アールアイさんが投稿したやぶ(東京/小村井)の口コミ詳細

アールアイの色情グルメ一代記

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アールアイ (男性・大阪府) 認証済

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掲載保留やぶ小村井、押上、東あずま/そば、うどん

1

  • 昼の点数:4.2

    • ~¥999 / 1人
      • 料理・味 3.8
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク -
1回目

2012/06 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味3.8
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ~¥999
    / 1人

真相は亀戸の藪の中

 江東区亀戸3丁目。中の茶屋で食事を終えて、かつて亀戸遊園地と呼ばれた私娼窟の跡地を散策。それにしても遊園地とは言いえて妙。大の大人が楽しめる遊園地は、現代なら吉原や堀之内を指すのだろうか。
 細い路地を北の方角へと歩いていくと、この地で唯一残存するといわれるカフェー様式の家屋に目が留まった。戦後この地は、いわゆる赤線(特殊飲食店街)として変貌を遂げた。その名残ともいうべき妖しげな雰囲気を密かに漂わせている。
 そして墨田区との境界、北十間川の手前に見えてきたのは天祖神社。境内の入口には、江東みちしるべなる案内表示板が設置されている。社伝によれば堆古天皇の治世(593-628)の創建で、亀戸七福神の福禄寿として親しまれているとのこと。かつて柳島村と呼ばれて、この界隈の総鎮守だったことからも、地元住民から信仰を集めてきたのだろう。それを証拠に、玉垣には城東三業組合や亀戸遊園地の寄進者として名前も。
 ひと通り参拝を済ませた、自宅へと戻る帰り道。店頭の敷地を四つ目垣にて囲った、草木の生い茂る趣きある蕎麦屋を発見。「やぶ」と書かれた屋号。あの神田藪蕎麦の流れを汲む蕎麦屋なのだろうか。
 見た目と違って小食気味な私。連食することへいささか不安になりつつ、次回いつこの地に訪れるともしれぬ不確かさと両天秤に計ってみる。やはり余力があれば行っておくべきとの最終判断。一見の客にはやや敷居が高そうな門構え。おずおずと引き戸を開けた。
 店内テーブル席に座っていたおかみさんが、私の姿に気付くや「いらっしゃいませ」と言いつつ席を立つ。どうやら客が誰もいないことをいいことに、テレビを観ていたようだ。先ほど中の茶屋でも流れていた、新婚カップルを茶化す番組と同じ。司会者も番組途中で「いらっしゃ~い」と言ってくれるに違いない。
 化粧っ気のない、50代後半のおかみさんが水を持ってきてくれた。このおかみさん、子供の頃によく観た『セサミストリート』に登場しても違和感のない見た目。値段が安いのが不安ながらも、鴨せいろ(850円)を頼む。
 注文を待つ間、ぼんやりと店内の設えを眺めると、調度品含めてかなりの年代を感じさせる。場所柄、三業地や私娼窟での需要も多かったに違いない。客間と隔てる配膳窓からは、調理にとりかかる藍色の作務衣姿のご主人の後ろ姿が見える。
 10分ほどして、女将さんの手により鴨せいろが運ばれてきた。蕎麦の色味は石灰色で細め。鴨汁には青々とした三つ葉が浮かんでいる。早速蕎麦を手繰ると、喉越しは悪くないけれど、コシはあまり感じられず。つけ汁はやや辛めで鴨の旨みが口に広がり、こちらはいい塩梅だ。しかも値段の割には、ロース肉は4切れも入っている。歯ごたえが残るのは、この際目を瞑ることに。
 蕎麦を食して中盤に差し掛かったところ、おかみさんが蕎麦湯を用意してくれた。小さなお盆に湯筒とそば猪口が添えらる。蕎麦を食べ終わって、せっかくなので蕎麦湯を、用意してくれたそば猪口に注ぐと、どろっとしたゲル状に軽い驚き。かつて両国のほそ川で食した蕎麦湯にも似て、蕎麦粉をお湯で溶いたものだろうか。つけ汁と混ぜ合わせると、たちまち乳褐色に変わる。この蕎麦湯で割ったつけ汁が絶品。血圧が高めで塩分を控えがちな私でも、飲み干したくなるほど。
 総じて以前訪れた 坂むら同様、私のお気に入り蕎麦屋リストに組み込まれるほど気に入った。会計時に、「こちらのお店は随分雰囲気がありますね。いつから営業されているのですか」と尋ねてみる。
 「昭和の初めから始めたんですよ。古いだけの店ですけど」と遠慮がちに笑うおかみさん。「いや、なかなか美味しかったです」「ありがとうございます。私はもっぱら主人を手伝うだけなんですけどね」と謙遜する。「(お世辞抜きに)またこちらに伺います」と伝えつつ、店を後にした。

  • 外観

  • 外観

  • 外観

  • 鴨せいろ

  • 蕎麦湯

  • 店内

  • 店内

  • モルタル長屋

  • モルタル長屋

  • カフェー様式の建物

  • 天祖神社

  • 天祖神社の玉垣(城東三業組合)

  • 天祖神社の玉垣(亀戸遊園地)

  • 看板のない美容室

  • 三富荘

  • やぶ並びの薬局(廃業)

2012/07/16 更新

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