駆け出しの紳士さんのマイ★ベストレストラン 2013

駆け出しの紳士のレストランガイド

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駆け出しの紳士 (40代前半・男性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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マイ★ベストレストラン

1位

レストラン ラ フィネス (新橋、汐留、御成門 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 3.9
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 昼の点数: 3.8

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.1 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2013/10訪問 2013/12/01

極上の素材を独学者の技術で昇華

初訪問は12年6月デジュネ。
この時はアミューズがずば抜けていたものの、他がイマイチフィットしなかったのだが、
「ランチは挑戦的な、ディナーは本当に美味しい料理を提供します!」
と仰っていた杉本シェフの言葉を信じ、ジビエの季節を狙って13年10月にディネで再訪。
結果的に大当たり!
長年フランスで培ってきた杉本シェフのセンスに豊富で美味しいコンソメと極上素材が加われば鬼に金棒、五感を刺激する皿々に愉悦したディネでした。

暫く期間が空いた間にオペレーションやスタッフがガラッと変わっていましたが、居心地の良さは健在。
カウンターでアミューズ片手にシャンパーニュを傾けながら、杉本シェフと料理の内容を決定するスタイルになってます。
その後はダイニングに向かい、コースがスタートする。
ちなみパンが美味しいのは当然ながら、2種のバターが「セップ茸」「黒トリュフ」という恐ろしい内容。
初めてバターまで残さず平らげましたよ(笑)


カクテルのアミューズはプリッとした大振りの牡蠣と枝豆が以外にも相性良く美味。
最後のアミューズは超ド級、5種のジビエを使ったコンソメにアルバ産トリュフをタップリと。
まずは驚異のコンソメ、チープな言葉ではあるが「凝縮しているのに澄み切っている」、これに尽きます。
今まで頂いたコンソメの中で文句なしにナンバーワン!そこにアルバ産の白トリュフの艶めかしい香りが付加されれば極上以外の何物でもない!!

前菜は「フランス産山鳩とフォアグラのプレッセ、丹波シメジのマリネと小木美私」
むっちりとした弾力を感じるほどにブ厚い山鳩は独特の血っぽさよりもジビエコンソメの様な旨味が勝っており、ワシワシと咀嚼の度に山鳩が攻め立ててくる。
一方のフォアグラはテリーヌ状で、スッと解ける滑らかな仕上がりが食感のコントラストを生み出している。
ここでもアミューズとは異なるコンソメを使用しており、前菜から剛速球の旨味前回料理を堪能。

ポワソンは「ブルターニュ産オマールと伊勢海老のパイ包み焼き、オーストラリア産黒トリュフ風味」
何ですか、この豪華過ぎる料理名は(笑)
海老たちはムッチリとした仕上がりで甘味よりも旨味が優勢、山鳩とは異なる旨味と共にトリュフの余韻にしばし恍惚。
ビスクも気品ある仕上がりでパイ包みと合わないはずがない!

ヴィアンド1皿目は「北海道産鹿肉のローストとそのコンソメ」
本日の出色、『ア・ニュ』の蝦夷鹿ローストに勝るとも劣らない「マイ・ベスト・鹿料理」。
エロい弾力の鹿は赤身肉の醍醐味を堪能できるが、何より素晴らしいのは鹿のコンソメ。
20リットルから5リットル(もっと少なかった?)まで煮詰めたコンソメは魔法の水、口に含む度に圧倒的多幸感に満たされる。

ヴィアンド2皿目は「フランス産山鶉のロースト」
こちらはデクリネゾンスタイルで登場。
しっとりした仕上がりの胸肉では旨味を、内臓をミンチにしたクロケット?からはジビエラらしい野生感を堪能できる。

デセール前に「帆立とアルバ産白トリュフのラーメン カルボナーラ仕立て」
レストランで箸がセットされるのは何ともシュール(笑)
ギャルソンの仰る通りズルズルと音を立てて頂くと、白トリュフの芳香が鼻腔を突き抜けトリップ状態。
このままでも十分美味しいが、ポットで登場する鴨のコンソメを注ぐとガラッと印象が変わり、一段とラーメンらしい仕上がり。
大振りの帆立は甘味を感じて美味だし、この一杯だけオーダーとかしてくれないかな?

アヴァンデセールを挟み、グランデセールは「ミルクチョコレートのタルトレット、モンブラン風 タヒチ産タヒチ種のヴァニラアイスクリーム」。
感動は最後まで続く「マイ・ベスト・モンブラン」、もちろんヴァニラも拘り抜かれて美味!
お好みでラム酒をスプレーするとアダルトなデセールに早変わり、これもラーメン同様、単品でオーダーできないものか。

プティフールのカヌレも本場のレシピで登場、ハーブティーもたっぷり入ってジックリと余韻に浸る。


最高級の素材を惜しみなく使用する料理は圧倒的な存在感を放っており、シェフの仰る通り「本当に美味しい料理」がいただけました。
ガッツリ系かと思いきや油分は必要最小限に抑えられているため、胃が疲れることなく最後まで食事を楽しめます。
ま~ボリュームがハンパないから、真の意味での満腹にはなりますが^^;
また、味が強めに感じる料理もあるが、塩は使っておらず、素材自体がもつミネラルなのだとか。
そこまで濃厚に素材の味を引き出せるのも、杉本シェフの成せる業なのでしょうね、次回の再訪が楽しみです。

