ゆうじ88さんの行った(口コミ)お店一覧

ゆうじ88が訪問したレストラン、と名付けて頂きました

メッセージを送る

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

行ったお店

「日本料理」で検索しました。

これらの口コミは、訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。詳しくはこちら

120 件を表示 70

にくの匠 三芳

2024年Silver受賞店

The Tabelog Award 2024 Silver 受賞店

にくの匠 三芳

祇園四条、京都河原町、三条京阪/牛料理、日本料理

4.47

573

¥60,000~¥79,999

-

定休日
-

昼の点数:5.0

1回

すずや はなれ

三河鹿島/日本料理、海鮮

3.12

11

-

¥1,000~¥1,999

定休日
水曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:5.0

2017/06訪問

1回

草喰 なかひがし

2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

日本料理 WEST 百名店 2023 選出店

食べログ 日本料理 WEST 百名店 2023 選出店

草喰 なかひがし

元田中、茶山、出町柳/日本料理

4.23

662

¥30,000~¥39,999

¥10,000~¥14,999

定休日
月曜日

昼の点数:4.7

中東さんの料理に… というより中東さんに会いたかった。 これが今回の京都行きの一番の理由だった。 なかなか予約が取れないので、先々のお店の都合で空いている日時を教えて頂き、その日に合わせて休みを取るのだ。 ようやく予約が取れたこの日、京都に向かう新幹線の車内からワクワクしていた。 万難を排する為に12時の30分前に到着した。 時間が余ったのでお店の目の前にある「哲学の道」のベンチに腰をおろす。 春の気配にはまだ程遠い、桜の樹の固い蕾が青空と重なる。 やがてお店の軒先に暖簾が掛かる。 荷物を預かってもらい、カウンターの席に着く。 たまたまだろうが、私は何故かカウンターの端の席に通されることが多かったが、今日はど真ん中だ。 しかも私以外のお客は全員女性。微かな恥ずかしさと緊張を感じながら最初の緑茶とおしぼりが出てきた。 喉も渇いてきたので最初はビールを注文した。 待望の料理はいつものように八寸からだ。 季節ごとの歳時記を表した八寸、今回は「雛祭り」だ。 蛤の中にはおこわが。朱く染めた蕪の椿の花見立て。 桜のチップで燻された自家製の蛍烏賊……。 様々な思いが込められている。 ビールで潤った喉が日本酒を恋しがる。 中東さんに「吟醸ではない純米酒を人肌で。」と所望した。 勧められたのは「神聖」。私好みの薄く平らな盃で頂く。 料理についてはあれこれ説明するのは割愛させて頂くが、 今回は鯉と鹿肉が抜群だった。 特に鹿肉は中東さんも「これに赤ワインをお持ちしましょうか。」とおっしゃっる程の出来! 菊芋の摺り流しがこれ程美味しいソースになるのか…。 オクドで炊いた土鍋ご飯もいつものように様々な提供方法で楽しませてくれる。 いつもいつも本当に美味しい料理に感服した。 次はまた妻を連れだって伺うことにしよう。

2022/03訪問

2回

氷雪の門

豊水すすきの、すすきの(市営)、すすきの(市電)/かに、日本料理、郷土料理

3.48

203

¥8,000~¥9,999

¥2,000~¥2,999

定休日
-

昼の点数:4.6

北海道・札幌へのご褒美旅。 その中でもかなり楽しみにしていたコチラ「氷雪の門」さんでの食事。 前年の正月、我が家は通販のたらば蟹を購入し、食べる事にした。 が、そのたらば蟹、解凍したら方法が悪いのか蟹そのものが悪いのか、水分が一緒に抜けてしまい、情けない程の姿に変わり果ててしまった……。 その時、妻と「蟹はやはりお店で食べるのが一番」との結論づけた、そのリベンジでもあった。 食べログで「札幌・たらば蟹」のワードで検索すると 様々なお店が。 決め手は料理内容だった。 たらば蟹が食べたかった私達の欲求を十分満たしてくれそうな内容で、宿泊するホテルからもとても近い。 随分早い段階で予約を入れさせて頂いた。 当日は酷い猛吹雪の天候になってしまったが、ホテルから近くだったので問題なし。 改めてコチラにして良かったと思えた。 お昼に予約したのも「蟹をかなりガッツリと食べよう、その日の夜はホテルのレストランでアラカルトで少し食べればいいから…」との考えがあったから。 それだけ この日のスケジュールはコチラのお店での食事にシフトした1日にしておいた。 入り口の扉を抜けると、こんな悪天候でも「お席は満席で…」としてある。 コチラの人気の高さが伺える。 店舗は立派なビルになっており、先ずはエレベーターを利用して3F まで登り、そちらで受付をする。 予約した旨を伝えると、同じフロアの個室へと案内して頂く。 この日お願いしたメニューが卓上に用意されてあり、目を通すと おぉ!活けの毛蟹の入荷があったようだ。 最近は毛蟹が不漁だそうで、万が一入荷がなかった場合、他のメニューに切り替えさせて頂きます、との話を聞いていたので、先ずはひと安心。 これで毛蟹とたらば蟹の食べ比べも出来そうだ。 さっそく料理を始めてもらおう。 その前に北海道のお約束「サッポロクラシック」で喉を湿らせておかなくては。 先付けが。 蟹の真丈だ。 ご挨拶代わりの名刺のようなものだ。 コレを肴にビールを流し込んでいると…… うおーっ!! これは豪快だ! 氷で出来た鉢の上には北海道を代表する魚介類のオールスター達の刺身が盛り合わせてある。 たらば蟹の親爪、蝦夷鮑、松川カレイに生の北寄貝、ボタン海老は特大サイズだ。 箸を伸ばす前に しばし見惚れてしまった……。 いきなりの贅沢過ぎるスタートに、この先は何が…と期待値は上昇一途だ。 その期待通り! 次なるは これまた豪快な火鉢が運ばれて来た。 その上には たらば蟹の太身が鎮座している。 ……これだ。 私達が昨年の正月に食べたかったのはまさにコレだったんだ。 蟹が焼ける香ばしい良い匂いが部屋いっぱいに漂ってくる。 もう、この香りだけで一杯イケそうだ。 御指南頂いた通りに焼き上げ、口に運べば それはもう至福としか言い様のない気持ちになれる。 日本酒だ。土地の酒を飲もう……。 蟹身の甘味、殻が焼けた香ばしい匂い、時折「パチッ」と火鉢から弾ける音も聞こえる。 まさに五感全てが喜びに満たされている。 そしてカセットコンロに出汁の入った小鍋が用意された。 たらば蟹の太身のしゃぶしゃぶだ。 太身ゆえに通常のしゃぶしゃぶのようにはいかない。 小鍋の出汁が沸いたところで蟹を投入し、中火で約2分くらい待つ。 頃合いを見て引き上げ、食べる。 うーん、これもいい。 個人的な嗜好では、先に食べた「焼き」の方が好きだが、コレはコレで美味しいし、寒い時などは更に美味しく食べられるだろう。 次なる料理は 担当してくれた仲居さんがイチオシの 活け毛蟹のセイロ蒸しが登場だ。 北海道民は皆さん たらば蟹より毛蟹の方が好きなのかなぁ。 結構毛蟹推しの人が多いと思う。 しかし私達夫婦は やはりたらば蟹だなぁ。 この毛蟹。剥くのが大変だ。チクチク痛いし…。 誰かが剥いてくれた物を食べさせてくれるならともかく、自分でするのはちょっと……。 そんな意味では私達は蟹の「ツウ」ではないのだろう。 でも頑張って剥いた蟹身を甲羅の中で味噌と和えれば それは文句無しに旨い。 日本酒も進む。 箸休めの酢の物で一息つく。 お後の料理は再び蝦夷鮑が。 「水晶焼」と銘打たれたこの料理は? と仲居さんに問いかけると「耐熱ラップで包んだことで水晶に見立てることが出来たから…」との答えが。 ちょっと安直な回答に思わず笑ってしまったが、その耐熱ラップを紐解くと、中に閉じ込められた磯の香りが広がり、鮑の旨味が野菜達にも移る相乗効果と相まって コレもとても美味しい。鮑も柔らかだ。 まだまだ料理は続く。 次なるは たらば蟹の天ぷらだ。 天つゆではなく、藻塩が添えてあり、サクッと揚がった衣と肉厚のたらば蟹が 天ぷらという料理の技法によって魅力をより一層引き立てられている。 コース料理の最後として たらば蟹の炙り寿司が。 どこまでもたらば蟹だ。 軽く炙ることで、生よりも旨味と甘味が引き出され、一緒に出てきた吉野蟹という、私達が聞いたことの無い蟹の吸物が供された。 仲居さんの「それではそろそろデザートでも…」の声に反発するかのように、食いしん坊な私は更に雑炊セットも追加注文した。 この雑炊セットには たらば蟹のほぐし身も付いていて とてもお値打ちだと思う。 最後の1滴まで蟹を堪能した私達夫婦。 まさに北海道堪能コースのタイトルにふさわしい、大満足の食事だった。 コチラは本当に良いお店だ。 機会があれば是非是非もう一度訪れてみたいものだ。

