ゆうじ88さんの行った(口コミ)お店一覧

ゆうじ88が訪問したレストラン、と名付けて頂きました

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これらの口コミは、訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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120 件を表示 54

ビストロ バッカス

新栄町、千種、車道/ビストロ、フレンチ

3.48

167

¥5,000~¥5,999

¥3,000~¥3,999

定休日
-

夜の点数:5.0

昼の点数:5.0

この日は仕事は休日。 大好きな妻を誘ってデートと洒落こもう。 先ずは二人が大好きな映画を観よう。 終わる頃には陽も落ちていて 街はクリスマスの雰囲気を演出するライトアップが施されていた。 車を移動して この日は私の中学校からの友人がオーナーシェフを努めるコチラ「ビストロ バッカス」さんで。 もう長い付き合いだ。 私達の年齢から もう半世紀近い年月が経つ。 その間、シェフも私もすっかりお互いの頭髪の白い部分の面積も増えてしまった。 しかし それでもまったく老けた感じがしないシェフは、中学当時から人気者で、特に女性には人気があった。 そんな訳なのか、この日のディナーは3組9名で、そのうち男性は私1人! ランチならともかく ディナーでの この客層は驚きだ。 この日 コチラでディナーを取ることにしたのは もう1つの理由があった。 私の自宅のセラーで長い間眠っていたワインだが、そろそろ飲み頃を迎えているはずだ、という判断だが、私がいつも自宅で作るレベルの料理と合わせるには……。 そこで同級生のよしみにすがろうと 予約をする段階でワインの持ち込みを了解してもらったのだ。 勿論 放栓料は支払いが必要だが、シェフともう1人の二人でのオペレーションなのでこれに構っている暇はない。 しかし そこは勝手知ったる間柄。 「ワインはナイフだけ渡して あとは自分でやるだろうから ほっといていいよ」とシェフは若いスタッフに指示している。 「いいよ、デキャンタだけ貸してくれたらあとは自分でやるから」と返す私だ。 メドック格付け第三級 シャトーキルヴァンのセカンド「レ・シャルム・ド・キルヴァン」の2004年。 ひょっとしたらピークアウトしているかもしれないこのワインを開けたかったのだ。 慎重にデキャンティングしていく。 幸いオリは少なさそうだ……。 テイスティングしてみる。 ……よし! 大丈夫だ!  20年の眠りから覚めたクラレットはご機嫌だった。 マルゴー特有の繊細は微塵も損なわれてはいなかった。 さぁシェフ! あとは美味しい料理をお願いね! アミューズからのオードブルはヴァリエで。 シェフのスペシャリテの「若鶏の白ワインゼリー寄せ」「鴨肉と豚肉のパテ」は絶品! 「三重県産牡蠣のオーブン焼き」「アトランティックサーモンのマリネ」も美味しかった。 肉料理が得意なシェフ。コンソメの取り方もオーソドックスな手のかかるやり方をしている。 しかし それが旨いコンソメを作り出す最良の方法なのだ。回り道はしない、王道のスタイルだ。 その味わい深いスープに添えられたフォアグラ。 きちんとした火加減で焼かれつつ、とろけるような食感はフォアグラの魅力を最大限に引き出している。 ポワソンには今が旬の鱈を。 淡白な鱈の身にパン粉を纏わせたのは、ソースの乗りを考えてのものか。 それは浅利のジュを加えた軽いトマトクリームのソースだけに素晴らしいハーモニーだ。 メインは牛フィレ肉のポワレ。 私の好みでは この時期ジビエも得意なシェフのことだ、鴨や鹿肉かな、と思っていたが、ワインを考えればこれも悪くない。 トリュフの風味のマディラワインのソースがマルゴーとの相性ピッタリだった。 イメージとは異なるが、シェフはパティシエでもあった。 デセールの「モンブランクリームを纏ったモンブランアイスクリーム」は栗の風味が立っていて、上品な甘さに仕上がっていた。 再度デキャンティングして、もう少し飲める状態にしたワインをシェフにこの日のお礼として渡した。 わがままを聞いてくれてありがとう! 今度はプライベートで飲みにでも行こうや。 また美味しい料理を楽しみにしているわ!

2023/12訪問

2回

白馬リゾートホテル ラ ネージュ東館

白馬、信濃森上/フレンチ、オーベルジュ、バー

3.36

34

¥20,000~¥29,999

-

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:5.0

料理そのものが素晴らしいのに加えて 支配人以下、スタッフ全員のホスピタリティが 賞賛すべき点だと思う。

2017/08訪問

1回

ミクニナゴヤ

フレンチ EAST 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ EAST 百名店 2023 選出店

ミクニナゴヤ

名古屋、名鉄名古屋、近鉄名古屋/フレンチ

3.71

328

¥15,000~¥19,999

¥8,000~¥9,999

定休日
月曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.7

名古屋マリオットアソシアホテルのメインダイニング「ミクニ ナゴヤ」で、三國清三シェフの美食会が開催されると聞いた。 当日は三國シェフが来名し、自らの手による料理を提供して、ゲストのテーブルにはご挨拶に来て頂けるようだ。 失礼ながら三國シェフは そこそこの年齢。 いまだに矍鑠として仕事もこなしていらっしゃるが、いつまでもシェフの料理が食べられる機会には、私達のような田舎暮らしの者には そうそう巡り会えないかもしれない。 そう思うと いてもたってもいられなかった。 つい4日前には志摩観光ホテル ザ ベイスイートの「ラ メール」でフレンチを食べたばかりなのに「そんなに贅沢ばかりしていいの?……」と妻にも言われる始末。 「じゃあ この食事をクリスマスディナーの代役にしようよ!」 私も必死だ。 ようやく妻の了承を得ることができ、参加する運びとなった。 ミクニナゴヤは以前、一度だけ訪れた事がある。 今回は二度目になるが、いつも礼儀正しくゲストを迎え入れてくれ、丁寧であり、かつスマートなサービスはさすがと思わせるものがある。 今回もメニューは当日までのお楽しみだったので、卓上に用意されたメニューを開くのが楽しみだった。 この日のディナーはシンプルな構成。 ブリニを添えたキャビアをアミューズと捉えると、オードブル、ポアソン、ヴィアンド、それにチーズとデセールと、このような美食会としては皿数は少な目な方に思われた。 先ずはキャビアだ。 フレッシュなオセトラキャビアには蕎麦粉のブリニ。それに刻んだパセリや鶏卵の白身、黄身ごとのアッシェも。 しかし せっかくのフレッシュなキャビアだ。ブリニに乗せるのも良いが、私達はそのままをス直接スプーンで頂いた。 何故なら この日のウェルカムドリンクがシャルル エイドシックのシャンパーニュだったからだ。 日本よりも先にニューヨークでブレイクした このシャンパーニュは 今やセレブ達の御用達のようだ。 やはりキャビアにはシャンパーニュが良く似合う。素敵なマリアージュだ。 蝦夷鮑のステーキは養殖の物としては大きなサイズ。その肝をソースにしてバルサミコの酸味で味を整えた。カリフラワーはライスに見立てたこと。白の他にも紫色やロマネスコも隠してあり、彩りを添えている。味噌や醤油のパウダーと相まって日本人が喜ぶ仕上がりだ。 ワインはボルドー。シャトー ラフォン ロシェ 2007年を。 もう飲み頃と思えたが、少量注いでもらいスワリングしても全然開いてこない。 もう 起こしてあげなくては。 いつまでたっても起きてくれないお寝坊さんは、ソムリエールに頼んでデキャンタージュしてもらおう。 そうすることで ようやく香りが開いてくれた。 サーモンのミキュイ。 この日、私が一番と思えた料理だ。 ノルウェー産のサーモンを厚くカットしたミキュイは かつて口にしたことがない完璧な火加減で、まだピンクの部分がほとんどなのに、どこを食べてもも温かいのだ。 塩昆布をナッペする為に外した皮目は 改めて掃除をした後に再度カリカリに焼いた物にして料理に戻してあった。 その食感、遊び心が溢れている。 レモンの酸味と塩昆布の塩梅も良く、前後の濃厚な味わいの料理を考えるとこのソースはちょうど良かった。 ブレス産のプーレは胸肉の部位だったが、モモ肉にも負けないしっかりとした食べ応え。スライスした沢山のトリュフと共にソースにもたっぷりとトリュフを使用したもの。 芳しいトリュフの香りが鼻腔をくすぐる。 サンマルセランはちょっと珍しいチーズ。 カテゴリーはフレッシュチーズなのだが、これを あえて熟成させてから食べる。 すると白カビとウォッシュの間のような感じに熟成が進み、それをスプーンですくって食べる。 これからウォッシュにトライしてみたい人には入門編として勧めたい味だ。 デセールはクリスマスをイメージしたアソートで。 その小さなグラスの中に三國シェフがポットから水を注ぐと 煙が立ち上ぼり、同時にレモンの香りが広がる仕組みになっていた。 最後に「NINA s 」というメゾンのクリスマスティーを提供されることでディナーは締め括られた。 テーブルにご挨拶に来て頂いた三國シェフは とても気さくな方で、私達のような田舎者夫婦にも笑顔で話しかけてくれる。 「記念に写真でもご一緒に…」との勧めに 恥ずかしながら妻も一緒に納まった。 期待したとおり、料理、ワイン、サービス共に素晴らしい一夜だった。 三國シェフはじめ、坂口部長、レストランの皆様 ごちそうさまでした。ありがとうございました。

