47回
2020/12 訪問
勉強になりました
2020年12月
生ビールを2杯いただいたあと、八幡浜のホウボウの刺身が来たので日本酒。今回は純米大吟醸から。前回もいただいた花の香は爽やかな口当たりの純米大吟醸。刺身によく合う。続いて雪菜のおひたしには新潟県南魚沼市の髙千代純米大吟醸。一本〆という珍しい酒米を使用している。コシヒカリの産地だから酒米もいいものが出来るのだろう。コクがあって美味しい。
牡蛎の山椒煮には十右衛門の純米無濾過原酒。こちらの酒米は八反錦。初めて聞いた。荒々しい力強さがある。鶏の天火焼きには七田(しちだ)純米吟醸。フルーティで飲みやすい安定の味である。〆は長芋のしょうゆ酢漬けに開運の無濾過純米。開運は名前もいいし、香りがよくて癖がなく、喉越しがとてもなめらか。
純米ばかり5合ほどいただいて、お腹も気持ちもちょうどいい按配。まだまだ知らない酒米や飲んだことのない日本酒は沢山ある。ワインと違って日本酒は手頃な価格で飲めるのがいい。今日は勉強になりました。
2020/12/03 更新
2020/11 訪問
お酒は水を飲みながら
2020年11月
この時期は日本酒の新酒が飲める。サトウさんも新酒をたくさん仕入れていて、この夜も何杯かをいただくことができた。いずれもフルーティでスッキリしていてとても美味しい。今回は少し用心して、お酒と一緒に水も飲む。そうすると悪酔いしないし、二日酔いにならない。寝る前に沢山水分をとって寝てもいいのだが、酔っているとそれも忘れることがある。
おつまみのハイライトはさばの塩焼き。青魚は白身魚に比べて旨味が強く、焼き魚にも刺身にも向いている。中でもさばは身も厚くて食べごたえがあるし、独特な香りもいい。足が早いのが難点で、持たせるために塩さばにすることが多いが、生のさばに塩を振って焼くのは、塩さばとは違う美味しさがある。あまりにも美味しいのでもうひとつ注文しようかと思ったが、なにごともほどほどにしておくのが粋というもので、美味しかった記憶はそのままとどめておくのがいい。あのときのあれは美味しかったという記憶は、幸せな記憶のひとつだと思う。
次点でコチの刺身。ハゼの親分みたいなコチはヒラメと同じ底魚(そこうお)で白身魚である。身はもちっとして味は淡白である。新酒にぴったりの刺身だ。秋の魚と新酒で幸福な夜だった。
外に出ると小春日和を通り越して夏に戻ったような暖かい夜である。コロナ禍の大変な毎日だが、渋谷のおねえちゃんたちは今夜も元気に闊歩する。いつか彼女たちも、秋の魚と新酒の喜びがわかる大人になるのだろう。
2020/11/22 更新
2020/10 訪問
更けゆく渋谷の夜
2020年10月
純米吟醸の「七田」はとてもフルーティな日本酒である。アルコール度数は13度と低くて喉をすいすい越していく。飲みやすい美味しいお酒である。本日の目玉は自家製の鶏だんごと里いもの煮物650円。里芋は衣かつぎにするような固めの小ぶりのもいいが、やはり柔らかい大粒のものが里芋らしくていい。日本酒がいくらでも飲めそうである。
しかしこの日は4杯で打ち止め。会話で言葉が出てこなくなったら脳が酔っ払っている証拠だ。お酒は引き上げ時が肝腎である。秋のつるべ落とし。更けゆく夜の松濤文化村ストリートは肌寒いのにへそを出して闊歩するお姉さんがたくさんいる。渋谷らしさが少し戻ってきたみたいだ。親切な運転手に当りますようにと願いながら手を上げた。
2020/10/02 更新
2020/08 訪問
夏はコチ
2020年8月
この夏一番の暑さである。地面がコンクリートで覆われた渋谷の街は直射日光と輻射熱で体感は40℃を超えている。歩いているときはまだいいのだが、立ち止まった途端に汗が吹き出す。額や顎から直接落ちる汗だ。
