駆け出しの紳士さんのマイ★ベストレストラン 2012

駆け出しの紳士のレストランガイド

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駆け出しの紳士 (40代前半・男性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

2008年から食べログさんにレビューをアップしていますが、5年目にして初めてベストレストランのコメントをアップします。
理由は今年は50回弱程外食しましたが、怠慢のためレビューが全く追い付いていないという現状を補完するためです。
それと、自分の振り返り用ですかね~。

個人的には、2012年は料理を食べる時に美味しい点のみを堪能するようになりました。
料理人の方々は、志した時からず~っと料理と向き合い、ジャンルによっては母国語が通じない現地に赴いて修業を重ね、お店の利益と自分が求める完成度を天秤に計りながら料理を提供しており、「粗探し」のみに注力しながらいただくより、数多にある「光り輝く」点を感じながらいただく方がはるかに満足度が高くなるのと、せっかくの外食で損した気分になりたくないとゆー貧乏性の表れからです(笑)
「ならば採点するな!」というのは仰る通りですが、そこは備忘録としてご容赦ください。

さて、例年なら新規訪問店のみ対象としていますが、今年は再訪店ランクインもさせました。
ちなみに(新)は2012年新規訪問、(再)は再訪店、(MVP)はそのまんま(笑)
それぞれタイトルレベルの一言コメントも添えてます。

①カンテサンス(再)
 岸田シェフの感性を頂ける幸せ
②エスキス(新)(MVP)
 五感で感動する皿々
③晴山(新)
 滋味深い
④リストランテ濱崎(再)
 上品、食材レベルも素晴らしい
⑤TU・SHI・MI(新)
 野菜が主役たる食材同士のマリアージュ
⑥徳うち山(新)
 味付けが好みにクリーンヒット
⑦くろぎ(再)
 輪郭クッキリ、彫りが深い料理
⑧アムール(新)
 万人受けするプレゼンテーション
⑨ラシェリール(再)
 全ての水準高く、レストランと呼ぶに相応しい
⑩L'AS(新「)
 エンターテイメント


ちなみにランク外での2012年新規訪問店は以下でした(順不動)
・くろいわ
・詠月
・賛否両論
・ビストロ間
・ミラヴィル・インパクト
・デジーノ
・ル・ジュジュ
・ラ・フィネス
・俺のフレンチ
・ヴェントアマーレ
・アーリア・ディ・タクボ
・ビオディナミコ
・庫裏
・インカント
・グリグリ
・プリンチピオ
・もち豚とんかつ太陽

マイ★ベストレストラン

1位

エスキス (銀座、有楽町、日比谷 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2012/07訪問 2012/11/11

真のスターチームが織り成す、至福の皿々

彩り鮮やかなドレッセで視覚を、皿内で次々と表情を変える料理で味覚を、アタックと余韻で嗅覚を。
前任であった『トロワグロ』で感じたリオネルの才能が席数を減らすことでギュッと凝縮して皿上で表現されており、一口毎に至福を感じられる素晴らしいお店。
ぜひ各料理の最初の一口は目を瞑り、味覚のみに集中して変化を堪能していただきたい。


某日、リオネル氏がシェフとして新店をオープンするとの情報を聞きつける。
HPで情報が公開されると、パティシエやソムリエも超一流の方を布陣していることを知り、訪問日が来るのを楽しみにしていました。
エレベーターで9Fに上がると即レセプションがあり、店内は白を基調としていて店名のとおり実にシンプル、高い天井は『トロワグロ]』のような木製の梁がある。
テーブルに案内されると目につくカトラリーやテーブルウェアが実に豪華で、銀座レストランの雰囲気を感じられます。
9Fということもあって眺望も楽しみにしていたが、こちらは他の銀座ビルレストランに軍配が上がるかな、ディネだとまた違った結果になるかもしれませんが。

今回はランチで訪問し、10000円コースをチョイス。
コースにはグラスシャンパン1杯とミネラルウォーターが含まれているため、料理だけなら8000円程度かな。
ちなみにアルコールがNGな方にはシャンパンより高い(らしい?)ジャスミンティーがグラスで提供されていました。
なお今回は個室にお篭りで接客が一部しか見られなかったので、次回はダイニングでサービスを受けたいです。

