ノバンディさんのマイ★ベストレストラン 2018

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

素材の味をシンプルに昇華させる店が好きです。
その極みをいっているのが、選んだこの9軒です。

マイ★ベストレストラン

1位

浅草じゅうろく (浅草(つくばEXP) / そば、日本料理)

29回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2021/10訪問 2021/11/21

はまぐり蕎麦

再訪。半年振り。29回目。

この日のヒット作は、「はまぐり蕎麦」。
はまぐりのお出汁と返しとのバランスがとても綺麗。
一般的に、はまぐりのお出汁とそばつゆのお出汁とのバランスが綺麗なお店は散見されるが、
そこに返しが加わるとバランスが総崩れになってしまうケースが非常に多い。
はまぐりの磯臭さが強調されてしまうのだ。
ところが、こちらの「はまぐり蕎麦」は返しの効かせ具合がとても良い。
返しを主張させず隠し味程度にすることで、はまぐりの磯臭さが綺麗になくなっている。
それと。
返しを少なめにすることで、温かい蕎麦としての完成度も高くなった。
というのも。
個人的に、こちらのお店のかけそばはとても美味しいと思っているのだが、
不満があるとすれば返しが強過ぎる点で、とても勿体無いと思っていた。
かけそばを美味しく感じる味のポイントは人それぞれなので何がいいとか論ずるのは無粋だが、
少なくとも今回の「はまぐり蕎麦」のそばつゆは僕が美味しく感じるポイントずばりだった。

ただ、今回の蕎麦自体は、新そばに切り替わる直前だったためか、
味わい的には非常に弱く、あまり印象に残らなかった。
最後の「せいろ」も同様。
今はもう新そばに切り替わったようなので、美味しくなっているものと思う。

再訪。28回目。

この日の大ヒット作は、「そばがき」。
玄蕎麦が美味しいと、そばがきはここまで美味しくなるのか、と感動。
ただし、美味しく頂ける食べ方のトップゾーンは非常に狭い。

以下、詳細。

そばがきは、お店によって提供の仕方は千差万別。
こちらでは、小鍋に蕎麦湯を張りそこにそばがきを入れた状態で提供される。
そこから、客が、そばがき(固体)と、蕎麦湯(液体)を蓮華で掬い取り、
小鉢に移してから、そばつゆ、塩、醤油といった好みの味で楽しむというスタイル。
楽しみ方のバリエーションが実に豊富。自由度が高い。

一般的に、そばがきは、使用する玄蕎麦の種類や状態やその挽き方や、
作る過程での水分量や温度やかき混ぜ速度によって、味が大きく変わる。
客からすれば、その日のそばがきはどんな状態なのか分からないので、
提供されてから、何口か食べてみて、どういう食べ方がよいか、
どういう味わい方がよいか(どこに味覚を集中させればよいかなど)、
を即座に判断する必要がある。
更にこちらのお店では、小鍋で温めながら提供されるので、
そばがき自体の味がどんどん変化していくので、難易度が増す。

しかしながらだ。
こちらのお店は、そばがきは楽しみ方のバリエーションが実に豊富であり、
その選択の自由は客側に委ねられているので、
味のピンポイントに上手く嵌ったときに、素晴らしい味の世界が開ける。

この日のそばがきは、小鍋の中で長めに温めて、
蕎麦湯とかなり馴染んだ状態までもっていって、とろとろになる寸前がベストな状態。
ここまでくると、蕎麦の味が開き、香りも開いてくるので、
そばつゆでも、塩でも、醤油でも、何でも合う状態になる。

お店のご好意で山盛りにしてくれたそばがきが、あっという間になくなった。

蕎麦割烹ならではの、そばがきの楽しみ方。
だからこそ、巡りあえた味。
再訪。27回目。
4ヶ月ぶり。

こんなに間を空けてしまったのは初めてかも。
仕事が忙しくてなかなか行けなかっただけなんだけれど。
当日予約。「今日なんですけど、1名、入れますか」

鴨鍋を組み込んだコース。
こちらのお店の看板メニュー。
そういえば、初めて利用したときも、鴨鍋だった。
それから通いも通ったり27回目。

他の季節も良いけれど、やっぱり冬だよね。
鴨鍋があるし、魚介も美味しいし、蕎麦も美味しい。

「鴨鍋」は、鴨肉のクオリティがとても良く、鴨らしい味わい。
お鍋のつゆの出汁も、さすが蕎麦屋の出汁といった感じで綺麗。
そして、たっぷりの芹(せり)。強めの返しを芹がしっかりと受け止める。
芹の根っこも出汁と返しとしっかり馴染んでとても良い状態に。

こういう鴨鍋を1人客でも存分に楽しめるだけでも満足なのに、
更に「牡蛎フライ」が相変わらず素晴らしい出来栄えで悶絶。
じゅうろく定番の広田湾(陸前高田市)の大振りの牡蛎。
貝柱までしっかり。えぐみは一切なく、甘くてミルキー。

そしてやっぱり「蕎麦」。この日は少し硬めの方向性の仕上がり。
しっかりとした旨み。香り。トータルのバランスもとても良い。

この日は、八寸が素晴らしく豪華になっていた。
お造りも最高。

腹パン。

コースの途中で、鮨とか、雑炊とか、鴨鍋のそばがきとか、芋とか、
炭水化物がちょくちょく入るので、
次回はちょっと出し方を調整してもらおうと思う。
再訪。26回目。

一般的に、蕎麦は夏を迎えると急激に味が落ちると言われている。
そんな中、こちらのお店は、夏でも美味しい蕎麦を頂ける。
ただ、それでも、こちらのお店の2月3月のピーク時の味を知ってしまうと、
その後はどうしてもあの味を期待してしまうので、夏の蕎麦には
何となく物足りなさを感じていた。(誤解がないように言うが、
それでも他店より遥かに美味しい)

しかしながら、今回頂いた今年の夏の蕎麦は一体何なのだ。
全然味が落ちていないじゃないか。
どういうことだよ。(笑)

蕎麦を茹でる際に、美味しさがピークになるタイミングで引き上げられている。
そしてその状態の変化がゆっくりと進行するように冷水で締められている。
冷やしすぎてしまうと、蕎麦の味が広がらないので、
そうならないように丁度いい温度の冷水で締められている。

完璧。

蕎麦の味は、蕎麦そのものだけでなく、つゆだけでもなく、
この最後の茹でる工程と水で締める工程ですべてが決まる
といっても過言ではないことが如実に分かる。

素晴らしい完成度。
信じられないくらいに美味しいです。

それと。

今回スペシャルバージョンで出して頂いた松茸蕎麦が、
とてつもなく美味しかった。
もちろん松茸の味と香りが綺麗に乗っかっている点も良かったのだが、
それはどうでもいいと思えるくらいに、そばとつゆの出来栄えが完璧。
かけそばとして見たとき、
僕がこれまで全国で頂いてきた温かい蕎麦の中でダントツ。
蕎麦のゆで加減も抜群なら、つゆの返しと出汁のバランスも見事で、
そして、それらが合わさったときに、素晴らしいかけそばの世界が広がる。

浅草じゅうろくは、やっぱり蕎麦の店だよね。

再訪。25回目。

白状しよう。
昨年始められた鮎の炭火焼きは、正直、あまり好きではなかった。
美味しいんだけれど、旨みのポイントがとても狭くて、
そこに辿り着きたいのになかなか辿り着けないし、
やっと辿り着いても他の味で引き戻されてしまうから。

ところがだ。
今年の鮎の炭火焼きは、昨年あまり好きでなかった要素が綺麗さっぱりなくなっていて、
旨みだけを全包囲網でたっぷりと味わえるように変わっていた。

めっちゃ旨いじゃないか。

しかも、いきなり全国レベル。

塩加減もバッチリ。
水分の抜け加減もバッチリ。

また行くしかないな。(笑)
再訪。24回目。
もう好きすぎてしょうがない。(笑)

コロナ自粛営業中のはずなのに、
また新たな名物が誕生していた。www

「鹿カツ」

以前にも鹿カツはあり、これも絶品の美味しさだったが、
今回仕入先を変えられ、また違った方向の絶品の美味しさ。
サラサラとした旨みと、キラキラとした華やかさがあり、
後口が綺麗に終わってくれる鹿カツだ。
これを鹿だと言わなければ鹿だと分かる人はあまりいないんじゃないかと思うような、
従来の鹿のイメージを根底から覆すような味わい。

蕎麦も、この時期なのに殆ど味が落ちていない。
また腕を上げられたのではないかと思う。
再訪。23回目。
今回は、普段のコースではなく鮨メインのコースにて。
(コロナ自粛中の特別メニューです)

じゅうろくの鮨の美味しさは、
土日のランチのみの営業形態「じゅうしち」で確認済み。
普段の夜のコースの中でも鮨を数貫を追加していただくこともあるが、
結論から言えば、
こうして鮨メインでコースを組み立てていただくのも、アリだなと思った。

コースの構成は、
鮨の前に、いつもの八寸、そして刺身。
鮨の合間合間に、何品かおつまみ。
そして最後に、定番の蕎麦とデザート。

やはり、鮨を多く頂くと、気持ちの高揚感が違ってくる。
コースの中に1貫だけ穴子の握りがあるのも嬉しいし(一点集中のぶっとぶ旨さ)、
コースの中に5貫ほどの握りがあるのも嬉しいし(その日の厳選素材のぶっとぶ旨さ)、
コースの中に10貫ほど握りを追加するのも楽しいけれど(一度やりました)、
最初から鮨ありきで組み立てられたコースの場合は、
序盤で鮨を楽しむための味覚の下地を作り、
中盤からはどの土台の上で鮨の旨さをたっぷりと堪能できるのだ。
味覚の準備もしっかりできているし、更に気持ちが段々と高ぶってくるので、
コースを終えたときに何ともいえない充実感がある。

金目鯛の握り、超絶的に美味しかったです。
車海老の握りも、最高。
うに、赤貝の握りは、言わずもがな。
どれもこれも、最高の産地の最高の食材です。

久々にまた「じゅうしち」に行こうかな。
再訪。22回目。
これだけ通うには理由がある。
いくつも理由があるが、今回は、食欲に対する満足度について述べたい。

食欲には、大きく3つの要素があるのではないかと思う。
(1)美味しいものを食べたい
(2)お腹いっぱい食べたい
(3)いろいろ食べたい

じゅうろくは、コースの最初から最後まで、決して脇道に逸れることなく、
(1)も(2)も(3)もすべてを満たしてくれる。

僕は他の人よりも大食いなので、他のお店のコースではボリュームが足りなくて、
実は他店では幾ら美味しいお店でも欲求不満を抱えたままお店を後にすることが殆ど。
(1)(3)は満たせても、(2)は満たされない。
そこで追加のものを頼んだりしても、スペシャルなものが出てくることはなく、
単にお腹を満たすためだけに食べることになる。
そうすると、(2)と(3)は満たせても、(1)は満たされなくなる。
なので、僕にとっては、結構難しいことなのだ。

しかしながらじゅうろくは、
コース自体が結構ボリュームがある上に、
追加で出てくる料理も一流の味で出てくるので、
思う存分、美味しい料理でお腹を満たすことができるのだ。
今回追加で出てきた鮨も、蛤の椀も、カキフライも、超一流。
というか、カキフライは日本一だと思うし、
ウニの鮨も、こんなに美味しい馬糞ウニの鮨が出てくる鮨屋を他に知らない。

ちなみに。
今回の一番のヒットは、実は、白魚の天ぷら。
これはやばいわ。
白魚の美味しさを引き出すために、あえてこの衣にされているのだろう。

そんなわけで、何度訪れてもいつも新しい発見がある。

そうそう、食欲には、4つめの要素もあるんだよね。
(4)今まで経験したことがない味に出会いたい

そんな感じで、じゅうろくは、いつも僕の4つの食欲を満たしてくれる。
再訪。21回目。
少し間が空いてしまって3ヶ月ぶりの訪問。

蕎麦が一番おいしい時期を逃してしまったものの、
まだまだその名残が存分に残っており、
あまりにも美味しかったので、今回、コースの後に蕎麦を3枚。
最後は、山盛りにしてくれた。笑
まだ胃に入ったけれど、他のお客さんがお代わりできなくなりそうなのでストップ。笑

今回のハイライトは、蕎麦ももちろん美味しかったが、断然、金目鯛。
旨みに溢れた金目鯛。こんな美味しい金目鯛を頂いたのは、人生で初めて。

そして、もう1品。あん肝。
何これ、という感じでネットリしていて旨みに溢れている。
こんなに美味しいあん肝を頂いたのは、人生で初めて。
そして、添えられた奈良漬との相性が抜群にいい。


再訪。20回目。
ほぼ月1回ペースでの訪問。
これまでの僕のパターンでいえばそろそろ飽き始める頃なのだが、まったく飽きる気配がない。笑

さて。
今回は、クエ鍋コースで。

クエは鍋だけかと思っていたら、刺身でも、握り鮨でも。
結果、クエ三昧。

同行のお連れがクエに詳しく、食べ方を色々指南してくれた。

刺身は、つける醤油の量で旨さが激変する。
たっぷりつける。
分厚いスライスなのでたっぷりつける。

鍋の切り身は、火の通し加減で旨さが激変する。
たっぷりと火を通す。
脂こってりなのでたっぷりと火を通す。

鍋のあらは、どこまで食べるかで旨さが激変する。
たっぷりとしゃぶり尽くす。
骨の周りが旨いので可食部がなくなるまでたっぷりとしゃぶり尽くす。

今まで経験したことがない味わい。
僕の中でクエに対する世界観が広がった。
めっちゃ旨い。
そしてここまで食べ尽くすとめっちゃ気持ちいい。

再訪。19回目。

もう楽しくてしょうがない。
何がって。
行く度、行く度、新たな発見と新たな感動があるからだ。

この日は、「アジフライ」
これ、やばいやつだよ。まじで。
従来のアジフライの概念を全く覆す味わい。
鰺(アジ)は、肉厚で、そして鮨に使えるクラスの高貴な味わい。
こんな鰺をアジフライに使うお店なんて初めてだよ。
そして、この鰺を半生の状態に仕上がるように揚げる。
衣はカラッとさせた上で、だ。
とんかつとかなら分かるよ。豚肉は火が通りにくいから半生にしやすいよね。
でも、鰺って簡単に中まで火が通っちゃうから、こうした半生仕上げは難しいはず。
しかしながら、こうして半生仕上げにするからこそ出せる味がある。
中心部は、鰺の刺身から鰺の臭みが抜けて鰺の旨みだけが浮かび上がるイメージ。
周りは、鰺の軽いソテーのような、鰺の脂が活性化したような旨みが出るイメージ。
そして、ざっくりとした衣が、全体を纏め上げる。
いやはや凄い。
新たな看板メニューだ。

ちなみにこの日は、鴨肉の炙りも出色の出来栄えで、悶絶ものだった。
鴨肉でこんな味わいを出せる日本料理店は他にないのではないだろうか。

この日は、同行者の誕生日のお祝いでの訪問。
とても楽しく過ごさせていただき、感謝感謝です。
2019年で最も嬉しかった日になりました。
再訪。18回目。

お店のFacebookに松茸蕎麦が載っていて、
なんでこんなチャライ蕎麦を出すようになったんだろうと思っていた。
松茸の香りで蕎麦の香りが台無しじゃないか、と思っていた。

ところがだ。

間違ってたよ。僕が。
全然チャラくないじゃないか。
それどころか、松茸と蕎麦は相性抜群じゃないか。

まぁ当然、この味を出せるのは、この蕎麦を、
この打ち方で、このつゆで、この茹で加減で、
正確に狙ったように調整して出せる技術と
出したい味の明確なビジョンがあってこそ。

いやはや、すごいな。

それにしても、蕎麦には厳しい時期なのに、
この松茸蕎麦もせいろ蕎麦も、旨みをしっかり引き上げて出してくれる技術は
改めてやっぱりすごいと思う。

鴨焼きの旨さも神がかっている。

再訪。17回目。

土日のランチ限定で鮨を出すようになり、気になっていた。
鮨の美味しさは、ディナーのコースでたまに出てくる穴子の握りで確認済み。

今回、諸事情あり、特別に夜に鮨を握っていただいた。
結論から言えば、かなり好みのシャリ。
赤酢がとてもいい染み込み具合。ご飯にいい感じに馴染んでおり、
赤酢の酢酸の酸味とご飯の炭水化物の甘味がいいバランス。
急遽の訪問だったので、シャリを温めなおして下さるなど、
お店側にはかなり厳しい条件ではあったが、とても良かった。

以前の穴子の握りのときのシャリとも違っており、さらに進化した感じ。

シャリがようやくビシッと決まったということなので、
これから徐々にタネがこのシャリに合わせていかれるのだと思う。
この相性がビシッと決まったら、すごい鮨になるように思う。

再訪。16回目。

今回も、蕎麦が素晴らしかった。
この時期、玄蕎麦の味も香りもだいぶ弱くなっている筈なのだが、
様々な工夫によりそれを充分にカバーしており、
むしろ逆にそれにより個性的な蕎麦に昇華されていらっしゃる。
毎回、毎回、蕎麦の表情が異なる。
そもそも蕎麦に正解はない。
だから、「あぁこの方向で来たか」「あぁこれはこの方向で来たか」
という楽しみがある。
今回の2種類の十割蕎麦もその個性をしっかり堪能した。

じゅうろくは、基本的なコースの流れはほぼ毎回同じだ。
他店がこれをやると、僕はきっと飽きると思う。
でも、じゅうろくだと僕は全然飽きたりしない。
むしろ、それが好き。
何故だろうね。
通えば通うほど、好きになっていくんだよね。

今回、僕の誕生日会で利用した。
とても楽しくて、美味しくて。
ありがとう。
再訪。15回目。

蕎麦つゆが美味しくなった。
これまで、正直、蕎麦の美味しさに対してつゆが若干合わないなと感じていたのだけれど、今回はベストマッチ。
蕎麦の前の天ぷらで出てきた天つゆのときからいつもと違うことに気づいたけれど、蕎麦つゆで確信。
醤油の枯れた感じが加わり、つゆがグッと良くなった。
香りがいつまでも続き、味わい的にも一本芯が通ったようなどっしり感。
そのまま飲んでも、蕎麦を浸けても、蕎麦湯で割っても、オールマイティに美味しい。
また、空になった器も、いつまでも香りが続いてくれる。
器で鼻と口を覆うようにして鼻で息してみてほしい。その良さがすごく良くわかるから。

今回の蕎麦も素晴らしい出来栄え。
毎回、微妙に蕎麦の性格が異なっていて、引き出しの多さに驚かされるんだけれど、今回は特にビックリした。
長野の小布施の「せきざわ」の蕎麦にそっくりの蕎麦が出てきたから。
この方向性の蕎麦は「せきざわ」でしか出せないと思っていたけれど、ここじゅうろくで出てくるなんて。

このつゆと蕎麦があれば、東京ではオールシーズン無敵だろう。

鱧のお腕のお出汁も実に見事だった。
こういう出汁でお腕を出してくれるお店は東京では皆無ではないだろうか。
再訪。14回目。

この日は、久々にヒレカツを頂いた。
およそ1年ぶりだったのだが、更に美味しくなっていてビックリした。
衣が変わりましたよねと訊いてみると、変えていないとご主人。
いえ、1年前の写真と比べると、明らかに違っております。
大井町の「丸八」のような手法を一部採り入れましたよね。
これにより、ヒレ肉と衣の一体感が更に増し、衣のサクサク感も楽しめるようになって、
ヒレ肉の味わいが更に広がるようになった。
日本で一番美味しいヒレカツではないかと思う。お世辞抜きで。

蕎麦も相変わらず素晴らしく美味しかった。
「黒」の出来栄えが秀逸。香りの出し方がすごくいい。
しっかりとした蕎麦の旨みが土台にあり、更にこの香りがくるなんて。
啜っても美味しく、咀嚼しても美味しい。全包囲網で美味しい。
「白」の方が美味しいという声が多いそうだが、僕個人的には、
この「黒」の個性は他の蕎麦屋には全くないものなのでとても気に入っている。

この日も大満足。

再訪。13回目。

この日は、鹿カツがやばい出来栄えだった。
こんな鹿カツを出すお店なんて他にないと思う。

また、この日は、花山椒蕎麦も頂いた。
これもやばいね。
蕎麦に絡む花山椒の量で効き具合に強弱があるので、
いい具合になる場合と少し外す場合とが出来てしまうのだけれど、
いい具合になったときの昇華感はすごいね。
ピンポイントで、ぐわっとくる感じ。
再訪。12回目。
今回は、特別営業のうどんの会にて。

以下、備忘録として。

コース内容:
(1)若竹煮
(2)うどんのフリッターとコプラ(?)のサラダ★
(3)生うにとホタルイカ
(4)かまかけ★
(5)牛ステーキとアスパラ
(6)豆腐
(7)ざるうどん★
(8)かまあげ★
注)★がうどんメニュー。

(2)のうどんのフリッターは、衣が強すぎるのでうどんの味がぼやけてしまう。
コプラ(?)のサラダは、ココナッツの風味と食感が面白い。
ソースはエスニック風。生唐辛子ベース(?)で、素晴らしくおいしかった。
このソースが、この日一番のヒット。
この手のソースとしては、エスニック専門店を遥かに凌駕するくらいに美味しかった。

(4)かまかけは、つゆに改善の余地アリか。麺もいいし、つゆもいいんだけれど、
相性的にあまり合わない印象。

(5)の牛ステーキは流石の逸品。アスパラも美味しい。
ふきのとうのソースも良かった。

(7)は、あえて太さを乱切りされていたが、逆効果。食感的に均一でないことよりも、
うどんから抜ける塩分が均一でないことが気になった。
上に乗ったひもかわはとても美味しかったので、ポテンシャルはあると思う。

(8)かまあげが、この日頂いたうどんの中では最も良かった。
ただ、つゆをつけるとうどんの味がつゆに負けるので、うどん単独でちょうどいい感じ。

再訪。11回目。
今回は久々に4名利用。

鴨鍋コースに刺身を付けて。(8,500円+1,500円+税)
それと、日本酒と追加そばを。(プラス3,000円くらい)

今回も良かった。
今回のハイライトは、ズバリ、蕎麦。
蕎麦粉は、丸岡在来種。前々回の大野在来種があまりにも素晴らし過ぎたので、
それと比べると酷な面もあるが、今回の丸岡在来種もかなり美味しかった。
蕎麦の旨み、甘み、香り、がすべて際立っていた。
際立ちすぎて、胡麻や山葵といった薬味を寄せ付けず、
また、つゆの旨みをも寄せ付けないほど。
何も要らない、蕎麦だけでそのまま啜って頂くのがベストな蕎麦。
つゆとのバランスで美味しくなる蕎麦も良いが、
単独で頂く方が美味しい、個性が際立つ蕎麦も良い。
まぁ、突き抜けていれば何でもアリだ。

そして、常連客限定の、
かなり無理を言っても出してくれるかどうか分からない「かけそば」も久々のヒット。
これは蕎麦単独ではなく、蕎麦と出汁と返しのバランスが見事。
今回は私の好みに合わせて返しの濃さと温度を変えて下さったのだと思う。
空気を含ませながらズズッと啜って、
軽く咀嚼して(というより上顎と舌で蕎麦を軽く押しつぶす感じ)、
口の中でそれをゆっくりと繰り返しながら味覚を研ぎ澄ましていると、
蕎麦の旨みと甘みがじんわりと広がっていく。その様がとても綺麗。

「鴨鍋コース+刺身」の構成は以下。
(1)八寸
(2)若竹煮
(3)穴子の握り寿司
(4)刺身
(5)鴨鍋
(6)カキフライ
(7)酢の物
(8)蕎麦せいろ
(9)デザート

