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2回目の訪問。 Convivioは北参道のイタリア料理店だ。大通りから少し奥まった住宅街の集合住宅(マンション)の1階を店舗に改装している。小さな店舗だが、空間には余裕があり、客席の間隔は十分に有る。 突き出しは、鰆の燻製やチーズのチップスなど、様々な盛り合わせ。 鰹のマリネと蛍烏賊は、爽やかな味。 続くは定番というバーガー。バンズに挟む具材は、その時々で変わるそうだ。この日のサーモンは上品な味にタルタルを組み合わせ、ハンバーガーを換骨奪胎している。 カルボナーラは、少しネットリした食感と胡椒の相性が抜群。 平目は焼き加減が良く、揚げた桜海老が食感に変化を与えている。 牛肉は素材も焼き方も良く、下に敷き詰めたジャガイモのピューレも丁寧に濾してある。 締めの感覚で供されたラザーニャは、唐辛子で辛く仕上げてある。下世話だが癖になりそうな美味しさ。 クリームのドルチェは、ネットリとした食感。 食後の飲み物は、コーヒーやエスプレッソや紅茶は無く、何と緑茶だが、これが中々美味しかった。卵を模した容器に入れたお茶菓子も、手抜きの無い美味しさ。 接客は丁寧で、挨拶に来たシェフも好青年。 Convivioは北参道のイタリア料理店だ。大通りから少し奥まった住宅街の集合住宅(マンション)の1階を店舗に改装している。小さな店舗だが、空間には余裕があり、客席の間隔は十分に有る。 コースの一皿目は、さつま芋を閉じ込めた最中。微かな甘さ。 続く前菜は、オリーブ、ホウズキ、チップスなど様々な品の盛り合わせ。 低温で調理したサーモンはかなり良かった。微かに火を通しながらも生に近く、絶妙の火加減だ。添えたハーブも良く合っている。 続くは定番というバーガー。バンズに挟む具材は、その時々で変わるそうだ。この日の帆立貝は、肉厚で少し焦げ目を付けた焼き方も見事。 カルボナーラは、少しネットリした食感と黒胡椒の相性が抜群。 魚のスジアラは、ブイヤベース風のソースがとても美味しかった。 牛肉は素材も焼き方も良く、下に敷き詰めたジャガイモのピューレも丁寧に濾してある。 締めの感覚で供されたラザーニャは、唐辛子で辛く仕上げてある。下世話だが癖になりそうな美味しさ。 ドルチェは冷製の柿。柔らかな食感と上品な甘味。イタリア料理としては、かなり攻めたドルチェだ。 食後の飲み物は、コーヒーやエスプレッソや紅茶は無く、何と佐賀県の嬉野の緑茶だが、これがかなり美味しかった。卵を模した容器に入れたお茶菓子も、手抜きの無い美味しさ。 接客は丁寧で、挨拶に来たシェフも好青年。 中々良い店だと思う。
2024/05訪問
2回
5回目の訪問。 Principio(プリンチピオ)は麻布十番のイタリア料理店だ。店内は狭めで気楽な雰囲気だが、料理は素晴らしい。7品のコースで、主菜は3種類の肉から選ぶというシステムだ(主菜に魚介類は無い)。 突き出しのオリーブは何気ないが美味しい。 ゴールドラッシュ(トウモロコシの一種)のフロマージュ ブラン。微かな甘みと滑らかな食感。キャビアが塩気を添えている。 イタリア料理では珍しい鮃のカルパッチョ。粉末状にした青トマトと合わせるという意表を突く調理法だが、この食感の組み合わせが成功している。 次もイタリア料理では珍しい甘鯛の鱗焼き。鱗のパリパリとした食感が素晴らしい。スープも深い味わい。冬瓜やフィノッキオ(ウイキョウ)との組み合わせも効果的。 パスタが二品。先ずは冷製のタリオリーニ。アオリイカの弾力と雲丹の滑らかさとの組み合わせ。唐辛子の辛みやレモンの酸味が複雑な味わいを生み出している。 タリアテッレは合わせたラグーが深い味わい。 主菜は3種類から短角牛を選択した。柔らかさよりも適度な噛みごたえを重視している。付け合わせの万願寺唐辛子もいい感じ。 ドルチェは2種類からマンゴーを選択した。果肉と滑らかなムースの組み合わせが口の中でとろける。 料理は素材の組み合わせや食感がよく考えられている。自然体の接客にも好印象を抱く。 Principio(プリンチピオ)は麻布十番の気楽なイタリア料理店だ。コロナ ウィルス禍の営業時間短縮要請に応じて、普段に比べてコースの皿数を若干減らして営業している。ワインはお任せにした。 突き出しの何気無いオリーブが美味しい。 