「さくらだといふ
春だといふ
一寸、お待ち
どこかに
泣いてる人もあらうに」
これは…詩人、山村暮鳥さんの「桜」と云う詩。
そう、
「おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきさうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平の方までゆくんか」
これも同じ作者である。
未だ震災の真っ只中で桜の季節を迎えた東北、
さらには原発被害の福島…
まるで遠い空から予言していたかのような…
今年ほど、桜の花が物悲しく、
そして何事も無かったかのような顔をする青い空と白い雲に対して
空恐ろしく思ったことは、無いだろう。
しかし・・・人間の宴会や花見は自粛出来ても
桜の花が咲くのを自粛しろとは言えない。
青空が拡がるのを止めることも出来ない。
もちろん非被災者である我々に、
被災者の気持ちなど分かるわけがないのだけれど
非被災者が自粛したくなる気持ちも分かるし
過度な自粛はいけないという意見も分かる。
どうしたら良いのか、結局分からない。
おそらく、正解は無いのだろう。
ただ、カネの動き、つまり経済を止めてしまうのは良くない
ということだけは間違っていないと思う。
それも、なるべく東北にカネが集まるように。
ということで、東北の料理を食べて東北の酒を飲むことにした。
宮城では、塩釜の「浦霞」、松山千石の「一ノ蔵」、愛宕の「伯楽星」
いずれも被災した酒蔵である。
なかでも「伯楽星」は、被災した中から救出した麹で新酒を造ったらしい。
福島では二本松の「奥の松」
こちらは震災よりも原発風評被害の地域とも云える。
海外では日本全体が風評被害に遭っているようなので
せめて国内では応援しないと。
そして「伯楽星」は、今や東北のイメージが強い「楽天」で取り寄せた。
旨い! 思わず泣けてしまった…。