(1)八寸は、鴨の燻製が今回のヒット作。鴨の旨みがたっぷり。
上質な鴨肉だからこそ、そして丁寧に調理されているからこそ出せる味。

(2)若竹煮は、繊細な筍の味わいが木の芽と合わさることによって、
温かいミルクのような香りを伴う旨みに変化する。お出汁が淡いからこそ出せる味。

(3)穴子の握り寿司は、前回感じた酢飯の違和感が改善されていて、一体感が出ていた。

(4)刺身は、真鯛とウニ。この馬糞ウニはやばいね。臭み一切なしで蕩ける。
これ、鮨屋で出てきたら一体幾らになるんだろうか。

(5)鴨鍋は、今回の鴨肉はじゅうろく史上最高レベル。
身の柔らかさ、身の旨み、鴨ならではの滋味、脂のコクがあるのにクリアな旨み。
よく火を通しても、身は柔らかく、旨みも消えず、すごくいい状態。

(6)カキフライは、巨大サイズ。前回以上のサイズ。
個人的には、前回の方が塩分濃度的にはベストな状態。
ただこればかりは個体差があるので、致し方なし。
それでも、ここまで美味しいカキフライを出すお店はなかなかないと思う。

(7)酢の物は、くらげの酢の物。
薬味が強くなくて、今回の塩梅は個人的にベストと思う。

(9)デザートは、今回もとても美味しい苺と水羊羹。
苺は、甘味と酸味のバランスがとても良いものが選ばれている。

いや~、今回も充実。
また行きます。

再訪。10回目。

今回のハイライトは、なんと言ってもカキフライだ。
塩分濃度がバッチリ。牡蠣が元々含んでいる塩分濃度そのまま。
全く臭みのない大粒の牡蠣が、衣を纏ってタプタプに旨味と水分を蓄える、淡い味わい。
ソースも塩も必要ない。衣の中に潜んでいる牡蠣本来の旨味を探して探して意識をそこに集中したくなる味わい。
傑作です。

また、今回は鴨鍋ではなく、鴨鍋の椀を出していただいたのだが(他の方の鴨鍋のお裾分け?)、
これはいわゆる「ぬき」そのものであり、日本酒の当てにピッタリ。
出汁も美味いし鴨肉も美味いしセリも美味いんだから、この「ぬき」の旨さは推して知るべし。
このレベルの「ぬき」が出てくる蕎麦屋なんて他にないよ。笑

さて、今回の蕎麦は、黒と白をせいろで。
黒の蕎麦粉は丸岡産?永平寺産?で、白は大野産。
今回の蕎麦は、蕎麦自体も美味しいのは言うまでもないが、つゆとの相性がぴったんこ。
蕎麦の個性が更に広がり、いやむしろ昇華するほどの相性。

———

それにしても、今回のコースも素晴らしかった。
(1)青森産シジミの味噌汁
(2)八寸
(3)穴子の握り寿司
(4)お造り(秋田産のヒラメ、バフンウニ)
(5)ぬき(鴨すい)
(6)のどぐろの焼きもの
(7)海老芋の天ぷら
(8)カキフライ
(9)とらふぐの皮のポン酢和え
(10)湯葉豆腐
(11)蕎麦
(12)デザート

最初の(1)味噌汁は、先付けとしてぴったり。味噌の選択がとても良いと思う。
甘みや辛みを抑え大豆そのものの発酵感がしっかりある。
その滋味感で舌が引き締まり、味覚が活性化する。

(2)八寸は安定のクオリティ。
黒豆は相変わらず美味しい。今回は豆の質感がしっかりめ。

(3)穴子の握り寿司は、穴子の質が前回よりも良くなっていた。
ただ、酢飯の酢の香りが最初に強めに出るので、その後のシャリの感じ方に影響を与えてしまうような気がする。

(4)お造りは、これまでで最高の味わい。
白味魚固有の余計なキラキラ感が綺麗に取り除かれており、
ヒラメの旨味に自分の味覚を持っていかれるような感覚。
1万円クラスのコース料理でこのレベルのお造りが出てくるお店は他にないと思うし、
いや、数万円クラスでもここまでのものは滅多に出てこない。

(6)のどぐろの焼きものは、脂がほろほろ。
中はほろほろで、外はカリッと焼きめ。
身にたっぷり脂と旨味を蓄えて今にもはち切れそう。
のどぐろ特有の強い香りは抑えられ、旨味も敢えて凝縮させない調理法。
のどぐろをこんな方向性で楽しめるなんて新たな発見だった。
強めの塩分も、バッチリ決まっている。

(7)海老芋の天ぷらは、一転して塩分弱めで、衣も米粉?
そのため、海老芋そのものの味わいに意識が集中。
直前ののどぐろで口の中が脂でいっぱいになっていたところで、この海老芋でリフレッシュ。
心憎い流れだ。

(9)とらふぐの皮のポン酢和えは、前回、前々回よりも、茗荷や胡麻風味が弱めでちょうど良いバランス。
ポン酢も美味しい。

(10)の湯葉豆腐は、急遽出していただいたもので、そのためもあってか温度低め。これは致し方なし。

(12)デザートは、水ようかんといちご。
水ようかんはもう完成の域に達しましたね。素晴らしい出来栄え。
いちごは、いちごらしい香りと酸味。キリッとした味わいで、水ようかんと一緒に頂いて引き立つものが選ばれている。

いや〜今回も美味しかった。
素材も調理もコースの組み立ても、細部に渡って必然性がある。
それに気づくと楽しくてしょうがない。

この内容で約1万円のコースなんて有り得ない。

2週間後の訪問も楽しみです。
再訪。9回目。
ほぼ毎月通っている蕎麦屋。

「大野在来種の試し打ちを始めます」という知らせがあり、速攻で予約。

結論から言えば、いや~素晴らしかった。
先月の永平寺の蕎麦粉も良かったけれど、この大野在来は飛び抜けている。
蕎麦の旨みと香りが素晴らしい。
もうね、つゆは全く不要。蕎麦だけで充分。薬味も不要。蕎麦だけで旨い。
軽く咀嚼して飲み込んでも旨いし、よく咀嚼しても旨い。
最初も旨いし、しばらく時間が経っても旨い。
この蕎麦は、間違いなく東京で最も美味しい蕎麦だ。

あ~やっぱりここは蕎麦屋だ、と再認識。w

一応、蕎麦以外の料理についても触れておくと。

今回良かったもの:
・八寸:黒豆最高。
・鴨鍋:先月よりも鴨肉もセリも、美味しくなっていた。

前回の方がよかったもの:
・穴子の握り鮨:前回の穴子がスペシャル過ぎ。
・天ぷら:今回はさつま芋の天ぷらの甘みが弱め。

相変わらずボリューム多し。
原因は、鴨鍋の餅とそばがき、椀の海老芋、天ぷらのさつま芋、と炭水化物が多めだったこと。
これは改善の余地がありそう。(ちなみに、個人的には余裕だったが)

今回、蕎麦は1枚だけにしたが、
次回は事前に多めにリクエストしておこうと思う。

この日のコース内容:
(1)八寸
(2)穴子のにぎり寿司
(3)海老芋の椀
(4)明石の鯛のお造り(追加)
(5)鴨鍋
(6)ふぐの皮の湯引き
(7)穴子の天ぷら、さつま芋の天ぷら
(8)蕎麦
(9)水羊羹
会計は、2名利用で、日本酒4合頂いて、約13,000円/人。
所要時間は約3時間。個人的に、とても楽しい時間を過ごせました。
再訪。8回目。
女将さんが復帰されて、元のじゅうろくに戻った。やはり楽しい。

この日の料理のハイライトは、最初に出てきた穴子のにぎり寿司。
あまりもの美味しさにぶっ飛んだ。
高級鮨屋の穴子の握りを遥かに凌駕している。
酢飯そのものや、酢飯と穴子のバランスにはまだ改良の余地はありそうだが、
それが気にならないくらいに穴子の質と調理が抜群に素晴らしい。
蕎麦屋の握りだろ?とかバカにしないで、
一度、世の中の鮨職人はこの穴子の握りを召し上がってみたほうがいい。

また、キスのフライ、カキのフライも秀逸だった。
キスは、肉厚でほくほく。
カキは、この時期にしては珍しい巨大サイズ。
どちらも、この店でしか頂くことができないフライだ。

この日の蕎麦は、せいろで黒。また、白を試食程度で。そして、かけそば。
この日の蕎麦粉は、福井県の永平寺。
しっかりとした味わいの上に、軽く青々とした風味がある。
やはりじゅうろくの蕎麦は旨い。
かけそばは、この日は返しが強め。蕎麦の風味よりも強めなので元に戻して欲しい。
また、ここまで熱くする必要はないと思う。
ちなみに。かけそばは、コースには入っておらず、追加で。
僕は平気だけれど、普通の人はコースだけで腹パンになるので、
かけそばまで追加する人はあまりいないようだ。

この日のコース内容:
(1)穴子のにぎり寿司
(2)八寸
(3)お造り
(4)鴨鍋
(5)焼き白子
(6)ふぐの皮の湯引き
(7)キスのフライ
(8)カキのフライ
(9)蕎麦
(10)水羊羹

次回は1月を予定。

再訪。7回目。
2ヶ月半ぶり。

個人的に、鶯谷駅からの都バスルートを発見したので(そんな大袈裟な話じゃないが)、
お店に行き易くなって嬉しい。

お任せコース。鮎が組み込まれ、価格設定は確か8,500円(?)。
構成はこんな感じ。
(1)八寸
(2)お造り(ほしがれい)
(3)四万十川の天然鮎の炭火焼き
(4)石川芋とゆり根と湯葉
(5)そば味噌
(6)天然虎河豚の皮の湯引き
(7)鹿カツ
(8)蕎麦
(9)蕎麦羊羹

8ヶ月で7回も来ているのでほぼ毎月来ていることになる。
そうなると、料理の移り変わりや蕎麦の移り変わりが如実に分かって、なかなか面白い。

今回の(1)八寸も見事だった。特に、穴子の握りは秀逸。
高級鮨店をも凌駕する穴子クオリティ。これはマジで美味いな。
この穴子は、いつか白焼きでも食べたい。
また、鰊(ニシン)の煮付けは、調味料に頼らず、鰊の身の旨味が主役。最高に美味しい。
鰊の煮付けというと濃厚に甘辛く煮付けるのが一般的だが、これは調味料が必要最低限。
身に染み込ませるというより、細胞と細胞に間に潜り込ませる感じ。
こんな味わいの鰊の煮付けはなかなかないよ。

(2)お造りは、今回も高クオリティ。毎度毎度、こちらのお造りは凄いなと思う。
このレベルのホシガレイは、この価格帯のお店ではなかなかお目にかかれない。

(3)四万十川の天然鮎の炭火焼きは、ほくほくした仕上がり。
前回感じた炭焼きの焦げ臭さは今回は全くなし。
なお、この季節だと仕入れ値がかなり安いとのこと。

(4)石川芋とゆり根と湯葉は、初登場。かなり手間のかかった一品。
下茹でして出汁を含ませ、更に衣をつけて揚げて香ばしさを加え、
更にそれをゆり根と湯葉と軽くとろみのある出汁で混ぜ合わせ。
仄かな塩分と上品なお出汁が、香ばしい石川芋を引き立てる。

(5)そば味噌は、初登場。甘めの味噌(西京味噌?)にネギと蕎麦の実。
全体的に甘めの仕上がりで、かつ、柔らかめな仕上がり。
このため、蕎麦の実の粒々感や、それが弾ける際に広がる香りが楽しい。
蕎麦屋の酒肴というよりは、コース料理の中での端休め的な位置付け。

(6)天然虎河豚の皮の湯引きは、香味野菜がちょっとゴチャゴチャしてしまった感。
素材がいいのだから、もっとシンプルでもいいのに。

(7)鹿カツは、これまでの仕入先とは異なる仕入れ先。
ただ、お弟子さんとのことなので、基本的には味の方向は同じ。
今回は、オス鹿で身が少々硬め。ただ、味わい的にはかなり濃厚。美味しい。
硬い部分の食感が、やっぱりメス鹿の方がいいなぁと思ったので、
次回以降は是非メス鹿の方を頂いてみたい。

(8)蕎麦は、これまで同様、福井県丸岡産在来種使用。
さすがにこの時期になると蕎麦の味や香りはだいぶ弱くなってしまっているが、
それでも他店のこの時期のものと比べると遥かにクオリティが高い。

(9)蕎麦羊羹は、正直、前回の水羊羹の方がいいな。

いつもは3~4時間くらいゆっくりのペースだが、
今回は、他の客との兼ね合いがありトータル2時間ほど。
たまには、こういうのもいいね。

相変わらず高コスパ。
もし、東京で8,500円の和食コースでこのレベルのものを頂けるお店が他にあるのなら、
是非教えていただきたい。

再訪。6回目。

今回は、会食での利用。
この日のためにお店で食材や蕎麦などいろいろとご用意して下さった。
特に蕎麦は、出産を間近に控えられた女将さんの、文字通り渾身の手打ち。
只々、感謝。

お任せコース。鮎が組み込まれ、価格設定は確か10,500円。
構成はこんな感じ。
(1)八寸
(2)お造り(ほしがれい)
(3)鮎塩焼き
(4)お椀(はも)
(5)虎河豚の皮の湯引き
(6)湯葉
(7)鹿カツ
(8)蕎麦
(9)水羊羹

楽しい会食。
いつものように美味しい料理を頂きながら、ご一緒させて頂いた方々と話が弾む。
八寸も美味しかった。
お造りも美味しかった。
鮎の塩焼きも美味しかった。
だから話が弾んだ。

だけど、(7)鹿カツを頂いた途端に、会話が急にピタリと止まる。静寂が広がる。

恐らく全員がこう思ったはずだ。
「なんだこれは」。

鹿肉に対する既成概念を根底からひっくり返すような鹿肉。
生っぽい肉汁が滴っているのに、全く獣臭くない。
今まで体験したことのない鹿肉の旨味。
いや、これに似た旨味はこれまで何度も他店で経験してきた。
しかし、同じ種類の旨味なのに、全く次元が異なる。
鴨と仔牛の旨味と滋味を2×2で掛け合わせたような味わい。
深いのに淡い。淡いのに深い。
中まで温かいのに生。生なのに温かい。
しかも、鹿肉なのに柔らかい。これが鹿肉なの?
更にそこにカツの衣が加わり、新たな旨味と新たな温度と新たな食感が加わり、もう訳が分からなくなる。
旨味の捉えどころと、温度の捉えどころと、食感の捉えどころが分からない。
でも確実に美味しい。でも何故?
脳内が混乱。すると、言葉が出ない。無口になる。

きっと人間は、想像を遥かに超える味に出会うと、無口になる。

あの場の静寂は、忘れられないな。

素晴らしい鹿肉料理だ。

あと、今回の蕎麦。
2週間前の訪問時とは一転して、甘み重視。
前回は黒で今回は白という違いはあるものの、同じ丸岡産の蕎麦粉を用いながらも、
こうも性格の異なる蕎麦をよく打てるなぁと思う。
甘みという旨味全開の素晴らしい蕎麦だった。

ちなみに今回は、女将さんの計らいによる会食。
素敵な若者ご夫婦2組と5人で。
レビューを長く書いてきてよかったなと思ったひとときでした。
再訪。5回目。
そろそろ行きたいなぁと思っていたところ、
お店のFacebookを見ているとキャンセルが多くあったとのことで、
丁度いい機会と思い当日午後に電話予約。
18時半に他のお客様と一斉にスタート。
お一人様3名、二名様2組の7名でカウンター席。いや~、楽しかった。

今回は、おまかせコースで。鮎が組み込まれ、10,800円。
日本酒3杯、追加のツマミを2品で会計は15,500円。
内容を考えるとむしろお安い。

この日のコース内容:
(1)八寸
(2)お造り(星かれい、かんぱち)
(3)炭火焼き(鮎)
(4)炭火焼き(椎茸)
(5)鱧の湯引き
(6)生湯葉
(7)天ぷら(アスパラガス)
(8)天ぷら(穴子)
(9)天ぷら(さつま芋)
(10)せいろ(黒)
(11)水羊羹
追加のツマミ:
(12)枝豆
(13)お造り(馬糞ウニ)
お酒:
(14)天の戸×3合

以下、料理の感想。
(1)八寸は、黒豆の煮物が最高の出来栄え。黒豆本来の個性が最大限に引き出されている。
煮汁の調味料は最低限。例えば砂糖。甘みを黒豆に滲み込ませるのではなく、
黒豆自体の甘みが綺麗に引き出され、その甘みと煮汁の甘みとが上手く合体。
今回も、八寸で1時間・・・。(笑)

(2)お造り(星かれい、かんぱち)は、星かれいの質がすごいレベル。
これが惜しげもなく山盛りになって盛り付けられている。ありえない。
ご主人は「原価割れ」と仰っていたが、そうだと思う。

(3)炭火焼き(鮎)は、炭火で2時間じっくり焼かれて、綺麗に水分が抜けて旨みが凝縮。
一般的に鮎の塩焼きは、しっとり感を残して内臓の旨みと香りの広がりを楽しむが、
この炭火焼は、しっとり感を残さず香ばしさと共に内臓の旨みと香りの広がりを楽しませる。
なので、味わいとしては一風変わった感じになるのだけれど、
鮎の香りが綺麗に鼻に抜けるのはこの調理方法ならでは。旨過ぎる。

(4)炭火焼き(椎茸)は、しっとりと柔らかい。
椎茸特有の芳醇すぎる強い香りはなく、むしろ椎茸出汁を思わせる旨みが主役。

(5)鱧落としは、淡雪のような舌触り。
強すぎない旨みが、柔らかな身を噛み締めるたびに広がる。

(6)生湯葉は、仄かに青豆っぽさがある。箸休め的な位置付け。

(7)天ぷら(アスパラガス)は、極太の青いアスパラと白いアスパラの2種。
ほっくほくで、アスパラガスの新たな旨みの発見。
それにしても、衣が秀逸。

(8)天ぷら(穴子)は、江戸前穴子使用。これも衣が綺麗。
お陰で、穴子の水分が綺麗に抜けて、また食感的にもサクッとして、最高。
穴子自体の旨みは強くはないが、繊細な旨みが上手く活かされている。

(9)天ぷら(さつま芋)は、紅はるか使用。春と初夏に収穫期を迎えるとのことで、
だから名前がはるか(春夏)らしい(真偽の程は定かではないが)。
このさつま芋の天ぷらは、他の天ぷら屋で頂いたどのさつま芋の天ぷらよりも遥かに美味しい。
さつま芋の甘みを引き出しつつも、強い甘みに変わる寸前で止められており、
酒肴としての天ぷらになっている。また、皮の香ばしさが大変素晴らしく、
これが全体のバランスを綺麗に整えると共に、食感の妙も与えている。素晴らしい。

(10)せいろ(黒)は、福井県の丸岡産の在来種を使用とのこと。丸岡産の在来種なら、
確かにこの時期でもちゃんと旨みがあるし香るよね。しかし、お店ではそれに満足せず、
手挽きの粉も入れて、この時期の粉自体のベースを底上げされており、
とことんまで美味しさを追求されるところに脱帽。ここまでくるともう変態ですね。

(11)水羊羹は、最高の出来栄え。前回も美味しかったけれど寒天が少し強いと思ったところが、
今回綺麗に改善されており、最高の出来栄えになっていた。すごいよ、これ。
日本料理店のデザートって、最近は様々な工夫を凝らしたアレンジ系のものが多いけれど、
こちらのお店は王道の水羊羹をそのまま素直にお作りになられ、
その中で美味しさを追求されていらっしゃる。すごい。

そのように考えると、デザートだけでなく他の料理もすべて、変なアレンジはなく、
ただただ素直にシンプルに調理されていらっしゃる。
もちろん、裏では大変な手間がかかっているのだけれど。

蕎麦の提供が一旦最終日となる次回の訪問も楽しみです。
次回は初めてお会いする方々とご一緒させて頂くので、これも楽しみです。
再訪。4回目。
3名でカウンター席を利用した。

今回は、蕎麦をたっぷり頂きたいと思い、コースではなく、
わがままにも、八寸と若竹煮と蕎麦(白、黒、かけ)だけを予約して訪れた。
あの八寸は、必ず食べたくなるよね。
あの若竹煮は、前回頂いたときに感動ものだったので、また食べたくなるよね。
蕎麦は、せいろもかけも食べたくなるよね。そして、白も黒も食べたくなるよね。

しかしながら、八寸を頂いて、若竹煮を頂いてしまうと、
食欲に火がついてしまい、他のものも追加で頂いてしまって、
結果的にはほぼコースと同じ内容になってしまったけれど。(笑)
でも、いい感じの腹具合で蕎麦3種になだれ込めた。

蕎麦は、せいろとかけを、それぞれ白と黒で出して頂いた。
つまり、白のせいろ、黒のせいろ、白のかけ、黒のかけ、の4種類を頂くという贅沢。
お手間をかけさせてしまい、申し訳なかったです。
蕎麦は総じて、前回よりも香りと旨みが若干弱め。
その分、せいろもかけも、蕎麦よりもつゆの方が強めに出てしまっているように感じた。
それは、かけにすると、顕著に表れた。
前回、かけのつゆの返しの強さの好みと出身地との関係の議論があったのだが、
そういう点で、恐らくこれは東京ご出身の方の好みに近いのではないかと思われる。
ちなみに、西の方の出身の僕の好みでいえば、
かけは、前回の白、今回の白、今回の黒、の順で好み。
とはいえ、これって、すごく微妙な違いでの議論でしかなくて、
総じて大変美味しいかけそばであることは間違いない。

若竹煮は、合馬産の筍を使用。筍自体の質が大変素晴らしい。
ココナッツミルクのような芳醇な香りが広がる。
そして繊細なお出汁。筍にきれいに滲み込んでいる。
素晴らしく美味しい。

ヒレカツも、相変わらず素晴らしい。
名店といわれるとんかつ屋のヒレカツのレベルを遥かに超えている。
ヒレ肉特有の滋味が綺麗に活かされている。

今回の八寸は、桜えびのかき揚げと、もろこの山椒煮が出色の出来栄え。
特に桜えびのかき揚げは、天ぷら屋で出てくるかき揚げのレベルを遥かに超えている。

ここはお蕎麦屋さんだけど、僕の中では日本料理店の認識。
ずっと通いたいお店。

再訪。3回目。
前回訪問時のレビューを書いていたら行きたくなってしまい、
書いた翌日に訪問。w

月曜、夜8時半。直前に電話予約しての訪問。
この時間帯だと、1回転目のお客が終了するタイミングと若干重なるので、
お客が徐々に少なくなる余韻と共に、
しっぽりと料理と日本酒を楽しめる雰囲気になっていく。
2回転目の楽しみ方を今回覚えられた感じ。

今回頂いたのは、
・八寸
・まこがれい刺
・お通し(重ね湯葉)
・かけそば
それと日本酒2合。会計は8,000円弱。

八寸を今回じっくり楽しめた。
八寸の9品すべて素材重視の味付け。塩分も控えめに効いている。
もし塩分が強いと、それを洗い流す為に日本酒を一気に流し込んでしまいたくなるが、
塩分が弱めなので、日本酒をちびちび飲みながら素材の味わいが更に広がっていく。
日本酒の余韻の中で素材の旨みが広がり、
素材の旨みの上に日本酒の旨みが広がる。
この、ふわふわとした感じが、何とも楽しい。
決して僕に技量がある訳ではないが、こういうのは意識的にやらないと、
なかなか旨みを感じられないし広がっていかないものだ。
だから今回、とても楽しかった。
今回頂いた中では、春菊の胡麻和え、小松菜の茎わさび漬け、が秀逸。
春菊の茹で加減は最高。春菊の華やかな香りと旨みがイキイキしている。
小松菜の茎わさび漬けは、わさびの効かせがとても綺麗。日本酒のアテに最高。
結局、なんだかんだで、予想通り、この八寸で1時間弱、日本酒2合。
これでも、時間を早めて、かつ日本酒はセーブ気味。
明太くんせいは、今回も美味しかった。ただ、前回の方がしっとりしていて、
僕の好みに近かった。

