ガレットブルトンヌさんのマイ★ベストレストラン 2016

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1位

美山荘 (京都市左京区その他 / 日本料理)

6回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥30,000~¥39,999

2023/04訪問 2023/04/08

春を待つ、摘み草料理

数年ぶりでお邪魔しました。

京都から車で1時間半ほど。

深い山の中にある、旅籠兼日本料理のお店です。


京都市中は、桜が満開でしたが、

こちらへ来る道すがら、みごとな野生のつつじの

群生は見られたものの、

まだこちらでは、桜の蕾がかたいまま。


お座敷からは、真下に流れる川のせせらぎと、

鳥の声だけが聞こえ、

テラスに出ると、瞑想でもしたいような

心地よい微風を感じます。


この日も、大将と女将が、久々の再会を

喜んでくれました。

では、初春の献立、内容です。

1,あけび茶

2,一献
  竹野酒造 八栄鶴

3,先付
  手つきの籠に。
  ・蕗の薹白和え
  ・こごみのくるみ味噌和え
  ・猪の燻製
  ・栃餅の衣で揚げたこんにゃく
  ・うるいに包んだ独活の梅肉和え
  ・蕨の海苔巻き
  ・川海老
  ・山吹の煮凝り

   ここまでは、栗の木の箸でいただきます。

   山菜ひとつひとつに、丁寧な仕事がしてあり、
   感心します。

4,鯉のお造り
  大悲山の、きれいな水で育った鯉です。
  くさみが一切なく、鯉の概念が変わります。
  揚げた皮
  菜の花の酢味噌和えと。
 
  菜種油と塩で。

5,白味噌椀
  よもぎ豆腐入り

6,山菜の天ぷら
  これが摘み草料理のひとつ。

  ・すじ海老とこごみのかき揚げ
  ・つつじ
  ・行者にんにく
  ・タラの芽
  ・のびる
  ・酸葉

   これを、土塩でいただきます。
   山菜が育った「土」というわけです。

7,筍
  へしこ
  花山椒
  揚げた姫皮をまぶして。

8,猪
  杉板の上に、春キャベツ。
  その中に、猪と焼いた蕗の薹、
  焦がし醤油。
  杉の香りが映っています。

9,蒸し寿司
  ひうお
  鱒の卵
  つくし
  錦糸玉子

10、煮物椀
  朱のお椀の蓋をとると、
  中には、鮮やかな緑の汁が。
  うすいえんどう豆の翡翠仕立てです。
  ぐじ、胡麻豆腐、
  独活の千切りと。

11、あまごの炭火焼
  蕗の薹の天ぷら
  蕗味噌

  石を焼き、その上に、蕗味噌と、
  煮切酒。

  すばらしいプレゼンテーションです。

12、炊き合わせ
  餅巾着
  椎茸
  蚕豆
  蕪餡で。

13、ご飯
  芹と鴨の炊き込みご飯
  香の物

14、水物
  酒粕とミルクのアイスクリーム
  日向夏のメレンゲ
  いちご

15、焼いたよもぎ餅
 
16、お薄

お供は、
・能登 宗玄 純米酒


毎回思いますが、

こちらでしか味わうことができない

唯一無二のお料理です。

美しい大地、美しい水、澄んだ空気の

恵みを感じます。

また、すぐお邪魔したいほどです。


  
日本料理は、四季を映し、皿の中に四季を表現するのが、

特徴的ともいえます。

こちらは、四季が表現された料理を楽しむだけでなく、

すぐそこに、その四季を感じることができる、

稀有な場所でもあります。

というのも、京都市内から山道をうねうねと車で1時間半ほど。

人里離れた山間にひっそりと佇む料理旅館です。


今年の紅葉は例年より遅く、まだ枝先のほんの僅かでしたが、

それでも、山間の息を飲むような紅葉の美しさと、

清流のせせらぎの音だけに囲まれていただく

美山の料理は、市中では体験できない貴重なものです。


もうこちらにお邪魔するようになって、何年か経ちますが、

いつも美しい女将の楚々とした品の良い接客に

心が癒されます。

今回は、いつにも増して、料理に進化が見られ、

きわめて満足度の高い内容でした。

では、お献立です。

まず、あけび茶がふるまわれます。
山間で摘んだあけびを干して造る自家製です。

1、一献
  朱塗りの丸盆に、
  手ぬぐいと、酒杯。
  銀杏みその朴葉炉
  姫大根 あちゃら漬け
 
  本醸造の生酒がふるまわれます。

2、向付
  鯉造り
  薬味おろし

3、汁
  新米餅
  水からし
  白味噌仕立て

  この、えもいわれぬコク。
  これにつられて、やってきます。

4、八寸
  ・ぽろたん 栗
  ・本黒豆 共和え
  ・川海老  脇の清流でとれたもの
  ・栃もちこんにゃく
  ・地玉子味噌漬け
  ・鮎一夜干し
  ・小豆かるかん
  ・生落花生  丹波 蒸し焼きに。

5、強肴
  焼き松茸
  かぼす

  女将が炭火に炙ったまま、持ってきて、
  取り分けてくれます。

6、お凌ぎ
  岩魚 にぎりすし
  わらいぶし仕立て

7、土瓶蒸し
  松茸、雉丸、水菜、柚子

8、焼物
  子持ち鮎の杉板焼
  すだち

9、炊き合わせ
  名物、きのこ鍋
  舞茸、虚無僧茸、なめ茸、れんこん餅
  むかご、ねぎ
  
  いつも思いますが、この出汁、
  他ではけして味わえません。

10、御飯
  栗御飯
  香の物

11、水物
  大城柿 キャラメリゼしてあります
  ナッツアイス
  さる梨

12、菓子  
  くるみ葛焼き

13、お薄


こちらのきのこ鍋をいただくと、

本当に、日本の秋を実感します。

毎回いただく料理のクオリティはもちろん

ですが、

今回、例えば、土瓶蒸しの中に入っていた

雉丸(雉団子)には、はっとするほどの

旨味と滋味があったり、と

ディテールが確実に進化していることが

わかります。


帰りには、美男美女カップルである

大将と女将が、見えなくなるまで、

見送ってくださいました。



昨年秋に続き、お邪魔しました。

京都市内は、桜が満開でしたが、市内から1時間半

山間に入ったこちらは、1か月以上季節が戻ります。

まだ、桜の芽も固いですが、お料理には、もう春が近いことが

感じられます。

毎回、訪れるごとに、こちらの実力には驚かされます。

まず、その独創性。

山間ならではの地の利を生かした山菜や魚。

プレゼンテーションの妙は相変わらず。

そして、女将をはじめとした皆さんの心温まる

ホスピタリティ。

今回も、右手にある個室で、

川のせせらぎを聴きながらの食事です。


それでは、今回の内容です。

まずは、あけび茶。


1、地酒
  丹後の「八坂鶴」亀寿ハイブレンド
  昔ながらの製法で作られているもので、
  かなり限定品です。

2、春の摘み草籠

  地元の人が、この籠をもって、山菜取りに
  行く、という籠に、八寸が。
  その美しさにしばしみとれます。

  
  ・うるい 梅ゼリー
  ・こんにゃくの栃餅あられ揚げ
  ・川海老 素揚げ
  ・のびるの根
  ・こごみ
  ・猪ベーコンと三つ葉
  ・蕨の干瓢巻き
  ・いさぎ (琵琶湖の魚)

3、鯉の刺身 
  皮は湯引き。

4、お椀 
  白味噌、鯨ベーコン、三つ葉

5、山菜天ぷら
  ・蕗の薹
  ・タラの芽
  ・つくし
  ・酸葉
  ・こごみと車海老のかき揚げ
  ・山つつじ
  ・行者にんにく
  ・こしあぶら

6、筍 
  竹を半分に割った器に、
  筍の皮をかぶせて、登場。
  皮を取ると、
  中から、炙った筍、からすみ、木の芽、むら芽が。
      
7、京都牛
  京都牛のバラ、芽独活、花山椒
  醤油のタレ
  

8、しのぎ 
  蒸し寿司(ちらし寿司)
  こごみ
  氷魚(ひうお) 稚鮎です。
  いわなの卵

9、煮物 
  うすい豆
  揚げたまじか(にごい)
  桜餅
  独活
  柚子の花

10、アマゴの炭火焼き
  炭火で焼かれながら火鉢で登場。
   眼下を流れる川でとれたもの。
  葉山葵の甘酢漬け

11、炊きあわせ
  筍、蕗、餅、若芽、蚕豆の茶巾

12、ご飯
 蕗味噌
    
   香の物

13、日向夏ゼリー

14、よもぎ餅

お薄

お供は、純米吟醸酒 「夜明け前」


こちらの白味噌のお椀には、いつも感心させられます。

そして、今回は、山菜の天ぷらの仕上がりの良さに驚嘆。

からりとした食感と、山菜の香り高さ。 素晴らしいです。

あまごの炭火焼も秀逸でした。


帰りは、女将と3名の中居さんたちが、整列して、

いつまでも見送ってくれました。


もう何度もお邪魔している「美山荘」ですが、

今回は、ことのほか秀逸でした。

いつものように、向かって右側の川に面した

建物の個室へ。

月見台と呼ばれるテラスがついていて、

そこからは、美しい紅葉とせせらぎの音を

楽しむことができます。

しーんと静まり返った山の中。

さらさらと流れるせせらぎの音以外、なにも聞こえません。


そこへしずしずと料理が運ばれてきます。

それでは、この日の食事です。

日本酒をいれて、30000円ほど。

1、アケビ茶
  燻製香の利いたお茶からスタートです。

2、一献
  朱塗の杯に弥栄鶴がふるまわれます。

3、銀杏

  七輪の上に、棒葉が。
  そこには、たっぷりの味噌に生姜、椎茸、銀杏が。

4、鱒のお造り

  皮は湯引きで。

5、お椀

  白味噌に、新米のお餅と芥子
  
  毎回、これがお目当てなほど、好みです。

6、八寸

  *枝豆の和え物
  *菱の実
  *川海老の天ぷら
  *茹で落花生
  *黄身の味噌漬け
  *蒟蒻の揚げ物
  *かるかん (副料理長が鹿児島の出身なので)
  *鮎
  *紫芋のチップスを葉の形に。
  *さつま芋を銀杏の形に。

7、松茸

  炭火の上に、たくさんの松茸をのせて、
  女将登場。
  本当にいつお会いしても、楚々とした品のある
  美しい女将です。
  
  名残の松茸をかぼすでいただきました。

8、おこわ

  黄色に色づいた蔓と葉を巻きつかせた
  竹かごに、おこわの入った竹の皮が
  並びます。
  竹の皮を開けると、
  むかご、百合根、椎茸、しめじの入った
  おこわが。

9、土瓶蒸し

  松茸と鯉です。
  こちらの池で飼っている鯉で、
  とても洗練されたお味。

10、子持鮎の杉板焼き
 
   この時期の鮎は、卵をもっていて、
   栄養がぞちらに行くので、身には一仕事。
   味噌幽庵焼きで、杉の香りを移していました。
   これが秀逸。
   かぼすをちょっと絞っていただきます。

11、きのこ汁

  この時期の「美山荘」の真骨頂。
  舞茸、なめ茸、虚無僧茸、黒皮茸に
  海老芋を入れた、えもいわれる汁です。
  粉山椒と。

12 、栗ご飯

   大好物が続いて登場。
   ほくほくの栗がたっぷりです。

   香の物

13、代白柿
  柿の葉茶アイスクリームに、さるなし
  くるみの葛餅

14、お薄

お供は、早瀬浦。


秋の味覚満載な時期ですが、

それにしても、それ以上に今回はどれも

仕事が際立っていました。

深山ならではの秋。

満喫させていただきました。


  
昨年秋に引き続き、お邪魔しました。

京都市内は桜が満開ですが、この山の中はまだ春はもう少し先。

道中、山の中に、たくさんの紫の花の群生が見えました。

なんだろうと運転手さんに聞くと、つつじ、とのこと。 珍しい野生の紫のつつじです。

山の中も、春の足音が少し聞こえています。

さて、今回も川のせせらぎの聞こえる和室です。

月見台に出ると、ちょっと肌寒さを感じ、桜のつぼみはまだ固いです。

しかし、お料理は春爛漫でした。 そして、「美山荘」ならではの、山菜が盛りだくさん。

1、地酒         まずは、丹後の地酒を

2、八寸         蕗の薹 白和え
             うるい 梅ゼリー
             こんにゃくの栃餅あられ揚げ
             琵琶湖のもろこ
             黄身の味噌漬け
             えんどう豆 豆腐 (黄身の味噌漬けと串に刺されて)
             川海老 素揚げ
             のびる
             こごみ 松の実

3、お椀         白味噌  蚕豆葛寄せ

4、鯉の刺身       皮は揚げてあります。
             蕨の昆布〆
             のびると辛み大根をおろしたもので。

5、自然薯        酢をきかせたタレで。

6、天ぷら        野草   酸葉(すいば、と読みます)
                  行者にんにく
                  こごみ
                  タラの芽
                  こしあぶら
                  タンポポの葉
                  つつじの花

7、筍          筍のプレゼンテーションが秀逸でした。
             外見は、筍が土から出てきたような状態で、皮つきでお皿に。
             しかし、皮はかぶせてあるだけで、ぽこっと上に引き抜けます。
             中から、本体が登場。
             付け焼きにしてあり、究極に柔らか。

8、いのししのコンフィ  油漬けにしてあります。
             野三つ葉
             蕗の薹
             椎茸   と一緒にすき焼き仕立てに。

9、しのぎ        蒸し寿司
             こごみ、いたどり、ぜんまい、つくし
             氷魚(ひうお) 稚鮎です。
             湯葉の錦糸をかけて。

10、煮物        薄切りの蕪で、甘鯛、ウド、たんぽぽ、わさびの花を覆っています。
             すまし汁で

11、アマゴの炭火焼き  炭火で焼かれながら火鉢で登場。
             美しいプレゼンテーションです。

             夏みかんの入った酢で。

12、炊きあわせ     筍、菜の花、うずら団子

13、ご飯        鱒とせりの炊き込みご飯

             香の物   蕪、菜の花、沢庵、昆布

14、牛乳ゼリー     美山町の牛乳です。
             はっさくのマーマレード
             クコの実
             野人参の葉

15、よもぎ餅

お供は、純米吟醸酒 「夜明け前」


いつもながら、完璧なホスピタリティ。

静かな山あいの里の落ち着いた時間。

美しい女将の笑顔。

もうすぐ来る春を力いっぱい感じさせてくれる料理の数々。

とことん楽しませてくれるプレゼンテーション。

いい時間でした。



<2016年11月>

 1年ぶりの再訪です。

 急速に色づいた紅葉が青空に映え、まさに錦絵の世界を創りだしてくれました。

 思いがけず、ちょっと早い紅葉の見ごろとなり、この幸運に感謝です。

 昨年同様、通常は宿泊棟となる座敷を使用させていただきました。

 月見台に出ると、小川のせせらぎだけが聞こえ、なんとも風流です。

 さて、この日は、ランチで、25000円のコースをお願いしてありました。

 京の山の秋を表現したお皿には、登場するたびに、ため息がでます。

 そして、この時期の名物、きのこ鍋は、想像をはるかに超える美味さ。

 本当にこの時期に来られてよかったです。

 さて、料理です。

1、銀杏の朴葉焼き      大きな朴葉に、味噌和えの銀杏がたっぷり
               蕪の甘酢を添えて

2、鯉の刺身と皮

3、白みそ椀         豆腐、香草

4、八寸           菊菜と菊葉のお浸し
               地卵の黄身の味噌漬け
               川海老の素揚げ
               ひしの実
               生らっかせいの塩ゆで
               こんにゃく
               栃餅のあられまぶし
               紅葉に見立てた芋チップ

5、松茸の炭火焼き      京北町の松茸です。 すだちで。

6、おこわ          むかごと百合根と椎茸

7、土瓶蒸し         松茸とぐじ

8、子持ち鮎の杉板焼き    味噌幽庵漬けの鮎です。 卵がたっぷり。

9、虚無僧茸         トマトと麹を和えた酢で。
               虚無僧のかぶりものに形が似ているから、この名前が。

10、きのこ鍋        土鍋に、舞茸、なめ茸、ねずみ茸、そして、蓮根餅が。
               かつお、昆布の出汁に、茸からの出汁が出て、えもいわれぬ旨みが。
               3種類以上の茸だと、出汁が相乗効果になってより美味、と
               女将が説明してくれました。
               これは、噂には聞いていましたが、聞きしにまさる美味しさ。

               山椒の粉。 これについていたスプーンがなんと栗で作ったスプーンなのです。
               栗のいがが爆ぜると、中から3つか4つの栗が出てきますが、いくつかにひとつ、
               実が入っていないものがあり、その皮だけのものをとって、土地の老人がスプーンに、
               作ったきたそうです。 
                

11、栗御飯         土鍋に栗がたっぷり

12、香の物         はやと瓜、たくあん、柴漬け、昆布

13、柿、柿の葉アイス、さるなし(キィウイの原種で日本で自生)

14、栃餅

15、抹茶

お供は、まず、エビスビール。

食事の前に、丹波の地酒、「弥栄鶴」

途中で、長野の大吟醸「夜明け前」

 美しいプレゼンテーションに魅了されました。

 まさに、これは夢か現か・・・・・。

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<2015年10月>

京都市内から車で1時間ほど。 北山杉を愛でながら、山深く分け入っていきます。

秋の晴天に恵まれ、真っ青な空に、色づき始めた紅葉が映えて、輝きを放っています。

かねてより、訪問したかったので、わくわくです。 想像以上のすばらしいロケーション、料理、ホスピタリティ、すべてに満足しました。

今回は、通常宿となるお部屋で食事をいただきました。 床の間には、季節の掛け軸とお花が。 

外には、テラスが。 聞けば、これは「月見台」と呼んでいるそうです。 さすが、風流。 その月見台の外には、渓谷のせせらぎ。 対岸の紅葉も

ほのかに色づいています。 爽やかな秋空。  静かにしていると、聞こえるのは、川のせせらぎだけ。 これ以上の舞台があるでしょうか。

こんな素晴らしい環境でいただけるとは、それだけで、テンションが上がります。

この日のお献立。

あけび茶

弥栄鶴 (丹後の地酒)

1、一献      銀杏みそ  
          蕪 あちゃら漬け(柑橘の甘酢漬けです)
          朴葉炉

          大きな朴の葉で、銀杏を味噌焼きに。

2、向付      鯉造り   琵琶湖の鯉をこちらの山水の生簀で越冬させた、とのこと。 臭みまったくなしです。
          共皮    皮せんべいです。
          間引大根  昆布〆

