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3種のグリッシーニ
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スペイン カンタブリア産のアンチョビ
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秋刀魚のモホソース和え
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河内鴨のカルパッチョ モホソース
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パルメザンチーズとパセリのムース
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フォアグラのムース
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バスク産ビゴール豚の生ハム
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鱧の湯引き・ショウガとレモングラスのジュレ
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緑のガスパチョ
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足赤海老の岩塩焼き
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今日届いた野菜たち
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皿底の温野菜たち
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マナガツオのソテー
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仔羊ロース肉の3時間ロースト
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ヴァレンシア風おじや
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オレンジのシャーベット
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レモンクリーム アールグレイのゼリー
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ティラミス
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記念すべき100件目のレビューに相応しい、最高のレストランに出会いました。
スペインのヴァレンシアにある二つ星レストラン「Ca Sento」で料理長をしていた福本シェフが腕を振るうモダン・スパニッシュなレストランのこちら。
予約時点でメニューを決める必要があり、折角神戸まで遠征しているので10000円のディナーコースにしました。
入り口のドアを開けると、店内はレストランとは思えない家庭的な雰囲気。
サービス陣はユニフォームなど身に着けず親しみやすい雰囲気だし、シェフもTシャツ姿で厨房に立ってたりと、何となく友人宅に訪問している気分でリラックスして食事が楽しめます。
一席だけあるソファーテーブル(4人用)は、今後熾烈な席争いが発生しそう。
テーブルに案内されると目に付くのは3種のグリッシーニ(カレー・パプリカ・ゴマ)と、シェフのメッセージが入ったメニューカード。
「コレはどんな味がするんだろう?」などとメニューを見ながらアレコレ想像していると、Aperitivosがサーブされる。
タパスのように6皿一気にサーブされるので、色とりどりの料理がテーブルを埋め尽くす光景に食べる前からワクワク!
「スペイン カンタブリア産のアンチョビ」
こんな上品なアンチョビ、食べたことない!
じっくり熟成させたカタクチイワシは上品な肝を連想させる濃厚な風味で、塩味が控えめなのでアンチョビ本来の味が堪能できます。
また、オリーブオイルがフルーティーで舌触り軽やかなので、クドさが一切なくナイフが止まりません!
「秋刀魚のモホソース和え」
コリアンダー等の青々しい味わいのモホソースと脂の乗って鮮度の良さを感じさせるサンマは相性抜群!
下には滑らかなジャガイモのペーストが敷かれており、サンマの脂を程よく抑えてくれます。
「河内鴨のカルパッチョ モホソース」
こちらはターメリック等を使ったカレー風味のモホソース。
ネットリとした河内鴨の旨みに絡まるスパイシーなモホソースが味覚を刺激、程よい辛さに食べ始めたら止まらない!
サンマの時も感じましたが、モホソースってこんなに美味しいんだ!
複数の香辛料が使われてるんだろうな~と想像できるほど複雑ながら一体感のあるソースはどんな料理にも合いそう。
「パルメザンチーズとパセリのムース」
若々しいパセリの苦味とパルメザンのコクがブワッと広がり、軽目な印象ながらも存在感が光る一皿。
盛夏の時にはサッパリしますね~。
「フォアグラのムース」
チーズ以上に濃厚なフォアグラと甘味を感じるコンソメとの相性が堪らない!
コクと塩味のバランスが絶妙なのでフォアグラながらサラリといただけます。
これはぜひ大盛りでいただきたい。
「バスク産ビゴール豚の生ハム」
本日のアペルティーヴォの中で一番のお気に入り。
長期熟成したパルメザンを彷彿とさせる芳醇な風味は極上としか表現できません!
租借する度に口内に広がるビゴール豚の旨みと塩味は薄く削がれた見た目から想像出来ないほどインパクト大だし、いくら噛んでも味わいが広がる持続力は感動そのもの。
これ、通販とかで販売しませんかね?
続くEntrantesは3皿。
ここからは1皿ずつサーブされます。
「鱧の湯引き・ショウガとレモングラスのジュレ」
プリプリに湯引きされた鱧は口の中でホロリと解けていく自分好みの加減。
間に挟まったナスのピューレの淡い味わいが鱧と喧嘩せず良い感じで共存しています。
カラスミと塩味と香味が強めのタマネギスライスが味に変化を加え、上品な鱧の味わいが引き立って実に美味しい!
一緒にサーブされたガスパチョは酸味の効いたトマトと爽やかなキュウリで出来ており、タマネギを使用した泡からは、ほんのりと香味が感じられます。
「足赤海老の岩塩焼き」
こちらの料理、インパクト抜群です!
塩釜を砕いた状態でサーブされる足赤海老は、何と丸々一匹!