2022/12訪問

1回

とれふる

千種、車道、今池/フレンチ、洋食、ヨーロッパ料理

3.57

141

¥6,000~¥7,999

¥3,000~¥3,999

定休日
火曜日

夜の点数:4.6

この日は私達夫婦が入籍した記念日だ。 挙式はお互い「いい歳だから…」と、恥ずかしさから二人きりでシンガポールで挙げてきたのだが、入籍はその後に「立春大吉だから…」と京都で済ませて来たのだ。 その私達が出逢って初めて食事をしたお店がコチラ「とれふる」さんだった。 記念日のディナーは その思い出のお店に久しぶりに出かけよう、となったのだ。 別宅のマンションの駐車場に車を停めれば、そこからドア・トゥ・ドアで15分もかからない程の距離にお店はあるので、いつもなら外で食事をする際にハンドルキーパーを努めてくれる妻にも「今夜は一緒にワインも飲もうね」と。 そのワインは あらかじめ10日程前にお店に伺い、預かって頂いてもらったスペインワイン。 フィロキセラに犯され、全滅の危機にさらされた欧州の葡萄畑のなかで、奇跡的にその害から逃れることができた ほんの僅かなスペインのテンプラニーニョ。 それゆえ樹齢は160年をゆうに越えるが、そんな希少なテンプラニーニョの単一畑で造られたのが、この日のワインだ。 この葡萄の樹のように、どんな困難があっても 二人がいつまでも長く一緒にいられますように、との願いを込めたワイン選びだった。 お店に伺う3時間程前にはワインを抜栓しておいてください、とお願いしたにも関わらず、テイスティングしてくれたメートルもホストテイスティングした私も「まだまだですね」との意見が合い、ワインはデキャンタージュしてもらうことになった。 長い年月を耐え抜いた樹の葡萄から出来たワインだ。 慌てることなく ゆっくりと楽しむことにしよう。 やがて最初の料理がサーヴされた。 初めて食事をした時から印象に残っていた、メートルの素敵なバリトンによる料理の説明は 提供された料理の最後に加えられる最良のスパイスとなる程。 その素敵な声によって説明された最初の一皿から私達は魅了された。 北海道産のズワイ蟹を使用したセルクルだ。 人参のマリネを敷き、トップには食用の薔薇を添えたセルクル自体も美しいが、更にオリーブオイルをパウダー状にした白とレモンとボッタルガのソースの黄色、エッジには百合根とブロッコリーのピューレ、スプラウトが華やかさを演出している。 温かいオードブルは更に私達を歓喜に導く。 同じく北海道産の、とても大粒な帆立貝柱と雲丹だ。 最初の蟹といい、もしかして私達夫婦の好みの食材を最初からご存じだったのですか? とでも言いたくなるようだ。 たっぷりの雲丹を惜し気もなく使用した逸品は、その雲丹とソースのサフランの黄色に包まれ、そこに妻の大好きなモロッコいんげんの細切りの緑が鮮やかだ。 魚料理は2種類の食材で。 三重県産の真鯛と活オマール海老だ。 ポワレした真鯛にはブール・ブランのソース、ポシェしたオマールにはアメリケーヌといった、いわば王道のマリアージュ。 しかし特筆すべきはシェフの食材に対する火加減だ。 先程の帆立貝柱といい、オマールといい、まだ生なのでは…と思える程のレアな断面だが、しっかりと火は通っている。 帆立貝柱やオマールの魅力である甘味を活かしきる為のギリギリのタイミングを見切っているのだ。 もうこの時点で私達夫婦の心は鷲掴みにされてしまった。 楽しみにしていたワインもデキャンタの中で、注がれたグラスの中で変化を遂げていて、その移ろい行く様が美味しい料理と相まってとても良い感じだ。 メイン料理だけはゲストが選択し、その食材によってはエキストラチャージを支払う方法だ。 私達は大好きな鴨肉を、追加したフォアグラも添えて提供してもらうことに予約した段階から決めていた。 持ち寄ったワインも 鴨肉をメインにするからV.V.のテンプラニーニョにしたのだ。 嬉しいことにワインも このメイン料理に合わせるかのように花開いてくれた。 料理のソースもシェフはワインに合わせてくれたのだろう。 真っ先に赤黒い果実を思わせる色と香りにスパイスのニュアンスも感じられるワインにピッタリなソース。 またもや見事な火加減のフォアグラは、勿論そのまま食べても、また そのソースに少し潰しながら混ぜ合わせて食べることで、鴨肉の美味しさが更に引き立てられる。 もはや言葉にならない程、私達は……。 満足したディナーを締めくくるデザートは、大人の魅力溢れるラムレーズンのグラスと料理の余韻を引き摺るかのような赤い実の果実ムースだ。 少しメートルとお話をして、私達がこのお店が最初の食事をした思い出話を聞いて頂いたり、それからの幸せな毎日を送っている事を喜んでもらい、その幸せな気持ちになれた時間を過ごせたことに感謝して お店を後にした。 あまりに久しぶりになってしまったが、改めてコチラの素晴らしさを再認識した。 これからもまた、是非ともお世話になりたい… そんな思いだ。

2024/02訪問

2回

TATERU YOSHINO

新千歳空港/フレンチ、洋食、ワインバー

3.52

28

¥15,000~¥19,999

¥8,000~¥9,999

定休日
木曜日

昼の点数:4.5

妻と入籍記念日を札幌で過ごす旅。 最終日は飛行機に搭乗する前に空港の国際線ターミナルにあるホテルのレストランとして営業しているコチラを訪問した。 昨年の夏、和歌山県で開催された和楽器の全国大会に末娘が出場することになり、その応援で和歌山市を訪れた際に吉野建氏が営む「Hotel de YOSHINO」で食事をした。 その時の氏の料理に感銘を受けたのは半年前の事ゆえに記憶に新しいものだが、正直 氏がこの新千歳空港のホテルの施設としてレストランを運営しているとは知らなかった。 お店のランチタイムは12時からなのだが、帰路に着く前の時間ゆえにお昼の営業時間で食事をするにはかなりタイトなスケジュールになりそうだったので、予約をする際に13時30分には食事を済ませたい旨を伝えると「なんとかしましょう」と快諾頂いた。 ランチのメニューは現在は1つだけのようで、これも新型コロナの影響によるものか…。 そのメインディッシュはシャラン産の鴨の胸肉だったのだが、私達は追加料金で小鳩をデクパージュしてもらえる料理に変更し、ソースも私好みのサルミを所望した。 食事は仏産の生ハムをスライスして、それをほおずきと共に口に運ぶ物を含めたアミューズから始まった。 ワインはソムリエにグラスの物をセレクトしてもらったのだが、道内の余市でワイナリーを営む平川氏のシャルドネは、と勧められた。 グラスに注がれたワインの香りを利いて驚く。 ついに日本人が国内のワイナリーで造るワインもここまで来たのか、と。 もちろん行き届いた環境で管理された物なのだろうが、ファーストアタックから訴えてくるものがある。 軽くスワリングするとますます香りは立ちこめ、鼻腔をくすぐる。これ程の国産ワインには未だにお目にかかることがなかった。 料理も菊芋のブルーテは、その甘く優しい味わいに たっぷりのトリュフの香りを添えた物。 ワインとのマリアージュもとても良い。 さて、お楽しみの小鳩だが、その前にソムリエにワインの相談だ。無難なワインならばボルドーだが、ソムリエとしてお勧めしたいのは、やはり先程の造り手の平川氏のワインを、と。 「そのワインのセパージュは?」と伺うと「それが平川さん、教えてくれないんですよね」とのこと。 「葡萄の品種を伝えると、その品種のセパージュなら…という先入観から入ってしまう。そうではなくて、平川さんは自分でワイナリーまで足を運び、その場で飲んでみた感覚で確かめて欲しい、そんな方針の造り手さんなんですよ」との事。ソムリエは「私も平川さんのワイナリーにお手伝いに行ってるんですよ。収穫とかまで手伝って、それを分けてもらえるんです。」とも。 なるほどボトルのエチケットもシンプルで、手作り感がある。 グラスに注がれたワインは先程同様 驚きを隠せない。 この気持ちをソムリエに伝えると「平川さんは先のサミットでの各国首脳の食事にシェフソムリエとして従事した程の方で、それがソムリエでは飽き足らず自分がワインを造りたくなって、日本各地を探してこの余市で最上の土地に行き着いたのです」と教えてくれた。 小鳩のデクパージュを眺めながらそんなエピソードを聞かせて頂けば、自然と期待も高まる。 胸、ササミ、腿に見事に捌かれた小鳩に銅鍋で温められたサルミのソースがサーブされる。 早速口に運び、味わう。繊細にして そのジュを湛えた胸肉が濃厚な味わいのソースと相まってとても素晴らしい。 凝縮されたプラムのような味わいと腐葉土のような香りがするワインとのマリアージュはまさに至福の一時だ。 最後にデザートとコーヒーを頂き、妻が化粧室に向かうのを見届けてテーブルチェック。これが13時25分だった。 シェフやメートル、ソムリエのおかげで せわしくも楽しい時間を過ごすことができた。 今度北海道を訪れる機会があれば、次こそはゆったりとした時間を過ごしたいものだ。

2022/02訪問

1回

タワーズレストラン クーカーニョ

渋谷、神泉、代官山/フレンチ、洋食、バー

3.62

337

¥15,000~¥19,999

¥8,000~¥9,999

定休日
火曜日

夜の点数:4.5

さぁこの旅行のメインイベント! 楽しみにしていた宿泊したセルリアンタワー東急ホテルのメインダイニング「タワーズレストラン クーカーニョ」でのディナーに向かった。 今までランチで二度三度利用したことはあったが、ディナーでは初めて。期待が高まる。 ドレスアップした妻をエスコートして最上階のレストランのエントランスへ。窓際のテーブルに案内されてさんざん部屋でウェルカムのシャンパンのボトルのほとんどを飲んで来たのにも関わらず先ずはシャンパンをグラスで頂きながら改めて今夜のメニューに目を通す。 魚料理は妻がオマール海老を、私はレストランが誇る伝統的なスペシャリティの「ブイヤベース」をチョイス。 メインはシャラン産の鴨胸肉(二人様より)を選んだ。 アミューズを楽しんでいると、そのブイヤベースで使用する魚介類のプレゼンテーションがあり、ホウボウやイシモチ、ハタなどが今夜の食材として提供されるようだ。 ソムリエールに赤ワイン好きな妻の為にあらかじめ選んだ今夜のワイン「シャトーコスデストゥルネルの1997年」のサーブをお願いする。 相談した結果、デキャンタージュしてもらうことに。 想像した以上に良い状態で楽しめそうだ。 次々に供される料理は季節感を演出しており、前菜の国産の松茸、スープのトリュフを共にふんだんに。メインにはセップ茸をガロニチュールに添えて各国のキノコを楽しませていた。 特にブイヤベースは秀逸で、演出、味共に申し分なく、オマールや鴨も火加減が絶妙であった。これ以上でも駄目、これ以下でも駄目というギリギリを見極めているから素材の良さを引き出せるのだと思う。 フロマージュのアシェットを楽しんで、妻が心待ちしていたデザートを。 これまた日本の秋を演出する内容で、最後まで楽しむことができた。

1回

ル ピニョン

フレンチ EAST 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ EAST 百名店 2023 選出店

ル ピニョン

森下、大曽根/フレンチ、イノベーティブ

3.74

180

¥15,000~¥19,999

¥8,000~¥9,999

定休日
水曜日

夜の点数:4.5

1回

ラ・メール

2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

フレンチ WEST 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ WEST 百名店 2023 選出店

