駆け出しの紳士さんのマイ★ベストレストラン 2011

駆け出しの紳士のレストランガイド

メッセージを送る

駆け出しの紳士 (40代前半・男性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

レストラン リューズ (六本木、六本木一丁目、乃木坂 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2011/02訪問 2011/02/18

素晴らしき素材、技術、空間

お店の流動が激しい六本木にあって、またも新店オープンの情報を耳にする。
今回は二つ星『ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション』の飯塚隆太シェフがオーナーというビッグネーム。
すぐに予約困難になるだろうと思い、予定の隙間を狙って訪問。

吹き抜けの階段を地下へ降りると、オープン記念の花束と共にお店を発見。
店内は所謂モダンレストランな印象で、大理石チックなダークカラーな壁でスタイリッシュに、白い天井で開放感を演出。
ダイニングに個室も備えているが、意外なのはカウンターがあること。
「この雰囲気でカウンターかぁ~。」と呆気にとられながらも、席に着いてみると納得。
ダイニングが背にくるよう配置しており、周りの視線を気にせず訪問できる、お一人様には嬉しい配慮。
正面にカウンターキッチン形式で大きなプランチャが備えられており、真剣な眼差しで火入れをするシェフを見ていると料理への期待がこの上なく高まる。
そんな距離感なので香りという臨場感は圧倒的!魚や肉のフェロモンがガンガン届いてサーブされるまで辛抱たまらん!
ただ、デセールやカフェの時もフェロモンがモンモンなのは一長一短、短い部分はオープン直後かラストオーダーの訪問で多少は緩和できるでしょう。
いや、2名以上でテーブル席をリザーブするのが一番ですね。


さて、ランチはオードブル・メイン・デセール1皿ずつのプリフィクスと、オードブル2皿・ポワソン・ヴィアンド・デセールのコースの2種類
せっかくなのでグラスシャンパンを相方にコースをチョイス。
グラスのリストは泡1種、白・赤3種、ビールにカクテルといったリスト。
ボトルリストはほぼフランスで地方ごとに分類、6000円~10000円チョイが中心。
夜はランチコース同様の構成のプリフィクスと、料理6皿、デセール2皿のデギュスタシオン、シェフお任せの3種から選択。


さて、まずはアミューズの「シャンピニオンのフラン ベーコンのエスプーマ」。
まずはベーコンの燻製香がスッと鼻腔に届く。
柔らかなフランと底に敷かれたクニュッとしたシャンピニオン、アクセントにカリッとしたベーコンという食感の三変化。
味の主役はシャンピニオン、香りも加わり上品。

パンは一本丸ごと、アツアツのまま登場、無難な見た目の割りに良い味してます。
相方は高級感溢れる漆黒の皿上に鎮座する無塩バター。


冷製オードブルは「フランス産ホワイトアスパラガスのババロアとずわい蟹のアンサンブル」。
も~見た目からしてロブション色全開!
モッタリと粘度のあるクリームは濃厚なホワイトアスパラ風味で、超滑らかな舌触りは最早お家芸。
クリームの奥にもアスパラが隠れており、シャキッと瑞々しい食感がクリームを中和。
旨味を担っているずわい蟹もクリームの濃度とバランスが合ってるし、ココにキャビア的な塩が加われば間違いなくロブションですわ~。


温製オードブルは「フォアグラのソテー 金柑のコンポート ルッコラをあしらって」。
まずはサーブされた瞬間から心地良いポワレ香。
ナイフを入れると表面はサクッとした感覚ながら、中身はプリットロ~。
フレッシュのクリアな旨味が柔らかい甘みの金柑と見事に絡み合い、このバランスは見た目通りの黄金比率。
ダイレクトなコンポートも濃縮したコンフィチュールも、どちらも美味し!


ポワソンは「長崎産サワラのポワレ ズッキーニと生姜のコンディメントを添えて」。
まず感じるのはバルサミコな酸味香。
そして鰆の火入れ、自分の好みとしてはほぼパーフェクト、しっとりフンワリ感は『レストラン・カンテサンス』に次ぐ仕上がり!
鰆は噛み締める度にジュワッと水分が溢れるのは当然ながら、旨味もキッチリと後追いしてくる。
身もフワッと柔らかいので口に残ることなく、この厚みで均一な火入れは正に飯塚マジック!
2種のソースはタップナードで塩の重みを、生姜で和な爽快感のアクセント、鰆の旨味には生姜の方がしっくり寄り添ってます。
ズッキーニも鰆同様にジュワッと仕上がり、あ~久々に美味しいポワソンを堪能しました。


ヴィアンドは「岩手産岩中豚ロース肉 しっとりと火を入れて 根菜のサラダと共に」。
香りからして豚の存在を感じるって、当然ながら凄い!
負けず劣らず旨味もギュッと詰まっていて舌鼻双方で豚を楽しめるし、均質な肉質からくる上品な舌触りとクドサ無い透き通った脂が美味。
ネーミングの通りしっとりと火が入っているが、前皿の印象が強すぎて期待値高まりチョイと損している印象。
単体としては十分美味しいが、流れ的には癖のある仔羊でベクトルをガクッと変えた方が良かったかな?
ま~岩中豚って柔らかさより旨味重視な銘柄ですし、噛み締めると溢れるシンプルな旨味に酔いしれるべし。
ガルニチュールも種類豊富で舌休めにピッタリ、間に挟んで再び豚を堪能しましょう。


デセールは「苺 ヴェルヴェーヌのジュレとピスタチオのクレーム ミルクのソルベを乗せて」。
見た目はシンプルながら、素材ごとの個性が溢れる一品。
イチゴの酸、ピスタチオの甘、ミルクソルベの冷、メレンゲの軽、ヴェルヴェンヌの余韻、全てを口に入れてアンサンブルを楽しみましょう。


プティフールのフィナンシェまでしっかり美味しかったです。
カフェは一通り揃っており、ハーブティーはドライ。
+500円でフレッシュに変更も可能。

料理は全体的に優しい味付けで素材を堪能するスタイル。
素材はかなり良い物を使っている印象を受けるし、飯塚シェフの火入れは的確でお店のスタイルにドンピシャです。
内装も六本木に合ったスタイリッシュな雰囲気で、昼は3600円から、話題性もあるお店なので流行る要素は十二分!
今のうちにもう一回くらい訪問しておこうっと。

  • Rruzu
  • 夜のプリフィクス①
  • 夜のプリフィクス②

もっと見る

2位

エクアトゥール (麻布十番、六本木、広尾 / イノベーティブ、フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2011/04訪問 2011/05/21

今宵、デザイナーズマンションは貴方のもの

ズバリ、『限定』って言葉に弱いです。
そんな見出しを発見し、添えられた料理の写真もガストロノミックだったので一気に興味が沸いて訪問。
コチラが限定になる理由は、最大5名まで1回転分しか席が用意できないから。
なぜキャパが少ないかと言うと、デザイナーマンションの1室を改装してレストランをオープンしているから!
予約時に教えていただいたマンションのエントランスで、とある1室へインターフォンをピンポーン。
オートロックの扉がウィーンと開いたら、エレベーターで上階へレッツゴー!
目的階へ到着すると、入り口でオーナーがお出迎えしてくれます。

室内はデザイナーズマンションらしくオシャレな空間で、中二階のしつらえが非常に開放的。
1Fにはソファールームがあり、中央のテーブルには豪華な生花がドンッ!
食後のデセール程度ならこの席でも楽しめるとのこと。
窓から広がる夜景も極上だし、一度はソファーに腰を沈めて余韻を楽しみたい。
階段を上がると5席のみのプライベートなカウンタープラチナシートの登場。
カウンターに座ると数々のワイングラスが眼前に飾られており、右手にはカーテンを隔ててシェフズキッチンがある。
カーテン裏から漂う臨場感に、食中は否応無く想像力が高まります。

さて、料理は7皿からなるコース1本、ヴィアンドのみ選択可能です。
ヴィアンドは団体毎に揃える必要があるのかどうかは未確認。。。
ちなみにデセールはチーズに変更可能とのこと。
追加料金で両方ともってのも可能なのかな?