3、汁       香茸とうふ
          からし
          白みそ仕立て

4、口取      むかご  葛よせ

5、八寸      菱の実
          鮎風干し
          虚無僧茸 味噌漬け
          川海老
          生落花生 塩焼き
          はつか大根  柿ゆべし入り
          地卵味噌漬け オレンジ色に輝いてました
          栃もちこんにゃく

6、強肴      焼き松茸     炭火入りの大きな器の上に、松茸がたっぷり。 プレゼンテーションが素晴らしい。
                   福井、名田庄村のもの。

7、お凌ぎ     鯖寿司
          大徳寺生姜   
          鯖の皮目を炙ってあります。 中に山椒が。

8、土瓶蒸し    松茸、鰻、水菜、柚子

9、焼き物     子持ち鮎  杉板焼き  すだちで。

10、炊合     ひろうす
          舞茸
          紫ずきん
          庵仕立て

11、ご飯     栗ごはん  柴栗を天日干ししたもの
          香の物

12、水菓子    木の実アイス、柿のすり流し

13、菓子     栃餅

お薄

京の山郷の秋、満喫の献立でした。 

食事の終わりに、女将さんが挨拶にきてくださいました。 聞きしに勝る美女です。 いろいろな方からこちらの女将さんのことは伺っていましたが、

なんとも楚々とした艶のある方でした。 

京都市内に戻ってきて、振り返ると、なんともこの3時間半に及ぶ午餐が夢の中のできごとのよう。 山の中で、なにかの魔法にでもかかっていたかの

ような、そんな気分にさせてくれるほど、心地よい時間でした。


          

  • 先付
  • 鯉のお造り、白味噌椀
  • 猪

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2位

草喰 なかひがし (元田中、茶山、出町柳 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス -
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2016/11訪問 2016/11/19

これぞ日本が誇る「和」のホスピタリティ

<2016年11月>

 大好きなお店のひとつですが、予約が本当に難しく、4年ぶりの再訪となりました。

 ご主人、中東さんのホスピタリティは、ますますその深度を増し、前回にも増して、大満足な宵となりました。

 料理の質、技にはもはや言及するまでもありません。

 京の秋をお皿で表現させたら、この人の右に出る人はいないのではないでしょうか。

 それは、自ら、野山を歩き、自然と語らい、素材を選び、そこから料理にフィロソフィーを投影しているからです。

 そして、中東さんのジョークもまたその深度を深めていました。

 お皿を説明するたびに、必ずオチがあり、大爆笑させてくれます。

 それを見て、ニコニコする中東さん。  

 本当に、愛すべきキャラです。

 しかも、前回と変わったのは、他の料理人さんまで、親方のジョークを言うようになっていたこと。

 きっと、この料理の説明のときには、こう言いなさいと、言われているのかも知れませんが。 笑

 それでは、京の秋を体験する料理。 この日は、18000円のコースです。

1、秋は山から          生の栗を十字に切り、揚げたもの
                 銀杏
                 トウモロコシ寒天
                 大徳寺納豆 (菊花に見立て)
                 小浜の鯖 燻製のクルミを乗せて (鯖街道を来る途中、鯖がクルミを拾ったというストーリー)
                 黒豆の乾煎り
                 大原の柿 きのこ酢にとんぶり
                 冬いちご
                 モロッコサンド豆の味噌漬けに黒ゴマ
                 もどり鰹 山椒炊き

2、むかごの飯蒸し        いくらを乗せて

3、椀              椀の絵柄は、淀川の船曳き。 そして蓋の取っ手が三日月になっています。

                 白味噌に、栃餅とひの葉

4、子持ち鮎           味噌幽庵漬けの笹焼き
                 「鮎のささやき、です」とお弟子さんが小さい声で言い、うけました。 

                 笹の葉に包まれて登場。 
                 中骨の素揚げ、 稲穂の素揚げ、落花生塩湯がき
                 万願寺唐辛子
                 みかん、みかんジャム (中東さんが、山で摘んできた自生のみかん)

                 皿には、うずらの絵が。 稲穂をついばんでいるように、見えます。

5、野生牛            北海道の野生牛で、ヨモギと笹のみで育ち、体脂肪率10%。
                 山椒オイル (米油と山椒)
                 赤やまとり茸 (セップのような茸)
                 紫人参、 紅芯大根、 クレソン

6、鯉              地下水で3か月飼った鯉
                 皮の湯引き、 鱗素揚げ、骨のにこごり、

7、椀              琵琶湖の大鰻の奉書巻 (寒いので衣を着せて、とのこと。)
                 大根の桂向きで巻いています。
                 八ヶ岳の松茸、水菜、柚子

8、鯖の熟れ寿司         昨年5月から熟成させたもの
                 花おくら、あけび、ルッコラの花と葉、 吉田牧場のチーズ

                 *熟れ寿司にチーズを合わせるところがさすがです。

*ここで松本のワイン、「ナイアガラ」が1杯供されます。

9、煮物             椀の蓋の上に、鞘に入った、取り入れ前小豆が横位置に置かれて、登場。
                 中身は、蕪、里芋、金時人参、蕪葉、香茸、

10、すき焼き          2月から10か月中東さんが育てた鶏
                 赤ネギ、こんにゃく芋
                 * とても弾力のある地鶏です。

11、中抜き大根と揚げの炊いたん

「ここから、明日の朝ごはんの前倒し」と中東さんがいい、また大笑い。

12、香の物

13、はやと瓜、焼き椎茸、かたばみの味噌和え

14、カシラ芋、祇園豆、赤万願寺唐辛子のペーストで紅葉和えに

15、めざし

ご飯は、まずは、ふつうに。 

その後、おこげ。  「中東ワールドツアー。 まずは、フランスへ。 おこげ、パリパリ」 ですって。
          
           山椒オイルと塩でいただきます。

そして、お湯かけ   これは、ニューヨーク。 お風呂に入っているから。
           ゆかりと梅肉で。

このあたり、中東さんのギャグがさく裂。 NYは以前もいただきましたが、パリはお初でした。

16、代白柿     人参の葉のソルベ
           枝に見立てたチョコレート

17、黒砂糖の金平糖、蕎麦の実、 蘇 (日本古来の牛乳を煮詰めたもの)

18、水出しコーヒー    1か月前に落としたもの

お酒は、「英勲」と「神聖」をいただきました。

 料理には、京の秋の山はもとより、お茶時由来の歳時が取り入れられたり、

 日本の伝統をきちっとおさえたストーリーが感じられます。

 いや、またまた、感服いたしました。


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<2012年4月>

この店と料理については、すでにあらゆるところで書かれているので、今さら言及するまでもありません。 が、初めての訪問で、ここまで「和」のホスピタリティを
感じ、心底お腹も心も満足したお店は他にありません。
中東さんに感謝です。

10名ほどが座れるカウンターのほぼ中央のお席に案内されました。 中東さんがすべての料理を詳しく説明しながら供してくださいます。
カウンターの中には、竈があり、ご飯が炊かれています。盛り付けは目の前。 臨場感があります。

全10品にご飯、水菓子の内容。
中盤戦で登場した料理は、「春の小川のうずまき」と名付けられたものです。うずまきが描かれた皿の中央に、鯉の刺身。 そのまわりには、つくしやこごみ、すみれな ど春の草花が満載。まさに小川の土手を表現しています。 お料理そのものが、「詩」なのです。

琵琶湖のもろことともに登場した白菜の菜の花。「白菜の菜の花ってなんでしょう?」との質問に、中東さん曰く
「畑で収穫されずに置き去りにされた白菜はあるとき中央からカパっとわれて、中に菜の花が入っているんです。これが、白菜じゃなく、百歳(ひゃくさい)」
なんていうダジャレを連発しながら、料理の説明をしてくれます。お店のあちらこちらから笑いがおき、なんとも温かい空気に包まれるのです。

最後のご飯を香の物といただき終わると、「お替り、いかがですか?」と声がかかりました。正直、かなりお腹いっぱいです。
「おこげですよ」とのダメ押しに、思わずお椀を差し出します。おこげは、特製の山椒入り米油とイギリス産岩塩をつけていただきます。説妙な旨みです。
さて、これも完食すると、中東さん、今度は「ニューヨーク、いきますか」と、一言。 頭の中が???になりますが、もうこうなったら、全部いただく覚悟を決めて、
お椀を差し出します。戻ってきたお椀には、一口のご飯の上に赤い梅肉、それをお出汁でいただきます。
中東さん曰く 「はい、これがマンハッタンの夕日、そして、女神はあなた!」 いや~~~、思わず爆笑です。 

という調子ですべてのお料理を真面目に説明していただいているかと思うと、最後にはちゃんとオチがあり、笑わせてくれます。
こんなに、にこやかに和気藹藹とした雰囲気で日本料理をいただくのは、なかなかない経験です。
中東さんの料理の技、そのクリエイティビティだけでなく、お人柄が醸し出す温かいオーラ、すべてにおいて、感動しました。

お料理を全部説明したいところですが、長くなるので、ぜひ一度は行ってみてください。日本を代表する日本料理、間違いなしです。

  • 秋は山から
  • 鮎のささやき
  • 鯉

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3位

未在 (東山、蹴上、祇園四条 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2016/11訪問 2016/11/19

侘び寂と雅

予約至難なお店です。

やっとお邪魔してきました。

タクシーを降りた地点から、石畳の階段を下ると、そこに店が現れます。

階段のところに、店の若い人が出迎えてにきてくれていました。

まずは、玄関を入ったところの椅子で、塩香煎をいただきます。 お浄めです。

こちらは、14名ほどのL字カウンターで、全員が一斉に食事を始めるスタイル。

まずは、ご主人、石原さんの挨拶。

1、茶懐石のお膳            茶懐石の作法で、飯と汁。
                    島根の新米
                    白味噌に蓮根餅、丹波大納言小豆

* 酒                 江戸の杯に蒔絵をほどこしたもの。 白扇の未在

2、柿なます              茶懐石の向付として。
                    水前寺海苔、大根、きゅうり、かやの実、

3、金時人参の葉のお浸し

4、刺身                白身の皿    鯛  愛媛
                            烏賊  対馬、剣先烏賊
                            烏賊の耳と縁側の胡麻和え

                    2皿目     関サバ   九条ねぎ、生姜

                    3皿目     鮪 2種類  ① カナダ産 190kg
                                   ② 舞鶴  15kg
                            辛み大根で。
                            鮪の内側と外側の皮
                            醤油と昆布の煮凝り

                     ちり酢、塩酢(にがり塩と柑橘)、鯛の肝とごま油
 
                     はりねぎ、えごまの葉、アイスプラント

5、椀                  うずらのつくねの吹き寄せ雑煮
                     栗、松の実、名残の丹波の松茸

6、奥出雲黒毛和牛            炭火焼き
                     丁寧な隠し包丁で柔らかい
                     鷹か峰の完熟唐辛子 (完熟なので、ふつうのものとまったく違う食感と味)
                     イギリス原産グライムリーという酸味のあるリンゴのソース
                     5種類の無農薬野菜

7、そばがき               海の牡蠣と蕎麦の粉  蕎麦粉汁

8、八寸                 車海老の蓑揚げ
                     ひしの実
                     いくらとたいし麦
                     穴子の煮凝り
                     真珠貝の貝柱わさび漬け、
                     とんぶり
                     万願寺唐辛子と小エビとじゃこ
                     白エビともずく
                     鯛のかぶら寿司
                     鴨ロースの洋酒煮
                     秋刀魚の山椒焼き

9、自然薯のむかご            いぶし卵、枝豆の旨煮

10、京芋と鰊の焚き合わせ        つまみ菜

11、強肴                松葉蟹   かにみそと
                     黒鮑    肝ソース
                     カマスの焼き霜
                     きゅうりとワカメ

12、焦がし湯にご飯           湯漬け

13、香の物               蕪、昆布、白菜、赤蕪、大根、蕪の葉

14、栗大福               松葉打ちした胡桃

15、果物                秋の吹き寄せ 40種
                     豆腐クリーム、洋梨の皮のクリーム
                     黒いちじく、元気君(岡山のぶどう)、ピオーネ、白いちじくの白ワイン煮、
                     さるなし(信州でとれるキィウィ)など。

16、抹茶                八坂神社の御神水で

17、ポポーのシャーベット        「食べられる人だけ」ということで、もちろん、いただきました。
                     北米原産の果物。
                     芋焼酎のジュレ
                     石榴のジュースのジュレ
                     ステビア

お供は、白ワインで。  シャサーニュ モンラッシェ モルジュ ブラン 2011。 

L字カウンターの短い長さのほうの席だったので、用意している手元が眺められました。

一皿一皿、石原さんがよどみなく、解説してくれます。

そして、質問にもきさくに丁寧に答え、補足していただきました。

聞きしに勝る料理の量でしたが、それよりも、吟味されつくした素材と手のかけ方に感動。

黒毛和牛には、石原さん自ら、すべてに丁寧に隠し包丁を入れていました。

淡々とした、しかし、きめ細やかなホスピタリティ。 

お皿は、華やかな盛り付けですが、禅の精神を随所に垣間見ます。

最後のお抹茶は、石原さん自らが全員分を立てています。

おじさんグループの一人がやたらと話しかけてきて、まるで、居酒屋のようになってしまったのには閉口しました。

これだけのお料理には、集中して向き合いたかった私です。

帰り際、お弟子さんが、「未在」と書かれた雪洞で足元を照らし、階段を車道まで導いてくれます。

また、機会があれば、ぜひお邪魔したいと思います。


                    

  • 玄関
  • 外観
  • 外観

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4位

TSU・SHI・MI (神泉、駒場東大前、池尻大橋 / イノベーティブ、フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2016/09訪問 2016/09/11

狂喜乱舞する小さな巨人たちと私

今年お邪魔しているフレンチには、アタリが多く、どこもかなり満足度が高いのですが、

こちらにはもう脱帽の一言でした。

シェフの「芸術」へのこだわり、造詣の深さ、限りない好奇心に魅せられた宵となりました。

「休みもとらずに、ほぼ終日キッチンにたっています。」とマダムからお聞きし、

さぞや仕事が好きなんだろうな、と思いましたが、

シェフは、「好きかもしれませんが、でも、僕は、料理バカではないので、家にいたら、なにもやりません。」とのこと。

店内のあらゆる装飾品や絵画、使用しているお皿の一部は、すべてシェフが自ら作ったもの。

テーブルの上部の絵画、廊下のアート、入口付近の土壁までシェフオリジナルです。

土壁にいたっては、職人さんに塗り方の指導までしてもらったそうです。

さらに、ワインリスト。 日本のものしか置いてありません。 そして、ワインリストには、ページごとに、シェフの

絵画が。 その絵画の作風が実に多岐に及んでいて、ポップなものから、日本画を彷彿とさせるものまで。 

なんでも、次々とアイデアが降ってくる、のだそうです。 こういう人を、世の中では「天才」と呼びます。

そして、その才能は、料理にも遺憾なく発揮されていました。

昼夜、各1組のみ。 コースは12000円です。

では、そのクリエイティビティに富んだ料理の幕開けです。


1、”大地の茶” 香りで愉しむNIPPONのエネルギー          野菜50種を発酵させたものを、テーブルでドリップします。
                                  お茶とコンソメの間、といえばいいでしょうか。
                                  初めての味です。
                                  「はまる人が多いんですよ」とマダム。 たしかに。

2、Salutation 会釈                        プチぽよ+ほおずき+メキシカンキューカンバ/ 玉蜀黍/丘のり

                                  ① 生海苔と茹でた丘のりを丘のりで巻き、その上にいくら
                                  ② プチぽよ   皮が極薄のため流通しないプチトマト
                                    ほおずき
                                    メキシンカンキューカンバ(岩手産)
                                    を、新生姜、レモングラスでピクルスに。
                                    ヤリイカの小イカのスティック
                                  ③ 玉蜀黍のタルトレット
                                    タルトレットの下には、ポップコーン、バターと塩。
                                    その上に、焼いた玉蜀黍。
                                    その上に、フライにしたひげ、サルビアの花

3、Introduction 農園2016                   狂喜乱舞する小さな巨人たち

                                 これには、歓声を上げると同時に、まさに私が、狂喜乱舞状態です。
                                 唸ります。
                                 お皿の彩りも計算し尽くされています。
                                 50種類ほどの小さく切った野菜ですが、火の通しは全部変えているとのこと。
                                 クルミオイルとエシャロットのフレンチドレッシング

                                 中央のグラスには、ヴィオレッタフィレンツェという茄子を
                                 焼きナスにしたスープに、夏仔鹿のコンソメジュレ、
                                 ホーリーバジルとえごまの実。

4、丘と海と                           おかひじき、帆立貝、桑名産沖しじみ

                                 「おかひじきがメインになることは少ないので、メインにしてみました」と
                                 シェフ。
                                  海藻とホワイトバルサミコでマリネしたおかひじき。
                                  しじみのジュと、かつおのジュでマリネした沖しじみとホタテ。
                                  トップには、焼いたおかひじき、と、エノキの生を干したもの、
                                  ニラの花、ニラオイル

                                  おかひじきがこんなに変貌を遂げることに感心。
                                  添え物のひとつひとつがメインを盛り上げます。

5、若鷺 peppers                       伏見唐辛子、獅子唐、すずこまトマト、一夜干しわかさぎ

                                 厚めの半紙状の紙をキャンディー型にして、その中にお料理が。
                                 小ぶりの一夜干しのわかさぎがたくさん顔をのぞかせています。
                                 中には、伏見の甘長唐辛子の赤と緑、獅子唐。
                                 唐辛子とジャガイモをペーストにしたもの。
                                 国産で唯一加熱調理用のすずこまトマト
                                 パスティスで香りつけ。
                                 あかざ(野草)

6、玉葱のBreakfast                      アーリーレッド、ジュンサイ、七谷鴨、鱧、へべす

                                 玉ねぎを練りこんだパンのサンドイッチ
                                 中身は、
                                 生の月桂樹と玉ねぎをキャラメリゼしたもの
                                 京都の七谷鴨と鱧

                                 隣りのカップには、鱧の焼いた骨と玉ねぎのブイヨンとじゅんさい、
                                 へべす

7、Share 蟹南瓜                       天狗鼻南瓜、生栗、夏トリュフ、毛蟹

                                 大きなお皿の中央に、蟹味噌バターがぽつん。
                                 お皿が熱いので、どんどん溶けていきます。
                                 別皿に、焼き立ての毛蟹とそのブイヨン、蒸した南瓜、チーズ、
                                 生栗、と蟹味噌バター
                                 トップには、細かく刻んだ夏トリュフがたっぷり。
                                 さきほどの、バターの入った皿に、取り分けていただきます。

