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みやす元町(JR)、元町(阪神)、旧居留地・大丸前/ステーキ、ハンバーグ、洋食
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夜の点数:4.5
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¥15,000~¥19,999 / 1人
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料理・味 4.5
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|サービス 4.0
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|雰囲気 4.0
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|CP 3.0
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.5
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| サービス4.0
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| 雰囲気4.0
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| CP3.0
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| 酒・ドリンク- ]
約束の場所で
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2011/09/20 更新
生まれて初めて食べたプリンはみやすのプリンだ。
いくら神戸に住んでてもそんな人間は少ないはず。
なんのことはない。
母親がこちらでパート従業員をしてたから、
お店が余ったプリンを母親に持って帰らせてくれていただけ。
それはもう、30年以上前のお話。
当時からみやすが神戸の最高峰だったらしい。
「江夏が来てたよ」
「田淵が来てたよ」
そんな時代だ。
もちろん、パート従業員だ。
まかないであの肉を食べさせてくれるわけではない。
「よっしゃ、ワシが連れて行ったろ」
ダメな親父がそんなことを言うわけもない。
いくら6歳でも、田淵が食べるのと同じ肉を、
飲んだくれ親父が食べさせることができないことくらいは理解できていた。
だから、
生まれて初めて交わした母親との約束、
それが「俺がみやすに連れて行く」だった。
でも、物語なんて、そんなに美しくは進まない。
初めて稼いだバイトのお金はパチンコに消え、
就職してもお金は服と飲みと車と遊びに消えていった。
そもそも、そんな約束を覚えていたかどうかも怪しいもんだ。
でも、ようやく約束を果たせました。
大きな仕事が終わった際に、ちょっとした臨時収入をいただきました。
「トリッカーズ買って、後は飲みに行くか」・・・・。
ダメ親父同様、全く変わらない俺・・・・・。
でも、なぜだかこの約束のやりとり、そんな昔の風景がフラッシュバックしました。
そんなことってあるんですね。
「みやすに連れていってやらなくちゃ。」
母親の歯がちゃんときれいに残っていてくれたこと、
もっと言えば、母親が生きていてくれたこと、
感謝しなければ。
そして・・・
昔と変わらずにあるみやすの前に立ち、深呼吸して店内へ。
あぁ、こんなのだったのか・・・。
頭のなかに描いていたみやすと、現実にここにあるみやす。
二つの景色が初めてシンクロします。
いい年のとり方をできなかった母親は、店員に自分のことを気づかれないように伏し目がちに席につきます。
「ガーリックトーストが食べたいんよ」
そうだ、日曜日の朝食は必ずガーリックトーストだった。
それは、母親がこちらのガーリックトーストを見よう見まねで作っていたもの。
本当の味を知らないまま作り続けていたもの。
どんな味か知りたかったんだ・・・・
さて、メニューを見てみます。
「一番安いんでええんよ」
ここまで来て安いもクソもない。
俺はサーロインコース、母親はテンダーロインコース。
料理が出てくるまで、店内を見渡す母親に昔を懐かしむような表情が。
30年だもんな。
前菜が出てきてスープが出てきます。
母親の顔が綻んだのはやはりガーリックトースト。
自分が思い描いていた味なのか、それとも自分のほうが上手く作っていたのか、それはわからない。
「美味しい」
美味しいという言葉はこんなにも喜びが詰まっているものなのか・・・。絶句。
さて、メインのお肉がやってきます。
それまでのお料理でちょっとばかしお腹が膨れてしまったのがもったいないな。
このお肉は今まで俺が見たことのないようなお肉。
俺はこんな肉があることを知らないまま生きてきて、
母親は、こんな肉があることを知りながら知らないふりをして生きてきた。
どちらが幸せか知らないけれど、
ともに初めて食べるお肉。
この瞬間、俺も母親も幸せであることに間違いなかった。
とっても美味しかったです。でも、俺はミディアムにしたけど、レアにしときゃよかったかな。
あ、そうだ、創業50年のみやすさん。
みやすさんががんばってくれてなかったら、約束を果たせませんでした。
ありがとうございます。