無料会員登録/ログイン
閉じる
この口コミは、だからよ~さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら
利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する
1回
夜の点数:5.0
昼の点数:5.0
2012/01 訪問
夜の点数:5.0
昼の点数:5.0
飲食店の鑑
2012/02/11 更新
エリアから探す
開く
閉じる
ジャンルから探す
文句なく沖縄で一番、日本でもトップクラスのナポリピッツァを提供する店であるが、私はその程度の理由で最高得点をつけたりはしない。
むしろ逆に「内緒にしておきたい店」のひとつであるがゆえに、お気に入りの店でありながらこれまで評価を控えてきたというのが本当のところである。
ではなぜこの時期に口コミを残そうと考えるに至ったか。
その答は昨日、2月8日付の店主のブログを目にしてしまったからだ。
新聞などでも報道されているように、岐阜県の矩義所建築という業者が、放射能で汚染された福島県産の薪を買い付けて沖縄県向けに出荷し、それが炭焼き料理や沖縄そばの灰汁に使用された結果、不特定多数の消費者が基準値の何倍ものセシウムの内部被曝を受けていたという極めて不愉快な事件が発覚した。
その事実が明るみになった理由が、この店が自主的に薪を研究施設に持ち込み、私費で依頼して行われた検査だったというのだ。福島県産ではなく岐阜県産と信じて購入していたにもかかわらず、である。
食の安全は本来ならば国や県などが率先して管理し、適切な基準を設け、指導を行うべき種類のものであると考える。しかしながら政府やマスコミによる情報統制が常態化し、自己責任のみが喧伝される昨今の情勢下において、もはやそれは望むべくもない。
自分自身を、客を、そして大切な仲間や家族を守るためには、安全とされたものでも疑ってかかること、自らの目で見て納得するまでは信用しないというリテラシーと見識が必要とされているのである。
そうした食を提供する者としての矜持と責任感が、食材の選択から調理や接客すべてに至るまでに反映されていることは想像に難くない。今回はその真摯な姿勢が、顧客のみならず何千何万という沖縄県民を不必要な被曝から未然に救ったのである。
沖縄という、ややもすると情や妥協に流されやすい土地において、このような厳格さや誠実さを維持していくことは並大抵の苦労ではなかろうと思う。
単に料理の素晴らしさだけではなく、こうした覚悟や志の高さが訪れる客を感動させるのである。