アミューズは「カリフラワーのスープとモチモチパイ」。
温製スープは実に濃厚!凝縮されたカリフラワーが味を占拠しており、余計な味は一切なし!
ヴルーテのようにトロリとした食感が舌に重さを感じさせるため、シンプルながら余韻はボリューミー。
焼きたて熱々のパイは中身にチーズが入った、所謂グージェールのオリジナル版。
その名の通りモチモチッとした食感が面白く、奥にはトロリと濃厚クリーミーなフレッシュ系チーズがイン。
シュー生地よりも咀嚼が増える分、食べ応えがあるな~。

パンは1種で白ゴマ香るパン。
合わせるバターも1種だが、他店にないオリジナリティーがチラリ、黒岩塩を振りかけてます。
ガリッとした食感は新感覚なアクセントだが、予想以上に塩分濃度が高い。
塩を減らすとルックス的な問題があるでしょうから、無塩バターもセットにしてほしいな~、もしくは有塩・無塩のチョイスとか。


冷製オードブルは「アワビとホタルイカのポアレ レモンとハーブのエッセンス」。
ここから小野ワールドの開演!舌の記憶に残る料理が続きます。
肉厚な魚介は噛み締める度に旨み爆発、2種のアスパラのシャキッとした食感でググイと味わいを引き立たせている。
ソースが絶品でヴィネガーとレモンの丸みのある酸味とほのかにミネラルを利かせつつ、2種のハーブで爽快感もプラス。
魚介との相性は鉄板で、ワインいらずのマリアージュを堪能できます。
ホタルイカのワタから感じるほのかな苦味も春を演出する大事な要素、季節感丸出しで1品目からこうふんです!


温製オードブルは「オマール海老のロティと季節野菜のアンサンブル」。
2皿目にして早くも本日のオレイチ、見た目にもガストロノミックかつ、2度の味覚変化でオマールさんの名優っぷりが楽しめる、悶絶料理です!
まず第一部はカレーオイルの超絶妙バランス!
フレンチにカレーのエッセンスを取り入れる料理も多いですが、日本人のソウルフードとなり親しみやすい印象を与える一方で、配分を誤ると非常にチープな印象になってしまう諸刃の剣な調味料。
だが、こちらはオマールの濃度に対してドンピシャな分量、ものすげーリッチな食材へと昇華!
カレーを取り入れて、ここまで美味しいフレンチに出会ったことは無かったな~衝撃の初体験。
第二部のオマールさんは下に敷かれた新じゃがとの競演。
シャクッと食感のコントラストを感じると共に、ポタージュがクリーミーなのでフリカッセへと早変わり、これもウマー。
残ったソースはカーテンコール、離席せずにパンで残さずいただきましょー。


フォアグラ料理は「フォアグラスモークのロールキャベツ」。
サーブと共に薫香ムンムンで妖艶なフォアグラの香りが鼻腔を攻め立てる!
しんなりキャベツを1枚剥ぐと、中にはプリットロ~なフォアグラの登場。
スープの温度で溶けてしまうのでは、と思わせるトロトロっぷりはもはやプリンの領域。
コンソメもフォアグラに負けない塩分でガツンと舌を直撃するし、トリュフオイルがスモークと相まって口内から鼻腔へとフッと抜けるし、これは正にエロ美味しいアダルトプリンや~!
こんなスープにナージュできるフォアグラは幸せモンだな~。
スープの余韻は強めかな?舌に残り続けてました。


ポワソンは「タラバガニとホタテのコンビネーション コブミカンと菜の花の香り」。
色鮮やかな緑が目に飛び込んでくるこちら。
味わいも菜の花の濃度が強いが苦味なく、モッタリとした舌触りが印象的、そしてウニ甘い♪
一方のソースはバター先行クリーミーな仕上がり。
それらを受け止めるホタテもしっかり味付け、アタックこそ塩が目立つが咀嚼すると馴染む感じ。
タラバは存在感薄いかなぁ、ちょい残念。
今までムチムチプリンな食感が続いたから、ちょいと変化球が欲しかったなぁ、似たり寄ったりな印象にちょい飽き気味。
ポワソンなのできっちり魚で攻めてほしかったけど、こんな時期だから仕入れが大変なのでしょうね~楽しみは次回に持ち越し。


ディタグレープのグラニテを挟み、ヴィアンドは「オーストラリア産骨付き子羊のロースト パセリとバジルのハーブソース」をチョイス。
ドライトマトとハーブがグイグイ香るソースはプロヴァンス全開!香りからして食欲がそそります。
味わいもドライトマトの酸味が主役となっており、しっかりとソースで味わう一皿。
ラム香をローズマリーで程よく抑えてあるし、2種の部位の違いも楽しめるし、野菜たっぷりビッグポーションだし、お腹一杯で大満足なメインでした。


デセールは「ホワイトチョコとイチゴのグラタン仕立て タイムとライムのアイスクリーム」。
皿ごとオーブンで暖めるので、触るな危険!
ホワイトチョコの甘をライムの酸で、熱をタイムの爽快感とアイスの冷で心地よく中和とバランス良いデセール。
飴細工も芸術的で可愛らしい。
チョコの下に隠れた温かいイチゴも自然と馴染んで美味なり。


プティフールと共に、紅茶もちょっとリッチに。
抜群のロケーションですが、負けず劣らずテーブルウェアが綺麗!
お皿も非常に気を使っており、グランメゾン並みに綺麗なお皿が料理と共に運ばれるので、見た目からリッチな気分になります
料理も流行のヌーベルキュイジーヌ(死語?)な低温・泡々では無く、適切な火入れからなる素材の味わいにソースを上乗せし、複雑味を構築するスタイル。
だが、クラシックほどの重さ・深さよりも、やや創作風で親しみやすい味わいのソースに仕上げており、それが小野ワールドのオリジナリティが感じられて印象的でした。
足し算フレンチが好きな方や、フレンチ自体に馴染みが薄い方には楽しんでいただけそうな『エクアトゥール』、暫くは定期観測してみます。
欲を言えば、1日5席限定でコース1本と絞られてるので、事前にヴィアンドを選択させて、より完成度の高い一皿に仕上げて欲しいな~。
マンション一室のキッチンだから色々と制限があるのでしょうが、期待してるからこそハードルを上げてしまいます。