  • アミューズ1
  • アミューズ2
  • アミューズ3 牡蠣と枝豆のカクテル

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2位

ライラ (赤坂、青山一丁目、乃木坂 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 3.9
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2013/06訪問 2013/06/04

源流を汲む、魔法のような火入れ

赤坂にオープンしたフレンチレストランのこちら。
シェフの最終経歴に『Agape bis』の名があり、料理も源流の『アルページュ』ぽい好みの皿々が並んでいたので、即座に予約。

店内は打ちっ放しのコンクリートが基調となっており、フロアには窓が無いため光は照明のみ。
それが返って隠れ家的な印象を与えており、流れるJAZZが一層雰囲気を盛り立てる。

ワインリストは作成中であったが、ま~実に個性的。
白は100%シャルドネオンリー、うち1本を残してすべてブルゴーニュ。
赤はもっと攻めており、100%ブルゴーニュのみ、今までこんな攻めたリストは見たことない(笑)
その他はシャンパーニュにビール、ガス有無水、ソフトといった構成。
グラスはブル以外も揃えているので、料理や好みに合わせて対応は可能です。
価格帯は10000~30000円で占めており、他店と比べるとやや幅は狭めかな?


料理はお任せで昼夜共に1本。
訪問時は以下をいただきました。
アミューズは「庄内地方指定農家のラディッシュ 塩バターとフルール・ド・セル」
こちらの主役は塩とバターであり、無垢なラディッシュは「鮮度」という瑞々しさと触感を担っている。
三ツ星店のようなプレゼンテーションに驚きつつ、続く皿へ。

続いては「鰯のプラチナ仕立て 白人参のピューレ、グリュイエールチーズ、藁で燻製にした大分県産の鰯」
純白の皿は同色の食材が並ばれおり、プラチナの様に輝く鰯が料理名を体現している。
鰯の燻製香はルックスから浮いた印象を受けたが、果実味ある大根マリネと優しい甘味のパースニップピュレが見事な旨味に昇華させている。
グリュイエールチーズもさり気無く、しかし、無くてはならないアクセント。

続く温菜は「大地の皿 人参ピューレ、クスクス、うるいのソース 土付きごぼうで作ったクランブル」
躍動感ある野菜たちの触感、味わいが素晴らしい。
それらを覆ううるいのソースからはバターが感じられ、しっかりフレンチしている。
人参のピュレやごぼうのクランブルなど、一仕事加えた品も全体にフィットして美味。

最後のオードブルは「ほたて、ミニポワロー、抹茶のクランブル ソースゼレス」
ここからが成清シェフの真骨頂、魔法のような火入れに悶絶の連続!
見た目はしっかり火が入っているが、歯を押し返す弾力と溢れるエキスは極めてレア!
添えられた焼きリンゴの意図は読み解けなかったが、この皿には衝撃を受けた。

ポワソンは「大分県産の天然の真鯛 クレソンとオリーブオイルのソース」
火入れという意味では、こちらが本日の最高峰!
虹色のキュイソン、ホロホロと解れていきつつも、口内は水分と旨味の洪水状態!
これには感動を覚えた、『カンテサンス』『レフェルヴェソンス』の1/3価格で近いレベルのポワソンが頂けるとは。
サーブ時はオイル香が目立っていたが、真鯛と合わせると程良し。

ヴィアンド1皿目は「ラカン産ピジョン ムロンデロワゾー」
まさかのラカン産ピジョンの登場。
画像がすべてを物語っており、均一に火入れされた弾性ある柔らかさ、鉄と旨を併せ持つ味わいは鳩好きにとってこの上ないご御馳走。
ジュのソースも間違いない相性だが、粉雪のように見える皮目の塩はもう少々抑え目の方が好みかな。
とはいえ、この上ない御馳走であることには変わりない。

ヴィアンド2皿目は「イベリコ豚 じゃがいものコンフィ 柚子胡椒のソース」
魔法の様な火入れは最後まで衰えず、寧ろ今までと異なるアプローチを見せてくれる。
表面をやや強めに火入れしている分、より火入れが淡い部分とのコントラストが楽しめる。
イベリコ特有の甘味を感じる脂は柚子胡椒がしっかりとクッション役を担っており、ビッグポーションながらナイフは止まらない。
焼肉とワサビもそうだが、脂と和な辛味のペアは間違いない。

デセールもグランサイズで2皿、「自家製フレッシュチーズ ビーツとサフランシロップ ローズゼラニウム」
ビーツのほのかな甘みと、自家製らしいチーズの優しい酸味のバランスが際立つ。

最後のデセールは「チョコレートケーキ、クレームドパッション、バニラアイスクリーム、プラリネディスク」
とても色鮮やかなルックス。
どれも個性を感じるが、チョコレートのモッタリした濃度と滑らかな舌触りが印象的。

食後のドリンクはハーブティーをチョイス。
なんとフレッシュで登場とは、味わいの良さに最後まで驚かされた。


この内容で税サ込、ワインを楽しんでも諭吉で余るとは、到底信じられない。
サービスもきちんとしているし、カトラリー等のハード面もレストランと遜色ない。
ただ、コンセプトに「ナチュラル」を掲げるには、塩とオイルが強く感じる個所もあった。
それは修行先がフランス歴が長く、ネオビストロに寄っていたからかもしれないが、シェフには皿中で主軸とする素材に味・香共に影響を与えないギリギリのラインを見極めて頂きたいです。
このようなジャンルはアンチな方々もいらっしゃるとは思いますが、今すぐ予約困難になっても不思議はない内容でした。