ラ・メール

賢島/フレンチ

4.01

161

¥20,000~¥29,999

-

定休日
-

夜の点数:4.4

その他の点数:4.5

志摩観光ホテル ザ ベイスイートに二泊 ご厄介になった。 一泊目の朝食は お隣の「ザ クラシック」のレストランで頂いたが、二泊目は前夜のディナーに続きベイスイートのメインダイニングの「ラ・メール」で頂くことに。 「ラ・メール クラシック」では和食も洋食も同じテーブルを囲んで食べることができるのだが、ベイスイートは和食、洋食それぞれの店舗で食べることになる。 前日の朝食は私と妻の嗜好の違い、それにせっかくだから同じレストランを利用するよりも伝統と格式のある もう一つのレストランも伺ってみたかったからクラシックを利用したのだが、 移動する手間などを考慮すると やはり翌朝はコチラで頂くことに落ち着いた。 メニューにあるように、先ずはファーストドリンクを選ぶ。 各種ジュースの他にシャンパーニュもあり、妻はジュースを、私はシャンパーニュを所望した。 卵料理も3種類からのチョイスになり、妻は前日と違う「海の幸のオムレツ」を。私はホテルオリジナルのレシピの「エッグベネディクト」をそれぞれ選んだ。 最初にサーブされたハーブ&フルーツウォーターが 朝の爽やかさを運んで来てくれる。 と、同じくしてシャンパーニュも。 前夜のディナーと同じ テタンジェのマグナムボトルだ。 注がれたグラスが朝日に輝く海の青、樹々の緑と重なり なんとも幸せな気持ちになる。 地元の生産者が作っているヨーグルトとフルーツ、それにフィンガースタイルの野菜達にチーズ。 これらがシャンパーニュと共に頭の中も、胃袋も目覚めさせてくれる。 パンが運ばれてきた。 トーストは二種類。私は全粒粉を使用したパン ド ミ を。 他にもクロワッサンやデニッシュ、マフィンなどもあり、パンが大好きな妻にとっては嬉しくも悩ましい瞬間だ。 3種類のコンフィチュールも勿論ホテルメイドの物。 それに林檎の花の蜂蜜も。バターはエシレの無塩だ。 やがて卵料理も運ばれてくる。 妻のオムレツは美しい焼き上がりと ふんだんに使用された鮑や車海老などの海の幸が、既に美味しいを約束してくれているように思われる。 私のエッグベネディクトも負けてはいない。 オランデーズソースに伊勢海老のアメリケーヌソースを加えたレシピは志摩観光ホテルのスペシャリティだ。 食いしん坊な私達はお互いの料理を交換しながら 共に二人で幸せな気持ちと料理を味わうことができた。 レストランのギャルソンは皆さん素晴らしいホスピタリティーと笑顔溢れるサービスを提供してくださる。 まさに「華麗なる一族」な気分にさせてくれるレストランだ。 三年目の結婚記念日の旅行先には、妻の主治医の勧めで選んだ 伊勢志摩観光ホテル ザ ベイスイートだ。 コチラでゆっくりさせてもらおうか、と話し合い、夫婦の意見も一致した。 到着した翌日に記念日のディナーを頂くことにしたのは メインダイニングの「ラ・メール」さんだ。 レストランに隣接している宿泊者専用ラウンジでアペリティフを頂いていると、英虞湾に夕陽が落ちていく様は まさに一服の絵画のようだ。 予約した時間になり隣のレストランに移動する。 お願いしたコース料理は、志摩観光ホテルが戦後の混乱が まだ収まらない1951年に開業して以来、多くの顧客、世界のV.I.P.を魅了し続けてきた数々のスペシャリティを集約した 「トラディション」だ。 恵まれた伊勢志摩の幸に手心を加え、歴代の総料理長が守り続けた素晴らしい料理の数々。 それを一夜で楽しむことができるのだ。 先ずは乾杯のシャンパーニュを。 さっそく驚いたのは、グラスで提供しているシャンパーニュが マグナムボトルの物だということだ。 普通なら開栓したシャンパーニュだから、状態が良いうちに注ぎきってしまいたいと考えるもの。 そのグラスのシャンパーニュをマグナムで提供するということは、それだけ回転が早いからだ。 加えてシャンパーニュに限らずマグナムボトルはスティルワインでも美味しい。 その素晴らしいシャンパーニュで私達の記念日は幕を開けた。 アミューズには安乗ふぐが。 ちょうど この日のお昼に安乗ふぐを食べたかったのだが、安乗ふぐは3日程前からの予約が必要、とのことで 口にすることが出来なかったのだ。 それがアミューズとはいえ お目にかかることが出来、そんな細やかなことでさえ 嬉しくなった。 ウニのボンファム、キャビア添え。 鮑のステーキ ブールノアゼットソース…… 様々な料理の素晴らしさは ここでも同じ事を繰り返してもしつこいだけなので 添付した写真を参照して欲しいと思う。 最後、食事を終えたタイミングで樋口総料理長がテーブルまでご挨拶に来て頂いた。 とても華奢な、可愛らしい女性で、この小さな身体のどこに このバイタリティーが詰まっているのだろうと驚いた。 総料理長ということは、この素晴らしい2つのホテルの全ての料理の責任者、ということ。 それだけでも重圧がかかるはずなのに、年に数回の美食会を開催し、新しい美味を創作したり、自らが生産者の元に出向き、よりよい食材の発掘にも余念がない。 そんな大変な仕事を続けていけることに敬意の念を抱かずにはおられない。 今日は素晴らしい夜をありがとうございました。 料理長はじめ、メートル デ トル、ギャルソン、ソムリエ… 全てのレストランスタッフにお礼申し上げたいと思うと同時に 再び このレストランを訪れたいと思います。

2022/12訪問

2回

ル・デパー

狸小路、すすきの(市電)、すすきの(市営)/ビストロ、フレンチ、ダイニングバー

3.58

38

¥10,000~¥14,999

-

定休日
日曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.4

自分へのご褒美に北海道・札幌の旅に来た。 荒天となってしまったこの日。 予約していた藻岩山山頂にあるレストランが、ロープウェイなどの運休の為クローズする、という連絡が午後3時にメールで届いた。 とても楽しみにしていたディナーだっただけにショックは大きかった…。 しかし落ち込んでいる暇はない。 別のお店を探さなくては……。 と思い、随分以前に別のグループメンバーと一度伺ったことがあるコチラを思い出した。 その時の美味しい料理、楽しかった会話…。 そうだ! ココがいい! 夕方の5時に予約の電話を入れたが なかなか繋がらない。 まさか休み?…… と、ちょっと嫌な予感がしたが、やっと電話に出て頂いた。 夜遅くまで営業している事を確認し、今夜の8時に予約をしたい旨を伝えると、快く引き受けて下さった。 先の19時に もう一軒気になったお店で軽くアペリティフと牡蠣料理を頂き、その後に行きたかったのだ。 お店に向かう時点で 外は凄い吹雪。 ススキノの街もいつもの賑わいはなく、比較的閑散としているようだ。 久しぶりの訪問故に お店の場所がうろ覚えで苦労したが、なんとか時間前にたどり着けた。 雑居ビルの3F にあるお店は目立つ看板らしき物も無く、入り口の扉に一枚のショップカードがあるだけで少々分かりにくい。 その扉を開けるとカウンターの中からシェフが声をかけてくれた。 「ゴメンね!電話の時はちょうど仕込みの最中で手が離せなかったんだ」と詫びてくれたが、コチラこそ当日の こんな悪天候の時に快く引き受けて下さったことに感謝します、と。 L字型のカウンターには先客のお二人がいらっしゃったが、その方ともシェフを間の会話で直ぐに打ち解け、和やかな雰囲気でスタートした。 電話の際、ジビエが食べたい旨を伝えてあったが、あいにく今日は鹿肉か鴨肉しか置いてない、との事。 いやいや十分でしょう。 では その両方を頂きます、とお願いするも、シェフは思案顔。 「それだと量が多過ぎるんだよね…。少しオードブルを出すから、それにプラスでどちらかを…っていうのはどう?」との提案。 「どちらが食べたい? どちらでもいいけど 今日は鹿肉がいい感じで熟れてきたから良かったら」とも。 Yes Sir ! せっかくのシェフのリコメンド。逆らうつもりは毛頭ございません!それでお願いします。 ワインはグラスで。 3種類のフランス産ワインで、ボルドー、ブルゴーニュ、コート・デュ・ローヌから選べたが、鹿肉との相性からコート・デュ・ローヌをチョイス。 シェフも「そうだね。ベストと思う」と。 それをチビチビ飲りながら 隣のお二人とシェフを交えて他愛のない話をしていると「はい、お待たせ!」 オードブル・ヴァリエが提供された。 ジビエ好きを考慮してもらったような内容は全て美味しく、中でも鴨肉のパテに合わせた牛蒡とのマリアージュはセンスの塊のようだ。 シェフは話術にも長け、私達や隣のお二人を飽きさせない。 そうした楽しい語らいをしている間に作ってもらったこの日のメイン「鹿肉のロースト」は、まず先にガロニから提供される。 このガロニ。とても沢山の種類の野菜達が使われ、かつ量も十分過ぎる程。 ましてやメインの鹿肉はとてもボリュームがある。 これだ。これこそが「本当のビストロ」なのだ。 本来、ビストロは「ドゥ・プラ(仏語で2皿の意)」で完結する。 前菜とメイン料理でお腹いっぱいになる、それが本当のビストロだ。 私達が最初に「鹿肉と鴨肉を両方…」と言ったのをシェフが諌めたのは「きっとボリュームが有り過ぎて最後まで食べられないよ」と言いたかったのだろう。 そんな本来のビストロの楽しみ方を忘れてしまい あれこれと注文しようとしていた自分が恥ずかしかった。 肝心の料理だが、この見事な火加減はどうだ! なんとオーブンには入れていないと言う。 しかしながら完璧に火加減を見切っていないと出来ない芸当だ。 ソースはシンプルに鹿肉のジュのソースだろうが、もう1つの驚きは ジビエ好きを自認する私が今まで口にしたことのない「鹿肉のハツ(心臓)」の旨さだ。 こんなにも美味しい部位だったのか! もっと早く知っていたら、出逢っていたら… と思える程だった。 大満足の料理を頂いた後も、先に帰られたお二人が居なくなってしまった後も 私達とシェフは話に花が咲き、いつしか夜も遅い時間になっていた。 最後にとても貴重な蜂蜜で作ったアイスクリームと金柑のデザートでこの日の〆となった。 シェフ、いろいろとありがとうございました。 美味しい料理、楽しい語らい、優しい気遣い…。 その全てに感謝致します。 また札幌に来たら、是非伺わせて頂きますね。

2024/01訪問

1回

ワインバー コリエドール

栄町、栄(名古屋)、久屋大通/ダイニングバー、ワインバー、ビストロ

3.51

103

¥5,000~¥5,999

-

定休日
日曜日

夜の点数:4.1

昼の点数:4.6

この日は食べログで仲良くなった「背の高いサンタ」さんとの会食を約束した日。 初めてお会いすることに、柄にもなく少々緊張気味の私だ。 勢いをつけようと立ち寄らせてもらった行きつけの居酒屋さんでビールを飲んだのたが、もう少し足りない気分だった。 そこで思い出したのがコチラ「コリエドール」さんだ。 今から6年程前に先妻と離婚した私。 元来の寂しがり屋ゆえに 当時は再婚の為の「婚活」を一生懸命頑張っていた(笑) その頃にしばしば訪れていたのがコチラだった。 当時の私は別宅のある名古屋市の大曽根に住んでいたので、名鉄の瀬戸線を利用すれば コチラのお店から自宅の玄関までのドア・トゥ・ドアが約15分という利便性が気に入っていた。 加えてコチラのスタッフの皆さんは全て女性だけで、ソムリエールとしての知識・技術は勿論のこと、才色兼備というかお美しい方ばかり。 決してスケベ心を出していた訳ではなかったが、当時離婚したばかりの傷心の私は随分と癒されたものだ。 そんな懐かしさもあっての再訪だったが、驚いたことにスタッフの皆さんが当時とはほとんど変わってしまっていた。 どなたもお顔を存じ上げない人ばかりで、全く新規の来店客のようなものだ。 ただ、コチラのオーナーの女性だけは変わらず美しい方で、お店自体が変わってしまったということは無いことに安堵した。 メニューを手渡され、スペインの赤ワインを所望する。 まだまだスペインワインの勉強が足りない私。 知らない銘柄だったので、そのセパージュを尋ねると「ガルナッチャとシラーです」と、すぐさま的確な答えが帰ってきた。 うん、さすがコチラのソムリエールだけのことはある。 とてもよく勉強なさっている。 こうしたことがお店の信頼となっていくのだ。 安心してお任せのワインを楽しめる。 この日は先記した事情の為、1杯だけで済ませることになったが、やはりコチラはいい。 今度はゆっくりと楽しめる時間があるときに来たいものだ。 大切な会食の席に招かれた日の昼下がり。 久しぶりにお気に入りのワインバーを訪問し、アペリティフを頂いてから向かうことにした。 コチラのお店はスタッフの人が全て女性(それも皆さん美しい人ばかり)で、それでいてワインの取り扱い、知識もしっかりしており、私のようなオジサンにはとても嬉しいお店だ。 この日は4月の半ば過ぎというのに夏のような暑さで、最高気温は27度にもなった日だった。 そんな暑い日の昼下がりは冷やしたソーヴィニヨンブランがよく似合う。 個人的な嗜好はもう少し冷やした方が好きなのだが、コチラのお店は温度管理等もしっかりしており、そのワインを最適な状態でサーブしてくれる。 短い滞在ではあったが、席を立ち上がるとわざわざオーナーがエレベーターホールまで見送りをしてくれた。 わずかな時間にグラス1杯の客でもこうした丁寧な応対をしてくれる。 気持ちの良いお店だ。