ちなみにデザイナーズマンションって立地からデート使いもバッチリ決まりますが、席を貸し切って誕生会や女子会など、内輪で楽しむ使い方がしっくりきそうです。
友達のお家にコンニチハー、おおっ、今日はフレンチシェフをケータリングしてんだ~って感じで。
サービス担当のオーナーもフレンドリーですしね。

  • 位置皿
  • カトラリーには箸も
  • カリフラワーのスープとモチモチパイ

もっと見る

3位

ラ シャッス (六本木一丁目、六本木、神谷町 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2010/12訪問 2010/12/18

国産ジビエの聖地

シェフ自らハンターとなり、様々なジビエをフレンチスタイルで供するこちら。
「この時期はジビエでしょ~」という単純な理由で訪問。

六本木通りから一本入った住宅街にひっそりお店を構えており、その入り口はまるで勝手口。
加えて周辺の住宅との同化っぷりを評価すると★×5であり、入り口の脇にあるコルヴェールが無いと絶対に飲食店だと気づかない!
勝手口風の扉を開けて店内に進み入ると、わずかな照明と燭台で照らされるのみで薄暗い。
白いレンガ風の外壁も相まって、洞窟内にいるような印象。
その壁には立派な猪と鹿の顔の剥製が飾られている。
男性は好きだろうが、女性は賛否が分かれるだろうな~、同伴者を選ぶ際は要注意。

さて、カルトを拝見すると前菜からズラッとジビエが揃っており、眺めるだけでも気分が高揚。
年間通して豊富なジビエがリストオンしているようですが、やはり狩猟解禁後の充実っぷりは素晴らしい!
お一人様の場合はハーフもオーダー可能とのことなので、メイン以外はハーフでアレコレオーダー。
ちなみに在庫が少ない料理もあるので、狙った食材があるなら開店直後の訪問がオススメ。


まず前菜は「鴨肉とフォアグラの田舎風パテと下田で仕留めた仔イノシシのリエットでつくったブーダンテリーヌ仕立て」。
粗いタルタルのようにゴロッとした鴨肉は弾力があり、噛み締める度に旨味爆発!
旨味が強いだけでなく、口内に広がる瞬発力も凄い!
加えてフォアグラからはコクと共に甘みすら感じられる。
ん~高い鮮度の成せる技でしょうね、仕留めた直後の下処理と輸送時間の短さがあってこその味わいでしょう。

画像下段のブーダンテリーヌは繊維質を残したネットリ系。
ま~これも鴨同様に旨味爆発!
そこへ後追いする血の風味が深いコクを感じされてくれる。
はふ~最初からヤラれました、これはマイ・ベスト・パテ&リエットかも。
ちなみに添えられたマスタードもジビエに負けない濃度(笑)


続いてスープは「蝦夷鹿のコンソメでつくったオニオングラタンスープ」。
まずは蓋を開けた瞬間、ブワッと鼻腔を刺激するタマネギ香にうっとり。
いや~これもマイ・ベスト・オニオングラタンスープ。
蝦夷鹿から取ったコンソメは「清澄」というより「凝縮」。
こんな男らしいコンソメは初めて、滋味深さMAX!
そこへタマネギのコクが加わると・・・もう、どこまで深くなっちゃうの?


メインは「北海道占冠でとれたヒグマ(オス3才)と岐阜でとれたツキノワグマ(オス4才)のロースト」。
画像手前がヒグマのモモ肉。
見た目通りマッチョな肉質で、思い切って噛み込むと旨味が広がる。
赤身肉に似て旨味重視な印象。
やや強めな火入れは熊独特の癖を和らげるため?臭みはほとんどありません。

一方のツキノワグマはロースで登場。
こちらもマッチョな肉質だが、ヒグマと比べると弾力が強い。
旨味はこちらの方が強く、プルプルの脂身も合わせていただくと高級ホルモンって感じ。
持続力もツキノワグマの圧勝で、「いつ飲み込めばいいの?」って思うくらい旨味が持続する。
クチャクチャと咀嚼していると幸せを感じるな~。
肉の部位の差もあるだろうが、個人的にはツキノワグマの方が断然好み!
ちなみにシェフはキノコも狩っているらしく、ガルニで出たキノコも美味でした。


デセールは「アーモンドプラリネとラム酒に漬けたレーズンのヌガーグラッセ 山ブドウのソルベを添えて」。
ジビエに負けず劣らず、こちらも味が強い!
ザクザクしたアーモンドに酔ってしまう位タップリとラム酒を含んだレーズンを使用したヌガーグラッセ。
目が覚めるような酸味の山ブドウはジビエと格闘した身体を一気にリフレッシュ。


料理、お店の雰囲気全てがコンセプトと一致しており、良い雰囲気でジビエ料理を満喫できました。
他のフレンチ料理とは一線を画しており、ハンター料理を出すお店って印象。
ソースは控えめで、純粋に肉の味を堪能できます。
レストランOGINO』や『ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ』も良いけど、こちらもシーズン毎に訪問したくなるお店です。

  • 鴨肉とフォアグラの田舎風パテと下田で仕留めた仔イノシシのリエットでつくったブーダンテリーヌ仕立て
  • 蝦夷鹿のコンソメでつくったオニオングラタンスープ
  • 北海道占冠でとれたヒグマ(オス3才)と岐阜でとれたツキノワグマ(オス4才)のロースト
  • アーモンドプラリネとラム酒に漬けたレーズンのヌガーグラッセ 山ブドウのソルベを添えて

もっと見る

4位

ル・グラン・ソワール (六本木、乃木坂、麻布十番 / ビストロ、ワインバー、フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2011/02訪問 2011/02/12

新たなフレンチとの出会い

雑誌をパラパラ~とめくっていると目に付いた『ル・グラン・ソワール』。
僕の心を捉えたのは『オストラル』から岸本シェフと同じ厨房で腕を奮い、『レストラン ランベリー』ではスーシェフも勤めたという経歴。
さらにはふぐの調理師資格を取得しているので、店内で捌いたふぐもカルトオン。
なので、当然白子もカルトオン♪
カレンダーとにらめっこしながら電話でリザーブ、訪問と相成りました。

お店は六本木通りを挟んで六本木ヒルズの正面地下にひっそりと構えている。
エントランスへ続く階段から店内に至るまで、見渡す限り真っ白!
オープンしたてなのもあって、非常に清潔感漲る雰囲気で気分がリフレッシュします。
店内はクッション付きシートのテーブル席とカウンターを4席備えている。
通常の食事の他に、カウンターでサクッとワインバー的な使い方も出来そう。


席についてカルトを眺めていると、アミューズ1種目の「野菜チップス」。
人参、牛蒡、薩摩芋の3種を素揚げしたこちら。
料理の選択に夢中で聞き流していたけど、芋は安納芋だったはず。
野菜の味わいはバッチリ、塩を振ることで引郭がクッキリ際立つ。
これ、お菓子で発売したらデスクワークのお供になるな~。

続いてはオーダー完了後に登場の「鹿肉の小さなパイ包み焼き」。
仕事の丁寧さが垣間見えるルックスのパイ生地は、サーブされた瞬間からバター香がブワッ!
軽やかなパイ生地にギッシリ詰まったアツアツで力強い鹿肉の旨味が見事なコントラスト。
アミューズのパイと言えばグジェールが定番だが、こんなプレゼンテーションも好きだなぁ~。
今はカルトオンしてないが、ヴィアンドの新作にはパイ包み焼きを懇願。

