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カウンターだけで12席ほどの小さなお店です。 今夜は予約のお客さんだけの7名。(まず予約無しでは入れません。ぼくは数日前にお願いしてました) 初めてお伺いした時は「まるで寿司屋のカウンター席に腰掛けているようだ」という印象でした。 寡黙な大将が生真面目に丁寧な仕事をしています。 なんせ店内にBGMがありません。 ゴォーと換気扇の回る音と炭の弾ける音だけです。 この緊張感がいいんです!カメラのシャッター音も憚られるほどですもの。 もちろんビールからスタートします。キンキンに冷えたグラスに注がれますから表面には忽ちに水滴が浮かびます。 「鳥肝とつくねを下さい。あとはお任せで5本ほど!」と注文をします。 本来だったら数種類の鳥刺があるのですが祝日のせいで仕入先がお休みなのでしょうメニューが消し込まれています。 お通しをつまみながら、キャベツを齧りながら、焼き上がりを待つのです。 パチパチという炭の音にはジジジジっという肉の炙られる音まで加わっているようです。もちろん、肉の焦げる香りと炭の香り、炭に溢れたタレの焦げる香り…音と香りが食欲を最大限に揺り起こします! あぁと呻きながらただただ音と香りに集中します。 例えば、天ぷら屋さんはBGMを流しません。 それは職人さんが油の弾ける音に聞き耳を立てて天ぷらの揚がり具合を確認するからですよね。案外、この大将もそこに気を張っているのかも知れません。とにかく寡黙です。 「鳥肝です。」と一言だけ発してボツんと一串置かれます。先ほどまでの香りの総てがこの鳥肝に凝縮されています。口中に運んで上顎と舌先にぎゅっと力を加えると、炭の香りと焦げの香ばしさ、鳥肝のほろ苦さがぐーんとひろがり幸福感に満たされます! その幸福感を冷たいビールでサッと漱いでさらにもう一口…これです!これです! このために、これを味わうために、ここまで来たのですから! 一串ずつ説明するとキリがありませんから… ここで必ず食べるべきは、 「手羽先」。塩で食べる手羽先は立方体に近い形をしている大きなサイズです。表面に薄く焦げ目を纏っていますが一口齧ると中からは肉汁が溢れ出してきます。鳥脂の旨味が凝縮されていて、これが塩味とベストマッチです。 「丸ホルモン(牛)」はタレが最高です。皿に載せられた瞬間から旨味が輝いてみえます。ジュクジュクと脂がこぼれ落ちています。堪らず口に入れるとスッと溶けて消えてしまうほどの焼き上がり加減です。 すべての串がらこのレベルです。 つまり、素材が上質なのです。大将の目利きとこだわりでしょう。さらに大切なのは焼きの入れ具合ですよね。目で焼き上がりをチェックすると同時に音をも頼りにしているのでしょう。 もちろん、串のほかのお料理も美味しいのです。 「ポテサラ」も丁寧で美味しいですし、 今回は「鶏だし細うどん」を〆に注文しました! これだけこだわった素材からの鶏スープですから 美味しくないはずがありません。 出汁が良く絡む細麺をズズっと啜ると、またしても鶏の旨味がふーっと鼻腔から抜けていきます。 博多で食べる鶏鍋のスープのような味わい深さです。 ここに柚子胡椒があれば…と思ったものですから 「申し訳ないのですが…山葵を少し。」とお願いすると、摺り下ろしたての山葵をひと匙くださいます。それを出汁にポトリと落とすと涼やかさがさらに増します
2022/08訪問
2回
2020/12訪問
1回
2020/01訪問
1回
2020/01訪問
1回
1回
2016/01訪問
1回
2015/08訪問
1回