まこがれい刺は、前回よりもまこがれいの熟成が進み、ねっとりとした旨み。

お通しの重ね豆腐は、前回よりも大豆の華やかさは抑え気味で、
むしろ大豆の旨さ重視の方向。なんとなく重たさを感じたので、
口に含んだ後に自分で箸先で塩を加えて丁度いい塩梅に調整。
こういう調整ができるのも、あまり捏ね繰り回さずに素材本来の味重視で
仕上げてくださっているからだ。塩や醤油などの調味料が綺麗に乗っかってくれる。

そして今回のメインイベント。かけそば。
いや~、素晴らしかった。
お出汁の旨みと酸味。返しの旨みと酸味。
質の異なる旨みと酸味が綺麗に重なり合い、新たな旨みと酸味が生まれる。
単に混ざり合うのではなく、化学反応を起こして別のものが生まれるイメージ。
そして、そこに極上の蕎麦が加わり、蕎麦の香りと炭水化物的な甘みが加わり、
更に別のものが生まれるイメージ。
また、極細の蕎麦がいい感じにつゆと馴染んでくれるので、
これらの旨みが更に一体感を増す。
蕎麦を思い切り啜ったときの香りと旨みの広がりは最高。
いや~、これまでいろいろなお店でかけそばを頂いてきたけれど、
これは茨城「慈久庵」の「葱天ぷらそば」の葱天ぷら抜き版や、
大分「ゑつ」の「かけそば」よりも抜きん出て美味しい。
つまりは、最も美味しかった、ということ。

いや~、それにしても楽しかったな。
いろいろお話ができる2回転目も楽しいな。
個人的に仕事でいろいろあって少し落ち込んでいたんだけれど、
美味しいものを頂いて、元気をもらった。感謝。

またすぐ行きます。w
再訪。2回目。
お任せのコースを予約して。

今回も素晴らしかった。
特に八寸と蕎麦の完成度が大変素晴らしい。

<八寸>
八寸は、今日のコースはこれで終わってもいいよ、
と思えるくらいに内容が充実している。
丁寧に調理されているので、少しずつ大切に頂きたくなってしまい、
八寸だけで1時間くらい粘れるんじゃないかと思える。
素材の良さが1品1品きちんと引き出されているので、
少し摘んでは味わい、そして日本酒を味わい、
また少し摘んでは味わい、そしてまた日本酒を味わい、
ということを繰り返していくと、
あっという間に1時間くらい経ってしまいそうなのだ。

琵琶湖の天然もろこの山椒煮は、極上の味わい。
もろこって、こんなに美味しかったんだ、と思えるような味わい。
また、明太くんせいは、表面が軽く燻製されることで香ばしくなり、
逆に明太子の生臭さは消える。そして熱が加わることで、
明太子の旨みが活性化されて引き上げられるイメージ。
この1切れで日本酒1合いけてしまいそうだ。

<蕎麦>
この日は、白と黒の2種類を頂いた。
あまりにも美味しかったので、かけそばを追加で頼もうと思ったら、
飛び込みのお客さんで店内がほぼ満席になり、蕎麦がなくなるとのことで、
かけそばは次回ということになった。
さて、今回の蕎麦。
見事な極細打ち。粗挽き粉でありながら、綺麗に繋がっている。
白の方はまだ分かるが、
黒の田舎風蕎麦はどうしたらこんなに綺麗に繋がるのか不思議なくらいに見事だ。
太さが均一なので、茹で加減も均一。蕎麦の味わいも綺麗に均一。
味に全く淀みがない。
香りが、甘みが、旨みが、綺麗に広がり、スッと抜け、後に余韻を残す。
白の完成度は「ふじおか」に迫り、
黒の完成度は「じゆうさん」に迫る。
いや、単純に比較などするべきではないのかもしれないけれど、
この蕎麦の完成度を伝えるには、この表現が分かりやすいと思うので、ご容赦を。

また行きます。
多くの方からオススメされていたお店。
浅草の蕎麦屋。
いや、内容的には割烹と言うべきか。
でもいや、蕎麦を頂いてみると、やっぱり蕎麦屋と言うべきだと自己納得。
そんなお店。

ようやくの訪問。

浅草と言っても、メトロ浅草駅からは遠く、
TX浅草駅からも田原町駅からも距離がある。
今回、極寒の中での訪問とあって、田原町からタクシーにてアクセス。

カウンター席利用。2名にて。

電話予約時に、初めてのお客さんはコースをお願いしているとのことで、
鴨鍋コース(8,500円)と、鴨鍋なしの刺身付きコース(7,500円)のいずれかの選択肢が提示され、
信頼できるレビュアー様が以前召し上がっていた鴨鍋が美味しそうだったこともあり、
僕たちは鴨鍋コースを予約しておいた。

お店に着いてから、鴨鍋コースに更に刺身を付けるかと訊かれたが、
コースのボリュームが未知数だったため今回は遠慮させてもらった。

この日の鴨鍋コースの内容は以下の通り。
(1)八寸
(2)ヤナギダコ煮物と新じゃが
(3)鴨鍋
(4)若竹煮
(5)出汁巻き玉子
(6)天ぷら(竹岡キス天、アスパラ天、式部草天)
(7)トラフグ皮 鳴門わかめのポン酢
(8)二八そば
(9)デザート
これに、ビール、日本酒を3合ほど頂いて、会計は2人で確か25,000円ほど。
内容を考えると素晴らしく安い。

料理の方向は、上質な食材を使った王道の割烹料理。
高級過ぎず、気取り過ぎず、気を衒わず、変なアレンジもせず。
上質な食材を、その個性をきちんと活かし、真っ直ぐに調理されている。
ここまで素直なコース料理を頂いたのはいつ振りだろうか。
ちょっと感動してしまった。

出来合いのものを全く使わない(1)八寸で、僕の胃袋と心臓が鷲掴みされた。
どれも薄味。いきなり塩分ガッツリなんてことはない。
コースの最初だもの。味覚の柔軟体操にぴったりだ。

(2)ヤナギダコの煮物は完璧な出来栄え。
蛸の旨味が抜けることがなく、煮汁の調味料もしっかり染み込んで、絶妙バランス。
温度もちょうどいい。
これはすごいです。ここまでのものはなかなか出会えない。

(3)鴨鍋は、鴨肉が上質。セリがいい効果をもたらして、鍋全体が滋味深い味わいに。
恐らくセリの根っこがいい働きをしていると思われ。
お出汁も綺麗。鍋の食材から染み出した旨味が綺麗に乗っかる。
鴨鍋を頂きながら(4)(5)(6)(7)が出てくる流れは圧巻。

(4)若竹煮は、超薄味の淡い味わい。
鴨鍋の濃いめの味わいと対比させる意図があると思われ、いい具合に味覚がリセットされるような感覚。
淡いお出汁に、淡く繊細な若竹。美味しい。
そこに力強い鳴門わかめ。美味しい。

(5)出汁巻き玉子は、お出汁たっぷりのふわふわの淡い仕上がり。
蕎麦屋の出汁巻き玉子はこうあって欲しいと思えるようなお手本。

(6)の天ぷらは、上品過ぎない、天つゆに合う仕上がり。
もちろん、塩にも。

ここでポン酢の(7)が登場して味変化。
そして、さりげなく高品質なトラフグの皮。
あぁ、なんて憎いことを。
そして鳴門わかめで、これまで続いた「蕎麦前」をフィニッシュ。

さて。ここで、真打ちの(8)二八蕎麦が登場。
あぁ、美しい。
端正で、キリッとしていて、しなやかで、艶やか。
ここまで美しい蕎麦が他にあるだろうか。
口に含むと、そのルックス通りの食感。そして艶っぽい味わい。
蕎麦を征服する快感の後、おとなしめの味わいの中から強い自己主張があり、
それでいて旨みと香りが優しく広がる。
啜って啜ってとても心地いい蕎麦だ。
お腹いっぱいの筈なのに、なんて心地よく喉を通り、胃に収まっていくのか。

お話をいろいろ伺っていると、蕎麦を打つ若き女将の蕎麦打ちの感性が、もはや常識を超えたところにあることが分かる。
理論と知識。本質的に質のいい蕎麦粉の選定。蕎麦を打つ技術。蕎麦の状態と向き合う感性。
これらの要素がひとつも欠けることなく噛み合い、
相互に作用したときに一体どういうことが起きるかを、
この蕎麦は如実に表している。
コースの中での蕎麦も良いが、一度、空腹状態で頂いてみたい。

相互作用という観点では、ご主人と女将が互いに尊敬しあい互いに相手を高め合っている点も素晴らしいと感じた。

あらゆる点で、僕の中での理想に出会えた。

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2位

活鰻の店 つぐみ庵 (駒込、田端、尾久 / うなぎ、焼き鳥)

9回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 -
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: -

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 -
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥8,000~¥9,999

2018/11訪問 2018/12/18

日本一美しい鰻重

再訪多数。
何度も通っていると、コースの流れが僕の好みに合うようになってきた。
鰻重に辿り着く前に、あまりお腹いっぱいにならないようにして欲しいし、
その前にやはり白焼きを頂きたいし、
その前にやはり肝焼きとヒレ焼きを楽しみたいし、
その前にやはりつくねと手羽先は外せないし、
それだと毎回同じ内容になってしまうから少し違うものも織り込んで欲しいし。
というような僕のわがままに寄り添うコースの流れ。

白焼きが素晴らしく美味しくなった。
以前は塩分が強すぎだと思っていたけれど、この日は塩なし。
塩がなくても美味しく頂ける焼き加減。
ふっくらとして、少しぶりっとして、皮の旨みと身の旨みのバランスが綺麗。

そして、相変わらず見事な鰻重。
小骨は丁寧に抜かれ、火でゆっくり焼かれ、
身が綺麗に収縮してパッツンパッツンに仕上がる。
そして、ツヤツヤしたタレ。
日本一美しい鰻重だ。
いや~、今回も、鰻とご飯とタレの相性が抜群に良かった。
やっぱ、鰻重の美味しさの本質はこの相性だよね。

つぐみ庵は、炭火ではなくてガスで焼いているから美味しくないとか言う人がいるけれど、
ガスの臭いが鰻にかからないようにうちわで扇いだらいいんじゃないの?
ガスだと、ガスが燃えるときに水蒸気が発生するので綺麗に焼けないと言う人がいるけれど、
その水蒸気が鰻にかからないようにうちわで扇いだらいいんじゃないの?
大将がうちわで風をコントロールする技は、見事です。

また電話予約を頑張ります。
再訪。14回目。
土曜の夜訪問。17時スタート。
2人で利用。

この日の内容:
(1)枝豆
(2)つまみ盛り合わせ
(3)焼き鳥:つくね
(4)焼き鳥:手羽先
(5)うなぎ:頭
(6)うなぎ:肝
(7)うなぎ:ひれ
(8)うなぎ:白焼き
(9)漬け物盛り合わせ
(10)豆腐
(11)うなぎ:うな重
(12)吸物
お酒は、ビール大瓶2本、日本酒3合。
会計は2人で29,800円。

この日の(11)うな重は、圧巻の出来栄え。
うなぎの質も素晴らしかったし、タレとの相性、ご飯との相性、
そして全体のバランスが完璧。他店の追随を許さない、貫禄がある。

この日のうなぎは、身はほくほくで、皮も美味しく、身と皮のバランスがとてもいい。
そのときそのときで、皮の方の旨みが突出したり、身のぶりぶり感が突出したり、
いろいろな個性があるのだけれど、この日のうなぎはこのバランスが完璧だった。

それにしても、このつぐみ庵のタレって、一体何なの?
甘すぎず、辛すぎず、突出するわけでもなく、うなぎと完璧にマッチしてくれる。
それに、ご飯と合わさっても、全く違和感がないんだよね。
ここまで旨いタレって、そうそう出会えないように思う。

また、ご飯もすごくいい。
炊いた直後のご飯の香りって、うな重には余計だと常々思っているのだけれど、
ここつぐみ庵のご飯は、この余計な香りが一切ない。だから、うなぎが引き立つ。

いや~、美味しかった。

タレの旨さは、(3)つくねでも発揮。
このタレはやばいよ。つくね自体も美味しいけれど、このタレは反則レベル。

そして、今回、久々に出てきた(9)漬け物の盛り合わせも素晴らしい出来栄え。
特に、きゅうりの糠漬けは、国宝級だよ。まじで。
こんな美味しいきゅうりの糠漬けは、いままで食べたことがない。
感動もの。

今回も、大満足でした。
再訪。13回目。
いつものように、日曜の夜訪問。17時スタート。
2人で利用。

この日の内容:
(1)つまみ盛り合わせ
(2)焼き鳥:つくね
(3)焼き鳥:砂肝、ヒレ
(4)焼き鳥:手羽先
(5)焼きネギ
(6)うなぎ:肝
(7)うなぎ:ひれ
(8)うなぎ:頭
(9)うなぎ:白焼き
(10)うなぎ:まむし丼
(11)うなぎ:うな重
(12)吸物
お酒は、ビール大瓶、日本酒3合。
会計は2人で23,000円ちょっと。

今回のコースの内容は、これまでで最も自分にしっくりきた。
お腹も腹八分目くらいの状態で、まむし丼、鰻重に入れたし。

(2)のつくねは、やっぱり美味しいね。ふわふわで丁寧な仕上がり。
これがこの日は1人2本(合計4本)も作って下さって感謝。
(4)手羽先は安定のハイクオリティな美味しさ。最高に美味しい。
(5)焼きネギは、泥つきのままホイルで巻いて蒸し焼きに。
ネギが甘くて美味。塩とも合うし、お酒とも合う。お陰でお酒が進む進む。
(6)肝(7)ひれは毎回出して下さる秀逸品。
(9)白焼きは、この日はうなぎの若干身が薄め。
その分、うなぎ臭さは全く無く、クリアな旨み。
(10)まむし丼は、今回も素晴らしい出来栄え。
(11)いな重も、完璧。ご飯、うなぎ、タレのバランスが見事。

冬は、脂が乗りながらも身がビシッと引き締まったうなぎのぶりぶりな食感を
楽しめる季節だが、今回のうなぎは期待していたほどのぶりぶり感はなく、
そういう点では少し残念だったかな。
毎回、うなぎの状態が良さそうな月を狙って訪問しているのだが、
それでも、ここ最近は、1年前までのうなぎとはだいぶ違っている。
もちろん今でも十分に美味しいのだけれど、
これまでの悶絶するようなうなぎの味を知ってしまうと、
最近のうなぎには少々物足りなさを感じてしまう。
この状況は、ここつぐみ庵だけでなく他のうなぎ屋でも同じだろうけど。

再訪。12回目。
満を持しての11月後半訪問。

養殖とはいえこちらの鰻は時期により差があり個体差がある。そこが面白いところ。
また、お店側も、敢えてその差が出るような調理方法を採っている。そこが面白いところ。
行くたびに違うので、通えば通うほど面白いお店。

今回の鰻は全体的に、皮の下の脂が弱めなのが特徴。皮自体も柔らかめ。
なので食感的には、身の方に力点が置かれる。皮はアシスト的なイメージ。
となると、あとは個体差と調理差で鰻自体の味の方向が変わる。

「白焼き」の鰻
身が薄め。身の脂分は少なめで、筋肉質も弱め。
そのため、いつもは強めの塩加減も今日は弱めで、焼きも弱めで。

「まむし丼」の鰻
身がぶりぶり。身の脂分は少なめで、筋肉質は強め。
そのため、身がぶりぶりで、更にそれが強調される。

「うな重」の鰻
身にぶりぶり感があるものの、筋肉質は弱め。
そのため、今日頂いた鰻の中ではバランス的には最も良かった。

それにしても、本日頂いた「まむし丼」は素晴らしかった。
実は僕、鰻に最も合うご飯は、タレがべったりかかっているものよりも白飯だと思うし、
更に贅沢を言えば白飯にタレがちょっとだけかかっていて
水分が少し飛んだ香ばしい状態のものが最も合うように思う。
なのでこの「まむし丼」は僕の好みにドンピシャだった。
本来なら、ご飯とご飯の間に鰻を挟んでしばらく蒸して馴染ませた方が美味しいらしいのだが、
見ただけで僕の好みに合いそうなことが分かるルックスだったので、
あっと言う間に平らげてしまった。汗

今日の「うな重」は、鰻のいつもの力強さはなかったものの、
逆に全体バランスの良さが光った。

ご主人や若旦那には、僕の好みは知り尽くされている気がする。
でも実は、今日の「まむし丼」の鰻みたいにぶりぶりな鰻はもちろん好きだけど、
今日の「うな重」の鰻みたいにバランスのいい鰻も実は好きなんですよ。笑

ちなみに、「まむし丼」は要予約。
こんな「まむし丼」を頂けるお店は都内にはないのではないか。
またこちらのお店を訪れる楽しみが増えてしまった。
再訪。11回目。
今回初めてお誘いにて。

鰻には厳しい時節ではあったが、それを技術でカバー。
今までとはまた違った旨みを上手く引き出されており、唸った。
これは凄い。

肝焼きやヒレ焼きを頂いた際に、皮の力強さがあまり感じられず、
また、白焼きを頂いた際にも、身の力強さもあまり感じられず、
正直、今日の鰻はあまり期待できないなと思っていたのだが、
ところがどっこい、鰻重の鰻は素晴らしく美味。
鰻の旨みをできるだけ落とさずに、身の中にギュッと封じ込める。
皮の面が、しっかりとこの旨みを受け止める。
ねっとりとした皮と、旨み水分を含んだ身とが一体化して絶妙なバランス。
皮にきちんとした存在感があるので、身の方がほろほろっとして皮の方に吸い寄せられて一体化。
すると、皮に旨みが幾つも重なって付加されたかのような錯覚に陥る。
結果、皮が素晴らしく旨くなる。
いや~、これまで頂いてきた鰻とは全く違った魅力。

流石です。


再訪。10回目。
今回も夜。のんびりムードが漂う。

気を遣って下さったのか、今回のコースは少し軽めで出てきた。
コースと、缶ビール1杯と日本酒1杯で10,000円。

今回のうな重のうなぎは、身が若々しくピチピチ。
脂は少なく、身がほっくりしているのにダレていないし硬すぎもせず。
若々しく綺麗な筋肉質。
つぐみ庵の真骨頂である皮のねっとりした舌触りと旨みはしっかり健在。
ただ、皮下脂肪は薄く、このため、皮の旨みは若干弱め。
これを、今回はタレが補ってくれた。
いつもはアシスト役のタレが、この日はうなぎの旨みと相まってダブル主役級に格上げ。
いや〜、鰻の旨みとタレの旨みとが上手く調和。

いつも出してくれるヒレ焼きは、今回は皮下脂肪の少ない皮だったので、
旨みが脂に邪魔されずに凝縮して素晴らしく美味。

また、これもいつも出してくれる肝焼きも、素晴らしく澄んだような味わいでいつも以上に美味。

そしてそして、個人的にズッポシとツボに嵌まったのが、ぬか漬け。
ぬか床は、なんと100年ものなんだとか。
ぬか床の菌の力がものすごい。
たった数時間の漬け込みできゅうり臭さは一切なくなり、中まで綺麗に漬かっている。
かといって嫌な酸味も一切なく、きゅうりの旨みがアップ。
また、若旦那作の玉ねぎのぬか漬けも素晴らしく美味しい。これはすごいよ。日本酒がグイグイ進んじゃう。
大量に出してくださったぬか漬けが、あっという間になくなった。

今回も、ゆっくりほっくりと堪能。
僕にとって、とても大切な時間と空間。
再訪。

今回の鰻は、前回から一転して淡い味わい。
淡い旨みが中心で、そこから濃い旨みがやってくる。
相変わらず、皮と皮の下の美味しさは格別。
そのためもあってか、頭に近い部分や真ん中部分よりも、尻尾部分が最も美味しかった。
うなぎ自体の味わいは前回前々回の方が良かったが、
今回のような淡い味わいをそのまま楽しめるのもこちらのお店の魅力だ。

うな重以外にも、白焼き、ひれ焼き、肝焼き、かしら焼きも出して頂き、
更に、鶏つくね、鶏手羽焼き、はまぐりの潮汁、ほうぼうのお造り、青柳のぬた。
お腹がはち切れそうになった。次回は少し量を減らしてもらおう。
ちなみに会計は、ビール、日本酒2合追加で13,000円くらい。

今回は、いろいろあって、ご主人がノリノリ。お話が止まらない。笑
奥さま、息子さんともこれまで以上にお話ができて、
これまで以上に打ち解けられて、とても幸せな時間を過ごすことができた。

つぐみ庵は僕に幸せと仕事への活力を与えてくれる。

再訪。8回目。
今回のうなぎは、身がぶりぶり。
こちらのお店の生蒸し調理ではうなぎの身がぷりぷりに仕上がる。
そして、今回のうなぎは特に身がギュッと引き締まってしかも肉厚だったから、
更にぷりぷりになって「ぶりぶり」。
いや〜、マジで凄かった。
養殖と言えどもほぼ自然環境なのだそうで、だからこそ、季節感のあるうなぎに。
養殖でそれなりに餌は豊富なんだろうから、
しっかりと食べてしっかりと身に栄養を蓄えた冬のうなぎに。
しかも養殖ならではの安定の品質。
それが、こちらのお店の素晴らしく丁寧な調理により、素晴らしく美味に。

今回の白焼きは、そんな冬のうなぎの魅力満載の素晴らしい白焼き。
過去最高の、しかもぶっちぎりダントツの白焼きだった。

もちろん、うな重もとても素晴らしかった。
皮の旨味はそのままに、その上に身のぶりぶりな旨味が覆い被さり、
過去7回に全く体験したことがない味わいに。

毎回毎回違った味わいで楽しませてくれるつぐみ庵、最高。

再訪。7回目。

今回も素晴らしかった。
うなぎ自体は前回の方が良かったが(というか前回がずば抜けていた)、
淡く脂が乗り始めた感じの鰻の個性が綺麗に引き出されていた。
こういう季節季節の味わいの変化を楽しめるのも、こちらのお店の魅力。

それと、いつも思うことだが、ひれ焼きが抜群に美味しい。
ツマミの中でも、このひれ焼きが抜きん出ている。
ひれの皮の旨味と、カリッと焼かれたひれの香ばしさが、
ぐるんぐるんに巻かれたひれの間の空気と共に、口の中でぐるんぐるんに混ざり合い、
旨味と香ばしさが広がる。
旨いです。

■2016年8月-----
再訪。6回目。

初めてこちらを訪れたのは1年前。
当時は簡単に予約できたのに(スカスカだった)、今では土日は全然予約が取れない。
当時まさか自分自身が予約できなくて困ってしまうようになるとは思ってもみなかった。

さて、今回。
本日8月7日の鰻は最高の鰻だった。

身と皮の間の旨みがとにかくすごい。
身ももちろん旨いんだけれども、それ以上に身と皮の間の旨みがすごい。
ほんの少し香ばしさのある皮がその旨みをねっとりと纏い、他店では決して出せない味わい。