  • 庄内地方指定農家のラディッシュ 塩バターとフルール・ド・セル
  • 鰯のプラチナ仕立て 白人参のピューレ、グリュイエールチーズ、藁で燻製にした大分県産の鰯
  • 大地の皿 人参ピューレ、クスクス、鰯の皮目うるいのソース 土付きごぼうで作ったクランブル

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3位

スリオラ (麻布十番、赤羽橋 / スペイン料理)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス -
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2013/03訪問 2015/05/14

待望のスペインガストロノミック

個人的かつ暫定的な意見ながら、日本一美味しいレストランである『カセント』に訪問以来、俄然関心を持った「ヌエバ・コシーナ」のレストラン。(タイヤではフュージョン扱いですが・・・)
それ以来、関東でガストロノミックなスペインレストランを探すものの、既存店はイマイチフィットせず。
現地の星付きレストランで修業したシェフは悉く関西に自店を構えてしまい、圧倒的に西高東低な状況であるが、このたび都内にガストロノミックなスパニッシュを提供するレストランがオープンするとの情報を得て一気に興味を持ったこちら。
どうせ訪問するならお店が安定してから、と暫く観察していたが、世間やタイヤの評価も上々なので満を持して3月某日にランチで訪問。
今回は4800円のコースをオーダー。

海老のアミューズはネットリと舌に絡みつく甘味が秀逸。
続く冷菜はフレンチを思わす洗練された仕上がりで、素材やオイルを用いてメインとなるホワイトアスパラを味で、食感で昇華している。
バター代わりにオリーブオイルと塩がサーブされるが、オイルの香りが実にフルーティーでフォカッチャが進む!
フォアグラは表面カリッと中プルプルの仕上がりで旨く、クリアなコンソメも味わいを補完しているし、炭の風味も仄かで違和感なし。
鴨は噛み締める度に旨味が溢れる素晴らしい火入れで美味だし、メニュー外のリゾットも滋味深くホッと落ち着く。
デセールはオリーブオイルのアクセントが素晴らしい!
カフェのお供のショコラもサプライズを仕込んだ個性的な仕上がりで楽しい。

どのお皿も予想を上回る仕上がりで美味だったし、パンや小菓子といった目立たない所まで隙を見せないし、料理に関しては大満足でした!
この辺は本田シェフの多彩な経歴故に成せるのだろう、スペインの枠に捕らわれず、しかしながら軸がブレない完成度の高い料理は一食の価値あり!

  • 海老のアミューズ
  • ホワイトアスパラと生ハムのサルピコン、ビーツのクルヒエンテ
  • フォアグラと蕗、炭の香るコンソメ

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4位

81 (要町、椎名町、池袋 / 創作料理、スペイン料理、ヨーロッパ料理)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2013/03訪問 2013/04/13

追い求めよ

作り手の意図を正確に食べ手に伝えるため、サーブ時に食材の産地から調理法を、時には味わい方まで、じっくりと料理の説明をしてくれるお店がある。
それはそれで料理の個性を確実に楽しめるので好きなスタイルではあるが、このお店は全く逆の手法を取っている。
料理の説明は程々に、後はどうぞ皿内の謎を解いてください、といった形で料理を食べ始める。
すると食べ手としては己の感覚をフル活用して料理に接するのだが、それでも全容は探れず、覚醒状態の舌でもキッチリと美味しく感じられる料理が普段以上に記憶に残る。
食べ手から料理を探る作業が必要である分、ある程度外食をしている人でないと本サイトのような評価は得られないと思う。
また、マリアージュも料理の印象をグンッと引き上げてしまうため、ノンアルコールな方も同じく厳しいかな。


さて、テーブルにはメニューをプリントアウトしてくれているが、内容は確認せずに鞄に仕舞い込む方がより一層楽しめます。
「家に帰ってから、食べた物を思い出すためのツールとしてお使いください」とオーナーシェフも仰ってましたし。

料理については細かく書くとネタバレになるのでザックリと。
最初のタパスは正に舌のウォーミングアップで、『エルブリ』色の濃い奇天烈料理が並ぶ、ペアリングも「Inedit」とは心憎い。
ここでじっくりと味覚・嗅覚を叩き起こしたら、次から続く輪郭のクッキリした料理が実に美味しく感じられます。
もちろん、どの料理もシェフの個性が詰まっており、それを追求しながら食べることで驚き、唸り、時に楽しみながらコースが進んでいく。
マリアージュも素晴らしく、特にメインとデセールの時は震えるレベル、お酒がNGでない方はペアリングコース必須です。


ちなみにこのお店はシェフ2名ソムリエール1名の体制で、2008年の『エルブリ』同期生という繋がり。
オーナーシェフは日本人で小笠原伯爵邸で経験を積んでおり、もう一名のシェフはチリ出身で、『ムガリッツ』に自国のレストランでエグゼクティブシェフの経験があるとのこと。
ソムリエールの方の経歴は失念・・・