こういうときこそ身体にいいランチを食べるのが常道である。今回はコチの刺身だ。コチは夏の魚で、以前イタリアンの店でコチをまるごと一尾オーブン焼きにしたのを食べたことがある。焼いても美味しいが刺身は独特の香りと食感があってとてもいい。
こちらでは刺身にはきゅうりの細かい千切りが添えられるので、刺身できゅうりを巻いて、ワサビを乗せてから醤油に少しつけていただく。きゅうりも夏の食材だから相性はいい。刺身のネットリ感にきゅうりの爽やかな食感がよく合う。
コロナ禍で大変な毎日だが、お盆休みも取らずに頑張るとのこと。さきくとばかり願うなり。
2020/08/11 更新
2020/07 訪問
悪酔いしないお酒
2020年7月
ひと月ほど前に尾山台の蕎麦前ながえで日本酒を5合ほど飲んでかなり酔っ払った記憶があり、お酒に弱くなったのかもしれないと我ながら情けない気分になっていたが、今回は6合飲んでも普通に帰ることができたので、前回は体調が芳しくなかったのだと思うことにした。箇条書きはあまり好きではないが、飲んだお酒を並べてみる。
新潟 純米酒 たかちよ(雄町)
福島 純米吟醸生酒 天明(美山錦)
茨城 月の井 夏純米(美山錦)
愛知 賀儀屋 無濾過純米(ヒノヒカリ)
秋田 やまとしずく 純米酒(美山錦)
新潟 村祐(非公開)
こうしてみると、新潟の村祐(むらゆう)以外は純米酒だ。しかし蕎麦前ながえでいただいた日本酒はほぼ純米大吟醸だったので、もしかしたら高いお酒より安いお酒のほうが当方の体質に合っているのかもしれない。安上がりでよかった (^^;)
おつまみは小鉢のお膳の他に、オゴダイ(ヒメダイ)の刺身、万願寺とうがらし、アスパラの天ぷら、ポテトサラダ、ハムカツと家庭料理を注文。滋味があって美味しいものばかりだ。〆に何も食べないで寝る前にお茶を多めに飲むのが二日酔いしないコツである。今回もご馳走様でした。
2020/07/03 更新
2020/05 訪問
三重県産の立派なカンパチ
2020年5月
暑い渋谷。非常事態宣言が解除されて少し賑わいが戻ってきた感がある。とはいっても働く人がすべて元に戻った訳ではないから、飲食店のランチは相変わらずヒマである。なんとか持ちこたえていけば、この先いいこともあるかもしれない。いや、ないかもしれないが、あると思っていなければ生きていけないのだ。
この日は先客が1名。その後2名と1名が入店して、それなりのランチタイムになった。今回の注文はカンパチの刺身1,580円。三重県産だそうで、身がとても立派である。食べてみると香りも歯ごたえもいい。下に添えられた胡瓜の千切りと一緒に食べると、清涼感があって暑さを忘れる。
元気が出てきたのでパウンドケーキ430円を追加した。控えめな甘さでいくらでも食べられそうだ。不思議にそば茶に合う。逆にそば茶が何にでも合うのか。
今回もご馳走様でした。
2020/05/26 更新
2020/04 訪問
歯ごたえのいいヒラメの刺身
2020年4月
コロナ禍の渋谷は人通りが少なく、活気という言葉からはほど遠い。街を歩く人々の顔に笑顔はない。カップルでも手はつながず、楽しそうでもない。街全体を不安という空気が包んでいる感じだ。飲食店も閉めているところが多い。
さて今回はヒラメの刺身の定食1,580円である。ヒラメは銚子産だそうだ。これがなんとも歯ごたえがよくて美味しい。刻んだ胡瓜の香りも爽やかに、春の魚の旨味を存分に味わえる。
ちゃんと美味しい昼ごはんを準備して待っているお店には頭が下がる思いだ。客は当方の他にひとりだけだったが、弁当の注文がちらほら入る。細々とでもつないで欲しいものである。
今回もご馳走様でした。
2020/04/28 更新