8、Les Fruits 桃太郎葡萄、黒小玉西瓜、塩パイン、スペリヒユ、ミント

                                 漆黒のフリル状のデザインのお皿で登場。
                                 サラダとして。
                                 桃太郎葡萄は、ミントドレッシングでマリネ。
                                 黒小玉西瓜は、バラのビネガーとバラの花の酢漬けで。
                                 塩パインは、沖縄、カナンファームのもので、新潟産大吟醸の酒粕に漬け、
                                 オリーブオイルと白ワインでマリネ

                                 フレッシュハーブ(スペリヒユとミント)のクラッシュアイス添え

9、小麦と米の進化形                       南部小麦、ヒメノモチ、古代紫黒米

                                 「パンは出ないのかしら?」と話していたら、なんと、
                                  すごくサプライズな形で登場してくれました。

                                 「パンを一皿の料理として考えました」とシェフ。
                                  南部小麦という甘味の強い中力粉とヒメノモチ、古代紫黒米のパンに、
                                  甘酒とバターを塗って、片面だけフライパンで焼いたもの。
                                  ものすごくおいしいです。             
                                  「ぜったい、キッチンにもっとあるよね」と、話しながらいただきました。
                                  お替りはでませんでした。笑

                                  隣りのスティックに、クリームチーズと黒米のパフ

10、秋味                            タマゴダケ、アカヤマドリ、ドラゴンの露、サメカレイ

                                 タマゴダケは初物で、雫石で高齢のご婦人が収穫しているもの。
                                 ソースは、干したアカヤマドリの軸のジュ
                                 ドラゴンの髭は、台湾のハヤトウリの新芽
                                 サメカレイの縁側  北海道産。 脂がのっていて、とろっとして猛烈美味。

11、加賀の晩夏                         川端蓮根&蓮実、金時草、茨城県産ホロホロ鳥

                                 霞ヶ浦でとれるホロホロ鳥の子を低温ロースト
                                 ほろほろ鳥のジュとすりおろし蓮根のソース
                                 蓮の実をいれて。
                                 金時草は、エチュベとチップスで。

                                 別皿に、蓮根チップスをたっぷり。

12、茗荷パフェ                         茗荷、ウコン、マリーゴールド

                                 茗荷とライチリキュールのパルフェ
                                 砂糖漬けしたウコン
                                 茗荷のコンフィ
                                 生茗荷とビーツのシロップ
                                 茗荷せんべい

                                 茗荷のパフェ、と聞いて、ちょっと不安でしたが、
                                 茗荷の概念が変わります。

13、大豆のカスタード                      佐藤利一の有機無農薬大豆、黒糖卵黄、ベルベーヌ、焼き柚子チョコレート

                                 牛乳、バニラ、大豆を蒸してカスタードに。
                                 ドライ納豆が隠されています。
                                 下部には、ガトーショコラのペースト
                                 ベゴニアの葉と花を散らして

14、駒場の森の小菓子たち                    珈琲豆が敷き詰められた長方形の皿に、枝を模したオブジェ。
                                 そこに、6種類の小菓子が。
                                 夏みかんのパートドフリュイ
                                 トリュフショコラ
                                 生クリームでコーティングしたポップコーン
                                 よもぎクリームのマカロン
                                 紅芋と実山椒のマドレーヌ
                                 オブラートに包まれたフレッシュハーブ、ホワイトヌガー、
                                 3種類のナッツ、花。

15、都志見シェフ監修「誰にも教えたくないオリジナルブレンド」のお茶 

飲み物は、

1、ますかっとベリーA              ダイヤモンド酒造の2014年。
                         葡萄ジュース的(いい意味で)な日本ぶどう独特な味わい。

2、ルイボス  ハニーブッシュ
  ルイボス  グリーンルイボス(白ワイン風味)

  食事の途中で、マダムが「お茶もありますよ」と声をかえてくれました。 登場したのが、これ。
  食事を邪魔しないルイボスティーでした。


通算4時間くらい食べていたでしょうか。 でも、あまりの楽しさに、時を忘れていました。

これが本当のホスピタリティというものでしょう。

一皿一皿、シェフとマダムが運んできてくれて、シェフが淡々とした口調で、料理を説明してくれます。

5mm四方の素材に、ひとつひとつ手をかけていて、しかも、これだけの構成。

世界中食べているという自負がありますが、それでもまだ初めて出会う素材がたくさん。

その素材を自在に操るシェフの技。

随所に感じる細かな気配り。

これ、書くだけでもかなりタイヘンなので、作るほうは途方もない労力と時間と知恵を結集させている、と

改めて認識します。 

しかも、おかひじきの料理に見えるように、ふだん接してはいても、けしてメインになることはない素材に

光を当てるという発想。 そして、その脇役の使い方。 

シェフの頭の中をのぞいてみたいです。

マダムのサービスもさりげなくてステキです。

これは、再訪確実。 


                                  

  • Introduction 農園2016 狂喜乱舞する小さな巨人たち
  • 玉蜀黍のタルトレット
  • 丘と海と

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5位

東麻布 天本 (赤羽橋、神谷町、麻布十番 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2016/12訪問 2016/12/04

日本寿司界の新たなレジェンドに

ミシュラン2つ星獲得の直後にお邪魔させていただける、という幸運に恵まれました。

ひっそりとした東麻布に佇むお店。

扉を開くと、ミシュラン獲得お祝いの蘭の山。

この日は8名で貸切でした。

4時間にわたる美味の饗宴。

素材へのこだわりや、仕事の丁寧さはもう今さら言及にするにおよびませんが、

なにより、大将、天本さんのお人柄の良さに、魅了された宵となりました。

仕事が楽しくてしょうがない、というオーラはなにより客を引き付けます。

ミシュラン獲得時の会場でのドキドキやとまどいを面白おかしく語って、皆を笑わせてくれたかと思いきや、

滅多に語らないという、「海味」のおやじさんとのドラマティックな最後の話で、しんみりとさせてくれたり、

だれよりも好きという「しのはら」の親方の話・・・と、

まぁ、とにかく、人生劇場を見ているような4時間でした。

そして、繰り出されるつまみと握り。 これを一人で、仕込んでいるとは、離れ業です。

平均睡眠時間3時間というのも頷けます。

さて、この日、いただいた天本さん渾身の力作です。

つまみ

1、あさりの茶碗蒸し             天草のあさりで、出汁は使用せず、あさりの旨みのみ

2、バイ貝                  萩のばい貝。 ちなみに萩焼きで登場。

3、いろは牡蠣                佐賀 いろは島の牡蠣で、3か月しか取れないそうです。
                       小ぶりで、ぎゅっと旨みがつまっています。

4、もずく                  長崎産。 同じもずくで、どうしてここまで違うのか。

5、迷いかつお                長崎。烏賊を食べているので、旨みが違う。 づけで。

6、真鱈の白子                羅臼産。 無漂白。数秒湯通し。 卵黄で。

7、なまこ                  千葉 竹岡産。 能登のこのこ(なまこの子)と。

8、特大とこぶし               三陸 七里ヶ浜産。 どう見ても、鮑に見えますが、穴が9つ以上はとこぶし
                       だそうです。
                       柔らか。

9、あかむつ                 長崎産。 炭火焼きで。
                       油が滴るので、炭火焼きを始めた途端、もうもうと煙が。
                       火災報知器が作動したことがこれまで3回、とか。笑

10、いくら                 三陸 普代産。
                       一番出汁と、漬け醤油に漬けたもの。
                       きらきらと、朱色が輝く仕上がり。

握り

1、ボタンエビ                 増毛産。 昆布にのせて、余計な水分をぬいて。
                        たっぷりの卵と。

2、鯛                     姪浜産。〆て3日目。 

3、せいこ蟹                  香住港産。 身と内子と外子を味噌。
                        浜茹で。 浜茹でのほうが、茹で汁が濃いそうです。
                        「休憩時間を削って、作りました」というほど、手が込んでいます。
                        脱帽

4、さより                   東京湾。 塩〆。しゃきしゃきで、さよりならではの香り。

5、まぐろ                   大間、 藤田水産。 血合いぎし

6、しゃこ                   三陸 七里ヶ浜。

7、墨烏賊                   小柴産。 サクっとして、ネト。

8、鯵                     神戸港 ポートアイランド沖
                        と、聞いて、ウケてしまいましたが、実はとんでもなく美味。
                        なにもしていない鯵です。 鯵の風味がすごい。

9、まぐろ                   大間。 づけ

10、かすご                  鹿児島 出水産

11、鮟肝                   噴火湾。  ものすごく濃厚

12、雲丹                   はだて。北紫雲丹。 これも味がぎゅっと濃い

13、小肌                   天草産。 「きょう、〆たもの」

14、鯖                    五島

15、赤貝                   大分。 

16、しらかわ                 づけ。 水分を出したところに醤油をいれると、ねっとりと。
                        しらかわをづけにする贅沢さ。

17、かわはぎ                 神奈川 鴨居  たっぷりすぎる肝と

18、車海老                  豊後水道。 このあたりで、かなり満腹ですが、車海老のおいしいところだけ
                        半分くらいにしてくれました。
                        こんなの見たことない、というほど、ピンとしています。

19、穴子                   対馬。  飲み物のように、流れるような柔らかさ

20、玉子                   パティシエの小山さんからメレンゲの立て方を教えてもらったそうで、
                        天草の芝エビとともに、まるでお菓子です。

飲み物は、梅酒のソーダ割りと、而今をきりこでいただきました。

ありえないミラクルな仕入とこだわり。

そして、これだけのラインアップ。

まさに、天本さんは、これからの寿司界をリードしていく一人です。

  • 「カメラ目線ください」
  • 蟹の身と内子と外子と味噌
  • しゃこ

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6位

銀座 しのはら (銀座一丁目、銀座、東銀座 / 日本料理)

15回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.9 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥40,000~¥49,999 ¥40,000~¥49,999

2023/05訪問 2023/05/28

端午の節句を愛でる

5月の「しのはら」さんです。

節句月には、そのテーマに即したお料理が

登場し、背景のストーリーまで詳細に

お話してくださるので、自らの不勉強を

思い知ると同時に、知識欲に火がつきます。


新しいお弟子さんも増え、

ますますパワー漲る大将です。

いつお邪魔しても、最高のホスピタリティ、

そして、気持ちのいい対応。

お弟子さんたちにも、その姿勢は息づいて

います。


端午の節句のお話では、

菖蒲や鬼瓦が邪気を払うことや、

菖蒲が勝負と掛けていること、

あたりまでは、既知でしたが、

粽ではなく、笹巻きで、それは

なぜか、という話は勉強になりました。

中国戦国時代の政治家、屈原の話が

由来なのです。


さて、この日の内容です。

1,香煎茶

2,白芋茎、車海老、雲丹
  加減酢

  菖蒲の葉を立てて登場。

3,お椀
  加茂茄子の油煮
  雉ハタ、生姜

  4年蔵囲いの利尻、沓形産昆布を
  使用。 完璧な加減です。

4,琵琶湖の鮎
  蓼酢

5,四万十川の鮎
  2種類の鮎の食べ比べ、
  琵琶湖は小ぶり。
  四万十川はわりと成長しているので、
  頭と尾は切って。
  食べている藻により、お味に差が
  出ます。

6,雉つくね
  鼈の出汁餡
  うるい、山葵

  鼈の出汁の得も言われぬコクが
  忘れがたいです。

7、フォアグラ最中
  フォアグラとマンゴー。
  定番です。

8,八寸
  名物の登場です。
  ぼんぼりに灯りを灯し、
  店内の照明を暗くして。

  鬼門に置かれるという
  鬼瓦の鬼がこちらをにらんでいます。

  菖蒲を見る池にかかる八つ橋を模した
  器の上に、
  それぞれのお料理が置かれています。

  その上には、菖蒲の葉。

  ・笹巻き寿司
   中は、穴子です。
  ・帆立貝、ほうれん草、海苔
  ・三度豆、どんこ椎茸
  ・蛸の湯引き、梅肉
  ・胡瓜と大徳寺麩
  ・鰻の八幡巻
   中は、牛蒡ではなく、山独活
  ・庄内麩の蒲焼とクリームチーズ
  ・玉子真薯
  ・鶉卵の味噌漬け
  ・島らっきょう
  ・岩茸
  ・ガリ
  ・伊勢海老のブランデー漬け
   雲丹ソース
  ・鴨と黄韮

9,握り
  ・赤身の漬け
  ・こはだ

10,オプション
  この日のオプションは、
  ・トリガイの炭火焼き
  ・飛騨牛
  友人とシェアしました。
  このトリガイ、生涯でいただいたもので、
  ベストでした。
  各4300円

11、猪豚、じゅんさい、クレソン(福井)
  豆餅(高山)

  猪豚は、野生の猪と、雌のバークシャー種の
  1代交雑。
  出汁の旨味が素晴らしく、
  ちり酢が不要でした。

12、白御飯
  おかずは、
  ・鼈のタレまぶし
   スペシャリテの鼈の炭火焼を
   さらにタレまぶしにし、
   ご飯とベストマッチ。
  ・鯛の胡麻和え
  ・泉州 水茄子

  豆腐の赤出汁

13、蓬の練りこみきんとん

14、お薄

お供は、梅酒のソーダ割


毎回のことですが、

いつも、とことん楽しませていただき、

学びがあります。

これだけのことを、継続的になさるのは、

どれだけ、人知れずの努力があることか。

そんなことは、微塵も感じさせない、

大将の爽やかさ。

日本の宝です。


  
1年ぶりの訪問です。

なぜか、昨年も同じ3月でした。

相変わらず、素晴らしい温かなホスピタリティと、

大将の人間性に感動します。

八寸の登場時には、照明を落とし、

ぼんぼりの灯りで、春の夕を演出。

居ながらにして、日本の春を満喫できます。

それでは、この日の献立です。

1,香煎茶

2,先付
  貝寄せ
  まず大将から、なぜ貝寄せか、という
  お話が。
  昔、大阪の難波の浦に季節風が吹くと、
  その風で、貝が吹き寄せられ、
  この風が吹くと、春が来た、と、
  言われたそう。

  木の箱の蓋の上には、貝殻が。
  蓋を取ると、
  貝殻で囲まれたお皿に、
  北寄貝、赤貝、若芽。
  春の風を感じながら・・・。

3,お椀
  帆立真薯  
  木耳
  ばちこ

4,近江鴨
  滋賀の合鴨です。
  いい火入れで、素晴らしいテクスチュア。

5,柚子釜
  酢飯に、白海老、白魚、
  菜の花に餡。
  柚子の内側の白いところも
  取って、混ぜながら。

6,焼き鼈
  先ほどから、大将が炭火で
  串刺しにした鼈を焼き始めて
  いました。 こちらの名物です。
  ぷりっぷりの身は、焼くとさらに
  美味。

7,太巻き
  3種の鮪入り。
  ・赤身の漬け
  ・中トロ
  ・剝き身、胡麻とべったら漬け

8,飛騨牛 飛び牛
  A5ランクの中でも、飛びぬけて優れた牛。
  これは、オプションです。
  コース以外に、3種類ほどの追加アイテムが
  あります。
  
9,河豚の白子
  磯部巻き
  これもオプション。

10、八寸
  ぼんぼりの灯りが、春の夕べを
  連想させます。
  3月3日、上巳の節句で、
  もともとは厄払いだった経緯や、
  ピンクは桃で邪気払い、
  白は、雪で、清廉潔白、
  緑は、生命の息吹、
  二枚貝はふたつとして、同じ形が
  ないことや、
  流し雛の謂れも
  大将から説明されます。

  ・甘鯛の唐揚げ 甘酢あんかけ
  ・筍の木の芽和え
  ・七切り餅
  ・鯛の子 こごみ
  ・菜の花の酢の物
  ・このこ
  ・子持ちヤリイカ
  ・玉子真薯
  ・蕗

11、牡丹海老
   酢飯、
   牡丹海老の紹興酒漬け、
   雲丹。
   別皿で、焼き河豚も。

12、フォアグラ最中
  これも名物となっています。
  最中の中に、フォアグラ、
  ピスタチオ、あんぽ柿、
  ウイスキーゼリー。

13、炊き合わせ
  蛤、鯛、芹、木の芽
  葱ポン酢で。

14、蟹コロッケご飯
   蟹の甲羅がお釜の中に
   鎮座しています。

  ・香の物
  ・赤出汁

15、葛饅頭

16、お薄


お供は、日本酒
・新政 No6
・磯自慢
・満寿泉(フォアグラ最中用)
 樽熟貴醸酒


毎回、満足度が頂点です。

日本が誇れるお店ですね。


  
久々のお邪魔です。

もう何度も書いていますが、

いつもながら変わらぬ大将の素晴らしい人間性と、

お弟子さんたちとの和気あいあいとしたやり取り。

今回も、お店中が、盛り上がりました。

日本の文化や伝統、風習をお料理に組み込み、

丁寧に説明していただきます。

今ではほとんど供されなくなった技も登場。


それでは、3月の献立です。

*香煎茶

1,先付
  木箱の上には、壇香梅が一枝。
  それに、五色の紙。これは、聖徳太子の
  命日、四天王寺の精霊会に、能を奉納したところから。
  そして、貝殻が。
  これは、その精霊会に供える貝で、
  難波の浦に貝を吹き寄せる西風を、
  貝寄せ、といいます。
  蓋をとると、中の栄螺の器に、貝寄せが。
  帆立、平貝、ホッキ貝、つぶ貝、
  菜種、独活、カリフラワーと独活のすり流し。

2,蒸し寿司
  塗りのお椀で。
  トラフグの白子を伸ばしたものに、
  白海老、雲丹、白海老の唐揚げが。

3,お造り
  ・桜鱒 藁燻し
  ・障泥烏賊
  桜の葉
  ちり酢、醤油、昆布醤油で。

4,煮物椀
  大原女が頭に積んた芝の大原木を模した、
  具材。
  筍、ゼンマイ、京湯葉を干瓢で巻いたもの。
  甘鯛真薯

  完璧なお出汁です。

  お椀は、山中塗で、大将自らのデザイン。

5,鼈の唐揚げ
  定番ですが、タレに進化が。

6,太巻き
  漬け、中トロ、胡麻とべったら漬けの和え物、
  胡瓜の千切りが、ぎっしり巻かれています。

7,八寸
  名物です。
  桜をあしらって。

  ここで、節句について大将からお話が。
  1月、3月、5月、7月、9月の節句。
  それぞれ禍いが降りかからないよう、
  厄除けのためのもの。
  3月の桃の節句は、ひな人形に変わり身になって
  もらい、流し雛をしたというのがもともと。
  で、菱餅型の皿に、以下。
  ・筍と烏賊の木の芽和え
  ・編み笠柚子のゼリー寄せ
   これは伝統の料理で、皮の部分を使ったあとの
   柚子を取っておいて作るもの。
   今ではほぼ見なくなりましたが、
   昔からSDGs だったことがよくわかります。
  ・あぶらめの木の芽焼き
  ・花蓮根
  ・玉子真薯
  ・黄檗豆腐に、チーズ(醍醐味)
   今では、神奈川で1軒しか作っていない
   黄檗豆腐です。
  ・鯛子、白魚、蕗
  ・鴨ロース、鮑、花山葵
  ・子持ち飯蛸 こごみ
  ・蟹の酢の物 浜防風、