店内は実にシンプルで、地下へ降りるとコンクリート打ちっぱなしの空間が広がっており、まるで小型のライブハウスのよう。
料理はある程度仕込んでいるのでメインステージとなるオープン過ぎるキッチンからは仕上げ段階からしか見られないが、それでも圧倒的なライブ感は堪らない!
皿間には次料理の微香が店内に広がるので、その香りと期待をネタにグラスを傾けるのも良いですね、グラスが空いたらドンドン継ぎ足してくださいますし。

接客はオーナーシェフが担当、スペイン語OKでしたらソムリエールの方ともお話しできそうです。
オーナーシェフは、まー饒舌な方なので色々とトークが楽しめると思います。
テーブル毎に接客されるので、料理のサーブが最後となるテーブルはネタバレ状態で食べることになるかも?
個人的には貸切で訪問するのがベストかと思います。

  • 小さなタコス
  • ダンプリング
  • オリーブ×2

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5位

青山 仁 (表参道、外苑前、乃木坂 / 日本料理)

1回

  • 昼の点数: 3.9

    • [ 料理・味 3.9
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 4.1
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2013/06訪問 2013/11/30

落ち着いた佇まいで上品な料理を堪能

『うち山』にて煮方を担当された方が独立するとの情報を得て、6月にランチで訪問。
本店は未方だが『徳うち山』は好みのお店なので、同様の料理を堪能できるかと期待に胸を膨らませて訪問。

店内は5人席で1辺を花生け用にしたコの字のカウンターに、個室が2部屋。
今回はカウンターを利用、ガラスを隔てた中庭にはもみじが見えるため、紅葉の時期は素晴らしい景観を堪能できそう。
なお、調理はカウンター奥の暖簾で仕切られた調理場で行われており、カウンターと言えども調理風景を眺められる訳ではなかった。

料理は昼夜共に3コース用意されており、今回は中間コースにてお願いしました。
飲み物はビール日本酒焼酎の他、ワインもリストオンしてます。


焼きもろこし豆腐は白子焼きに似たパリッ、トロリのコントラストが秀逸。
得てして胡麻タレが主張するお店が多いが、こちらは豆腐の味わいが全面に押し出されている。

八寸も酒肴としてではなく、上品な味わいの皿々が並ぶ。

椀物の鼈は臭みなど一切無く、透き通った出汁とのバランスも良い。
鼈の旨味に負けず、かといって主張しすぎず、いい塩梅。

イサキと烏賊のお造りはねっとりとした舌触りで、甘味を引き出している。

ここからは一層季節感を出す食材の登場。
鱧は丁寧に骨切りされており、じゅんさいや野菜といった触感のコンビネーションも楽しい。

鮎はふっくらした焼き上がりで1匹丸ごと楽しめる。
蓼酢もまろやかな口当たりで相性良し。

炊き合わせには鯛出汁のジュレ、上品な味わいで素材を引き立てている。
野菜自体の瑞々しさも際立っており、涼を感じる味わい。

食事は鯛飯で、予約毎に土鍋で炊いて提供してくれる。
鯛の旨味を存分に吸い込んだお米はふくよかな炊きあがりで、薬味の仄かなアクセントに箸が進む。
食べきれない場合は、おにぎりとして包んでくれる。

甘味の酒粕プリンは、上にかけられた蜂蜜との相性が抜群で美味。
きんとんも餡の甘味が上品で美味しくいただきました。
同時に登場するお抹茶も目の前で点ててくださいます。


『徳うち山』のような輪郭クッキリでアタックの効いた料理を想定していたが、どれも上品な味わいで、しみじみと堪能できました。
口に含んだ時に「旨いっ」ではなく、思わず「おぁ~っ」と口から漏れてしまう、和食と茶懐石の中間のような、旨味を感じつつも滋味深い上品な料理に満足してお店を後にしました。
華やかさではなく、季節感を出しつつもキチンと美味しい日本料理を堪能できる貴重なお店、実に貴重です。

  • 入口
  • カウンターのしつらえ
  • 焼きもろこし豆腐

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6位

レストラン アニス (初台、参宮橋、幡ケ谷 / フレンチ、ワインバー、ビストロ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス 3.4
    • | 雰囲気 3.6
    • | CP 3.9
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2013/08訪問 2013/08/17

悶絶ヴィアンドと豊富な野菜

元『ラール・エ・ラ・マニエール』シェフであった清水氏の独立店。
前店とは異なり店内はかなりカジュアルで、キッチンを囲むようにカウンター席、その他テーブル席とテラス席がある。
テラス席なら飛び込みでも入れそうですが、臨場感ありすぎるシェフの動きを堪能したい方はカウンターを予約しましょう。

ワインリストは製作中とのことだが、現状はフランスのみでアペラシオン毎に整理されてます。
価格帯はカジュアルラインとゴージャスラインが棲み分けられており、中間層は少な目。
料理に合わせたバイザグラスのコースもあり、4杯4000円~。

このお店のポイントは、やはり肉。
来店前からプランチャでコロコロと火入れされ続けているメインの塊肉を仕上げるシェフの姿は圧巻!
パパッと塊を捌く動きを見るだけでも心躍り見入ってしまうが、味も極上。
そんなメインを楽しみにしつつ、コースがスタート。
今回は9500円コースだが、前菜を一皿減らし、全体的に素材が異なる5500円コースもある。
内容は仕入れ次第で毎日異なり、再訪時は重複しない内容にしてくれるとのこと。

パンは『ル・ルソール』のものを使用しており、お供はバターではなく、酸味の効いたフロマージュブランを小壺に入れて登場。
「料理でバターを使用しているから」との配慮からだそうで、穏やかな酸味でパンが進む。