まずはトロワグロ同様のアミューズラッシュ。
1品目は「稚鮎のフリット」
流線型の稚鮎はフックラしており、粗目の衣のザクザクしたコントラストが楽しめる。
肝ソースの仄かな苦みやアンディーブのフローラルな香りと、次々と味覚が変化する料理はアミューズから全力投球。

2品目は「ホタテとほおずき」
アタックはほおずきのまろやかな酸味を感じ、舌が馴染んだ頃にホタテの甘みが攻めてくる。
余韻はヴェルヴェンヌでスッキリとフィニッシュ、こちらも味覚の変化が計算されていていて実に緻密。

3品目で漸くオードブルに到着、「雲丹を添えたういきょうのフラン」
レモングラスやフェンネル等とハーブの香りがフワッと広がる。
バターのミルキーなアロマも楽しいし、味に重さが追加されてボリュームを感じさせます。
雲丹の甘味もドッシリと存在感を放っていて美味。

続いては「フォアグラと岩牡蠣のナージュ仕立て」
サーブ後にテーブルでスープを後かけするスタイル。
フォアグラは脂控えめ旨味タップリで蕩ける美味さ。
牡蠣も滑り感じる程の軽い火入れで鮮度を感じるし、両者を繋ぐコンソメはほんのりカレーを感じて面白い。
食感と軽やかさの演出するチュイルもお忘れなく。

ポワソンは「イサキのポワレ ルッコラのソース」
ブリンブリンと弾力ある身とパリッと軽快な皮とのコントラストを演出する火入れが素晴らしい!
塩も素材を輪郭づける程度の量だし、ルッコラを使ったソースの青々しさが季節を感じさせるし、実に美味でした。

ヴィアンドは「鳩のロースト」
今まで食べた鳩の中で1,2を争う素晴らしい出来栄え!
レアな火入れながら肉汁を見事に閉じ込めており、咀嚼の度に溢れる旨さと弾力ある肉質は感動モノ!!
塩の馴染み具合も絶妙だし、軽やかだが鳩を感じるジュやレモンのコンフィによる爽快感も見事だし、食べて無くなるのが惜しくなるほどのレベルでした、また食べたい!!!

アヴァンデセールは「パイナップルのコンポートとココナッツのソルベ」
パイナップルは酸味控えめで糖度が高く、高級感溢れていて美味。
同じ南国系なのでココナッツとの相性も抜群!チュイルもしっかりココナッツしているし非常にリッチな一皿。
これはマイ・ベスト・アヴァンデセールかも、グランデセールより断然こちらの方が好きでした。

グランデセールは「アーモンドのスフレ」
確かに美味しいが、とてもスフレが主役に思えない・・・
脇の方にチョコンと佇んでいるし、味・見た目共にフルーツの方が勝ってるし、ビールのゼリーやリキュールのアイスの個性が際立つし、スフレにフォーカスが行きません。
料理名に出ているものを主役とするか、組合せの妙を楽しむようなデセールが食べとうございました。

食後はプティフールとカフェ。
ちなみにプティフールは同じものがお土産でいただけます。


極上食材に超一流の技術を加えた料理はどれも最高に美味なのですが、如何せん男性にはポーションが小さすぎる。
パンをガツガツと食べ勧めても食後は6分程度で、「この後、何か食べようかな」ってのが頭を過りました。
とは言え料理の味としてはフレンチでトップレベル、2013年版のタイヤの評価には間に合わないだろうけど、予約が取れるうちにぜひ訪問すべき!

  • 稚鮎のフリット
  • ホタテとほおずき
  • 雲丹を添えたういきょうのフラン

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2位

ラス (表参道 / フレンチ、ビストロ、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2012/03訪問 2015/07/23

エンターテイメント性溢れるレストラン

---4月再訪---

今回は写真撮りました^^
約2週間に1回メニューチェンジとのことですが、全てリニューアルするのではなさそうですね。
さらに毎回前菜・魚・肉ってスタイルでもなさそうです。

ボトルはフランス以外にも世界中のワインを取り揃えており、料理同様に価格がリーズナブル!
料理に合わせてグラスをオーダーするのもいいけど、この価格なら有名所をボトルで楽しむのもアリですね。