2024/01訪問

1回

割烹多田浜

美栄橋、県庁前、旭橋/日本料理、沖縄料理

3.15

8

¥3,000~¥3,999

-

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:4.5

1回

松月

競輪場前、岩瀬浜、東岩瀬/日本料理、海鮮

3.55

96

¥10,000~¥14,999

¥8,000~¥9,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:4.4

金沢での出張生活の休日。 妻を連れだって富山市に遊びに来ていた。 富岩運河環水公園を起点に運河を行き交う観光船に乗船し、ゆっくりと川岸の風景を楽しみながら進む船は この日の目的地の岩瀬地区へ。 ちょうど桜が満開の頃で、その川岸に咲き誇る眺めを見ていると 滝廉太郎の童謡「花」が浮かんでくる。 「春の麗の隅田川 上り下りの船人が 櫂の雫を花と散る 眺めを何に例うべき……」 まさに春爛漫の風景を堪能して船は岩瀬の船着き場に到着した。 そこから歩くこと数分。この日一番楽しみにしていた 「松月」さんにたどり着いた。 立派な建物に、歴史を感じさせる看板。 足を踏み入れると広々とした玄関に高い天井。 下足番(?)の人に促され履き物を納めてもらい、案内される部屋へと向かう。 その部屋だが、人数に合わせて広さの異なる客間があり、 私達が案内して頂いた部屋にも床の間に掛かる軸、花活け 香炉があり、こちらの主人の品格を感じさせる。 私達は予め、今が旬 真っ盛りの白エビをふんだんに使用する料理をお願いしておいた。 先ずはビールを。 この日は初夏を思わせる陽気だったので、少々喉も渇いていた。 中庭を眺めながらしばし待つと、最初にお造りが運ばれて来た。 富山らしい平目の昆布締めに甘エビ、アオリイカだ。 続いて白エビの刺身が。 まさに「富山湾の宝石」と称えられる美しい姿は、 これだけで約50尾の白エビを使用しているそうだ。 ちなみにこの日の食事には、白エビを全部で260尾程 使用するそうだ。 間髪を入れず、次の料理が。 季節の花をあしらった器の蓋を開けると、これまた旬を 迎えたホタル烏賊が酢味噌和えに。 この3つの料理が出揃うことで、富山湾の幸が一堂に会することになった。 さて、何から頂こう……。 白エビの刺身はもちろん素晴らしい! まだこれ程の新鮮な白エビの刺身を食べたことのなかった妻は、とても喜んでくれた。 ホタル烏賊はやはり富山湾産の物に限る。 その上質さは、他の産地の物とは比べ物にならない。 平目の昆布締めは、北廻船で栄えたこの地方の文化をも 象徴する料理とも言える。 椀物が。 ずわい蟹の真丈だ。 柚子皮の淡い香りが鼻腔をくすぐる。 綺麗に澄みきった出汁と優しい味わいの真丈が合わさる ことは、日本人に産まれた喜びをいつも教えてくれる。 白エビの天ぷらだ。 先程の刺身とは違う、頭も殻も全て揚げることで エビらしい香ばしさが口中に溢れる。 程よく抑えられた塩味具合は、淡白な白エビの味を絶妙に 引き立てる。 そして今日一番楽しみにしていた料理が運ばれて来た。 白エビをふんだんに使用した、繋ぎを僅かだけ使用して 作られるお店のスペシャリティ 「白エビの団子」だ。 これには白エビを200尾ほどを使用するそうで、丁寧にむき身にした白エビを、ほんの少しだけの繋ぎで手捏ねにしている。 そうして焼き上がった団子は客間まで運ばれるまでに 冷めないよう、わずかに炭火をくべた七輪のような器を 用いて運ばれる。 焼きすぎないよう、冷めないような心遣いと工夫が凝らされた素晴らしいサービスだ。 その団子を冷めないうちに 淡い味わいの付けタレを 合わせて口に運ぶ。 弾力のある、かつ 白エビの風味をふんだんに湛えた団子 に舌鼓を打つ。 繋ぎを僅かにしか使わないことで、白エビの美味しさを ダイレクトに味わえる。 この、惜しげもなく使用する白エビでしか味わえない美味しさは、このお店の唯一無二の物だ。 素晴らしい白エビ料理を堪能した後は、もう季節を過ぎた名残りの蟹が甲羅焼きで提供される。 甲羅焼きといっても洋風のグラタンのようなルックス。 その焼き目のパン粉を突き崩すと中には蟹の身がぎっしりと詰まっている。 パン粉がサクサクとした食感と香ばしさを添えているのもまた良い。 比較的淡白な味わいの料理を頂いてきたので、この料理にはインパクトを与えられた。 更にインパクトを与えられたのが 最後の椀だ。 鮟鱇のアラ汁だ。 その上質さはアラと言うにはもったいない程の物で、しっかりとした上身も入っている 鮟鱇からの出汁も美味しく出ており、もしもこの中に野菜などが入っていたら もはや鮟鱇鍋とも言えるレベルだ。 そして この料理が〆になることを教えてくれる紅白の餅も入っていた。 妻は「もうお腹いっぱい」と、私に「お餅を食べて」、と言ってくる始末。 最後の最後に苺が出てきたが、もうこれだけで十分だ。 富山湾の幸、白エビ料理を存分に堪能して、更に旬のホタル烏賊、名残りの蟹まで……。 十分どころか 十二分の幸福感に満たされた。   素晴らしい名店だ。 この季節に 必ずまた訪れる機会を作りたいと思った。

2023/04訪問

1回

一月家

宮町、山田上口、伊勢市/居酒屋、海鮮、日本料理

3.63

225

¥3,000~¥3,999

-

定休日
水曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:4.4

2024年の初詣に夫婦二人で伊勢神宮に参拝した。 外宮から内宮へと周り、おはらい町やおかげ横丁を巡り、その後の精進落としは私のお約束のお店で。 それがコチラ「一月家」さんだ。 不謹慎だが私にとっては伊勢神宮への参拝よりもコチラが営業している曜日・時間に合わせて行動する事の方が優先事項になる。 故に伊勢神宮の参拝はお店が開店する迄に済ませ、精進落としをコチラで…というのが私の行動パターンになる。 妻も前回連れていって以来のファンになってしまい、今回の再訪を楽しみにしてくれていた。 開店時間の14時よりも5分前にタクシーで到着するが、まだまだ暖簾は掛かっていない。 どう見ても まだ営業しているとは思えない外観だ。 それでも常連よろしく躊躇無く扉を開けると おぉ! カウンターは開店前だというのに既に満席じゃないか!(笑) 細長いコの字型の席は全て埋まってしまっている。 これではコチラの魅力が半減してしまう。 なんとか空いている椅子はないものか… と探したところ、1つ詰めてもらえば なんとか二人座れるスペースが! そこでご常連とおぼしき紳士にお願いし 席を譲って頂いた。 やれやれ、良かった。 こうしたやり取りができるのは、私が執念深い男だからなのだろう(笑) ご常連の紳士にお礼申し上げ、席に着いた。 先ずはビールだ。 銘柄も選べるので、いつもなら「キリン」派の私だが、この日は先程の紳士が飲んでいたものに合わせて「赤星(サッポロラガー)」を。 やはりこうした居酒屋さんには赤星が良く似合う。 苦味の効いたラガービールで夫婦で「いやさか!」だ。 開店直後とあってお店はバタバタ忙しくしている。 しばらくして やっと女将さんが紙と鉛筆を渡してくれて、そこに注文する物を書き込み手渡す。 私が何をさておいても必ず注文する「刺身の盛り合わせ」と「ふくだめ」、妻のリクエストの「鰤の照焼き」、私が食べたかった「エビフライ」からスタートだ。 刺身の盛り合わせはマグロ以外は全てこの地域の近海で水揚げされた物を使用している。 写真は既に妻が1切れ手をつけている三重県・答志島のサワラの刺身が抜群に美味しく、勿論その他もとても良い。 それに「ふくだめ」だ。  (「ふくだめ」については前回の投稿を参照して欲しい) いつも思うのだが、これはもう鮑と言っても過言では無いサイズと思う。 肉厚な切り身を頬張れば、「あぁ、コレだよなぁ…」と思わず呟いてしまいそうになる。 妻のリクエストの鰤の照焼きが。 これまた肉厚にカットされた脂の乗った鰤を上手に焼いてくれてある。 照焼き、と言ってもタレは添えては無く、甘くどさの無いソレが かえってそれが酒を進ませる。 ご飯のおかずならタレはあった方が良いのだろうが、そこは流石! 酒飲みの心を掴んでくれている。 エビフライが到着だ。 コチラのエビフライ、懐かしい洋食店のスタイルだ。 海老が半分に開いてあり、それに衣をつけて揚げてある。 「ここのエビフライは海老が大きいから 開いてあってもちゃんと海老がプリプリして美味しいでしょう」とお隣の、席を譲って頂いた紳士から声が掛かる。 これをきっかけに私達と紳士の会話の交流が始まった。 紳士はもう随分前からの常連客のようで、お店が現在の佇まいに改装するよりも前から通っていらっしゃったようで、先代の大将の事、2代目の大将とは年の差1つの旧知の間柄の事、お店で使用している徳利は全て有田焼の特注品で、手書き故に1つひとつの絵柄が微妙に違う事、等々を御教授して頂いた。 私もさっそく赤星から日本酒の熱燗に切り替えていたので、徳利を見比べてみる。 なるほど、確かにおっしゃる通りだ。 楽しい会話はお互い「差しつ、差されつ」の間柄へと発展していった。   そして会話はさらにお隣の横浜からおみえのご夫妻にまで飛び火して、五人の仲間になってしまった。 そう。 これが この「げつや」(常連さん達は店名の最初のひと文字のイチを略してそう呼ぶ)の魅力なのだ。 「袖すり合うも多生の縁」というが、まさにそれを体現できる場所なのだ。 酒の肴に欠かせないもう一品。 湯豆腐だ。 かの「居酒屋の達人」太田和彦氏曰く「日本三大湯豆腐」と言わしめた、これも欠かすことが出来ない肴だ。 あまりの美味しさに、前回は豆腐好きの妻と取り合いになり、おかわりを所望した程だ。 熱燗徳利は二本、三本と倒れていく…。 この後も「生若芽」「鶏肝の煮付け」伊勢志摩地方の郷土料理「鮫たれ」と、どれも美味しい肴をアテに、会話も進み、酒も進む。 この日も楽しく過ごすことができた。 タクシーを呼び、会計を済ませ、お店の大将やお隣の紳士、ご夫妻にお礼申し上げ、お店を後にした。 程よく酔った身体に冷たい空気が心地よい。 これからも伊勢志摩方面に出かける際には また是非立ち寄らせて頂こう。 ご馳走様。ありがとうございました。 伊勢志摩への結婚記念日旅行。 宿泊した「志摩観光ホテル ザ ベイスイート」は、ホテルの玄関口から他の近鉄グループのホテルを数ヶ所廻り、その後は伊勢神宮の内宮前まで直行してくれる便利な「パールシャトル」というリムジンバスがある。 私達はそれを利用して今年最後になるであろう伊勢神宮詣りに向かった。 参拝を済ませた後は精進落とし、とばかりに まだ陽も高い時間だが14時から営業しているコチラ「一月家」さんに向かった。 タクシーでお店に到着したのは14時を少し過ぎていたのだが、まだ暖簾は掛かっていない。 どうしたものか…と思案していると、妻が勝手にお店の扉を開いて店の中を覗いている。この行動力が妻の魅力の一端だ(笑) すると「もう入ってもいいって! 誰か先にいるみたいだよ!」 その声に導かれ私も扉を開けると、確かに二人の地元のご常連と思われる方がカウンターに座っている。 カウンターの中から姐さんが「ゴメンねぇ~!どうぞ好きな席に座って!もう大丈夫(開店する)だから。」 こんな一面も老舗の居酒屋らしくて私は好きだ。 勝手知ったる我が家ではないが、事情をよく理解しているご常連は たとえ暖簾が掛かっていようが いなかろうが 構わず自分好みの席に腰をおろす。お店の支度が間に合わなくてもいいのだ。 私達もご常連のお邪魔にならないような席を選んで腰をかけ、とりあえずのビールを飲みながら待つことに。 すると姐さんが 「さぁ、お待たせ!何にする?今日はね、鰯が美味しいんょ。それにね、若芽。これも美味しいわ。ねっ、鰯、食べるでしょ? 姐さん(妻の事)は?飲む?ご飯にする?ご飯あとにしようか?」 と、こんな調子で話しかけてくれる。 「うん、それじゃあ鰯と、あとは「ふくだめ」と、刺身は盛り合わせにしてもらおうかな。それとね、湯豆腐もお願い。」 「いやぁ兄さんわかってはるわ!ふくだめ、美味しいんょ。それと湯豆腐もね。名物なん。ほんなら ちょっと待っててな!」 このノリが好きなのだ。 気取らず、飾らず、笑顔を交わしながらのやり取り。 これこそが居酒屋の醍醐味だ。 それでいて お店やご常連に甘えることなく、邪魔することなく ほんの少しだけ背筋を伸ばして 酒に溺れることの無いように… 先ずは鰯から。 酢で〆られた鰯はスターターとしてふさわしい物。 脂の乗った鰯がさっぱりと頂けることで、胃袋が活性化する。 刺身の盛り合わせは この日は五種類の魚介で。 いずれも伊勢湾で水揚げされた物。脂の乗ったカンパチの腹身や戻り鰹がとても美味しい。 ふくだめ。 伊勢では「福多目」とも記される縁起物としても重宝される。 鮑と とてもよく似ているが、穴の数が違うことで見分けることができる。しかし味は鮑と遜色ない。大きなサイズの物を炊いた ふくだめは、鮑です、と提供されてもわからない程 美味しい物だ。 そして湯豆腐。 かの太田和彦氏曰く「日本三大湯豆腐」と言わしめた逸品だ。 盛岡の「とらや」、横須賀の「大衆酒場ぎんじ」、それに伊勢の「一月家」が 日本三大居酒屋豆腐なのだと。 その湯豆腐、とてもシンプルな物。温められた豆腐が皿に盛られ、タレをかけ、刻みネギと鰹節が添えてある。 たったそれだけ。しかしその滋味深い味わいはどうだ! 確かに見た目には さほどの工夫があるようには見えない。 しかし美味しさは ただの湯豆腐という物ではないのだ。 これは確かに美味しい。その「とらや」や「ぎんじ」の湯豆腐とも食べ比べてみたくなってしまった。 そうなれば おのずと酒は燗酒だ。 二合徳利から盃に熱燗を注ぎ、湯豆腐を口に運ぶ……。 なんと日本人として幸せなことよ! いつの間にか隣の席には自由業と思われる御仁が座り、更に その隣のご夫婦と私達の五人がカウンターのL 字の部分での会話が始まり、それがまた酒の肴になる。 (そして自由業とおぼしき御仁は 私達が帰宅した後に 某有名なグループのミュージシャンだと知ることになる。大将に聞いたところ、コンサートツアーで東海地方に寄る度に来店するそうだ。) たとえそんな出逢いがあっても、何の気取りも飾り気も無い、ただの居酒屋で酒を楽しみ会話を楽しむ客同士だけなのだ。 それがいいのだ。 その後も牛スジの煮込み、姐さんのお勧めの若芽、妻のリクエストの唐揚げと進み、それに併せて熱燗も進む。 私は湯豆腐があまりにも美味しいので おかわりをした。 お品書きには値段の記載が無いことを心配するなかれ。 私達のこの日の支払いは 明細はわからないが8,000円でお釣りがあった。 これだけ飲み食いして この支払い。かえって「安過ぎない?」と逆に心配になってしまう程だ。 さすがは「伊勢に ゲツヤあり!(常連客は店名から「イチ」を省いて「ゲツヤ」と呼ぶ)」と日本中から呑兵衛が集まる訳だ。 この名店、いつまでも続いて欲しいと心から願っている。