オードブルは三皿構成で、最初は「ロゼアスパラガス」
スライスしたロゼアスパラはヴィネガーの酸と共に、シャキシャキとした触感が軽やか。
そこにナッツ香とビゴール豚生ハムの旨味を追加しており、バランス良い仕上がり。
特に削ぎたての生ハムが旨かった・・・肉部はいつまでも旨く、脂部はほんのり甘く深い味わい。

続いては「ピエブルー、馬肉ハラミ、エシャロット」
馬肉の表面はしっかり焼かれているが中心はブルーで、ハラミらしく噛み込む毎に旨味が溢れだす火入れ。
合わせたピエブルーはソースが秀逸、前店でも大好きだった発酵バターのソースがメチャ美味!残さずパンで拭いきるべし!

オードブルのラストは「フォアグラ、夏トリュフのクロケット」
舌上でネットリと溶けるフォアグラは内臓らしい余韻がいつまでも残り、実にボリューミー。
敷かれたパンデピスの蜂蜜な甘さとの相性は王道ながら病み付きになる、ベストマッチング!
クロケットはサマートリュフなので香穏やかだが、カシス等を使った甘いソースが不思議と合う。

ポワソンは「スズキ コールラビ、うど、まこもだけ」
ムッチリと弾力ある仕上がりのスズキは旨味十分で骨太、しっかり振った塩にも負けない旨さ。
バジルソースも濃度が高く、しっかりとスズキを引き立てている。

ヴィアンドは選択可能で、今回は「ホロホロ鶏」
素晴らしい、唸るしかない・・・
均一に火入れされたパンタードはこの上なくしっとりで、ソースとのマリアージュは悶絶モノ。
部位毎の味の違いも堪能できるし、しっかりポーションだし、こちらのヴィアンドは必食、てか今年イチ。
ガルニチュールはストウブ鍋で一組ごとに登場。
ほぼ野菜の水分のみで仕上げており、肉に負けない瑞々しさには驚くばかり。

〆のサラダ
こちらも1組ごとに登場で、日替わりで10種類以上のハーブを使用しているとのこと。
見た目以上に個々の野性的な味わいが主張しており、まさに百花繚乱といったところ。
酸辛あるドレッシングはスプレータイプで登場、セルフでお好きなだけどうぞ。

フロマージュはパスしてデセールへ。
桃やアロエのコンポートにフロマージュブランのソルベを乗せ、レモングラスのスープを流している。
すぐり等の酸味やレモングラスのフレーバーでスッキリとコースを締めくくる。

プティフールはなく、食後の飲み物はフレッシュハーブティーをオーダー。

前店よりもシンプルな皿々であり、シェフの料理を高濃度で楽しめました。
人によってはシンプル過ぎると感じるかも?ヴィアンドでは間違いなくテンション上がるが、繋ぎとして前店のような個性溢れる皿があると、より一層楽しめそうです。
個人的にはガストロノミックなレストランの方がしっくりくる料理だと思うが、次第にお店の雰囲気に馴染んでくるでしょう。
夜のみサービス料が10%なのは、じっくりじっくり仕上げたヴィアンドの火入れ料と考えれば何とか受容できるか。
そして臨場感マックスなキッチンであるが故、夏季~早秋の時期に訪問する方は正面のコンビニで十分に体を冷やし、軽装で訪問することをお勧めします。

  • パン
  • ロゼアスパラガス
  • ピエブルー、馬肉ハラミ、エシャロット

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7位

アエスピリトロンパ (三鷹台、井の頭公園 / スペイン料理、ダイニングバー、パン)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2013/11訪問 2013/11/27

稀有なガリシアレストラン

三鷹台にオープンしたスペインレストランのこちら。
『エル・ブリ』が脚光を浴びてからはスペインで修業する料理人が後を絶たないが、圧倒的多数派のバスク地方ではなくガリシア地方で修業していたシェフの新店がオープンした、との興味深い情報を得て訪問。

2階建ての一軒家をレストランとして利用しているこちらは1階がキッチンとなっており、仕切りもなく実にオープン!
キッチンの奥にはこちらの売りであるガリシアパンを焼く石窯も大量の薪と共に鎮座している。
そんな個性的な1階部分は立ち飲みスペースも併設しておりバル使いが可能なため、シェフの調理姿を見ながらライブ感ある食事も楽しめそう。
階段を上がったメゾネット式の2階は着席スペースとなっており、1階とは一転シンプルな内装でカジュアルな雰囲気で料理を堪能できる。

夜は4200円プリフィクスとアラカルトというスタイル。
どちらもガリシアの郷土感ある内容だが、プリフィクスはレストラン風な、アラカルトはバル的な料理が並んでいる。
今回はプリフィクスをオーダー。
ちなみに昼は1800円コース1本。


アペリティイーヴォは2種で「コーンのクリームスープ」と「レーズンと塩鱈のエンパナータ」
前者はコーンの甘味より豆としての味わいが強調されており、後者はシットリしたパイを噛み込むとチョリソの辛とレーズンの甘のアタックがあり、余韻に鱈の風味が残る。
派手さは無いが、素朴なアペリティーヴォで料理がスタート。