8,フォアグラとあんぽ柿、ウイスキーの最中
  名物です。
  さらに、これに、満寿泉の貴醸酒を
  合わせて。
  満寿泉の蔵元と、このウイスキーの醸造所の
  緯度が同じ、と大将。

  フォアグラのクオリティもますますよく
  なっています。

8,虎河豚の白子
  +4000円で、追加です。
  極上の海苔に包んで。
  レモンを少し。

9,鹿島の蛤と師崎の若芽
  うるい
  
10、蟹コロッケご飯
  窯の中央に、毛蟹が・・。
  お揚げを入れることから、コロッケを発想したそう。
  なんとも柔軟な発想力がいいですね。

  香の物

11、半田素麺のにゅう麺

12、若もえ
  粒あんとつくね芋のお菓子

13、お薄


日々、これだけのことを、完璧にやり遂げることが

どれほどのことか。

年末は、大将の家に、お弟子さんとその家族が

集合したそう。 その話をおもしろおかしく

語ってくれましたが、そういったリーダーシップと

人間力、チームワークがあってこその、

このお料理だと思います。


  
3か月ぶりにお邪魔しました。

こちらに伺うと、季節の移ろいと日本文化の美を

改めて感じます。

と同時に、大将とお弟子さんたちの日々の努力に、毎回頭が下がります。

「僕は天才肌ではないので、その分、努力をしなければ」と

大将は謙遜しておっしゃいますが、

いやいや、天才なうえに、ストイックなまでの努力を積み上げ、

無敵です。


今回は、5月ということで、端午の節句にちなんだ演出。

それでは、内容です。

1,香煎茶

2,先付
  入店したとき、大将が、目の前で、
  葉菖蒲と蓬の飾りを作っていました。
  剣に見立てた葉菖蒲は、邪気払いとされていた、
  とのこと。
  その飾りとともに、供されたのは、
  鮑、みる貝、平貝 
  加減酢のジュレ
  独活と茗荷

  皐月らしい爽やかな先付です。

2,お椀
  鮑、鱧、じゅんさい、こも豆腐
  
  毎回感動しますが、いいお出汁です。

3,お造り
  青森 平目
  玄界灘 アオリイカ
  おかひじき
  
  アオリイカのねっとりとした質感に
  唸ります。

  「ひょんこ」と呼ばれる瓢箪になる前の形の
  備前の器で。
   あまりに美しい造形で、飽きたらお引き取り
   したいものです。笑

4,お凌ぎ
  太巻き寿司
  具だくさんです。
  鮪の剝き身とべったら漬け
  穴子、このしろ、烏賊、卵真薯

5,八寸
  今月の八寸も圧巻です。
  美しいヤマボウシがあしらわれて。

  ・海老の治部煮 加茂茄子 芋茎
  ・本蕨粉で練った胡麻豆腐
   芝海老、雲丹、山葵
   本蕨粉、希少だそうです。
  ・胡瓜、大徳寺麩、海月の白和え
  ・鯛の笹巻き寿司
  ・皐月鱒
  ・合鴨ロース
  ・新丸十の栂ノ尾煮
  ・蓮根の酢漬け
  ・蛸の柔らか煮
  ・三度豆の胡麻汚し
  ・赤蒟蒻
  ・万願寺唐辛子にバチコ

6,フォアグラ最中
  今回は、マンゴーに加え、さくらんぼも。
  ウイスキージュレと。

7,鼈の竜田揚げ
  なんと、炭火焼あらため、
  竜田揚げとは!!
  カンボジアの塩と胡椒で。
  
  旨味がギュッと凝縮され、
  これはまた食べ応えがあります。

8,九十九里の蛤
  そら豆とゆり根の飛龍頭
  新玉葱
  コザサうるい(山形産)

  目の前で大将が鍋に、これらを順次投入。
  もう、お出汁の旨味がいただく前から伝わります。

9,新生姜の炊き込みご飯
  香の物

10、小鍋
  山菜、小芋、猪、牛蒡
  卵とじで。

11、鰻の炭火焼

  ご飯に、卵とじをかけたり、
  鰻をおかずにいただいたり、
  贅沢な〆です。

12、蓬の葛饅頭
  つるりと仕上がった葛饅頭
  中には粒あん。

13、おうす

お供は、
・ジャスミン茶
・凍頂烏龍茶


毎回、パーフェクトな接客。

楽しい会話。

日本文化を改めて呼び覚ましてくれる

料理の数々。


大将がどれほど細やかな神経か、というエピソード。

飲み物のお替りを、お弟子さんが聞いてくれました。

が、お弟子さんたちも忙しいので、数分、私のグラスが空いた状態に。

すると、大将、すかさず、裏に回り、

どうなっているのか、チェック。

ちゃんと、私がなにをオーダーしたのかも、

記憶してくれていました。

11名分に目配りを欠かさず、

大将自ら、隅々まで気をつかう、この姿勢。

脱帽です。

いつも、変わらぬ、この満足感と幸福感。

余韻に浸りながら、帰路につきました。


  
何度お邪魔しても、いつも新鮮な驚きがあり、

大将のお人柄に、心から感動します。

料理の随所に、日本文化とその美が表現され、

忘れ去られようとしている伝統を思い起こさせてくれます。


2月は、節分と初午。

いつもの八寸には、春が間近なことが感じられ、

心なごみます。

では、この日の内容です。


1,香煎茶

2,節分の升
  升には、鬼が嫌うと言われる柊の葉が。
  中には、
  菜の花、平貝、赤貝、車海老、白魚、ほっき貝
  生姜酢で。

3,お椀
  東寺湯葉をアレンジし、
  引き上げ湯葉で、蛸、白子、銀杏、白木耳を
  包んであります。
  周囲には、蕪を散らして。
  相変わらず、品のいいお出汁です。

4,お造り
  淡路の鯛
  玄界灘のアオリイカ
  塩釜の鮪
  
  芽甘草を添えて
  煎り酒とちり酢、昆布醤油の煮凝りで。

5,虎河豚の白和え
  鉄皮、白子、河豚の身、遠江、
  白菜、白葱を和えてあります。

6,せこ蟹の甲羅に
  松葉蟹、余市の鮟肝、酢飯
  出汁餡で。
  
  このあたりから、あまりの至福に
  脳内が思考停止に陥ります。

7,虎河豚の磯辺焼き
  オプション 4000円で。
  巨大な白子を、炭火焼し、
  海苔を添えて。

8,初午の八寸
  初午は稲荷のお祭りで、五穀豊穣を祝うもの。
  梅の花をあしらい、春の足音が聞こえるような 
  見事な演出。

  ・稲荷寿司
  ・蛸
  ・卵真薯
  ・クリームチーズのかつおまぶし
  ・きんこ(なまこ)の辛子黄身寿司
  ・蕗の薹の辛煮
  ・編み笠柚子
  ・からすみ大根
  ・慈姑
  ・煮大豆
  ・赤貝の紐の柚子和え
  ・伊勢海老昆布〆 花山葵 梅酢

  別皿で、鶉の焼き鳥
  タレまで美味。

9,フォアグラとべったら漬けの手巻
  いつものように、お弟子さんの笑顔とともに

10、フォアグラとあんぽ柿、ウイスキーゼリーの最中
  これも、お弟子さんの笑顔とともに

11、焼き鼈
  こちらの名物です。
  脂の甘みがたまりません。

12、煮物
  滋賀県三雲の青首鴨
  そのつくね
  
  炭火焼した鴨で、身がふわっと感じるほど
  柔らか。

13、節分鰯
  大ぶりで立派な鰯の炭火焼
  鬼おろしと

14、飛騨牛のしぐれ煮

15、ご飯
  大根入り
  香の物

16、にゅう麵

17、ぜんざい
   餅、ゆり根、さつま芋

18、お薄


お供は、梅酒のソーダ割


柊鰯(ひいらぎいわし)は、節分の魔除けとして

使われるもので、柊の小枝と、鰯の頭。

日本の各地での習慣で、門口に立て、

鬼が入れないようにしたのです。

柊の葉の棘が鬼の目を刺し、鰯の焼く臭気と煙で

鬼が近寄らないと言われていました。


確かに、そんなことを昔昔、教えてもらった気がします。

そんな懐かしい思い出が蘇りました。


非の打ち所がないお料理をいただき、

日本文化に思いを馳せる、

そんな極上の時間でした。


オープンして早4年となりました。

私も通い始めて4年になります。

毎回、そのクオリティと温かいホスピタリティに感動しますが、

今回は、なんといいましょうか、魂に訴えかけてくるような

大将渾身の思いを感じました。

新作の八寸は、日本の野山の秋景色。

あたかも、その野山に連れて行ってもらったような

錯覚に。

お椀には、美しい菊花が舞い、

名残の鮎は、きりっとこちらを見据えています。

3時間、まさに、日本の秋を満喫させていただきました。

今年は、コロナ禍の中、殺伐とした話題に終始しましたが、

このときだけは、ただただ、四季を映す日本料理と向き合い、

大将の温かさにふれる、心癒されるひとときでした。

改めて、この店の実力を実感。


さて、秋の献立です。

この日は、オプションで飛騨牛のシャトーブリアンも

いただきました。

1、菱蟹と毛蟹
  甲羅の中に、2種の蟹、オクラ、いくら、
  もってのほか菊、玉子豆腐

2、お椀
  ぐじ、松茸
  その周囲に、菊花が。

3、お造り
  鳥羽産の鰆の藁燻し ちり酢で。
  淡路産もみじ鯛   梅肉で

4、お凌ぎ
  巨大な鮪の太巻き
  3種の鮪が入っています。
  ・漬けの山葵和え
  ・中トロ
  ・すきみ
  胡麻、葱、べったら漬け

5、天竜川 子持ち鮎の唐揚げ
  カリっと揚がって、サクサク。
  頭からがぶり、です。

6、炊き合わせ
  蓮根餅、石川小芋

7、八寸
  日本の秋を映す圧巻の八寸。
  生の菊花も添えて。
  ・無花果の胡麻味噌焼き
  ・海苔、菊菜、しめじのお浸し
  ・子持ち昆布、おかワカメ
  ・ばちこ、万願寺唐辛子
  ・蛸
  ・蝦夷鮑、エリンギ、栗
  ・柿、大徳寺麩、胡瓜の白酢和え
  ・小肌と長芋、とんぶり、菊のみぞれ和え
  
   ここまでが、盛りつけで登場。

  その後、温かいものは温かいうちに、で、
  ・海老芋の唐揚げ
  ・まなかつおの西京焼き
  ・合鴨

8、あんぽ柿とフォアグラの最中
  今回からまた担当が替わり、
  とびっきりの笑顔。

9、長崎の天然の鼈焼き
  定番です。
  季節なので、今回は天然もの。

10、鍋
  クエ、原木なめこ、車海老の真薯
  お出汁がえもいわれぬ高貴なまでの品のよさ

11、飛騨牛シャトーブリアンの炭火焼
  これは+4000円でオプションです。

12、松茸ご飯

13、お雑炊

14、焼き栗きんとん

15、お薄

お供は、梅酒のソーダ割。


間違いなく、世界に誇れる日本料理の名店です。



3か月ぶりの訪問です。

いつもながら、お料理のクオリティはもとより、

大将とお弟子さんたちの温かなホスピタリティには、

感動すら覚えます。

これだけ、毎回、一定以上のクオリティを保つのは、

並大抵なことではないと思います。


おかげさまで、今回も、本当に気持ちよく、

初春のお料理を満喫し、居ながらにして、

お花見をさせていただきました。

ちなみに、時節柄、大将もお弟子さんたちも

マスク装着。

お料理が登場する前に、大将は、立派な

鮪の仕込みを目の前で始めました。

青森 深浦産。

こうして食材が調理されるのを見ていると、

否応なく食欲を掻き立てられます。笑


では、この日の内容です。

1、香煎茶

2、蝦夷鮑、車海老、平貝、胡麻豆腐、
  千社唐(茎レタス)を煮こごりで。

  車海老の赤が鮮やかで、春らしい一皿。
  胡麻豆腐は、ふだん蕨粉を使用するそうですが、
  今回は葛で。

3、お椀
  芝海老と蛤の2層の真薯
  バチコ、春蘭をトップに、
  若芽をたっぷり。

4、お造り
  ・鮪(福浦)  塩と酢橘で
  ・鮃(玄界灘)

5、対馬の穴子としば漬けの飯蒸し
  梅酢で。
  梅が春の香り。

6、八寸
  名物、八寸。
  枝付きの桃の花があしらわれ、
  菱餅の形のお皿で、まさに春爛漫。

  ・子持ち昆布
  ・蛸
  ・蕗とこのわた
  ・ぬた和え
  ・梅紫蘇人参
  ・梅肉の甘煮長芋
  ・菜の花
  ・蓮根酢漬け
  ・鴨のロースト
  ・白魚
  ・卵真薯
  ・みる貝と独活の酒煮

  別皿で、
  ・海老芋の唐揚げ
  ・鮪とべったら漬けの手巻き寿司
  ・フォアグラとあんぽ柿の最中

7、虎河豚の白子焼き
  立派な白子で、海苔と一緒に。

8、焼き鼈
  名物です。
  下仁田葱と。

9、伊勢海老、蛤、若芽(師崎)
  海老の味噌の出汁が秀逸です。
  蛤の塩気だけで、
  出汁の旨味が活かされています。

10、氷魚と蕨の炊き込みご飯
  香の物

11、半田素麺
  伊勢海老の二番出汁で。
  卵とじで。

12、菓子
  うすいえんどうとつくね芋

13、お薄


お供は、梅酒のソーダ割。


本当に、気持ちよく完食させていただきました。

永遠に通い続けたいお店です。


  
半年ぶりの訪問です。

いつもながら、大将とお弟子さんたちの

気持ちのよい接客に感動します。

東京に移って3年。

初心を忘れることなく、いつも

きめ細かい配慮と笑顔を忘れない大将の

姿勢には脱帽のみ。


この日も、里の秋を感じさせる八寸を初め、

秋の素材を存分に使った料理の数々。

それでは、内容です。


1、香煎茶

2、雲丹豆腐
  大きな芋の葉にのって登場。
  雲丹豆腐の上には、-60度で瞬間冷凍した
  牡丹海老が。
  雲丹の固さと、豆腐の固さを合わせるための
  工夫が施され、はかない柔らかさに。

3、お椀
  くみ上げ湯葉を引き上げ湯葉で巻いて
  揚げたもの。
  明石の鯛
  蓮根
  佐久の松茸を千切りにし、香りを
  出しています。

4、お造り
  ・塩釜の鮪
  ・北海道の鮃

5、渡り蟹の飯蒸し
  たっぷりのいくら、銀杏、菊花

6、子持ち鮎のから揚げ
  かぼす
  

7、八寸
  秋草と虫籠をあしらって。
  ・戻り鰹 玉葱醤油
  ・菱蟹(渡り蟹)とラフランス
  ・海老芋のから揚げ
  ・無花果の胡麻和え
  ・玉子真薯
  ・丸十
  ・蓮根の酢漬け
  ・トマトと黄身酢
  ・エリンギから煮
  ・鶉卵の味噌漬け
  ・サーモンの長芋巻き
  ・合鴨ロース
  ・丹波の黒豆
  ・小芋
  ・大徳寺納豆
 
8、鮪の手巻き寿司

9、ポルチーニの揚げ物
   粉とチーズで
   菜種油なのですっきり

10、フォアグラとあんぽ柿の最中
   ウィスキーのジュレ入り
   いつものですが、担当が変わりました。

11、焼きスッポン
   元祖、です。

12、鱧と松茸
   ちり酢で。
   出汁がえもいわれぬ旨味。

13、鰻のから揚げご飯
  香の物

14、にゅう麵
    12の出汁で。

15、栗きんとん

16、お薄


お供は日本酒
・醸し人 九平次 純米大吟醸 2018
・高砂 純米大吟醸 生酛


コースは、26000円。


料理の美しさ、おいしさだけではなく、

終始、飽きさせることなく話かけてくれる

大将の優しいお人柄が、心にしみます。
  
   
東京一の人気店になったこちら。

東京移転のときから定期的にお邪魔していますが、

これだけの高い評価を得ながらも、まったく変わらず、

謙虚な姿勢と勉強熱心な大将の姿勢に、毎回感銘を受けます。

お弟子さんたちとの、和やかなやり取りも、ほほえましく、

名実ともに、日本を代表する名店です。


この日は春爛漫。

お料理も、日本の春を愛でる、素晴らしい内容でした。

感動、その一言。

今回は、通常のコースに、大将のおすすめを2品追加

しました。

では、内容です。

1、香煎茶

2、山口の赤貝、北海道の雲丹、葉の花
  鮃とボタン海老の出汁のジュレ

3、お椀
  ホワイトアスパラガス(ペルー産)
  バチコ (淡路で特注で作っているもの)
  毛ガニ真薯

  相変わらず、研ぎ澄まされた、そしてなおかつ
  優しいお出し。

4、お造り
  紅葉と桜の結びの器で。
  青森の鮃
  八丈島の鮪 (中トロ)
  北海道 ボタン海老

  土佐醤油(九州チョーコー醬油、大分の酒、鰹節)
  酢橘醤油
  海藻と醤油のジュレ

5、トラフグの焼白子と蒸し寿司
  一番出汁の餡、ちり酢

6、八寸

  いつ見ても、こちらの八寸は圧巻。
  今回は、桜を見事にあしらって、まさに春そのもの。

  *筍の木の芽和え
   木の芽100%ということで、しっかりした味わいと香り
  *平貝、ほっき貝、本みる貝、独活、浜ぼうふう
   黄身酢
   合わせ蛤の器で