2024/01訪問

2回

酒楽 ひろ喜

権堂、市役所前、善光寺下/日本料理

3.09

11

-

-

定休日
日曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.4

私にはわからない……。 なぜこれ程までのお店が食べログの点数では3.08の評価なのだろう……。  長野には幼少の頃以来なので、ほぼ初めてのようなものだ。 さてこの日の晩酌をどちらで…と思案して、最初のお目当てのお店に電話をしたが、生憎満席で…と。 正直ガッカリしながらにコチラのお店にはメールで予約をお願いしてみた。 メールを送信したのは夜中で、翌日はコチラの定休日。 メールの返信は早くてその定休日の翌日以降になるだろうと思っていた。 が、しかし メールはその定休日に返信があった。 お休みの日までメールチェックして返信してくれる… 熱心な事だと感心していた。 さて当日。 非常に分かりにくい立地だとの情報から早めにホテルを出た。駅からもさほど遠くはないが、とにかくわかりづらい。道路に看板が出ているが、それを見落としたらアウトだ。 なんとか探しあてたお店の扉を開ける。 まだお客は誰もいないようだ。 カウンターの一番隅の席に案内され、先ずはビールを注文する。 お通しは二種類。こごみ(山菜)のお浸しとクリームコロッケだ。 お品書きに目を通す前にご主人にこの日のお勧めを伺う。 「今日はウマヅラハギがいいですよ!」とのこと。 それではとウマヅラハギに加えて鰆も頂くことにした。 ウマヅラハギは大ぶりなのか、出して頂いた物はかなりのボリューム。たっぷりの肝を和えて見た目にも美味しそうだ。 鰆は出す直前に炙りを加えたことで、香ばしさが加わる私好みの焼霜造りの嬉しい仕上げ。 頃は5月のG.W.明け。おのずと肴は山菜の話になる。 お通しで頂いたこごみも美味しかったが、ご主人は自ら山に入り山菜を摘んでこられるそうで、なかには聞いた事もない名前の山菜もあるようだ。 「少し食べてみますか?」 といって出して頂いた山菜(名前は失念)は、確かに未だ味わった事のない食感の物。 それから淡竹(はちく)も長野県民が大好きな山菜だそうだが、「まだ少し早いんですけど。」と素焼きにしてもらった。 ご主人はお話上手で、しかもお酒全般にも もちろん料理にも造詣が深く、いろんな話で楽しく時間も過ぎていった。 最後の肴をどうしようか……。 フランスのシャラン産の鴨肉、もしくは馬刺し。 少し考えたが、せっかく信州まで来ているのだ。 ここは馬刺しでしょう! 出して頂いた馬刺しは見事な霜降りの、厚目にスライスされた物。 「ウチでは馬刺しは霜降りしか扱わないんです」とご主人。 口にすると脂の乗った馬刺しが、最初はとろけるような、やがて厚目故にしっかりと咀嚼することを求められるとしっかりとした旨味が溢れてくる。 かなりの上物の肉に違いないと思った。 すっかり満足して会計をお願いすると、追加で地酒を3杯飲んでいるのに10,000円をきっている。 まさに長野が誇る「路地裏の名店」と呼ぶにふさわしいお店だった。次回はいつになるかはわからないが、コチラのお店だけはしっかりと記憶しておこう。 しかし何故食べログ3.08なのかなぁ……(苦笑)。