さて、今回の料理は以下。
アミューズ : フォアグラとピスタチオのクリスピーサンド
冷前菜 : 野草と味わう冷製ホワイトアスパラガス
温前菜 : 筍のオーブン焼き、豚足のエクラゼ添え
スープ : 春キャベツのスープ (写真失念・・・)
ヴィアンド : 短角牛ヒレ肉の岩塩包み焼き
アヴァンデセール : 3種のミニトマト バジルのジュレ
デセール : ルバーブとクリームチーズのタルト

アミューズは毎回モッツァレラチーズと書きましたが、誤りでした・・・
某クリスピーサンドを模したアミューズはピスタチオの甘さとフォアグラの相性が抜群だし、温度差による味わいの変化が面白い!
ホワイトアスパラガスは何度食べても美味しいし、存在感溢れる筍もフレンチではあまり見かけないルックスで印象深い。
スープもザクザクと食感が感じられる、春キャベツを食べるスープと言った感じでオリーブオイル香る優しい味わいが美味。
短角牛は岩塩包みの火入れが絶妙で久々に歯が沈む食感を堪能!ブラッディな香りからもじっくり穏やかに火入れされたことが伝わります。
アヴァンデセールは前回同様に鉄板の味わいだし、最後はクリームチーズの酸味でサッパリとフィニッシュ。

いやいや、やはりこのお店は楽しい!
もう予約困難なのでメニューチェンジ毎の訪問は困難になったが、少なくても季節毎には訪れたいです。


---3月訪問時---

QUAND L'APPETIT VA TOUT VA!』の初代シェフである兼子シェフがオーナーのこちら。
個人的には前店での料理がイマイチ印象に残らなかったので暫く様子見してましたが、周りでの評判が抜群に良く、2年振りに兼子シェフの料理も食べてみるかな~という軽い動機で訪問。
がしかし、実際に料理を食すと懸念は一気に払拭、「何でもっと早く訪問しなかったんだろ~」と激しく公開、久々にその場で次回の予約をするほど感動しました!
さて、今回いただいた料理は以下。


アミューズ:「出来立てホヤホヤのモッツァレラチーズ」
小さく透明なカップの中には一口サイズのモッツァレラチーズが2つに、オリーブオイルをタラリと。
オリーブオイルの青々としたアロマにモチモチッと手作り感溢れる食感のチーズが美味!
塩をパラリと振って輪郭もクッキリ際立させているので食後感もあります。
今の所、こちらはメニューチェンジしても毎回登場するので定番料理となるのかな?
ど~しても『レストラン・カンテサンス』を思い浮かべちゃいますが、こちらはキッチリとチーズが主役になってる印象。

冷製オードブル:野菜と味わう冷製ホワイトアスパラガス
太く長いホワイトアスパラを丸々一本デンッと鎮座させており、周りを数種類のハーブや食用花で白い食材を赤黄緑と彩って見た目も華やかな一品。
トマト水でマリネしたホワイトアスパラは溢れるジュがアスパラの甘みとトマトの柔らかい酸味と見事にマリアージュ、これは凄い!
一部、主役を食う程に強烈なハーブもありましたが、程良い苦みがアクセントになって美味。

温製オードブル:ビスク オ バスク
ビスクと言っても甲殻類は使用せず、チョリソとホタルイカで作成したもの。
こちらの料理は構成に遊び心があって、スープ、パプリカのラスク、ピマン・デスペレット(バスク地方の唐辛子だそうです)と3皿構成でサーブされる。
ビスクは火入れしたホタルイカの旨味がブワッと攻め立て、余韻にピマン・デスペレットの辛味が口内を満たしてくれる。
この辛味のバランスが絶妙で、ついついもう一口とスプーンが止まらない!
ラスクをスープに浸すとサクサクっとした軽い食感も追加されるし、久々に美味いスープを堪能しました。
別皿のピマン・デスペレットはお好みでって事でしたが、既に完成されたバランス感だったので今回は使用せず。

ポワソン:桜マスのミキュイと春野菜、オリーブナージュ仕立て
出色の一皿!久々に感動を覚える料理でした!
艶っぽくミキュイに火入れされた桜マスが咀嚼で解けていく食感は極上ですが、それ以上なのはスープ。
オリーブが香るスープにアシェした玉葱の仄かな甘みと力強い香味が見事にマッチ!
タップリのフェーブ(ソラマメ)とプティポワ(グリーンピース)の配色からは春を感じさせるし、ホクホク・プチッとした食感やじんわりとした味わいも心地よい。
ん~、僕もこのスープにナージュしたい!

