1回
2020/03 訪問
【祝 全線運転再開】地元愛が生んだ地方鉄道最高の楽しみ 料理美味お酒最高人が優しい 一度は味わいたい列車食堂のひと時があります。
2020/11/29 更新
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こちらのおれんじ食堂は、食堂は食堂でも列車の食堂です。
薩摩おれんじ鉄道が運営する走る食堂です。
薩摩おれんじ鉄道は熊本の新八代から鹿児島の出水までを走る第三セクターの列車です。
海沿いをのんびりと走る、地元の方向けのローカル路線です。
7月の雨で一部区間が不通になり、この食堂も短縮運転でしたが11月から全線再開、この食堂コースも元通りになりました。
おれんじ食堂は、特別な列車が最大1日4便運航する食堂列車のことです。
朝の1便目はモーニング、昼の2便目はスペシャルランチ、午後の3便目は夏はスウィーツ列車、冬はディナー、夕方の4便目は夏限定のディナーです。
今回は昼の第2便一番スペシャルなランチにしました。
坂井シェフ監修の和フレンチ融合料理です。
新八代から4時間乗車し、その間に景色を見ながら食事をしてお酒を飲み、時々止まる駅で買い物をしてお土産をもらい、と盛りだくさん企画です。
列車は2両ですが、木の造りで落ち着けます。清潔で瀟洒な作りです。
1号車が食事しながら、2号車は食事なしでも乗車できます。
今日は2人で1号車のカウンタ席を予約しました。ここが正面に海が見える場所。
インターネットで座席位置まで予約できます。
第2便は新八代駅の入口が集合場所です。
係の方が来ました。何と今日は我々しか予約が入っていない、皆キャンセルとのこと。乗車時点の3月末は最大の危機突入前です。
その前まではお客さんがたくさん来ていたとのことですが、今日は我々のためだけに列車を走らせていただきました。お客さんが戻りかけていたところに豪雨での被害、そしてそれを乗り越えて通常に運航できるようになり、本当に良かったです。
本日はあいにくの天気ですが、その分はお酒を好きなだけ飲み、ゆっくり列車の旅を味わいます。我々のためだけの景色や場所の話も本当におもしろくありがたいです。途中のこちらが薩摩、こちらが江戸なんている昔の道しるべは教えてもらわないとわかりません。
いきなりお酒の話ですが、文字どおりなんでも揃っています。
九州と言えば焼酎、この沿線の出水では焼酎蔵もあり、ウルトラマンのバルタン星人やゼットンも焼酎名を冠されています。
熊本側は米焼酎です。そのほかに九州一円のものがあります。
ビールは熊本の地ビールがあり、料理がフレンチテーストなのでワインもボトル、グラスお好みでいただけます。ワインの種類も赤白ともども豊富。
お酒好きには、非日常空間で好きなお酒が好きなだけ飲める最高の体験ができます。
まずはビールから、これに合う地元の郷土おつまみも次々と来ます。ちくわみたいなベタなものが最高。
次から次へと地元のお酒を頂きました。九州はやはり焼酎が最高です。
鉄道の始発から終着まで4時間弱ゆっくりゆっくりと進みます。
途中で何回も止まりながら景色を見つつ、途中下車してマルシェで買い物をして、途中下車して海まで歩いたり、そしてスペシャルランチをいただきながらお酒を好きなだけ飲みます。何とも幸せです。
ランチの内容ですが、写真を載せたので見ていただくとして、とても美味しいです。本格的なコース料理です。
もちろん地産地消で沿線の素材が使われています。メインもデザートも最高のお味です。
また地元のおつまみやお菓子などもつまむことができ、これが何とも言えない素朴な美味しさです。
なお、この列車に乗る前にぜひ見ておくべきは、「かぞくいろ」、という映画です。
有村架純主演でこの鉄道と沿線の街が舞台になっています。
この映画のあちこちの場所をとおりながら列車は行きますし、停車駅には映画撮影時の写真などありますので、より身近に感じるためにも事前鑑賞がぜひおすすめです。
日本全国いろいろな観光列車があると思いますが、このおれんじ食堂は、懐かしい九州のローカル列車を彷彿とさせる素朴な温かみがあります。
きれいな海と懐かしい景色、乗務員の方々との楽しい会話、郷土料理のテーストを入れた美味しい本格料理、そしてお酒好きのための数知れないお酒の用意、などなど、そして何よりは素朴なおもてなしを大事にした接客がとても良い思い出になりました。ぜひもう1度乗りたい。また乗りに来させてもらいます。
おれんじ食堂は知られざる名列車名食堂です。
小さな鉄道ですが、いつまでも熊本と鹿児島の地を走り続けてほしいです。