2022/05訪問

1回

博多もつ鍋 やま中 赤坂店

赤坂、天神、西鉄福岡(天神)/もつ鍋、居酒屋、日本料理

3.75

1305

¥4,000~¥4,999

-

定休日
-

夜の点数:4.4

1回

河太郎 中洲本店

櫛田神社前、中洲川端、祇園/海鮮、日本料理、天ぷら

3.69

802

¥8,000~¥9,999

¥3,000~¥3,999

定休日
-

昼の点数:4.4

1回

和風ダイニング やえびし

宮古島市/沖縄料理、日本料理、中華料理

3.41

56

¥5,000~¥5,999

-

定休日
-

夜の点数:4.3

宮古島東急ホテル&リゾーツの中にある和食と中華料理が楽しめるレストラン。 私の59回目の誕生日は それを共に祝ってくれる妻と共にコチラでお世話になることにした。 コチラでは和食と中華の他に寿司カウンターや鉄板焼コーナーも併設され、勿論沖縄の郷土料理まで様々なメニューを楽しむことができる。 今回は放栓料を支払い、ワインは北海道・余市の「平川ワイナリー」の「エスプリ」という、平川ワイナリーのトップキュヴェ「ローブ」のセカンドを持ち込ませてもらった。 北の大地が育んだワインを南の島で楽しむのも一興だろう。 先ずはビールを。勿論オリオンだ。 アサヒがライセンス生産するようになってからは内地でも楽しめるようになったが、なぜか沖縄で飲むオリオンは以前と同じように美味しいままで頂けるのが不思議だ。 きっと沖縄の風土に合っているのかもしれない。 料理はコースもあるが、今回は全てアラカルトで注文した。 その口取りの意味を込めて注文した「ミミガー」。 コリコリとした歯ごたえを楽しむのだか、コチラではそれをジーマミー(沖縄でピーナッツの意味)で和えてある。 せっかちな私は何か口に運ぶものがないと酒が進まないがそれを満たしてくれた。 お造りの五種盛りが。 沖縄近海で捕れる白身魚「ミーバイ」、「アカマチ」と、他も近海であがるセーイカ、キハダマグロ、シマアジが盛り込まれていて、どれもがとても美味しい。 なかには「沖縄の魚は美味しいのかなぁ…」と懐疑的な諸兄もいらっしゃるようだが、なんのなんの!  沖縄の魚はとても美味しいんです。 キハダマグロやカツオは沖縄近海でよく捕れるので、台風でもない限り冷凍物など一切無い。 その他の魚介類も、逆に この地に来ないと食べることすらかなわない素敵な海の幸(例えばヤシガニ等)が沢山ある。 その海の幸の一つ、鮑を。 中華料理も出来るので和食と どちらかの好みの料理方が選べるのだが、これは和食の酒蒸しに。 別添えになっている肝のソースを付けて頂くのだが、シンプルに蒸しあげた鮑をそれと一緒に食べるのは、もはや美味しいが決定しているようなもの。 文句の付けようがない美味しさだ。 もう一品 海の幸を。伊勢海老だ。 沖縄では伊勢海老も捕れる。 その地物の伊勢海老も次の料理を勘案して和食仕立てで。 半身にカットされた伊勢海老を、頭の味噌を取り出し雲丹と合わせた物をソースとして焼き上げる。 時に鉄板焼を食べる時に思うのだが、鮮度の良い魚介類はあれこれと凝った技法で調理するよりも、あまり手を加えない、シンプルに焼き上げた物をシンプルなソースで食べるのが一番美味しいのでは…と思うことがあるが、今回の鮑といい伊勢海老といい、まさにその調理方法に近い、素材の味を最大限に活かしたものだった。 さぁ、そろそろ中華料理も頂きたくなった。 ミーバイの黒酢あんかけをお願いした。 先に刺身でも登場したミーバイ。 鮮やかな赤色の魚体のハタ科の白身魚は沖縄では高級魚だ。 そのミーバイをカラッと揚げて、野菜と合わせた黒酢の餡をかける。 サッと炒めた野菜を黒酢のさっぱりとした餡にしたソースで、ミーバイは先程の刺身とは違う魅力を振り舞いてくれる。 もう一品、中華料理を。 海老のマヨネーズソースにはシークヮーサーの風味を加えたもの。 えもいわれぬ美味しさはシークヮーサーの爽やかさが演出したものだろう。 様々な料理をワインを共に楽しめば、いつからか店内には三線の音色が。 沖縄民謡を三線の演奏と共に歌って聞かせてくれるのだ。 私の好きな「安里屋ユンタ」を歌ってくれた時には、ちょっと恥ずかしかったが「さぁー ゆぃゆぃー」と合いの手を入れると演奏もノリノリになってくれた。   素敵な演奏にいつしかワインも空になり、次なるは勿論泡盛だ。 休日に見学に訪れた「多良川」のフラッグシップ「久遠」を頂こう。 最後の〆にはソーメンチャンプルーだ。 コチラのソーメンチャンプルーの量は凄まじい。 とてもレギュラーサイズのは私達初老の夫婦では完食するのは無理だ。 そこで「ハーフサイズで…」とお願いしてみると快く了解して頂いた。 料理に酔い、酒に酔い、歌に酔い…… 素晴らしい宮古島での夜を過ごすことができた。

2023/08訪問

1回

鮨金

高岡、高岡、末広町/寿司、海鮮、日本料理

3.64

65

¥6,000~¥7,999

¥4,000~¥4,999

定休日
日曜日、祝日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.3

金沢に出張に来ていて、その休日。 富山に妻を連れだって遊びに来てみた。 これはあくまでも私の主観だが、同じ北陸地方でも富山県の海鮮の美味しさは頭一つ抜けたものだと思っている。 やはり富山湾の恵みというのは素晴らしく、四季折々の楽しみ、喜びを与えてくれるからだ。 寿司もまた然り。 やはりネタが良いということは 寿司を提供する店として他との比較上、大きなビフォアだ。 その富山県高岡市に美味しい寿司を食べさせてくれるお店があるという。 それがコチラ「鮨金」さんだ。 あまりにも楽しみにしていた為、予定よりも随分早く到着してしまったので、お店の開店時間まで近くにある高岡大仏に参拝をすることになり、その後暖簾をくぐった。 温和な笑顔の大将に迎えられ、Lの字型のカウンターの、短い方の席に腰を下ろした。 最初から予約の段階で料理の内容はお任せでお願いしておいたので、先ずは飲み物から。 やはり「勝駒」だろう。 富山県高岡市の、北陸を、いや日本を代表する程の銘酒だ。 これと共に先付の若竹煮が。 春を代表する「出逢い物」だ。 続いて白エビの刺身が。 これぞホタルイカと並ぶ、富山湾の春の代名詞だ。 淡白でもあり、甘やかな刺身は まさに「富山湾の宝石」だ。 次に刺身の盛り合わせだ。 鰤、中トロ、平目、甘エビとが盛り合わされた刺身達は それぞれ申し分のない美味しさだ。 先程紹介した もう一つの春の富山湾を代表するホタルイカが紅ズワイガニと共に酢味噌あえで。 ホタルイカは他でも捕れるが、富山湾産の物はこれもまた違いがはっきりと解る程良質の物だ。 それを名残りの紅ズワイガニと共に味わえば 過ぎ行く季節と新しい季節との移ろいを器の中で感じさせてくれる。 茶碗蒸しだ。 私の大好物であり、亡くなった父親の大好物でもあった。 優しい味わいに心がホッと落ち着く。 銀ダラの西京味噌漬焼きも。 自家製の西京味噌は強肴として銀ダラの旨さを引き出している。 勝駒も進んでしまう。お代わりだ。 大将の「そろそろ握りますか?」との声がかかったものの、これまでの料理の旨さ、勝駒の旨さにまだまだ酔いしれていたい。 いつの間にか隣に座っていたご常連と思われる御仁が  酒と共に注文していた穴子やイカの下足が やたら美味しそうに見えてしまい、 「大将、私達にもお隣と同じ穴子と下足焼きを。」と追加をお願いした。 それを聞いたご常連が「ここの穴子、美味しいんだよね」と声をかけてくださり、おかげ様で和やかな席となった。 ひとしきり酒と肴を堪能させてもらい、そろそろ妻がお待ちかねの寿司を握って頂だこう。 先ずは先程刺身で頂いた白エビからだ。 寿司ネタとしても勿論美味しいのだが、その繊細で小さな白エビを崩すことなく握りにして提供できるのは やはり職人技だろう。 その後は平目を昆布締めにした物が。 富山県民はとにかく昆布が好きだ。 その昆布の旨味を移した平目は、鮮度の良さを残した平目とはまた別の魅力がある。 その後は幾つかのネタを握ってもらい、まだまだとばかりに追加の寿司もお願いした。 会計をしてもらう際に、先程のご常連の御仁が私達に 「お土産を持って帰ったら?」と声をかけてくださった。 なんでもコチラの稲荷寿司は 御仁がこれから同伴出勤する女性のお店に持たせると お店の女性達が大変喜んでくれる大好評のお土産だそうだが、そのお店に持っていく稲荷寿司を私達にも少し分けてくださるそうだ。 観光客と一目で解る私達にも優しい声をかけてくださる常連さんがいらっしゃる事が、コチラのお店の客筋の良さ、ひいてはお店の品格を感じさせる出来事だった。 御仁と連れの女性に感謝申し上げ、大将にもお礼を言い、稲荷寿司を手にお店を後にした。 とても気持ちの良い夜だった。 大将、お店の皆さん、そして優しい言葉をかけてくださったご常連の御仁。 皆さんに、美味しい料理と寿司にまた会いに来ますね。 ありがとうございました。ご馳走様でした。

2023/04訪問

1回

蛤一択

西桑名、桑名/日本料理、郷土料理、海鮮

3.75

64

¥10,000~¥14,999

¥10,000~¥14,999

定休日
-

夜の点数:4.3

桑名市で素晴らしいお店に出逢えた! 三重県は四日市市の食べ歩きの旅、2日目。 この日で帰宅するのだが、帰る途中にどうしても立ち寄りたいお店が桑名市にあり、そちらで夕食を済ませて帰宅することにしていた。 そのお店こそがコチラ「蛤一択」さんだ。 同じ桑名市には やはり同じような蛤の専門店で予約困難な有名店があるが、なんとも上手く予約が出来ない。 そこで蛤を美味しく食べさせてくれるお店は他には無いものか、と探していてコチラにたどり着いたのだ。 いや、ある意味コチラの方が…と期待が高まってきた。 なにせ今や国産の天然蛤はとても希少で、日本国内で流通している蛤は90%が中国産だ。 残りのうち、8%が千葉県産。 なんと あの「その手はくわなの焼き蛤!」という名言(?)まで産み出した桑名産の天然蛤はたったの2%しかないのだ。 その希少価値の高い桑名産天然蛤のみを使用して完全予約制でコース料理のみを食べさせてくれるのがコチラ「蛤一択」さんなのだ。 桑名駅からは徒歩で5分余りの場所にお店はあるのだが、たどり着いたら入り口の横にインターフォンがある。 予約者はそれを利用して予約がある旨を伝えると、店内から扉を開けてくれるのだ。 ゆえに予約が無い人は入店すら出来ない。 扉を開けてもらい中に進むと、店主自らが立礼で出迎えてくれた。 カウンターなどは無く、襖に仕切られた個室か幾つか有り、そのうちの一番奥の部屋に通された。 履き物を外し、中に進むと卓上には立派なサイズの蛤が。 おそらくこれがこの日に使用する蛤です、というプレゼンテーションなのだろう。 卓上の設えも少し変わっていて、スポイトに醤油を含ませた物が用意してある。 店主に改めてご挨拶を頂き、先ずは飲み物から。 ビールを所望する。 最初から日本酒も考慮したが、喉も乾いていた。 そのビールで喉を潤しているところへ最初の料理が。 蜆の椀だ。 滋味深い蜆の椀は、この先の料理へのプロローグにふさわしい。期待値が高まるスターターだ。 2品目は蛤を刺身で楽しませてくれた。 卓上のスポイト入りの醤油は、先ずはこの時に使用する。 繊細な蛤の刺身だ。醤油の付けすぎは感心出来ない。 それを適量調節する為にはスポイトがちょうど良かった。 蛤を刺身で食べるのは初めての体験だが、甘やかな味わいに貝紐の部分には歯ごたえもある。 鮑や栄螺のような貝類とは違う、新たな楽しみ方と遭遇した。 私としての一番のお楽しみが次の焼き蛤。 陶板に蛤を並べ、蓋をする蒸し焼きのようなスタイルだが、大粒の蛤からはジュースが溢れ出ているので自然と蒸し焼きのような状態になってしまう。 頃合いを見定めて焼き上かった蛤を殼ごと専用のトングで取り皿に移し、熱々の状態で口にする。 卓上には また別の調味料があり、好みで使い分けるのだが、店主に「お勧めの食べ方は?」との問いかけに「先ずはそのままで」と。 それは私も同感だ。これだけ大粒な国産の天然蛤だ。 この先 いつ味わう機会があるだろう。 そう思うと このポテンシャルを正しく理解しておきたかった。 その味は期待通りに素晴らしく美味しい! 咀嚼を繰り返す程に口中が蛤の香りに満たされ、歯ごたえある食感と溢れでる旨味、陶板で焼かれた微かな香ばしさ…。 この焼き蛤の前には地元、桑名市の地酒をお願いしておいたが、その日本酒を貝殻に僅かに残ったジュースと共に口に含むと更に旨味、香りが増幅する。 素晴らしい!素晴らしいマリアージュだ! 日本人に生まれ育った事への幸福感に満たされる瞬間だ。 蛤の磯辺揚げ。 海苔で巻かれた蛤を天ぷらにして食べる 宮古島て作られている「雪塩」の、パウダー状の繊細で刺々しさの無い優しさが引き立てる。 ひと息入れて、蛤の釜飯だ。 店主自らが配膳してくれた釜飯は、時雨煮にした蛤も一緒に炊くので、それがまた良い味を飯に移し、自身もふっくらする。 店主の「良かったらおかわりもして下さい」との声かけに遠慮なく頂戴すれば、さすがに心得ていらっしゃる「おこげ」も入っていた。 次なるは妻の楽しみだった「蛤のしゃぶしゃぶ」だ。 しゃぶしゃぶと言っても客が自分でするのではなく、店主自らが絶妙なタイミングで蛤をあげてくれる。 この見極めが出来なかったら、せっかくしゃぶしゃぶで食べるのが台無しになりそうで…。 コチラの店の良いところは店主が個室の中で自らが手をかけてくれる事だ。 アルバイトの中居さんのような人でなく、料理人が責任を持ってのぞんでくれるので、最高に美味しいタイミングを逃さないで提供してくれる。 このしゃぶしゃぶにしても、まさに「この瞬間」と見極めてくれるので、ギリギリのレア感で蛤を食べる事ができるのだ。 新鮮なうちの刺身で、ギリギリのレア感を感じるしゃぶしゃぶで、しっかりと焼いてはいるがそれでも固くならない程度の焼き蛤で。 様々な料理と素材を生かす技で 蛤を多彩な楽しみ方で客をもてなしてくれる。 〆には雑炊の他に ラーメン、きしめん、にゅうめん(煮麺)が選べ、蛤を最後まで余すことなく堪能できた。 同じ桑名市内には上記した有名店もあるだろうが、私はコチラで十分。 むしろコチラの方が良いと思えた程。 「祖父が桑名で蛤の漁師をしていた繋がりが、この希少な天然蛤を譲って頂ける理由なんです」とまだお若い店主。 これからも精進して、美味しい蛤を食べさせて下さい。 ごちそうさまでした。