  *2本の串に
   ・赤蒟蒻
   ・金山寺味噌ときゅうり 
   ・富山滑川の蛍烏賊の藁炙り
   ・卵真薯

   ・蓮根の酢漬け
   ・鯛の子
   ・蛸の桜煮
   ・スナップエンドウ豆

7、マンゴーとフォアグラの最中

8、手巻き寿司
  鮪とべったら漬け

9、京都衣笠の白子筍と花山椒
  まだそれほど白くないものの、さすがの仕上げ

10、トラフグの焼白子

10、焼すっぽん
  「これだけ、毎日すっぽん焼いている人、
   いないんじゃないかな」と大将。大爆笑
  と、おっしゃるとおり、滋賀のお店のころから
  始まった名作です。

11、徳島美馬郡の半田素麺
  山菜天ぷら
  柚子出汁

  美馬郡は、大将のお父様の出身地とのこと。
  鰹、味醂、薄口しょうゆの出汁が素晴らしい。
  父上へのオマージュでしょうか。

12、アカモク、蛤、花山椒
  蛤の出汁で。

13、滋賀三雲の尾長鴨
  大将の出身地の鴨です。
  もう季節は終わりですが、極上。

14、生姜飯
  まずは、そのまま。
  その後、フカヒレと伊勢海老の餡をかけて。

15、桜きんとん
  つくね芋と粒あん、桜の葉

16、お薄


お供は、日本酒
1、しのはら 
  土浦、廣瀬商店のものですが、こちらのために、
  特別に、150本だけ火入れしてもらっているもの。
2、煌凛
  純米大吟醸 蔵出し数量限定
  無濾過生原酒
3、五橋
  西都の雫 純米吟醸 生原酒 しぼりたて

  それぞれに個性際立つお酒でした。


まさに、「神は細部に宿る」料理の数々。

この瞬間に全力投球する大将の姿勢に感銘を受けます。


  
4か月ぶりの訪問です。

相変わらず、爽やかで、にこやかな篠原さんの笑顔に

迎えられ、もうそれだけで、極上な気分になります。

この日は、秋真っ盛りの料理。

日本の秋の風景が眼前に広がります。

いつものことながら、お弟子さんたちとの掛け合いが

面白すぎました。 そして、大爆笑になってしまった瞬間が。

あの最中が登場したときのこと。

いつも満面の笑顔で出してくれるお弟子さんと

最中を一緒に撮影させていただいていますが、

画面の中に、急に篠原さんがす~~~っと入って

きたのです。しかも、憮然とした表情で。

「なにげに、お茶目じゃないですか!!」と言うと、

「こいつばかりが、最近めだっちゃって」とのこと。

ここで、わかる人はわかったので、大爆笑。

本当に、こうして和ませてくれる気遣いに脱帽です。

そんな和気あいあいとした雰囲気で楽しませて

いただきました。

この日秀逸だったのは、鼈の炭火焼き。

篠原さんが滋賀時代に始めた、とのことで、

これはもう、文字通り骨の髄までしゃぶりたくなる

美味しさです。

では、この日の内容です。

1、香煎茶

2、秋茄子のいりこ出汁煮

  落ち茄子と言われる時期。
  ここで味が濃くなってきます。

3、穴子の苞蒸し
  藁の器に、栗と銀杏の入った飯蒸し
  その上に穴子が。

4、鮑
  茨城産の蝦夷鮑。
  真空にして蒸し、鮑の出汁だけで作っています。

5、お造り
  伊勢海老のあらい 日向産
  黒まぐろ     三厩
  はり烏賊     明石

6、冬至湯葉のお椀
  引き揚げ湯葉で汲み上げ湯葉をくるんだもの。
  紅ずわい蟹の真薯
  松茸

  篠原さんの師匠は、湯葉で真薯をくるんでいたそうですが、
  これはオリジナル。

7、八寸
  今回は、鈴虫の籠に、すすき。
  籠を開けると、
  *トマトの浅漬けに黄身酢
  *丹波黒豆の紹興酒漬け
  *きぬかつぎに塩
  *万願寺唐辛子の焼きびたし
  *菊の花ととんぶりの酢の物
  *岩茸 (断崖の岩に生息し、成長するのに100年
       かかる、とのこと)
  *栗の甘露煮
  *柿の胡麻ダレ

  別の器に
  *毛蟹の酢の物
  *もどり鰹の玉葱醤油漬け

7、最中
  フォアグラとあんぽ柿

8、鮪とべったら漬けの手巻き寿司

9、松茸
  これはオプションで、+3500円
  もう季節的には遅いのですが、
  この開きの松茸のほうが味がいいと。

10、鼈つけ焼き
  骨つきで焼くとこの味が出るそうです。
  脂身までコクと甘味があります。

11、無花果のごま味噌焼き

12、合鴨の治部煮
  新潟の合鴨。
  土鍋で仕立てていきます。
  白麗茸、トキイロ平茸など9種類の茸と、
  鴨とつくね

  鴨は、塊のまま炭火で周りに焼き目をつけ、
  氷水に。 それをカットします。
  出汁は茸から。

13、子持ち鮎 から揚げ

14、上海蟹土鍋ご飯  
  丸ごとの上海蟹が3つ並んで登場。
  これはもう反則的美味。

15、新蕎麦の鴨南蛮
  さきほどの鴨汁と。

16、栗きんとん

17、お薄

お供は、日本酒
*江戸開城
*神指蔵 中取り

このクオリティを持続していくことが

どれだけの精進の賜物か、と思うと、

頭が下がります。

日本が誇るお店ですね。
  
  
何度お邪魔しても、毎回、驚きと感動を味わうことが

できる、篠原さんの料理。

この日は、憂鬱な梅雨さえ、「美」と「雅」に

変えてくれました。

相変わらず、温かなホスピタリティと

お弟子さんたちとの和やかなやり取り。

食事の最中にも、お客さんたちから

しばしば笑いがおこり、楽しい宵です。


では、この日の内容です。

まずは、香煎茶。 
金継ぎのしてある茶碗で。
東京にいらしてからの歳月を感じます。

1、氷室の神事

  器の中には、2月から氷室で保存した氷と
  榊。 暑気払いです。
  榊を取ると、銀のかわらけに、
  長芋羹と一寸豆、
  少し炙った伊勢海老。
  割り醤油の煮凝りで。

2、大原の鮑
 
  鮑の水分を水蒸気に変え、鮑の旨味だけを
  閉じこめています。
  独活の酒煮と。
  「ひょんこ」と呼ばれる瓢箪の子供の形の
   備前焼の皿で。

3、お椀

  アコウ、新蓮根、加茂茄子、
  黄韮、実柚子

  相変わらず、秀逸なお出汁。
  アコウの旨味も感じます。

4、お造り

  境港 巻き網の鮪
     鮪不毛の時期ですが、
     大将は、この時期がいいと。
  鳥貝
  おあり烏賊  玄界灘

  昆布醤油と、すだち塩で。

  器は、140年前のバカラ

5、夏越しの祓
  茅の輪くぐりの八寸

  最近、これをいただくと、夏の到来を
  感じます。
  「茅の輪に、手だけでも通してくださいね」
  と、大将。 

  *滋賀 日野町(大将の出身地)の天然じゅんさい
   とシュガートマトの酢の物
  *茗荷と鯛の寿司
  *香茸の辛煮
  *ウズラ卵の麹味噌漬け
  *才巻のキャビア詰
  *オクラ 芥子味噌漬け
  *胡瓜に金山寺味噌
  *玉蜀黍のかき揚げ
  *佐島の蛸
  *卵真薯
  
  *くじらベーコン うねす(顎下)

  ひとつひとつ手間暇をかけ、
  高い技と美意識を感じます。

6、フォアグラとマンゴーの最中

  お約束の最高の笑顔。  
  写真、昨年との違いをみてください。

7、長良川、郡上八幡の鮎

  この時期の鮎は、まだ苔を食べていない
  ので、香りにはちょっと早い、との
  ことでしたが、たっぷりの蓼酢をつけ、
  頭からがぶり。
  火入れが抜群です。
  
  琵琶湖天然鰻の八幡巻と。

8、鮪、烏賊とべったら漬けの手巻き寿司

  赤酢2種に千鳥酢のしゃり

9、あげまき貝 炭火焼き

   福岡産
   生醤油で。

10、すっぽんのから揚げ

   一度炊いて下味をつけ、皮を柔らかくして
   粉をつけて唐揚げに。  
   味が凝縮しています。

11、新作「蛤と鱧」
  
   「先週、ふと思いついた」と、大将。

   桑名の蛤と淡路の鱧のしゃぶしゃぶ
   玉ねぎで出汁。
   出汁は玉ねぎの甘味と、蛤、鱧の
   出汁で、えもいわれぬ旨味。
   玉ねぎでつなぐのがミソ。
   この組み合わせ、最強です。
   蛤がぷっくりして、焚いてもなお
   大きさが変わりません。
   ちり酢で。

   ちなみに、この日は、大将が、目の前で
   鱧の骨切りを。

12、新生姜ご飯

   新生姜はゆがいて、さらし、
   さらに、新生姜を炊いたスープで、
   ご飯を炊いています。

13、半田麺のにゅう麺

   スッポン、蛤、鱧の出汁に、
   アローカナと烏骨鶏の卵をかけて。
   卵の殻は、水色です。

14、また、ご飯

   上記の麺を食べ終わったお出汁に
   また、新生姜ご飯を。
   止まりません。

15、あじさいのきんとん

   見目麗しいあじさいのお菓子
   最後まで、「梅雨の美と雅」を
   楽しませていただきました。

16、お薄

17、メロン


お供は、
1、梅酒のソーダ割り
2、NOTO  純米大吟醸
  口当たり柔らかで、ふくよか。

 
 毎回思いますが、いつも、心豊かに、穏やかな

 気持ちにさせてくれる篠原さんの料理。

 大将のお人柄が、そのままお料理に映されています。



この日も、爽やかな篠原さんの笑顔に迎えられ、着席。

前回、前々回は私の隣りが某有名シェフだったのですが、

なんと、またもや、ジンクス勃発。 今回は、知り合いのレビュアー様でした。

そんなことで、またまた和気あいあいと篠原劇場の始まりです。

いつもながら、大将とお弟子さんたちの掛け合い漫才(?)も

おもしろすぎで、店内が笑いに満ちます。


今回の八寸は、過ぎてゆく里の秋。 なんとも哀愁に満ちて、抒情豊か。

ため息がでます。

今回初めていただたい藁苞蒸しには、守備範囲の奥深さを改めて実感。

本当に毎回楽しませていただきます。

では、この日いただいたもの。

1、先付           厚切りの子持ち昆布、おか若芽、
               伊勢の車海老、あわび茸、大間の蝦夷鮑、とんぶり、
               菊花を酢でよせたもの

2、煮物椀          境港の松葉蟹真薯、大根

3、お造り          明石の鯛
               舞鶴のアオリイカ
               長崎のとらふぐ 身厚です。チリ酢で。
               大間の釣りの黒鮪
               浜防風

4、藁苞蒸し         藁の中に栗と銀杏の飯蒸し、
               その上に、対馬の大穴子

               かつて、献上品を藁で包んでクッションがわりに
               したとのこと。
               藁の香りが飯に移り、鼻腔をくすぐります。

5、八寸           逝く秋を惜しむ里の風景です。
                柴垣に照葉が散っています。
               
               紅白柿なます
               白髪海老 (伊勢海老の蒸したもの)
               いちじくのゴマダレ
               海老芋のから揚げ
               茄子、キャビア、スコティッシュサーモン、
               長芋、柚子を巻いたもの
               上海ガニとほうれん草のお浸し
               大徳寺麩と芥子
               水口かんぴょう
               丸十
               卵真薯

6、鮪とべったら漬けの手巻き寿司  

7、フォアグラとあんぽ柿の最中    お弟子さんの笑顔、かわいいです。
                   (写真、見てください)

8、焼き白子のあんかけ     2つの白子をいただきますが、
                ひとつには、葱と黒七味。
                これをいただいたあとに、もうひとつに、
                白トリュフをあとからのせてくれます。
                最初からトリュフの香りだけにならないように、
                との配慮。 増量までしていただきました。笑

9、本もろこ          岐阜産を泳いだままお店まで。
                まだ泳いでいるところを見せていただきました。

                篠原さんのお子様たちが河原で集めた平たい石を
                アツアツに熱し、その上に、本もろこを。
                まるで泳いでいるかのように。
                千鳥酢と赤酢で。

10、柚釜焼き         大きな柚子の中には、雲丹、原木なめこ。
                柚子ごと目の前で焼き、供されます。
                苦みを楽しむ一品。
                実は、雲丹も原木なめこもそれぞれ個別に仕事が
                してあります。
                これも、唸ります。

11、ぼたん鍋         滋賀、湖南の三雲産猪に、芹を鍋で。
                 まず、鍋を火にかけたとたんに漂うお出汁の芳香。
                 猪をいれたあと、また漂う別の芳香。
                 猪は、わずかなかみごたえを感じつつも、
                 柔らかく仕上がり、芹のシャキシャキと
                 素晴らしい相性。

12、ご飯           土鍋に蟹の甲羅。
                よく見ると、甲羅の下には、真ん丸の蟹コロッケ。
                それを混ぜて、
                1杯目  生卵と
                2杯目  スッポンのスープで炊いたフカヒレ餡と
                3杯目  ぼたん鍋の出汁の雑炊
                香の物 3種

                いくらでも入ってしまう美味しさです。

13、丹波の栗きんとん

14、お抹茶

お供は、

梅酒のソーダ割り
日高見
土浦 小野の里の40%の精米の山田錦で吟奏の会の大吟醸
        極寒の時期に長期低温発酵させながら、じっくり
        醸しだしたという極上品です。米の旨味がまったり、と
        しかしキレもある、素晴らしい日本酒です。

 またもや、実に楽しい時間でした。

 この温かさ、えがたいものがあります。

3回目の訪問となりました。

いつもながら、入った瞬間から、気持ちのよい挨拶と大将の笑顔。

東京に出店して、こんな猛スピードで超人気店になったわけですが、

大将の温かなホスピタリティと気配りは微塵も色あせることなく、感心します。

前回、たまたま、某有名料理人さんが私の隣りだったのですが、

今回も、TVによく出演されている某有名料理人さんが隣りでした。

という話をしたら、

大将 「あ~~、偶然ですね~~」

某有名料理人さん 「あなたが席、決めてるんじゃない!!」 

一同、大ウケでした。

さて、この日もどんな篠原劇場が展開するのか、ワクワクします。

大将から最初に一言。 「きょうは、とてもいい素材が入ってますよ~~~」といって、

活きボタンエビをたくさん抱えて見せてくれました。

それでは、始まりです。

1、活きボタンエビ         つるべ落としの箱を開けると、中にギヤマンガラスの丸皿。
                  活きボタンエビ、玉子豆腐、天然じゅんさい、長崎の赤雲丹
                  軽く酢をしてあります。
                  活きボタンエビが限りなく透明。

2、煮物椀             噴火湾の毛蟹真薯
                  オクラのすり流し
                  毛蟹の味の凝縮感と、オクラのさっぱりがマッチング

3、お造り             宮城のマコガレイ
                  釜石の黒まぐろ  
                  五島のアオリイカ

                  まぐろは、昆布と醤油の煮凝りで。

4、鮑               この日の目玉は、鮑なのでしたが、これは、メガイでまだまだ、とのことで、
                  あとで、もっとすごい鮑がでます、とのこと。
                  柑橘のソースで炒めた鮑と、スッポンスープの焼き粥。
                  もう、頬が落ちます。 なのに、「まだまだ」だそうです。

5、八寸              いつものように、すごいラインアップです。
                  しかも、今回は、6月ゆえ、大皿に、茅の輪くぐりを模した飾りを。
                  目を見張ります。 はは~~~、こうくるか!!です。

                  里山の風景の中は、

                  *白和え    胡瓜、クラゲ、大徳寺麩
                  *岩もずくと白瓜  (サザエの器に)
                  *一寸豆 このわた (琵琶の器に)
                  *卵真薯
                  *琵琶湖のすっぽんと、北海道のドジョウの揚げ物
                  *明石の穴子
                  *三雲の天然いのししのロースト
                  *菜の花のからし和え
                  *佐島の蛸の柔らか煮
                  *椎茸と庄内麩とチーズ
                  *トマト
                  *車海老

                   満喫です。

6、最中              フォアグラとマンゴーです。

7、鮎と鰻             近江八幡の鮎と、琵琶湖の鰻の木の芽焼き

8、とり貝             舞鶴産をフライに。
                  なんと、とり貝のフライ!! 味がぎゅっとします。

9、鮑と鱧の鍋           この鮑がこの日の目玉。 勝浦の黒鮑。
                  ものすごく上質なものを築地で選定、とのこと。
                  大将、ちょっとドヤ顔でした。
                  生の鮑と蒸した鮑の2種を盛り付け。
                  蒸した鮑が圧倒的に美味ですが、生を入れないと
                  出汁がでない、とのこと。 考えつくされています。

                  露地のうるい。 春のハウスのうるいとはまったく味が異なり、
                  ほろ苦さが心地よいです。

10、ご飯3種           1、新生姜の炊き込みご飯
                       立ち上る香気がすばらしい。
                  2、スッポンスープで炊いたフカヒレあんかけご飯
                  3、鮑と鱧の鍋の出汁で炊いた雑炊

                  これを全部いただいたあと、新生姜ご飯のおこげを少し。
                  おこげを盛り付けている大将の頭をじーっと見ていたら、
                  視線を感じたようで。笑

11、ご飯のお供          1、飛騨牛の時雨煮
                  2、賀茂ナスと石川小芋の炊き合せ
                  3、香の物

12、お菓子            あじさいきんとん
                    透明なしずくのような羹に、きれいな薄紫のあじさいが。

13、お抹茶


お供は、  1、梅酒のソーダ割り
      2、江戸開城   港区の日本酒
      3、愛しぼり
   
        日本酒用のオールドバカラコレクションが素敵なものばかりです。


 またまた期待をはるかに超えてくれました。

 これだけの技量と接客。 表にはでない計り知れない努力の賜物かと。

 大事にしたいお店です。


破竹の勢い、というのは、今の篠原さんのためにある言葉でしょうか。

あれから3か月。 楽しみに再訪しました。

そして、また、その天才ぶりを目の当たりにしてきたのです。

「2回目の関門」がある、と私は思っていますが、1度目があまりにいいと、

期待がものすごく膨らんでいて、「あれ?」ということがままあるのですが、

そんな関門を心配する必要はまるでなかったです。

さて、この日のお料理です。

まずは、香煎茶でお浄め。

1、胡麻豆腐     胡麻豆腐の上に、雲丹、伊勢海老、蝦夷鮑、
           岩茸、白魚、土佐酢の煮凝り
           大根と人参、それに、環柳といって柳を輪にした
           ものを添えています。
           鶴が羽を広げたお皿で、1月らしく。

2、お椀       焼き餅、松葉蟹真薯、青味大根、神馬藻
           金箔が光り輝いています。
           「しのはら」のお雑煮、だそうです。

3、お造り      明石の針烏賊  すだちで
           大間の黒まぐろ 昆布醤油の煮凝りで
           玄界灘の鰆   藁で炙り
           キャビア 

4、蒸し鮨      滋賀の米を蒸したものの上に、
           羅臼のこもこ
           餡
           これが柚子釜で。

5、八寸       琵琶湖の本もろこ 炭火焼き
           なまこ
           蕗をこのわたと
           とらふぐの白子
           蒸した玉子 真薯と熨斗梅
           佐島の蛸
           姫くわい
           酢蓮根
           穴子
           海老芋にこまき海老
           子持ち昆布

           本もろこは、泳がせてお店まで届くとのこと!!