続く「フレッシュムール貝の白ワイン蒸し」はオリーブオイルの香りがフッと鼻腔を通る。
ムール貝の蒸し具合は素晴らしく、フワッと柔らかな身を咀嚼すると旨味エキスが溢れてくる!
火を入れ過ぎて固く縮むことは一切なく、まるで生牡蠣のような食感は他ではそう食べられるものではない!
セロリで味に変化を付けるのもバランスが良いのだが、個人的にはスープの塩分率が控えめだと、より感動が大きくなっていただろう。


ガリシアパンは毎日レストラン内の石窯で焼き上げている。
カリカリに仕上げられたクラストとフワッと柔らかなクラムの食感、香ばしい味わいは当然ながら美味。
何よりクラムの放つ香りが艶めかしく、まさかパンでエロさを感じる日が来るとは思わなかった。


前菜は3種から1種を選択、今回は「ガリシア蛸のプランチャ パプリカのアリオリ」オーダー。
表面はプランチャでカリッと火入れされているが、ナイフを入れると意表を突かれる感蝕。
一噛みで無くなりそうなほどフワフワとしたエアリーなテクスチャー、しかし弾力ある蛸を咀嚼し続けた時の旨味もブワッと広がる!
アリオリもマヨネーズの重厚な旨味が相性抜群だし、蛸同様のテクスチャーに火入れされたジャガイモもナイフを進ませるし、バルサミコのアクセントやローズマリーの爽快感もある、素晴らしい一皿!
これは今日イチの素晴らしい料理、エクストラチャージに怯むことなく絶対にオーダーするべし!


メインは魚2種、肉2種から「豚舌の赤ワイン煮込み」をオーダー。
ホロリとした身とトロトロコラーゲンは当然ながら、やや甘めのソースと豚脂の甘味がベストマリアージュ、これも美味いっ!
ソースもタップリあるので、相性の良いガルニチュールやガリシアパンも総動員して残さず拭いきるべし。


ポストレは2種から「焼きリンゴのフィジョア」をオーダー。
モチモチクレープの中には酸味先行の焼きリンゴとバニラアイス。
シナモンソースとの相性は鉄板ですな、馴染みある味わいでフィニッシュ。


食後のドリンクはコーヒーか紅茶からチョイス。
ガリシア料理をメインで提供するレストランはごく少数であるため、好みに合う方は定期的に通うようになると思います。
プリフィクスながらポーションが大きいのと、全体的にオリーブオイルを多用している点では女性より男性からの支持を集めそう。
そして経験値が少ないスパイスや味の重ね方で攻めてくる料理なので、食べ歩きをされている方にも新鮮味があって受けそうな気がします。
ワインはたしかスペインのみでグラスの赤白泡共に1種のみ500~600円、ボトルは10種無い程度で3000~5000円代と安ウマ系で揃えているので、料理メインで訪問した方が良いでしょう。

  • 入口
  • 2階席
  • コーンのクリームスープ

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8位

TIRPSE (白金台、目黒 / イノベーティブ、フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 3.8

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2013/11訪問 2013/11/21

独自の星を輝かせる

カンテサンス』の跡地にオープンしたこちら。
新店ながら外観は店名のロゴ以外は全く一緒なので、初訪問ながら、あたかも再訪するような気分。
扉を押し開けた店内もレセプションとセラーの中身以外は前店のままであるため、ますます初訪問という気がしない。
ちなみに支配人とシェフもカンテサンス出身であり、ここまで旧店のカラーが残っているお店は珍しいが、カンテサンスで食事をなされた方々が訪問する際は、全く別のお店だと認識していた方が良いでしょう。
ハード面での変化は無いのだが、料理、雰囲気、サービス、すべてがガラッと変わっているので。

ワインリストはフランスオンリーでヴィンテージはほぼ2000年代。
価格は5000円台からあって一通りの価格帯を網羅、値付けはレストランとしては適正価格。
特にブルゴーニュが充実しており、DRCもバッチリリストオンしてます。

こちらのグラスワインの考えは、客の好みに合わせて提供するスタイル。
料理のペアリングを前提とするのではなく、客が飲みたいワインをサーブする方が満足度が高いからとのこと。
ワイン好きの方には良いかもしれませんね、その日の気分に合わせて飲みたいワインのニュアンスをオーダーしましょう。


料理は昼夜共にコース一本。
大枠は季節ごとに変えるとのことだが、仕入れによってディテールは変更するとのこと。
再訪時も希望すれば異なる料理を提供してくれるそうだ。

アミューズは「タマネギ アールグレイ カルダモン」※メニューが無いので料理名は適当
パリパリに焼かれたタマネギはオニオングラタンを凝縮したかのように旨味が強く骨太。
余韻にアールグレーがフワッと香り、続く皿々に期待を持たせる実に美味しいアミューズ。

この後に登場するパン用のバターにも個性があり、焦がしバター風に仕立ててある。
これが非常に美味しく、キャラメリゼ好きには悶絶モノ!
パンも美味いし、ついついバターナイフが伸びてしまう。

オードブルは「サバ 原木椎茸 アプリコットのソース」
サバの燻製具合が素晴らしく単体でも十分美味しいが、アプリコットのソースやコンソメ?ジュレとの相性も秀逸。

ポワソンは「金目鯛 蕪ピュレ マコモダケ レモン」
唯一カンテサンスらしさを感じる一皿。
それ故どうしても比較してしまうが、蕪ピュレや微かに苦みを残したレモンで個性を出している。

ヴィアンドは「豚のロールケーキ仕立て ブロッコリーピュレ レモングラスのソース」
ブーダンノワールを挟んでロールケーキのようにグルリと巻き込んだ一品。
ブーダンノワールがレストランとしては個性が強く、それを相殺するためのレモングラスも必然的に強めになるので、各々がはっきりと主張してくる。
一方のブロッコリーピュレは程良い濃度で美味。

アヴァンデセールからはフランス帰りのパティシエールが担当、「洋梨 生姜 カルダモン」
生姜のアクセントが面白かったが、説明に無かったカスタードプディングの甘味、濃度のバランスが好みで美味!