ヴィアンド:仔ウサギ背肉のペルシヤード
鳥ムースを仔ウサギの背肉でガランティーヌし、上部にペルシヤード(パセリや大蒜をパン粉と合わせたもの)を振って火入れしたもの。
最後に骨を上部に突き刺し、見た目はまるで「仔羊の香草パン粉焼き」状態でチャーミング♪
チーズを感じさせるミルキーな味わいのラパンはしっとり柔らかく、トランペット茸香る赤ワインソースも上品で見事な一体感!

アヴァンデセール:3種のミニトマト バジルのジュレ
ミニトマトは甘さ先行ながら酸味とのバランス感が良いし、緩めのジュレからはバジルがブワブワ感じられて爽快感が心地良い。
お好みで同時にサーブされるオリーブオイルもどうぞ。
ひょっとしたら「マイ・ベスト・アヴァンデセール」かもしれない、これ大好きです!

グランデセール:クレープ オ カフェ クルミのヌガティーヌ
濃いめのコーヒーにエイッと砂糖を投入し、それを求肥で包んだ感じ。
クリーム状のコーヒーは濃度が高く、同じぐらい糖度も高くて甘いもの好きには堪らない。
周りを包む求肥がモッチモチで、さながら「雪○大福コーヒー味」のリッチ版って感じ。
ヌガティーヌでサクサク食感も忘れずに。


いや~、久々に全皿外れなしで大満足!
そりゃ5250円で出せる範囲なので素材は価格帯が上のお店には劣るけれど、それを上回る技術とバランス感覚が非常に好み。
料理はもちろんながら、カトラリーを引き出しに収納するパフォーマンスや料理の構成が面白いし、丸見え過ぎるオープンキッチンや料理人がサーブしてくれる環境も非常に楽しい。
お店にいる間、ずっとワクワクさせてくれる『L'AS』、予約が取れる今のうちは2週間置きに訪問したくなりました。

  • フォアグラとピスタチオのクリスピーサンド
  • 野草と味わう冷製ホワイトアスパラガス
  • 筍のオーブン焼き、豚足のエクラゼ添え

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3位

デジーノ (神楽坂、牛込神楽坂、牛込柳町 / フレンチ、ワインバー、創作料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2012/03訪問 2012/04/23

ライトで手軽なクラシックフレンチを

こちらの金田シェフは現『ラトラス』の田辺シェフが『ラ・トゥーエル』にいた時に共に働いており、その後渡仏。
帰国後は幾つかのお店でシェフを経験した後、このお店のシェフとして招かれた。
このプロフィールを見て、『ラトラス』大好きな僕は俄然興味が沸き、ディネで訪問。

店内は壁下半分がウッディな造りで、上半分は白く落ち着きと解放感を演出。
個性的な点は、店内奥にガラスで仕切られた中庭が備わっていること。
きっとランチだと採光が雰囲気をグッと押し上げてくれるんだろうなぁ、と思いつつカルトをチェック。

料理はプリフィクスが3種類とアラカルトにも対応。
このお店の特色は魚料理。
築地より入荷した鮮魚を日替わりで1種類のみ用意しているが、調理方法が選択可能。
訪問時は3種類用意されており、「クラシックスタイル」「サラダ仕立て」「プロヴァンサル風」というラインナップ。
どれも美味しそうで、何をチョイスするか非常に悩ましい。
2点目はプリフィクスで全皿追加料金が無いこと!
「コレが食べたいけど、+○円かぁ・・・」と諦めることなく料理を選べるのは客目線で嬉しいスタイルですね。
ちなみに昼はほぼ同じ内容の料理で若干お手軽な価格設定だが、夜の方がCPの高さを感じます。


さて、今回は前菜・魚・肉・デセール4皿のプリフィクスをオーダー。
アミューズは『ラトラス』を踏襲した3種スタイルで、「新玉葱のスープ、豚のリエット、自家製オリーブ」。
新玉葱の甘みとオリーブオイルのフレーバーが心地よく、生ハムで塩分を追加してしっかりアミューズしている。
リエットは少量の鴨も含んでコクを追加、サクッと軽快なラスクと一緒にいただきましょう。
オリーブはミルポワな香味との一体感が素晴らしく、シャンパーニュが進むこと進むこと。


