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3種の突き出し
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帆立貝の冷たいロワイヤルとスモークサーモンとマスの卵
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函館産 殻付きウニのムースリーヌとオマール海老のコンソメジュレ キャヴィア添え
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フレッシュフォアグラのポワレとオニオンコンフィのガレット サマートリュフのサラダの一皿
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的鯛のポワレとオマール海老 トマトパルメザンリゾットとウイキョウのエマルジョン
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パイナップルのグラニテ
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鴨のローストとアンディーヴのオレンジキャラメリゼ 赤ワインポルトとイチジクのソルベ添え
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タイムとユリ根のプティポークレーム
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桃のスープとムース,エスプーマ ミントのシャーベット
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プティフール
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『トゥール・ダルジャン』唯一の支店東京店を謳うこちら。
商店街を通り、人通りの少ない道に入ると見えるのは薄いオレンジの外装に青い扉と、実にビビッドな一軒屋。
入り口に立つスタッフの方に招き入れられて扉の中に進み入ると1Fは厨房になっており、ガラス張りながらも料理人の方々の仕事が拝見できる。
2Fのダイニングルームへ上ると一軒屋らしい温かみのあるウッディに白を差し込んだ内装。
レストランでフレンチと言うより友人のホームパーティーに招かれた気分になり、リラックスした雰囲気で食事が楽しめるので、記念日より「ちょっと贅沢」位の気分で行くといいかも。
でもお皿とカトラリー、は凄いの使ってるけどね。
夜は月代わりのコースが1本or2本用意されており、皿数は変わらず食材のグレードが値段に反映されている。
あえてプリフィクスを排除したのはトータルバランスを考慮してとのこと。
グラスワインもコースに合わせてチョイスしているとか。
今回は11,000円コースをオーダー。
まずはメニュー外の3種の突き出し。
全体的に塩が効いており、アペリティフを前提とした味付け。
中央の「三元豚とフォアグラのテリーヌ」のズッシリとした旨みと「茄子とバルサミコ」のフルーティーな酸味のコンビネーションが光輝いていた。
アミューズは「帆立貝の冷たいロワイヤルとスモークサーモンとマスの卵」。
ブールブランを使用した、所謂洋風茶碗蒸し。
ロワイヤルは舌触りが実に滑らか!
フッと伝わる帆立のフレッシュな風味にコンソメジュレで包まれた魚卵でコクを追加している。
突き出しからガツンガツン系が続くかな~と想定していたが、一変して軽さを残した程よいバランスを楽しめました。
冷製オードブルは田辺シェフのスペシャリテ「函館産 殻付きウニのムースリーヌとオマール海老のコンソメジュレ キャヴィア添え」。
ウニの殻ごと登場するインパクト溢れるこちら。
「またジュレ?」と思ったのも杞憂。こりゃぶっ飛ぶ!
オマールの風味を纏ったコンソメジュレどこまでも深く、複雑なコクを持っており、前皿とは別次元の美味しさ!
敷かれたウニを目を閉じていただくと、眼前には海、甘み以上に海の香りがガンガン伝わってくる。
上に添えたキャビアも必要不可欠、合わせて食べると塩味が全体をキュッと締める役を担っている。
海の贅沢食材を惜しげもなく使用したこちらは、見た目以上のインパクトを舌に残す素晴らしい一品でした!
温製オードブルは「フレッシュフォアグラのポワレとオニオンコンフィのガレット サマートリュフのサラダの一皿」。
まずファーストインパクトはサマートリュフの芳香。
プリップリのフォアグラは言うまでもなく美味で王道の濃厚ソースとの相性抜群、モリーユ茸のエスプーマも良い香りを追加します。
何より印象的なのはオニオンコンフィのガレット。
フォアグラの重さを引き立たせる軽さ役なんだろうな~と思っていたが、期待を良い方に裏切ってくれました。
こちらのオニオンはランス産を使用しており、も~風味が濃厚!
食感では軽さを担っているが、味はフォアグラに負けてないですよ~両者を立たせるバランスにうっとり。
ポワソンは「的鯛のポワレとオマール海老 トマトパルメザンリゾットとウイキョウのエマルジョン」。
見た目にも色鮮やかなこちらはフックラと火入れされた的鯛とプリップリなオマールの食感のコントラストは鉄板で間違いのない火入れ。
程よい塩振りで魚の輪郭をくっきりと浮かび上がらせており、噛むとジュワッと幸せが溢れてくる。
トマトやリゾットなど主張が強そうなガルニチュールが並んでいるが、全てがオリーブオイルと共に乳化されており皿上での一体感が堪能できます。
ローズマリーの風味を追加したパイナップルのグラニテを挟み、ヴィアンドは「鴨のローストとアンディーヴのオレンジキャラメリゼ 赤ワインポルトとイチジクのソルベ添え」。
『トゥール・ダルジャン』の代名詞である鴨料理、この日はロワールのシャラン産鴨。
皮目はパリッ、中身はレアと王道な火入れだが、そのコントラストは実に秀逸!
咀嚼するとしっとりした身からジュワッと溢れ出す力強い旨み。
筋感は無くキメ細やかな食感は噛んでいるだけで心地よく、気付けばスッと溶けている。
最後に旨みをギュッと閉じ込めるよう焼き付けた皮目と脂の余韻を楽しむ。
ペリグーソースも濃厚で鴨の旨みをグイグイ盛り上げてくれるし、イチジクで味の変化も楽しめるし、ガルニチュールも大盛りで美味しいし。
いやはや実にファンタスティック、マイベスト鴨です!
アヴァンデセールは「タイムとユリ根のプティポークレーム」。
シルキーな食感でほっこりとしたユリ根に甘いカラメル、上品なプリンと言った感じ。
デセールは「桃のスープとムース,エスプーマ ミントのシャーベット」。
桃の甘みをスープ、ムース、エスプーマと3種の食感で堪能できるデセール。
ミントのハッとする爽快感がアクセントとなり、サッパリしていて最後まで美味でした。
最後は4種のプティフールをお供にカフェ。
最初はクラシック一辺倒でドッシリ系かな~と思っていたが、とんでもない!
一皿一皿がアラカルトのボリュームで、ソースを味わう点ではクラシックではあるが、食材同士の繊細なバランス感覚やバターよりジュを多様するソースからは現代的な一面も併せ持っている。
ヴィアンドを食べ終えるとお腹がはち切れんばかりであったが、オイリーな料理からでは無く純粋に幸せなボリュームから来るもの。
(+パンで拭いたくなるソース(笑))
なので食後は心地良い満腹感、翌朝は清々しい目覚めができました。
訪問の際は予約必須だが、週末でも当月のメニューを見てから決断できます。
「今月のメニュー美味しそうなのに全て満席だ!」ってことがなく、かといって訪問すると空席がある訳でもない絶妙な具合。
11月のメニューも魅力的だし、この店は再訪必至です!