • 最初はエビスの小瓶

  • ハタです。木の芽を巻き込み、酢橘を絞ります。一週間の熟成を経ているのでねっとりした食感

  • ハタのお腹部位です。塩と山葵でいただきます

  • 初鰹です。薬味は山ワサビベースの鰹節他

  • この時点で早くも日本酒にシフト

  • 明らかに150mlは入っていそう

  • 皮目を炙った金目鯛

  • バフンウニと混とびの海苔と金目鯛を混ぜ混ぜしていただきます

  • 岡崎の銘酒

  • 唐墨

  • 余市の鮟肝。プリンのキャラメルのような濃くて甘い香り

  • 左が銚子の赤身、真ん中が同じく銚子の背ナカ、右が下田の腹カミ

  • 昆布〆の鰆

  • この純大吟が好き

  • 背ナカの中トロ。肌理細やかな脂に悶絶。

  • 野付の小柱。タップリ盛り

  • 銚子の赤身。間に混とびを挟んで鉄火巻のような味わいに

  • 福井の銘酒

  • 赤いか。関西では剣先イカ。肉厚なので丁寧に包丁目を入れ軽く炙るとエペソスの女神(オッパイを沢山ぶら下げている豊穣の女神)に変身

  • 下田に揚がった腹カミの中トロ。春先に入り爽やかな軽めの脂に変化

  • 小肌。砂糖〆と塩〆

  • 東条特A山田錦はウンマイ

  • 車海老

  • 室津の牡蠣。煮上げて赤酢に漬けました

  • 明らかに建築基準法違反です。加工は根室ですが産地は北方四島のプーチンウニ

  • 鮪の太巻きがスターティンググリッドに

  • 鮨屋のお味噌汁はウンマイ

  • キラウエア火山が噴火したような鮪の太巻きの端っこ

  • カステラ風の玉子焼き。これは好き

2022/04/03 更新

16回目

2022/03 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の情熱

月曜日の夜です。

東麻布です。

昨年末にお伺いしてからおよそ三か月。
待ち遠しかったなぁ。

千代田線の乃木坂からのんびりと歩きます。

六時ちょうどに扉が開き、外で検温。
菅谷氏の正面に座り、先ずはご挨拶。

しかと目を見て話す菅谷氏。
精悍な出立ちに更に磨きがかかったような気がします。

それもその筈。
新店が数多の暖簾を下ろす中、すでに年内は予約で満席とのこと。東麻布の社稷を護る気概と気合いに満ち満ちておりました。

さてさて、今夜のコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
最小限の足し算にとどめて素材の地味を生かすお店も有れば、足し算に足し算を重ねてハーモナイズされた旨味を追求する親方もいらっしゃいます。
こちらの菅谷氏は典型的な後者。
修行先の”あ○い”さんからは『濃ゆいんでさぁ~』なんて温かく見守られながら、ご自身の目指す計算された味を常に試行し続けるそ姿勢、そのプロセスに立ち会えた幸運を噛み締めます。
今夜のツマミと握りは、そろそろ目指す姿の最終系に近いかな、と感じさせる逸品でした。

<つまみ>
虎河豚白子と馬糞ウニの混ぜご飯に悶絶。痛風さんとはお友達だもんね。
それに何と言っても足し算の頂点といえる鮟肝。
多くのお店が木綿に包んで成形し、薄味で煮付けるのに対し、菅谷氏の鮟肝はまるで北アルプス。
あれが劔でそっちが立山。これが穂高に槍ヶ岳なんちゃって。
ラッコはそのアルプスのど真ん中をいただき、タップリ山葵と銘酒の三位一体に心地良く漂います。

●ハタ:木の芽と塩酢橘、山葵
●鰆:皮目炙り
●小肌
●虎河豚白子の炙りと馬糞ウニの混ぜご飯
●メジ鮪:佐渡
●鮟肝:余市
●唐墨

<握り>
人によれば酢が強すぎる、塩味も前に出過ぎ、と感じる方もいらっしゃるかと思います。
でもこれも人それぞれ。ラッコはこの骨太の強いシャリが大好物。
鮪はどこだったっけな。三宅島、大島、下田?
確か太平洋側だったはず。

●鰆:真昆布〆
●背トロ
●赤身:海苔挟み
●小柱
●中トロ:血合い岸
●煮蛤
●大トロ:砂擦り
●酢牡蠣:室津、赤酢〆
●車海老:宇部
●鰯
●馬糞ウニ:根室
●太巻き:鮪づくし
●玉子

<お酒>
女将の手書きメニューに目を通していると、『こちらのよこやま、初めて入れてみました。壱岐の焼酎の酒蔵が手がけられたんですよ。ちょっと甘いかも知れませんが、宜しければ?』と女将がお勧め。
同じ長崎ご出身ですからね、郷土愛かも?
素直に従い唇を湿らせます。
うん、酸味が強めなので、甘さは気になりません。むしろ旨口かも。

●恵比寿:小瓶
●よこやま:純米吟醸生酒、壱岐
●義侠:純米、東条特A山田錦、愛西
●而今:純米吟醸、名張
●石鎚:純米吟醸、緑ラベル、西条
●醴泉正宗:純米大吟醸、東条特A山田錦、岐阜
日本酒は恐らく四合くらい