これがこちらのお店の味的な特徴なのだけれども、特筆すべきは全体のバランスの良さ。
他店でもできそうなことなんだけれども、実際にはいろいろな制約があってやれない。
でも、こちらのお店はそれをきちんとやられている。

今回、これまで6回の訪問の中でもダントツで美味しい鰻重だった。
ちなみに、過去5回の訪問のうち最も美味しかったのは、初めてこちらを訪れた1年前の7月中旬の鰻。
それから途中4度の鰻は初回の鰻には適わなくて、1年前と同じ7月中旬~下旬の鰻を頂きたいなと思っていた。
それが今回その時期に予約が取れなくて、仕方なく8月の本日になったのだけれど、
ご主人によると、8月に入って急激に鰻がいい状態になったとのことで、
いや~、結果的には、7月じゃなくて8月で良かった。

また行きます。

■2016年4月-----
再訪。5回目。
今回も、焼き鳥を中心にツマミも用意して頂いた。
途中で、青柳を細かく刻んだものが出てきちゃったものだから、
いつもの缶ビールに追加して、日本酒も頂いてしまった。
おかげで会計は初の1万円越え(苦笑)。牛肉も出てきたしね。

今回の鰻は、旨みがしっかりありながらも淡い方向性の旨味。
こちらで使われている鰻は養殖ものではあるが、
水温の影響を受けるため季節によって味が違ってくるとのこと。

■2016年3月-----
再訪。4回目。
今回も、焼き鳥を中心にツマミも用意して頂いた。

焼き鳥は、これまで頂いた中で今回が最も美味しかった。
つくね、ふわふわで旨い。
砂肝も、状態もいいし、火加減も丁度いい。
手羽先は、骨を抜いた状態で提供され、旨み十分。しかもジューシー。

そして、今回は、肝焼きとひれ焼きが出てきて、うま~い。
この肝やひれは、鰻とは別に仕入れるのではなく、今回捌いた鰻のものを使用とのこと。
当然、新鮮で状態がいい。肝も良かったが、ひれが非常に美味しかった。

そして、今回はいろいろな巡りあわせで、ご主人から白焼きもどうかというご提案があり、
喜んで二つ返事で「もちろん、頂きます」。
いや~、身がブリブリで旨かった。こちらのお店特有の皮の旨味も存分に堪能。

そして、鰻重。今回の鰻は、若干大振りのもの。肉厚でブリブリ。
あまりにも肉厚だったので、皮の旨味の印象は薄くなり、今回はこのブリブリを存分に堪能。
こちらのお店では蒸し時間が短めなので、こうした肉厚の鰻は蕩けることなく、
しっかりとその身の美味しさを楽しめる。だから、ブリブリの食感なのだ。
東京で、こんな食感の鰻を頂けるお店はなかなかない。

今回、前回と、日曜夜に利用させて頂いた。
きっちり予約時間に訪れて、他の客は誰もいない空間でゆっくりと鰻と向き合い、心ゆくまで堪能。
この間、他の客はお店に入ってこないので、まさに僕のためだけの特別な食事が楽しめる。
ご主人や奥様と会話しながら仕事の疲れを癒し、そして職人技で調理された美味しい鰻を頂いて、
月曜日からまた頑張ろうという気持ちにさせてくれる。
こんなお店は僕にとって唯一無二だし、こんな感じで日曜夜に利用させていただくのは
僕にとっては大変意味があることであり、
この時間は、既に僕の人生に必要な時間になりつつある。

■2015年11月-----
再訪。3回目。
今回は、焼き鳥を中心にツマミも用意して頂いた。
ただ、そこら辺の焼鳥屋よりは美味しいけれど、それなりに高くなるので、
総合的に考えると次回は鰻重だけでいいかな。

それと、今回「鰻の身が硬い」とご主人もちょっと言い訳っぽいことを仰っていて、
身の硬さはあまり感じなかったのだけれども、むしろ皮の下の旨味がズッポシ抜けている感じがした。
その部分の旨さがこちらのお店でなければ出せない味であり、
僕がこの鰻重を高く評価するポイントなんだけれど、
それがなくなってしまうと他店とあまり変わらなくなってしまうので、今回は少々残念。
ひょっとすると、脂が少ないということをご主人は仰りたかったのかな。
でもこれは個体差だからある程度しょうがないよね。
常に同じ味で安定することはありえない、というのは鰻屋の宿命だと思うし。

■2015年8月-----
再訪。
前回同様、素晴らしかった。
私のためだけに、鰻が捌かれ、蒸され、焼かれ、小骨も抜かれ、ベストな状態で提供される。
調理されているのは、誰かの鰻ではなく、私の鰻。

もう他の鰻屋に行く必要がないです。(好きだから実際には行っちゃうだろうけど)

ただ、前回の鰻の方が美味しかったかな。
鰻の皮の部分の旨味が若干控えめだった。

なお、ご主人は術後まだ本調子ではなく夜の開始は18時半までにとのこと。
というわけで、次回の予約は18時で入れました。

■2015年7月-----
駒込駅から徒歩少々。地図で見るとちょっと遠いようにも思えるが、
線路沿いからアプローチすれば意外と近いことに気付く。
そうしないで住宅街をくねくね曲がって行くと実際に遠いし迷っちゃうんだよね。

予約必須の鰻屋。
昼と夜、それぞれ基本的に1組限定。(最近そのようなスタイルになったようだ)
ちなみに、1名でも1組としてカウント。
丁寧に鰻を調理するのは大変な作業なので、
一度に多くのお客さんに提供できなくなったとのこと。
なお、お酒を飲まない(つまみを食べない)客同士ならば2組受け付ける場合もあるようだ。

頂いたのは、鰻重、ツマミを少し、それと缶ビール。
電話予約の際に、お酒を少し飲みたいのでツマミを少しだけお願いしておいた。

さて、鰻重。
完璧と言っていいと思う。
「尾花」や「友栄」の鰻重も美味しいと思ったけれど、遥かにその上を行く素晴らしい鰻重。
鰻自体の質は同等なのかもしれないが、鰻の旨さの引き出し方の技術が凄い。

これほどまでに鰻の皮が美味しいと思ったことはない。
それに身にぶよぶよ感がなくかといって過度な香ばしさもなく
全体がまんべんなく綺麗に脂と水分が削ぎ落とされて旨みだけが残っている。
それと特筆すべきは鰻の小骨が綺麗に取り除かれているために
表面が滑らかで焼きむらが一切ないこと。
この骨を抜く作業はすごく大変であることが容易に想像が付くし、
確かにこれを丁寧にやってたら昼夜各1組限定になってしまうのも容易に想像が付く。

ご主人は御年70。
商売の枠を超えた職人の世界。
丁度季節的にいい状態の鰻に切り替わったタイミングだったのでお客さんは運がいいよ、
と仰っていたが、いや、この職人技ならどの季節でも確実に旨い鰻重を頂けると思う。

というわけで、初めて鰻屋で次回の予約を入れました。

ちなみに、無理してお酒を飲んだり摘まみを頂く必要もないそうです。
ご主人はきっと、鰻の味を分かってくれる方に、
鰻を存分に味わえるコンディションで召し上がって欲しいのだと思います。

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3位

プレゼンテ スギ (佐倉、京成佐倉、大佐倉 / イタリアン、イノベーティブ)

5回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.4 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥10,000~¥14,999

2020/08訪問 2020/09/12

今、最も行くべきお店

再訪。5回目。
佐倉にあるイタリア料理店。

今回の出色の一皿は、鱧(はも)のフリット。
これまで頂いたことのある鱧料理の中でダントツで美味しかった。
鱧を美味しく食べさせる調理法は数あれど、
ガストロバックほど鱧本来の旨みを余すことなく存分に楽しめる調理法はない。
それが、最終的な結論ではないかと思えるほど、素晴らしい一皿だった。

ガストロバックは、専用の減圧調理器を使用し、
減圧しながら加熱することで素材に味をしみこませる調理法。
更にいえば、素材本来の味を抜くことなく、
同じ味を重ねて染み込ませたり、別の味を染み込ませることができる。
こうした掛け算や足し算で、今までにない味わいを出すことができる。
また、調理前に素材の下拵えにより事前に特定の味を足したり抜いておいたり、
ガストロバック後にソースや衣で特定の味を足していけば、
まさに味の四則演算が逐次的にできてしまうという訳だ。

という訳で、上述の鱧のフリットは、
鱧のアラの出汁(同じ味)とヤマドリタケの出汁(別の味)をガストロバックで染み込ませ、
更にその後に、フリットの衣とマスタードソースという別の味を足し合わせることにより、
素晴らしい味わいを構築。
感動ものです。

今回頂いた鱧(はも)や鰹(かつお)や、以前頂いた鰤(ぶり)も美味しかったので、
こちらのお店の魚介料理はガストロバックのすごさを体験できる代表かも。

再訪。4回目。
2年前に初めて訪れたとき、「今、最も行くべきお店」と感じたが、
2年経った今でもその印象は全く変わらない。
お客もそうだが、飲食店をやっている方にも是非訪れてみていただきたいと思う。

技法を学ぶとか参考になるとか、そういう観点ではなく、
・食材には元々こんな潜在的な引き出しがあること
・そしてそれを弛まない探究心で引き出そうとする料理人がいること
を感じ取れるのではないかと思う。

プロフェッショナル。

コロナ禍で、人々の価値観がいろいろ変わりつつあったり、
心の拠り所を求めていろいろな不安な気持ちを抱えていたり。
そんな中でこちらの料理を頂き、またご主人と奥様に接すると、
一筋の光明を見つけた感じで希望と元気を与えてもらった気持ちになる。

ご主人と奥様が、
自然を愛し、食材を愛し、料理を愛し、美しさを愛し、
それが料理として表現され、
僕が、
その料理を味わうことで、その気持ちを目で感じ、舌で感じることで、
同じように、自然を愛し、食材を愛し、料理を愛し、美しさを愛する気持ちになれる。

素晴らしいお店です。

佐倉にあるイタリア料理店。
クリスマスに凄いのをぶち込んできた。
1年の春夏秋冬を料理で振り返る特別コース。

クリスマスディナーのために1年間仕入れた食材を急速冷凍機で凍らせておき、
クリスマスディナーに合わせて季節季節のスペシャリテで蘇らせる。

シェフスペシャルコース(15,000円+税)

コースは全24品。
食材も調理も盛り付けも一切妥協なし。
シェフの1年の集大成。

こんなクリスマスディナーが今まで他にあっただろうか。

更にシェフは、すべての料理1品1品に、その思いを直接語って下さる。
季節季節の食材への愛情をたっぷり込めて。

それを聞いていると、自分自身の季節季節の思い出が蘇るようで、
まさに自分自身の1年を振り返ることができ、感慨深くなる。

こんなクリスマスディナーが今まで他にあっただろうか。
再訪。2回目。
佐倉にあるイタリア料理店。
ご主人と奥様の愛に溢れる素晴らしいお店だ。

その愛の注がれ方は尋常ではない。
しかしそれがまったく押しつけではないので僕らも同じように愛を注いでみたくなる。
そんな素敵なお店。

千葉の食材への愛がハンパない。
ほぼすべてが千葉の食材。自家菜園の食材も。
調理もその素材の個性が活かされるようにあらゆる調理方法の中から最適なものを選択して。
そして季節感を大切にして。

また、食器への愛もハンパない。
料理の栄え方を考慮した形状、色彩、光の反射具合まで。
世の中にないものは、職人に依頼して作ってもらったり、
3Dプリンターを駆使して自由な発想の形状のものを作ってもらったり。

また、お客への愛もハンパない。
どうしたらお客に喜んでもらえるか、それを細部に至るまでよく考えていらっしゃることがよくわかる。

それでいて、驚異的に安い価格。
普通有り得ない。
この日は、ランチ5,000円のコースにジビエ4,000円をつけて、
写真に掲載した料理が次から次へと繰り出される。

この日の料理も大変素晴らしかった。
中でも特に、デザートが出色の出来栄え。
今年一番のデザートだった。

今回4人で利用。
グループでも楽しめるしデートでも楽しめそう。
千葉県佐倉市内にあるイタリア料理店。

僕が2018年に訪れたお店の中で、衝撃度で言えば数本の指に入る。

大きな特徴は3点。
(1)コースを通してガストロバック調理法を駆使し、他店にない味わいを表現
(2)ビジュアル的にも優れた少量多皿コースを、驚きの低価格で提供
(3)千葉の食材をふんだんに取り入れながらも、全くそれを感じさせないくらい自然体

ガストロバックやエスプーマを、これでもかというくらいに駆使。
特に、ガストロバックに関して言えば、
なんでもかんでもガストロバックにかけてしまう感じで、
ここまで徹底してくれると、もう参りましたというしかない。
同じ調理法だと、同じような味や食感になりそうなものだが、
ここまでマニアックに試行錯誤されているだけあって、
味や食感は全く異なり、飽きが来ない。
いや、それ以前に、各々の素材の味わいがきちんと活かされており、
ガストロバックにより各々の素材が更に個性的になっている。

最先端の技法を、シェフの最先端の調理技術で最大限に活かすお店。

都内のモダンイタリアン、モダンフレンチに飽き始めた方が、
今、最も行くべきお店ではないかと思う。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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4位

とり料理 瀬戸 (市原 / 鳥料理、すき焼き、鍋)

1回

  • 昼の点数: -

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2018/11訪問 2018/12/31

圧巻の鶏料理

今年訪れたお店の中で最も感銘を受けたお店のひとつ。
京都市郊外にある鶏料理のお店。

1日2〜3組のみ。
他のお客と重ならないように予約時間が決められる。
だからゆっくりと落ち着いて楽しめる。

料理はコースのみ。税込8,500円。
(1)前菜3品
(2)鶏の炭火焼き
(3)鶏すき
(4)雑炊、香の物
(5)水物

コースの構成はシンプルではあるが、(2)鶏の炭火焼きはたっぷりと鶏肉が出てくるし、
(3)鶏すきもたっぷり出てくるし、(4)雑炊もおかわり可能なので、かなりお腹いっぱいになる。

味は間違いなく一級品。
お店で平飼いしている鶏を朝絞めし、お店で捌き、新鮮なうちに調理。
途中、流通が全く入らない。
ということは、長く冷蔵庫に入れるというようなことはない。
また、内臓も全て新鮮なうちに頂くことができる。
つまり、地産地消の更に上をいく自産自消。
こんな贅沢ができるお店が他にあるだろうか。

いや、あるかもしれないが、お客を大勢入れるようになったら鶏の量をそれなりに用意しなければならないので、
捌いてから提供するまでに相応の時間を要する筈だ。

そういう点で唯一無二のお店と言って過言ではないと思う。

季節が変われば野菜の質も変わり、味に変化が出てきそう。
京都を訪れる際には積極的に訪問したい。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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5位

スパイスドランカー やぶや (浅草(東武・都営・メトロ)、本所吾妻橋、とうきょうスカイツリー / インドカレー、南アジア料理)

4回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2018/09訪問 2019/08/20

(備忘録)集大成

再訪。4回目。
短期間のうちに通いに通ったカレー屋。

振り返ってみると。

スパイスを巧みに使った料理がお酒のつまみとして絶妙にマッチしていた。

素材の味の引き出し方が秀逸だった。

テーブルの高さや不安定な椅子が、スパイス料理を楽しむのにちょうど良かった。

料理が出てくるテンポも良かった。

締めのミールスのライスが美味しかった。他店は意外とこれを軽視している。

その一方で、ミールス全体のバランス感は正直イマイチだった。

いろいろ楽しかったお店。
一番の料理は、フェンネルチキン。あれはいいよ。

再訪。3回目。

この日のおまかせコース(4,000円、席料込、税別)の内容はこんな感じ。
(1)前菜3種盛り(山芋と海老、メロンとドラゴンフルーツとミントのインド風サラダ、水茄子)
(2)ホタテのマライソース(ホタテと白茄子のソテーにマライソースをかけたもの)
(3)やぶやの冷奴(アサリのスープカレーに万願寺唐辛子と茄子を添えたもの)
(4)おはしで食べるライタ(この日は、赤玉ねぎと三つ葉)
(5)タカタック(羊の脳味噌、腎臓、心臓)
(6)ミールス(サンバル、ラッサム、バスマティライス、
なお、ミールスには、オプション品の「ニシンのカレー」、「キーマカレー」を追加した。
飲み物は、コロナビール、ハイボール、焼酎「白猿」を頂いた。
これで会計は、7,000円ちょっと。

秀逸だったのは、(1)の中の「メロンとドラゴンフルーツとミントのインド風サラダ」
と、(3)「やぶやの冷奴」。

(1)「メロンとドラゴンフルーツとミントのインド風サラダ」は、
メロンとミントの組み合わせが絶妙にいい。こんな味が出てくるのか、という驚きがある。
メロンの酵素とミントの刺激がじわじわとお互いを侵食していくかのように
新たな味わいが生まれて広がっていく。これは凄いよ。
スパイス料理の新たな可能性を見た感じ。

(3)「やぶやの冷奴」は、冷奴に、冷たいカレーがかけられている。
この冷たいカレーが絶妙な味わい。
冷たくして美味しく感じることができるような工夫が随所にある。
そして、冷たいのに、鮮烈なスパイス感がある。これは驚きだった。
また、冷奴がカレーと合わさったときに生まれる旨みは、
ワダにカレーをつけて食べるときに出てくる旨みに良く似ていた。これも驚きだった。
これも凄いよ。ここでも、スパイス料理の新たな可能性を見た感じ。

そして、今回、新しい発見だったのは、スパイス料理にピッタリと合うお酒。
店主のやぶさんが提案してくれた「白猿」という麦焼酎。
料理の後に飲むと、その料理を包み込むように流してくれ、焼酎の余韻が残る。
その後に料理を頂くと、焼酎の余韻の上に新たなスパイス感が湧き上がってくれる。
穀物由来アルコールや風味は、スパイス料理と相性がよいということなのだろう。
これは凄いよ。まじで。
これまで、ビールやハイボールを選択してきたけれど、
これからはこの「白猿」だけでいい。
スパイス料理に合わせるお酒の新たな可能性を見た感じ。
再訪。2回目。
前回の訪問で、「あ、こういうことを目指したお店なんだ」ということが理解でき、
今回はその気持ちの準備は万端。つまり、お酒を飲む気マンマンで訪れた。

この日のおまかせコース(4,000円、席料込、税別)の内容はこんな感じ。
(1)前菜3種盛り(ししゃも、アルティキ、水茄子)
(2)おはしで食べるライタ
(3)フェンネルチキン
(4)豚肩ロースのコンフィ
(5)タカタック(羊の脳味噌、腎臓、心臓)
(6)ミールス
なお、ミールスに、オプション品の牛すじのカレー、マトンカレー、エッグカレーを追加した。

前回同様「(3)フェンネルチキン」は、出色の料理。
こちらのお店のスペシャリテに認定してもいいくらいの出来栄え。
後日別の日のコースではこれは出てこなかったけど、量を減らしてでも毎回コースのどこかに組み入れて欲しいな。

(6)ミールスは、オプション品の牛すじのカレーとマトンカレーは全体バランスを少し崩してしまう印象。
前回オプション品として出てきたマトンブローチは全体バランスがまとまっていたのだが。

今回、全体的にボリュームが抑えられ、お酒を気持ちよく何杯も頂くことができた。

浅草駅から吾妻橋を渡り徒歩少々。
今密かに増えつつある間借りスタイルのお店。
お酒が飲めるスパイス料理店。

インド料理店という括りでもなく、
カレー店という括りでもなく、
スパイスを使用した料理をコース仕立てで提供され、
合わせてお酒を楽しんで貰うコンセプトのお店。
例えるなら、押上の「スパイスカフェ」のバル版だ。

店内はこじんまり。
エル字型のカウンター席のみで、店主とのコミュニケーションが楽しい。

この日のおまかせコース(3,000円、席料込、税別)の内容はこんな感じ。
<1>前菜3種盛り(ほおずきとミントマライソース、カチュンバル、アルボッタ)
<2>豚肩ロースのコンフィ
<3>ビーフハリーム
<4>チキンシュラスコ
<5>ミールス(サンバル、ラッサム、ココナッツチャトニ、パパド、バスマティライス、ゴルベアコアチャール)

このおまかせコースに幾つかオプションを追加でき、
この日は全部追加するとこんな感じ(4,500円、席料込、税別)。(*太字がオプション追加品)
(1)前菜3種盛り(ほおずきとミントマライソース、カチュンバル、アルボッタ)
(2)*おはしで食べるライタ
(3)豚肩ロースのコンフィ
(4)ビーフハリーム
(5)*フェンネルチキン
(6)チキンシュラスコ
(7)ミールス(サンバル、ラッサム、ココナッツチャトニ、パパド、バスマティライス、ゴルベアコアチャール、
*マトンブローチ、*エッグカレー

飲み物は、確か一律500円(税別)と手頃。

飲み中心で料理はオプション追加なしでいくか、
飲みは軽くして料理をフルオプションでいくか。
どちらでも楽しめそう。
今回、料理をフルオプションにしたら、最後のミールスで腹パンになってしまったので、
(5)か(7)を減らしても良かったかなと思っている。

でもさぁ。(5)のフェンネルチキンが素晴らしく美味しかったんだよね。
この日のベスト料理はこれだった。
フェンネルがビンビンに効いていて、チキンの旨みが何段にも格上げ。
お酒にも合うし。
それに(7)のマトンブローチもエッグカレーも美味しかったんだよね。
この2つがないとミールスの魅力は半減するのではないか。
サンバルもラッサムもキレキレで美味しいし、バスマティライスも素晴らしくいい状態だけれど、
やっぱり沢山の変化があった方がミールスは楽しい。
と考えるとフルオプションでいきたくなるよね。

でもそうすると、妥協策としては、ミールスのご飯を減らして貰うか、
複数人で行って(7)のオプションをシェアするか(できるかどうか分からないけど)、のいずれかかになる。
しかし、残ったミールスはジプロックで持ち帰りもできるのであまり気にしなくてもいいのかも。
だって、翌朝、これを鍋にあけて温めてスープにしたらめっちゃ美味しかったんだもの。
となると、フルフルで目一杯いってもいいかも。

楽しいね。

小さなお店だからできることがいっぱいある。
例えば、料理にかけられる時間と手間。例えば、お客との会話。
間借りだから試せることがいっぱいある。
例えば、コースの構成。例えば、原価率。例えば、料理のバリエーション。
予定調和な内容、予定調和な味、予定調和な満腹感、がある訳ではない。
次回訪れても、前回と内容も味も満腹度も同じかもしれない。
でも、お客側の食べ方や飲み方や過ごし方に変化があれば、また何か違った変化を感じ取れるかもしれない。
でもひょっとすると料理に何か改善があって、新たな発見があるかもしれない。

ご主人が目指されているのはきっと、これまでのスパイス料理店にはない新しい領域だ。
これからいろいろ試行錯誤されていくのだろう。
でもご主人は既に一定レベル以上の領域に達しているので、安心してその成長過程を、僕は客として一緒に楽しめる。

このお店には、そういう魅力があると思う。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
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6位

わらび野 (木曽町その他 / 日本料理、郷土料理)

6回

  • 夜の点数: -

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: -

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥15,000~¥19,999

2020/10訪問 2020/12/28

何といってもお出汁

再訪。10回目。
木曽にある日本料理のお店。
1年のうちどの季節に行きたいかというと、迷わず秋だ。
なぜなら、松茸を存分に楽しめるから。

特に松茸しんじょうと、松茸の土瓶蒸しは、いつもながら絶品で、
綺麗なお出汁と、香り高い松茸の相性がとても良い。

松茸採りの名人から直接仕入れ、鮮度の良さは抜群。
他の地方のものと比べて繊維質がしっかりしており硬め。
華々しい香りではなく、どちらかというと青々しい旨みと香り。
そのため、綺麗なお出汁を松茸味に染めるのではなく、
お出汁と松茸がお互いに寄り添うイメージ。