2023/01訪問

1回

大衆酒場 ゑびす

居酒屋 百名店 2022 選出店

食べログ 居酒屋 百名店 2022 選出店

掲載保留大衆酒場 ゑびす

近鉄四日市、あすなろう四日市、川原町/居酒屋、日本料理、海鮮

3.74

223

¥4,000~¥4,999

-

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.3

四日市で食べ歩き、二軒目。 コチラもとても楽しみにしていた「大衆酒場 ゑびす」さんだ。 元が名古屋の大須という下町生まれの下町育ち。 実家が赤提灯という環境だった私だ。 私が幼少の頃は大須にはコチラのようなお店がたくさんあり、こうした気取りの無い雰囲気のお店が大好きなのだ。 マイレビュアーさんによる投稿が来店を決めるきっかけとなった。 先程まで骨付き鶏の素晴らしく美味しいお店で下地を作っておいたので、新鮮な魚介類がウリのコチラでは それと日本酒を堪能するつもりだ。 暖簾をくぐり扉を開く。 既に半分程の席が埋まっているなか、カウンター席に案内され腰をおろす。 先ずは飲み物から、と促され、先程のお店で飲めなかった国産4社の「普通のビール」を頂くことに。 次に肴を選ぼうと目をやると、そのメニューの豊富さに驚く。 そして 何より値段が安いのだ。 「安かろう 悪かろう」を心配したが、それも杞憂に終わることになる。 さすが刺身はどれも鮮度が良く、なるべく地元産の物を使っているのが嬉しい。 その他の肴も全て美味しく「ハズレ」が無い。 湯葉の刺身は妻が大好きだが、「これも美味しいよ」と喜んでいる。 鯛のカブト焼きは、頭に加えてカマの部分まで一緒に提供され、このサイズ、このクオリティで350円はもはや利益を度外視しているのでは……と私達の方が心配になる程だ。 日本酒のラインナップがまた素晴らしく、地元の酒の優良な銘柄を揃えている割には安価なのだ。 おっ!「而今」があるじゃないか! それも1人1杯までの限定での提供だ。 さっそく頂くことにしよう。 うん。素晴らしい! どこまでも透明な、雑味などまるで感じない酒だ。 最近は年齢を重ねる毎に日本酒がしみじみと美味しく感じるのだが、この而今は私が今まで飲んだ日本酒でもトップクラスの逸品だと思わせる物だ。 第二次世界大戦から高度経済成長期まで、日本酒は質の良くない物を作り続けた事で多くのファンを失った。 「日本酒は悪酔いする」「翌日、頭が痛くなる」等々、 様々な悪評を招く事になる。 が、しかし昨今の日本酒の素晴らしさはどうだ! これこそが日本が世界に誇る「Japanese SAKE」だと胸を張れる醸造酒だ。 酒が旨いと肴も旨い。肴が旨いと酒も旨い。 いつかのテレビC.M.で聞いたようなコピーが頭に浮かぶ。 その後もどんどん美味しい肴、酒を追加した。 しこたま飲んで食べて会計が8,000円は四日市市民が羨ましくなった。 また来よう。 わざわざ遠方からでも足を運ぶ価値がこの店にはある。

2023/01訪問

1回

日本料理 川島

日本料理 WEST 百名店 2021 選出店

食べログ 日本料理 WEST 百名店 2021 選出店

日本料理 川島

唐津/日本料理、海鮮

3.79

180

¥15,000~¥19,999

¥5,000~¥5,999

定休日
-

その他の点数:4.3

入籍記念日の旅行。初日は唐津に宿泊した。 近年出来た複合型施設「KARAE」は、複数の異業種の店舗があるのだが、その中にホテルもある。 ホテルの中ではドミトリーとしてのスペースもあり、リーズナブルに宿泊も出来るのだが、私達はその中では一番広い部屋を利用した。 やはりホテルは新しいほど良い。 よほどの老舗ホテルや、建築物自体が文化財になっているようなホテルは別として、新しい方が清潔感があり、利用していて気持ちが良い。 そしてその気持ち良い朝を迎えたら、先ずは美味しいコーヒーを。そして出来たら美味しい朝食があればなお良い。 しかしながら私達は旅先でのホテルではめったに朝食は食べない。コスパが悪過ぎるのだ。アメリカンブレックファーストのようなものに3,000円ぐらいかけるなら、それをランチやディナーに廻した方が良い、と思っているし、朝からガッツリ食べるよりも、街を散策した際に見つけた美味しいパン屋さんの物を翌朝コーヒーと共に頂ければ十分なのである。 しかしこのKARAEは目の前に素敵なお店がある。 それがコチラの「日本料理 川島」さんである。 豆腐屋さんを母体としたこのお店は、ざる豆腐発祥の店 として知られ、ランチではミシュランのビブグルマン、ディナーでは1つ星を獲得したこともあるようだ。 朝食、昼食、夕食いずれも完全予約制で、私達も朝食は予約をして出掛けた。 朝は8時からの営業なのだが、朝一番に行くべきだろう。 出来たてのざる豆腐がカウンターの中で出迎えてくれる。 先付け的に供される物として出来たての豆乳、炒ったおから、黒ごま豆腐等と共に、さっそくざる豆腐も提供される。 「ざる豆腐は、先ずはそのまま召し上がってください。豆腐の甘味が満喫できると思います。次には卓上にある塩をひとつまみして。おかわりも出来ますのでおっしゃってください」とレクチャーしてもらう。 うん。確かに。言われたこと全て正解。ざる豆腐は勿論、 全ての豆腐料理が美味しい。 暫くしてもう一品が出てきた。揚げたての厚揚げだ。 薬味等は添えておらず、卓上の醤油のみをサッとかけて頂く。厚揚げもおかわりできるそうで、豆腐好きの妻は珍しくざる豆腐も厚揚げも両方おかわりしていた。 味噌汁は地元唐津の味噌だけではとても甘いらしく、こちらのお店では山梨県の味噌を取り寄せ、ブレンドしているそうだ。 麦粥は少し添えられた山葵が良い風味を運び、香の物は長芋の糠漬け等が。 最後にはデザートまで出てきて、豆乳のブラマンジェに 黒糖のキャラメルのソースは、素敵なパティスリーにも負けない程美味しかった。 朝食で感動することは、数年前に長野県の白馬村のオーベルジュで宿泊して以来の体験となった。 なかなか訪れることがない土地であるが、唐津に宿泊するなら是非訪れて欲しい名店だ。