  • 最初はエビスの小瓶で気道を確保

  • 女子が『スペシャル版でぇ~す』とニコニコしながら持ってきてくれました。よく見ていただければ違いが判る筈。答えは布袋様が鯛を二尾、抱えているんですね。普通は一尾なんです

  • ハタ。4キロ。木の芽を挟んでおります。塩と酢橘で。

  • 同じく、こちらもハタ。山葵と煮切りでいただきます

  • 小肌と皮目を炙った鰆。山ワサビの薬味と合う

  • 鰆に山ワサビの薬味をトッピング

  • 早くも長崎の壱岐の地酒にシフト

  • トラフグの白子です

  • 下にはバフンウニと刻み海苔が。混ぜ混ぜしていただきます

  • 佐渡の定置網にかかったメジマグロの腹カミ。片面を軽く炙りました。悶絶級の美味さ

  • 東条特Aの山田錦はウンマイ

  • 海の焼き豚。この鮟肝煮をいただきにお伺いしていると言っても過言ではない

  • 自家製の唐墨です。名残かな

  • 砂づりです。こいつはヤバイ

  • 名張の銘酒

  • 鰆の真昆布〆。二週間寝かせて二日昆布〆

  • 背トロです。肌理が細かい

  • 西条、といっても愛媛県です

  • 赤身。間に丸山の混とびをはさみます。海苔の鉄分と赤身の血の鉄分がガッチリと握手

  • 小柱の軍艦。今の浜値は半端なく高価な筈

  • 血合い岸の中トロです

  • 煮蛤です

  • 岐阜の銘酒。すが弥ラベルが現れるかも?

  • 砂づり部の大トロです

  • 室津(兵庫県)の牡蠣。赤酢〆です

  • 宇部の車海老です

  • 鰯です。大羽サイズかな?

  • 根室産です。暴力的な高層建築

  • 鮨屋のお椀はウンマイ

  • 鮪の太巻き。端っこをゲット。一口で頬張りミッキーのようなほっぺで暫し固まるラッコ

  • しっとり卵

2022/03/08 更新

15回目

2021/12 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

菅谷氏の探究

大晦日の前日です。

赤羽橋です。

2021年、コロナに翻弄されたこの一年。
外食の取りに選んだのが、こちらの”鮨 すが弥”さん。

五時からの会に参加しました。

いやぁ、今夜は、というか今夜もまた呑んでしまいました。日本酒は八種類を一回転。

お鮨屋さんでこの所業は財布に羽が生えるけど、だってさ、一年の計は年末に在り!

うん?
なんか違うような気もするけど、まっ、いいか。細かいことは苦手だもん。

さてさて、今夜のコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
菅谷氏の正面に座り、恵比寿の小瓶を静かに嗜みます。
すると板の上で鰹の斬り付けがスタート。
背中側の身ですが、皮裏の脂がすんごいのなんのって、まるでラードの膜みたい。
アカン、これは日本酒や。
ビールを一気飲みして気道を瞬間洗浄。
気配を察して後ろを振り向くと、割烹着のポケットから、にこやかに手書きのラッコ用日本酒メニューを取り出す女将。
しかも今夜は招き猫の大吉シール付きやないかい。
アイヤァ、なんやねん、このタイミングの妙!
グフッ、今夜も完敗。女将のアルカイックスマイルにも乾杯。

<つまみ>
鮟肝は言うに及ばず、鰹出汁漬けの真鱈の白子、カワハギの肝卵黄ソースなどなど、悶絶に次ぐ悶絶。
仕上げに二種類のツマミも追加し、一年の煩悩を打ち払いました。

●鮃:明石産
●鰹:背中
●白子:真鱈、鰹出汁漬け
●皮剥:小丼、漬け炙り、馬糞ウニ、卵黄
●鮟肝
●唐墨

<握り>
生ハムのような香りの鰆に朦朧。一か月ほど骨付き熟成させ、二日ほど昆布で〆たカンパチの柔肌に悶絶。なんと歩留まりは三割程度とのこと。最終日なので大間の鮪も五貫ほど登場。ルビー色に煌めく踊り子さんの眼差しにノックアウトされてしまいました。

●鰆:昆布〆
●勘八:昆布〆、三重
●中トロ:背カミ、大間、160kg
●赤身:大間、こん飛び挟み
●背トロ:大間
●小柱:厚岸
●中トロ:血合い岸
●大トロ:腹カミ一番
●鰯:北海道
●縞鯵:尾鷲、皮炙り
●車海老
●煮蛤:鹿島
●ムラサキウニとバフンウニ:上磯
●鮪:太巻き
●玉子

<追加のツマミ>
●小柱
●鮟肝

<お酒>
常備酒は八種類。全種類制覇を目論みますが、伯楽星の純米大吟醸がちょうどヤマになってしまいましたので、而今を二杯いただき、七種類の八杯で終了。
菅谷氏は半合とおっしゃいますが、どうみても七匁は入っていそうです。

●恵比寿:小瓶
●而今:生酛、東条特A秋津山田錦、三重
●田酒:特別純米、青森
●若波:純米生酒、福岡
●義侠:純米、東条特A山田錦、愛知
●美丈夫:生原種、高知
●東魁盛:山廃純米、千葉
●醴泉政宗:純米大吟醸、東条特A山田錦、岐阜
●而今:二杯目
日本酒は六合弱

  • 最初はエビスでしょ

  • カツオの皮裏の脂が見えるでしょうか?