続いて登場のパンは通常のバゲットだが、バターにオリジナリティを出している。
2種のバターはどちらもお店で一手間加えており、どちらも無塩バターがベースで片方は有塩バター、もう一方は柚子を加えた柚子バター。
柚子が香るバターは新感覚で美味しいな~、チーズ感覚で泡モノのお供にもなりそう。
ちなみに果実バターは季節ごとに変える方向らしいです。


オードブルは「リ・ド・ヴォーと冬野菜のフリカッセ」をチョイス。
久々に「おおっ!」と唸る、会心のオードブルに遭遇!
リ・ド・ヴォーって進んでオーダーしないけど、これはマスト!感動的です!
感動ポイントの一つ目は火入れ。
食感が残るよう、薄皮一枚のみをポワレしたリ・ド・ヴォーはクニュッとしており、口が喜ぶ弾力。
ミルキーな味わいがフリカッセとトゥーマッチで美味、旨味もしっかりで、まるで「溶けない白子」ですな~。
感動ポイント二つ目はソース。
味の主役はレモンヴィネガー、フルーティーな酸味でフリカッセの重みを見事に解消、しっかりした味付けで肉にもトゥーマッチ。
また、パリの修行先『キッチンギャラリー』で会得したスパイスやハーブによる新感覚の深みも追加されている。
冬野菜もソースに埋もれない力強さで美味。
個人的にはスペシャリテなポジションで四季を通してカルトオンして欲しいな~、野菜とソースで季節感を出すスタイルって感じで。


メインはポワソンから「トラフグのローストと白子のフリット レモンのコンフィチュールとフヌイユのブレゼ」。
脇に隠れているが、こちらの主役はふぐの白子様♪
きめ細かい衣にナイフを刺した瞬間からトロ~っと流れ出る白子は、まるでサラサラベシャメルなクリームコロッケ!
旨味も上品ながら濃厚クリーミー、鱈じゃ~この味わい、食感は出せません。
ピールの苦味まで感じる濃厚レモンコンフィチュ-ルも見事に寄り添うし、オードブル同様、酸味の使い方が上手!
一方の身はカジキマグロに似たキュムッとした食感。
味わいは淡白ながら、エスプーマしたフュメ・ド・ポワソンが旨味強く実にクリア。
フュメもふぐからとっているので、親和性の高さも納得ですな。
表面にはカレー粉に似たスパイスで個性付け。
フヌイユはスパイスも相まって独特な風味。
十分美味しいけど、ふぐは専門店に限る!って頑固な方は「本日のお魚料理」をオーダーください。


デセールは「白ゴマのブランマジェ」。
こちらは、『レストラン ランベリー』直伝。
ルックス、滑らかさ、甘み、ほぼ本家同様。
白ゴマ風味もお見事だが、攻め立てる程のレベルになれば完璧。


松原シェフの料理は『レストラン ランベリー』のモダンフレンチより、『ザ・キッチン・ギャラリー』のスパイス使いが色濃く出てました。
ベースにフレンチを使いつつ、味付けは若干のエスニックというバランスが自分好み。
岸本シェフ並みの火入れも習得しているし、きっと人気店になるだろうな~。
だが、『レストラン ランベリー』チックな可愛らしい料理を求めちゃダメよ。

ちなみにヴィアンドではキントア豚をプッシュしてます。
なんでもシェフはバスクの養豚場で数ヶ月過ごしていた経験があり、豚の扱いには自信があるとか(笑)
こりゃ~次回は食さねば。

シェフの新感覚フレンチがフィットする方には再訪必須な店だろうな~、だって他店にはない味だから。
サービス料もないので、気軽に使えますよ~。

  • 野菜チップス
  • 鹿肉のパイ包み焼き
  • 有塩バター(手前)と柚子バター(奥)

もっと見る

5位

Un de ces jours (多摩川、沼部、新丸子 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 2.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2011/04訪問 2011/04/22

レトロ感満載、地元密着型フレンチ

雑誌をパラパラと眺めていると、久々に心躍るプロフィールを持つオーナーシェフのお店を発見。
シェフの経歴は渡仏時に御大「アラン・サンドランス」シェフに5年半師事。
その間に『ルカ・キャルトン』にて各部門を担当し、『サンドランス』では立ち上げ時からスーシェフを務める。
帰国後は谷シェフ、五十嵐シェフ、川崎シェフと言った超有名シェフを多数輩出している『オー・シザーブル』のシェフに就任。
その後、原点である『サマーシュ』を譲り受けて当店をオープン、現在に至る。
とま~書いているだけでも上がるテンション、そのうち訪問と思っていたが雑誌の露出が増えたり、直前予約を断られたりと次第に人気が出てきたので事前予約で訪問。

店内は左手がオープンキッチンとなっており、右手がダイニングスペース。
ベージュの壁に落ち着いたダークカラーのシートからはちょっと懐かしいレトロな雰囲気が現れており、肩肘張らずに食事ができそう。
エリアは別れているが、キッチンとの隔たりもないため、バンダナ姿で調理中のシェフの動きも丸見えでライブ感が楽しめます。

ディナーはアラカルトの他に、3つのプリフィクスがある。
今回は中間で4皿からなるBコースをオーダー。


アミューズは「猪のリエット」と「セルフィーユの根のブルーテ」。
ワンプレートで供されるこちらは薄いバゲットの上に猪のリエットを乗せたカナッペタイプのこちら。
猪はネットリ系で、猪の癖を塩で抑えている。
バゲットのカリッとした食感で存在感を追加、ん~完璧に泡用のアミューズだ。
一方はデミタスカップに注がれており、細長いパイのスティックがオン。
ブルーテ特有の軽いトロミがボリュームを感じさせる。
甘から酸と変化を感じるブルーテを、パイの食感とエピスでほんのりアクセント。


さて、オードブルは「フォアグラとりんごのテリーヌ」をチョイス。
フォアグラはテリーヌ派の僕は迷わずオーダー。
シルキーなアタック、舌上での融解感覚後に口内に広がるフォアグラ風味は正に幸せ、これはポワレじゃ~堪能できません。
えぐみも無く、程よく脂を抜いているのでビッグポーションでもサクッと食べられます。
タッグを組んだりんごはコンポートされており、酸味は薄くハニーな甘み。
で、これがフォアグラと合わさると最強!りんごが貴腐ワインとしか思えない完璧なマリアージュ!
ブリオッシュと合わせるとサクッとした軽やかさも追加されるし、こんなの作ったらデザートワインオーダーしてもらえませんぜ!
個人的には、もうちょいテリーヌを緩くしてくれると完璧でしたが、早くも2011年フォアグラトップ3に入りますな。
兼子シェフといい、岩田シェフといい、サンドランス出身の方ってテリーヌ式のフォアグラがお上手。


2皿目のポワソンをオードブルに差し替えてもらい「天使のエビ、パートブリック包み ホワイトアスパラ添え」。
ホワイトアスパラは贅沢にも2本を丸ごと堪能。
ジュワッとジューシーな食感はエチュベの醍醐味、酸味も加わって春の訪れを満喫。
天使エビはプリンプリンとした食感のうえ味がビンビンに立っており、薄めのパートフィローじゃ味も食感も隠し切れない!
ソースもメチャ美味、味噌すら感じるビスクが攻め立ててくるし、バターで輪郭をくっきりさせているし、力強い食材にはソースにもパンチが必須。
ホワイトアスパラとの相性も最高だし、最後はパンで一滴残らず堪能して気分はウハウハ。
たまにクラシック寄りのソースを味わうと目が飛び出ますな~、軽やか泡々も好きだけど、長い歴史を経た調理法は実に完成度が高い!