2024/02訪問

3回

エスカルゴ牧場

上ノ庄、松ケ崎、松阪/フレンチ

3.07

7

-

-

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:4.3

数年前になるだろうか……。 三重県の県庁所在地の津市に美術館があり、その施設のレストランには前妻とよく訪れていた。 当時、長女が三重大学の学生であったことから度々訪問する機会があったからだ。 そのレストランのシェフはテロワールというか三重県という土地を愛していたようで、食材にはできるだけ三重県産の物を使用していることが私のお気に入りの理由だった。 そこで頂いた一皿に私は驚きと感動を受ける。 エスカルゴだ。 それまでの私はエスカルゴは真っ黒な姿の物しか食べたことがなく、それをブルギニオンバターで焼き上げた物がエスカルゴだと思っていた。 それはそれで美味しいと当時の私は思っていたので、このレストランで食べたエスカルゴは 全くの別物! 本当は これ程美味しいものなのか?! と驚き感動したのだ。 シェフに話しを伺うと「(三重県の)松阪市でエスカルゴを養殖している人から仕入れた」とのこと。 ……また驚いた。 日本でエスカルゴを養殖しているだぁ? そんなことを、そんな人がいることを、それまで私は聞いたことがない。 でも その美味しさは強烈なインパクトを私に植えつけた。 そしてこの日。 私は念願だった「エスカルゴ牧場」を訪問する機会を得た。 日中は赤目四十八滝の紅葉狩りを楽しみ、そこから近鉄電車で移動してコチラに向かったのだ。 松阪市とはいっても牧場はちょっとへんぴな場所にあり、レストランではエスカルゴと共に白ワインも頂くつもりだったので公共交通機関では とても不便な場所にある。 電車とバスを利用しての訪問は非常にタイトなスケジュールにならざるを得なかった。 夕方の16時過ぎに到着するバスで伺う旨、予約の電話で伝えてはいたが、オーナーは自ら レストランの看板のある道路沿いまで迎えに来てくれていた。 お話し好きな人で、迎えに来てくれた段階からいろんなことを話し出す。レストランの中に案内され、席に着いてもずっとエスカルゴについての話しを熱く語っていた。 そうしているうちにオーナーの奥様と思える女性が、予めお願いしてあった料理を届けてくれた。 レタスとパセリのシンプルなミニサラダ。カットしてトーストされた食パン、白のグラスワイン(ノンアルコールの物に変更可能)、そしてエスカルゴ。 そのエスカルゴはブルギニオンバターで焼き上げた物ではなく オーナーの自家菜園で収穫されたパセリやレモンを使用したソースでの物。 オーナーは食べ方の指南までしてくれるので、それに従って 先ずはエスカルゴの殻の中にあるソースを全て一枚のトーストにかけて、その後エスカルゴをピックで取り出し、ソースのかかったトーストと共に口に運ぶ。 うん!これだ! 缶詰めの紛い物とは全く違う、本物のエスカルゴの味だ! あの数年前にフレンチレストランで受けた驚きと感動が甦ってくる。 そんな私の気分にはお構い無しにオーナーはこれまでの苦労や努力、成果などを語りかけてくる。 人には それが疎ましいと思えることもあるだろうが、それ以上に私はこのエスカルゴを再び食べることができたことが嬉しく幸せなのだ。 それに 確かにオーナーの努力には敬意を払いたい。 なにせ いろんな大学の教授、各国の代表者などがオーナーの元に教えを乞いにくるほどだ。 それほどの研究と成果に対し、日本国政府、関係省庁、自治体は、オーナーがどれだけ交渉しても補助金、助成金は一切出なかったらしく、全てが私財による運営だったのだ。 そのことを悔しく思い、この研究、成果を引き継いでくれる企業、人材がいないことをとても心配していた。 (オーナーは現在75歳と高齢者なので。) いやいや、はるばる松阪まで来た甲斐があった。 私は日本中のフレンチレストランのオーナー、シェフに提案したい。 絶滅したと思われていた、この本物のブルゴーニュ種のフレッシュなエスカルゴを使用した「エスカルゴ ド ブルギニオン」を日本を発信元に世界中のグルメにアピールしてはどうか、と。 日本のフレンチレストランが古典とも言える本物のレシピを復活させてみてはどうか、と。

2022/11訪問

1回

サルティーダ

石垣市/ビストロ

3.46

87

¥5,000~¥5,999

¥4,000~¥4,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.5

昼の点数:4.0

今夏のバカンスで石垣島に来ている。 昨夏にとても好印象を得たインターコンチネンタル石垣リゾートに投宿して、美味しい料理を食べてゆっくりしたいね、と妻とは春先からの計画だった。 そのメインダイニングがコチラ「サルティーダ」さんだ。 昨夏の利用の際に料理の良さは勿論、スタッフの皆さんのホスピタリティー溢れるサービスがとても良かったからだ。 改めて振り返ると、私達がお気に入りのお店、もしくはホテルは全てそこで従事している人達が気に入ったところばかりだ。 やはり人が大事なのだ。 良い人がいるからお客が集まるのだ。 そんな意味では私達夫婦が石垣島に来るのは、コチラのホテル、レストランの皆さんに会いに来たいという気持ちが強かったからだ。 更に嬉しいことに、料理内容もパワーアップしている。 昨夏はメイン料理を選び、その他の料理(主にオードブルやサラダ、デザート)はブッフェスタイルで楽しむことになっていたが、今年からはオールブッフェ(全ての料理がブッフェスタイルで楽しめる)になっていた。 内容もホームページで閲覧できるが、とても素敵な料理が列記されている。 それが季節にもよるだろうが宿泊者限定でお値引きになるプランまであったから言うこと無しだ。 3泊する中日のディナーで利用してみた。 午前中の朝食の際、やはりいつもの笑顔に触れることができたので、その日の夜も安心して再訪した。 簡単な説明を受けた後、先にドリンクの注文をお願いする。 妻はシャンパンを石垣島のパイナップルのジュースでハーフ&ハーフにした「パイナップルミモザ」を。 私は赤ワイン(シャトー・グリュオ・ラローズのセカンド)をそれぞれお願いした。 席を立ち、料理台に向かう。 様々な美味しそうな料理に目移りしてしまう。 オードブル、サラダの近くには大きなプラッターが。 見たところ50cm は有ろうかというビッグサイズのミーバイが丸ごとローストされてある。 それを客がめいめい好きな部位を好きなだけ…… なんと豪快なんだろう! 他にも牛リブロースの塩窯焼きや仔羊の煮込み等、全て食べたいが初老の私達ではとても無理と思える品数だ。 チーズやデザートも充実している。 ワインが進んで仕方ない。 妻共々満足し、会計をルームチャージで済ませた後はナイトプールを散策してみた。 プールサイドバーはペリエ・ジュエとのタイアップによる素敵な空間が演出されてあり、そこでシャンパンでも飲みながらライトアップされたプールを楽しむのも一興だろう。 やはり此処はいい。 人も、料理も、ワインも全てに完璧だ。 また利用させてもらいたい…  そう、また皆さんの笑顔に会いに来たいとの思いから……。 ANAインターコンチネンタル石垣島リゾート2日目の夜。 今朝の朝食のブッフェに非常に好感が持てたので、同じレストランで今度はディナーも頂いてみよう、となった。 当初はホテル内の和食のレストランでマグロずくしのディナーも考えにあったが、朝食の際のスタッフの皆さんの笑顔溢れるホスピタリティーに心をうごかされたのだ。 幸い持ち込みのお酒は新政のNo.6を考えていたが、ホテルの部屋で飲もうとしていたムルソーがあった。 このレストランのディナーブッフェはハーフブッフェで、メインディッシュだけは好みの料理を選んで提供してくれるシステムだ。 魚料理と豚肉料理があったので、それを選んでムルソーに合わせれば良い。 この日は夏至に近いこともあり、19時を過ぎてもまだ夕陽が名残惜しむようにホテル全体を赤く染めていた。 外が明るいとディナーの雰囲気が出ないが、予約した時間だから仕方ない。 窓に近い席へと案内してもらい、食事を始めた。 さすがにディナーはブッフェの内容も一段と華やかだ。 ライブキッチンも素敵な料理をシェフが作ってくれる姿を見ていると自然と料理を手にしてしまう。 朝のチーズは主にハード系のチーズだったが、夜はワイン等に相性の良い物を並べている。 仔羊のナヴァランはブッフェ料理とは思えない美味しさだ。 私が持ち込んだムルソーは自宅のセラーで保管していたのだが、いかにルイ・ジャドといえども2000年のヴィンテージではもたなかった…。 抜栓した瞬間だけは楽しめたが、空気に触れた時からみるみるピークアウトの症状があらわてしまった。 食事を十分楽しんだ後、スタッフの人が 「デザートはプールサイドのテラス席でいかがでしょうか?」 と勧めてくださった。 せっかくなので移動すると、ソファーの席には適度な大きさのクッションがあり、リラックスできる。 プールを照らすライトアップがロマンチックな雰囲気を演出している。 二人でいるところを度々写真におさめてもらったが、そういったスタッフの皆さんの、お客様に楽しんで頂だこうという気持ちが伝わってくる。 やはり良い料理、良い飲み物だけではない。 こうしたホスピタリティー溢れるサービスが必要不可欠だと改めて感じることができたディナーだった。 2日目の朝食はコチラのブッフェ料理のレストラン 「サルティーダ」さんで頂くことにした。 もう1ヶ所別のブッフェ料理のレストランがあるのだが、そちらはもう少しカジュアルな内容と聞いており、子供向きの料理等もあるようで、家族連れのゲストにはそちらの利用を勧めているようだ。 私達夫婦は子育てはとうの昔に卒業しているので、レストランでの食事は落ち着いて食べたいと思っている。 なので必然的にコチラのレストランを選んだのだ。 それはすぐさま正解だと思った。 先ずは料理の内容が違う。ジュースはすべてフレッシュな物で、濃縮果汁還元の物は一切無い。 チーズもナチュラルな物で、料理台にサーモンフュメやケッパーベリー、生ハム等があれば、私に「朝からワインはいかがですか?」と問いかけられたような気分になる。 スタッフの皆さんの笑顔、サービス、ホスピタリティーも素晴らしい。 石垣島はマグロの水揚げが盛んなので、和食のレストランで本マグロずくしの料理を頂くことにしていたが、急遽ディナーも頂きたくなった。 この皆さんの笑顔が、夜、もう一度コチラで食事をしたいという気持ちを後押しした。 ごちそうさまでした。今夜またお会いしましょう……。