今回、焼き椎茸、大鹿村の鹿のタタキ、の2品は味が強めで、
猪の串焼きも若干平凡だった。
お出汁が活きる料理を中心にコースを組み立てて下さるといいのになぁ。

また行きます。

再訪。9回目。
木曽御嶽山の近く。木曽町にある日本料理のお店。
自宅から遠いので頻繁には行くことができないが、
出来ることなら何度でも訪問したいお店。

約1年ぶり。
今回も松茸シーズンに訪問。
松茸を期待して。

ところが今年は松茸が全く採れないとのこと。
しかも松茸だけでなく他の天然の茸も採れないということで、
この日の献立はご主人はかなり苦労された模様。

しかしながら、松茸などの天然茸がない他の季節でも
素晴らしい料理を出してくれるので、全然心配もなく訪問。

そして、実際、とても素晴らしい料理がでてきた。
しかも、過去8回の訪問で頂いたことがないレベルのものまで。
いやはや、すごい。

「トウモロコシの冷製スープ」
素晴らしいとしか言いようがない。
他店のトウモロコシの冷製スープとは次元が違う。
トウモロコシ畑でもぎたてのトウモロコシを生のまま
ガブリとやったことがある方ならお分かりいただけると思うが、
生のトウモロコシの粒から溢れてくる甘みや香りがそのまま、
いやそれがそのまま更に凝縮されているイメージ。
地産地消って凄い、って思える逸品。
良い素材に対して優れた調理技術が施されるとこんな素晴らしい料理になる。
東京などの都会では絶対に頂くことができない料理だ。

そして、この日のもうひとつのハイライトは、
「岩魚のしゃぶしゃぶ」
1kg級の大岩魚を使用したしゃぶしゃぶ。
お出汁は、大岩魚を捌いたアラでとったもの。
ついさっきまでお店の生簀で泳いでいた大岩魚の捌き立てのアラ。
当然のことながら劣化感は全くなく、綺麗に澄み渡ったお出汁。
これまた次元が全く異なる味わい。
これまた地産地消って凄い、って思える逸品。
岩魚の刺身を、岩魚のアラでとった出汁でしゃぶしゃぶ。
同じ素材、同じ個体だもの、相性は抜群。

ちなみに、残ったお出汁で作っていただいた雑炊も出色の出来栄え。

いや~、素晴らしい。
また行きたい。何度でも行きたい。

再訪。8回目。
木曽御嶽山の近く。木曽町にある日本料理のお店。
自宅から遠いので頻繁には行くことができないが、何度でも訪問したいお店。

今回も松茸シーズンに訪問。

きのこ尽くしのお浸しや、まつたけの土瓶蒸しは、相変わらずの美味しさ。
ここのまつたけの土瓶蒸しは、気品が漂う美味しさで、
するすると綺麗に喉を通って胃に入り、
その後自分の体が松茸に染まっていくかのような感覚になる。最高傑作。
松茸はやっぱり、収穫してその日のうちに頂くのが最も美味しいんだと思う。

そして、今回のメインイベントは、しゃぶしゃぶ。
わらび野のお出汁で、牛肉と豚肉(ブランド名は失念)、そして白菜とネギを頂く。
どの食材も、地元産のものだ。
わらび野のお出汁は元々すっきり柔らかい味わいで、
食材から抽出された出汁が綺麗に乗っかってくれるという特徴があるが、
しゃぶしゃぶにするとその特徴がよく活かされる。
ご主人が、鍋奉行となり、ちょうど良いタイミングで碗に取り分けてくれる。
毎回毎回、微妙に味が異なるので、まったく飽きが来ない。

そして、最後に、様々なお出汁から作られた雑炊が絶品。
これを超える雑炊が他にあるだろうか。

もう完全に、ご主人の趣味の領域。
経営がどうとか全然気にしてないよね。
かといって独善的にやっている訳ではなく、
ちゃんと王道の味を追求されていらっしゃる。
これからも通いたいお店です。
再訪。7回目。
松茸のシーズンを狙っての訪問。

予約する際に、お店のご主人に料理の希望をお伝えし、いろいろ相談。
希望は以下。
・松茸を多く組み込んで欲しい。
・コース料金は10,000〜15,000円で。松茸の採れ具合に応じて変動可。
・肉は不要。あっても少量で。
・できれば他のキノコも組み入れて欲しい。
あとはご主人にお任せした。

さて、当日。
めでたく松茸が採れたとのことで、コース内容は、以下。●を付けたのが、松茸の料理。
まさに怒涛の松茸尽くし。
松茸は地元産の採れたて。
これで13,000円。ありえない。

(1)●お浸し、松茸添え
(2)●松茸の土瓶蒸し
(3)●松茸の握り鮨、岩魚の握り鮨
(4)●焼き松茸
(5)とうもろこし真薯
(6)●松茸の天ぷら、野菜の天ぷら
(7)●松茸と肉のロールキャベツ
(8)●いろいろキノコの雑炊

わらび野で使用される松茸は市場から仕入れるのではなく、
ご主人の友人が地元の山から採ってきたものを使用される。
もちろん採れたて。だから、香りが強く、しっとりしており、味もしっかりある。
ご主人は、料理に合わせてどのような松茸が必要かを事前に友人に伝え、
それに合ったものを探してもらう。だから、料理との相性がバッチリだ。

各料理の寸評は、以下。

(1)●お浸し、松茸添え
綺麗なお出汁でひたひた。青菜のお浸し。
青菜には菊の花びらが散りばめられ、仄かな苦味で味が引き締まる。
更に、貴重な天然本シメジの旨みが加わりお出汁が深い味に。
更にそこに、香り高い松茸が加わり、お浸しが華やかに。
素晴らしい一品。

(2)●松茸の土瓶蒸し
待ってましたの土瓶蒸し。
綺麗なお出汁に、たっぷりの松茸の味と香り。
わらび野の松茸の土瓶蒸しは、天下一品。
これ以上の松茸の土瓶蒸しが他にあるだろうか。
もう、ずっと飲んでいたい。
コースはこの後、松茸の土瓶蒸ししか出て来なくてもいい。笑

(3)●松茸の握り鮨、岩魚の握り鮨
松茸の握り鮨がとても素晴らしい。
最初一瞬、ちょっと安易なんじゃない?と思ったりしたのだが、実際に頂いてみて衝撃。
酢飯と松茸が絶妙にマッチしている。
酢飯のご飯粒の間の隙間に松茸の味と香りが入り込み、咀嚼する度に綺麗に抜けていく。
松茸の量的にもちょうどいい。
お話を伺うと、握り鮨にするのにちょうどいい大きさでちょうどいい形状の松茸をご友人に探して頂いたそうだ。
こんなことをできるのが、わらび野のいいところだ。

岩魚の握り鮨も良かった。
酢飯が若干多めに感じたし、酢の具合が岩魚に合っていない気もしたが、
岩魚の質の良さが光り、それをカバー。
これ、松茸がない時期は、酢飯を松茸に合わせるのではなく岩魚に合わせて作り、
4貫くらいまとめて出してくれると嬉しいな。

(4)●焼き松茸
シンプル。シンプルであるが故に松茸の性格が如実にそのまま表れる。
笠は小さく軸は太くてしっかりとした食感。
香りもあるけれど、それよりも旨みが凝縮。
ギュンギュンと音を立てながら咀嚼して頂いて、とても贅沢。

(5)とうもろこし真薯
開田高原特産のとうもろこしを使用した真薯。
とうもろこしのシーズンも終盤ということで、しっかりとした味わいのとうもろこし。
この味を受け止める真薯も比較的味が強め。
また、餡かけ出汁の塩分も強め。
もう少し優しい味の方が個人的には好きだけど。

(6)●松茸の天ぷら、野菜の天ぷら
天ぷらにすることで、松茸から適度に水分が抜けて香り高くなる。これも美味しい。
ただ、若干硬めな衣は、松茸には合ってない気がする。
しかし、この衣は逆に、野菜にはマッチ。
特に賀茂茄子の天ぷらは、ほっくりした食感の賀茂茄子とカリッとした食感の衣がいいバランス。

(7)●松茸と牛肉のロールキャベツ
松茸の軸を信州牛とキャベツで巻いた料理。
牛肉の旨みとコクを柔らかなキャベツが受け止める。味わい的にはこれがメイン。
松茸は、そこに軽いアクセントを加える脇役。
もっと松茸がグワッと来て欲しいと思うのは、わがままか。
これまで松茸が主役となる料理が続いたため、ついそう思ってしまったが、
松茸は脇役としても十分に存在感を発揮できる食材なので、こうした味わいもまた格別。

(8)●いろいろキノコの雑炊
最後にすごいのが出て来た。
いろいろな天然のキノコがたっぷりと入った雑炊。
希少なキノコも入り、もう凄い味わい。
ベースのお出汁は、わらび野が誇る綺麗なお出汁。そこにキノコから出る出汁がグワッと加わる。
元々、わらび野のお出汁には若干の椎茸が使用されているためか、
他のキノコの出汁も綺麗に馴染む。
この時期でしか味わうことができない味。
採れるキノコにより味が変わるので、この日でしか味わうことができない味。
ベースのお出汁はわらび野でしか作れないものなので、わらび野でしか味わうことができない味。
至福の雑炊。
松茸よりももっと旨いキノコがあるんだよ、というメッセージも感じられる雑炊。
これはすごいです。

食材も素晴らしく、更に調理技術も素晴らしい。
食材を集めるのも調理されるのもご主人お一人なので、料理にブレがなくビシッと決まる。
職人技が冴え渡る。
再訪。6回目。

季節的には、開田高原は春のまだ走り。
夜はかなりの氷点下になることもあり、せっかく生えてきた山菜が凍ってしまうこともあるとか。
このため、まだ料理に使える山菜は限られているとのこと。
しかしながら、そんな事情を全く感じさせないくらいに今回も素晴らしい料理の数々。
開田高原の新鮮な食材を使い、この季節ならではの食材の味を楽しませて頂いた。

4名で訪問。
料理の内容は、幹事様がお店と相談して決定。

今回は、1万円のコースで。
今回のハイライトは、山菜と熊肉(下記◎の料理)。

・前菜
◎フキノトウの真薯(しんじょ)と蓬(よもぎ)麩の椀
・岩魚の塩焼き
・岩魚のお造り
・鹿肉のユッケ
◎熊のハツ(心臓)の串焼き
◎熊と猪のすき焼き
・岩魚のイクラかけご飯
・すき焼きの汁で作った卵かけご飯
・アサリの味噌汁

「フキノトウの真薯(しんじょ)と蓬(よもぎ)麩の椀」は、本日の最高傑作。
真薯に採り立てのふきのとうを使われ、鮮烈な春の味わい。
ふきのとうの味と香りが見事にふわっと広がる。仄かな苦味さえも鮮烈だ。
椀のお出汁は、いつもながらのスッキリ薄味。
とても綺麗でサラサラした味わい。
スッと身体に染み渡る。
東京の出汁でもない、京都の出汁でもない、ここわらび野だけの出汁。
ふきのとうの真薯を割って、この出汁にふきのとうの味と香りを移しながら、
お出汁の味と香りの変化を楽しめるのも、この椀の魅力だ。
素晴らしい逸品。

「熊のハツ(心臓)の串焼き」は、今回の超目玉料理。
熊のハツなんて、これまで考えたことがなかった。
でも確かにあるよね、熊だって動物だもの。
そのハツが、とてもいい状態。臭み等は一切なし。
獣的な味わいが存在しながらも、全体的には味わいがとても綺麗。
誰もが美味しいと感じる味ではないのだろうけれど、酒飲みならばこの滋味の奥深さは容易に分かるだろう。

「熊と猪のすき焼き」は、本日の山場。
熊肉は、脂身がない赤身部分がたっぷり。スライスではなく、乱切りで!
熊肉に脂身がないため、脂分の補填は猪肉にて。それも、バラ肉とロース肉にて!
そして、野菜は、野カンゾウ、クレソン、アサツキ、行者ニンニクの4種。本日朝にご主人自ら収穫!
いや〜、すごい。ただただ感嘆。
熊肉の獣的な味わいがグワンとくる。そこに猪肉の円やかで甘みのある脂身の旨さが覆い被さる。
そしてこの猪肉がまた旨いのだ。脂身が硬くならずに柔らかく、かと言って油でギトギトになる訳でもなく、
美味しいところだけがふわっと形になっているようなイメージ。
熊肉だけでなく猪肉もブレンドすることで、肉の旨みが多重層になり美味しさに厚みが出ている。
また、これに対抗する野菜は、力強く生命力が溢れる味わい。
春の山菜だから弱々しい、ということは全くなく、
開田高原のこの寒さに耐えて芽を出して育っており非常に力強い。
肉の味、野菜の味、ベースの割り下の味、そして加熱加減。全てが綺麗にベストに絡み合っている。

その他、鹿肉のユッケも印象的な味。熊と猪のすき焼きの汁で作った卵かけご飯も美味。

いや〜、これで10,800円(税込)という値付けはすごいよ。

今回久々の訪問だったが、改めてわらび野の素晴らしさを再認識。
東京都内から十分日帰り圏内なので、今年は、
春の山菜の季節、松茸の季節、きのこの季節にそれぞれ訪問させて頂きたいなと思っている。
再訪。
今回は、夜、10,000円のコース。
天然きのこのオンパレード。もちろん、松茸も組み込まれて。
天然きのこは裏山で採れたもの。もちろん、松茸も裏山で採れたもの。
まさに地産地消。
採れたての木曽開田高原の山の幸を、その魅力が存分に活きてくる調理方法で頂く。

今回、松茸のしんじょうが過去最高の味わい。
松茸の風味がふわっと広がるように、しんじょうはいつもと違いふわふわ感のある仕上がり。
優しいお出汁に香りが乗り、お出汁の味わいも広がります。

松茸の雑炊も、松茸の香りがギュンギュンに、でも上品にやってきて、素晴らしい。

今回、お店から徒歩3分程の場所にあるログハウスを予約して頂き宿泊。
いつも僕はドライバーなのでお酒を飲めなかったのだが、
今回初めてお店で日本酒も存分に楽しんで、今まで以上にわらび野を満喫。
わらび野がますます好きになった。

■2015年7月-----
再訪。
前回4~5月の再訪を誓ったものの諸般の事情により叶わず、7月下旬の訪問。
狙いは夏の松茸。予約時にお願いしておいた。(採れなかった場合には致し方なし、という前提で)

で、訪れてみるとやはり松茸は採れなかったようで、今年は採れるのが時期的に少し遅めのようだ。

しかしながら、松茸がなければなかったで、そのリカバリーは十分過ぎるほど。
今回頂いた中では、「香箱蟹のしんじょう」が過去最高傑作と思えるほどの出来栄え。
わらび野では、いつものことながら「しんじょう」に感嘆する。

今回、松茸なしになったので、コースで6,500円くらい。
内容から考えて、かなり安いです。

■2014年11月-----
あまり間を空けず、再訪。
前回は11月上旬で地の茸がまだ穫れたが、
今回は11月下旬で殆ど地のものは穫れず食材が限られてしまうので
料理に使う食材がどうしても似通ってしまう。
それでも、あの手この手でいろいろ変化をつけて頂いたおかげで今回もかなり楽しめた。

今回特に素晴らしかったのは、「毛ガニしんじょう」、「へしこソースの茶わん蒸し」。

・毛ガニしんじょう
  これは前回も頂いた料理だったが、今回更に素晴らしくなっていた。
  何と言っても、御出汁。いろいろな御出汁が淡く淡く混じり合い、思わず吸い込まれるような味わい。
  そこに、ふわっという感じで毛ガニのしんじょうが合わさると、
  御出汁と毛ガニとすり身の味と香りがふわっと広がる。

・へしこソースの茶わん蒸し
  やはり御出汁が秀逸で、そこにへしこソースの塩分とコクと独特の臭さが絶妙に絡み合う。

また、こちらのお店では近くの人気蕎麦屋「時香忘」の蕎麦を頂くことができる。
使うのは「時香忘」の蕎麦だけで、つゆなどは「わらび野」で独自にお作りになられる。
つまり「時香忘」の蕎麦をまた違った形で味わうことができる。
今回は冷たいせいろと温かい鴨南蛮蕎麦をご用意いただいた。鴨南蛮蕎麦が断然美味しかった。

今回も1万円コース約10品。かなりお腹いっぱいになった。
普通の方なら予約時にお願いしてもう少し安いコースで品数を減らしてもらった方がいいかもしれない。
あ、というか、安いコースの設定があるので、そちらを普通に頼めばよい。
僕も次回はそうしてみようかな。

■2014年11月-----
再訪。お店は御嶽山近くの開田高原にあり御嶽山噴火の影響が心配されたが、
実際には結構距離が離れており、問題なく営業されていらっしゃった。

訪れた11月初旬は開田高原は既にかなり寒く地元で穫れる食材は徐々に減ってきている模様。
そんな中、いろいろな食材を集めて頂いて、あれもこれもという感じで
1万円コース約10品の料理を出していただいた。クオリティと言い、ボリュームと言い、凄いです。
美味しかったので更に追加で注文しちゃって・・・。お腹パンパン。

この日特に良かったのは、「岩魚の親子手ごね寿司」、「毛ガニしんじょう」、「猪の炙り&燻」。

・岩魚の親子手ごね寿司
  岩魚のイクラと岩魚の身のヅケが乗る。きらきら光って見た目にも美しい。
  岩魚のイクラのさわやかな旨みと、岩魚のヅケのコクのある旨みが見事にマッチ。

・毛ガニしんじょう
  毛ガニの味が上品に仕上げられ、わらび野の素晴らしい出汁とのバランスがとてもいい。
  この御出汁は、ほんとすごいよ。

・猪の炙り&燻
  猪肉を桜の木で炙り、その煙も燻製のように閉じ込めることで、見事な香りに。
  猪肉がこんな味と香りに化けるんだ。脂身が特に美味。こんな味は初めて。

ただ、今回胡椒等が少々強めでバランスを崩している料理もあり。
品数が多いのでアクセントを出して頂いたのかもしれないが。

でも、また行きます。

■2014年9月-----
御嶽山の近く、開田高原にある和食店。
ひとことで言えば、すごい、です。

良い食材を裏打ちされた技術できちんと料理して素材の良さをそのまま活かせば、
ここまで美味しくなるということを実感した。
良い食材ならば、下手にこねくり回す必要は全くないのだ。

飾りつけもシンプルでよく、見た目を豪華にする必要もなし。
そんなの味には全く関係がないからだ。
自然のそのまんまが美しい。その形、その色、その艶やかさ、そのまんまでいいのだ。

決してストイックなお店ではない。
ピリピリした雰囲気もない。
柔和で優しいご主人が、極々自然体で調理をされる。
接客は、少したどたどしさもある奥様がされる。
この二人三脚のご夫婦が作り出す空気感はとても柔らかで、お客側はとてもリラックスできる。

今回、秋の松茸シーズンということで、
地元産の松茸をふんだんに使ったコースを8,000円でご用意頂いた。
構成は、こんな感じ。
・いぐち茸の大根おろし和え
・松茸の土瓶蒸し
・岩魚の刺身
・岩魚の塩焼き
・焼き松茸
・冬瓜の名古屋コーチンのつみれの炊き合わせ
・松茸雑炊
ええ、7品ですよ7品。8,000円で7品。極太のマツタケが組み込まれて7品。
松茸は数人でシェアとは言え、普通ありえない。

料理の印象はこんな感じ:

・いぐち茸の大根おろし和え
  しっとりとした「いじく茸」が非常に味わい深い。大根おろしとのバランスも見事。
  大根おろしで味覚がリセットされ、いじく茸のぬめりで舌の感覚が呼び起こされ、
  いじく茸の旨味と大根おろしと合わさったときの旨味の微妙な変化で味覚がフル加速。
  コースの最初に相応しい料理だ。

・松茸の土瓶蒸し
  シンプルな松茸の土瓶蒸し。具は、松茸だけ。しかし、松茸がたっぷり入っている。
  これだけ沢山入っていると香りが凄いが、一切れ一切れの香りもすごい。
  それに噛み締めれば噛み締めるほど香りが溢れ出てくる。
  そして、それ以上に良かったのが、ダシ。澄み渡るような綺麗なダシ。
  この土瓶蒸しは、ほんとものすごいです。
  
・岩魚の刺身
  仄かにピンク色に染まった岩魚の刺身。ピンとした食感で、まだ生気を感じさせる。
  さっきまで生きていた岩魚だそうだ。そうした岩魚の刺身は他店でも出てくるが、
  味わいが明らかに違う。次元が違う。
  仄かな甘み。文字ではそうとしか表現が出来ない。他に例えるものがない味わい。

・岩魚の塩焼き
  一転して今度はその岩魚の塩焼き。熱を加えることで、
  岩魚の生気が味と香りとなって湧き上がってくる感じ。
  身はほくほく。噛み締めるたびに味と香りが湧き上がってくる。身の水分の抜け加減も塩分もちょうど良い。
  また、頭から背骨まですべてがぶっと齧れるので、岩魚の美味しさを余すところなく堪能。

・焼き松茸
  本日の最高の盛り上がりは、この焼き松茸。繊維質がギュッと凝縮した感じ。カチンコチンだ。
  しかしながら、だからこそ味わいもギュッと凝縮し、香りもギュッと凝縮。
  「香りまつたけ、味しめじ」という言葉があるが、あれは嘘だね、と思った。
  この松茸は、噛み締めれば噛み締めるほど味も香りが幾らでも出てきて、その味も香りも最高にいい。

・冬瓜の名古屋コーチンのつみれの炊き合わせ
  焼き松茸の後ではどんな料理も陰が薄くなってしまうのではないかと思ったが、
  いやはや、そんな心配は不要だった。
  この日唯一の陸上動物のタンパク質となる名古屋コーチンの旨みが、これまでの旨味の更に覆いかぶさる。
  つみれ自体も美味しかったが、ベースとなるあのダシがまたここでも登場し、全体をピンと纏める。

・松茸雑炊
  最後は、松茸雑炊。土瓶蒸しでも使われたこのダシと松茸の組み合わせに、更にお米の炭水化物が加わり、
  本能的に美味しいと思う鉄板の組み合わせに。これも凄いです。

 いや~、最初から最後まで息をつく暇もないくらいに駆け抜けた。
 一品一品の完成度も凄いけれど、それ以上にきちんとした流れがある構成。
 次にこういう味が欲しいな、とか、そうそうこういう味が欲しかったんだよ、と思うような期待通りの構成。

 最高です。

 ただ、御嶽山の近くということでお店に影響が出ていないか、とても心配です。
 

  • 松茸のしんじょう
  • お浸し
  • イグチおろし

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7位

まき村 (大森海岸、大森、立会川 / 日本料理)

20回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2023/12訪問 2024/03/17

ぶり大根革命

再訪。20回目。
飽きっぽい僕がもう彼是7年も通い続けている。
その理由は、まき村さんの料理の味の方向性が
僕の味覚のツボにドンピシャに合っているからなんだけど、
もうひとつ理由があって、それは、常に新しい驚きがあることだ。

この日の驚きは、ぶり大根。
普通のぶり大根じゃない。これは革命と言っていいほどの衝撃のぶり大根だった。

まず、ぶり。少し薄めにカットされたぶりは、
ぶりの旨みをタプタプに備えて、その表面には軽く焦げ目がつけられて、照り焼き風。
この焦げ目がとても素晴らしく、所謂メイラード反応がドンピシャにコントロールされており
この旨みがマックス。計算し尽くしたかのようなメイラード反応。ただただ凄い。
これ以上やっては苦味が出るし、これ以下ではぶり臭さが残る。その変化の丁度中間点。
こんな味が出せるのかよ、って言うくらいの衝撃度。