続くヴィアンドは追加料金で「ハンガリー産ミルクラムのロースト」をチョイス。
カルトと見まがうアニョーんなボリューム、ドレからいただこうかな~♪
クトーからも伝わるが、久々に歯が沈む感触、さすがの柔肌!
風味も癖なんて一切無く、ねっとり感すらあるミルキーな味わいは感激モノ、艶かしい余韻からはエロスと言うより幼いイメージがしっくり。
素材の力を感じるべくシンプルなジュのソースもビタッと寄り添うし、やはり元がいい子はうっすらナチュラルなメイクが一番。
ガルニもシャキッ、ほっこり、とろりと様々な食感・味わいでアニョーちゃんの柔肌を引き立たせており、ビッグポーションでも最後まで一気食いでした。


アヴァンデセール(グラニテか?)にはドロリと濃厚な「オレンジソルベ」が登場し、デセールは「ヌガーグラッセ」。
イチゴが可愛い~ルックスですが、味わいは所謂ヌガーグラッセ。
甘みよりもナッツが勝った味わいは定番でホッとします。
下にパフ生地でフワッと異なる食感を。


「客が店を育てる」の言葉とおり、訪問時の客層は近所にお住まいであろう40~50台の方がメインであるこちらは内装も味付けもその方々に合わせてレトロ。
恐らく前店からのソワニエ様が多数訪れているので、その方々の味覚をベースとして河井シェフの感覚を徐々に落とし込んでいるのでしょうね。
軽くアーティスティックに飾ったフレンチに慣れ親しんだ方には食中の驚きが少なく感じると思いますが、ドシッと地に足着いたフレンチを食べたい時には重宝します。
流行に迎合しない貴重なクラシック寄りレストランの登場に期待大!

再訪するにあたり、ちょい気になることはワイン。
グラスワインは泡が2種(カヴァとシャンパン)に白赤1種づつ。
泡はまだいいが、、、偶然かもしれないがスティルワインは久々の一気飲み捻じ伏せレベル。
ま~1杯500円だからしょうがないけど、料理のレベルとの乖離が残念すぎる。
ロストを考えるとおいそれと良いワインをグラスで提供できないのでしょうが、美味しい料理だからこそワインとのマリアージュを堪能したいところ。
ボトルはそこそこ充実しているので、フレンチにはワイン必須って方は泡以外は絶対にボトルをオーダーしましょう、ハーフもあるし。

  • フォアグラとりんごのテリーヌ
  • 天使のエビ、パートブリック包み ホワイトアスパラ添え
  • ハンガリー産ミルクラムのロースト

もっと見る

6位

ベージュ アラン・デュカス 東京 (銀座一丁目、銀座、有楽町 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2011/01訪問 2011/02/05

スタイリッシュと骨太料理の同居

銀座のシャネルビルにお店を構えるこちら。
アラン・デュカス氏とシャネルのコラボという話題性ながら、オープン直後の評判は今一つ。
しかし2010年にデュカスグループの本丸『ルイ・キャーンズ』でスーシェフを勤めた小島シェフに変わってからは評価上々。
「機は熟した!」、食材が美味しい時期を狙って初訪問。

小奇麗なレセプションで予約名を告げると、そのままエレベータへ案内。
噂のシャネルマークのボタンを眺めつつ、10Fに到着するまでの少し長めに過ごす時間が期待感を刺激します。
扉が開くと、「さすが銀座&超一流ブランドのコラボ」と言わんばかりのセレブリティーな空間。
ゴテゴテっと飾られた空間ではなく、洗礼されたモダンな空間からは品の良さが感じられます。

ラグジュアリーで十分な席間のウェイティングスペースを通ると、眼前にはメインダイニング。
「スタイリッシュな内装&高い天井&窓ガラスからの絶景」のトリプルコンボには参った!
テーブルに着く前から夢心地、食事がメインでない方は、この時点で勝負アリといったところか。
記念日ならば東京タワーが見える席で、シャンパン片手にライトアップの衣替えの瞬間を一緒に見るとなおよし。
夜はアダルティーだが、光が燦々と差し込む昼だと開放感溢れて素敵なんだろうな~。


オーダーが完了すると、テーブルの中央にチーズシュー。
続いて2種のアミューズがサーブされる。
主役はグラス一杯に入った、小さくカットされた鎌倉野菜たち。
シャキッと瑞々しい食感よりも、水分を飛ばして野菜の味をギュッと詰めた力強さを感じる。
添えられたバジルマヨネーズはバジルの青々しさが際立っており、野菜たちとの親和性が高い。
まるで「バーニャ・カウダ」のようなプレゼンテーション。
グラスの野菜たちを食べ尽くすと、底にはブロッコリームースとコンソメのジュレ。
味わいは上品で、食感のアクセントとなる香味野菜の方が存在感が高い。

薄くスライスした豚バラはまるで生ハム、違いは脂が主役な点か。
ラスクで食感の追加も忘れずに。


アントレはデュカスのシグネチャ・ディッシュである「冬野菜のクックポット」。
ポットごとテーブルにサーブされ、蓋の取っ手をポットの縁に立てかけてロゴが見える状態で料理をいただく。
アミューズとは一転、歯を押し当てるだけでジュワッと野菜の個性が溢れ出す程に柔らかい。
下にはじっくり炒めた香味野菜がコンソメと見事にマッチ。
均一に混ぜ合わせると、まるでポトフのような味わい。


ポワソンは「平スズキのパヴェ、ジャガイモとアーティチョーク」。
スズキはフックラプリプリに仕上がっており、旨味も閉じ込めて素晴らしき火入れ。
ソースはスズキのジュがベースで、アクセントに加えた魚醤の風味が斬新な味わいと共に奥行きを追加。
これが本日のベスト・ディッシュ!
スズキの旨味とソースの主張のバランス感覚にやられっぱなしでした。


ヴィアンドは「茨城県塚原牧場 メイシャン豚、クルジュ、リンゴ、じゃがいも、マスカットと共に」。
やや固めに火入れされた梅山豚はレア具合を堪能する低温調理とは異なり、ギュッと噛み締めるボリュームを楽しむスタイル。
ソースも存在感溢れる豚に負けず、濃厚な仕上がり。
ただ、非常に個人的な見解で申し訳ないが、暖めたフルーツはちょっと・・・


デセールはスペシャリテの「カレ・シャネル ショコラ-プラリネ、ヘーゼルナッツのアイスクリーム」。
漆黒のチョコをベースに、金箔を塗してシックなツイードを表現している。
非常に滑らかなチョコレートムースの下には食感のアクセントとなるナッツが敷き詰められている。
食感だけでなく、チョコレートに負けないほどの主張も併せ持つ。
土台にはカカオ比率が高い、ビターなチョコが鎮座。
添えられたヘーゼルナッツのアイスクリームがグラニテ代わりになるほどの超濃厚ボリュームに圧倒されます。