目方で30cmはあろうビッグサイズです。
サービスの方が目の前で塩釜を取り除き、海老を皿に乗せていただいて料理の完成。
手掴みでかぶりつく海老はプリップリに身が締まっており、塩味も海老の邪魔をせず良い塩梅。
食後はフィンガーボールとお絞りで手を綺麗にして、次の皿を待ちましょう。
「今日届いた野菜たち」
皿の底に生クリームをコンソメで伸ばした焦がしバターソースと温野菜を配置し、その上に葉系の冷野菜を散りばめた見た目にもベジタブルな一皿。
サービスの方がエメンタールチーズのソースを回しかけて完成。
底から立ち上る焦がしバターソースの香ばしい香りが鼻腔を強烈に刺激し、辛抱できずに早速一口。
甘みや苦味、紫蘇の風味など様々な味覚を同時に感じられるのは実に面白いですが、何よりエメンタールチーズが非常にまろやかで野菜の味を見事に引き立ててます。
下の温野菜はゴロゴロと大きめにカットされており、こちらも野菜の味が十分堪能できます。
ヒタヒタの焦がしバターソースは実に絶品で、バターとブイヨンのコクが十分すぎるほど堪能できるのにサラリと仕上げてあるので幾らでもすすってしまう。
また、エメンタールチーズのトロリとした甘みが相まって極上の風味を持つソースが完成。
イメージとしては「スペイン風バーニャカウダ」といった感じでしょうか?
前日訪れたHAJIMEの感動的な「105種類の野菜のガルグイユ」を凌駕する美味さ!
もう、これ以上美味しい野菜料理には出会えないのでは?と思わせる一皿でした。
続いてPescadosの「マナガツオのソテー」
この感動と言ったら、今まで食べた魚料理の中でもトップクラス!
サーブされた瞬間から鼻腔に届く燻製の香りは、深々として実に芳醇。
パリッパリの皮にナイフを入れると「本当にカツオ?」と思うほどに味の輪郭がしっかりしており、しっとりした身からは咀嚼する度に塩鮭を彷彿とさせる味わいが広がって、もう言葉が出ません!
アンチョビソースの塩味も目立たないものの、ほんのり感じる脇役っぷりが堪らない。
ミルフィーユのようなマナガツオを作り出す火入れといい、素材を活かす味付けといい、すっかり虜になりました。
Carnesは「仔羊ロース肉の3時間ロースト」
まさか、ここでも3時間ローストをいただけるとは思いませんでした。
低温ロースト独特のしっとり且つジューシーなお肉は程よく仔羊のクセが残っており、野性味溢れる味わいはいつ食べても最高!
ソースはシェリー酒とハチミツベースの甘味感じる味わいだが、隠し味の醤油が和のエッセンスを加え、まるで上品なテリヤキソースのよう。
フレームアウトしてますが、白人参とニンニクの2種類のピュレは素材の味わいがしっかり感じられ、肉のスパイスとして最適でした。
Arocesは「ヴァレンシア風おじや」
数々の魚介・甲殻とトマトベースのスープは幾重にも旨味が凝縮され、味・香り共に病み付きになります。
ビスクを思わせる味わいだが、このレベルは並みのフレンチでは味わえないでしょう。
生米から煮立てたおじやは若干緩めのアルデンテだが、トロミが出るほど煮込んだスープには、この位の柔らかさが個人的には好み。
ちなみにボリュームはお腹の空き具合で調節可能だが、まずは普通で注文して不足分をお代わりするのがよさそう。
それにしても野菜~おじやの流れは表現しようもないほど極上で、「ココは地上の楽園でしょうか?」と思いながら頬を緩めて料理を堪能している僕は、傍から見たらさぞ異様なオニーサンに見えたことでしょう。
ココから先はお待ちかねのスイーツ。
Dos postresは3皿構成で、まずは「オレンジのシャーベット」
オレンジのシャーベットは皮の苦味が感じられ、まるでマーマレードを食べているよう。
添えられた人参は黒酢でマリネしており、独特の酸味がオレンジと意外な相性を奏でてました。
「レモンクリーム アールグレイのゼリー」
かき氷のシロップを思わせる甘さのレモンクリームと、ごく軽く感じるアールグレイの香りが印象的。
クリームに細かく入ったレモンピールが苦味という程よいアクセントをプラスしてくれてます。
「ティラミス」
酸味の効いたコーヒーを使用したムースと、サッパリ上品なマスカルポーネのバランスが素晴らしい!
良くある「苦いだけ」、「ベタベタした甘さ」といったティラミスとは一線を画す出来栄えに、満腹ながらも一気に食べきりました。
最後のハーブティーもフレッシュを使っており、香りが濃厚。
なおかつポットサービスとはありがたい!
ちなみにドリンクは多彩で、日本酒や焼酎等も取り揃えてます。
値段もボトルだとスパークリング以外は全て1万以下なのに料理と相性の良い安ウマばかり。
サービスは明るく親しげって感じではないが客を良く見ていて、さりげないサービスに気を使わずリラックスして食事が堪能できました。
コレで料理・ワイン共に内税でいいんですか?
今までスペイン料理に良い印象は持ってなかったのですが、この店は別格でした。
個人的には日本一のレストランに数えられるレベルだと思います。
神戸を訪問する際には、この店の予約はマストです!