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掲載保留お好み焼き 幸塩釜口、植田(名古屋市営)/お好み焼き、焼きそば
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昼の点数:4.2
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~¥999 / 1人
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料理・味 3.8
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|サービス 3.4
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|雰囲気 4.6
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|CP 4.2
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味3.8
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| サービス3.4
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| 雰囲気4.6
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| CP4.2
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| 酒・ドリンク- ]
海の幸 山の幸 元八事の幸
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外観
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外観
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外観
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外観
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ホーロー看板
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いかと玉子入り焼きそば
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鉄板台
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2012/02/20 更新
天白区元八事4丁目。キッチンこまったくんでの食事を終えて、塩釜口駅へと戻る道のり。飯田街道の塩釜口東交差点にて見えてきたのは、私の心を鷲掴みにした幸という名のお好み焼き店。板壁造りの外壁と寄せ棟造りの屋根。まるで農家のような建物にて営まれるこちらの店。もし山あいの田畑に囲まれた立地なら然程驚かないが、隣同士はマンションに囲まれて、れっきとした市街地。未だに現役で営まれていること自体、堺正章でなくても星3つは進呈したくなるもの。
すでに腹八分といった状態だが、ここで躊躇する時間は全くない。この店まで来るのに急き切った息をととのえ、引き戸を開ける。ガランとした店内。正面奥には鉄板の焼き場があって、その前には推定80歳前後のおかみさんが立っている。その手前のテーブル席には、焼きそばの皿とご飯と味噌汁を並べた、同世代の白髪角刈り男性がひとり。「いらっしゃい」とおかみさんの声に、同調するかのごとく笑顔を振りまき頷く男性。どうやらこちらのご主人のようだ。
まずは手に持っていたカバンをパイプ椅子の席に置き、壁に貼られた短冊型のメニューを眺めていく。大別すると、お好み焼きと焼きそばを食べられるようで、具材の選択により金額が異なるシステム。どちらかと言えばお好み焼きよりも焼きそばの気分な私。一番安い野菜入りでたったの300円。他の具は肉、いか、海老、玉子入りを選択でき、組み合わせ数により金額が上がっていく方式。私が選んだのは、いかと玉子入りで360円。先ほどの洋食店で、イカのイラストばかりを見せられたからではない。
おかみさんは、早速鉄板で焼きの準備に取り掛かる。映画『スターウォーズ』の登場人物で、生きる伝説と称されるジュダイマスターにどことなく似ているヨーダ。その傍らで相変わらず、焼きそばを啜っているご主人。12時過ぎという掻きいれ時なのに、のんびりと食事をしている様子をみると、普段からお客さんが少ないのだろうか。
窓の外ではギャンギャンと犬の鳴き声が聞こえ続ける。こちらの飼い犬なのか、鉄板で焼きそばを炒める音との不思議なコントラストを奏でている。「おにいさん、玉子はどうするの?つぶし、それとも目玉?」と尋ねられた。玉子の仕上がりを選択できるようだ。ここは目玉焼きを選択してしばし待つ。時間にして5分程度か、出来上がった焼きそばの見た目は意外にも食欲をそそる。目玉焼きの黄身の周囲は半透明な白身の状態。黄身を崩して麺と絡めるには丁度いいかも。
早速焼きそばを啜るも、出来立ての熱々でなかなかの味わい。麺がかなり太くて食べ応えがある。年季の入ったあの鉄板が美味しさの秘訣なのだろうか。半分ほどまで食べ進んでから、目玉焼きの黄身を崩して絡めれば、味わいも一段とまろやかに。
食べ終わって自ら食器を下げるついでに、お茶のお代わりを注いでもらう。おかみさんに、この店は何年ぐらい続けているのですかと尋ねてみた。かれこれ30年以上の営業だという。思ったほどの年数は経っていないが、この近所の名城大学がこの八事裏山の地に移転して以来、移り住んでいるとのこと。おそらく約45年間は、住み続けてきたのだろう。
元々は、畑でうどんや麦を作っていたというおかみさん。大学が移転してからは、大学生相手にそれなりに需要があったに違いない。「ほんだで下宿の学生さんとか、ようけ食べに来てくれたんだがね」とほほ笑むおかみさん。「今は食べるところも一杯あるもんだで、昔のようにはいかんわね」
ご主人も、定年退職後にこの店を一緒に手伝ってくれているとか。これまでほとんど言葉も発せず、ニコニコと笑顔のご主人。ほとんど食べ終わったのか、ご飯のどんぶりを手に持つと、急須でお茶を注ぎ始める。
店内の時計を見やり、いまの時刻を確認。得意先との午後の商談も何とか間に合いそうだ。お会計をする際、ご主人は私に目もくれず、ズルズルと音を立てながら残ったご飯をお茶づけにして食べていた。