6、最中       中身は、出汁で炊いてよせたフォアグラ
           と、あんぽ柿

7、春巻き      すっぽんのエンペラとフカヒレ
           すっぽん出汁の餡
           中身アツアツで。

8、骨付きすっぽん  炭火焼きで。
           すっぽんは炭火焼きにすると、
           これまでいただいていたすっぽんの
           概念がかわります。
           京都一味屋の山椒がいい香り

9、月の輪熊     芹とともに、鍋で。
           きれいな脂身。 ほのかな甘味が。
           スープは、熊の赤身と脂を煮出したもの。
           もう、なにもいえません。

10、ご飯      赤アマダイと蕪の菜飯し
           1、まずは、そのまま
           2、次に、これに汲み上げ湯葉と餡をかけて
             餡は、最初に出た伊勢海老の頭の出汁

11、熊のスープ   かきたまで。

12、あけぼの    周囲は、つくね芋
           中身は、百合根と卵
           美しい薄紫です。

13、抹茶

力強さと繊細さをもって、真冬を表現する、天才の技でした。

お供は、梅酒のソーダ割り、「紀土」「日高見」



滋賀から銀座に移転して、わずか1か月で、予約至難なお店に。

驚異です。

しかし、篠原さんのお人柄を知る人は、これは不思議でもなんでもない、と思うでしょう。

まだ若き篠原さんですが、天から授かったなにかをお持ちだと確信するオーラを放っています。

この1か月、お店と家しか往復してないので、「渋谷ってどこ??」状態だとか。

そんなことを言って、笑わせてくれます。

着席すると、まずは、お香煎でお浄めを。 

さて、料理です。 コースは23000円。

フランチャコルタで乾杯。

1、玉子豆腐、活きボタンエビ、〆あかざ海老            その上に、赤雲丹、キャビア、白、青の海老の卵
                                 割り醤油のジュレ
                                 とにかく、卵のオンパレード。 これでもか・・・とスタート。
                                 あかざ海老の卵の青が、まるで人工物のように鮮やかな青です。

2、大原メガイの鮑                        真空で蒸し、調味は一切なし。 本当に鮑の旨みだけです。
                                 肝和えご飯と。
                                 なるほど、鮑の旨み直球勝負はすごい。

3、お椀                             冬瓜、舞茸、噴火湾の毛蟹のしんじょ、
                                 利尻一等昆布の出汁
                                 さすがのお出汁でした。
 
                                 お椀は、表千家、不審庵の欄間の踊り木を椀に写したもの。
                                 すばらしいお椀です。

4、お造り                            ひらめ 昆布をあてたもの
                                 明石の針烏賊  深めの包丁で、甘味を引出しています。
                                 ちり酢

5、天然の琵琶鱒                         藁で燻してあります。
                                 東京では、こちらでしか、食べられないとか。

6、大間 120kgの赤身                    昆布と醤油の煮凝りで。
                                 これは、特上品。
                                 「鮪が一番おいしかったと言って帰った人がいたんですよ」と
                                 篠原さんが嘆いていました。

7、八寸                             美しい信楽焼きの大皿に。
                                 まるで、秋の野山のような演出です。

                                 鮟肝
                                 銀杏揚げ
                                 琵琶鱒しらこ和え
                                 ほうれん草としめじのお浸し
                                 サツマイモ
                                 卵しんじょ
                                 かんぴょう
                                 穴子
                                 生麩(庄内麩)に、醤油焼きのクリームチーズ
                                 柿なます
                                 蛸のさくら煮

                                 これは、ひとつひとつに丁寧な仕事がしてあり、本当に楽しめます。

8、琵琶湖の鰻                          白焼きとタレ焼きで。 地焼き、と言われる焼き方。
                                 きぬかつぎ、大徳寺納豆

9、賀茂茄子                           落ち茄子と言われる時期のものを、いりこの出汁で。

10、いのしし                          原種に近いいのししを、うずらの焼き鳥のタレで。
                                 滋賀、三雲あたりの深い山の中のイノシシだそうです。
                                 鬼おろし、菊の花、モンゴルの塩
                                 原種に近いわりには、臭みはまったくなく、やわらか。

11、最中                            フォアグラと杏

12、いちじくの胡麻味噌焼き                   いちじくと胡麻味噌がものすごくよくあいます。

13、すっぽん鍋                         鱧と松茸たっぷりと。
                                 

14、上海蟹ご飯                         上海蟹まるごとを炊き上げ、きれいに身と味噌をほぐして、ご飯に。

15、栗きんとん

16、抹茶

お酒は、「鍋島」と「角右衛門」。

オールドバカラのコレクションから、バカラらしいデザインをチョイス。

料理はもちろんですが、登場するお皿、器、お椀の美しさに目を奪われました。

信楽が多いのですが、篠原さん曰く、信楽のいい土は、全部たぬきになってしまって、もういい土がありません。

残念なことです。

大いに笑い、心行くまで、滋賀由来の日本料理を楽しみ、秋の宵が更けていきました。

もちろん、次回の予約も忘れずに。


                                 

  • 八寸
  • 漬けの握り
  • 琵琶湖の鮎

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7位

さわ田 (銀座、東銀座、銀座一丁目 / 寿司)

7回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.1
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.7 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥30,000~¥39,999

2019/10訪問 2019/11/09

凛とした空気と寿司

半年ぶりにお邪魔しました。

いつもながら、店内には、凛とした空気が流れ、

一点の隙もない清潔さ。

毎回思うのですが、入店してすぐと、始まりは、

大将の表情が固いのですが、

すぐに、話がよどみなく、かなりの冗談も

飛び出しながら、盛り上がっていくのです。

カウンターは6名のみ。

お昼は、握りのみで、28000円のコースです。

この日も、名残、旬、走りのタネを使い分け、

手をかけた江戸前の仕事をしていく大将。


では、内容です。

1、鮃

2、墨烏賊

3、赤貝

4、細魚 昆布〆

5、しまあじ

6、蛸 桜煮 蔵かけ

7、いくら

8、漬け
  244kg 大間1本釣り

9、中トロ

10、しもふり

11、大トロ

12、こはだ

13、蒸し鮑 佐島

14、小柱

15、車海老

16、鯖  八戸 

17、みる貝  伊良子

18、迷い鰹  舞鶴 藁焼き

19、ヤリイカの新烏賊 印籠詰め
  酢飯は海苔、ごま、干瓢

20、炙り大トロ
   並べた砂づりの上部に、炭をかざして炙ります。

21、べったら漬け
  季節が始まったばかり

22、雲丹  昆布森
   目の前で、塩水から出します。
   かなりの量の軍艦

23、穴子

24、玉子


お供は、日本酒。
・奈良 千代  純米吟醸
・宮城 伯楽星 特別純米


名物の大トロの炙りを作っているときには、

「本当は、バーナーでやるんですけどね、

うち、バーナー買うお金がないもんで」

なんて言う大将に、一同大笑い。

軍艦ができた謂れや、

印籠詰めの歴史など、

毎回、江戸前の仕事の背景などを

話してくれます。


最高の素材に、熟練の技術。

毎回異なる女将のデザインによる手ぬぐいには

里の秋が描かれていました。
数か月ぶりにお邪魔しました。

お昼は、握りのみで、この日は、24貫。

かなりのボリュームです。

研ぎ澄まされた、ストイックささえ感じる

凛とした寿司。

大将は、2時間くらいの間、随所に目配りをしながらも、

中盤戦あたりから、ジョークを飛ばし、大笑いさせてくれます。


江戸前伝統の技を受け継ぐ寿司で、

名残、旬、走りを感じさせていただきました。

では、この日の内容です。

1、鯛      1晩寝かし
2、アオリイカ  10日寝かし
3、赤貝
4、さより    昆布〆
5、鰆      藁燻し 3日塩、3日酢漬け
         鰹の技を鰆に応用
6、蛤
7、鮪漬け    八丈島で獲れた198kg
         下田に揚がり、18日熟成
8、中トロ
9、中トロと大トロの間
10、蛇腹
11、小肌     名残
12、鮑
13、赤雲丹    唐津
14、車海老    大分
15、シマアジ   初物
16、小柱     
17、白魚     桜の葉で蒸す
         奥相模の桜の葉
         ほんのわずかの期間のみ
18、みる貝
19、鰹      走り
         燻し
20、烏賊の印籠詰め
21、大トロの炙り
22、馬糞雲丹   羅臼
23、穴子     塩とたれ
24、玉子


お供は、日本酒
1、からはし
  福島の純米吟醸
2、伯楽星
  宮城の特別純米


前月の1日からの電話予約のみで、ネットなどに対応

していませんが、大将はなぜそうしているのか、

経験してきた苦労話を面白おかしく語ってくれました。

名店ならではの、ご苦労をかなりされています。

客側のモラルもきちんと守りたいものです。


春の寿司を満喫した、いい時間でした。

(写真撮影不可)

久々に伺いました。

相変わらず凛とした空間。

チリひとつなく、神社のような清々しささえ感じる店内です。

大将の素材を選ぶ目は、とても厳しい、と河岸でも評判。

これだけのクオリティを毎日維持することは

並大抵でないことを、いつも感じます。

この日は、お昼に伺ったので、握りのみ22貫。

上質な車海老を目の前に、

「今月下旬が最後ですね~~。

 あとは、深いところに行っちゃうんですよ」

と、魚のことをいろいろ教えてくれます。

走り、旬、名残を縦横に感じさせてくれる構成で、

いつもながら楽しめます。

それでは、この日いただいたもの。

*平目
*鱚    1時間昆布〆
*墨烏賊
*赤貝
*鰤
*蛸    酒とざらめで2時間半煮たもの
*いくら
*漬け   大間 186kg  
*中トロ
*中トロと大トロの間
*大トロ
*小肌
*鮑    佐島
*紫雲丹  大間
*車海老  
*鯖
*みる貝
*鰹の藁焼き
*炙り大トロ
*馬糞雲丹 昆布森
*穴子
*玉子

お供は、霧筑波の純米大吟醸。


優れた技とホスピタリティに、いつもながら、満足感が

高いです。
この冬に続き、またまたお邪魔してきました。

店内の凛とした空気は相変わらずですが、

心なしか、春を感じる和やかさを感じます。

江戸前伝統の技を、旬の貝や春の魚にのせて、

大将の技がさく裂します。

鰆や鰹の藁焼きは、大将のこだわりが。

米と藁は、同じ作り手の方から入手しているのです。

藁焼きの藁は、農薬を使用しているものだと、

香りがひどいので、天日干しをしているものを

使用。 

藁で燻すのも、米との関連性から、寿司屋の

こだわり、だそうです。


夜は、35000円のコースです。

カウンター6名席で、この日、私以外は、

すべて海外のお客様。 ですが、もうすぐに

友人のように打ち解けて、大将や女将をまじえて、

なごやかな食事となりました。

では、この日の内容です。

つまみ
1、蚕豆
2、まこがれい
3、鳥貝
4、アオリイカ(呼子)3週間熟成
5、赤雲丹 (唐津)
  産地の近い上記4,5を一緒に
  いただくなどの楽しみ方を。
6、鮑(大間) 3時間蒸し、その出汁と
  鮑の肝
7、炙り〆鯖
  この時期、鯖は旬が終わっていますが、
  相模湾の根付きを。
8、鰆 藁焼き
9、鮪
  那智勝浦 195kg
  8日熟成
  霜降に大間の紫雲丹をつけて
10、蛸
   2時間煮たもの。蛸からの色が  
   出汁にでて、真っ黒です。
   大将がずっと使い足しているもの。
11、マイクロトマト
12、熊本産桜の葉に、宍道湖の白魚を
   5本並べて焼いたもの
   半分は白魚だけで、
   あとの半分は桜葉と一緒に。
   名残を楽しむ一品
13、春子と菜の花
14、クチコ
15、小肌の海苔巻
16、鮪のカマ

ここで、大根を海苔巻にしてくれて、一区切り。

細切り大根の技に感動した仏2つ星シェフの話を

大将が面白おかしく話してくれて、大盛り上がり。

握り

1、鯛  淡路沼島
2、鱚  1時間昆布〆
3、赤貝 山口宇部
4、小肌
5、鰹
6、剣先烏賊の新烏賊の印籠詰
7、鮪 漬け
8、中トロ
9、大トロ
10、砂づりの炙り
11、車海老
12、馬糞雲丹 (噴火湾)
13、穴子 塩、たれ
14、玉子
15、ほおずき

お供は、日本酒
1、石鎚   純米吟醸
2、伯楽星  純米吟醸
3、春霞   純米吟醸

 
 非の打ちどころのない、確かな素材と

 手間暇を惜しまない丁寧な仕事。

 大将の寿司にかける思いをこの日も

 ひしと受け止めながら、

 実に楽しい宵を過ごさせていただきました。


   
数か月ぶりに訪問。

この日は6人で伺ったので、貸切。

お昼ですが、貸切の場合のみ、夜のメニューも出してくれます。

数年前からお昼は握りのみになりました。

相変わらず、びしーーーーっと清潔で、お茶室かと思えるような凛とした

空気を漂わせる店内。 茗荷やかぼす、柚子がまるで静物画のように

彩りを添えて、置かれています。

一通りいただくと3時間。

今回は私以外全員初めてだったので、大将は、寿司職人になるときの

話などを聞かせてくれました。 独立資金を稼ぐため、宅配便会社で働き、

横浜にいらした水谷さんに手紙を書いたり・・・と。 

今回は奥様の話も。 いつも一緒に働いて、大将の右腕になっている奥様ですが、

なんとフグ調理師免許もお持ちで、以前日本料理屋さんにいたことも。

しかも、東京都のフグ調理師免許は他府県よりずっと難しいそう。

そんな話を聞きながら、この日も、真冬の味覚を心行くまで楽しみました。

以下、つまみと握り。

つまみ

銀杏
鮃 (青森 陸奥)
鯛 (淡路島 岩屋)
アオリイカ (呼子)
紫雲丹 (九州)
蒸し鮑 (本体、柱、5時間蒸してできたゼリー)
〆鯖
鰤   (燻して3日間寝かせたもの)
蛸 桜煮
マイクロトマト (お口直し)
大間中トロ   235kg
大間鮪と大間の雲丹
白魚  (酒蒸しして柚子を。 宍道湖)
なまこの卵巣
かますと胡瓜の巻物
鮪の炭火炙り (かま)


握り

細魚 昆布〆 1時間
赤貝


小肌  9日寝かせ、海老のおぼろと
鰹の藁燻し
やりいか 印籠詰
大間 漬け
中トロ
中トロと大トロの間
大トロ
大トロの炙り
べったら漬け
車海老 (徳島)
雲丹
穴子 塩とタレ
玉子

極上素材に、手間を惜しまない仕事、

そして、いつも感心するのは、季節の名残、旬、走りを

巧みに取り入れた構成。 ストーリーがあります。

今回唸ったのは、鮑の出汁のゼリー。

あえて、ゼリーと書いたのは、けして煮凝りではないからです。

もう少し置くと、煮凝りになるのですが、あくまでプルプルのゼリーで、

その状態だからこそ、出汁の旨味が存分に楽しめました。

いつにも増して、満足度の高い素晴らしい仕事でした。



5か月ぶりで訪問しました。

相変わらず、ものすごく美しい空間です。

きりっとした空気、シミひとつない真新しささえ感じる白木のカウンター。

茗荷やすだちがきちんとディスプレイされて、色どりを添えています。

さて、沢田劇場のはじまりです。

ランチタイムは、握りのみ。

この日、親方は、22貫くらいとおっしゃっていましたが、最終的に24貫いただきました。

ヒラメ、スミイカ、さより、赤貝(閖上)、鰆(塩で2日、酢で3日ねかせたものを藁焼きに)、

蛤、小柱、鮪ヅケ、中トロ、霜降り、大トロ(那智勝浦産、278kg)、小肌、鮑、

北紫雲丹(大間)、車海老(別府)、ヒラメ(背)、シマアジ、かつお、印籠詰、

鮪のすなずり炙り、べったら漬け、みる貝、馬糞雲丹(厚岸)、穴子、玉子、ほうづき。

お供は、

秋田の天の戸、宮城の伯楽星。

春の鮪や、初鰹はさっぱりめ。 

貝はやはりここぞとばかりに本領発揮です。

親方が鮪のすなずりを用意したと同時に、備長炭が適度になるように女将が火をいれて

いますが、

親方と女将の息がますますぴったり合ってきているのは

ほほえましいかぎりです。


<2016年11月>

 約1年ぶりでお邪魔しました。
 
 お昼です。 昨年と変わったのは、昼は、つまみはなしで、握りのみ22貫ほど、ということにしたそうです。

 親方は、「私は寿司職人なんで・・・」と笑いながらおっしゃっていましたが、つまみだけでいい、というお客さんが

 多くなったので、とのことでした。

 相変わらず、美意識を感じる寿司です。

 そして、聞けばなんでも話してくれる親方の話とユーモアで、6席の空間がなごやかな雰囲気に包まれます。

 さて、まずは、ビール。

 途中で、秋田 天の戸 (純米大吟醸)を。

 さて、握りの始まりです。  シャリは、お客さんの要望で、大き目にも小さ目にも作ってくれます。

1、ひらめ
2、すみいか
3、キス
4、赤貝
5、しまあじ      御蔵島産。 もう季節が終わりだそうですが、熟成させていて美味。
6、鮑         5時間酒蒸し。  千葉は今禁漁ですが夏場にとって、蓄養したものがまだある、とのこと。
            これがなくなると、蝦夷鮑に。
7、いくら       午前11時ごろ、ほぐしたばかり。 ほぐしたてが美味。
            だんだん溶けてくるので、夜には使わないそうです。
8、蛤         走りです
9、小肌        相変わらず、美しいとしかいいようのない仕事
10、かつお      若狭湾のまよいかつおです。 藁で燻してあり、香ばしい香りがなんともいえません。
            藁とシャリの相性を考えています。
11、〆鯖       うすく切って3枚付に
12、印籠巻      江戸前伝統の仕事
13、づけ       大間の一本釣りです。 親方が切っている手元に目が釘付け
14、中トロ
15、しもふり
16、大トロ
17、あぶり大トロ   炭火を網の板に乗せ、大トロの上にかざして炙ります。
18、べったら漬け
19、ミル貝      親方 「これ出すと、みんなじっと見るんですよね。ミル貝」 笑
20、雲丹       昆布森。 軍艦からあふれそうに、大盛りに。
21、穴子       塩とわさび、 タレ
22、卵