グランデセールは「モンブラン ポルトソース」
別名は「ブルーマウンテン」。
一口運べば「?」は消滅、中のクリームにブルーチーズのアクセント。
ポルトソースとの相性も良いが、ワインにもバッチリ対応できるデセール。

プティフールながら秀逸の「ショコラガナッシュ シューアイス」と共にカフェ。


全体的に塩脂が控えめな点は前店と共通しているが、ドレッセや食材の合わせ方にシェフのオリジナリティが出ていて食後感は全く異なりました。
他店では堪能できない個性が楽しめる分、ストレートに味わいを楽しむ皿とは異なるので、人によって印象が異なりそう。
フルーツ系のソースや酸等、皿上に多くの要素が組み込まれていたので、それぞれが高め合うよう洗練されると素晴らしいお店になると思います。
11月からはスタッフが5人体制と充実し、これからメディアにバンバン登場するとのことですので、今後の成長が楽しみです。

  • タマネギ アールグレイ カルダモン
  • サバ 原木椎茸 アプリコットのソース
  • 金目鯛 蕪ピュレ マコモダケ レモン

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9位

トラットリアビコローレヨコハマ (平沼橋、高島町、戸部 / イタリアン、パスタ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2013/07訪問 2013/07/07

トラットリアらしからぬ、緻密な皿々

某料理人の方から推薦をいただいて訪問。
佐藤シェフの料理をいただいた経験はないが、かつて勤めていたお店からのファンの方々からは語り継がている存在であるらしく、まさしく「満を持して」の独立なのでしょうね、そんなファンの方々が押し寄せるのか、オープン直後の夜ながら予約で満席。
週末は予約無しでの訪問は難しいとのことで、今後はドンドンと予約難になりそう、シェフのファンの方々はもちろん、僕の様な一見様も訪問するなら早めのほうが良さそうです。

店内はテーブル席のみでシンプルな造り、オープンキッチンではあるが間にデシャップがあるため、眺められるのはLIVE感ある調理風景とはいかず。

メニューはアラカルト主体で、ストゥッツィキーノは3桁、アンティパスト、プリモピアットは1000円台、セコンドは2000円台で統一されたシンプルな価格設定。
その他お任せコースが1つ設定されており、内容を尋ねるとアラカルトで気になっていた料理が見事に入っていたのでこちらをオーダー。
アラカルトの内容は季節毎で大きく変えるそうです。
ちなみにランチは以下の3コースでした。

・前菜盛合わせ+パスタ 1500円(ドルチェは+300円)
・前菜盛合わせ+パスタ+メイン(魚 or 肉) 2800円(ドルチェは+300円)
・前菜+パスタ+メイン(魚 or 肉)+ドルチェ 5500円

ワインはイタリアオンリーで、ボトルも3000~5000円台が厚めにオンリストされており、MAXでも10000円チョイとお手軽な印象。
イタリアワインはサッパリなので、値付けの安高は不明。
グラスはスプマンテ1種に赤白が3種類でいずれも3ケタ、ディジェスティーヴォも幾つか用意されてます。
その他、日により異なると思うがメニュー外も用意されてました。

なお、税サは無く、コペルト代として300円でパンが付きます。


料理は始まり、1皿目は「オーヴォリ(タマゴタケ)のサラダ」
冷菜として登場したタマゴタケは、添えられた目玉焼きの卵黄と混ぜ混ぜしていただく一品。
オーヴォリは上品な味わいで、卵黄が濃厚さをプラスしている。
華やかな風味のバルサミコやパルミジャーノと味の要素は多いが、香りも含めてオーヴォリが主役となるようキチンと計算されている。


続く2皿目は「バジリコ風味 トリッパと野菜の煮込み」
温菜として登場するトリッパは珍しいバジリコスタイル。
個人的に内臓ラブというのを差し置いても旨い!旨すぎる!!
トリッパは臭み無く柔らかなのは当然ながら、ネットリとした触感もあって舌に絡みつく。
夏らしく清涼感あるバジリコとミルポワ感あるスープが相まった時の味わいは悶絶モノ。
久々に独り悦に入ってトリッパでトリップ!


