3回
2017/07 訪問
これが「THE 京都ラーメン」
場所は言わずと知れた京都駅近くのたかばし、新福菜館の隣。
第一旭は父兄がとにかく複雑で、本家、元祖、たかばし、神戸第一旭、尾道第一旭、さらには藤も亜流としてみることができる。また名前貸しなのか名前だけ第一旭で独自の味メニューを展開している店もときどきあったりする。
その膨大な系譜の原点がこの店である。
わたしが訪れたのは16時半頃。この時間は第一旭も新福も行列はできていない。
中に入るとさすがに8割の入り。空いているテーブルがあるにもかかわらず、相席することになった。
店内は6人ぐらい座れるカウンターの他はテーブル席。トイレは厨房横の階段を降りた地下という変わった場所に配置されている。
壁際のカウンター席には壁に調味料の入った棚が設置され、その上にはメニューが書かれたプレートがはめ込まれている。
ラーメン並で。
ラーメンは九条ネギともやし。伏見の醤油を使用しているというチンタンスープの醤油スープには脂が結構浮かんでいる。麺は京都の老舗ラーメン店ではスタンダードの中細のストレート。もちろん近藤製麺の麺です。
麺はのどごしよく、スルスルと食べられます。
スープは豚骨で甘みもあり、飲み口は存外軽い。
麺ともよく絡み、スイスイという感じでのみ進めてしまう。
スープの味は数ある第一旭系でも「やはり本店は違う」と思わせる何かがあります。
チャーシューは肩ロースかな? これまた京都の定石通り薄め。
味は……うーん、柔らかいと言うより繊維が破壊されていると表現したくなる口当たりで、スカスカしてあまりおいしいと思いません。
ついでに言っておくと、コショウの使用には注意してください。
第一旭のスープはコショウを振ってもあまり味が変わらず、調子に乗って降り続けているとしきい値を越えると突然醤油くさく辛くなってしまう特徴があり、何度も痛い目に遭っています。
個人的には「THE 京都ラーメン」は何かと言えば第一旭だと思います。
昔ながらの京都ラーメンのエッセンスの詰まった一杯でした。
2017/07/18 更新
第一旭は裁判でお店の経営権は店主、屋号の権利は創業者一家にあるという判決が下されており、かつて展開していたチェーン店の生き残りや創業者一家の展開している神戸第一旭、それらののれん分け、買収などで恐ろしく複雑な家系図となっています。
しかし出発点がこのお店であるのは間違いありません。
3年近くぶりに訪問しました。
緊急事態宣言解除とはいえインバウンド客が激減しているせいか、15:15頃でお客はわたしも含め3人です。
1週間ほど前に2日かけて店内をリフォームされたとのことで、カウンターもテーブルも台の部分がきれいになっています。 新調されたテーブルには引き出しが付いていて、お箸や爪楊枝はここに収容されています。
壁もきれいですね(正直に言えばお隣共々、ビル自体を立て直した方がよさそうにも思いますけど)。
ラーメン並とライス小を注文。
ご飯をたのむと店員がたくあんの入ったタッパーを持ってくるのですが、そのタッパーが2、3個しかないようで届かないことも。今回もたのんで持ってきてもらいました。他のお客さんのところから取って来られました。
儲かっているはずなのに、なんでこんなところをケチるかなあ。
麺は中細のちょい固めの仕上がり。
スープは京都のスタンダード・オブ・スタンダードで豚骨醤油に豚肉のうまみが溶けたスープ。適度な油も加わって甘みを感じます。
チャーシューはちゃんとカットしたものと端切れと半々。脂身が少し少なめです。
ご飯はそれ自体はパサついており、おいしいとはいえないのですが、ラーメンと一緒に食すといい感じになります。
それはそうと味変アイテムにおろしにんにくがなく唐辛子とラードを練り合わせたもの(横綱でいうニントン)になっていたんですけど……ってこれ、ラーメン藤本店でもいいましたよね。
4/1を持って禁煙になったようです。
帰り際、厨房の窓から「近藤製麺」と書かれた麺箱が見えました。