せっかく福山市に来たんじゃけえ ◯◯◯食べていって〜や! 今回の福山旅の最終回は「台湾ラーメン」 昨晩もお伺いした「味仙」です。 この台湾ラーメンを食べるために昼間のうちにTシャツを買っておきました。 もちろん発汗対策です。Tシャツ姿でカウンターに陣取り「台湾ラーメン 中辛」をオーダーします。 (中辛でないとダメ!普通では台湾ラーメンらしさが堪能出来ませんから…かと言って激辛を注文する勇気もないし…) さて、眼の前に赤いスープの台湾ラーメンが運ばれてきます…まずはスープをひと啜り…うーむ期待通り 鼻腔から辛みと酸味がツーンと抜けていきました!コレコレ! 舌の縁が辛味で痺れています!コレコレ! 背筋をスーっと汗が流れていきます!コレコレ! これこそが「味仙の台湾ラーメン」ですよ。 麺はやや細麺、これを硬めに茹で上げています。 この茹で加減も好みです。 麺に紛れているもやしが緩和の役割を担っていますが、圧倒的な辛さに押されて、そのうち食感しか感じなくなってしまいます。 …挽肉をレンゲですくって口に運ぶと脂の旨みと甘みが楽しめますが…ここにも唐辛子が潜んでいますコレコレ!これでなきゃ! もう箸休めは生ニラだけです。 半分ほど食べ終わる頃には額から首筋から頭頂部から汗が流れ落ちます…コレコレ 「そんな辛いものを好んで食べることもないでしょう!」なんて言われかねないのですが この美味さと辛さのギリギリのせめぎ合いがボクらのエンドルフィンとMっ気を刺激するのですよ 辛いスープの中から不意に香るバターのような甘味が尚更にボクらの胸を打つのかも知れません… 食べ終える頃の丼の底には唐辛子の粒がずいぶんと残っていますが、残さず飲み終えて少し咽せながらグラスの水を飲み干すのがここの流儀です …絶対、また来る #福山グルメ #台湾ラーメン #味仙 #ぎりちゃん松山 #ラーメン #辛い #辛いラーメン 福山でボクを見失ったなら 「居酒屋自由軒」「焼きそば村上食堂」「焼鳥おりおり」あるいは、ここ「台湾料理味仙」を探してみて下さい。必ずどれかに居ます。 この「味仙」は町外れにあるにもかかわらず 18時から翌1時という営業時間です。そんな場所や時間に客が来るの?なんて思いがちです、いつ行っても賑わっているんです。 看板メニューは台湾ラーメン。挽き肉とニラがたっぷり入った辛いスープに麺が見事にマッチしていてクセになる美味しさなのです。ほとんどの人が注文するのですが 今回はまず「イカセロリ炒め(891円)」 大きくカットされた甲イカと太いセロリを唐辛子ソースで手早く炒めていますから食感も心地よいですし、なによりこのボリュームです。一気に満腹感が募ります。…が、 臆することなく「シュウマイ(473円)」を追加します。 これはなにより細かい挽き肉を使っているのが特徴です。流行りの粗挽きとはほど遠く、むしろペースト状です。 肉汁もたっぷりですから、噛むというより舌先で磨りつぶすように味わいます。 タレを使わないで辛子をチョンと付けて食べる方が肉の旨味を楽しめます。 それにしても、このシュウマイの香辛料は懐かしい味わいです。昔ながらのシュウマイ! さて、台湾ラーメンに並ぶ看板メニューの「手羽先(418円)」。 甘辛く煮込まれた手羽先は箸で押さえるとホロリと崩れます。辣油を使った辛味がベースですが醤油のコク深い味わいが沁みています。 コク旨辛い!と表現しましょうか。 五香粉の香りを愉しんだ後に箸先で身をホロリと崩して口に運ぶと先ずは甘みが拡がり、間髪入れずに舌先から痛快な辛味が駆け上がってきます。 その辣油ベースの辛味の奥から手羽先肉の旨味がじんわりと沁み出してきます。 これは凄いですね!感動の美味さです。 あぁ〜!車で来てるからビールが飲めない! なんてこった! あぁ〜!恨めしい!と胸中で何度も叫ぶのです。 それにしても、こうした特別ではない食材を使いながら、これだけ美味しい中華に仕上げているのが街中華の素晴らしさなんです。味仙はなにを食べても旨い!全メニュー制覇を目指しましょう!