2019/12 訪問
ほうぼうの塩焼き
2019年12月
今回はほうぼうの粕漬け焼1,400円である。切身ではあるが、当方がこれまで見かけたほうぼうの中で一番大きい。身が引き締まっていて歯ごたえがあり、魚そのものの旨味もたっぷりだ。香りもいい。骨は硬いので必ず取る必要がある。
小鉢に牡蛎の煮たのがあるのが嬉しい。小ぶりの牡蛎だから東北産だろうか。卵に酢の物、野菜料理各種と、葉物から根菜まで野菜がたくさんいただけるのがいい。体調が優れないときはカレー、身体をいたわりたいときはこちらの食事をいただく。
医食同源、中国では食医同源というが、人間は食べたものでできている。生命が自己再生のシステムであり細胞が常に新しく入れ替わっていることを考えれば、食べ物は本当に大事だ。個人的な直感ではあるが、近年多く見かけるうつ病は、ジャンクフードが原因のような気がする。トランス脂肪酸にまみれたフライドポテト、グリシンが混ぜられたご飯、ポリリジンたっぷりの弁当、化学調味料だらけのカップ麺など、如何にも身体に悪そうだ。しかし安い。逆に身体によさそうなものは、それなりの値段を払わなければならない。安価なジャンクフードを食べざるを得ない貧乏人は、益々不健康になっていく世の中なのだろうか。やれやれ。
2019/12/18 更新
2019/09 訪問
いわしのごま味噌煮
2019年9月
彼岸が過ぎてもまだ暑い渋谷である。しかし朝晩は少し肌寒く感じるときもあり、いよいよ秋の気配が忍び寄っている。秋といえば秋刀魚だが、今年は水揚げが少なくて価格も高い。外食でも内食でも、今年は未だに秋刀魚がいただけていない。
という訳で秋刀魚の代わりというのでもないが、本日のチョイスはいわしのごま味噌煮1,380円。当方が訪問する店はたいてい忙しいのだが、当日は少し落ち着き加減である。約8分で提供された。こちらにしては相当早い提供だと思う。混んでいなければ早く出せるポテンシャルがあるということだ。
いわしはごまの風味よろしく、味噌のコクが淡白ないわしの身と相俟って、そこはかとない地味を感じることができる。いつもながらに火の通しは完璧である。生姜が一片、いわしの生臭みを消してくれている。
魚を食べると頭がよくなるというプロパガンダみたいな歌があるが、あれは本当だと思う。青魚のDHAやEPAは脳のシナプスを形成する際に役に立つ不飽和脂肪酸として有名で、単純な言い方をすればシナプスが多ければ多いほど頭がいい訳だから、不飽和脂肪酸を摂ると頭がよくなるのは間違いない。逆に危険なのがトランス脂肪酸である。フライドポテトなどを揚げるときに使われるショートニングがその代表で、体内に取り入れられると不飽和脂肪酸と同じような振る舞いをするから、脳は不飽和脂肪酸と間違えてトランス脂肪酸を取り入れてしまう。しかしトランス脂肪酸はシナプスの形成には役に立たない。そして恐ろしいのは、トランス脂肪酸が脳に取り入れられてしまうと、その後でDHAやEPAを摂取しても、トランス脂肪酸が居座っているから脳はそれらを取り入れることが出来ないということだ。再度単純な言い方をすれば、フライドポテトを食べると頭が悪くなる訳だ。
そしてもうひとつ、シナプスの形成が進まないと、脳は退化する一方となる。理性的な対処ができなくなり、本能的な感情を抑えきれないようになる。つまりキレやすくなるのだ。最近騒がれているあおり運転などをする人は、多分フライドポテトの食べ過ぎである。どこぞの大統領も例外ではないと思う。
※後半部分は個人的なジョークなので、話半分で見逃してください。
2019/09/27 更新
2019/09 訪問
島根の鯖の塩焼き
2019年9月