2021/02訪問

1回

滝寿司

鶴舞、矢場町、上前津/寿司、日本料理、居酒屋

3.14

23

¥3,000~¥3,999

¥1,000~¥1,999

定休日
水曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.3

昼の点数:4.2

宮古島、石垣島とおよそ2ヶ月程行ってきた私。 帰ってきたことを報告がてら昼飲みに友人の寿司店を訪れた。 この友人、交際範囲が広く、他の友人達からの信頼も厚い。この友人に伝えておけばアッという間に他の友人達に広げてくれる。 私が帰ってきたことも またしかり。 それに久しぶりに顔も見たかったのだ。 ランチは忙しくしているだろう、と気を遣って13時頃に店に行くことにした。  扉を開けて中に進む。お客さんは誰もいない。 ちょうどランチ利用の人達が落ち着いた頃合いなのだろう。 これなら他のお客さんに迷惑をかけることもないかな。 私なりの気遣いが功を奏した訳だ すると友人の大将、ちょっと驚いたようにこう言った。 「いらっしゃい‼️  って、……なぁ~んだ。 ○○かぁ。 何しに来たんだ? いつの間に帰って来とったんだ?」 おぃ!(笑) そりゃねぇだろ!(笑)  一応客として来てんだぞ!(笑) すると奥から大将の美人奥様が出てきて 「あら! ○○君! 帰ってきたんだ! えっ? お土産まで? それでわざわざ来てくれたの? 嬉しい! ホントありがとうね❤️」 これだょ!  この美人奥様でこの店はもっているようなモンだな!(笑) 友人よ。わざわざお前の汚い顔を見に来てやったんだぞ。 まだ陽は高いんだから労働者諸君はもっと汗して働け(笑) で、俺はビールと刺身ね❤️(笑) 「今日は生の本鮪が手に入ったんだわ。」と大将の友人。 おぉ!コレ、旨いじゃん! 先島諸島は鮪の水揚げが盛んだけど、キハダなんだよね。 やっぱり本鮪は旨いや❤️ ひとしきり先島諸島での話に花を咲かせ、追加のビールと一緒に…… 「なぁ~ まぁちょこっとなんかツマミちょ~」と私。 (すいません。もう少し何かツマミを頂けますか、の意味) (私は地元に帰ると名古屋弁がひどくなる傾向がある……) 「何ぃ~? まだ飲むのぉ? 寿司はぁ? 食べるんか? 早ょ喰えって! ツマミ、穴子でいいだろう? お~い、○○(美人奥様の事)、こいつに穴子やって!」って…… おぃ!(笑)   いくら他に客がいないからって そりゃねぇだろ(笑) まだ営業時間内じゃねぇか(笑) 何ぃ? 穴子ぉ? そりゃアンタの仕事じゃなくて、○○ちゃん(奥様)の仕事じゃん! ……ったく、めんどくさがりやがって!(笑) こんな会話や提供の仕方、され方も お互い同級生という間柄だからこそ。 大将の名誉の為に付け加えておくが (もうとっくに傷つけてるよ!ってか?) 普段はきちんとした仕事、元気の良い挨拶、気持ち良い受け答えをする好漢だ。 私という人間に対してかしこまった態度はかえって気持ち悪い。 これでいい。これがいいのだ。 「じゃあ さっさと帰るから寿司、握ってよ。 あっ、赤出しもね! 美味しいヤツね 赤出し、宮古島や石垣島には無かったからさ。」 「おぅ! 早ょ喰って帰れよ。 何ぃ? 休憩だがや。 俺には休憩ってモンが必要なんだよ。お前みたいに真っ昼間から酒かっ喰らってプラプラしとる人間と違ってな。」 ハイハイ、耳が痛いこと言いやがる。 ごっそさ~ん! おあいそしてちょ! ○○ちゃんありがとね❤️アンタに会いにまた来るわ❤️  じゃあな大将! また来るでょ!  「来るな!」って言っても来たるでな! それまで精進しろよ!(笑) 同級生の友人の寿司店に出かけた。 名古屋市の金山駅の商業施設で、大好きな二人の演奏家のミニライヴを聴かせてもらい、その後にコチラで私が金沢での長期出張から帰った事を報告しておこうと訪れた。 人徳に恵まれたこの友人は、他の友人達からの人気があるというか信頼されているところがあり、私が帰ってきた事は自然とこの店を通じて広めてくれる事になるだろう。 ただ顔を出すだけでは面白くもなんともない。 勿論 一杯飲ってから帰ろう。 しばらく向こう(金沢)での話をしたが、酒があれば何かアテが欲しいのが私。 「お任せでいいから何かツマミを出してよ」 との私のリクエストに応えてもらったのが写真の刺身の盛り合わせだ。 鮮度の良いネタに舌鼓を…… と ならないのが子供の頃からの友人同士www 刺身よりも、寿司よりも、話がネタになってしまった。 またまた寿司までたどり着けず。 いい迷惑客なんじゃね? ワシ等……。(苦笑) 大曽根にある私の行きつけの居酒屋さんに寄ってから、同級生が営むコチラにも寄って〆の寿司をつまもうと暖簾をくぐった。 平日の夜、閉店時間が近かったからか店内はノーゲスト。 そこへ私が電話することもなく突然訪問したので 同級生の大将と美人の奥様はちょっと驚いていたwww この日コチラに立ちよったのは 私がしばらく金沢に長期出張することになるので、人柄が良く、同級生の間にも慕われているこの店の大将にそのことを言い残しておこうと思ったからだ。 そんな訳で〆の寿司をつまんだら帰るつもりだったのに、 話こんでいるうちに……  「なんだか口さみしいなぁ… ちょっと刺身でも出してよ」 と 口走ってしまうと、すると奥様が 「○○君、焼酎は水割りだよね?」と……。 おいおい! 寿司だけつまんだら帰るんじゃなかったのかよ! これじゃあ「薮をつついて蛇を出す」じゃねえか! ……って、使い方違うか?www    「ちょっと…」と言ったのに、結構な量の刺身が盛り合わせで出てきた。 焼酎も1杯では終わらない。 結局、このキープしてあった焼酎が空になったこともあり、ようやく寿司を握ってもらうことに。 寿司と一緒に提供される赤だしには 普段はお目にかかることの無い蛤が。 「○○君だから……  特別に、ね❤️」だって! おいおい○○ちゃん(大将の奥様)、旦那よりも俺に惚れちゃったんじゃない!www いつもの同級生の寿司店。 この日は下田の土産の「特上真アジの干物」を渡したついでに 酒のアテとしても一枚焼いてもらった。 こんな無理、わがままを聞いてくれる同級生はありがたいことだ。 焼き上がる前に刺身を少し出してもらった。 おっ? 私の好きな新子があるじゃん! なかなか良いぞぉ www アジもさすがの美味しさ。 下田では一番人気のある「小木曽商店」さんの干物だけある。 この日もお昼から ろくに寿司をつままず 酒ばかり飲んでしまった。 いやぁ、いつも 申し訳ない! 毎度お馴染みの同級生の寿司店。 この日は妻とバンテリンドームに野球観戦に行くので、 せっかくだからお昼はコチラで、となった。 いつもは何かの肴をアテにビールや酒を飲んでいるが、 今回は珍しく寿司だけに……  なるわけ無いわなぁ。 ネタケースを覗いたら美味しそうな白身が。 「なぁ、それなぁに?」 「伊勢湾で上がった天然のスズキ。つまむ?」 「うん!ちょーだい!ついでにビールも!」 と、まぁいつもの展開に。 妻は糖質を気にしているのでシャリは小さめに、と。 一通り頂いた後、最後に手洗いを済まそうとしたら、 「おぉ!なんじゃこりゃ!?」 まさに昭和の遺構のような和式トイレが最新式のトイレと内装に変わっていた! まぁ良いことだ。トイレが綺麗ということは、食事を提供するお店としては基本中の基本だ。 ようやく腰を上げて改装したか。偉いぞぉ!笑 今夜は小中学校時代からの友人達との小規模な飲み会。 この飲み会は話に花が咲き過ぎて、あまり肴に手が伸びない。というか、寿司屋の友人の店なのに売り上げに貢献しているのはビバレッジがほとんど…という迷惑極まりない客になってしまうのだ。 店主である友人はもはや諦めの境地らしく、私達には小言の一つも言わない。 しかしそれに甘えては、と私は何かしらの肴を注文する。 いや、私は何かしらの肴が無いと酒が進まないのも理由のうちだ。 この日は金目鯛の炙りを。 その後は穴子を塩でつまみにした。 〆の寿司はお任せにして、ほどよくお腹も満足。 さて、飲み会もお開きとなり、会計を……と奥方に声かけすると「今日はね、もうM君からみんなの分も頂いているんだよ」とのこと。 なんでも昼間の競馬でちょっとした臨時収入があったらしい。 ばっかやろう! それならこの日に空けちゃった焼酎のボトルも新しくしておけよ! ……って、ゴチになっても悪態をつける間柄なのが私達なのだ。 ありがとう。ごちそうさま。また当ててね(笑)。 師走になり世の中が忙しくなってきた。 年末ではお互いにゆっくり話もできないであろうと思い、 挨拶代わりに訪問した。 ビールを飲みながらアテを「何か適当に…」と言ったら「フグでいいか?」と言われた。 いつからこの店はそんな高級食材を扱うようになったんだろうw 「いいねぇ!それでいこう! 酒もついでに熱燗で!」と。 専門の職人ではないので鉄刺のような美しい盛り付けとまではいかないが、多少厚めになっている方が私好みだ。 〆には「そんなに沢山じゃなくていいからお任せで」と 寿司を握ってもらった。 うん。旨い。なかなか良いネタを使っている。 これなら他のお客さんにも納得してもらえるだろう。 同級生のお店だけにこれからも繁盛して欲しいものだ。 中学校からの友人のお店。 この日はランチで利用。この上寿司で1,800円。(貝汁付き) やはり友人とはいえ職人が握ってくれる寿司は回転する寿司とは比べ物にならない良さがある。 友人である大将は先代からの2代目になるのだが、地域の住民や企業に愛されているのが長く続けていられる理由だろう。 奥様はとても気が優しく愛想の良い人で、友人達はこの奥様と結婚した大将を羨ましく思ったものだ。この奥様がお店を、大将を支えている。 同級生だけに長く元気に営業を続けて欲しいものだ。