  • 明石産の鮃。中には木の芽と塩昆布を潜ませます

  • こちらも明石産の鮃。酢橘と山葵でいただきます

  • 先ほどの鰹。白い部分が脂。山わさびとオカカの薬味と絶妙にマッチします

  • 真鱈の白子の鰹節の出汁漬け。年明けからはトラフグに白子に変わります

  • 丸山の混とびの海苔の香りが大好き

  • 三重の銘酒。秋津の山田錦です。東条特Aの最高峰

  • 軽く漬けて炙ったカワハギの身と肝にバフンウニを加え卵黄ソースでまとめます

  • カワハギの肝とバフンウニと卵黄。混ぜ混ぜした方がウンマイ

  • 青森の銘酒です

  • 福岡の銘酒です

  • 鮟肝。中心部位です。まるでボンレスハムのソテーのような見た目

  • 自家製の唐墨。チビチビと齧りながら握りの仕込みを見つめます

  • いずれも大間の160kg。奥の左から血合い岸の中トロ、赤身、背カミの中トロ、手前が腹カミ一番の大トロです

  • 愛知の銘酒

  • 鰆の昆布〆。もはや生ハム

  • カンパチの砂摺り部位。骨付きのまま一か月熟成、斬りつけて昆布で二日〆ました。

  • この肌理の細やかな身質は背中側の部位の特徴。ちょうど別れ身の部分です

  • 高知の銘酒

  • 大間の赤身。間に混とびの海苔を挟みます

  • 厚岸の小柱

  • 千葉の銘酒。酒米は五百万石です

  • 背トロです

  • 血合い岸の中トロ

  • 腹カミ一番の大トロ

  • 北海道産の鰯。酢の力で小骨も溶けます

  • 岐阜の銘酒。東条特A山田錦です

  • 尾鷲のシマアジです。皮目は炙ります

  • 車海老

  • 鹿島産。煮蛤です

  • 鮪太巻きの準備その一

  • 鮪太巻きの準備。まだまだ切ります

  • 更に斬ります

  • 鮪の北アルプスの完成です

  • 上磯のムラサキウニとバフンウニです

  • ウニのタワマン

  • 鮨屋のお椀はウンマイ

  • 鮪の太巻き

  • 玉子焼き

  • 追加の小柱のツマミです

  • 追加の鮟肝のツマミです

2022/01/05 更新

14回目

2021/10 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

菅谷氏の渾身

金曜日の夜です。

東麻布です。
今夜はおよそ二か月ぶりのこちら、”鮨 すが弥”さん

コロナさんが落ち着き始めるのと並行して、なんだか仕事もワサワサ感が増してきました。一斉スタートの六時に間に合うかなぁ、なんてドキドキしながら、ラストスパート。

気合いを入れすぎたせいで、予約時間の十五分前に到着してしまいました。

まっ、いっか。
近くでお茶でも飲むには時間が少なすぎるし、入り口の陰に隠れてスマホとニラメッコ。ほどなく続々と予約の方達が集まりはじめ、六時ちょうどに案内がスタート。

いつもの通り、奥から二番目の席に案内され、『こんばんは』とご挨拶。

ううん、今夜はなんだかいつもの雰囲気と違う。
なんやろ?

エビスの小瓶で唇を湿らしつつ周囲を伺います。

なんか、いつものルーティンとちゃうぞ。そろそろ大好きな女将が、日本酒の手書きメモを背中越しに渡してくれる筈なんやけどなぁ、フムムッ?

あっ、そうか。分かった。
女将が居らっしゃらないんや。

そういえばいつも着席する前に暖簾からお顔をチラ見せされ、嫋やかに微笑まれるアルカイックスマイルが無い。

小さな違和感はそれや。

意を察したかのように菅谷氏が呟きます。

『今夜はちょっと用事がありまして、でも「xxxさんによろしく」と、女将手書きのお酒のメニューも用意しております』

表の女子が静々と手書きメモを渡してくれます。

有難い。
用意してくれてたんや。
ハート鷲掴みやないかい、ちゅうか、もう掴まれてるんやけど、アハッ。

『あいやぁ、それは呑まないとあきまへんね。それにしても東麻布のマダム感マシマシの女将にお会いしたかったぁ...』なんて、無いものねだりの小デブ。

二種類で納めるつもりが、結局六種類ほど痛飲してしまいました。お陰で諭吉が五人ほど揃いましたが、そんなに飲まなければ四人で収まったはず。

ああっ、これで女将の笑顔に接していたらもっと呑んでたのかなぁ、なんてちょっと反省しつつ、菅谷氏に見送られながら赤羽橋の駅を目指します。

いただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
独立される直前の修行先、”あらい”さんとは対極の濃い味。新井氏の清冽な滋味も素晴らしけど、旨味の濃いシャリ、たまり醤油で煮含めた鮟肝など、ラッコの我儘な舌をガシッとグリップして離しません。
予約は困難を極めますが、なが~く、通い続けたいお店です。

<つまみ>
●星鰈:宮城
●九絵:三重、一週間寝かせ
●鰹:山わさび、三日寝かせ
●カマス:炙り、稚鮎と山椒のチャンク
●鰤:炙りご飯、ウニ卵黄ソース、北海道
●鮟肝:余市