2023/09訪問

3回

Restaurant LE MiDi

高山/フレンチ

3.64

155

¥5,000~¥5,999

¥2,000~¥2,999

定休日
-

夜の点数:4.2

昼の点数:4.3

高山への旅、2日目。 夕食はあえて「もちろん」と言わせて頂こう。 高山のフレンチの名店「Le Midi」さんだ。 私は最近、高山に出かける際は必ずコチラの定休日を外している。 むしろコチラで食事が出来ないなら高山には行かない、というくらい。 特に冬はそうだ。 何故ならコチラでは私の大好きなジビエが思う存分楽しめるからだ。 シェフはジビエに造詣が深く、ありとあらゆるジビエ料理を提供してくれる。 あまりのメニューの種類の多さに毎回何を食べようかと頭を悩ませられるほどだ。 この時期に外せないメニューの1つに「鹿肉のタルタルステーキ」がある。 タルタルステーキはオールドレシピなら馬肉を使用するのだが、最近のフレンチレストランはこの美味しい料理を提供してくれるお店がなかなか見つからない。 あっても牛肉で代用したりするので、この野趣溢れる味にはたどり着けない。 この一皿でワインのボトルは軽く1本はイケるだろう。 さっそくこの料理からお願いした。 もう1つのお勧めは能登産のユイトルクリュ(生牡蠣)。 「これも頂こうかな」と申し出たが 「生憎残りが3ピースしかなくて…」とのこと。 「大丈夫。それ、全部下さい!」と、なった。 妻のリクエストで野菜や魚介の料理を一皿挟み、お待ちかねのメイン料理だ。 私は最近、お気に入りのワインを持ち込ませて頂いているのだが(勿論抜栓料などは必要)、今回はジビエ料理に合わせてスペインの気鋭の醸造家、テルモロドリゲスの100%ガルナッチャ「ペガソグラニート」を用意した。 そのマリアージュのお相手は仏産のピジョン(鳩)だ。 シェフに今日のお勧めのジビエは?  との問いかけに答えてくれたのがピジョンだった。 それにソースのサルミは シェフは私の好みを覚えていてくれたのだろうか…。 申し分無い組み合わせ(マリアージュ)に心が踊る。 力強いピジョンの肉質に濃厚なサルミのソース。 荒れ果てた畑をテルモロドリゲスの手により蘇えったガルナッチャが受け止める……。 まさに至福の時間だ。 また高山に来たくなる。 来ずにはいられなくなる。 そんな魅力を湛えた名店が「Le Midi」だ。 妻と春の高山を訪れる旅④ 誕生日が近い妻に「高山に行くよ」と伝え、「高山では何が食べたい?」と聞いたところ「ルミディ!」と二つ返事がかえってきた。 昨年の暮れに行ったばかりだが、相当印象が良かったのだろう。 もちろん私も大賛成だ。 さっそく予約をさせて頂いた。 もうジビエのシーズンは終わってしまったが、それでも「何か残っていますか?」と尋ねたところ、まだ何かしらの物はありますので来店時に聞いて下さい、との返答を頂いた。 当日、Moet の rose で乾杯してからメニューに目を通す。 相変わらず魅力的な食材、料理が並び、どれもこれも全部美味しそうだ。 そこにシェフも現れたので、この日のお勧めを聞かせてもらい、益々悩ましい……。 そこで妻と「自分がどうしても食べたい料理を1つ決めよう」となり、その結果が妻は前回食べた「海老とホタテのグリル、田舎風」私が「鹿肉のタルタルステーキ」。 「ナンやねん!前回と同じやないか~い!」となってしまった。 しかし前回は特別な事前予約が必要な「リエーブル ア ラ ロワイヤル」だったので、さすがにそれまで一緒は無理。 今回はシェフに「コルベール(青首の真鴨)はまだ有りますか?」と聞いたところ「大丈夫です!」と。 ヨシッ!今夜のメインはこれで決まり! 実は前回もコルベールが食べたかったのだが、シェフから電話をもらい「良い野ウサギを猟師さんが…」とのお勧めを頂いたのでリエーブルに変更したのだ。 私も妻も鴨は大好きだが、妻はコルベールのサルミソースは初めてになる。どんな料理が出てくるのか楽しみなようだ。 鹿肉のタルタルと海老とホタテのグリルは前回の書き込み同様美味しかった。野菜が春の物中心になっただけだ。 そしてコルベール。 真鴨は非常に大きいので、通常は1羽潰すなら3~4人で食べるのがちょうど良いのだが、私達の為にこの日は半羽にしてもらった。 運ばれてきたコルベールはさすがに美味しい。 良く咀嚼すればする程に旨味が溢れ出てくる。 胸肉のしっとり感、腿肉の力強さ。受けとめるサルミ…。 今夜も満足できる食事が出来た。 やはり高山に来たら、コチラは外せない……。 今回の旅行で最大の楽しみにしていたレストランを訪問。 高山ではトップクラスのフレンチ「Le MIDI」さんだ。 ジビエが大好きな私はこの時期を待っていた。 予約をする際にはコルベール(青首真鴨)が食べたいから、それを食べるには事前に伝えて欲しいという店側の案内があった。 ワインも持ち込みの物は抜栓料として1,500円を支払えばO.K.と言って頂き、「当日は楽しみにしております。シェフには宜しくお伝えください」と言って電話を切った。 すると翌日、お店から電話があった。 まさかコルベールが入荷できないのでは… と嫌な予感が一瞬頭をよぎったが、「シェフがコルベールよりもお勧めのジビエ料理がありますがいかがでしょうか?」との事。 思案しているとシェフが電話口に出て「リエーブル ア ラ ロワイヤル という料理をご存知ですか?」と。 聞けば日本のフレンチレストランではおそらく提供しているお店はめったにない、非常に貴重な料理で……というくだりから力説が始まり「どんな料理か知りたければGoogleで検索すれば解りますよ。それを見て食べたくなったら連絡してください」と結んだ。 早速検索してみて驚いた。これ程の料理なのか、と。 (諸兄も是非検索してみて欲しい) おそらくこの機会を逃してしまったら、次回はいつ食べることができるかわからない…。 迷うこと無くお店にコールバックだ。 さて当日。あらかじめ前日にお渡しして預かっていただいたマルゴーの「シャトー ジスクール の2002年」を開ける。 本来ならリエーブルの仕込みに使うバーガンディが理想だが、生憎自分のワインセラーにストックが無く、代わりに飲み頃を迎えたクラレットにしたのだ。 お店のギャルソンは若い女性ばかりで、とても良いサービスをしてくれるのだが、ワインのデキャンタージュにはちょっと自信が無さげで…。 「差し出がましいですが自分でやりましょうか?」と申し出た。 シェフにも少量お渡しして一緒にテイスティングしてもらい、「これでも若干若いぐらいだけど大丈夫」との判断。 料理とのマリアージュにもO.K.を出してもらった。 あぁ、良かった。一安心だ。 次にメインのリエーブルは妻とシェアするので、その他 の料理をアラカルトのメニューからチョイスする。 選んだのは「鹿肉のタルタルステーキ」「たっぷりの温野菜を添えた海老とホタテのポワレ」。これも二人でシェアすれば初老の私達夫婦には十分だろう。 店内の雰囲気はどちらかと言えばビストロのようで、お世辞にもゆったりとした…とは言えないが、それが不満にはならない。 少しずつワインをスワリングしながら料理を待っていると最初のタルタルが提供された。 これがいきなりの美味!本来タルタルステーキとは馬肉で作られるものだが、この鹿肉で作られるタルタルもとても良い。鹿肉に織り込まれた物も地産の栗などを使い、薬味もケッパーやルイユ等々十分満足できる。別に添えられたメルバトーストも食感に良いアクセントだ。 最近、このような本格的なタルタルステーキを提供してくれるお店が無く、コレだけでも嬉しくなった。 ジビエばかりでは、と間に挟んだ海老とホタテのポワレも素材の良さが実感できる。もちろん野菜達もとても美味しい。 さていよいよメインディッシュの リエーブル ア ラ ロワイヤルだ。 先ずはたっぷりの根セロリと人参のピューレが運ばれ、コレもソースと共に好みで使用してください、と。 サーブされたリエーブルの上にはかなりレアな火入れのフォアグラが添えてあった。 料理の内容については諸兄には検索してもらうとして、 味については確かに初めて食べる体験だ。 この「ジビエ料理の女王」とも評される料理を食べる機会を与えてくださったシェフには感謝しかない。 わざわざ「ジビエがお好きそうなので…」と電話してもらえなかったら、この感激を体験することは出来なかった。 最後には「シェフからのサービスです」と私の大好きなミルクのアイスクリームを頂いたので、私もグラスに2杯は摂れる量のジスクールを「皆さんの後学の為になるなら召し上がってください」とギャルソンの皆さんに言って残したら喜んでもらえたようだ。  このリエーブル以外の料理も十分満足できるし、お店の雰囲気もとても良い。再訪は確実だ。 深い満足感を得ることができ、今回の旅行の〆となり家路に就いた。

2023/01訪問

3回

レストラン フィオーレ

高松築港、高松、片原町(高松)/フレンチ

3.41

71

¥10,000~¥14,999

¥4,000~¥4,999

定休日
月曜日

夜の点数:4.2

結婚記念日で四国・高松に来た。 私達夫婦にとって一番大切な日だ。 ディナーはコチラのレストランを早くからお願いした。 H.P.で拝見した料理の内容、素晴らしいロケーションは私達の記念日を過ごすのに最適と思ったからだ。 事実、スタッフの皆さんはホテルマンとしての姿勢、知識、技術も素晴らしく、なるほど この地を代表するホテルだ。 この日の私は妙に気合いが入っていた(恥) ワインは持ち込みの物を楽しみたかったが、故に前日のうちからお店に預け、予めの抜栓時間まで指定させて頂いた。 そのワインはスペインの気鋭の醸造家・ピーター シサック氏の手による「プシー PSI 2018年」。 スペインのトップキュヴェ「ピングス」を手掛ける作り手によるワインだ。 これをいつ飲もうかと思案していたが、とうとうこの日に開けることにした。 氏のワインは まだまだこのプシーよりも素晴らしい物があるのだが、私にはピングスはあまりにも もったいないと思う。 自分たちの身の丈に合う物で、最上の物を楽しむのが良いのだ。 ホストテイスティングでは 予め早めに抜栓してもらったにもかかわらず、まだまだ十分に開ききっていない印象を受けるも ワインをデキャンタする程ではない。 ゆっくりと楽しめば、時間がたつにつれ大きな花を咲かせてくれることだろう。 それもまた愉しからずや、だ。 料理のサーヴが始まった。 アミューズは生ハムと胡桃のケークサレ。 ほんのりとした生ハムの塩気、ナッティな胡桃と相まったひとくちで食べられるカットだ。 本鮪のミキュイとみかん、春菊のジェノベーゼソース。 これが美味しかった! 近海で上がった本鮪のレア感に愛媛みかんの優しい酸味と甘味がベストマッチするうえに、ジェノベーゼソースに見立てた香川県産の春菊のほのかな苦味が相まって…。 素晴らしいテロワールだと思った。 鴨肉のローストと洋梨のバルサミコクリームソース。 ほどよくローストされた鴨胸肉をピンチョススタイルで。 洋梨の柔らかな甘味のジュースが絡み、クリームによって角の取れたバルサミコ酢のソースが味に膨らみを与えている。 蕪のブルーテ フォアグラ添え。 ここまでの料理の印象は とても柔らかな優しい味わいの料理だったが、シェフのお人柄だろうか、このスープもしかり。 添えてあるフォアグラもムース状になっているので そこを直接 口にしても、軽く混ぜ合わせても どちらでも楽しめる。 瀬戸内産鯛と海老、帆立貝のブイヤベース仕立て。 鯛は明石の物か。引き締まった身がとても美味しい。 魚介類の出汁も申し分なく 冬のこの時期に嬉しい料理だ。 グラニテはハイビスカスか。残念だが失念した。 オリーブ牛フィレ肉のポワレ ユリ根のピュ-レ トリュフ風味。 香川県がブランド牛として育てている、きめ細やかな肉質の柔らかさが美味しい牛肉だ。 これもまた優しい味わいのユリ根のピュ-レがソースとして添えてあり、香しいトリュフが華を添えている。 本当にシェフの料理はどれもが優しさに溢れた物になっている。 まだ蕾が膨らみかけていた状態だったワインも 時を経て花開いていた。 料理とのマリアージュも申し分ない。 次に アヴァンデセールかフロマージュのアソートかを選べるようなので、私はこの素晴らしいワインをもう少し楽しみたいのでフロマージュ、妻はアヴァンデセールを。 その妻が選んだものはモンブランクリームだ。 「うん。滑らかで美味しい。」と嬉しそう。 私のは量的に寂しく思ったが、アヴァンデセールの代わりなら仕方ないだろう。 そしてグランデセールが。 メインは私の選んだ苺のミルフィーユよりも 妻が選んだフルーツのフランベの方だろう。 今回は洋梨だそうだ。 先ずはうやむやしくフランベワゴンが登場する。 美しく磨かれた銅製のフライパンにバターとシュガーを入れ、キャラメルを作る。 立ち昇るバターの香りとキャラメルの香りが鼻腔をくすぐる。 その中に皮を剥いた洋梨を入れ、ソテーする。 ほどよく火が通ったところで最初のセレモニーが。 コニャック(ラムかも…)を銅製のフライパンに注ぐと、炎が一気に舞い上がる。 その爆発力にゲストが圧倒されるのだ。 そしてしばらく加熱するとメインのセレモニーに。 コアントローを銅製の柄の長い柄杓に入れて、その柄杓ごと火にかける。 加熱され、火がついたコアントローをゆっくりと、そして高い位置から注ぎ落とす。 加熱されたアルコールの青い炎が揺れ落ちる……。 美しい……。 その美しさにゲストは暫し魅了されるのだ。 最後にお皿に盛り付けられた洋梨にヴァニラアイスを添えたら完成だ。 クラシカルな手法で仕上げ、手間もかかるので今ではあまり見られなくなったデザートだが、この演出は照明を落としたディナーだからこそ映えるのだ。 私の苺のミルフィーユも 味そのものなら負けていない。 ピスタチオのグラスにはクリスマスを意識できるプレートが添えられてあった。 最後のコーヒーとプティフールを頂きながら、満ち足りた今日この1日になったことを夫婦共に嬉しく思った。 皆さん、わがまま言いましたね。申し分ございませんでした。 レストランやバーの皆さんに感謝の言葉を伝え、お店を後にした。