2023/09訪問

9回

あげは

野町、北鉄金沢、金沢/海鮮、日本料理、海鮮丼

3.70

240

¥5,000~¥5,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.2

金沢の2日目の夜。 マイレビュアーさんの投稿から興味を抱いて予約を入れたコチラ「あげは」さん。 そのマイレビュアーさんはお昼の利用が多いようだが、情報によるとランチはかなりの行列ができるようで、それなら…と予約を受けてくれる夜の時間帯に利用してみよう、となった。 その予約も一旦断わられかけたが、私が一名での利用だと告げると、ちょうど一席空いていたようで、なんとか滑り込みで間に合ったようだ。 夜の料理は全てお任せの内容だそうで、予め5,000円、もしくは6,000円のいずれかを尋ねられる。 内容はその日に決めるらしく、何を食べられるかは当日までのお楽しみになる。 金額の差も何が違ってくるのかもわからないので、1000円の違いなら、と6,000円の内容でお願いした。 当日の夜、19時に予約をして伺った。 楽しみに伺ったが、何やら私よりも先に開店時間(18時)に到着してスタートしていたのであろう 賑やかな女性達の嬌声が店内に響いている。 扉を開くと、驚いたことにカウンターだけの店内の席はほとんどが女性で埋め尽くされ、男性客は二人だけだ。 こんなに女性に人気があるのかな……。 そのあまりの賑やかさに軽いアウェー感に襲われるが、幸いにも私の席はカウンターの一番奥の席。 なんとか皆さんのハイテンションに巻き込まれずに、ひっそりと楽しめそうだ。 気の良さそうなお母さんが「飲み物は何がいいの?」と。 既にビールで喉を潤していた私。 日本酒に良い物を揃えているようだ。 先ずはお勧めの地物を頂くとしよう。 卓上には最初からお通しの梅貝が。 このような巻き貝の上手な取り出し方は、調理法は勿論だが、貝自体の鮮度も重要な要素だと思う。 その点、コチラの梅貝は良い物を使っているのだろう。 スルリと取り出すことが出来た。 すると先ずはコチラのお店のご挨拶の名刺替わりのような、揚げたての練り物がたくさん届けられた。 私はコレにやられてしまったのだ……。 当時 私の父母は小さな居酒屋を営んでおり、まだ子供だった私は店で使う味噌おでんのネタとして、近所の練り物を製造販売しているお店まで この練り物と同じボール型の物を買ってくるよう しばしお使いに出された。 そこでお願いした物を受け取る際に、練り物を揚げているおじさんから「いつもありがとうよ!」と「お駄賃」替わりに揚げたての練り物を食べさせてもらった記憶がある。 美味しかった…… 寒い冬に自転車を漕いで、冷えきった指先にもらった揚げたての練り物の記憶。 不覚にもこの一品が私の涙腺を刺激してしまった…… そこに次なる刺身の盛り合わせも。 鮮度の良い刺身と日本酒、揚げたての練り物。 もう、なにも言えない。 頭の中はぐちゃぐちゃだ……。 と、そこでお隣のご夫妻が私に話かけてくれた。 ご夫妻は滋賀県にご在住とはいえ、コチラのお店に惚れ込んでいらっしゃるようで、わざわざ金沢までこの味を求めて来店しているとの事だ。 そんなご夫妻にコチラのお店についていろいろとご指南頂いた。 ご主人は練り物作りの達人であること、様々なメディアに取り上げられた人気店であること、これまでの華々しい受賞歴の数々…。 そんな話に耳を傾けている間にも香箱蟹の蟹面、ノドグロの一夜干しなどの美味しい料理が次々と運ばれてくる。 お店の雰囲気に似合わないナイフとフォークは何のため?と思っていたら、この日のメインなのだろう。 スフレのようなふわふわの擂り身を穴子で巻き上げた物が蒲焼きのようなタレを纏って提供された。 なるほど。 この料理がコチラのお店を、ご主人を物語っているようだ。 最後の〆の海鮮ちらしのような丼物まで食べつくし、美味しい料理とお酒、楽しい語らいを満喫し、ご夫妻とお店のご主人、お母さんにお礼を告げて店を出た。 旅の醍醐味とはまさにこんな出逢いがあることだ。 また金沢を訪れる機会があれば、是非再訪させて頂きます。

2023/11訪問

1回

うなぎ四代目菊川 クロスゲート金沢店

金沢、北鉄金沢、七ツ屋/うなぎ、日本料理、海鮮

3.21

78

¥4,000~¥4,999

¥4,000~¥4,999

定休日
-

昼の点数:4.2

地元に帰るべく金沢駅に到着した。 出発前の朝食が素晴らしく、その余韻が残るなか、午後出発の「しらさぎ」で急がずゆっくり帰るつもりの便を予約しておいたので、お昼も何か食べておかないと…。 そう思い選んだお店がコチラ「うなぎ四代目菊川」さんだ。 最近、急成長しているうなぎ料理のチェーン店が金沢にもあったので、それまで名古屋のお店で何度か利用している私としては信頼に足りるお店だ。 久しくうなぎを食べていなかったなぁ…。 よしッ! うなぎを食べて元気一杯で帰ろう! お店はお昼時とあってなかなか繁盛しているようだが、お一人様の私は幸いにもカウンターの端の席に空きがあるようだ。 そこに腰掛けてメニューに目を落とす。 先ずは「一本うなぎ」についての、お店の拘りについての口上が記載され、うなぎ料理にかける意気込みを感じる。 そのグランドメニューとは別に、お昼限定の会席料理があるようだ。 様々なうなぎ料理を楽しみたいので とても魅力的だが、これでは名物の「一本うなぎ」が食べられない。 そこで店長を努める女性に相談すると、「お差額頂戴出来ましたら対応致します」との理解ある応対をして頂いた。 話の解る店長のおかげで存分にうなぎを楽しめそうだ。 先ずは生ビールで軽く喉を潤す。 前菜として提供された物は、うなぎを焼き上げる為に要する時間を 退屈にさせない為にも必要だ。 と言うのも、コチラではうなぎを注文を受けてから捌き、焼きはじめるという「本物の」うなぎ料理店だからだ。 昔の粋な旦那衆は勿論それを承知しているので、うなぎを待つ間にお銚子を一本、もう一本と空けていく。 そのちょっとしたアテも必要なのだ。 私もうなぎ料理を頂くお店選びの基準は「注文を受けてから捌きたてを焼く」お店なのかどうかが大切なポイントで、その為にかかる時間は惜しまない。 そもそも うなぎを食べることで時間がかかることをイライラしたり怒ったりすること自体が野暮っていうものだ。 うなぎは時間がかかるに決まっている。 この三点盛りの前菜でビールを飲み干した私は、次の刺身に合わせるつもりで ちょっと珍しい日本酒を選んだ。 「農口尚彦研究所」という変わった銘柄だが、その名の由来となった伝説の酒造りの農口尚彦氏の手法を研究し、忠実に再現することを目的にした蔵の酒だ。 私は初めて口にするが、酒米の五百万石の特徴を活かしきった、滑らかで美味しい酒に仕上がっている。 しかし想像だが、やはり当時と比べて使用していた酒米が、気候が、蔵の設備が違うはずだ。 全く同じような酒に仕上がっているとは思えない。 が、しかし美味しい酒、という評価に陰りはない。 素直に美味しいと思わせる銘酒だ。 そうしているうちに待望のうなぎが。 先ずは白焼きだ。 添えられた山葵、塩、それに生姜を溶かした出汁で頂く。 ふっくらと、しかし表面はしっかりと焼き目の付いた歯ざわりの良い焼き上がり。 最初はシンプルに少量の追い塩と山葵で食せば、うなぎそのものの美味しさを一番感じることができる。 日本酒を流し込み、次は生姜入りの出汁を試してみる。 せっかく上手に焼き上げたうなぎに水分を含ませるのは いささか気が退けるが、コクのあるうなぎをさっぱりと頂ける。 次には「うざく」が。 出汁が酸味を優しくしている。 うなぎと胡瓜はまさに「出逢い物」だ。 殊の外相性が良い。 濃厚な味わいが続くなか、この酢の物は嬉しい。 肝焼きだ。 私が大好きな肝焼きは、注文できるお店であれば必ずお願いする物だ。 当然だが肝はうなぎ一匹に1つしかない。 肝吸いを提供するお店なら、それだけで終了だ。 故にお店が納得する品質の肝を選び、仕入れ、その肝を焼いて提供してくれるお店はとても貴重なのだ。 コチラの肝焼きはあまり焼かないタイプと感じるのだが、それがしっとりとした、パサつき感の無い焼き上がりになり、味もしっかり乗せてある。 山椒も卓上にあるが、それに加えて添えられた木の芽の香りに品の良さを感じる。 さて、いよいよメインだ。 名物の「一本うなぎ」を頂こう。 やはり肝吸いや薬味を従えた特別注文の器に、標準よりも大きなサイズのうなぎ丸々一本は迫力がある。 しっかりとうなぎを食べたい、という欲求を満たしてくれる質と量だ。 しかし私は偏屈者で、このしっかりと焼き上げられた美味しいうなぎに、わざわざ薬味など別の味を添えなくても… という考え方なのだ。 故に私はめったに「ひつまぶし」は注文しない。 たいていは「うなぎ丼」か「うな重」しか注文しない。 が、今回は仕方ない。 本来提供されるスタイルを、無理を言って変更してもらっているのだ。 これ以上はワガママというか、なんなら最初からアラカルトで好きなように注文するべきかもしれない コチラのうなぎの美味しさに変わりはない。 多少のことは我慢しなくては…。 最後まで美味しいうなぎに舌鼓を打ち、とても満足した。 さぁ! お腹もいっぱいになった! 我が家に帰ろう! 大好きな妻が待ってくれている!

2023/05訪問

1回

京都一の傳 本店

烏丸、河原町、四条(京都市営)/日本料理

3.62

257

-

¥5,000~¥5,999

定休日
水曜日

昼の点数:4.2

いつしか訪れてみたいと思っていた「一の傳」本店。 様々な食材を西京味噌で漬け込んだ物は、京都人は勿論 全国の食通を魅了してきた。 私の居住する地域にも「鈴波」という魚介類の粕漬けが美味しいお店があるのだが、そちらの物とは少し違う。 こちらの西京味噌漬は粕漬けよりも滋味深い味に思える。 そして本店での もう一つの楽しみは、当日の提供される料理の一品ひと品に、京都の酒蔵の日本酒を11種類もマリアージュしてくれることだ。 テロワールと言えば大袈裟だが、私はやはり地の物の食材を使った料理を 同じように地の物の酒米で醸す日本酒、もしくはワイン、焼酎などの地酒で味わうのが最上だと信じている。 なんという贅沢なことだろう! 今回は それが一度に楽しめることができるのだ。 更に評価したいのが、他の人のレビューにもあったことだが、 中居さんの教育がしっかりしている。 気持ちの良い笑顔、ご挨拶、しっかりとした受け答え。 とても気持ちが良い。食事が楽しみになる。 その中居さんのお勧めもあり、食事と共に日本酒のペアリングもお願いした。 先ずは料理が運ばれてきた。 7種類の先付の器は屋号の「一(いち)」を形どった物。 様々な料理はどれも美味しく、それと共に楽しむことができる地酒の数々。 11種類の利き酒用のぐい飲みが仕切られた朱色の枡に並ぶ様は日本酒好きにとって実に楽しい。 一皿ではなく一品に対してのマリアージュなのだ。 しかも全て地酒による、なのだ。 これを贅沢と言わずして何と言おう! 待望の銀だらの蔵みそ漬けは最高に美味しかった。 豚肉の味噌漬焼きも確かに美味しいのだが、やはりコチラのウリは銀だらなのではなかろうか。 これも日本酒と共に楽しんだが、後程運ばれてきた土鍋の炊きたてのご飯に漬物と味噌汁も一緒に味わえば、しみじみと日本人に生まれてきて良かった、幸せだ、そう思わずにはいられなかった。 最後がまた泣かせる。 洋梨のムースと共に合わせるのは茶舗としては京都随一の老舗「一保堂」の抹茶だ。 幸せを… 本当に幸せを感じることができた食事だった。 妻も 勿論満足してくれている。 私が日本を、日本人であることの幸せを忘れてしまいそうになったら またこちらを訪れよう。