<握り>
●サゴシ:六日寝かせ
●背トロ:大間、160kg
●赤身:海苔挿み、大間、160kg
●北寄貝:炙り、長万部
●中トロ:腹カミ、塩竈、160kg
●小肌:天草、五日目
●カマ筋:大トロ、塩竃、160kg
●車海老:宇部
●白子:鰹出汁漬け
●新イクラとムラサキウニご飯:
 ・ウニはサンタバーバラの素潜り
●穴子:対馬
●鮪:いろんな部位の太巻き
●玉子

<お酒>
●恵比寿:小瓶
●義侠:純米、東条特A、愛知
●田酒:特別純米、青森
●醴泉:純米大吟醸、東条特A、岐阜
●東魁盛:山廃純米、富津
●宮泉:純米、会津
●みむろ杉:特別純米、奈良
日本酒のグラスは八匁くらいなので、計五合弱

  • 最初はエビスの小瓶

  • 宮城産の星鰈。松川とならぶ鰈の横綱。滑らかな舌触りとともに滋味深い健全な脂が舌に染み込みます。単に切って出すだけならどなたにもできますが、この付け台に乗るまでの仕込みに秘密があるはず

  • 一週間ほど寝かせた三重産のクエ。木の芽と酢橘でいただきます

  • カツオ。雑味は皆無。文句なしにウンマイ。山わさびと白ネギの薬味もウンマイ。酒が進む進む。

  • 旬のカマスの炙り。名残の稚鮎と山椒のチャンク、丸山の混とび海苔の香りも良く、これも酒を呼ぶ

  • 名残の稚鮎と山椒のチャンク。これも今年で最後か4ヾ(≧▽≦)ノ

  • 兵庫は東条特A山田錦の愛知の銘酒。いきなりやけどする日本酒でスタート

  • 鰤の季節がスタート。まだ北海道産ですが、これからゆっくりと南下してくるのかな。真っ白なお腹が綺麗で、ラッコも大好物です

  • 鰤ごはん。卵黄ウニソースと混ぜ混ぜ混ぜ。春は金目鯛、夏は鰻、アキは鰤、冬はカワハギ。そして時々変化球。これは逃せません

  • ようやく出始めた余市の鮟肝。菅谷氏によれば、煮上げた後の熟柿色の脂は余市でないと出ないそうです。これはラッコの大好物

  • 次はやはり田酒っしょ

  • 醴泉の純大吟。東条特Aを磨きに磨いた28%。本数限定の逸品です。これで大やけどは避けられません

  • 今夜のピンピンの鮪です。奥の左から塩竃の腹カミ、大間の赤身、大間の背トロ。手前が塩竃のカマ筋大トロです。いずれも魚体も160kg

  • カマ筋がデフォルテでいただけるなんて幸せです

  • サゴシ。鰆の幼魚。六日寝かせて生ハム食感

  • 会津の銘酒。写楽の酒蔵です

  • 背トロ。腹カミや腹ナカよりキメ細かい繊維に脂が潜みます

  • 大間の赤身。やはりマグロは赤身っしょ。内側に混とびの海苔を挟みます。香りが良いのでご機場の鉄火巻のよう

  • 富津の山廃純米。このどっしり感が好き

  • 長万部の北寄貝。軽く炙って供します。内臓のモフモフがウンマイ

  • 腹カミの中トロ。塩竃です

  • 五日寝かせた天草の小肌

  • 塩竃のカマ筋。希少部位です。軽く炙ります

  • 宇部から養殖の車海老がこんにちは

  • 真鱈の白子の季節の到来です。鰹出汁漬け

  • 新イクラとムラサキウニのご飯。今の時期のウニは国内産より加州はサンタバーバラの素潜り漁です

  • 奈良の銘酒

  • この踊り子さんたちが太巻きに変身

  • 対馬の穴子です

  • 鮪太巻きの端っこをゲット

  • フワフワ玉子です

2021/10/09 更新

13回目

2021/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

菅谷氏の弛まぬ研鑽

土曜日の夜です。

赤羽橋です。

今夜は三か月ぶりの”すが弥”さん。
予約の十分前に到着すると、すでにご夫婦らしき一組が外でお待ちです。

その後、お一人様の女子がお二人、壮年男子が一名到着し、ラッコを含めて六名かな?

『いやぁ~、お二方ほどご予約をお忘れになったようで、その分、皆様には多目にお出ししましょうかね』と、変わらぬ笑顔の菅谷氏。

左袖の金色の三本線が五本になっておりました。

『はい。石の上にも三年、ということで最初は三本線でしたが、皆様のおかげで三年目を迎え、更に次を目指そうということで五本にしてみました。縁起も良い数字のようなので...』

なるほど。
陰陽五行説の木、火、土、金、水に通じるのかな?
それとも仏法の五蘊?