そして、これに寄り添うのが大根。
ぶりだけでも満足なので、ここに大根って不要だよなぁと最初思ったんだけど、
いやいやなんの、大根がこれまた素晴らしい出来栄え。
まき村さんならではのお出汁の旨さが光るし、大根臭さをまったく感じさせず、
それでいて大根の旨みをきっちりと感じる。

そしてだよ。この大根をぶりと一緒に頂くと、最高の旨みが生まれる。
ぶりに欲しかったのは、この大根の味。
大根に欲しかったのは、このぶりの味。
単独でも美味しいのに、合わさるともっと美味しくなる。

ぶり大根の革命。

再訪。19回目。

まき村さんと言えばやっぱり椀だ。
特に、しんじょうの椀はいつも素晴らしい出来栄え。
僕は、まき村さんのコースの中で最も好きな料理が、この椀。
毎回毎回楽しみでしょうがない。
期待度のハードルはかなり高いのに、毎回毎回それを遥かに超える椀が出てくる。

この日は、「松葉蟹しんじょうの椀」。

お出汁が身体に染み渡る。
淡く、円やかで、柔らかな旨み。淡いのに、全包囲網の旨み。
何かが突出するわけでもなく、すべてが円く収まった黄金バランス。
味覚を研ぎ澄ませる必要もないし、味覚を弱める必要もなく、
ただただ自分の味覚をお出汁の旨みに漂流させれば、
味覚は脱力状態になりお出汁に素晴らしく馴染んでくれる。

永遠に飲み続けていられる。

そして、この日の松葉蟹のしんじょうは、過去最高級の出来栄え。
旨みたっぷりの松葉蟹が淡いお出汁に対して程よいアクセントになり、
お椀の中に旨みの濃淡が生まれる。
このため、お出汁と蟹を往復することで、より双方の旨みをしっかりと感じられる。

この日も素晴らしかったです。
再訪。18回目。

書くことがなくなってきているので、今回は、まき村さんのご飯について。

まき村さんで使われているお米は、魚沼産の旧コシヒカリ。
農家さん限定生産の希少米。
粒は小さめ。旨み凝縮。香り凝縮。
粒が壊れない炊き加減とも相俟って、一粒一粒がしっかり。
それでいて、旨みがしっかり活性化。
咀嚼すると、お米ならではの旨みが強烈に広がる。
一般的なコシヒカリとは若干異なり、華やかさはあまりないけれど、
逆にそれだからこそ、鯛茶漬けにしたときに鯛やお出汁の味を邪魔しない。
また、炊き込みご飯にしたときも、具の旨みをお米がしっかりと受け止めてくれる。
なので、まき村さんのコースの食事メニューは毎々とても楽しみだ。

ちなみに、我が家でも旧コシヒカリを使用しているのだが、
農家さんが違うからか、炊き方が違うからか、どういう訳か、まき村さんと同じようにならない。
だから、まき村さんに通い続けている訳だけれど。
再訪。17回目。
7月某日。

これだけ通っていると、季節ごとの料理の違いや素材の違いが徐々に分かってくる。
僕の個人的な味覚のツボにズッポリ嵌るのは、7月かもしれない。
季節の変わり目なので、素材は淡い味わいから強い味わいへと変化する過程にあり、
その危ういバランスが調理によって綺麗に表現される。

素材の味わいの本質だけが残されて、
そこに淡いお出汁や軽く爽やかな酸味があの手この手で付加されて、
咀嚼する度に口内調理が為されることにより素材の味わいと強い味わいとが絡み合い、
お出汁や酸味とが更にそのカオス的な味わいを広げてくれる。

この日は、お造りがとても良かった。
素材も美味しかったのだが、醤油も美味しかった。
醤油が異様とも思えるほどに素材の良さを引き出していたので、尋ねてみたら、
お造り用の醤油を変えられたとのこと。
いつもはポン酢の方を使う僕が、この日は醤油の方ばっかり使っていた。

さて。
この日の出色の出来栄えの料理は、鮎ご飯。
一夜干しした鮎は、綺麗に水分が抜けており、水っぽくならず旨みが凝縮。
ご飯の方にもしっかりと鮎の旨みが移っており、味も香りもとても良い。
お米は、旧コシヒカリ。若干小粒でこちらも繊維質や旨みがギュッと凝縮しており、
水っぽくならず、鮎との相性が抜群にいい。
僕の自宅でも旧コシヒカリを使っているのだが、炊き込みご飯とかにすると
他の品種との違いが如実に分かるくらい更に美味しくなる。

この日も、幸せ。

再訪。16回目。

今回のハイライトは、最後の蟹ご飯。
蟹のお出汁がご飯全体を覆い尽くし、
蟹の身もこれでもかというくらいにたっぷりで、
それに追い討ちをかけるように蟹ミソ。
もう反則技www
この手の蟹ご飯は他のお店でもたまに出るけれど、蟹の臭みがどうしても残る。
ところが、まき村さんのこの蟹ご飯は、蟹の臭みなんて微塵も無い。
蟹の美味しいところだけ。とても綺麗でクリア。それでいて旨みたっぷり。
最高の調理技術。そして恐らくものすごい手間隙がかかっているはず。
高級食材をこれ見よがしにドーンと出せばそりゃ簡単だろうけれど、
まき村さんは、そこに更にひと手間もふた手間も、いやそれ以上の手間をかけて
最高の状態に仕上げてくださる。

ご飯、ピカピカ。しっかり粒が立って、最高に旨い。
蟹も旨いが、やっぱり、ご飯。ご飯が主役。
脇役の働きで、主役が最高に輝く。

こんな蟹ご飯を出してくれるお店は、恐らくまき村さんだけではないか。

何の迷いも無く★5です。
再訪。15回目。

僕の味覚が保守的になった訳ではないのだけれど、
まき村さんを訪れると、あぁこれこれ、やっぱりこれ、と思ってしまう。

何かの味が突出する訳でなく全体が綺麗にまとまり、
塩分に過不足がなくピタッといいところに合わせてくれて、
お出汁というか水分量を丁度いいところに留めてくれる。

だから、素材の味がビシッと決まる。
素材は高級だけれど、高級感を感じさせない。
素材の力で有無を言わせるのではなく、
調理の力で違う次元に連れて行ってくれる。

冬のまき村さんの素材は、冬らしい力強さがある。
それを、きっちりと形ある味に整形され、そこに力強さを凝縮させる。
そこに詰まった冬の旨みと甘みに、お出汁などの仄かな酸味が加わり、
全体が綺麗にまとまった味わいになる。
きっと僕は、まき村さんの酸味の使い方が好きなんだと思う。
特に、お出汁の仄かな酸味が。
再訪。14回目。

その季節季節の素材の味わいに合わせて季節季節の調理が為され、
常に何かしらの変化がある。

素材に対する丁寧なお仕事は常に一貫している。

しみじみと美味しい。

この素材に対して何故この調理なのか。
何故この味付けなのか。
何故この組合せなのか。
自分が素材になった気持ちになって、そんなことを考えながら頂いていると、
とても温かい気持ちなる。

温かな幸せ。

この日も、どの料理も美味しかった。
特に、鰹のお造りが素晴らしかった(思わず、写真撮り忘れ)。

再訪。13回目。
大森にある日本料理店。

訪れるたびに、まき村さんの味が好きになっていく。
「まき村さんの味」と言っても、明確な味があるわけではない。
まき村さんならではの、味の引き出し方、と言った表現の方が合っているかもしれない。
調理の始めに素材に対して何らかの一仕事が為されており、
料理として完成したときに、素材の良さが更にグイッと際立つ。
素材の潜在力が最大限引き出されているので、思わず嬉しくなってしまう。

例えば、とうもろこしのかき揚げ。
他店のものとは、一味も二味も違う。
予め綺麗に水分が抜かれて甘みが引き出された状態で油で揚げるので、
旨みが更に凝縮されている。
とうもろこしは元々水分が多い食材だが、予め綺麗に水分が抜かれているので、
かき揚げを咀嚼したときにブシューッと弾けたりせず、
咀嚼の圧力に合わせて旨みが綺麗に広がってくれる。
また、とうもろこしは元々糖度が高い食材だが、予め綺麗に甘みが引き出されているので、
かき揚げを咀嚼したときに、茹でとうもろこし的な甘みだけでなく、
より糖度の高い、焼きとうもろこし的な甘みが綺麗に広がってくれる。
このとうもろこしのかき揚げは、まき村さんの傑作品です。

また例えば、鮎ごはん。
鮎は一夜干しにされ(更に少し発酵され)、鮎の旨みを凝縮して更に別の旨みも生じさせ、
それを土鍋でご飯と共に炊き上げられて、最高においしい鮎ごはん。
長時間炊き上げても、鮎から味が全然抜けていない。
いや、ご飯にいい出汁が沢山移っているだろうけど、
それを全く感じさせないほど鮎に旨みが残っている。
しかも、水分がいい感じに抜けていてご飯のお供にピッタリ。
茶漬けにしても美味。更に鮎の出汁が出てくる。

今回、6月下旬の訪問。
蒸し暑くなる季節に合わせて、身体が欲する淡い酸味でコース全体を一貫して微調整。
こうしたさりげない一仕事で、料理が更においしく感じられる。

再訪。12回目。

今回の出色の一品は、虎河豚の白子のみぞれ椀。
白子がキュッと凝縮してほわほわな仕上がり。
どうやったらこんな食感に仕上がるのか。
そしてどうやったらこんな幸せな味わいになるのか。
見た目はとてもシンプルな料理だけれど
この味を出すために様々な手間がかかっていることは容易に想像がつく。
ミシュラン3つ星に相応しい料理だ。

今回のコースは、訪問12回の中で過去最高レベルだった。

再訪。11回目。
大森にある日本料理店。

今回の出色の一品は、「墨烏賊のおかき揚げ」。
まき村の揚げ物は、種の素材の本質的な味わいを
ピンポイントでぐいっと引き出してくれるところに凄さがある。
墨烏賊の甘みが存分に引き出されるちょうどいい火の通り具合。
小さな一口サイズだから揚げ加減は難しい筈だが。
そして心地よい弾力と共におかきの衣のさくっとした食感も心地いい。
そして咀嚼するたびに香るおかきの衣。

こうした味わいは、揚げることで墨烏賊の水分が綺麗に抜き、
更にドライな衣をまとわせることで、
食べる人の唾液を存分に引き出させ、衣や墨烏賊に染み込ませ、
食味を一体化させる意図に依るもの。

見事な逸品。
再訪。10回目。
大森にある日本料理店。

こちらのお店の魅力のひとつは、椀の素晴らしさ。
この日のお出汁も見事だった。
吸い込まれ、引き込まれるような味わい。
だけど、それに抵抗する必要はなく、ただただ身を委ねて、
そのお出汁の中に漂っていたい。そのお出汁と自分が一体化したい。
なんて優しいお出汁なんだろう。

再訪。9回目。
大森にある日本料理店。

今回は比較的オーソドックスな内容。
その中にあって、ホタテ真薯(しんじょ)お椀が突出して素晴らしかった。
ホタテ真薯も素晴らしかったが、特にお出汁が素晴らしかった。
ホタテの味わいをいろいろな方向から引き出し、
それらを足し合わせて組み合わせて、重厚な旨みを見事に作り上げたお椀。

再訪。8回目。
大森にある日本料理店。

今回は2月訪問ということで、メイン食材はトラフグ。
あの手この手でトラフグのいろいろな部位を楽しむことができた。
特に今回は、トラフグのお出汁をたっぷりと楽しむことができた。

再訪。7回目。
時期的に松茸は難しいかと思っていたが、
2018年は松茸が豊作だったとのことで、
コースに松茸をところどころ組み込んで下さった。

この日の主役は、最後の松茸ご飯。
素晴らしく美味しい。
松茸の味と香りが十二分に引き出され、
それが移ったご飯はぴかぴかでとても良い状態。
水分が上手くコントロールされているから、
松茸の香りがご飯の香りと共に立ち上り、
松茸の旨みもご飯の表面に綺麗に乗っかってくれる。

再訪。6回目。

出来ることなら一生お付き合いしたいお店。
ご主人の調理技巧の引き出しを、すべて受け止めたい。
季節を変えれば味も変わる。その変化を、ご主人の調理技法と共に、すべて受け止めたい。
そのくらい、僕の味覚のツボにズッポリ嵌まった料理が毎回出てくる。
ご主人の意図が、僕の中でストンと落ちてくるくらいに分かり易いのだ。
それと、自分の味覚の現在の能力と将来の可能性を最大限に引き出してくれる。
この歳になると、自分の味覚の限界をときに感じてしまうのだけれど、
ご主人の料理を頂いていると、限界を感じるどころか、眠りかけていた味覚が覚醒されるし、
更に言えば、今までに思ってもみなかった味覚が新たに生まれてくるのだ。
この歳で、だよ。

この日は、アワビのお椀に唸った。
アワビって、美味しい食材なので基本的にどう調理しても美味しくなるけれど、
料理の仕方によって美味しさの振れ幅は大きく変わる。
この日のアワビの椀は、美味しさが最大限に振れた出色の出来栄え。
少し濁りを出したお出汁が、アワビの身とお出汁とを調和させる。
アワビはアワビ、お出汁はお出汁、といった感じです独立させない。
同じ椀に中に入っているんだもの、やはり一体化させたい、という意図が伝わってくるような料理だった。
見事です。

この日のコース内容:
(1)鱧落とし
(2)とうもろこしのかき揚げ
(3)アワビのお椀
(4)カサゴのお造り
(5)ヤリイカ、マグロのお造り
(6)サザエのつぼ焼き、ウニ乗せ
(7)焼き鮎の鮨
(8)焼き甘鯛、ホワイトアスパラのすり流し
(9)ローストビーフ
(10)穴子ご飯
(11)和風ブランマンジェ
再訪。5回目。
改めてながら、まき村さんの凄さを再認識させられた。
素晴らしい料理だった。

まき村さんの料理は各々の素材の本質部分をきちんと見極められ、
それを(それらを)足し合わせたり掛け合わせたりする料理。
もう少し分かりやすく言うと、
各々の素材の本質部分がクッキリと浮かび上がるように下拵えされ、
そういった素材と素材や、素材と調味料を上手く重ね合わせて、
旨みと旨みを重ね合わせて幅や奥行きを出したり、
旨みと旨みとを掛け合わせることによって新たな旨みを作り出したり。
そんな、計算づくの料理。必然性に満ち溢れた料理。

素晴らしいです。

この日の料理は、とらふぐ中心の組み立て。
とらふぐで強めのアクセントを出しながら、
その間を、弱めのアクセントで埋めていきながらも、
その間間の料理もしっかりとした内容で全く落胆させず、
結果的に、コースを通して強弱をつけながら全く淀みの無い流れ。

久々に唸りました。
参りました、という感じ。

この日の内容は、こんな感じ。
(1)白和え
(2)とらふぐの白子のお椀
(3)とらふぐのお造り、あん肝ポン酢
(4)まぐろのお造り
(5)ぶりの照り焼きと大根
(6)八寸(3種)
(7)とらふぐの唐揚げ
(8)若竹煮
(9)鯛茶漬け、香の物
(10)水菓子

(1)白和えは、お豆などの旬の食材が使用されており、
各々の食材の個性を感じながら、
白和え用のソースで全体に味わいの一貫性を感じる。
この料理だけでも相当な手間がかかっている筈だ。

(2)お椀(とらふぐの白子使用)は、圧巻のお味。
2品目でこんな力強い椀を持ってこられたことで、
気持ちがグイッと引き寄せられた。
白子も美味しいが、少し濁りを入れたお出汁であるがゆえに、
白子と絶妙に馴染んで、全体に一体感がある。
からすみのコクと塩分で、白子とお出汁の一体感が更に増す。
このからすみの使い方は絶妙だ。

(3)とらふぐのお造りは、とらふぐ自体の味わいもとてもいい。
更に、あん肝ポン酢が更にいい。
まき村さんのポン酢って、もともと素晴らしいけれど、
とらふぐのような食材で更にその威力が発揮される。
そこに、更にあん肝が加わり、味わい的に更に格上げ。
というか、このあん肝ポン酢だけで、最高のお酒のアテになる。
やばいゎ、これ。

(4)まぐろのお造りは、まぐろの綺麗な酸味がきちんと感じられる品。
鮨屋で出される高級マグロも良いけれど、こうしてツマミとして、
その素材の魅力を存分に楽しめる形で出されるのも、すごくいい。

(5)ぶりの照り焼きのぶりは、少し薄めにスライスされており、
照り焼きのタレがぶりの身の全体に充分に染み渡り、
ぶり臭さを全く感じさせない上品な味わい。
脂の状態も丁度いい塩梅に落ち着いている。
そこに、ぶりとの相性の良い大根。
これも小振りで、大根の青臭さを全く感じさせず、甘く蕩ける味わい。

(6)八寸(3種)は、圧巻。
これこそ、まき村さんの技巧をギュッと凝縮したかのような出来栄え。
(6-1)数の子にイクラの組み合わせはよくあるけれど、
そこにマッシュポテトを組み合わせるなんて。
これが、炭水化物の甘さを加えると共に、
イクラの卵臭さを綺麗に吸い取ってくれる効果があり、全体が綺麗にまとまる。
(6-2)また、車海老の刺身にかけられた梅肉のジュレは、酸味と醤油の加減が絶妙で、
車海老の刺身にドンピシャの味わいで馴染んでくれる。これはすごいです。
(6-3)また、タラコを茹でたものにお出汁のジュレがかかり、
タラコのツブツブの間にそのジュレが入り込み、
タラコのツブツブの舌触りの悪さや、卵臭さを綺麗に覆い隠してくれる。
そしてクラッシュアーモンドが、ジュレのぐじゅぐじゅな食感に対する意識を
硬い食感の方に向かせてくれて、程よい効果。
そして、菜の花の落ち着いた味わいが加わり、全体がシットリとした味わいに。

(7)とらふぐの唐揚げは、圧巻。とらふぐも美味しいが、唐揚げ粉がやばい。
いや、日本料理店で、コースのメインが唐揚げというのもすごく大胆な構成だけれど、
この唐揚げなら納得も納得。素晴らしい逸品です。

(8)若竹煮は、唐揚げの油っこさを綺麗に洗い流してくれる。
筍はとても柔らかく、そしてココナッツのような甘い香りが漂い、上質。
お出汁はスッキリ。とても綺麗。それを吸ったワカメも素晴らしく美味しい。

(9)鯛茶漬けは、まき村さんの定番中の定番。
久々に頂いたが、やっぱりこの鯛茶漬けは美味しい。

(10)水菓子は、シンプルに果物中心ではあるものの、
ソースやジュレで若干の味の変化がつけられ、コースの締めとして綺麗にフィニッシュ。

いや~、大満足。

この日は、2名利用で、
お酒少々とコース料理で、50,000円ちょっと。
約25,000円/人で、このレベルの日本料理を毎回確実に頂けるのであれば、
他店と比べてとてもお安く感じてしまう。
再訪。4回目。
初のカウンター席。2名利用。
個室はアットホーム感あり、カウンターは特別感あり。

18,000円のコースに松茸追加でプラス2,000円。
これに、ビール・日本酒代と、税サをプラスして会計は1人26,000円ほど。

この日のコース内容はこんな感じ。
(1)茄子といくら
(2)蒸し鮑とボタン海老
(3)松茸の茶碗蒸し
(4)お造り(剣先イカ、しめ鯖、平目、鮪)
(5)松茸コロッケ、サヨリ、栗
(6)牡蠣の味噌焼き
(7)牛のすき焼き風
(8)松茸ご飯、食事
(9)シャインマスカット、洋梨

いつもに比べて、品数少なめ。
その分、1皿の量は多め、そして食材は高級。
やはりなんと言っても松茸でしょう。
今年の松茸は近年稀にみる不作で、
この日も良いものを手に入れるのが困難だった模様。
そんな中、山形産の貴重な松茸をふんだんに使って下さった。
(3)松茸の茶碗蒸し:薄くスライスされた松茸が香る香る。しかも華やかに。
もちろん素材も良いのだろうが、松茸の香りを引き出す調理技術が大変素晴らしい。
(5)松茸コロッケ:コロッケの中に軽く忍ばせた松茸が香る香る。
コロッケの中のジャガイモがふんわりとしており、
そんなエアー感のある食感の中に松茸の香りがふわ〜って広がる。
これはかなりの傑作です。
(8)松茸ご飯:何か変化をつけたりしていない、
真っ直ぐな松茸ご飯。王道の味。王道の香り。
こういう真っ向勝負の松茸ご飯が、きっちりと美味しい。
まき村の調理技術の真髄をみた印象。

その他、頂いた中では、(2)蒸し鮑とボタン海老が特に秀逸。
酸味を効かせたジュレの、少し強めの酸味の具合が蒸し鮑とボタン海老に
素晴らしくマッチしている。

全体を通して、魚介の質の高さも光る。
日本料理店では、やっぱり質の高い魚介を頂きたいし、
それを最高の技術で更に美味しくしたものを頂きたい。
まき村ではそれを叶えてくれる。

まき村では毎回料理は変わるけれど、
日本料理店はこうあって欲しいよね、といつも思えるので幸せ感がいっぱい。
訪れる度に自分が料理にしっくり馴染んでいく印象。
また訪問します。次回は河豚の季節。
再訪。3回目。
定期的に訪れるお店となった。
幾つか理由があるが、最大の理由は、
素材の個性をとても大切にされ全て計算づくでその個性を引き出してまとめ上げられる職人技が、
(違う分野ではあるが)僕の職人気質を大いに揺り動かしてくれるから。
もっと触れたい。もっと感じたい。この意図をもっと知りたい。そんな気にさせられるのだ。

今回の料理も、そんな方向。
素材の良さそのものを大上段に振りかざすのではなく、
素材のその季節季節の良さを綺麗に引き出されていらっしゃる。
そんなところに感銘を受けるのだ。

頂いたのは
「夜懐石」(18,000円)
それと、日本酒「天青」(700円)、「五凛」(1,200円)
これに、サービス料10%と消費税8%がついて会計は23,641円。

内容は以下の通り。
(1)先付
・酢の物(赤ピーマン、南瓜、長芋、オクラ、ワカメ、ジュン菜)
・胡麻クリーム和え(椎茸、蓮、インゲン、きゅうり)
・トウモロコシ手毬揚げ
(2)千枚アワビの薄口仕立て
(3)活け鱧 焼き霜造り
(4)お造り(気仙沼カツオ、舞鶴剣先イカ)
(5)蒸しアワビ 生ウニ 鮑の肝 出汁ジュレ
(6)江戸前羽田沖穴子 炙り寿司
(7)銚子金目鯛 炙り寿司
(8)広島マナガツオ 漬け焼き
(9)佐賀牛ザブトンのローストビーフ 焼き茄子
(10)長良川鮎 炊き込みご飯 赤出汁 香の物
(11)クリームチーズのムース マンゴー ワインゼリー

これらの中で、特に良かったのは、終盤の(8)、(9)、(10)。
序盤から中盤にかけては、初夏の暑さを忘れさせてくれる料理が流れる。
とても落ち着いた味わい。それでいてスッキリとした味わい。
しかし単調ではなく、あの手この手で楽しませてくれる。
ただそろそろ盛り上がりが欲しいなと思っていた頃の終盤に大きな山場が訪れる。
それが(8)、(9)、(10)。