ラストはシャネルのロゴが入ったチョコと、アールグレーのマドレーヌで一息。
遠回しにカフェは別料金ですよって言い方だけど、普通は気付かないなぁ。
+¥840された料金はプティフール代と考えればいいか。
カップもツイードを表現して高級感あるし。


モダンレストラン同様のスタイリッシュな空間だが、料理は男気溢れるビストロチック。
ガルニチュールとの相性や奥深いソースと言った変化球はなく、個々の食材の旨味で直球勝負している感じ。
一口目の力強い印象が最後まで続くので、若干食べ疲れしてしまうかな。
ガルニも鎌倉野菜で美味しいのだが、メイン食材とフィットしてなく独立してる感じ。
いっそ別皿でサーブとかしてくれた方が好印象なのに~。
この価格帯+海外スターシェフのお店なら、ドッシリ系ではなく計算し尽された変化を求めてしまう。
これがデュカススタイルなのか、ブノワ感覚が抜けてないのか、思い描いていた料理とのギャップに戸惑いを覚えました。

サービスはホテルレストランに近く、フレンドリーではなく慇懃な印象。
アロマフレスカ』も同様だし、これが銀座サービスなのかな?
まぁお店の雰囲気を考慮すると納得、昼だと若干くだけたサービスになるでしょう。
でも少々愚痴を言うなら、個々のサービスのレベル差を埋める努力と料理の説明を頑張って欲しいです。
ワインは詳しかったのにな~、ちょっと残念。
ちなみに、現在はレセプショニスト以外はシャネルを身に付けてないそうです。

ともあれ、デートや記念日、セレブ女子会などの女性をターゲットとして使うなら間違いないかと。
シャネルで食事って話題にもなりますし。
ただし、料理は見た目、味、共に男気溢れているので、デセールまでは「かわいい~」って言葉は出ないかなぁと。

  • チーズシュー
  • 鎌倉野菜のアミューズ
  • 冬野菜のクックポット

もっと見る

7位

アルシミスト (白金高輪、白金台、泉岳寺 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2011/08訪問 2011/09/25

引き出し豊富なデギュスタシオンの新生

本サイトの「ニューオープン・レストラン」から見つけたこちら。
クリックすると、ま~幅広いジャンルのお店が列挙されているので玉石混淆な感じもしますが、今回は自分の興味そそるお店発見。
長いフランス修行の中、最後に訪れたのが、2011年のサンペレグリノ 世界のベストレストランでフランス国内トップの9位に輝いた『ル・シャトーブリアン』。
も~そのプロフィールだけで訪問する価値ありだし、『ル・シャトーブリアン』を踏襲するデギュスタシオンコースだし、即座に予約して訪問しました。

さて、こちらのメインカラーは、「紫」。
入口の扉からして目につく色だし、店内も壁、天井が白ベースながらシートが紫と、異彩を放つ配色。
それ以上に印象的なのが、この上ないほどのオープンキッチン。
普通のお店なら、カウンターから覗けるけど、手が届かない絶対距離を保ってますが、こちらは違う!
ゲストエリアが凹状になっており、ちょうど窪んだ箇所にキッチンがあるので、も~触り放題見放題!
ここまで潔いお店は初めて、シェフ見習いの方、技を盗むならこのお店がいいですよ~。

さて、こちらはコース一本なので、お客が悩む時間があるのはドリンクのみ。
左上がクルッと曲がった印象的なシルバーのプレートを眺めつつ、サクッと泡モノを選んで料理開始。

まずはロブション的なバゲットとホームカラーな紫芋のバター。
アタックは紫芋の甘みが目立つが、パウダー状なのでスッと甘みが消え、余韻はしっかりバター。
オリジナリティー溢れるバターを堪能しつつ、アミューズの「リュバーブ りんご フォアグラ 紫イモのチップス ブーダンノワール」からスタート。
はぁ~、最初っからエンジン全開、内臓祭りなアミューズはグラスもスプーンも止まらない!
修行先の『ル・シャトーブリアン』では定番で、同レシピで作られたブーダンノワールは固形が舌に残るほどに粗挽きでノワール感が激濃厚なのに、クセは少なく食後感は軽い。
一方のフォアグラは青リンゴの青みがかった酸味とリュバーブのコンフィチュールの直球的な甘みのマリアージュが印象的。
もーフォアグラに合わないはずがないでしょ、スプーンが止まらない!


さて、料理が開始してオードブルから「夏野菜 タブレ」。
柔らかいクスクスとシャッキリ胡瓜の食感のコントラストが心地よい。
クスクスからチラリと見える赤・緑の配色も鮮やかながら、力強い胡瓜の味わいに葱系の辛味、全体をビシッと締めるトマトピクルスの酸味がバランス感よし!
ちゃっかりハーブの余韻も計算しており、酸と香りで初夏を感じさせる料理でした。


続いてはスープの「南瓜 ミルクティー」。
良い意味で畑っぽさが目立つ南瓜に、甘く香り高いロイヤルミルクティーの余韻が畑とリッチ感の対比を思わせる。
添えられたカボチャチップは甘くコーディングされており、カリッとした食感からも、味わいという観点からも心地よいアクセント。
うん、まさに「カボチャのロイヤルミルクティー」だわ!


「九条ねぎ ビーツ ホタテ」。
驚愕の低温調理!味も食感も生と紛う程の薄皮一枚火入れで、ホタテの鮮度が存分に楽しめます。
味の主役はハッとする七味唐辛子的なスパイス、咀嚼すればブルーなコキーユサンジャックにフィットしてベストマッチ。
香り付のレモングラス串も面白いし、2種のビーツと九条葱も甘ぁ~いエッセンスでバランス良さが光る一皿。
プリッとふっくらポワレしたホタテも美味ですが、日本人ならこのレア感も大好きになります!


ここでコースが強い方向へシフト、「白いか バスク ピキオス」。
白・緑・赤・の皿の配色からバスクを意識しているとのこと。
力強い白いかの旨味と、苦みとほんのりスパイシーな余韻を感じさせる赤ピーマンのオイル漬けの旨味バトルが印象的。
繊細な印象が続いた料理の中で、見た目も味も直球系でコースのアクセントとなってました。
でも若干コースの中で浮いてる感じはしますが・・・これだけビストロチックな仕上がり。


ポワソンは「茄子 イサキ」。
こちらもホタテ同様の低温調理だが、ポワソンの場合はもう少し強く火入れした方が僕好み。
『レフェルヴェソンス』のように独特な弾力と素材の鮮度が感じられると良いが、そこまでの感動には届かず。
シェリービネガーソースは王道なリッチな酸味があって美味でしたが、ナッツ・エストラゴン・茄子の濃度がイサキより低い方が良かったなぁ。。。


ヴィアンドは「紅かんしょ 国産鴨」。
見た目にもシンプルなこちら。
レアレアでブラッディーな味わいが楽しめますが、折角の鴨なので皮目は強く火入れしていただきたいところ。
シンプルなソースで素材の味わいを引き立ててますが、甘い紅かんしょの意図は?でした。


デセールは3皿と大盤振る舞い、まずは「バジル ライム パイナップル」でリフレッシュ。
パインとライムの爽快な甘みは予想通りながら、バジルがここまでフィットするとはなぁ、新たな発見!