いずれにしましても、弛まぬ向上心と研鑽の日々がお店の繁盛を支えます。

そんなやり取りを、そっと後ろで見守る女将。
笑みの絶えることが有りません。

ラッコは何でも美味しいと感じてしまうし、人気のお店であればなおさらウンマイのですが、その中でも通い続けるいくつかのお店の決め手は、控え目で謙虚な親方、そして柔らかい空気を醸す女将の存在。

今日は亡き家内の七回忌。
”鮨 すが弥”さんを予約していたのも、それが理由。

付かず離れずの適切な距離感。
上質で閑静な空気に癒され、ピンピンの魚と銘酒に揺蕩うこの時間が好き。

左肩に乗っかる家内が呟きます。

『私もお伺いしたかったぁ~、プンプンプン』
『あっ、それ無理。だって開店されて三年だもん』
『そっかぁ~、シクシクシク』

他愛もないお一人様時間に酔いしれます。

そしてご馳走様でした。

いただいたものは以下の通りです。
詳細なコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。


<つまみ>
●九絵:塩酢橘、塩昆布
●鰹:山ワサビ添え
●黒鮑:肝の味噌漬け添え
●鰻丼
●鮟肝:稚鮎と実山椒のミンチ添え

<握り>
今夜のマグロはいずれも塩釜の120Kg。
夏の鮪らしく、ほど良い酸味が乗っかります。
部位は、赤身、中トロ、カマスジ、蛇腹の四種類。しかと堪能しました。

●九絵:真昆布〆
●中トロ:塩釜
●小柱:白老
●赤身
●鰯:銚子
●蛇腹
●小肌:天草
●鱒子とムラサキウニ
●車海老
●カマスジ
●ウニ:利尻
●煮蛤:鹿島
●鮪太巻き
●玉子

  • 一週間寝かせたクエ(アラ)。酢橘と塩と山葵でいただきます。鰈や鮃より更に動物系に近い肉質に思わずウットリ。ゼラチン質を楽しむなら鍋ですが、食感を愛でるなら活

  • こちらのクエ。内側の塩昆布を挟みます

  • 戻り鰹の始まりです。山ワサビの薬味と合う

  • 蒸し黒鮑です。横浜インターコンチみたい。鮑は薄切りよりぶつ切りに限る。肝の味噌漬けがお酒を呼びます

  • 鰻丼。しっかりと炊き上げ、ホイルに包んで蒸した仕上げ。山椒風味が食欲を掻き立てます

  • 真夏の鮟肝は希少。真冬のそれより脂は落ちるけど、これはこれで健全な旨味。稚鮎と実山椒のミンチを添えて夏の爽快さを演出します

  • 鮟肝を舐めるようにいただくラッコの眼の前で握りの斬り付けが始まります。取り出したのは蛇腹。砂摺り部位です

  • その砂摺りを裏返すとこんな感じです

  • まず側面の皮を切り取ります。鮪の皮は鎧のようですね

  • 無駄な脂やスジをトリミング。フライパンで焼くとこれもウンマイんですよね

  • 綺麗にトリミングが終了し、これから斬り付けます

  • 左上から右に、中トロ、赤身、大トロのカマ筋、手前が大トロの蛇腹です

  • クエの真昆布〆。利尻でもなく羅臼でもなく、真昆布。白身の香りを邪魔しない仄かな旨味が舌の上で踊ります

  • 塩釜の中トロ。夏鮪らしく、ほど良い酸味が充満しておりました

  • 白老の小柱。ウポポイのある町ですね。厚岸より小粒でしたが旨味は半端ない

  • 赤身。部位違いの二種を重ねます。間には青混ぜの海苔。赤身の鉄分と海苔の鉄分のダブルアタック。握りの王様は赤身かも?

  • 銚子産の鰯。酢で〆て三日目。小骨も酢で溶けています。このぐらい強めの〆が好み

  • トリミングした蛇腹。砂摺り部位です。脂のスジは太めですが、まったく歯にあたりません。舌の上で溶けました

  • 天草産の小肌。こちらも強めの酢〆。口に合います

  • 季節限定の鱒子。小粒だし秋の新イクラのようなコクは無いけど、季節ものの希少な卵を満喫します。コクの薄さは下北のムラサキウニで補充

  • 車海老。こいつは海老の旨味が濃かったっす

  • カマスジの炙り。細く短いスジが複雑に絡んでいるので、この部位は炙りが最適かも

  • ウニタワーです。利尻のムラサキと赤ウニの重層構造

  • 鹿島産の煮蛤。穴子は目当てのものがなく、今夜は蛤でした

  • 鮪の色々部位の太巻きです。これから海苔に乗っけます

  • 今夜の鮪太巻きも絶品。沢庵がアクセントです

  • 今夜は端っこをいただきました。うるさく『二個しかない』とか『三分の一の確率だ』とか呟いていたので、アハッ

  • 芝海老の玉子。絶品です。ことのほか口に合います。

  • ご夫婦の写真を撮影しようとしたところ、女将から『たまにはxxxさんも』と言われ顔出しならぬ腹出しするラッコ

2021/08/08 更新

12回目

2021/05 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

菅谷氏の熱誠

今夜は赤羽橋のこちら、”鮨 すが弥”さんにお伺いしました。

昨年末以来なので、まるまる四か月ほどの空白。
ああっ、待ち遠しかった。

予約は六時ですが、その十分ほど前に到着。

玄関前で文庫本を読みながらのんびりと待っていると、『xxxさん、お久しぶりですぅ~』とマスク姿の女子。

愛くるしい笑顔の女将さんが、お買い物から帰られたところ。

『あっ、そのマスク、素敵ですね』と女将さん。
『アハッ、お鮨屋さんに来るときはこのスシネコマスクなんです』とラッコ。(写真を最後に添付しました)

ちょっとお痩せのようですが、髪も短くイメージチェンジ。東麻布のマダム感が漂い始めました。

でもまったくイヤミが有りません。

こちらの女将さんの笑顔は時間を止めますね。
そんな方、めったやたらにいらっしゃるものでは有りません。

まさに選ばれた女子。
その女将だけの特権かも。

三々五々、予約客が集まり始め、六時ちょうどに木戸が開きます。

菅谷氏の正面に着席。
両脇をお一人様の女子に挟まれ、ドッキドキのラッコ。

あっふぅ~。
なんかエエ香りがすんなぁ~?