(8)広島マナガツオ 漬け焼き:
マナガツオの旨味を少しも残さず全部含ませたかのような完璧な仕上がり。
マナガツオ特有のぱさつき感は漬けにすることで上手く回避。
マナガツオの魅力が存分に楽しめる。こんなに美味しいマナガツオは初めてだ。

(9)佐賀牛ザブトンのローストビーフ 焼き茄子:
ローストビーフを出す日本料理店が最近増えたが、その中でもこれはズバ抜けて美味しい。
ロースの旨味と脂の旨味が綺麗に重なり、
更に平面状に入ったサシの効果により口の中で綺麗に解ける。
そこに出汁の旨味と薄口の醤油の旨味ととろみの甘みが加わり、
ローストビーフ自体の旨味を更に広げる。そして、和芥子が全体をビシッと引き締める。
そして、下に敷かれた焼き茄子の滋味が加わり大人の味わいのローストビーフに。
これがあることで、ローストビーフが日本料理として成り立っている。
最高に旨いです。

(10)長良川鮎 炊き込みご飯:
鮎の若い旨味が全体を包み込む炊き込みご飯。
軽く炙った鮎の香りもほんのりと全体を包み込む。
幸せになれる鮎ご飯だ。
おこげも最高に美味しい。

いや~、今回も美味しかった。大満足。
再訪。2回目。
前回も良かったが、今回は更に良かった。
何もかもが完璧で、感銘を受けた。
素材の良さを活かす技巧が素晴らしい。
そしてその素材を組み合わせる技巧が素晴らしい。
前者だけでも美味しいのだと思うけれど、
後者のように、洗練された良いものと良いものを意図的に合わせて、
突き抜けるような旨みが生み出されると、
もう参りましたと言うしかない。

今回頂いたもの。
(1)さより昆布〆梅肉和え
(2)フォアグラゼリー、厚焼き卵、河豚のにこごり、牡蠣の海苔巻き、空豆、小梅
(3)鹿児島の車海老と卵豆腐の椀
(4)豊後水道天然トラフグ
(5)長崎壱岐の本鮪
(6)山口甘鯛若狭焼き、タラの芽の天ぷら
(7)八寸(根室産バフンウニと生湯葉の出汁ジュレ、噴火湾産甘海老と芋茎梅肉添え、アオリイカのおかき揚げ、法蓮草ともやしの共和え、冬茹椎茸の白和え、浅蜊と蕗の薹のマリネ)
(8)豊後水道天然トラフグの焼き白子
(9)宮崎牛A5サーロインすきしゃぶ仕立て
(10)鯛茶漬(淡路の真鯛)
(11)せとか、苺、マンゴーのワインゼリーとヨーグルトムース

これらの中で、突出していると思ったのは、(6)と(8)と(10)の3品。

(6)「山口甘鯛若狭焼き、タラの芽の天ぷら」は、まず甘鯛の若狭焼きが実に見事。
衣の香ばしさ、皮の凝縮された旨み、身にたっぷりと包含された旨みがギリギリのラインで美味しさを蓄えている。
そしてそこに添えられるタラの芽の天ぷらの滋味が、甘鯛の若狭焼きをビシッと引き締める。
この味は初めてだわ。

(8)「豊後水道天然トラフグの焼き白子」は、まき村にしては珍しく1点集中での美味しさの追求。
余計な味は加えず、トラフグの白子そのものの味を最大限引き出す。
シンプルではあるが、そこには素材を大切にされるまき村の技術が凝縮。旨みも凝縮。

(10)「鯛茶漬け」は、さすが看板料理とあって、素晴らしい美味しさ。
個人的にこの日一番と感じた料理。
他店だと、鯛を茶漬けにしても美味しくなるわけじゃないのになっていつも思うんだけど、
まき村の鯛茶漬けは、鯛を茶漬けにすることで鯛が更に美味しくなって、
しかもご飯も出汁も更に美味しくなって素晴らしい相乗効果があり、
鯛を茶漬けにする必然性を感じるもの。
前回も美味しかったけれど、今回はそれを遥かに凌駕。

いや〜。最初から最後まで、様々な技巧が凝らされ、素材が活き活きと輝いている。
お酒代まで入れて約23,000円とそれなりの価格帯ではあるが、
素材の良さと調理にかける手間を考えると喜んでお支払いできる。
見た目に手間をかけるのではなく、調理に手間をかけているところが好き。

大森海岸駅の近く。大森駅からでも徒歩圏内の場所にある日本料理店。
後で知ったことだが(あんまり興味ないので)、ここはミシュラン三ツ星。

頂いたのは、「夜懐石」16,000円(税サ別)。
それと、日本酒「獺祭スパークリング」、「加賀鳶」。
これで21,000円ちょっと。この手の日本料理店の中では安めな方。

全体を通して、各々の食材の味の本質だけを残し、その良さを最大限に引き出されている印象。
余計なものは削ぎ落とされ、旨さだけが残り、それを必要最低限の出汁や調味料で調理される。
一品一品の調理がとても丁寧。手抜きと思われるものは一切なし。
むしろ、これでもかと言うくらいに技を凝らして完璧とも思える味を作り出される。
しかも、微塵のぶれもない、計算し尽くされた味の組み立て。
シンプルに見える料理でさえも、きっちりと一手間二手間三手間かけられている。

いや~、僕の味覚のツボにズッポシ嵌りました。
ドンピシャ。
こういう、奇を衒わず、正統派の技巧を凝らして素材の味を引き出すお店は大好き。

この日の料理と寸評:
・柿の胡麻和え
  拍子切りされた野菜の中に、拍子切りされた柿が混ぜ込まれ、野菜の味の組み立ての中に、
  柿の甘味が加えられ、胡桃ダレで全体が纏め上げられている。非常に面白い味の組み立て。
・車海老の椀
  感じるか感じないかのギリギリの線のお出汁。美味い。好きな傾向のお出汁。
  車海老のしんじょうは、車海老のけばけばしさは抑えられ大人しい味わい。出汁に馴染む。
・お造り(鮪、クエ)
  大間の鮪は、赤身特有の仄かな酸味があり、さすが貫禄の味。
  クエも、まだ脂が乗り切っていない分、逆に旨味が強調され、深い深い味わい。
・松葉蟹
  ぷりっぷりのはちきれそうな蟹身。元気いっぱいに育ち、かつ栄養たっぷりの蟹だ。
  ただ、ちょっと温度が低く、正直、温度はもう少し高めの方が好み。
  脚の身よりも、脚の根元の身の方が美味。
・鰆の幽庵焼き、茸のディップ、イカの塩辛
  鰆の幽庵焼きは、もう完璧。これ以上はないと断言できそうな、凝縮された鰆の旨味がすごい。
  こんなに美味しい鰆の幽庵焼きは初めてだ。
  茸のディップも悶絶もの。どうやったらこんな味が引き出せるのか。こんな味は初めて。
  イカの塩辛も、今までに味わったことのない味わい。
・帆立の煎餅揚げ、里芋の揚げ出し
  僕個人的には、本日の最高の逸品。ホタテに煎餅をまぶして衣にして揚げたこの品は、
  煎餅の香ばしさとホタテの甘みが見事に融合。そして、里芋も揚げることによって
  表面に衣的なものが出来上がり、この香ばしさと里芋の甘みが見事に融合。
  そう、ホタテと里芋という別々の素材を使いながらも味を似せてその対比を楽しませる。
・松坂牛のシャトーブリアン
  素材への火入れが完璧。表面には水分が綺麗に抜けた薄い焼き目。これが全体をガード。
  中は、たっぷりと生っぽい赤身。中まで火を通しつつ、表面にきっちりと焼き目。
  普通なら中まで硬くなってしまいそうだが、全然そうじゃない。
・真鯛の茶漬
  ただ、ただ、旨い。ご飯も美味しいけれど、お出汁も美味しい。鯛も美味しい。
  他店だと、ご飯と出汁と鯛とがバラバラの味わいになってしまっている鯛茶漬けによく出会うが、
  ここ「まき村」は、各々が完璧で、かつ全体がちょうどいい塩梅に馴染む。
・越後姫とラ・フランス
  昔懐かしい露地栽培のイチゴの味を彷彿とさせる味わい。
  ラ・フランスのサッパリとした味わいも心地いい。

いや~、良かった。美味しかった。

僕の舌は、高級店に行っても、どこがどう美味しいのかサッパリ分からないような馬鹿舌なので、
最近はこの手のちゃんとした日本料理店に行くことは滅多になくなってしまったが、
今回ここ「まき村」を訪れてみて、あぁやっぱり高級日本料理店はいいなぁと思えた。
また行きます。

  • ぶり大根
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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鳥しき (目黒、白金台 / 焼き鳥)

7回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2019/07訪問 2019/08/10

夏の鳥しきも

再訪。7回目。

真夏の訪問。
鳥しきは夏より冬の方が美味しい、というのが僕の中での定説だったのだが、
今回訪れてみて、焼き方が更に良くなっていて悶絶した。
夏の鳥しきも美味しい。素晴らしく。

以前は、少し温度が高めで表面の水分を飛ばし過ぎではないかと思うようなことがあったが、
今回は、表面にしっとり感があり、全体のバランスが素晴らしく良くなっていた。

これからは季節を問わず行かなくては。

再訪。6回目。

この日、同行して下さった方が呟いた。
「美味しい〜。やっぱりここ、冬の方が美味しいね」

僕も、鳥しきは冬が最も美味しいと思う。

続けて、彼女は表現する。
「鶏肉が汗をかいたような感じ」

意味を尋ねると、こう解説する。
「汗って、身体から染み出して微かにしょっぱいの」

最初何を言っているのかサッパリ分からなかったのだが、
よくよく考えてみると、これ、正に言い得て妙で、
冬の鳥しきの焼き鳥の美味しさを的確に表している。

これを僕なりに詳しく解説してみると、恐らくこんな感じだ:

強くない、仄かな塩分。
刷毛で塗られた塩水は、肉から染み出してくる肉汁と上手く融け合う。
そして、肉の中にも塩分が浸透していく。
その結果、塩分濃度は、肉の外側が濃く、中は薄く、
まるでグラデーションのように徐々に薄くなっていく。

この、塩分濃度のグラデーションと、
火の通り具合のグラデーションと、
水分の抜け加減のグラデーションが、
見事に交錯するのが鳥しきの焼き鳥の旨さの本質ではないかと思う。
そして、3つめの要素の水分の抜け加減がバッチリと嵌るのが
恐らく冬ではないかと推察される。

この日は、これまで6回の訪問の中でダントツに美味しかった。

なぜ冬がおいしいかの謎は解けぬままだが、
前回立てた仮説は恐らく正しいのではないかと思われるので、
次回訪問時に確かめてみたいと思う。
という訳で、また電話予約頑張ります。
再訪。5回目。
もはや書くことがなくなってきているので、今回は少し脱線して別の話を。

この日、同行して下さった方がポツリと呟いた。
「美味しい〜。でもここ、冬の方がもっと美味しいと思うの」

彼女は、鳥しきは今回初めてだ。
もちろん、僕のレビューは読んでいない。

続けて、彼女は言う。
「焼き台の煙が吸い込まれて行ってるでしょ?
そうしたら、お肉に風が当たると思うの。
炭火は年中同じでも、空気は夏と冬とで違うと思うの。
あんなに煙が吸い込まれていたら、すごく風が当たるわ。」

僕は最初、彼女が何を言っているのかよく分からなかった。
多分感覚で話しただけなんだろうけど。

でも確かに、鳥しきは冬の方が美味しい。
僕はその理由を常々考えていた。
そこで彼女の呟きがヒントとなり、僕はひとつの仮説に辿り着いた。

鶏肉に当たる空気の湿度は、特にその風量が大きい場合、焼き鳥の味に影響を与える。
特に鳥しきにおいては。

現時点で、真偽は定かではない。
確かめるために、また行かなくては。
というわけで電話予約頑張ります。
再訪。4回目。
今回初めて、自力での電話予約に成功。
やる気になれば繋がるものだね。かなり気合いを入れたけど。

さて。

今回は、18時スタート。20時半まで、と言われていたけれど、
別の組のお客さんが早く帰られたので21時までとなった。
次から次へとテンポ良く出てくるのだが、それでも3時間かかった。
最後の方は、焼き鳥とご飯ものとが交錯して慌しくなった。

今回の鳥しきは全体的に、焼き弱め、塩弱め。
グイグイくる感じの仕上がりではなく、いつのまにか優しく攻めてくる感じ。
焼きが弱めなので、表面の焦げは弱め。
コゲ感による味の複雑性や、硬い食感による弾力の妙味には乏しくなっている。
しかしその反面、鶏肉自体の旨味が、肉汁とともに満遍なく楽しめる印象。
食感的にもソフトで、軽い咀嚼で肉汁ドパッ。
いつも時折感じる焦げ目感は今回は一切なし。
全包囲網的に旨みがやってくるイメージ。余計なものが何もない。

ここ数回の訪問は、冬→春→初夏。
今回、今までで最もソフトな仕上がり。
季節により焼き方を変えているのだろうか。

例えば、ササミは今回は超レアな焼き加減。表面だけ軽く炙る感じ。
なのに中まで温かいのは炭火の遠赤外線効果か。
また、スタートの砂肝は、今までになくソフトな仕上がり。
ちなみに、いつも焼き過ぎでは?と思っていた手羽先が、
今回は表面の焦げ目はなくて、丁度いい焼き加減。w

しかしながら、当初2時間半という制約の中で次々と焼き鳥を
焼いていかなければならなので、それもあって焼きが弱めだったのかも。

まぁ、どちらでもいいや。
美味しかったから。

相変わらず、焼きおにぎりは美味しいね。最高傑作。
再訪。3回目。
18時30分入店、終わったのは22時頃。3時間半の長丁場。
なんかすごく長居させて頂いた。

今回は、前回ほどの感動はなかったものの、他店と比べるとやはり別格。

季節柄か、鶏肉の水分量が多いのか身が柔らかめで、
ギュッと引き締まった凝縮感には乏しく、また違った印象。
表面にはしっかりと焦げ目がつけられ、
中の方はレア感を感じさせるもので、全体的にホワホワした食感。

コースの流れとしては、前半はおとなしめで、
後半から徐々に串のボリュームや焼き加減が豪快になって盛り上がる。
最後の数串は、豪快に焼き鳥を頬張る快感あり。

今回も、おまかせコースにて。
また、親子丼、そぼろ丼、玉子かけご飯も追加して2人でシェア。
今回、生ビールを7~8杯、ハイボールも7~8杯頂いたのだけれど、
それでも会計は12,500円で、思っていたよりも安かった印象。

また行きます。
再訪。2回目。
素晴らしかった。ただただ素晴らしかった。

鳥しきご出身のお店も美味しいけれど、そのあとに鳥しきに行くと歴然とした差があることに気付く。
鶏肉は同じ伊達鶏。串の打ち方もほぼ同じ。
なのに焼き技術で味はこうも違ってくるものなのか。
鳥しきご出身のお店のあとに鳥しきの焼き鳥を頂くと、
数ある鶏の品種の中からご主人池川氏がなぜ伊達鶏を選ばれたのかがよく理解できる。
この伊達鶏の特徴を最大限に引き出すのが池川氏の職人技だし、
池川氏の職人技を最大限に活かせるのが伊達鶏なのだろう。

伊達鶏は、キメが細かく、しっとりとして、綺麗な旨みがある。
火を通すと水分だけが綺麗に抜けて旨みがギュッと凝縮する。
だからこそ、表面はしっかり焼いて旨みを凝縮させ、
中はしっとりした食感としっとりとした旨みを保持させ、
この対比を見事な比率で実現してみせる池川氏の職人技は素晴らしいとしか言いようがない。

今回は、前回頂いたときよりも更に技がキレキレで、更にレベルアップした感じ。
しかもコースを通してどの部位も全く外れがなく大変素晴らしかった。

鶏肉の串は当然のことながら、野菜や厚揚げまでも最高に美味しい。ここが他の焼き鳥店と大きく違う。
特に厚揚げは、ちょっと普通では考えられない味が引き出されていて、これには驚愕した。

更には、親子丼や焼きおにぎりまでも最高に美味しい。
最後の最後まで最高。
一体どうなっているのだ。

焼き鳥店の最高峰。

また行きたい。

多くの方が書かれていらっしゃるので、私ごときが今更、という気がしなくもないが。

鳥しきの焼き鳥の方向性は、私の印象では、
 ・焦げ目をつける
 ・しかし、レアな味わいを大切にする
 ・塩は気持ち少なめ

鶏肉自体が美味しいので、こういった火入れならではの旨みを発揮する。
普通の鶏肉なら、旨みがスカスカの焼き鳥になっているはずだ。

表面に一気に焦げ目をつけるので、表面を一気にコーティングし、
中の水分や肉汁が逃げるのを避け、中に閉じ込める。
鶏肉の中の方への火の入り具合は少ないので、固まる寸前の臨界状態ならではの旨みがある。
この臨界状態は非常に危うい状態なので(すぐに状態が変わってしまうので)、
恐らく焼き手の店主は焼き加減に相当気を配って焼かれていらっしゃるのではないかと思う。

こうした焼き鳥が、全ての焼き鳥の目指す方向であるとは決して思えないが、
この方向を目指す焼き鳥としては、あるひとつの高みに達しているとは思う。
他ではなかなか味わうことができない味であることは確か。

しかしながら、この手法が全ての部位で良いかと言われるとそれは少々疑問で、
ちょうちんは正直生臭かったし、ささみも敢えてこの火入れにする必然性を感じなかった。

とはいえ、こういうタイプの焼き鳥を食べたくなったら、このお店を思い浮かべるんだろうな、とは思う。
何故なら、他にないから。ここでしか頂けないから。

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9位

バンゲラズキッチン (有楽町、銀座一丁目、銀座 / インド料理、インドカレー、ワインバー)

14回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 ¥1,000~¥1,999

2019/01訪問 2020/09/15

日本では新しいインド料理の世界

再訪。14回目。
有楽町にあるインド料理店。

オープン当初は閑古鳥が鳴いていたものだが、
通い詰めて通い詰めて徐々に人気店になって、
今ではすっかり繁盛店。
そうなると、個人的には興味がなくなってしまうんだよね。
というわけで、スッカリご無沙汰。

この日頂いたのは、
「ウルワル」(1,380円)
「バサレカドレ」(1,500円)
「ジーラライス」(790円)
それと、ビール。

安定の美味しさ。
オープン当初の飛び抜け感は若干影を潜めたけれど、
それでも日本にあるインド料理の多くの他店と比べると異色。

再訪。13回目。
有楽町にあるインド料理店。
2018年に僕が最も多く訪問したのはこのお店。
既存のインド料理店にはない味わいに衝撃を受けたからだ。

以前は夜にふらっと立ち寄って簡単に入れたけれど、
今では大人気店になり、予約なしではなかなか入れず、最近ご無沙汰。

今回、久々に訪問した。
初めてランチで。
ランチタイムなら予約なしでもオーケー。

頂いたのは、
「こだわりフィッシュターリー」(税込1,500円)。

カレーのスパイス感は、夜に比べるとかなり抑え気味。
魚の出汁とスパイスがよく馴染んでいると言えば馴染んでいるだけれど、
逆に魚の身とスパイスとが分離している印象。なにかチグハグさを感じた。

とはいえ、この価格なら十分アリ。
例えば、東京駅八重洲地下街の「エリックサウス」のフィッシュカレーは同様のセット物を選択すると1,600円越え。
それに比べると、味、価格、共にバンゲラズキッチンの方が優れている。
再訪。12回目。
夕食で、ふらっと立ち寄った。

前回訪問から約1ヶ月。
この間に、その日の魚メニューが、表面だけでなく裏面にもできていた。
魚の種類が増えて、選択肢が更に広がった。
基本的に、調理法は数種類に限られており、
魚の種類が異なるだけというのものが多いけれど、
同じ調理法でも魚を変えれば違う味になるので、
仕上がりの味のイメージすると注文が楽しくなる。
例えば、同じラワフライでも、魚の種類によって味が異なる。

今回、頂いたのは、
「ラワフライ(カレイ)」(1,790円)
「タンドリーチキン」(590円)
「マイソールボンダ」(720円)
それと、ラム酒「マクダウェルズ」(690円)、「キューバンモヒート」(960円)。
会計は、消費税が加わり、5,130円。

「ラワフライ(カレイ)」。
魚に今回、カレイが加わっていたの、これをラワフライで。
セモリナ粉をカレイにまぶして油で揚げて、カリッとした衣に仕上げた料理。
カレイの身のホクホクでシットリした食感とカリッとした衣の食感との対比が特徴的。
カレイの骨は、中骨は流石に硬くて食べられないが、
縁側部分の外の方の骨は、カリッと揚がっているので、容易に噛み砕くことが出来る。
このため、中骨だけを残すイメージで指で摘んでいただくと食べやすいし、
味的にも美味しく感じられる。

「タンドリーチキン」。
スパイシーな骨付きチキンのタンドール焼き。
タレも美味しいが、これが一部こんがり焦げてそこに味が凝縮して美味しい。
肉は若干パサツキ気味だけれど、衣の美味しさでカバー。

「マイソールボンダ」。
以前頂いた「ワダ」が美味しかったので、これも美味しいだろうなと思っていたが、
やっぱり美味しかった。
表面がカリッとして、中がふわふわ。ドライなふわふわ。
豆やスパイスの味と香りが広がる。

いや~、今回も美味しかった。

次回は、原点回帰してカレーの予定。

再訪。11回目。

6名のオフ会。
今回も、とにかく食べることを目的に、料理中心でオーダー。
今回の作戦は、こんな感じ↓
・魚は売り切れる可能性があるため、事前にお店を訪れて約半数の料理を予約しておいた。
・残り半数は当日お店で決められるように自由度を残した。
・予約時に、スズキのビリヤニは即決。これが今回の目玉料理。
・当日、予約時にはなかったメニューや魚があり、ここぞとばかりに追加注文。自由度を残しておいて正解。
・粉ものの軽食はニールドーサのみにして、ツマミ系を多くした。
・ツマミ系は、調理法はほぼ全種類カバーし、魚介もほぼ満遍なくカバー。
・追加料理は、臨機応変に。
・飲み物は前回よりも若干多めに。

その結果、
・料理は、おおよそ1人3品の仕上がり。
・かなりお腹いっぱい。でも、粉もののを少なくしたので、食べ過ぎた感じはしない。
・会計は、1人約9,000円。(前回、前々回より約1,000円アップ)

今回、頂いたもの↓

<カレー系>
(1)「ガッシ(サワラ)」(1,600円)
(2)「フィッシュモイリー」(1,990円)

<つまみ系>
(3)「チキンマライティッカ」(810円)×3
(4)「スパイシーリングフライ(ヤリイカ)」(1,680円)
(5)「マサラフライ(バナメイエビ)」(1,570円)
(6)「グリーンマサラフライ(ホッケ)」(1,240円)
(7)「スタッフドカラマリ(ヤリイカ)」(1,896円)
(8)「フライ(カワハギ)」(1,390円)
(9)「スタッフド ポムフレット(マナガツオ)」(2,630円)
(10)「ウルワル(マッシュルーム)」(1,190円)
(11)「スッカ(マトン)」(1,800円)
(12)「バターペッパーガーリック(マッシュルーム)」(1,180円)
(13)「ウルワル(チキン)」(1,380円)

<主食系>
(14)「ビリヤニ(スズキ)」(3,480円)
(15)「ビリヤニ(マトン)」(1,760円)
(16)「ガンジ」(830円)
(17)「ニールドーサ」(610円)×6

<デザート系>
(18)「ココナッツパサヤ」(570円)×2
(19)「アイスクリームのグラブ・ジャムンがけ」(690円)

