この口コミは、因幡うさぎさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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昼の点数：4.0
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～￥999 / 1人
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料理・味 4.5
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|サービス 4.0
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|雰囲気 4.0
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク 4.0
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［ 料理・味4.5
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| サービス4.0
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| 雰囲気4.0
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| CP4.5
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| 酒・ドリンク4.0 ］
抜きん出て並ぶものなし
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2021/06/11 更新
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失礼を承知で言えば、特に期待も無く来店した。
30分程の時間つぶしに、日差しを避けたかっただけだ。
目的地の最寄りの喫茶店、それだけだった。
ちらりと見た事前情報で食事がトーストしか無い事は知っていたし、作業前に軽く口に入れられれば、コンビニのパンでも良いくらいの心持ちだった。
昭和感あふれる扉を開けると、
中は映画のセットかと思うほどにザ・昭和だった。
奥の窓際に座ると、窓からそよぐ風が心地よい。
全体的に少しヤニ臭さもあるので、気になる人は誘えないだろう。
注文したのは、トーストとアイスカフェオレだったか。
時計を見ると、待ち合わせまではまだ25分ある。
トーストとアイスカフェオレなら...と思っていたが、
注文するタイミングが悪かったのか、5分、10分と時間が経過していくが、一向に運ばれてくる気配がない。
この時の焦燥は完全に私の油断によるものなので、
決して、お店が悪いという意味ではない。
しかしながら、見込みを大分外してしまった私は、
時計を何度も見やりながら内心の焦りを隠せないでいた。
15分ほど経ってトーストとが運ばれてきた。
この時点で、味わって食べるという余裕は無くしている。
五分で食べて、早足で行けば...気持ちはそればかりだった。
トーストは親指の長さ程もあろうかという厚切り。
バターがてらてらと黄金色に光っていて、
持ってみるとふんわり、そしてずっしりとしている。
まずは一口とかぶりつくや、あっ、と固まってしまった。
柔らかく香ばしいパンがうまい。
そこに、たっぷりと染み込んだバターがうまい。
焦りに満ちていた気持ちが、いっぺんに吹き飛んでしまった。
それほどまでに、洗練された一品だった。
そこに運ばれてきたアイスカフェオレに、私は再びやられてしまった。綺麗な黒白のグラデーションに泡の帽子をかぶった姿は、洒落ているという他に言いようが見つからない。
なんと油断して入ってしまったことか、と後悔した。
後悔しながらも、トーストをつまむ手は止まらない。
木皿にそっと盛られたマーマレード？だろうか、
詳しくなくて申し訳ないが、このほろ苦いジャムを塗ると、もうひとつ、このトーストの格が上がる。
アイスカフェオレのコーヒーの所だけを飲んでみたが、
苦みに弱い私でもアイスで飲める程の苦みの無さに驚く。
お店には悪いが、このセットだけで一時間は居座れる。
これほどの物を、たった五分で味わわなくてはならない、
その悔しさは筆舌に尽くしがたい。
しかし、約束は約束。
遅れる訳にもいかぬので、そそくさと会計に立った。
店主にこれほどうまいトーストは初めてだと告げると、
店主は苦笑しながら、
「一つ覚えで、これしかできないんですよ」
と言うものだから、もう、完全に参ってしまった。
一芸に秀でていながらも、この謙虚さには頭が上がらない。
店を出た時には、私はもう別人のようだった。
急ぎ足ではあったが、心の軽さが段違いだった。
今度は必ず時間に余裕を持って来よう。
その機会を狙って、私は虎視眈々とカレンダーとにらめっこをしている。