アハッ、山葵を摺りおろしてんのかいな、グフッ。

さてさて今夜のネタですが、明石の鰈にはまだ早い時期。代わりの白身は大物の鯒。

うんまいっすねぇ~。

小樽の蝦蛄も子持ちの上物。軽く炙って甲殻類の香ばしさを演出した手技にもう悶絶。

ああっ、間違いない。
次回が早くも楽しみです。

ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しましたので、画像とともにお読みいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。

<ツマミ>
●鯒:静岡
●鰹
●蝦蛄:小樽、子持ち、炙り
●金目鯛ご飯:ウニ卵黄ソース
●鮟肝
●稚鮎:実山椒煮

<握り>
シャリの進化にラッコの舌が感づきます。
聞けば上白糖からキビ糖に変えたとのこと。赤酢の旨味ではなく、糖の旨味に悶絶。

●マハタ:昆布〆
●中トロ:背カミ、塩釜、140kg
●赤身:那智勝浦、160kg
●小柱:厚岸、大星
●中トロ:背ナカ、沖縄、180kg
●中トロ:腹カミ、沖縄、180kg
●鳥貝:三重
●大トロ:砂摺り、沖縄、180kg
●小肌
●小柱
●車海老
●ムラサキウニ/バフンウニ:青森
●煮蛤:鹿島
●玉子
●お味噌汁

<追加>
●大トロ:カマ

  • お店の入り口

  • 静岡産の鯒が並びます

  • 一汐昆布を挟んで酢橘でいただきます。昆布の旨味と塩味が絶妙

  • こちらは木の芽を挟みます。この香りが好き

  • 鰹です。薬味が好き

  • 小樽の蝦蛄。中の玉子が唐墨のような食感。直前に軽く炙り、甲殻類の香りを引き立てます

  • 金目鯛の炙り。卵黄とウニソースでシャリと混ぜ混ぜ

  • このウニ卵黄ソースが絶妙

  • 晩春の鮟肝もウンマイ。もはや定番です。でも七月と八月はありません

  • 稚鮎を実山椒で炊いてチャンクしたもの。ゆっくりと舐めるようにいただいている内に、今夜のマグロ五種の準備が始まります

  • 今夜の踊り子さんです。奥の右列が塩釜140kgの背トロ。手前の横一線が沖縄180kgの砂摺り。奥の真ん中と左手が那智勝浦の160kgです

  • マハタの昆布〆です

  • 塩釜で揚がった140kgの中トロ。背カミ部位です

  • 那智勝浦で揚がった160kgの赤身

  • 厚岸の小柱。大星サイズです。青混ぜの海苔の香りと小柱の磯の香りがマリアージュ

  • 沖縄で揚がった中トロ。背ナカ部位です

  • 腹カミの中トロ。沖縄産です

  • 三重の鳥貝。内臓を軽く炙ります

  • 沖縄産の大トロ。砂摺り部位です

  • 小肌です

  • 車海老です

  • バフンウニを下敷きにムラサキをマウンティング。いずれも下北産でした

  • 油断していたらムラサキウニが落下

  • 鹿島の煮蛤

  • 鮪の太巻き用の具材です

  • 太巻きをガン見していたら、二つしかない端っこの一つをいただきました

  • 玉子

  • 追加のカマ筋。炙ります

  • 隣の女子から干瓢巻きをひとつ、恵んでいただきました

  • 店内の書

  • 素敵です

  • お寿司屋さんでの必需品です

2021/05/09 更新

11回目

2020/12 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

菅谷氏の大願成就

水曜日の夜です。

今夜は三回転目の最後の会。
七時に訪れ、三時間ほどゆったりと愉しみます。

皆様ご存じの通り、開店三年目に入ったこの師走、赤本の星を一つ冠することとなりました。

不動前の”すし 岩澤”さんで開店前の女将修行に勤しむ奥様を目にし、その後岩澤氏の伝手で通い始めてからおよそ一年半。今に至るプロセスを間近で触れてきた身としては、心よりお祝いの言葉を紡ぎたいと思います。

もちろん菅谷氏のご努力も言うまでもありませんが、裏を陰で支える奥様のサポートがあってこその成果。

しばらく通い続けるつもりですが、これから二十年、三十年を経れば、私の好きな龍土町の”奈可久”さんのようなお店に昇華されていくのかな、なんて、そのような佳日に至ることを楽しみにしつつ、ひとり旨い酒を愛でながらニンマリと頬が緩みます。