つづいて「ヌガーグラッセ ローズマリー」。
ヌガーはキャラメルの甘ビターな風味がリッチでキメ細やかなカスタードもベタつかず美味。
調子に乗ってパクパクするとアダルティーなラムレーズンが潜んでいるので注意なり。


最後は「赤ピーマン いちご」。
酸味先行の苺に甘みをプラスした赤ピーマンのムースが印象的。
もうちょいムースの比率を上げて甘みを強めてもいいかなぁ~、訪問時は夏だから酸味優先だったのかな?


ミニャルディースは三種のフィナンシェ、これが濃度が強くて美味でした!
こちらの料理は良くも悪くも火入れが印象的でした。
ホタテの時は鮮度の良さが際立っていて非常に好印象でしたが、やはりメインは芯温高めて皮目と身の食感コントラストを楽しみたいところ。
食後感も軽く、一昔前に低温調理がもてはやされた時の料理を思いだし、ちょっぴりノスタルジックでした。
ただ、前半の料理では味の重ね方が上手に感じたし、素材を大事にする調理方法を心掛けていたりと、伸び代は十分に感じました。

料理は2週間に1回程度のハイペースでチョコチョコ更新するらしく、フランスでの修行先が多いシェフなの引き出し豊富、通い甲斐のあるお店です。
修行先の豊富さから今回の訪問時は方向性がまとまってないと感じる料理もありましたが、玉石混交な料理が洗礼されていくことを期待して再訪の時を楽しみにします。

サービスはオープン直後とは思えない程安定しており、親しみある接客でリラックスして食事を楽しめました。
欲を言うなら、スペース的な問題もあるのでしょうが、デギュスタシオンコースとワインのマリアージュを楽しめるようになると満足度が急上昇すると思います。

  • 看板
  • テーブルプレート
  • バゲット

もっと見る

8位

ローブリュー (表参道、広尾 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 3.0

    • [ 料理・味 3.0
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 2.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2010/12訪問 2010/12/30

豚一本ではなく、郷土料理も充実

2011年度版で一つ星に輝いたこちら。
バスク地方の料理を提供するビストロで、特に豚料理が揃っていることで有名。
当日電話をしてみるとアッサリOK、あれっ、まだ本の効果は出てないのかな?
ちなみにお店はビルの隙間の奥に構えていて非常に分かりにくいので、詳細な地図、もしくはGPSを頼りに訪問しましょう。

豚の足裏を打ち込んだ扉を開けると、奥行きのある部屋が視界に広がる。
手前のスペースはシート席、一段下がった奥のスペースはテーブル席と2分割されており、天井も高いため開放感がある。
また、落ち着いたクリーム色の壁と木柱に、所狭しと飾られた大小の豚の置物が生活感を出しすぎていてリラックス効果あり。
さて、黒板メニューを眺めると豚以外にも前菜はサラダが充実しており、メインには鴨やら蝦夷鹿もオン。
郷土料理にもそそられましたが、今回は初回ということで定番の豚料理で占めてみました。


前菜は「温製豚の頭のテリーヌ」。
繊維質を感じさせないほどに柔らかく煮込まれたされた豚頭の周りを、さらに融点の低いトロットロかつネットリとした食感のゼラチン質がグルリと周りを囲んでいる。
溶けた箇所からは豚の優しい旨味が広がり、コラーゲン大好き人間には堪らない!
それを囲うトマトの酸味でリフレッシュという狙いだろうが、ヴィネガーの酸味が勝っておりトマトっぽさは薄いかな。


メインは「南昌豚骨付きロースのグリエ」。
グリエと言っても網の焼き目が無いため、オーブン焼きの方かな?うっすらと水分が浮かんだ薄赤色の身はまるでロースト。
食感も最初はしっとりしているが、2~3cmはあろう分厚さが災いしてか、飲み込む頃には若干のパサつき感が残る。
味付けは豚自体は淡白なため、塩をしっかり振って輪郭をくっきりさせている。
別皿のフォンドヴォー?のようなソースをかけると新たな味覚が追加、比較的薄めな味わいで肉に馴染む。


デセールは「ガトーバスク」。
サクッとしたクッキー生地にカスタードを詰めたこちら。
外はサクッと中はクリーム状、しっとろ~りで非常に好みな焼き具合!
素朴な甘さで、郷土らしさを堪能しました。


前評判通り、豊富な豚料理を低価格でガッツリ楽しめるお店でした。
欲を言えば、海外の豚もリストに載せて欲しかったな~。
「バスク」「豚」「一つ星」ってキーワードが並ぶと、バスク豚やビゴール豚を期待しちゃいます。(ビゴール豚のポスター飾ってたし)

噂のサービスも普通に食事する分には問題ありません。
それより気になったのが、1種類のみのグラスワイン。。。
ワイン無しの食事が考えられない方は、リストからボトルをオーダーすることをオススメします。(ドリンク評価はグラスワインのみ)
最後に、食事とは無関係ですが、店内はケータイが圏外で、店を出た途端にメールラッシュ。
重要な用事は済ませてから訪問しましょう。

  • 温製豚の頭のテリーヌ
  • 南昌豚骨付きロースのグリエ
  • ガトーバスク

もっと見る

9位

れすとらん さいとう (菊名、大倉山 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 3.0

    • [ 料理・味 3.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2011/05訪問 2015/09/04

シャキッシャキッな地産野菜

菊名へプチ旅行する予定があったので、ランチ用に食べログで検索。
フレンチに絞ってケータイを操作すると、なんと、ヒットしたのは1件だけではないか!
その希少性が僕の訪問意欲を刺激、GPSナビにしたがって訪問しました。

結論的には当たり!
野菜の歯応えが段違いだし、万人受けする料理なので「嫌い」と言う人がいるはずがない、倍率2倍を切る馬券です。

店内は縦に伸びる形で左がフロア、右がオープンキッチンとなる臨場感ある造り。
内装はクリーム色をベースとして小奇麗にまとまっており、シートの色鮮やかな黄色がアクセントになっている。
街中フレンチではあるが、都内の新規オープン店と遜色ない造りで親しみやすい内装です。

メニューを拝見すると、所狭しとアピールポイントが列挙。
・野菜と魚介は神奈川県産を使用
・自家製パンは国産小麦のみを使用
・果物は近県ものを産地直送
・緑の地卵「浜っ子」を使用
・コーヒー豆は焙煎してから1週間以内のものを使用
所謂「地産地消」のスタンスで、見ているだけでも鮮度の良さが伝わりますな~。

ランチはオードブル、スープ、ポワソン、ヴィアンドの4皿あり、2皿~4皿を選ぶことで値段が変化する。
今回はリーズナブルな2皿スタイルでオーダー。


まずは「三崎のマグロのカルパッチョ 岩井の胡麻油さんの『黄白胡麻油』を使ったドレッシングで」。
マグロは脂が乗って食べ応えがあるが、こちらの主役は白胡麻さん!
皿から放たれる白胡麻の香りは煎った芳ばしさではなく、白胡麻本来の香りが感じられます。
当然ながらドレッシングも白胡麻の濃度が高く、口内と鼻腔、両方で広がりを楽しめる。
野菜もシャキッシャキだし、味が濃厚で美味!
ナイフから伝わる力強さが違いますよ~。
ちなみに皿の柄の両サイドには塩・胡椒が振られており、お好みで味を調節できるニクイ演出もありました。