2023/12訪問

1回

シャトー

北鉄金沢、金沢/フレンチ

3.51

36

¥6,000~¥7,999

¥1,000~¥1,999

定休日
火曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:4.2

金沢に遊びに向かった。 二十四節気の「冬至」を解禁日とする、金沢で この時期にしか食べることの出来ない「香箱蟹」を食べに来たのだ。 しかし…… 私を嘲笑うかのような神様の悪戯か、なんと海がシケで荒れてしまい、蟹漁に向かう船団が出られない。 入荷予定日は ちょうど私が帰る日になってしまった。 これではわざわざ金沢まで来た意味が半減してしまう……。 しかし! 「捨てる神あらば拾う神あり!」の格言通り、素晴らしい出会いが待っていた。 それがコチラ「シャトー」さんだ。 海鮮を食べさせてくれるお店を諦めた以上、他を探さねばとの成り行きからコチラを選んだのだ。 お店の場所は少々わかり辛かった。 金沢エムザというビルの裏手にある、とはいえ目印にするフランス国旗が見つからない。 住所を調べると、ビルの1Fにあるようだ。 そのビルはすぐに見つかったが、フランス国旗は見当たらない。 恐る恐るビルの扉を開けてみる。 ずっと奥に目を凝らすと「ん?」コレかなぁ?…… 近寄ってみて初めてここが「シャトー」さんだと解った。 すると偶然のタイミングで扉を開けてオーナーが出てきた。 「貴方が予約の○○さん? あぁ、そう。どうぞ入って」 店内へと招かれると、カウンター席のみでテーブル席は無く、なんとなくだが内装の雰囲気といい、ビル自体の雰囲気といい、以前は喫茶店だったのでは…と思わせる。 そして その昭和の香りが残るお店には、その雰囲気にドンピシャのシェフとオーナーソムリエが。 顧客と思われる女性客も 皆さん同年代の方々。 そしてメニューまでもが、クラシカルな料理を並べている。 なんだか映画のロケのような感じがしてきた。 そのメニュー。 ランチメニューもあるようだが、私はあえてそんなお店の雰囲気に合わせてみたくなり、アラカルトで注文することに。 クラシカルな料理として選んだのは、先ずは前菜として「エスカルゴ」と「オニオングラタンスープ」だ。 それと共に赤ワインをグラスでお願いした。 そのグラスワイン。 なかなかの量がありそうだ。200ml.程は入ってるかな? たっぷりと飲み応えがあるだろう。 先ずはオニオングラタンスープから。 パンの断面の面積からあまり沢山のチーズが乗せられないことは少々残念だったが、それを補って余りあるオニオンスープの美味しいこと! 丁寧にソテーされた大量のオニオンがスープを吸い込み、大袈裟に言えばスープとしての液体部分は ほぼ無いに等しい。 その熱々のオニオンスープの中に、先に配られたバケットを食べやすいサイズにちぎって投入し、それを浸して食べれば立派な前菜替わりになりワインも進む。 熱々といえばもう一品。エスカルゴだ。 私の嗜好の問題かもしれないが、コチラのブルギニオンバターは ややパセリが勝り、ガーリックが少なく感じたが、それでもエスカルゴココットにはマッシュルームも加え、これまたバケットに染み込ませばワインはもう止まらなくなってしまう。 最後に鴨のコンフィがサーヴされた。 欧州では鳥インフルエンザが猛威をふるい、入手することが難しい昨今でも仏産の鴨を使用しているという。 カリッと焼き上げられた鴨のもも肉の横にはにはディジョンマスタードが。 「これをたっぷりと付けて」とオーナー。 「ソースもいいが、むしろコレの方が美味しいよ」と。 見事なサイズの鴨もも肉。味わいも申し分ない。 ジャガイモ、グリーンアスパラ、牛蒡などのガロニチュールと合わさって もうお腹ははちきれそうだ。 すると私の隣の席のご婦人が少しの笑みを湛えながら 「いい顔をしていますね」 と声をかけてくれた。 よほど美味しそうに食べていたからだろうか、コチラのお店のご常連と思われるご婦人からのご指摘に 少し恥ずかしくなりながら、それがきっかけとなり 私とご婦人に加え、お店がノーゲストになったのでオーナーとシェフも話の輪の中に。 私もご婦人も共に食事は終えてはいたが、二人共にワインは残っていたので、それから後は皆さんで楽しい語らいの時間となった。 人と人との繋がり、料理、ワイン、仕事…… いろんな事が話題になり、「やはりコチラは本当の意味でのビストロなんだ…」と改めて思った。 袖すり合った見知らぬ人達でも お店に一歩足を踏み入れたら、それからは楽しく語らい、美味しく食べ、大いに飲み…… ビルの奥まったわかり辛い場所でも まだまだこんな素敵なお店がある。 金沢の懐の深さを また改めて知ることができた。 オーナー、シェフ、○○さん。 本当に楽しかったです。ありがとうございました。

2023/11訪問

1回

Grand Bleu Gamin

フレンチ WEST 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ WEST 百名店 2023 選出店

Grand Bleu Gamin

宮古島市/フレンチ、オーベルジュ、バー

3.77

169

¥15,000~¥19,999

¥3,000~¥3,999

定休日
-

昼の点数:4.2

宮古島での勤務の休日。 島まで来てくれている妻と一緒にドライブに出かけた。 勤務先からカーシェアの車を走らせること約40分。 コチラのお店に到着した。 コチラは本来はリゾートホテルの中にあるダイニングで、基本的には宿泊者の為に営業しているようだが、席が空いていればビジターでも受け入れてくださるようだ。 予約をした時間よりも10分程早く到着した私達。 入り口辺りで写真を撮るなりしていたら、お店(ホテル?)のスタッフが出てきてくれて  「食事のご予約のお客様ですか?暑いのでよろしければ中でお待ちください」 と声をかけてくれた。 それでは、と中に進むと洒落たインテリアのウェイティングスペースが。 ホテルオリジナルのグッズの販売もしているこの場所で、 「ランチのお席の準備が出来ますまでコチラでお待ち下さい」と。 メニューもお持ちします、と言われたので妻と拝見することに。 最初は二人共に同じコースを…と思っていたが、メニューを見て気が変わった。 追加メニューにお店のスペシャリティが紹介されていて、それが食べたくなったのだ。 結局私はパスタとメイン、妻はメインに追加のスペシャリティ、という組み合わせにした。 それを仲良くシェアすることに。 ドリンクはこの日のハンドルキーパーは私だったので、サンペレグリノのボトルを これも二人でシェアだ。 前菜が。 私にはお店のもう1つのスペシャリティ「とうもろこしのムース」と「島野菜のシーザーサラダ」が。 このムースの上には非常に良質なムラサキウニが添えてあり、これ等を併せて口に運べば なるほど、もう1つのスペシャリティと自慢するだけのことはある。 雲丹が大好きな妻は大絶賛で 「私、コチラの方がいい。交換して。」と。 妻の方にサーブされた料理も美味しく、私はむしろコチラの方が良いくらい。 これまた良質な帆立貝を使用したセビーチェだ。 セビーチェ、シェフはペルー料理にも精通しているのか…。 とても美味しい、昔 南青山のペルー料理店で食べた感動が甦ってきた。 私達がメニューを決めてからの後、けたたましくボウルを打つ音が響きわたっていたが、それが次の料理に。 先記した追加のスペシャリティだ。 メレンゲを沢山泡立てる際、白トリュフのオイルを一緒に馴染ませ香りを載せる。 それを鉄板で丁寧に焼き上げる。 ふわふわの、かなり大きなサイズに見えるが、シェフが 「かなり大きいと思われるでしょうが、口当たりが軽いので以外とペロッと食べてしまえるんですよ。」と。 焼き上がったメレンゲには更にサマートリュフと蜂蜜を。 最初から2つに分けてお皿に盛りつけて頂いた。 なるほど、ナイフはいらないかもしれないと思うほどの軽い食感。 2つのトリュフの香りが官能的だ。 甘やかな蜂蜜が「さぁ、もっと……」と誘惑の手を差し伸べてくる……。 気が付くと、お皿には何も残っていない。 まるでデジャブのように……。 その目を覚まさせる一品が。 焼き茄子と島ゴーヤのアラビアータだ。 手打ちのパスタは歯触り、舌触りが素晴らしく、トマトのソースはアラビアータなのだが、島唐辛子のナイフのような鋭い辛味は押さえられ、限りなく優しい味わいだ。 メイン料理がサーブされる。 本日の魚料理、として紹介されたのはブイヤベース。 近海で上がった真鯛とセーイカがメインだが、それ以外の魚介類の出汁が豊かな味と香りをもたらしている。 別に添えられたルイユも良いアクセントだ。 パンも美味しく食べられる。 もう1つのメインは厚切り牛タンのカツレツだ。 先に煮炊きされて柔らかく、味も含まれた牛タンをカツレツにして、自家製マヨネーズをソースに ピクルスアッシェがアクセントだ。 ブイヨンで柔らかく仕上げられた牛タン。 カツレツにすることで新しい魅力を引き出してくれた。 デザートには妻の方だけエキストラチャージの支払いでグレードアップした「マンゴーパフェ」を。 私は抹茶のガトーに波照間産の黒糖のグラスが添えられた物を。 お茶はエスプレッソをダブルで所望した。 料理の美味しさは勿論、シェフとの楽しいお話が更に美味しさを引き立てる。 フロアのサービススタッフの皆さんもとても笑顔の良い、ホスピタリティー溢れる人達だ。 とても気持ちの良い休日となった。 皆さん、ありがとうございました。ご馳走さまです。 次回はディナーで利用したいなぁ……。