<飲み物>
(20)「ピーチブランデーパンチ」(950円)
(21)「セクシーレディー」(950円)
(22)「スペシャルカクテル」(1,000円)
(23)「マッジゲ」(640円)
(24)「バナナタイアップ」(830円)
(25)「マクダウェルズ」
(26)「炭酸水(チェイサーとして)」(300円)×2
(27)「ソルカディ」(720円)
(28)「ラギマルト」(610円)×2
(29)「チャ」(550円)×3

今回のハイライトは以下。
・何と言っても(14)「ビリヤニ(スズキ)」。スズキの水分がバスマティライスに絡まって、
スパイスと旨みがウェットに絡みまくる官能的なビリヤニ。マスタードやカルダモンが
ビンビンに効いていて、素晴らしくおいしい。
・新メニューの(9)「スタッフド ポムフレット(マナガツオ)」もおいしい。
以前からおいしいと評判の(7)「スタッフドカラマリ(ヤリイカ)」のマナガツオ版。
マナガツオの中に、スタッフドカラマリの中に詰められているものと同じ具が詰められる。
この具により、マナガツオ自体のおいしさがスパイシーに広がる。
・その他、他店でも定番品の(3)「チキンマライティッカ」、(11)「スッカ(マトン)」、
(13)「ウルワル(チキン)」、(15)「ビリヤニ(マトン)」は、他店とは別格の味わい。

次回は、粉もの系を攻めてみたい。
また、今回、マッシュルームのバターペッパーガーリックやウルワルがおいしかったので、
ベジ中心で攻めるのもいいかなと思っている。

ちなみに。
いつも思うんだけれど、みんな魚の食べ方が上手い。
最初の、骨から身を解すのが上手いから、そのあとの取り分けが綺麗。
そうなると、各自細かな作業は完璧で、綺麗に骨だけが残る。
この手の魚料理がおいしいと思えるかどうかは、実は魚の食べ方が上手いかどうかにも
大きく依存しているようにも思うんだよね。
再訪。10回目。
6名のオフ会を再び。

先日の6名でのオフ会では結構沢山の料理を頂いたはずなのだが、
開催後に「実はもっと料理を食べたかった」という声あり。

という訳で、今回、再企画。
目標は、「沢山の種類を食べ、かつ、お腹いっぱいになる」だ。

前回は、お酒を飲みすぎたため、今回は料理中心でのオーダー。
かつ、これまであまり頂くことが少なかった炭水化物系を多めで。

<食べ物>
(1)「ラワフライ(キス)」(820円)
(2)「ガッシ(サバ)」(1,550円)
(3)「グリーンマサラ(カサゴ)」(990円)×2皿
(4)「スタッフド カラマリ」(1,896円)
(5)「バンゲラズスペシャル イエッティサラダ」(950円)
(6)「ニールドーサ」(610円)×6皿
(7)「アッパン」(550円)×2皿
(8)「スッカ(グリーンバナナ)」(1,000円)
(9)「ガッシ(イシモチ)」(1,600円)
(10)「ビリヤニ(カワハギ)」(2,250円)
(11)「ビリヤニ(エビ)」(1,800円)
(12)「チキンティッカ」(700円)×3
(13)「ギーロースト(バナメイエビ)」(1,570円)
(14)「マサラドーサ」(800円)
(15)「ウルドゥワダ」(660円)×3皿
(16)「バターペッパーガーリック(ロブスター)」(2,090円)
(17)「ココナッツパヤサ」(570円)×2

<飲み物>
(1)「エルメジュース」(750円)×2
(2)「タライ ベル バーン ドゥ」(800円)×3
(3)「ソルカディ」(720円)×2
(4)「マクダウェルズ(ラム)」(690円)×2
(5)「コカムシャルバート」(590円)
(6)「角ハイボール」(650円)×3
(7)「マクダウェルズ(ウィスキー)」(700円)
(8)「ボンベイ サファイア」(750円)
(9)「ポンダ シャルバート」(650円)
(10)「ジーラカサイ」(520円)
(11)「チャ」(550円)

会計は、
食べ物合計28,286円
飲み物合計12,430円
これに消費税が追加されて43,973円(約7,300円/人)

ちなみに前々回は、
食べ物合計22,300円
飲み物合計21,000円
で消費税が追加されて46,600円(8,000円弱/人)

見比べてお分かりの通り、食べ物を増やして、飲み物を減らして、
その結果、「沢山の種類を食べ、かつ、お腹いっぱいになる」作戦は成功。
全員、腹パンです。

注文してみて、の今回の反省点。
・6人だと、ガッシ2品、ビリヤニ2品を中心に組み立てる作戦は正解。
・ニールドーサを、2枚/人も正解。
・前々回と同じものの比率が高かったので、もう少し冒険しても良かったかも。
 →ウルワル、タワフライなどの辛い系
 →ガッシ以外のカレーを1品
・タンドーリ料理は今回初めて頂いてみたが、かなり美味しかった。
 次回は、チキンティッカ以外のものも頂いてみたい。
・マサラドーサ、ワダといった定番の軽食料理が、国宝級に旨い。
 次回は、別の軽食料理も積極的に頂いてみたい。
・ガッシは、イシモチ、サバ、と若干保守的にいってしまったので、
 次回は、サーモン、ロブスター、カニ、あたりを攻めてみたい。

あと、個人的には、魚や肉から離れて、
一度、ベジのみでやってみたらどうなるか興味あり。

なお、今回は、料理全般に、前々回に比べてキレキレ度が若干下がっていたので、
評価を若干下げておきます。
再訪。9回目。

仕事帰りに夕食で利用。
今回は、サイド系を攻めてみた。

「ラワフライ(マンデリー)」(820円)
「タワフライ(サバ)」(1,000円)
「チーズウッタッパ」(1,350円)
それと、ラム酒「マクダウェルズNo.1」(690円)
会計は、消費税がプラスされて4,168円。

「ラワフライ」は、説明によると「マサラでマリネした魚介のセモリナ粉を衣にした
クリスピーな揚げ焼き料理」。
「タワフライ」は、説明によると「スパイスでマリネした魚介の米粉を衣にしたフライ料理」。
微妙に説明が違うだけなので同じような料理かなと思いきや、
出来上がりは全然違っていて、面白かった。(写真参照)

個人的には、食感が楽しい「ラワフライ」の方が美味しいかな、と思う。
「タワフライ」のマサラソースはかなりの辛め。
選んだ魚はサバ。これが小さめだったので、辛さが前面に出たのかもしれない。
マナガツオやカジキを選んだらまた印象が変わっていたかもしれない。

「チーズウッタッパ」は、米とウルドゥ豆の生地で作るインド風お好み焼き。
トッピングはチーズなので、柔らかなドーサ生地のピッツァ、という印象。
サンバルとココナッツチャトニが付く。ココナッツチャトニの方が断然合う。
1人で1枚頂くのは少々多すぎだが、数人でシェアするのであれば、
他の料理との組み合わせで変化が付くので面白いと思う。
再訪。8回目。

今回は、6人利用。
頼んだ料理は14品。1人あたり2品あまり。
これだけ頼むと、こちらのお店の看板料理をほぼ網羅できるように思う。

また、今回は、築地から仕入れた新鮮な魚介が豊富にあり、
その日限定の料理も存分に楽しむことができた。(下記の★がその日限定料理)

この日頂いたもの:
「ウルワル(コリ)」(1,380円)
「まるごとタンドール(スズキ)」(2,730円)★
「スタッフドカラマリ(ヤリイカ)」(1,396円)★
「ギーロースト(バナメイエビ)」(1,570円)★
「ビリヤニ(カワハギ)」(2,250円)★
「ガッシ(柳カレイ)」(1,480円)★
「ラムミントカレー」(2,110円)
「ニールドーサ」(3枚920円)
「ガッシ(マナガツオ)」(2,310円)
「ビリヤニ(マトン)」(1,760円)
「ガンジ」(830円)
「ラワフライ(エビ)」(1,570円)
「ドーサセット」(1,375円)
「マンガロールバジ」(620円)

以上の食べ物の合計は、約22,300円。
それと飲み物の合計は、約21,000円。
会計は、消費税が追加されて約46,600円(8,000円弱/人)。
かなり食べて、かなり飲んで(まじで)、このクオリティで、
しかも銀座で、ということを考えると、高コスパ。

この日の料理は、過去最高の出来栄え。
食材、味付け、調理技術のすべてがガッチリ噛み合った感じ。
とりわけ美味しかったのは、以下の3つ。
「ビリヤニ(カワハギ、マトン共に)」
「スタッフドカラマリ(ヤリイカ)」
「ギーロースト(バナメイエビ)」

「ビリヤニ」は、シットリしているのにふんわり。
バスマティライスの粒々の間のエアにスパイスが入り込み、
味と香りが膨らむ膨らむ。こんなビリヤニが他で頂けるだろうか。
最高に美味しい。

「スタッフドカラマリ(ヤリイカ)」は、ヤリイカの詰め物。
中の具がスパイシーで、温かなヤリイカと共に味と香りが広がる。
これも最高に美味しい。

「ギーロースト(バナメイエビ)」は、エビ料理の概念が変わる料理。
フワッとしているのに、しっかりとスパイスの味、そしてエビの味。
フワッとしているから、その味が軽やかに広がっていく。
これも最高に美味しい。

また、「ラムミントカレー」も、素晴らしい味わい。

また、2種類の「ガッシ」(柳ガレイ、マナガツオ)は、
使用する魚によって味わいが綺麗に異なる。いや~、美味しい。

それと、今回初めてカクテルを頂いたのだが、
他店のカクテルとは全く異なる性質のカクテル。
これは凄い。今まで全く気が付かなかった。

いや~、料理から飲み物まで、攻めて攻めて攻めまくりのお店。
好きです。
また行きます。
再訪。7回目。
これまでメニューがとても難解で、何をどう注文すればいいのか良く分からなかったが、
メニューがとても見やすくリニューアルされて、かなり分かりやすくなった。

夕食利用。

<一品料理>
 「ラワフライ(サバで)」(1,000円)
<カレー>
 「マンガロールガッシ(チキンで)」(1,760円)
<主食>
 「マンガロールウルペルヌップ(ブラウンライス)」(ハーフ450円)
それと、ラム酒「オールドモンク」(740円)

会計は、消費税が加わり、4,266円。

「ラワフライ」は、マサラでマリネした魚にセモリナ粉をまぶして衣にして
揚げ焼きにした料理。衣がクリスピーな食感でサクサク。
今回選択した魚は、サバ。骨からの身離れもよく、意外と食べやすい。
また頭を丸ごと頂くことも出来るので、食べた後は背骨しか残らない。
オススメ。

「マンガロールガッシ」は、今回はチキンを選んでみた。
チキンは、骨付きの手羽中。硬めの食感の仕上がり。
ガッシ自体は美味しいけれど、チキンとの相性は今一歩のような気がする。
ガッシを頂くなら、魚介系を選択した方が良さそう。

「マンガロールウルペルヌップ(ブラウンライス)」は、パラパラな食感。
ガッシと一緒に頂くと綺麗に纏まってくれるが、
味的にはガッシの刺激がぼやけてしまう印象。
ガッシと共に頂くなら、ブラウンライスでもなく、以前頼んだバスマティライスでもなく、
お店のオススメのニールドーサの方が遥かに合っていると思う。

またすぐ行きます。
再訪。6回目。
今回は4人で利用。

4人だといろいろ頼めて楽しい。
それに、各々の料理に使用する魚の種類をいろいろ選べるので、
そういうのも楽しい。

頂いたもの。
「マンガロールメーンガッシ(サワラ使用)」(1,480円)
「グリーンマサラフライ(カサゴ使用)」(880円)
「マサラフライ(マナガツオ使用)」(2,020円)
「バターペッパーガーリック(ロブスター使用)」(2,090円)
「ニールドーサ」(300円×8枚)
「マルワイスッカ(ハマグリ使用)」(サービス)
「マトンスッカ」(1,800円)
「メーンビリヤニ」(1,800円)
それと、ラム酒「マクダウェルズNo1」(690円×6杯)
それと、ビール「キングフィッシャー」(820円)

会計は、消費税が加わり18,824円。
「マルワイスッカ」がサービスだったとはいえ、
ちゃんとお腹いっぱいになって、お酒も2杯飲めて、
5,000円未満/人だったので、やっぱ4人利用だとお得感がある。

「マンガロールメーンガッシ」は、こちらのお店の
看板料理ともいえるカレー。具はサワラを選んで正解。というか、
このガッシには何を具として選んでも合いそうな気がするが。
サワラのしっとりとした旨みが、刺激的で華やかなガッシと素晴らしく合う。
ガッシの刺激を少し緩和してくれるイメージ。
ココナッツの甘い香りも引き立つ。

「グリーンマサラフライ」には、カサゴを選んだ。
カサゴの身がふわっとした食感で、
そこにグリーンマサラソースが綺麗に絡んでくれて、
カサゴの身を咀嚼するたびにグリーンマサラソースが更に馴染んでくれる。
このグリーンマサラソースは最高に美味しい。他店を遥かに凌駕する。

「マサラフライ」には、マナガツオを選んだ。
前回、マナガツオのタマリンドソース掛けを頂いたのだが、
マナガツオを頂くならこの「マサラフライ」も美味しい。
一度軽くフライにしているので、しっかりと中まで火が通り、
マナガツオのしっかりとした旨みとしっかりとした食感が、
マサラソースの中で存在感を発揮。このマサラソースも美味しい。

「バターペッパーガーリック」は、ロブスターを選んだ。
味わい的に、刺激が少なくてマイルド。
「バターペッパーガーリック」という名前だが、バターもペッパーも
ガーリックも大量に使われている感じはしない。
むしろ、魚介の旨みがしっかりと感じられる。
とはいえ、よく見るとガーリックはみじん切り状態のものが大量に入っている。
この日、最も美味しかったのが、この料理。

「ニールドーサ」は、しっとり。どの料理にも合う。

「マルワイスッカ」は、ハマグリ使用。しっかりとした刺激。
ただ、前回よりも刺激少なめ。

「マトンスッカ」も、しっかりとした刺激。
スッカは、ハマグリよりもマトンの方が美味しいね。

「メーンビリヤニ」は、前回同様、華やかな香り。
タレは前回よりも少なめで、少しドライ方向。
前回より今回の方が遥かに美味しい。

いや~、何度来ても楽しい。
何度来ても新しい発見がある。
南インド料理のお店は都内に沢山あるけれど、
ここまで魚料理を楽しめる南インド料理店は他にないのではないか。
というわけで、また行きます。
再訪。5回目。
日曜夕食で。

以前なら土日はガラガラだったのに、この日は満席。
それも、入れ替わり立ち替わり客がやってくる。
かなり人気が出てきているようだ。

今回、いつものように飛び込みでの1人利用。
満席であったが、カウンター席なら空いているとのことでカウンター席利用。
カウンター席はL字型に4つ。なので、1〜2人なら飛び込みでも入り易いと思う。

今回、ビリヤニ目的で訪れた。
事前情報で、ビリヤニに「ミーンプリムンチ」のタマリンドソースをかけると
美味いということで、オーダー。
ところが、「『ミーンプリムンチ』はメニューになくシェフに上手く伝えられない
(ヒンズー語?で伝えなければならない)ので難しい」とのこと。
しかし、どうしても食べたいと何度もお願いし、なんとか作ってもらった。(汗)

という訳で、頂いたのは、
「ミーンプリムンチ(マナガツオのタマリンドチリソースがけ)」(2,500円)
「メーンビリヤニ(魚のビリヤニ)」(1,800円)
それと、ラム酒「マクダウェルズNo1」のソーダ割り(690円)
会計は、消費税がプラスされて5,389円。

「ミーンプリムンチ(マナガツオのタマリンドチリソースがけ)」の
マナガツオは、割と生っぽさを残すような火の通し加減。
ここにたっぷりとタマリンドチリソースがかかる。
タマリンドチリソースは、仄かに甘くそこにチリの刺激的な辛さが加わる。
マナガツオの旨みにこのソースがとてもよく合っていて美味。

「メーンビリヤニ(魚のビリヤニ)」は、魚の切り身がゴロゴロ入っている。
ワイルドカルダモン?やシナモン?などのスパイスの香りがたっぷり。
タレで少ししっとりした感じの仕上がりで、そこのスパイスの清涼感。
ちなみに、過去レビューではライタが付くとのことであったが、
今回はフィッシュカレーが付いてきた。
このフィッシュカレーが、ビリヤニに素晴らしく合う。
スパイシーなビリヤニを更にスパイシーに格上げしてくれる。
正直、ミーンプリムンチのタマリンドソースよりも、
このフィッシュカレーの方が合うように思った。

ラム酒「マクダウェルズNo1」のソーダ割りが、いずれの料理にも合う。
ちょっと甘めの味が、なんとなくしっくりくる。
再訪。4回目。
ほぼ毎週行っている。
こんなに頻繁に行けるのは、
帰宅途中に寄れる便利さも理由だけど、
料理の面白さによるところが大きい。
毎回毎回、新しい発見がある。しかも美味しい。

この日は、ラストオーダー間際に滑り込んでの訪問。

頂いたのは、
<一品料理>
 「ギーロースト(エビ)」(1,570円)
 「マルワイ スッカ」(1,300円)
<主食>
 「ニールドーサ」(900円)
会計は、消費税が追加されて4,000円位。

「ギーロースト」の食材はエビを選択した。
ローストされた海老(ギーを塗ってロースト?)が、唐辛子が強めの辛いソースで絡められ、刺激の強い逸品。
見た目よりもソースに油脂分が少なめで、意外と軽い。
海老は、水分量が多めの種類が使われており、
ソースと絡まるといい感じで海老の旨みがソースに浸透してくれる。

「マルワイ スッカ」は、ハマグリ(マルワイ)のスッカ。
ハマグリがココナッツ感のあるソースで軽く煮込まれて美味。
少々食べにくいのが難だが味は良い。
ハマグリの、濃すぎないクリアな旨みがソースとよく合っている。

しっとりとした「ニールドーサ」は、「ギーロースト」にも「マルワイ スッカ」にも合う。
しっとりとしているのでその水分がソースをドーサに上手く浸透させてくれて、独特の味わいになる。

また行きます。
再訪。3回目。
今回は、ターリを頂いてみた。

「セットターリ」(2,125円+税)
カレー2種、サンバル、サール、プーリ2枚、ライス、
サラダ、スナック(この日はアールティッカ)、ピクルスという構成。
これに小さな飲みものも付く。

カレーは、4種類の中から2つを選択するシステム。
「チキンガッシ」「ラムミント」を選択。

プーリの美味しさが光る。
そして、プーリに合うカレーにサンバルにサール。
サンバルは大人しめな味付けで、野菜の旨味が前面に出る。
同様にサールもトマトの落ち着いた旨味がしっかりとベースにありスパイスが綺麗に乗る。
これらがカレーに合わさると、圧倒的な力強さがあるカレーの味が拡散し広がる。
ライスはジャポニカ米で、ジャストミートではない気がするので、
ブラウンライスかバスマティライスを選択できると嬉しい。

「チキンガッシ」はこのお店の看板メニューのガッシ(カレーの一種)のチキン版。
先日頂いた魚のガッシも美味しかったが、チキンのガッシも美味しい。

「ラムミント」はミントが入った緑色のカレー。
緑色のラムカレーというと、青菜のペーストカレーを思い浮かべるが、
それとは異なり、水っぽくなく、軽くて、香り高い。
ラムがイキイキしているように感じられる。

とても美味しいターリだった。
ただ、ライスにはやっぱりこだわりたいので、ターリを頼むなら、
ブラウンライスになる「こだわりフィッシュターリ」の方を選んだ方が楽しめるような気もする。
約500円高くなるけどね。

再訪。2回目。
今回はほぼ満席。
やはり平日の夜は混雑するんだね。

頂いたのは、
<一品料理>
 「フィッシュ グリーンマサラ」(1,590円)
<カレー>
 「バサレカドレ」(1,500円)
<主食>
 「バスマティライス」(750円)
それと、ラム酒(750円)
会計は、消費税が追加されて5,000円弱。

魚の一品料理をツマミにしてラム酒を飲み、
その後、豆のカレーをライスで頂く、という作戦。

「フィッシュ グリーンマサラ」の魚は、サバ?を使用。
魚の味がしっかりしていて、そこにグリーンマサラソースがしっかりと乗る。
このソースが、全く油っこくないし、スパイスの尖がり感もないし、
綺麗に魚の旨みに絡んでくれる。
香り付けの葉っぱが綺麗にきいている。
ラム酒と共に頂いたが、これ、お酒よりもライスやドーサと一緒に頂いた方が美味しいかも。

「バサレカドレ」は、黒ヒヨコ豆のカレー。
同じヒヨコ豆のカレーでも、北とも違うし南とも違う。
しっかりとスパイスが効き、しっかりと旨みがある。
この旨みの正体はなんだろう。豆だけじゃないよね。
バスマティライスとも合うけれど、もっと合うのはバスマティライスじゃない気がする。

メニューが難解で、どう組み合わせたらいいのか難しい。
何回か行かないと分からないね、これは。
なので、また行くつもり。
勉強にもなるし。
有楽町駅からすぐ。
銀座インズ2の2Fにある、マンガロール料理のお店。

夜、訪れてみた。

土曜日だったためか、店内はガラガラ。
ほぼ貸し切り状態。

お陰で、店員さんにいろいろ相談しながら料理を決められて良かった。
この日の作戦は、ツマミ1、カレー1、ライス1、お酒1。
肉と魚、辛さと甘さ、のバランスを考慮して、以下をオーダー。

<ツマミ>
 「ウルワル チキン」(1,400円)
<カレー>
 「マンガロールメーンガッシ」(1,800円)
<ライス>
 「マンガロール ウルベル ヌップ」(1,100円+税)
それと、ラム酒「マクダウェルズNo.1」(700円+税)

「ウルワル チキン」は、スパイシーなタレを纏った鶏肉。鶏肉自体も質がいいし、タレがとにかく旨い。
辛さの中にきちんとした旨み。いや、旨みの中に辛さがあると言った方がいいかも。
中に入った青い葉っぱ(名前失念)がいい効果。

「マンガロールメーンガッシ」は、ココナッツミルクの入ったカレー。具は魚。
このカレーがやたらめったら旨い。
ここまで美味しいインドカレーはあまり経験がない。
野菜中心の旨み。玉ねぎが甘過ぎない甘さでいい感じ。
魚の旨みも綺麗。魚自体も美味しい。
メニュー相談時にココナッツミルクの甘さが強調されたが、
実際には甘みは強くなく、またココナッツミルク特有の風味はなく、
あくまでアシスト役に徹するイメージ。

ライスは、オーダー時はマンガロール産ブラウンライスのドライなものを
お願いしていたのだが、どういう訳か、お茶漬け版が出てきた。
その「マンガロール ウルベル ヌップ」は、メニューには、
マンガロール産ブラウンライスの「お茶漬け」と書かれており、
正確には、塩味のあるお湯をかけてヒタヒタにした料理。
具に、海老と何らかの卵的なものとがトッピングされており、味にアクセント。
間違って出てきた料理だったけれど、これ、なかなか旨い。
ただ、カレーには、正直これはあまり合わないので、
やっぱりドライなライスの方が良いな。

ラム酒はソーダ割りで。
炭酸が強めにきいており、香りが広がる。
なかなかいい。

いや〜美味しかった。まじで。
久々にインド料理で感動したなぁ。
ちょっとお高めだけど、ここまで美味しいと納得。
近いうちにまた行きます。

  • ウルワル
  • バサレカドレ
  • (説明なし)

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