  ここで、相当満腹でしたが、6名のうちの常連さんとおぼしき男性が、紫蘇と胡瓜巻を追加注文。

それを見た私の連れが、「同じものを食べたい」とのことで、注文しました。

すると、親方、その常連さんを指して、「この人、うちの営業本部長なんですよ。 そうやって、彼が注文したものを見て、

他のお客さんも注文するんで」と、またまた一同大笑い。 

皆さん、次々追加注文を。 名物、すごい量の鮪を投入する鉄火巻に、一同唸ります。

親方 「みんな、よく食べますね~~~。 これだけよく食べてくれると、作り手冥利につきますよ~~」と

うれしいそうでした。

親方の技もますます冴えています。

また伺いたいと思います。


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<2015年11月>

 昨年から約1年ぶり。

 ますます、バージョンアップしてきた技を感じました。

 随所にみられるこだわりには脱帽です。

 この日は、昼でしたが、夜と同じ35000円のコースで。

 坊主頭の親方、笑顔がないとなかなか強面ですが、事細かにいろいろ説明してくださり、感謝です。

 店内には、寿司屋らしいピンとした清潔感があります。

 目の前には、真っ赤に紅葉した柿の大きな葉が2枚。 その上に、大根。

つまみ

 銀杏

 ひらめ

 あおりいか

 紫雲丹   唐津

 蒸し鮑   鮑の出汁のジュレを冷やして

 えんがわ

 炙り〆サバ          熱した炭を乗せた平板状の鉄板を上からサバにかざして炙ります。独特。

 ブリをベーコン仕立てで    この季節のブリは脂がたっぷりなので、塩をして脂を落としてあります。

 マイクロトマト        口をさっぱりと

 大間 まぐろ         196kgで、9日寝かせたもの

 中トロ

 霜降り            中トロと大トロの間

 くちこ            半生であつあつ。縦に割いていただきます。 塩控えめ

 かます巻

 まぐろの鰓の下の部位の塩焼き

 ここで、つまみが終わりなので、海苔で、残った大根を巻いてくれます。 口をさっぱりと。

握り

 さより

 赤貝    

 かつお    これがすごかった。 藁焼きにしてあるのですが、シャリの農家さんと同じ畑でとれた藁なのです。

        お米を直接農家から買っているからこそ、できることです。

        かつおは、戻りかつおが太平洋ではなく、日本海に行った「迷いかつお」

 いくら    軍艦の高さがあるので、たっぷり入ります。

 づけ

 中トロ

 霜降り

 大トロ

 炙り大トロ     上記のサバと同様の方法で炙ります。

 べったら漬け

 印籠巻
 
 車海老

 雲丹   厚岸

 穴子

 玉子

 ほうずき

 さて、この日は、カウンターの反対側にいらしたアジア系若い男性二人が、追加注文を出しました。

 見ていると、ものすごい太巻きの鉄火巻です。 まぐろの部位全部がこれでもかと入っています。

 あまりにすごいので、笑いだしてしまいました。

 すると、親方が語ってくれました。 「お客様で、かつて、マグロ会社の社長さんがいらして、特別にこれをオーダーしたんですよ。

 それを見ていたお客さんが次から次へと、自分も・・・ということになったんです。」

 巨大な巻物は4つにカットされ、一人2つ。 とても一口では入りそうにない大きさです。 

 この日はお腹いっぱいだったので、お願いしませんでしたが、次回はぜひチャレンジしたいものです。

 寿司の裏に、物語あり。

 楽しい時間でした。 再訪確実。

 
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<2014年10月>
4か月前に予約をして、楽しみにお邪魔しました。

たった6席。 ご主人が目の届く範囲という意味、だとどこかで読みました。

清潔なカウンター。 

坊主頭のご主人。

楚々とした奥様。

さて、これから「さわ田」ワールドが始まります。

目の前に、真っ赤に紅葉した柿の葉2枚が置かれます。 そのうえに、繊細に切った大根。 

大根で、口をさっぱりさせながら、食べてください、とのこと。

銀杏

平目、 エンガワ

アオリイカ

佐賀の雲丹

鮑  4時間半煮込んだもの。 鮑から出た出汁だけを冷やしてジュレ状にしたものが登場。 

   鮑とジュレ、鮑と雲丹 など、好みの組み合わせで食べてください、とご主人。

〆サバを炙ったもの

中トロと大トロの間の部位 2切れ

蛸   2時間半煮たもの

マイクロトマト    口をさっぱりさせるため

くちこ  通常、カチカチに乾燥させたものが出回っていますが、こちらのは半生。 こんなくちこ、食べたことがありません。 手で割いていただきました。

     ナマコから卵巣を取り出し、すぐに乾燥させるわけですが、そのときの気候などに左右されるとのこと。 気象条件まで揃って、いいものができる、とご主人。

焼きカマス  胡麻、芽ねぎ、紫蘇を巻いてあります。

鮪のカマトロ

ここでつまみが終了。  残った大根を大きな海苔で巻いてくれました。 海苔の風味が一番わかります。 

さて、握りです。

鱚の昆布〆

しまあじ

赤貝

こはだ    包丁の入れ方が美しいです。

いくら    こばれるほど、たくさん盛ってくれます。

中トロ

中トロと大トロの間

大トロ

あぶり大トロ

かつお

烏賊の印籠詰め  中には酢飯、胡麻、かんぴょう

車海老

雲丹

穴子

玉子焼き


こだわりの素材。 繊細な仕事。 

気さくなご主人。 

すべてに感動しました。

実は、この日、私以外、全員外国人。  

ご主人がいろいろ話してくださるのを、私の友人に通訳していると、他のお客様もふんふんと頷きながら聞いてくださって、なんだかお店にフシギな一体感が生まれて

しまいました。

外国人ばかりだったせいか、ご主人は、かなり初歩的なことまで丁寧に説明してくれました。 

わさびの香りが飛ぶので、お醤油に解かないでください、とか、寿司職人が使う煮切りとはどういうものか、などなど。 

はては、烏賊の印籠詰めは、なぜ印籠なのか、を質問すると、2説あることを披露してくださり、よく勉強されていることがわかりました。

6名への最大限のホスピタリティ。  深く頷けました。

日本が誇る職人さんです。 またぜひ再訪したいものです。 


  • 表札
  • 入り口の表札
  • 入り口です

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8位

ナベノ-イズム (浅草(東武・都営・メトロ)、田原町、蔵前 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2016/07訪問 2016/07/31

下町の「和」とフレンチのみごとなマリアージュ

今年は次々にいいフレンチレストランとの出会いがありますが、

これは、もう極め付けとなりました。 (あ、でもまだ半年くらいありますが)

ロブショングループに通算20年いらした渡辺シェフが7月に独立して、オープンしたのがこちら。

大川端という最高のロケーション。

この日は、夏の太陽が照りつける晴天で、川面が日差しに照らされ、スカイツリーが真っ青な空に映える

という絵に描いたような景色です。 思わず、窓からの眺めを見て、歓声をあげました。

4階建てのビルで、1Fが厨房。

2,3階が客席で、4Fがフリースペース。

3Fの窓辺のカウンター席に案内されました。 こちら、特等席です。

ランチは、1万円のコース。

下町の厳選した「和」を取り入れたフレンチで、オリジナリティ満載。

和とフレンチのコラボは、今やどちらでもやっていますが、これはかなり新しいですし、

吟味の仕方が半端ないです。 では、どう半端ないか、お料理を紹介しながら。

店内のあらゆるものが、テーマカラーである黒とオレンジ。

テーブルセッティングは、「Nabeno -Ism」と彫られた黒の木版に、渡辺シェフの友人の陶芸家が

作った家紋入りオレンジの円形陶板。 黒の木版の木目は、川の流れに見立てて、流れと同じ方向をむいています。

これをひっくり返して、陶板がないほうに、1品目が登場するという仕掛け。

まずは、サンペレで喉を潤します。

さて、料理です。

1、季節のガスパチョと浅草の薫る3種のスナック     黒の丸皿に氷が敷かれ、中央にガスパチョのグラス。
                            黒の皿のエッジに、オレンジの小皿が3つ、取り付けられています。
                            ガスパチョは、赤肉メロン、ミント、フランボワーズをポルト酒で凍らせたもの。
                            3種のスナックは、
                            ① 雷おこし     大心堂の「古代」を使用。
                                       黒糖です。
                                       これに、ノルマンディーのバターとアンチョビ、青唐。
                                       驚きの美味です。
                            ② 最中       種亀最中のカナッペ。種亀は市販していないとのこと。
                                       最中の中に、バジル、クリームチーズのムース、
                                       丹波黒豆、アーモンド、塩昆布、ピストゥ。
                            ③ グリーンオリーブ ジェラール アントナン氏との思い出とのことで、
                                       モロッコの自慢話ばかりされた、と。笑
                                       クミン、ミント、サフラン、レモンでマリネしグリーンオリーブ。
                                       種を抜き、オレンジコンフィを詰めてあります。
                                       

2、両国江戸蕎麦ほそ川自家製粉蕎麦粉のフランス風そばがきに          自家製塩ウニを添えて
                                       そばがきというか、ベシャメルにしてあります。
                                       奥井海生堂の蔵囲い2年ものの昆布のジュレ
                                       (こちらと、瓢亭さんにしか、出していない昆布とか)
                                       天城のわさび
                                       ウォッカクリーム

3、江戸東京野菜と旬の魚介類の一皿                      馬込半白胡瓜、すいかのマリネ
                                       米粉で焼いた鮎 (こだわりがあり、シェフしか焼かないそう)
                                       これは、あくまで野菜が主役、だそうです。
                                       鮎の肝サルミペーストを添えて。
                                       上部には、エストラゴンのギモーブと蓼と紫芽

4、天使の海老をスパイスの香りと共にコンフィ                 とうもろこしの三変化と海老味噌のスュックと共に
                                       三変化は、焼きとうもろこし、ヤングコーン、ポップコーン。
                                       カレー風味のムースと、海老の殻のクーリで。

メインは魚か肉のチョイスでしたが、両方とって二人でシェア。

5、フヌイユの枝とともにゆっくりと焼き上げた鱸                ルイユ入りインカの目覚め
                                       タプナードのジュ
                                       アネットのピストゥ
                                       フヌイユのレモン風味ピクルス
                                       鱧は舞鶴産。鱧のジュも。
                                       多彩なソースでバリエーション豊か

6、国産牛フィレ肉のV.C.C焼き                        夏のグリーン野菜(オクラ、しし唐、万願寺唐辛子)
                                       ホットベラ(ジャンボマッシュルーム)
                                       エストラゴンのジュ
                                       生胡椒ペースト
                                       すね肉のコンソメ
                                       ピーマンオイルパウダー

                                       なんと、このフィレ肉に下に、種亀最中の皮が。
                                       肉汁を受け止める役割で、本来ロッシーニにも肉の下に
                                       その役割のものが敷いてあるとのことですが、昨今ほぼ
                                       みません。

                                      *V.C.Cは、Vario Cooking Center というマルチファンクションの
                                       調理器で、Fujimakが製造しています。食後、厨房で、動かし方まで
                                       見せていただきましたが、これは、画期的。

                                       この料理は、+2000円。

7、完熟桃のコンポート ヴェルヴェーヌとヴァニラのジュレ           桃の薫る氷を忍ばせて
                                       シャンパーニュ

8、宮崎完熟マンゴーと浅草壽々喜園の抹茶の出会い               チュイールに包まれたマンゴームースと
                                       壽々喜園の一番苦みのある抹茶で作ったアイスクリーム

9、日本堤  バッハコーヒーと駒形をイメージした小菓子            バッハコーヒーは、カプチーノで。
                                       チョコガナッシュと山椒のフリーズドライときなこ
                                       和三盆のカヌレ
                                       黒ゴマのマカロン スパイシーなクッキーと

バゲットは、ブリドールの半冷凍。
ノルマンディーバターと、プロヴァンスのオリーブオイル
この3品は、フランスにこだわった、とシェフ。

デセールのころ、渡辺シェフが来て、話が弾み、ついには、シェフも隣りの席に着席。

浅草エリアの素材へのこだわり、その素材とフレンチとの融合への思いをいろいろ語ってくださいました。

食後、4Fのテラス、2Fのテラス、厨房を丁寧に案内してくださり、

さすがのホスピタリティに脱帽。

サービス陣にも感心しました。 帰り際、この時期だと、預かった日傘を渡し忘れるお店が多いのですが、

サービスマンが、きちんと戸口で持って待っていてくれました。 ちょっとしたことですが、

「神は細部に宿る」です。 パーフェクト。

さすが、としかいいようがない、クオリティ、ホスピタリティ、ロケーション。

まだまだこれからの展開が楽しみです。

久々に、心躍るフレンチでした。


                                       

  • アミューズ
  • そばがき
  • 鮎と江戸野菜

もっと見る

9位

レ セゾン (日比谷、内幸町、銀座 / フレンチ)

6回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999

2023/12訪問 2023/12/18

日本随一のホスピタリティ

こちらは、私にとって、特別なレストランです。

フランス ランスの「レ クレイエール」での、

ティエリーシェフとの出会いから、数十年。

いつも、シェフの温かいお人柄に包まれます。


記念日というと、こちらに来ることが多いですが、

今回は、結婚記念日で。

真っ先に厨房から出てこられるシェフと、

ハグしてご挨拶。

いつも、コースはシェフにお任せです。


毎回、感じますが、

こちらのサービス陣の完璧さには感心します。

やはり、日本を代表するホテルの名に恥じない、

完璧なホスピタリティ。

感じのいい接客、痒い所に手が届く細やかな

心遣い、そしてなによりも、爽やかな笑顔。

基本中の基本ではありますが、これを徹底するのは

タイヘンです。

しかも、若い世代にきちんと受け継がれているのが

なによりの財産です。

こういった温かいホスピタリティのおかげで、

いつも、居心地のよい、楽しい時間を

過ごせます。


さて、今回の内容です。

シェフは、ますます日本の素材を駆使し、

酸味の使い方もその熟練度を増しています。

1,アミューズ
  クラッシュアイスを詰めた銀器に、
  キャビア缶のような容器。
  中には、カンパチのジュレ、
  ピスタチオのクレーム、
  フリーズドライの醤油を散らして。

  お祝いなので、四つ葉のクローバーが
  添えてあります。

2,前菜
  下仁田葱のコンソメ煮込み
  葱のクリームソース
  鰹節のクリーム

  なんと、旬の下仁田葱が、すっかり
  フレンチに変身です。

3,魚料理
  鮟鱇のサフラン風味
  紅芯大根、聖護院蕪
  酸味のあるアメリケーヌソース

  酢橘で酸味をつけたアメリケーヌソースが
  とても軽やかに仕上がり、シェフの技が
  さく裂します。
  鮟鱇もぶりっぷりでした。

4,肉料理
  リドヴォー
  ロニョン、マッシュルーム、
  バールオニオン
  ジュとクリーム、バターのソース
  周りをパイで囲って。

5,フロマージュ
  こちらのフロマージュは、日本では
  なかなか手に入らない希少なもの。
  アルザスの熟成師 ベルナール・アントニー
  さんによる長期熟成。
  ティエリーシェフとのつながりで
  供されているそうです。
  ・コンテ
  ・モンドール
  ・シェーブル
  ・フルムダンベール

  どれも素晴らしい状態でしたが、
  特に、モンドールは秀逸です。

  木苺とビーツのジャム
  人参のジャムと。

6,デセール
  マルカルポーネチーズと
  コーヒーのガナッシュを筒状に
  したもの。
  カルダモンショコラのアイス

*ここで、お祝いのケーキも。

7,ミニャルディーズ
  6種

8,ショコラ

9,ハーブティー

パンは、
・全粒粉のパン
 目の前で、大きなローフをザクっと
 切ってくれます。
・四万十川 青海苔のパン

お供は、
・シャンパーニュ
 DEUTZ
・ガス入りミネラルウォーター


若きサービスマンが、

ちょうど、ハーブティーのお替りをしたいな、

と思っていた、その矢先に、お替りを用意して

持ってきてくれました。

このタイミング、この感性。

確実に引き継がれているホスピタリティの

精神。

本当に、いつも変わらぬ、素晴らしい時間を

過ごせるレストランです。



帝国ホテル本館のフレンチレストランです。

こちらのティエリー・ヴォワザンシェフとは、

ランスの「レ・クレイエール」時代からの

お付き合いになり、もう数十年になります。

というわけで、なにかと記念日にはこちらに。


今年も、誕生日はたくさんの友人にお祝いして

いただきましたが、締めは、こちらで。


到着すると、満面の笑みで、ティエリーシェフが

迎えてくれました。

そして、メニューはすべてお任せで。

思い出深い「レ・クレイエール」の技法を

随所に取り入れて組み立ててくださいました。

相変わらず、完璧なサービス陣が、

心地よい時間を演出してくれます。


では、内容です。

いつものように、パンのワゴンが来て、

目の前で、ライ麦のパンをカットして

くれます。ザクっとカットされる音に

食欲が掻き立てられます。

1,アミューズ
  キャビアの缶で登場します。
  蓋を開けると、
  ズワイガニのほぐし身に、
  柚子胡椒クリーム。
  浅葱とドライ醤油で、
  ほんのりアクセントを。

  お皿には、四つ葉のクローバーが
  あしらわれ、お祝いを。
  これ、お持ち帰りさせていただきました。

2,帆立貝の瞬間燻製
  実は、瞬間燻製という技法は、
  「レ・クレイエール」の初代、
  ボワイエシェフが考案したもの、
  とのこと。
  この日は、ベルギー産キャビアに、
  インカのめざめのエクラゼを。
  北海道産インカのめざめは、4か月熟成
  させ、旨味を増しています。

  ソースは、ほんのり酸を効かせています。
  ティエリーシェフは、「酸」の使い方が
  とても素晴らしいです。

3,セップのスープ
  秋といえば、これです。
  もう何も言えないほど、
  スープ皿の中が秋全開。
  得も言われぬコクと風味。
  イベリコベジョーダの生ハムと、
  ソテーしたセップが浮き身に。