2023/08訪問

1回

ギリガンズ アイランド

フレンチ EAST 百名店 2021 選出店

食べログ フレンチ EAST 百名店 2021 選出店

ギリガンズ アイランド

豊浦/フレンチ

3.56

146

¥10,000~¥14,999

¥3,000~¥3,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:4.2

約束の地「ザ ウィンザーホテル洞爺」に来た。 「約束の地」というのは、実は昨年に訪問するべく宿泊の予約をして受け入れて頂き、航空券も取得していた。 それがコロナ禍が原因で当ホテルは突然休館することになる。 なにより妻がとても楽しみにしていたのだ。  彼女の失望はたいへんなものだった。 せっかく楽しみにしていた旅が無くなってしまったことへのお詫びの連絡をホテルから電話やメールで頂いたのだが、私達は一旦引き受けた予約が一方的に破棄されたことに当初は相当な怒りを覚えたが、その時のホテル側の対応、カスタマーへのホスピタリティーにとても感激したのだ。 そして結びに「コロナ禍が明けて通常通りに戻ることができたら必ず伺います!」とホテルと「約束」したのだ。 今回の旅のメインイベントはその約束を果たすことだったが、それが成し遂げられた訳だ。 ディナーは勿論コチラ「ギリガンズアイランド」で。 一応、他のレストランも考慮したが、まだまだコロナ禍の影響が残っているので営業していないレストラン、施設もたくさんあったので…。 とても楽しみにしていたディナーなので、せっかちな私はレストランまで出向き、ビヴァレージのリストを見せてもらいに行った。 もしかして好みに合わないリストなら、あらかじめ新千歳空港で購入した北海道は余市の「平川ワイナリー」のワインを持ち込むことも考えていたが、豊富な内容からそれも止め、お店のワインをお願いすることにした。 (ちなみにワインの持ち込みは引き受けてはくれるが、もちろん抜栓料を支払う必要がある) 予約した時間に妻と共に伺った。 当初案内されたテーブルは、すぐ近くに小さな子供がいる家族連れがいたが、その子の鳴き声が耳につく。 泣き叫ぶ声を聴きながらの食事はフレンチレストランにおいて正餐を頂くにはあまりにも耐えられず、隅でも良いので席を変更出来ないか、とリクエストした。 話は逸れるが 私は申し訳ないが小さな子供がいる人は こうしたレストランを利用するべきではないと考える。 そもそもそういった親御さんは、子供が静かにおとなしくしていなければいけないレストランで、約2時間の間 楽しく過ごせると思っているだろうか? 私はこういった場所で食事をする家族連れの子供が食事中にスマホのゲームをして、食事に全く集中していない光景を何度か見ている。 小さな子供が椅子やソファーの上で靴を履いたまま立ち上がっても注意もしない。 そうしたことは親御さんだけではなく、おじいさん、おばあさんも同様だ。 なかでも私が一番呆れて驚いた光景は、ドレスコードがあるレストランの入り口で、ショートパンツ姿の大学生くらいの孫を連れて来てしまったおばあさんが利用を断られて 「どうして? どうしてこれくらいがダメなの?!せっかく連れてきたのに これくらいいいじゃない!!」と 烈火のごとくスタッフを怒鳴り付け 怒っている姿を見たこともある……。 こうしたご家族の親御さん達は、子供の為、子供との思い出作りの為、という理屈を盾に子供ではなく自分たちが楽しみたいから来店しているのではなかろうか? 「そうではない」とおっしゃるならば、せめて他人も席を同じくする店内ではマナーを守り、迷惑となる行為は遠慮して頂きたい。 その子供たちの成長を楽しみにすれば、いずれこうしたレストランで食事を楽しむことが出来る日がくるだろう。 話が大きく脱線する私の悪い癖はここまで。 レストランの話に戻そう。 その高いホスピタリティーは私達の要望を受け入れてくれて、一番隅の、とはいえやはり子供の声は届いてしまう事を申し訳なさそうに言ってもらいながら席を変更してくれた。 あらためて最初にサーブされたスパークリングワインを頂きながら、この日のメニューに目を落とす。 内容としては満足だが、若干品数が足りないかな…。 追加で蝦夷アワビの料理もシェア出来るようお願いした。 3種類のアミューズを楽しみながら、料理に合うワインをセレクトする。 貝類が続くので、リストの中からソーヴィニヨンブランを選んだ。 その貝類の最初の料理が噴火湾産のホタテ貝。 北海道のホタテ貝は総じて美味しいのだが、この噴火湾産のホタテ貝は頭1つ抜けている。 大粒の、肉厚な貝柱は食べ応えがあり、レア気味に仕上げられているので甘味も充分だ。 続く貝類の二品目は妻とシェアするつもりの蝦夷アワビ。 アメリケーヌのエスプーマがソースとして添えられ、アワビの下には そのジュで作られたリゾットが敷いてある。 とても美味しかったので、シェアするのではなく1人一皿にすれば良かった……。 ポワソンは道産の真鱈のグリル。 今、まさに旬の鱈は大きめにカットされ、その焼き上げられた鱈にはシンプルなブールブランにトマトやハーブを加えたソースとナスキャビアが添えられている。 間違いの無い美味しさだ。 赤ワインに移る。 セパージュにシラーが含まれている物を選んだのは、鴨を意識してのセレクト。 その楽しみにしていた鴨料理。 北海道は滝川町で飼育されている「ホワイトチェリーバレー種」の鴨は有名で、とても良い肉質が知られている。 他のフレンチレストランのメニューでもよく見かける鴨だ。 その鴨料理。期待通りの美味しさは感動的だ。 フランボワーズのソースが添えられているが、やはりこのような獣肉にゲームのソースはよく合う。 そしてスパイシーなシラーのワインとの相性は抜群だ。 この幸福感にもうしばらく浸っていたい。 これまた道産の物ばかりのチーズのアソートも追加だ。 そのチーズだが、ワインにも同様の感動を得たが、日本の農家さんの努力は素晴らしい! 気候、風土が違う。土が、水が違う。 あらゆる条件が違う環境でありながら、これらチーズやワインの美味しさはどうだ! いつもながらここまでのクオリティまで向上させた知恵と努力には感動を禁じ得ない。 ワインももちろん追加だ。 最初は道産の物を…とも考えたが、それよりはギャルソンのお勧めを聞いてみたい。 そのセレクトしてもらったワインをお願いした。 ピノ・ノワールはあまり飲み慣れないが、たまにはいいものだ。 アソートのデセールは北海道らしくメレンゲが白樺をイメージさせるスイーツを、栗のグラスと共に。 ダブルのエスプレッソと可愛らしいレモンのマカロンがミニャルディーズでフィニッシュだ。 いやぁ、素晴らしい料理とサービスだった。 1年前にした約束を果たすべく来館したが、やはり来て良かった。 特にホスピタリティー溢れるギャルソンの素敵な笑顔によるサービスは「また来たい……」と思わせるものだ。 ありがとう。 またいつか必ず皆さんの笑顔に会いに戻ってくるよ……。

2023/03訪問

1回

ラチュレ

2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

フレンチ TOKYO 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ TOKYO 百名店 2023 選出店

ラチュレ

表参道、渋谷、明治神宮前/フレンチ

4.21

1650

¥10,000~¥14,999

¥6,000~¥7,999

定休日
-

夜の点数:4.2

末娘の全国大会出場の応援の為に東京に来た。 翌日の午前中が出演する順番になるので田舎者の私は前泊することに。 奇しくもその日は私の誕生日でもある。 末娘からは「最高の誕生日プレゼントにするからね!」と。 妻がそんな私の誕生日祝いをしてくれることになり、「お店はお任せするから行きたいお店を予約しておいてね」と言ってくれるた。 さて、それでは……と食べログを開き、渋谷や宿泊先の二子玉川辺りのお店でどこか美味しそうなお店は…と思案していたところ、偶然にもコチラのお店のページでキャンセルが出たので予約することができます、との文言を発見して、即予約を入れた次第。 なんというラッキー! 普段はなかなか予約が出来ないと聞いていたが、ジビエ好きを自認する私としては、機会があればいつかは…と思っていたお店だ。 人混みが苦手な私達は渋谷駅を過ぎて表参道駅で下車し、土地勘の無いのでそこからタクシーを利用した。 お店はテナントビルの一番下のフロアにあり、ゆっくりと扉を開くとイメージしていたよりもこじんまりして、なおかつ活気があるので一瞬ビストロのようなお店かと錯覚してしまった。 店内は満席で、人気の高さがうかがえる。 なるほど、予約困難な訳だ。 予めお願いしておいたディナーメニューだが、メインの肉料理の素材は数種類の中から当日に好みを決めてもらうようだ。 シェフの語る素材は全て美味しそうで、どれも魅力的だったが、やはり真夏という本来ならジビエを楽しむにはジーンズオフのなか、「夏でも美味しい蝦夷鹿を私が山に入り仕留めて来ました!」と熱く語って頂いた、それを今夜はメインにしよう。 先ずはアミューズから。 コチラのスペシャリティ「ブータンノアールのマカロン」だ。 ユニークなウェルカムボードの更に上に、獣の皮革が入っているボックスの上に乗せてサーブされる。 素材である猪や鹿のイメージが解りやすく伝わると共に、私達は今からこの生き物の命を頂くのだ、感謝しなければ…… という気持ちが自然と湧いてくる。 コレを含めたアミューズを三品頂いたところで、最初のソーヴィニョンブランが無くなってしまった。 しかし次にお願いしておいたジンファンデルには早すぎる。 そこで次の料理がパテアンクルートと聞いたので、間にはクローズエルミタージュを挟んだ。 パテアンクルートはほとんどがジビエの肉とフォアグラで出来た濃厚な味わいの物。 さほど大きなサイズでは無いのがちょうど良い。 これ以上の大きさは次のポアソンまでの間にグラニテか何かを挟まないと引きずってしまうだろう。 そのポアソン。この日は天然鮎だった。 やはりこれ程繊細な味の魚を使用するならなおのことだろう。 先ずはドーム型に焼き上げたパイ包み焼きを客席にプレゼンテーションしてくれる。 それを下げた後、提供されたのは見た目も美しい、幾重にも重ねられた鮎とそのムースリーヌがパイ生地に閉じ込められてある。 ソースにはオーソドックスなブールブランに鮎のフォンを加えたもの。この軽さが繊細な鮎とマリアージュしている。 メインの鹿肉は言うに及ばず。シェフの気合いが伝わる一品だ。 ローストはベストのタイミング。見事なロゼが美しい。 溢れんばかりのジュをギリギリの間合いで残している。 そこにグロゼイユ(赤いすぐりの実)のソースだ。 ワインはジンファンデルにして良かった。 デセールも可愛らしいメロンのもの。 コービー好きな私達夫婦だが、これには紅茶かな。 ミニャルディーズの小さなフィナンシェまでもがとても美味しかった。 なかなか予約が出来ないお店で食事が出来た幸運と、それを誕生日のお祝いとしてくれた妻に感謝した。 ありがとうね。いつまでもこうして仲良く歳を重ねていこうね。