3皿目は「オレンジを織り込んだタリアテッレ モエビのアーリオ エ オーリオ」
プリモはバランス感覚が緻密!オレンジとフェンネルの合わせ方は旧シェフ時代の『SALONE 2007』に近いものを感じた。
モエビの味付けも、アーリオもオーリオもオレンジが主役たり得るギリギリのラインで、食べてて凄みすら覚えた。


4皿目は「ジャガイモで巻いた仔羊のロースト ヴィンコットのソース」
こちらも仔羊の癖なく柔らかで、旨味とミルキーな幼さが程良い具合。
カリカリのジャガイモで触感を追加しており、ヴィンコットのほのかな甘味も優しい仔羊に合っている。
塩もバッチリ決まっているのに、不思議といやらしさは感じない塩梅、久々にイタリアンで美味いセコンドを頂けて満足♪


最後は「桃のコンポートとザバイオーネ」
コンポートもザバイオーネも、主役の桃の味わいを阻害しない甘さ。
下に隠れたソルベ(素材は失念・・・)は冷と触感を担っている。
ホッと落ち着く、〆に相応しいドルチェ。


食後のカフェはコーヒー各種(エスプレッソ等)に紅茶からチョイス。
トラットリアというと大味で濃い料理を想像するが、こちらは皿内の主役を活かすよう、他の素材や調味料、味付けが緻密に計算されている印象を受けました。
リストランテ カシーナ カナミッラ』時代にクレアティーヴォな料理を作っておられたからでしょうか、「トラットリア」冠に似つかわしくない料理を堪能できて大満足でお店を後にしました。
ただし、ガツンと来るような料理ではないため、人によっては本サイト通りの評価とはならず、無難な印象に終始してしまう恐れがあります。
サービスもフランクな感じで接しやすく(差はあるが)、カジュアルに使えそうなお店です。
メニューには鮮魚へのこだわりが書かれていたし、次回は魚をメインにアラカルトで攻めようかな。

  • オーヴォリのサラダ
  • バジリコ風味 トリッパと野菜の煮込み
  • オレンジを織り込んだタリアテッレ モエビのアーリオ エ オーリオ

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10位

レストラン イリエ ル ジョワイユー (表参道、外苑前、明治神宮前 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 3.8

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2013/08訪問 2013/11/23

個性的な皿々、しかし土台は盤石

8月某日の昼に訪問。

表参道時代の『ピエール・ガニェール』のシェフである入江氏がシェフとしてオープンしたこちら。
前店からほど近い場所に構えたお店は店内から皿に至るまで白を基調としており、シェフの出身地である北海道を想像させる。
一方では高い天井や立派なシャンデリアでラグジュアリーな雰囲気も兼ね備えている。

昼はメイン1品とメイン2品+ミニャルディーズの2コースで、今回は前者をオーダー。
料理名は源流を汲んでおり、味わいが想像できるほどに丁寧。

まずはBruno Paillardと共に「玉葱とベーコンのフィナンシェ 黒オリーブのパイ グージェール」
かなりエッジが立った仕上がりで、泡がスイスイ進む。


アミューズは「アオリイカ/キュウリ/青パパイヤのアリュメット 酸味の効いたエシャロットとクリームチーズをお好みで」
アミューズとは思えないポーションだが、クリアな味わいの食材と仄かな産で夏らしいサッパリしたアミューズ。


オードブルは「滑らかなフォアグラのムース 赤ビーツの鮮やかなクロッカン 北海道産帆立貝のアモンティリャードマリネ カリカリのトーストをアクセントにして」
サーブされた瞬間から目に刺さるビビットなピンク!
がしかし味わいは奇を衒ったものではなく、緻密に計算された全うなオードブル。
極めて滑らかな舌触りにはトーストで食感を、脂の重みには帆立の甘味でフォアグラを十二分に引き立てている。
見た目重視のフレンチとは異なり、手の込んだ皿で美味。


メインは肉をチョイスし、「三重県産松坂ポークの低温ロースト 山椒風味 カボチャのニョッキ ホワイトバルサミコビネガーの酸味で」
松坂豚らしい甘い脂を堪能できつつ、重さを酸で柔和している。
山椒等で軽く変化球を入れてはいるが、今までの流れとは異なる直球気味な料理にシェフの幅の広さが窺える。
なお、魚はオードブル同様ビビットカラーでした(笑)


アヴァンデセールは「キウイフルーツのベルベーヌ風味 酸味の効いたヨーグルトの泡にメレンゲを添えて」
サラッと舌を洗い流す以上に記憶に残る、素晴らしいデセール!
個人的にベルベーヌ好きってのも影響しているが、酸とベルベーヌの風味のバランスが素晴らしい!


グラン・デセールは「バナナのオーブン焼き・ショコラの軽いクレームとフィヤンティーヌ トンカ豆の香るアイスクリームと共に」
鉄板相性のチョコバナナ、リッチな味わいではあるが、季節的にもアヴァンデセールの印象に隠れ気味。


見た目重視でトリッキーな料理が続くと思いきや、以外にも土台のしっかりしたフレンチが楽しめて満足でした。
「ここでしか食べられない」皿々が楽しめるし、雰囲気もしっかりしてますし、訪問する価値はあります。
サービスは親会社がウエディングらしくキッチリとしていましたが、レストラン特有の箇所に関しては隙を見せる場面もあるかな。
それにしても、2013年の日本フレンチは『ピエール・ガニェール』が席巻してますね、『ロオジエ』やら『シグネチャー』やら当店やら、関係者がドッとシェフに就任していますし。

  • 玉葱とベーコンのフィナンシェ 黒オリーブのパイ グージェール
  • アオリイカ/キュウリ/青パパイヤのアリュメット 酸味の効いたエシャロットとクリームチーズをお好みで
  • 滑らかなフォアグラのムース 赤ビーツの鮮やかなクロッカン 北海道産帆立貝のアモンティリャードマリネ カリカリのトーストをアクセントにして

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