オードブルは「7日間熟成のフォアグ入り イベリコ豚のテリーヌカンパーニュ  グレックレギュームを添えて」
こちらのテリーヌはやや粘度があり、豚の繊維質を感じられるスタイル。
イベリコ豚の旨味がギュっと詰まっているのはもちろん、脂の甘みとフォアグラのマリアージュが楽しめる。
上に乗せたコンソメジュレは透明感と奥深さを併せ持った味わいがクラシックらしさを感じさせるし、周りを彩るレギューム(野菜)は仄かな酸味で口内をリフレッシュ、再びテリーヌへとナイフを進めましょう。


続いてのポワソン、訪問時はの鮮魚は「黒鯛」。
クラシック色が強いお店なので、調理法はそれを一番感じられそうな「ビスクソース クラシックスタイル」をチョイス。
皿からムンムンと立ち上るビスクの香りが堪らない!
もちろん味わいもビスク率が非常に高いが、バターを控えているためか、旨味は残しつつ食後感はライトなのでサクサクとナイフが進みます。
黒鯛の皮目パリッパリな火入れやタップリなガルニチュールからもクラシックらしさを感じさせるし、ん~ワインが止まらない♪


ヴィアンドは「フランス産鴨のロースト フォアグラのフラン 赤ワインポルトソース」。
ラ・トゥーエル』に勤めてらしたので、ヴィアンドはやっぱ鴨でしょ。
むっちりとした肉質の鴨から咀嚼の度に溢れる旨味とソースとの相性が抜群!
肉が主役になりすぎず、ソース単体でもしっかり美味しいのが良いですね~。


デセールは「ラム酒を効かせたバナナ入りフォンダンショコラ グラスバニラ添え」
フォンダンショコラの中にはアツアツのチョコがトロリ、バナナとの相性は言わずもがなの味わい。


食後は3種のプティフールとカフェ。
クラシックなソースを食べさせる料理でありながら、バターが控えめなのか、どれも食後感はライト。
味付けも塩を舌に感じさせずソースとの親和性が高いし、クラシック系のどっさりガルニが味にも皿の彩にも多様性を持たせてくれるし、満足度の高い料理がいただけます。
久々にクラシックスタイルの新店ということで期待度は高まりまくり、また訪問しま~す。

  • 3種のアミューズ
  • 7日間熟成のフォアグ入り イベリコ豚のテリーヌカンパーニュ  グレックレギュームを添えて
  • 築地より入荷した黒鯛 ビスクソース クラシックスタイル

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4位

レヴェランス (広尾、白金高輪 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: -

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2012/11訪問 2012/12/09

ヌーヴェルとクラシックを融合した皿々

ヌーヴェルな技法と盛り付けを駆使しつつ、クラシック風なソースも美味。
火入れも上手だし、将来有望な若手シェフの料理を堪能あれ。
もちろん、フレンドリーで博識なオーナーソムリエのサービスも楽しんで。


2012年版で見事☆に輝いたこちら。
だが決して順風満帆ではなく、脚光を浴びるまで2度ほどのシェフ交代があった。
そんな歴代のシェフ達は『スモールワンダーランド』と『ヴァリノール』でそれぞれ人気店のオーナーシェフになっていることを考えると、オーナーには先見性か育成力があるのでは?と考えることもできる。

店内は白を基調としており全体的にシンプル、特徴的なのは、各テーブルに間接照明が備わっていることか。
ランチは採光が店内を照らしているために点灯OFFしていて不要だが、ディナーではテーブルに優しいムードを与えてくれそう。

料理は昼夜共にワンコースのみ。
以前はヌーヴェル寄りとクラシック寄りの2コースをがあったが、現在は1本に絞って双方のエッセンスを出したコースになっている。
ちなみにチーズはコース外の、日替わりで1品を使用したリゾットスタイルで提供しており、フルポーションとハーフが選べる。
今回はチーズはオーダーせず、オードブル~ヴィアンドに合わせたグラスペアリングをオーダー。
ペアリングコースではワイン以外にも日本酒をサーブするなど、枠に捕らわれずグラスで提供できる範囲でベストなマリアージュを堪能できます。
ちなみに日本酒はグラスのみだそうです、寧ろペアリングコースのみかな?