2022/10訪問

1回

Garba

森下、大曽根、ナゴヤドーム前矢田/イタリアン、カフェ、日本料理

3.37

26

¥5,000~¥5,999

~¥999

定休日
月曜日、火曜日

夜の点数:4.2

昼の点数:4.0

最近知ったお店だ。 別宅のある場所から徒歩3分程の距離にあり、以前ランチで初訪問した際、とても良い印象を受けたのだ。 ご夫妻が営むこのお店、朝・昼はパニーニをメインとするイタリア風のカフェスタイル、夜は和食をメインとする、ご夫妻それぞれの得意分野を活かしたお店として営業している。 なので今回は夜に来てみたかったが、朝・昼と暖簾が掛かる入り口から趣きが異なっていた。 ゆえにコチラは朝・昼は「Garba 」という店名だが、今回はあえて夜の「雅流」という店名で紹介したい。 約3週間ぶりの再訪となったが、やはり昼と夜では雰囲気が違う。 予約した時間よりも少し早くお店の暖簾を潜った。 入り口から近い、前回ランチで訪れた時と同じ、大きなテーブルの席に案内をされた。 若い奥様がにこやかにメニューを届けに来てくれた。 前回ランチで訪れた際に聞いてはいたが、再度お店のシステムから説明を受ける。 夜はコース料理が2種類あり、いずれも内容はお任せだ。 ショートコースは当日でも大丈夫だが、8,500円のコースは前日までの要予約となる。 あとはアラカルトだ。 この日、私達はいろんな料理を試してみたく、アラカルトの料理をシェアするつもりだと伝えて注文した。 先ずはハートランドを二人で。 軽く喉を潤しながら、様々な料理を待った。 最初に運ばれてきたのは「牡蠣と菜花のお浸し」だ。 とても大ぶりの牡蠣を使用していたが、シェアするつもりだと伝えたことで 提供する前から牡蠣を半分に切り分けてくれてあった。 その心遣いがスターターとしての牡蠣と菜花のお浸しを 更に美味しくする調味料となった。 八寸だ。 ご主人の名刺代わりと思えるような料理の数々。 なんと言えば良いのだろう。 一品ひと品が華やかさよりも優しさが伝わってくる。 豪華ではないが寂しくもない。 丁寧に作られた料理に心がほっこりとするようだ。 思わず日本酒が欲しくなったが、この八寸が提供されてすぐにワインがサーヴされた。 イタリアのトスカーナのワインだが、奥様はイタリアに造詣が深く、セパージュは同じサンジョベーゼながらキャンティとは別物に…云々の説明を丁寧にしてくださる。 なるほど、確かに食中酒には最適なワインだ。 これなら和食とのマリアージュも合いそうだ。 刺身は2種類のうち、帆立の炙りの方をお願いした。 表面に色が付く程度の焼き目を入れた帆立貝。 香ばしさを纏った まったりとした甘やかな貝に濃厚な黄身醤油がとても美味しい。 椀物が。 鱈と筍の炙りの擦り流し仕立てだ。 これもまた最初から半分ずつに盛り付けて頂いた。 日本料理の華である椀物を、本来の姿ではなく崩した形で…とは、せっかく作った料理人の腕前を、料理に込めた思いを台無しにしてしまうようで とても申し訳ない気持ちにさせられたが、これもまたご主人の優しさなのだと感謝して頂くことにした。 自家製の山椒油の風味がたまらない。 筍と相まって 春の伊吹を感じる椀だ。 牛スネ肉の煮込み。山芋の唐揚げと共に白菜餡で。 よく煮込まれた柔らかな牛スネ肉に、白菜餡が優しさを添えている。 これなら日本酒だけでなく、牛肉とはいえ力強い物なら白ワインでも合いそうだ。 そして私の大好きな 甘鯛の鱗焼きだ。 パリパリの鱗の食感は甘鯛独特のもの。 京料理では「甘鯛の若狭焼き」といって、上手に焼けるようになるには余程の修練が必要なものだ。 フレンチの「ナスキャビア」のような焼き茄子のソースがまた良い。 ガロニと共に添えてあるフレークは鰹節から作られた物。 きっと出汁を取った後の物を再利用したと思われる。 精進料理に通ずる姿勢だ。 最後には妻が一番のお楽しみにしていた飛騨牛だ。 赤身の部位のローストだろう。 焼き加減は申し分無く、肉汁を上手く閉じ込めている。 なによりもソースだ。 ちょっと ひなびた感のある牛蒡と山椒という組み合わせが、飛騨で育てられた牛肉のイメージとシンクロする。 妻も「赤身なのに柔らかで美味しい!」と満足そうだ。 ワインが少しだけ残ったので、アソートのチーズも追加した。 ゴルゴンゾーラ、パルミジャーノ・レッジャーノにカマンベール。 グリッシーニは奥様のお手製の物だ。 更にはデザートも。 「今日のデザートは?」と尋ねたところ、苺と山羊のチーズを使った物らしい。 山羊が苦手な妻は腰がひけたようだが、私は興味津々。 1人分だけお願いした。 運ばれてきたデザートの皿。 二層になった上部は苺、下部は山羊のチーズ(ギリシャのフェタチーズのことだった)で構成された、フリーズ気味の物だ。 スプーンを上下の部分を一緒に味わえるように入れる。 フェタチーズはギリシャ料理ではサラダにも使用されるように、あまり自己主張が無い、食べやすい物。 苺とのマリアージュはなかなか気に入った。 私が 美味しいと満足気に食べていると「やっぱり私も食べる!」と、何でも興味を示す妻(笑) 恐る恐る口にすると「美味しい!!」と(笑笑) 前回、ランチで訪れた際にも満足したが、今日はそれ以上の満足感が得られた。 まだまだお若いご夫妻のお店。 これからも しばしば訪れて応援してあげたいものだ。 休日のこの日。 妻と二人、久しぶりに別宅のマンションの大掃除に取りかかった。 その別宅の近く。 徒歩で5分とかからない場所にコチラのお店はある。 今から約2年程前にオープンしたらしいが、車で通り過ぎると気が付かないものだ。 それが何故繋がったのか。 私がSNS で繋がりのある酒蔵があり、その「酒蔵開放」のイベントでコチラの食事が振る舞われたと聞き、その食事を提供したお店の所在地は名古屋市の大曽根、としてあった。 「大曽根のどの辺りだろう…」と興味をひかれ調べたところ、なんと私の別宅のすぐ近くではないか。 しかも、コチラのお店を営むご夫妻は それぞれが違う分野の料理人で、朝・昼は奥様のイタリアン、夜はご主人の和食を提供している、ちょっと珍しい形態のお店らしい。 これは見過ごすことは出来ない。 妻に「次に大曽根に行く時は コチラでランチを頂いてみようよ」と提案した。 お店の前にも駐車場があるが、あまりにも近いので私達は自分たちの別宅の駐車場に停め、徒歩で向かった。 すると駐車場は既に一杯で、人気があるのが解る。 席もかなり埋まっており、伺う前に電話で予約をしておいて良かった、と安堵する。 コチラでは来店し、扉を開けたすぐの場所で、着席する前に注文を先にして支払いも済ませる。 私達はお互い別々のパニーニを注文したら、「シェアするなら最初から半分ずつカットしておきましょうか?」との提案を受けた。 それには「我が意を得たり!」と、そうして頂くようお願いした。 違いを確認したくて、私は追加料金を支払いサラダを大盛に。 更に追加で「本日のスープ」もお願いした。 やがて料理が運ばれてきた。 私が注文したのが定番メニューのパニーニ「サルシッチャ」、妻が期間限定メニューの「グランキオ」。 それぞれ半分にカットした物が、お店の雰囲気に合っているウッドプレートに、サラダやポテトと一緒に乗っている。 お店の人から「コチラのポテトは作りたての熱々なので、気をつけてくださいね」と説明を受ける。 なるほど。さっそく そのポテトから頂いてみたが、ふんわりローズマリーが香り、熱々で美味しい。 スープも素材の良さを引き出した、と言うより素材の邪魔をしないように作られた、自然の風合いがとても優しく感じられる。 一緒に運ばれてきた切れのある軽い白のワインが それを引き立てる。 陽気の良い季節の昼下がりにテラス席で楽しむようなワインと料理だ。 そのパニーニ。 2種類を食べ比べてみたが、個人的な嗜好で言えば今回はサルシッチャの方が美味しいと二人共に思った。 バランスがとても良いのだ。 パンの焼き上がり具合、サルシッチャの香ばしさ、それに甘酸っぱいソース……。 それらが渾然一体となり、美味しさが口一杯に広がる。 完璧なハーモニーだ。 私は今までパニーニという料理を美味しいと思えた事がなかった。 しかし、ちゃんとした料理人がちゃんと作るパニーニ(お店は「パニーニ」ではなく「パニーノ」と紹介しているが、きちんとした発音だとそのようなヒアリングになるのかな…)は、これ程美味しいのだ!と、まさしく「目から鱗が落ちた」気持ちになってしまった。 これは良いお店に出逢えた。 しかも別宅のすぐ近く。 嬉しいことに、お店のことや料理のことをアレコレ聞いていたら、和食を担当するご主人もわざわざ奥から出てこられ、ご挨拶をして頂いた。 和食のメニューも魅力的なラインナップだ。 妻もすっかりお気に入りのようで、「次は夜に来てみたいな…」と。 それは私も同感だ。 ご馳走様でした。 また次回は違う一面を楽しみに伺うことにしますね。

2024/02訪問

2回

ページの先頭へ