2022/08訪問

1回

Le Beurre Noisette NAGOYA

名古屋、名鉄名古屋、近鉄名古屋/フレンチ、ビストロ、レストラン

3.43

86

¥8,000~¥9,999

¥4,000~¥4,999

定休日
-

夜の点数:4.3

昼の点数:4.0

日間賀島への旅の帰路に寄り道をして、同じ知多半島の常滑市で開催される「常滑やきもの祭り」を楽しもうと思った。 古くからの焼き物の産地として栄えた常滑市。 そこでは今でも陶芸作家さんが多数いらっしゃり、作陶に取り組んでいる。 その焼き物の街では年に一度の「やきもの祭り」が開催され、その初日の夜には花火大会も催される。 暑かった今年の夏の終わりを告げる花火は、華やかなれど どこか儚いものがあった…。 その花火大会を観賞後 名鉄電車で名古屋駅に向かい、ちょっと遅い時間のディナーをコチラで頂くことにしていた。 前回(といっても1ヶ月も開けていない)、コチラで食事を頂いた際、「次回は妻を連れてディナーで……」と約束した。 その約束を果たしに来たかった。 お店は私の事を気に留めて頂いていたようで、食事を始める前にはシェフがテーブルまでご挨拶に来てくださった。 今回は予約した段階で、前回頂いた料理が同じになってしまうようなので、少し無理を聞いて頂いた。 メインの鴨肉を使った料理だが、何か他の料理法に変えては頂けないものか、と。 それを快諾してくださったシェフに感謝申し上げ、ディナーは始まった。 先ずはアミューズだ。 定番のマリアージュである生ハムといちじくだ。 皮ごと食べられるいちじくと、繊細な肉質の生ハムは軽い食前のお楽しみとしてはうってつけだ。 アントレには牛タンが。 一度柔らかく蒸し上げた牛タンをカルパッチョに仕立て、マリネしたジロール茸と そのジュを用いたヴィネグレットのソースで頂く。 牛タンをこのように食べるのは久しぶりだが、牛タンという食材をより楽しむのにはこのような提供の仕方も面白いと思う。 美味しい料理にワインも進む。 次なるワインはデキャンタでピノノワールをお願いした。 次の料理のポワソンもブールノアゼットのソースなら これくらい軽めの赤でもいいだろう。 そのポワソン。 塩漬け鱈のムニエルと 前回も追加したオマールテールがサーヴされた。 これが美味しかった! 前回はポワソンの時にちょっとしたアクシデントがあったが、そんなことを忘れてしまうような美味しさだ。 ソースも鱈にもオマールにも どちらにも合う。 単なる嗜好によるだけの差なら 今回のポワソンの方が好きだ。 そしてヴィアンド。 シェフは私達の為に… なのだろうか、近江の鴨を用意してくれたようだ。 絶妙なタイミングの火加減が鴨の肉の旨味を逃がさない。 見事なブルーに焼かれた鴨肉のソースには、バルサミコに黒糖を混じえた濃厚なもの。 深い味わいはこの料理にピッタリだ。 これに中国料理ではよく使用されるウーシャンフン(五香粉) がアクセントになり、エキゾチックさを演出している。 すっかり満足した私達だが、私のワインがまだ残っている。 妻はデザートを好きな物を選んだが、私はデザート代わりにフロマージュのアソートをお願いした。 フランス産のフロマージュが中心のアソートは5種類が用意され、満足度も高い。 妻のデザートも私は前回で頂いており、美味しさは承知していた。 いやいや、今回もとても美味しかった。 シェフ、メートル、ギャルソンの皆さん、ありがとうございます。 また楽しいひとときを過ごしたいと思った時に伺いますね。 話題作の映画の封切り初日。 名古屋駅のシネコンに向かった。 13時45分からの上映時間にリザーブしたので、その前に 散髪を済ませてからランチを…と思い、初めて伺ったのが コチラだ。 名古屋駅の真上に位置する高層ビル。 その12F.13Fは「タワーズプラザ」というレストラン街になっている。 駅からもシネコンからも共に近いので、コチラは非常に利便性が良かったからだ。 フレンチレストランにランチで男性ひとり…というシーンに私は抵抗が無い。 この日も散髪をする為に妻は連れてはこなかった。 予約の段階でメニューは決めてあったが、フルコースをチョイスしていたので、来店は開店直後ながら退店時間が気になった。 ギャルソンに「13時30分には出たいんだけど大丈夫?」と確認したら「かしこまりました」の返事が。 映画の時間から13時30分はギリギリの時間になる。 フルコース8品を15分のピッチで提供してもらわないと間に合わない計算だ。 「多少、料理が被っても良いので…」と念押しもさせてもらい、食事は始まった。 先ずは白ワインだ。 グラスの物は3種類あったが、私の好きなソーヴィニヨンブランとセミヨンのクラレットがある。 これにしよう。 アミューズが運ばれて来た。 カボチャのエスプーマをアールグレイのジュレと共に頂く。 軽やかなスターターだ。 最初のアントレは野菜のテリーヌ。 12種類の野菜達をテリーヌ型に詰め、3種類のヴィネグレットのソースが添えてある。 これもまた軽やかで、見た目も華やかだ。 ソースもそれぞれが個性的で、どれも美味しい。 次のアントレはお店のスペシャリティが。 「鶏胸肉と鰻、フォアグラのプレッセ」だ。 写真では鶏肉の専有面積が大きいように見えるが、実はこのバランスがちょうど良いのだ。 口にすると、お互いが邪魔をする訳でもなく、逆に引き立てあっている。 ちょうど真ん中からナイフを入れて食べると、その良さがわかる。 加えて横に添えてあるイチヂクと洋ナシのチャツネやクミンパウダーも良いアクセントになる。 ……と、ここまでは良かった。 次の料理がなかなか提供されない。 時間を気にしながらの食事だったのでハッキリと覚えているが、前に食べた料理を下げてから20分弱が経過したが、まだ出てこない。 料理と料理の間がそれだけ開くと お一人様には少々辛い。 話相手もいないのに、この長い待ち時間はかなり間延びするように感じるものだ。 痺れを切らしてギャルソンに「まだですか?」と尋ねたが「もうすぐ出来ますので…」と。 確かに その3分後に料理は出てきたが、注文した内容とは違うものが……。 メニューのポワソンに「追加でオマール海老の…」としてあるが、私はそれもお願いしたのに肝心のオマール海老が皿の上に無い。 そのことを先ほどのギャルソンに伝えると、確認の為に一旦下がったが、慌てて「大変申し訳ありません!すぐに作り直します!」と。 私は「もう それでいいです。時間が無いので そのままで……。」 すると後に「もしよろしければ別皿でご用意させて頂きますが…」との申し出があった。 「何でもいいですから出して下さい。後の料理も被って(重なって)しまってもいいから どんどん出して下さい!」 この時点で12時30分。 今、ポワソンが提供されたばかりなのに この後オマール海老、肉料理が二皿、デザートも二皿……。 それだけを1時間で食べななければならないのは かなりタイトだ。 せめて「このコースは2時間では難しいかと思います。」と言ってくれたら他のコース料理にしたのに…… という思いが膨らみながら食べ進んだ。 すると肉料理の二皿目が提供された後にギャルソンが 「もしよろしければ お詫びと言ってはなんですが…」と ワインの好きな私を気遣いサービスの赤ワインを注いでくれた。 仕方がないことだが、肉料理を食べている最中にデザートがサーヴされて、それを食べている最中にグランデセールも。 デセールに合わせてミルクティーをお願いしたが、こんなに急いでフレンチを食べたのは最近では記憶に無いことだ。 厨房の頑張りとギャルソン達の頑張りでなんとか13時30分までに完食できた。 テーブルで会計を済ませ店を出る時に、見送ってくれたスタッフに私の注文を間違えてしまった若い男性のスタッフがいて、少し気まずそうな感じが見てとれたので、 「大丈夫だがら! これからも頑張りなさいね!」と 声をかけておいた。 男性のスタッフはそれでようやくニコリと笑顔を取り戻してくれたようだ。 若いうちは誰にでも失敗はある。 その失敗に対して反省をして真摯に取り組む姿勢、それを支えるベテランのスタッフ達……。 良いチームワークが取れているお店だ。 「もう大丈夫ですよ。お気遣なく。お料理も美味しかったし、次は妻も連れて伺いますからね」 そう約束して店を後にした。 そう。今度こそはGood Service で、ね!

2023/10訪問

2回

ラ・メール ザ クラシック

フレンチ WEST 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ WEST 百名店 2023 選出店

ラ・メール ザ クラシック

賢島/フレンチ

3.91

364

¥30,000~¥39,999

¥15,000~¥19,999

定休日
-

昼の点数:4.1

結婚記念日の旅行で三重県の伊勢志摩観光ホテル ザ ベイスイートに宿泊している。 二泊しているのだから朝食はザ クラシックのメインダイニング「ラ メール クラシック」を訪れてみた。 ベイスイートの宿泊者は朝食会場はどちらのホテルでも好きなレストランで頂くことができるので、せっかくだから あの山崎豊子の小説「華麗なる一族」の映画の撮影舞台となったホテルのメインダイニングで食事がしたかったのだ。 それにベイスイートでは朝食は和食は和食のレストラン、洋食は洋食のレストランで頂くのだが、ザ クラシックでは和食と洋食共に同じレストランで頂くことができる。 この日の朝は、本来 朝食は和食党の私と パンが好きな妻が同じレストランを利用することができるので、その利便性もあってコチラを選んだ。 翌朝の朝食は、私も洋食を頂くつもりなので、今回のレビューは和食にスポットを当ててみた。 先ずはレストランの入り口を抜けると 出迎えてくれるのは 大きな円形のダイニングテーブル。 このホテルが舞台となった「伊勢志摩サミット」のワーキングランチや様々な会合、ディナーでの会場であったことを誇らしくアピールしている。 席へとアテンドしてもらうと、広い店内の中でも人気の窓際のテーブルに案内して頂いた。 朝日に輝く英虞湾が眼下に広がる席で頂く朝食は、正にコチラが日本でも有数のリゾートホテルであることを実感できる。 和食にも洋食と同じ各種ジュースが選べるようで、私も妻と同じ自家菜園の野菜ジュースを選んだ。 料理は二段に重ねられた重箱を中心に お膳で運ばれてきた。 重箱を広げてもらうと 中には様々な料理の他に、各種フルーツにヨーグルトが添えられた物も。 食事は白粥を選んだが、それには地物の あおさ海苔を中心にした海の七草を乾燥、粉末にした物が添えてあり、先ずは それを白粥に投入して混ぜ合わせ、もう一度蓋をして しばらく蒸らし、その後 茶碗によそい、更に別に添えられた鰹節の餡をかけて頂くのだ。 その他の料理も、これが洋食の雰囲気のレストランの中で頂く和朝食とは思えないクオリティ。 京都のホテル内にある和食のお店で頂く物とも ひけをとらない。 出汁をよく含ませた 炊き合わせ。ブッフェ等とは違う、作りたて、焼きたての だし巻きや地物の魚(この日は鰆)。 その他の料理も全て美味しい。さすがは一流のリゾートホテルだ。 前夜の食事が影響して夜中に胃もたれで苦しんだ私の体調にもとても優しい内容で、全て食べられることができた。 翌朝はベイスイートで頂くつもりだが、一度訪れてみて本当に良かったと思えた。

2022/12訪問

1回

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