アミューズは3種で上から時計回りに「グジェール クロワッサン ブラックオリーブのケークサレ」
グジェールは生地がモッチリフワフワでシューケーキそのもの、ハードタイプのチーズで塩味とコクを追加。
「世界一小さい」と銘打つクロワッサンは可愛らしいルックスながらサクッとした食感とバター香、アンチョビのアクセントを楽しめる。
ケークサレはオリーブの主張強く、鼻を通る香りがたまらない。


オードブルは「サンマのサラダ・ニソワーズ」
サンマはマリネしてあり、ドレッシングの酸味も手伝って癖なく軽やかながら旨味はタップリ。
下にはキュウリやパプリカと言ったシャキッとした野菜が敷かれており、食感からも軽さを追加。
ニソワーズに欠かせない卵は卵黄のみ使用してオリーブオイルでコンフィしており、突いても破れないので濃厚なままを楽しめる。


ポワソンは「イトヨリダイのポワレ」
皮目パリッと身はしっとり、食感のコントラストと身の旨味を楽しめるベストな火入れ。
根セロリのピュレは実に印象深く、濃度が高くてイトヨリダイとの相性も抜群。
流線型のセロリでルックスもよろしいですね~。


ヴィアンドは「銘柄豚のロースト カルヴァドスソース」※銘柄は失念・・・はまゆり or 白ゆり だったか?
こちらもポワソン同様、皮目パリッと身はジューシー、キッチリ肉汁を閉じ込めていて咀嚼の度に溢れる旨味が堪らない!
それ以上に素晴らしいのがカルヴァドスソース、豚脂の甘味とカルヴァドスのリンゴな甘さと仄かな酸味がベストマリアージュ、これは実に美味い!!
野菜には軽くシナモンを振ってあり、嗅覚からもリンゴを思わせる仕掛けがあるとのこと。
ポワソンまではヌーヴェル寄りな料理だった分、クラシックのエッセンスが加わったヴィアンドは実に印象的でした、本日のベストディッシュ!!!


デセールは「栗のクレームブリュレ シャルトリューズのアイス」※写真失念・・・
栗の風味が効いたクレームブリュレも良いが、シャルトリューズの大人フレーバーなアイスが美味!


プティフールと共に、オーナーソムリエのこだわりタップリなドリンクを。

料理は美味しく、皿順を考えられた構成になっているが、ヌーヴェルとクラシックを合わせているせいか、どうしても後者スタイルの方が印象的になってしまい、前者の印象が薄れて総合的な評価は若干控えめになってしまう。
訪問時はシェフ一人で調理しているとのことなので、多少値段が上がってもキュイジニエを一人増やすと、より緻密に作りこまれた完成度の高い料理が提供されると思う。
サービスもオーナーソムリエ一人ながら、ワイン以外にもドリンク全般の知識が深く、トークはもちろんペアリングコースや食後のドリンクに只ならぬこだわりが散りばめられている。
とはいえ非常に気さくな方なので、料理orワインに興味がある方には一層力の入ったトークをしていただけます。
客との距離が非常に近いサービスを受けられるので、常連扱いされるお店が欲しい方には、ぜひお勧めです。
総合的に、この内容だと、もっと予約困難になっても良いと思うんだけどな~。

  • アミューズ(グジェール クロワッサン ブラックオリーブのケークサレ)
  • サンマのサラダ・ニソワーズ
  • イトヨリダイのポワレ

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5位

グリグリ (麻布十番、六本木、六本木一丁目 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: -

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 3.7
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥5,000~¥5,999

2012/12訪問 2013/01/05

スパニッシュの要素を取り入れたフレンチ

十番商店街を六本木ヒルズに向かって歩いたビルの2Fにオープンしたフレンチ店のこちら。
訪問の食指を動かしたのはシェフの経歴で、二つ星時代の『レストラン・ピック』(2007年より三ツ星)にて前菜部門と魚部門のソーシエを、サンセバスチャンの名店『マルティン・ベラサテギ』での修行経験もあるとのこと。
帰国後は名古屋にてオーナーシェフとして店をオープンし、2012年11月に満を持して東京に移転。