少々お高目の部類に入るお店ではありますが、食べ比べて初めて分かるピンの中のピンネタに舌も喜び、是非もなく、納得。

星がついたことで予約も更に難しくなりますが、多くの方々に口福を届けることも、お寿司屋さんとしての本分。

そしてご馳走様でした。

いただいたものは以下の通りです。
コメントは写真欄に記載しましたので、画像と共にお読みいただければ幸いです。

追記:
2020年のレビューもこれで最後となります。
多くの”いいね”や心優しいコメントを数多くお寄せいただいたフォロワーの皆様、有難うございました。
来年もまたお楽しみいただければ幸いです。


<つまみ>
●鮃
●鰹
●皮剥:肝乗せ
●平貝:磯辺巻き
●鮟肝

<握り>
●勘八:昆布〆
●背トロ
●赤身
●小柱
●霜降り
●小肌
●車海老
●鰯
●大トロ:炙り
●キタムラサキウニと馬糞ウニ
●煮蛤
●鮪:太巻き
●お味噌汁:アオサ
●玉子焼き

<追加>
●山葵巻き

<お酒>
●若波:純米吟醸、福岡
●福祝:純米無濾過生原酒、千葉
●東洋美人:大吟醸、山口
●田酒:純米吟醸、華想い、青森
●宝剣:純米大吟醸、呉
お酒は約三合程度

  • 赤羽橋の交差点から東京タワーを臨みます

  • お祝いの胡蝶蘭です

  • 今夜は福岡の銘酒でスタート

  • 明石の鮃です。肉厚です。中に縁側を潜ませ、塩でいただきます

  • 同じく明石の鮃です。デカい。中には木の芽と昆布を潜ませます

  • 鰹の薬味。後でお酒のアテに追加します

  • 勝浦沖の鰹。太い。もはや鰹ではありません。上質な本マグロの赤身みたい

  • カワハギとその肝です

  • 鰹の薬味に山葵を乗っけてお酒のアテに

  • シャリの上にカワハギの身と肝を乗せ、煮切りを垂らした卵黄ソースを流します

  • 混ぜ混ぜします。これでカワハギは終り。年初からはトラフグの白子の出番です

  • 千葉の銘酒です

  • 握りの準備が進みます。奥が小柱、手前が煮蛤です

  • 小肌。赤酢で付けているので飴色に仕上がります

  • 平貝の磯辺巻き。お餅を挟みます

  • カンパチのお腹です。生ハムのような色合いですね

  • 山口の東洋美人の酒蔵です

  • 鮟肝。薄味仕立てのお店が多い中、たまり醤油で濃い味に仕立てる此方の味わいが好き

  • 年内最終日なのでお代わりしました。八人中五人の方が追加で所望されました

  • 今夜の踊り子さんです。いずれも大間からやってきました。約180Kgの魚体です

  • 青森の銘酒です

  • カンパチのハラミ。三週間熟成の真昆布で二日〆。ウンマイ、ウンマ過ぎます

  • 大間の背トロ

  • 大間の赤身

  • 小柱の軍艦。丸山の混とびの青海苔の香りが柱の潮の香りとガッチリ握手します

  • 大間の霜降り。大トロと中トロの境界辺りの身です

  • 天草産の小肌。赤酢で〆るので身は飴色に変化しています

  • 宇部の養殖車海老。味噌を内側に潜ませます

  • 大羽サイズの鰯。北海道産です。酢で溶けた小骨の微かな触感がアクセント

  • ウニタワーの準備が始まります

  • 大間の大トロです。蛇腹部位を軽く炙ります

  • 下北半島のキタムラサキウニ

  • ウニタワー。下北のキタムラサキと上部は釧路の馬糞です

  • とても一口ではいただけないので、山葵をトッピングし、つまみで数粒いただきます

  • 煮蛤

  • 大間の本マグロの太巻きの準備がスタート。500mlのペットボトルより太いかも

  • 太巻きです

  • カステラタイプの玉子焼き

  • 追加の山葵巻き。昔ながらのネタですが、提供するお店は少なくなりました

  • これは泣ける。〆には最高!

