遊蕎仙人さんが投稿した江戸前 鮨 服部(東京/乃木坂)の口コミ詳細

遊蕎仙人の食べ歩き備忘録

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江戸前 鮨 服部乃木坂、六本木、青山一丁目/寿司、海鮮、日本料理

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.1
      • |酒・ドリンク 4.3
1回目

2019/09 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.1
    • | 酒・ドリンク4.3
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

江戸前の仕事を居心地よく食べる幸せ

残暑が厳しいが、暦の上では立秋を過ぎている。
最初に出されたのは、初物のいくらと鰻の煮凍り。しかも色付いた紅葉を添えて。
俳句に季語があるように料理にも季節を感じさせる演出がされている店は良店の証。
薄皮のいくらは小粒だが、ちょっと青柚子をかけたものとよく合う。 鰻も味がしっかり。
イカ、シンコの2貫の握りで出てから、その後は、またツマミに戻る。 
ちょっと小腹を満たさせるあたり、懐石のお凌ぎを応用しているようで、なかなか計算されている。

生牡蠣はみかんのジュレが乗って供された。安易にポン酢などに逃げず、爽やかな柑橘の香るジュレを合わせてくるのは、
相当に研究しつくされた証拠である。この時点で、大将の料理に酔いしれたいと心から思う。
オイスターバーで供される味の濃いソースに辟易していただけに、食に対しての同じ価値観を見出した気分。
鰹は、その場で藁の高温の炎で炙って塩タタキに。刻んだ茗荷がさっぱりさせ、塩はむしろ甘さを引き出す。
煮だこは相当煮たのだろう、柔らかく炊き上っていて、関西風に言うと味がしゅんでて美味しい。
豊後で獲れたアジは、なめろう風にと言いつつも、酢味噌仕立てで、爽やかな味わいが食べ進めるにつれて美味しさを増す。
毛ガニの身は蟹味噌と和えられて微量のキャビアを乗せて。 もう不味いわけがない。
ツマミの部に入ったところで、日本酒に変えたのだが、カタクチも猪口も錫製で、酒を柔らかくしてくれて飲みやすかった。

続いて握りを楽しむ。
づけ、とろ、カレイ、イサキ、鯛、つぶ貝、雲丹、車海老、アナゴ、干瓢巻き、いくら手巻き、玉子焼き。と食べ進める。
すべて煮切り醤油を軽く刷毛で塗って供されるので、手で口に放り込む。
仕事をしてある鮨は、食べるごとに感動を味わえて、口中に幸福を感じるくらいに旨い。
そもそも上方の押し鮨に対し、江戸の前=東京湾で獲れた魚を使ったから江戸前鮨と言うようだが、僕の中では仕事をしてある鮨が江戸前だと勝手に定義している。この仕事を食べることが鮨の真骨頂なのである。
切っただけの魚の切り身をシャリに載せただけのもので、回転すしやスーパーのテイクアウトコーナーに置いているようなものとは一線を画すのは、自明の理である。
大将・服部さんの計算しつくしたメニューの組み立て、江戸前鮨の仕事、季節を味合わせる心意気。
全てに感服してしまった。  久々に良い鮨屋に出会えた。

2019/09/03 更新

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