台風一過の暑さも今日まで。彼岸が近づいてこれからは徐々に涼しく、寒くなっていきそうだ。気候が寒くなる前に消費税の増税で財布のほうが先に寒くなるのは必定である。外食も控えなければならなくなりそうである。こうなると国家予算の無駄遣いが嫌でも頭に浮かぶ。北朝鮮の脅威がないと言うなら、イージス・アショアの分だけでもいいから、国民に分配してくれないものだろうか。
本日の焼魚は島根の鯖の塩焼き1,380円。島根と言えば、浜田のイサキをいただいた記憶がある。日本海である。太平洋の魚より日本海の魚のほうが身がしまっているような印象がある。科学的ではない、イメージの話であるが、能登の鰤、越前蟹など、冷たい冬の海に育まれる清らかで深いコクのある味わいが日本海の魚介類の印象なのだ。随分得をしていると思う。
いつもながら焼き加減も塩加減も実に丁度いい塩梅である。パリッとした皮の香ばしさとホワッと柔らかい身の舌触りがたまらない。お酒にもご飯にも合う一品である。今回もご馳走さまでした。
2019/09/12 更新
2019/08 訪問
淡路島の鰯の梅煮
2019年8月
facebookにアップされていたランチの黒板に「サバのごま味噌煮1,360円」をいただこうと入店したが生憎売切れ。代わりにメニューに載っていない「鰯の梅煮」があると言う。一も二もなくそれを注文。今日の鰯は淡路島だそうである。梅と生姜が添えられて提供される。
さて箸を入れると意外に身がしまっている。小骨は気にならず、鰯の香りが鼻から抜ける。甘さも塩加減も丁度いい。相変わらず上手である。
今年は秋刀魚がなかなか入らず、鰯や鯖が先に出ることになったとのこと。地球温暖化やら中国漁船やらで漁場も漁獲も変わってしまったらしい。いつまでも安全で美味しいものを食べたいものだ。
今日もご馳走さまでした。
2019/08/29 更新
2019/08 訪問
たらコロッケ美味し
2019年8月
今回はたらコロッケ1,080円。たらのしょうゆ粕漬け焼は何度かいただいたが、コロッケは初めてである。これが複雑な味がしてとても美味しい。そのままでもいいし、ソースを少しだけ付けていただくのもいい。塩はほんのちょっぴりにするとコロッケの味と香りが引き立つ。コロッケは不思議な食べ物で、おやつとしてそのまま食べてもいいし、ご飯のおかずにもなるし、お酒のツマミにもなる。じゃがいもは古来から人間の生命を支えてきた歴史があるからだろうか。
何も考えずにパクパクいただいたが、作り方を聞くとたらを焼いてほぐした身と玉ねぎと玉子が入っているそうだ。玉ねぎは臭み消しと甘みに重要な役割を果たしているとのこと。流石である。
2019/08/21 更新
2020年12月
午前中の映画鑑賞のあとに恵比寿の商業施設内のレストランを覗くと、土曜日だけあって家族連れでいっぱい。そんなところで昼から飲んでいると顰蹙を買いそうで遠慮した。どこに行こうか思い巡らすと、こちらが昼飲み歓迎であることすぐに思いついて渋谷に移動。コロナ禍でもハチ公前広場は混んでいる。このあたりが爆破された映画を先日観たのでちょっと変な感じだ。
東急本店の前を回って到着。ランチメニューのカンパチの刺身を注文して生ビールをいただく。カンパチは寒ブリと同じでこの時期がいいのかもしれない。ぷりぷりして味も香りもいい。ここで日本酒をいただく。まずは広島の西條鶴無濾過純米酒だ。これが甘さも香りも素晴らしく美味しい。刺身によく合う。続いて福島県の天明中取り壱号。口当たりがよくてすっと喉を通る。ここでランチメニューにない牡蛎の山椒煮と牛すじ煮込みをいただく。最後のお酒は新潟県の鶴齢しぼりたて純米酒。フルーティーで濃醇。とても美味しい。
最後にお茶をいただいて、お酒臭さを緩和する。いやあ、いい休日になりました。今回もご馳走様でした。