2021/01/01 更新

10回目

2020/11 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

菅谷氏の篤実

金曜日の夜です。

麻布十番で独りゼロ次会を済ませ、軽いほろ酔い気分で赤羽橋まで歩きます。
開店十分前に到着しますが、すでに待ち合わせでしょうか、お二人の方が居らっしゃいました。

ほどなくそれぞれの相方もご到着になり、順番に中に入ります。

コートを脱ぎ、菅谷氏の正面の席に。

『こんばんは。つい先日、いらしたような気もしますが、アハッ、今年はホントに時間が過ぎるのが早かったですね』と親方。

『ははっ、そうですね。先月でしたね。魚も変わっているんじゃないかと楽しみにしておりました』と珍しく、大人のふりをした卒の無い言葉を返します。

ネタ箱からおもむろに白身の柵を取り出し、切りつけ始める菅谷氏。

立派な鮃です。
明石産とのこと。

他には重量感のある宮城の鰹、旬を迎えた小樽の蝦蛄に明石のカワハギ、182㎏の大間の本マグロ。
ああっ、ウンマイ。

シャリも赤酢が濃い目の赤シャリですが、決してとんがった酸味は無く、仄かな旨味の塊に溜息の連続。

女将が用意してくれた日本酒の手書きメニューを眺めながら、今夜も五種類、掌で弄びます。いや、違うな。弄ばれます。

お酒は美味い肴があってこそ。
半合と言いますが、絶対に七匁目はありそう。

二回転目が控えておりますので、サクサクといただき、八時過ぎにお店を後にしました。

次回は十二月の終わり。
更に脂ののった本マグロを楽しみにしつつ、そしてご馳走様でした。

それぞれのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみください。


<つまみ>
●鮃
●鰹
●蝦蛄
●北寄貝
●鰤ごはん
●鮟肝
●イカの塩辛
●ネギと山ワサビ:鰹の薬味

<握り>
●鰆:昆布〆
●背トロ
●赤身
●小柱
●大トロ
●皮剥
●大トロ:二貫目
●鰯
●車海老
●生筋子丼
●馬糞ウニ/キタムラサキウニ
●穴子
●お味噌椀
●大トロ太巻き
●玉子焼き

<お酒>
●恵比寿ビール:小瓶
●原田:特別純米、秋あがり、周南市
●美和桜:特別純米、秋あがり、三次市
●阿部勘:純米吟醸、塩釜市
●惣邑:純米吟醸、斗甕取り、長井市
●北安大國:純米吟醸原酒、ひやおろし、大町市
日本酒は計四合弱くらい

  • 今夜はエビスの小瓶でスタート。ブタクサの花粉に侵食された喉を洗浄します

  • 明石産の鮃。中に縁側のぶつ切りが潜みます。山葵をたっぷりとトッピングしていただきます

  • 明石産の鮃。中に山椒昆布と木の芽が潜みます。こちらは塩と酢橘でアンムッ!

  • 塩釜の鰹。鬼の金棒のような太さ。もちろんお味も鬼に金棒。鰹のいやらしい臭みが全くありません

  • 白ネギなどのタタキを山ワサビで和えて煮切りを垂らした薬味で巻き取ります。ウンマイ、ウンマすぎる。

  • 小樽の蝦蛄。旬のど真ん中。表面を軽く炙ります。太い。水揚げ直後に湯がくのが鉄則の蝦蛄。浜ゆでですが、このふっくら感は素晴らしい。活なら蝦蛄爪もあるのでしょうが、こればっかりは残念

  • 北寄貝の炙り。酢橘を振りかけます。裏の内臓のモフモフも活きておりました。

  • シャリ桶の保温用の御櫃が完成したとのことで、促されるままに写真に撮りました。確かに新品です

  • 此方の酒蔵は初めてでした。山口県ですが、西都の雫、という酒米も初めてでした。ウンマイ

  • 三日寝かせた鰤。下にはウニと卵黄を混ぜたソースが潜みます

  • 鰤とウニ卵黄ソースの混ぜご飯。鼻息が思わず荒くなりました

  • 大好物の鮟肝、余市産。焼き豚のようなこの深い漬け込みが大好き

  • 割ると内側はこんな感じ

  • イカの塩辛。この時期の定番。ゴロは三日塩漬けして旨味を含ませ、目の最も細かい濾し器で裏漉しします。黄柚子の香りも清々しく、チビチビと舐めながら日本酒を口に含み、握りの切りつけを眺めます。

  • 今夜は十種類。うち、五種を選びました

  • 広島は三次の銘酒

  • 大羽サイズの鰯。握り用にこれから半分に切りつけます。脂ドレスに浮かぶ黄色い線は脂。鶏肉と一緒ですね

  • 今夜は全て同じ182㎏の大間の魚体。上段左が背トロ、右端が赤身、逆T字型に大トロが並びます。いずれの部位も一週間ほど寝かせた状態

  • 鰆の昆布締め。昆布が主張し過ぎず、熟成の進んだ鰆の柔肌を引き立てます

  • 背トロ。部位は背かみ。悶絶です

  • 塩釜の銘酒。酒米は亀の尾でした

  • 赤身。このルビー色の煌めきに誘惑されてしまいます

  • 小柱。青混ぜの海苔との相性も抜群

  • 鰹の薬味を隣のオヤジ様が所望されました。すると菅谷氏が『XXXさんもお食べになりますよね』とよそってくださいました。酒飲みの心を知る親方です

  • 大トロ。腹かみ一番。もう、何も言えねぇ!

  • 山形の銘酒にシフト

  • 旬のカワハギ。明石産。居酒屋に良くあるウマヅラではありません。肝もデカい

  • 二貫目の大トロ。先ほどとは柵が異なります

  • 北海道の鰯。黄色味が買っているのが脂。砂糖〆、塩〆、最後に赤酢〆。ふんわりと仕上がり。小骨も酢で溶けております。こんな繊細な〆が出来るお店は少ないのではないでしょうか

  • 車海老。海老は茹でると甘みが倍増します

  • 長野県の銘酒

  • 生筋子丼。鰹出汁に漬け込みます

  • 青森のバフンウニと釧路のムラサキウニ。顎が外れるので、とても一口ではいただけません。上部のウニを数房、つまみでいただいちゃいました

  • 穴子。ようやく肉厚なものの入荷が始まりました

  • 大トロ太巻きの準備が終わります

  • 大トロの太巻き。写真で見る以上に大きいです

  • 玉子焼き。内側はカスタードクリームのようです

  • 玄関から看板を外されました

  • 菅谷氏と女将さんです。いつも有難うございます。

2020/11/08 更新

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