4,トリュフと燻製卵
  燻製卵に、トリュフクリームを
  まとわせ、根セロリのピュレと。
  フォークをいれると、中から
  とろとろの黄身があふれ、
  言わずもがなですが、
  トリュフクリームとは完璧な
  マリアージュ。

5,鰻
  実は、ティエリーシェフ、鰻が大好物。
  以前から、鰻のお料理をやりたかったらしい
  ですが、コロナ禍のときに、宿泊者専用に
  作った、ティエリーシェフの「ひつまぶし」が
  大好評だったとか。
  今回は、愛知産の鰻を蒸してから、皮目を
  パリパリに焼き、ラールとグリーンペパー、
  炭火で黒く焼いたマッシュルームを。
  ソースは、なんと、ブールブラン。
  しかも、ブールブランには、鰻の骨の出汁を
  使っています。
  ブールブランと鰻が合うことに驚きますが、
  やはり、鰻も魚類ですから・・・。

  *ここで、四万十川青のりのパン

6,ペルドローのパイ包み焼
  もう感激の一品。
  シーズンです。
  フランス産のペルドローの腿肉と胸肉を、
  フォアグラ、サボイキャベツとともに
  パイに。
  濃厚なサルミソースが素晴らしいの一言。

  別皿の、アンディーブとライムは、
  苦みと酸味がバランスが完璧。

7,デセール
  仏産モンブラン
  焚火をイメージした造りで、
  栗クリーム、
  ヘネシー入りのキャラメル、
  栗のアイス、
  蜂の巣型のクッキー
  メレンゲ
  周りには、ナッツを散らして。

*バースデーケーキ
 ここで、キャンドルを灯した
 バースデーケーキを、
 シェフがもってきてくれました。
 至福のバースデー祝い。

8,ミニャルディーズ
  ・塩キャラメルのシュー
  ・レモンタルト
  ・フランボワーズのマカロン
  ・フィナンシェ
  ・チェリージャムのタルト
  ・ヌガー

   別に供される箱には、
   ショコラがたくさん。
   ミルク&アーモンドチョコ
   オランジェット
   をいただきました。

9,ヴェルヴェーヌティー


お供は、
シャンパーニュ
DEUTZ


研修でフランスに行き、「レ・クレイエール」も

訪問したばかり、という副支配人さんとも、

お話が盛り上がり、フランスから、果てはコペンハーゲンまで

話の旅が続き、

本当に楽しいバースデーとなりました。


いつも、完璧なホスピタリティに感動します。


こちらは、私にとって、特別なレストランです。

ティエリーシェフとのご縁は、

もう20年以上。

いつも変わらぬ温かな人間性を感じさせてくれます。


久々にお邪魔しましたが、

満面の笑みで迎えてくださいました。

いつものことですが、

この日も、シェフが、スペシャルメニューを

作ってあげる、とのことで、おまかせ

しました。

それは、フランス、ランスにある

「レ クレイエール」で供された

思い出の食事に因むものでした。


1,毛蟹、柚子胡椒のムース
  クラッシュアイスが入ったシルバーの
  器に、キャビアの缶が。
  四つ葉のクローバーが添えられています。

2、グリーンアスパラガスのスープ
  なんと、ミントの香りのギモーブが
  浮いています。
  ホンレン草のガレットと
  トリュフのピュレ。

  ティエリーシェフが、おばあ様に連れられて、
  幼いころ、コルシカを訪れたときに
  覚えた料理で、
  「レ クレイエール」のメニューでも
  あります。

3,オマール海老
  2種の茸とともに。
  ・ムースロン(しばふ茸)
  ・サンジョルジュ

  海老、茸の出汁のソース

  海老と茸の出汁が包む、
  芳香豊かな一品です。

4,オーベルニュ産鴨
  胸肉のロースト
  木苺と西京味噌のソース
  腿肉は、パテにして、
  大葉、じゃが芋とロール状に。
  サルミソース
  
  別皿に、ガルニとして、
  パールオニオンのムースと
  フランボワーズでマリネした
  パールオニオン。

  ティエリーシェフが、
  ニコニコしながら、ソースを
  かけてくださるのが、印象的でした。
「レ クレイエール」での思い出の食事が
  鴨だったことを、今でも覚えていて
  くださいます。

5,デセール
  カレ ド ショコラ
  パッションフルーツとマンゴーが
  挟んであるショコラのケーキ。
  ショコラのパウダーも、カレで
  演出してあります。

  バニラと白コショウのアイスと。

6,バースデーケーキ
  家人のバースデーで、
  苺のケーキを出していただきました。

7,ミニャルディーズ
  ・ライムタルト
  ・塩キャラメルのシュークリーム
  ・木苺のマカロン
  ・ヌガー
  ・バスクケーキ
  ・フィナンシェ

8,ショコラ
  ・ミルク
  ・ダーク
  ・オランジュ

9,シェフオリジナル7種の
  ハーブティー


お供は、
・シャンパーニュ
 DEUTZ

・赤ワイン
Chateau de Monthelie 2017

パン
・着席するとすぐ、ワゴンサービスで
 カットされます。
 加水率の高いカンパーニュで、
 抜群に美味。
・海藻のパン
 魚料理とともに。


グランメゾンの品格を随所に感じます。

サービス陣全員が、よく教育され、

本当に、「居心地のよい空間」を

創ってくれます。

飲食業界の人材難にもかかわらず、

若いスタッフさんたちも、頑張っていて、

好感が持てます。

大切にしたいレストランです。



何度か書きましたが、こちらは私にとって、特別な

レストランです。

ティエリーシェフが、フランスのランスにある

「レ クレイエール」で、スーシェフだったときからの

お付き合いで、長い歳月が流れました。

シェフが来日してからもかなり経ちますが、

素晴らしいお人柄と技は、ますます円熟味を

増していて、お料理にも反映されています。

この日は、誕生日月間で、バースデーランチに

伺いました。

シェフにそのことを伝えておいたところ、

25名いるホールスタッフの方々、ほぼ

全員から

「おめでとうございます。」と声をかけて

いただき、あまりの行き届いたホスピタリティに

お食事が始まる前から、感動でした。


この日は、ティエリーシェフにお任せして

コースをいただきました。

クラシックなフレンチに、日本食材を小気味よく、

組み合わせ、日仏のいいところを存分に

取り入れています。

この日のクネルは、私が人生でいただいた

クネルの中で、最高のお味でした。

食前に、ワゴンで大きなバゲットが運ばれ、

目の前でカットしてくれます。

では、内容です。

1,アミューズ
  クラッシュドアイスを入れた
  銀のボールの中に、キャビアの缶。
  蓋をとると、中には、
  海苔とピスタチオのムース。
  その下には、カンパチのゼリー寄せが。
  フリーズドライの醤油パウダー、
  ピンクペッパーがあしらわれ、
  そして、なんと、四つ葉のクローバーが。

  美しいスタートです。

2,前菜
  まさに、グランメゾンならではの
  お皿でした。
  長方形のものは、オマール海老のゼリー寄せ。
  リンゴとレモングラスのジュレに
  根セロリのムース、白ポートワインでコンポートした
  根セロリと。
  カレー風味にしたキューブのリンゴを
  幾何学模様のようにあしらって。

3,魚料理
  毛蟹と白身魚のクネル
  海老と蟹の殻の出汁のソース
  
  別皿には、ズッキーニの花の天ぷらと
  ズッキーニを。
  柚子の香りを効かせたズッキーニの
  ピュレを。

  丁寧な仕事で、とても滑らかな仕上がり。

  これには、四万十川の青海苔のパンを。

4,肉料理
  長野産黄金軍鶏
  ・胸肉  自家製みかん味噌と生粒胡椒
   ジロール茸とそのペースト
   ヴァンジョーヌソース
  ・腿肉
   豚肉とともにレタスで巻き、
   レタスのピュレと。

   みかん味噌がオリジナリティがあり、
   軍鶏との相性がとてもいいです。

5,デセール
  シャインマスカットとパンナコッタ
  ぶどうのジュレ
  金箔
  ほうれん草のチュイールは、木の葉型。
  ぶどうのソルベ
  セロリのオイルで、緑のグラデを。

  シャインマスカットと野菜のマリアージュが
  素晴らしいです。

*サプライズ
 ここで、ティエリーシェフから、
 バースデーケーキが。
 フランボワーズがたっぷり入っていて、
 まさに、至福のケーキです。

6,小菓子
  ・フィナンシェ
  ・レモンのタルト
  ・ボンボンショコラ
  ・ヌガー

7,ショコラ
  ビター
  ミルク
  オランジュ

8,ハーブティー
  ティサン  ミントベースで7種の
  ブレンド

パンは、
・天然酵母バゲット
・四万十川青のりのパン
・くるみパン

お供は、
シャンパーニュ
DEUTZ Brut Classic


ティエリーシェフの素晴らしいホスピタリティで、

至福のバースデーとなりました。

心温まるサービスをしてくださった

サービス陣の方々にも感謝です。


   
私にとって、こちらは、特別なレストランです。


フランスは、シャンパーニュの故郷ランスにある

「レ クレイエール」で、結婚パーティを開催したのは、

今では懐かしい思い出になっています。

貴族の邸宅だった荘厳な建物と、広大な敷地。

夢のようなパーティでした。

当時は、3つ星で、フランス料理界の巨匠、ボワイエさんが

シェフ。

そして、当時、スーシェフだったのが、今、「レセゾン」の

シェフであるティエリー・ヴォワザン氏です。

ティエリーが来日したのは、もう10年以上前ですが、

こちらで、偶然の再開を果たしました。

彼は、私が送った写真をすべて持ってきていて、

見せてくれたのです。

このことが、示すように、彼は、本当に、誠実で、

実直なお人柄。


今回、結婚記念日に訪問したいと話すと、

なんと、当時、「レ クレイエール」で供した

メニューを完全再現してくれるというのです。

もうワクワクが止まりません。

さて、当日。

エントランスで、ティエリーが満面の笑顔で

迎えてくれました。

まずは、記念撮影。

そして、個室でのパーティが。

メニューカードには、当時、「レ クレイエール」で

一緒に撮った写真があしらわれ、感動もひとしお。


さて、この日、いただいたスペシャルメニューです。


1,アミューズ
  「レセゾン」のロゴ入りの蓋をとると、
   ほうれん草のクリームに覆われた
   毛蟹。
スタートから期待感が高まります。

2,瞬間燻製したサーモン キャビア添え
  目の前で、お皿の蓋が、サービスマンによって
  開けられます。
  すると、燻製香が鼻をくすぐり、
  それとともに、思い出も蘇ります。
  インカの目覚めの上には、キャビア。
  
3,天然茸のヴルーテスープ
  これが最も記憶に残っている一品。
  当時は、これがデミカップでアミューズの
  ひとつとして、供されました。
  あまりのおいしさに、パーティが終わってから、
  ディナータイムにも、これを所望。
  驚かれました。笑
  
  ティエリーがこのことを覚えていてくれたのか、
  今回は、大きなスープ皿にたっぷり。
  満足すぎます。

  ちなみに、茸は、マッシュルーム、
  トランペット ドラモール。
  生ハム入りです。

4,鱸のタジン仕立て レ クレイエールのスタイルで

  タジン仕立ての野菜と。
  鱸の身のふっくらとした火入れ。
  野菜との相性が抜群です。

  ティエリーが自らフランスから持ち帰った
  という、黄金のお皿で。


5,蜜柑味噌を羽織った鴨肉
  バターナッツカボチャとルアネーズソース

  西京味噌のペーストと、
  ルアネーズソース
  リヴザルトで煮込んだ無花果を。

  ここは、西京味噌を使うなど、一捻りです。
  でも、鴨はもちろんシャラン。

6,フロマージュ
  ・コンテ
  ・スティツェルトン

   レーズンのパン
   くるみのパン

7,モンブラン 軽やかなヴァージョンで
  栗のアイスクリームが添えられた
  モンブラン

*ここで、ティエリーが、特製ケーキにキャンドルを
 灯して、登場。
 結婚記念日のお祝いとフランス語で書かれたプレート
 付きです。
 ベリーがたくさん使用され、格別の味わい。

8,ミニャルディーズ
  ・ヌガー
  ・ガトー
  ・マドレーヌ
  ・シューキャラメル
  ・レモンのタルト
  ・マカロン
  ・ショコラ 3種

9,ハーブティ

パンは、
*パンデザミ
 これは、友人のパンと名付けられたもので、
 フランスでは、パーティのとき、ちぎって
 供されるもの。
 ワゴンでローフ状で登場し、その場で、
 わざと、ちぎったように切ってくれます。
・クープ
・四万十川の海苔入りパン 
 これは、魚料理用。

お供は、
・シャンパーニュ
 DEUTZ
・白ワイン
 RULLY Les Saint-Jacques
Grand vin de Bourgogne
・赤ワイン
 Gevrey Chambertin 2016


本当に、いい出会いとご縁をいただいたことを

感謝する日となりました。

こういった特別の日ではなくても、

いつも完璧で温かいおもてなしをしてくださる

サービス陣にも、感心します。

愛すべきレストラン。

愛すべきシェフ。   



<2016年6月>

 私にとっては、特別な思い入れのあるこのレストランで、この日は、マイレビュアー様のバースデー祝いを。

 ランチタイムにお邪魔しました。

 まずは、エントランスロビーで、記念撮影。

 ゆったりと配置されたテーブル。 ソファ席に案内されました。

 サービス陣も人数豊富で、贅沢な限りです。

 さて、まずは、赤ワインをグラスで。 

 好みを告げると、ソムリエが選んでくれたのは、サンドミニク。 

 ボディ感があり、香りも深いです。

 さて、この日の料理です。

1、アミューズ        正方形の銀盆に、レセゾンのロゴ入り枡と、ショットグラス。
               枡には、胡麻がはいっていて、その胡麻に串が立てかけられ、
               先端には、帆立のムースに、浅利の出汁をかけ、トリュフとあられを
               あしらったもの。
               ショットグラスには、アーモンドのババロア。中には、海老と
               オレンジチャツネ。

2、前菜           フォアグラのロワイヤルにトウモロコシのブルーテ
               食感をだしたクルスティヤントと酸味をつけたコンディマンを添えて。
               透明のグラスで登場。 
               焼いたフォアグラやポップコーンがのっていて、
               とうもろこしのガレットで蓋がされていました。

               (前菜は2種からのチョイス)

3、魚料理          備長炭で焼き上げたあいなめ
               アーティチョークをいれたタジン野菜とレモンのコンフィをアクセントに。
               ふっくらと焼き上げられた青森産あいなめ。
               アーティチョークのピュレがよくあいます。

               (魚も2種からのチョイス)

4、肉料理          ほろほろ鶏のロースト
               ジュをからめた野菜のポワレの上に
               蜂蜜ヴィネガーを薫らせたペーシュ・ヴィーニュのグラッセ

               メニューには、鶏肉とありましたが、この日はほろほろ鶏とのこと。
               迷わず、チョイス。
               ジューシーに焼き上げられ、皮目も完璧です。

               (肉料理も2種類からチョイス)

5、ミニャルディーズ     オペラ、フィナンシェ、パッションフルーツのタルト、ヌガー

6、デセール         甘口ワインのリヴザルトでコンポートした桃
               軽く仕上げたクレームアマンドとラベンダーのグラニテ

               (デセールは3種類からのチョイス)

7、ショコラ         ガナッシュ、ビター、オランジュ

8、サプライズ        ここで、バースデーケーキ登場。 
               いちごのショートケーキです。カスタード入りで美味。

               メロンのカービングも。 これは食べられず、見るだけ。

9、7種のハーブティー

パンは、
1、胡麻とひまわりの種
2、天然酵母パン
3、四万十のあおさ海苔 (魚料理用)

満足度の高い料理でした。

ホスピタリティも抜群。 細かいところにまでよく気が付いてくれます。

残念ながら、この日は、ティエリーシェフが仕事でフランスに行っているとのこと。

本を出版される予定とのことで、楽しみです。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

「レ・セゾン」には、もう何度お邪魔したかわかりませんが、いつ行っても、すばらしいホスピタリティとサービス陣の気持ち良い動き、そして、なによりも
シェフ、ティエリーの気配りとお料理の技。 

私にとって、「レ・セゾン」は特別なレストランです。というのも、十数年前、フランスはランスの3つ星レストラン「ル・クレイエール」で私は結婚式をしました。
当時のシェフは、天才の名をほしいままにしたボワイエ氏。 そして、そのときのスーシェフがティエリーだったのです。
そして、ドラマは数年前に起こりました。 友人たちとのパーティが「レ・セゾン」であり、そこでティエリーと再会したのでした。 実はそれまでティエリーが
日本に来ていることは知りませんでした。 しかも、そのとき友人たちに見せようと持参した結婚式の写真のうちの1枚に、ティエリーが私たち夫婦に祝福を
述べるためテーブルに来てくれたシーンがあったのです。 お互いに本当に驚きました。 しかも、もっと驚いたことに、ティエリーは、私が帰国後に送った
写真を大事に持っていてくれたのでした。 そのあと、「レ・セゾン」を再訪したとき、ティエリーはわざわざ私が彼に送った写真を席に持ってきて見せて
くれました。 感動しました。 これ以上のホスピタリティがあるでしょうか。 ティエリーという人の豊かな人間性を感じた瞬間でした。

そんなシェフが作るフレンチです。

そしてこの日も堪能しました。
秋のランチです。
アミューズはスプーンに盛られたトロトロのチーズ。アツアツを一口で。
2つ目のアミューズは、縦長のショットグラスで登場する、甲殻類のジュレ。上部にトマトスープが浮いていて、それを混ぜていただきます。
絶妙のハーモニーです。
前菜は、真鯛を冷たい料理と温かい料理の2つの調理法で味わうもの。
冷たいものはカルパッチョ。そして、温かいお皿は、クレソンのスープに真鯛のすり身を浮かせたもの。
メインに選んだのは、蝦夷鹿のロティです。まさにジビエのシーズン真っ盛り。 すばらしい質の蝦夷鹿で、ルビーのような輝き。
火入れも完璧です。 赤ワインソースをシェフ自らサーブしてくれました。 そして、いただいている途中で、ソースをさらに足してくれる
心づかい。嬉しい限り。
ブルゴーニュのワインと合わせました。
デザートは、これも秋らしく、モンブランに。 まったくオリジナルなモンブランに仕上がっていました。
プティフール5つ、そして、コーヒーを楽しみながら、ショコラをつまみます。

いつ来ても、優雅なひとときを約束してくれるレストランです。

  • フロマージュをカット中
  • 肉料理
  • 魚料理

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