二皿目は「ほうぼうのポアレ レタスのソースと酸味のきいた海苔のソースで」。
こちらの主役は、皿から香りが立ち上るナンプラー。
ソースのアタックは海苔の風味が広がるが、余韻はウスターソースに似たコクを追加していてボリュームアップ、メインの風格を漂わせます。
それらを控えめなナンプラーが中和しており、綺麗にまとまったソースに仕上がってます。
うん、独特なセンスが光っていて美味しい!
ホウボウは皮目に軽く小麦粉を振ってカリッと、身はジューシーな黄金比な仕上がり。
レタスもオードブル同様でシャキッシャキ、野菜が美味しいって幸せ!
塩が舌に残るが(特にガルニチュール側)、嫌味はないのでスッと食べられます。

最後は「甘夏(小田原から直送)のデザート」。
アールグレーのアイスが濃厚!舌から鼻腔へフッと風味が通っていきます。
寒天・ゼリー・カスタードに含んだ甘夏は甘さ控えめながら輪郭はくっきり。
底に敷かれたサブレーも含め、全て同時に口へ放り込むと、全体が見事にマッチ!
サブレーをフイユタージュに変更すれば、「再構築した甘夏のミルフィーユ アールグレーのアイスを添えて」なんてオシャレな名前に早変わりするだろ~な。
シェフはパティシエ出身との事で、流石の高完成度、街中フレンチで再構築系をいただけるとは思いませんでした。
ソースの時も感じたけど、パティシエ経験あるシェフってバランス感覚が優れてますね。

食後のコーヒーも日替わりで、訪問時は「エーデルワイス(タンザニア)」。
酸味が勝ったスッキリ系で、ランチに最適。

いやいや、予想外に美味しいランチで幸せなプチ旅行になりました。
鮮度抜群の野菜にシェフのバランス感が光るフレンチ、だが環境に合わせたカジュアルスタイルが好感持てました。
街中レストランとしてはレベルが高いし、近所に住んでたら記念日毎に通いたくなりますね!
ちなみにメンバーズカードを設けており、コース一つごとに1捺印、5つ貯まると特典があります。
懸念点は、訪問時は大丈夫でしたが、場所柄マダムランチに使われてそうで、2~3組いる時は賑やかになりそう。
また、ワインはリストを見ていないが、セラーをチラリしたところ、グラスはヤバそう。。。
フレンチにはワイン必須って方はボトルをお勧めしま~す。

  • 三崎のマグロのカルパッチョ 岩井の胡麻油さんの『黄白胡麻油』を使ったドレッシングで
  • ホウボウのポアレ レタスのソースと酸味のきいた海苔のソースで
  • 甘夏(小田原から直送)のデザート

もっと見る

10位

大木屋 (市ケ谷、牛込神楽坂、神楽坂 / もんじゃ焼き、鉄板焼き、日本料理)

1回

  • 夜の点数: 2.5

    • [ 料理・味 2.0
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 -

2011/01訪問 2011/01/29

食はスポーツだ!

こちらの競技に参加するには、2ヶ月前の申請が必須。

競技は男女混合6人一組で行い、5種目の総合得点で争う。
チーム内の女性比率が高いほどボーナスポイントが加算される。
時間は2時間制、競技開始時間も指定されているので注意が必要だ。

地下の競技場は、激しい競技の後を思わせるソース香で充満している。
競技時間を第二部に指定した場合、先の競技者が使用した機材をスタッフが整え次第、競技場に案内される。

競技場は十分なスペースがないため、軽装が望ましい。
アウター・鞄・荷物等がある場合は、会場規定のビニール袋をスタッフから貰い、チームごとで管理すべし。

競技前に水分補給のドリンクを選択。
ビール(生/瓶/ホッピー/ノンアルコール)・サワー・ウイスキー・果実酒・焼酎(ボトル)・ワイン(ボトル/グラス)・日本酒・ソフトドリンクがある。
ポイントはアルコール度数に比例し、追加する度にポイントが加算される。
高得点を狙うあまりに、挙動不審になった時点で過剰ドーピングとみなされ、ポイント没収の上、場合によっては一発退場。


さて、第一種目は「かつおのたたき」。
この時点では鉄板を使用せず、大皿で登場。
高得点のポイントは、「速食」と「完食」。
ポン酢まで残さず飲み干せば大量得点が見込める。
タマネギを残す、スタッフに急かされる等の行為は減点対象。


続いて第二種目は「牛リブロースのステーキ(800g)」
この種目は、「ニンニク炒め」と「ステーキ完食」の二部に分かれている。
肉が焼きあがる前にニンニクスライスを焦がしてしまうと減点対象、焦げる前にコテや皿に非難させるべし。
また、完成前の肉を触ると減点対象、勝手に焼き面を変えるとポイント没収の上、スタッフからの叱責があるとかないとか。
肉がカットされると「ステーキの部」が開始される。
火が通り過ぎる前に「完食」することでポイントアップ。
「こりゃ~レア過ぎる!」と言わんばかりに断面の赤い部分を勝手に火入れすると減点対象。
食後は次の競技に向けて、鉄板をコテで念入りに掃除するとポイントアップ。


第三種目は「牡蠣と長ネギの醤油バター炒め」。
この種目もステーキと類似している点があり、長ネギを焦がすと減点。
また、審査員の指示なく牡蠣に触れても減点。
なお、牡蠣アレルギーの選手がいる場合、競技種目が帆立に変わるらしい。
食後は鉄板掃除を忘れずに。


第四種目は「メンチカツ」。
高ポイントの秘訣は、大振りにカットすること。
綺麗に6等分し、そのままガブリと食べると高得点。
しかしながら、コテでメンチをブッ刺す時の感触が気持ち良く、ついつい細かくカットしてしまう。
当然ながらキャベツを残すと減点となる。
くれぐれも食後の鉄板掃除を忘れずに。


第五種目は「もんじゃ(11品目)」。
一度に全てを焼くのは不可能な量なので、必然的に二部制となる。
代表者がもんじゃを混ぜきった時点で競技開始。
こちらを「速食」するには、鉄板に入れるもんじゃの量が非常に重要。
鉄板一面に敷き詰めることは必須だが、すばやく焼き上げるには「薄く」敷き詰めることが重要。
もんじゃを流し込む「リリース」と、鉄板全面に薄く敷き詰める「カバー」双方の技術とチームワークが鍵を握る。
「速食」を目指すがために、焼きあがる前に手を伸ばす行為は減点対象、
焼きすぎても「速食」のポイントが見込めず、食べ頃を見極める眼力も重要となる。
味の変化がなく、必然的に後半戦はペースが落ちるため、手口を動かし続けるスタミナも試される。


最後の「シャーベット」と共に、チーム全員で競技の労をねぎらおう。
そして参加費を支払い、余韻に浸ることなく足早に競技場を後にすべし。

あっ、キチンと評価をすると、仲間内でビッグボリュームに圧倒されながらワイワイするのがベストです!

  • 第一種目(かつおのたたき)
  • 第二種目(牛リブロースのステーキ800g)
  • 競技中の模様①

もっと見る

ページの先頭へ