ビルの2Fに上がってドアを開くと店内は白を基調としており、ライトグレーの絨毯と相まって明るい雰囲気を演出しています。
席はカウンターとテーブルのみでMAX14席と、コンパクトな配置。
それはカウンターの眼前にキッチンが備わっているオープンキッチンスタイルで、シェフの目の見える範囲で客をもて成したい、という気持ちの表れからでしょうか。
ちなみにカトラリーはChristofle、お皿はBERNARDAUDと高級感あり。

料理は昼夜共にプリフィックス一本だが、その内容が個性的。
通常は皿毎に料理名が記載されていて、その中から客が選択するスタイルだが、こちらは「食材」のみ記載されている。
その食材をメインとした料理をシェフが提供してくれるという独創的な方式で、ランチは5種の食材から2種を、ディナーは7種の食材から3種を選択可能、食材は凡そ季節毎に大きく変更するとのこと。
ちなみに各食材をオードブルとした場合、メインとした場合の料理はサービス担当のマダムに尋ねると教えてくれます。
今回は「ジビエ」と「魚」をオーダーしたが、2皿とも同じ食材を選択することも出来るのかな?その辺は未確認。

ワインリストはほぼフランスで占めており、6000円代からDRCと実に幅広いラインナップ、泡はシャンパンオンリー。
高額にマッピングされているボトルのページには「suite」の記載があるのが個性的。
見た所、ブルゴーニュとローヌの赤が充実しており、特にローヌはシェフの修行先故か、他店よりも充実したリストになっていました。
ちなみに「ほぼ」の例外に当てはまるのは、なんと日本酒!「醸し人九平次」のみリストオンしてます。


さて料理は始まり、まずはアミューズ5種。
スナックからスープ、カクテルと多種多様で、奇を衒った感じはなく食材の味がダイレクトに感じられる味わい。
泡々してたり食材直球のアミューズで、入り口はスパニッシュな要素が強いかな?


オードブルは「ジビエ」から、「ジビエのパテ・アンクルート」
鹿、鴨、鳩、フォアグラ等が入ったパテアンクルートは粘度が控えめで、やや大振りにカットされたジビエから溢れる強烈な旨味とフォアグラの重さが見事に調和していて実に美味い!
ガルニのブドウがまたお見事で、甘味重視の味わいとパテのマリアージュが素晴らしい!『アンドセジュール』以来のワイン不要なフォアグラージュ!
自分史上最高のパテ・アンクルートだったな~これはまた食べたい!


メインは「魚」から「ヒラメのヴァプール シャンパーニュのエスプーマ」
シェフが直接サーブしてくださり、眼前でトリュフの様にホワイトチョコを削りかけて完成する。
じっくりヴァプールしたヒラメは噛み締めると溢れるフュメが実にジューシー、シャンパーニュの繊細な酸味と、微かに感じるチョコレートの甘味が広がりを与えてくれる。
ヒラメ自体は『レフェルヴェソンス』に近い火入れだが、大多数の方は「皮目カリッと身がフックラ」なポワソンを好むので、左記店でも批評されているように賛否両論なプレゼンテーションだと思う。
ガルニチュールで食感や味わいを補佐していればグッと印象が変わると思うが、今回はルックス面での印象が強かったかな。
次回は別の調理法のポワソンも食べてみたいです。


デセールは固定で「ショコラのショーフロワ」
ヴァローナのドームの中には冷たいミルクショコラ、更にカシスのグラニテが入っている。
サーブ後に温かいショコラをかけて完成。
2種のショコラが濃厚で、奥にほんのり感じるカシスのアクセントが美味。


プティフールは3種ほど。
アミューズと同様、奇を衒った感じは無くルックスから想像できる味わい。
食後のドリンクはコーヒー、エスプレッソ、紅茶、ハーブティーから選択可能。


ランチからソコソコの値段を取るだけあって、プリフィックスにジビエ・カニ・牛肉と言った高級食材がリストオンされており、料理でもトリュフやフォアグラ、ヴァローナ等の値段に見合った食材が使用されている。
確かにオードブル~デセールはレベル高く美味だったが、アミューズ・プティフールが弱いため開演のワクワクと終演の余韻が感じられず、勿体なさを感じました。
4500円だと料理以外の要素も要求されるので、これから底上げしつつ個性をドンドン出して飛躍してほしいと思います。

  • アミューズ5種
  • ジビエのパテ・アンクルート
  • ヒラメのヴァプール シャンパーニュの泡

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