今年もまた、
新神戸オリエンタル劇場にまたキャラメルボックスがやって来た。
子どもが遠足を待ちこがれるように、
待ち遠しく感じられる楽しみを持つというのは、
それだけで何か心が弾むような、
ウキウキした気分を味わうことができ、
約半世紀を生きてきても、
なんとなくそういう自分が心地よかったりする。
今回のお芝居は、
東野圭吾原作「容疑者Xの献身」。
原作を読んだとき、
これだけ多くの場面展開と多くのエピソードが盛り込まれた小説を、
どうやってお芝居にするんだろうと興味津々だった。
2時間を超える長いお芝居だったが、
スピーディーな場面展開と観客にガンガン迫ってくる役者さんのお芝居が、
時間の長さなど全く感じさせることなく、
あっという間に大団円まで連れて行ってくれた。
その脚本と演出は、
全く見事と言うほかはなかった。
最後の場面では涙腺の弱い私はオイオイ泣いてしまい、
席を立つときに恥ずかしい思いをしたが、
本当にすばらしい、魅せるお芝居を楽しませていただいた。
今は遠足が終わってまた日常に戻る小学生のように、
ぽっかりと心に穴が開いたような気分であるが、
次の神戸公演は11月だそう。
今からまた楽しみである。