鰆の炭火焼きは、ギリギリまでレアにした攻めた火入れだ。 蝦夷鮑と八色しいたけのインパデッラ(フライパン焼き)は、鮑に弾力感が有り、ソースの微かな苦味も良い。しいたけの食感が、少し鮑に似ている。トリュフも良く香っている。 白魚とサルディーニャ産からすみのタリオリーニは、パスタの茹で加減が良く、粉末状にしたからすみと和えた食感が良い。 蝦夷鹿ロースの炭火焼きも、ギリギリまでレアの火入れ。付け合わせの野菜は、シンプルながら上質だ。 ピスタチオとクリームのドルチェは、上品な甘さ。 愛想が良く自然体の接客にも好印象を抱く。 店内は狭めで気楽な雰囲気だが、料理は素晴らしい。7品のコースで、主菜は3種類の肉から選ぶというシステムだ(主菜に魚介類は無い)。 突き出しの空豆のムースは、食感が滑らか。 その後アンティパストとして、『栄螺(さざえ)のインサラータ、バジル風味のクスクス』と『穴子のフリット、胡瓜とオクラのサルサヴェルデ』が続く。この両者とも、素材の組み合わせの妙や食感に唸った。メニューを見ただけでは相性が想像付かない素材を上手く組み合わせるのは、シェフの才能だろう。さざえの蒸し方や穴子の揚げ方など、一つ一つの技量も高い。 続いてパスタが2種類供されるが、茹で方やソースとの相性も抜群だ。茴香(ういきょう)の微かな苦味が味にアクセントを添える。 主菜に選んだ羊は、肉質も焼き方も最良だ。 ドルチェも複数の選択肢が有り、僕の選んだ品は、ピスタチオのジェラートが滑らかで、クリーム ブリュレの焦げ目の付け方も完璧だ。 値段も高くない。この値段でこれだけの満足感を得られるのに驚く。
2023/08訪問
3回
銀座四丁目交差点に在り、テラスから和光の時計台を眺められる素晴らしい立地。料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味。 3回目の訪問。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在る。立地も料理も素晴らしい。 内装の基調色は黒と灰色と白。禁欲的な内装に花が華やかさを与えている。現代的な高級感に溢れる内装だ。 アミューズ ブーシュ的な品が二皿。先ずは、ムール貝をペーストに閉じ込め、焼いた生地で包んだ品。柔らかいペーストと生地の軽い食感の対比が見事だ。 ゴールドラッシュというトウモロコシの品種から作ったパンケーキみたいな品。白鱒の筋子を添えている。ホッコリとした柔らかい食感。 子羊のスペアリブという変化球。何と味噌や黒胡椒などで味付けしてある。下世話に寄りながらも洗練とした味わい。 メレンゲに閉じ込めた牡丹海老は、上品な甘味。胡瓜やディルの青臭さが変化を付けている。メレンゲの食感は儚い。 フォアグラは普通のそれとは異なる。掛川茶のソースとの組み合わせにより、しつこさを感じさせず、適度にネットリとした味わいだ。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 シェフのスペシャルテだという発酵マッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 明石の蛸を揚げた生地で包んだ品。蛸の程よい弾力感と、生地の軽い食感との対比がとても良い。付け合わせのジャガイモは丁寧に漉してある。 鴨は焼き方が適切で、蜂蜜で少し甘味を付けたソースも美味しい。鴨にオレンジで甘味を付ける手法はしばしば見られるが、蜂蜜で甘味を付けるという手法が斬新。 スプマンテで覆った、口直しのパッション フルーツ。強烈な酸味と爽やかな甘味。冷やした温度感も適切。 マンゴーのデセールは、果肉、アイスクリーム、ソースそして下に敷いたフレンチ トースト風の生地の多重奏。 食後のお茶の際にはテラスに移動した。対角線上に和光の時計塔が見える景色は贅沢だ。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。 2回目の訪問。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在る。立地も料理も素晴らしい。 内装の基調色は黒と灰色と白だが、床は明るい茶色で、単調にはなっていない。テーブル クロスは無いものの、現代的な高級感に溢れる内装だ。 コースは品数に応じて二種類有り、我々は品数の少ない方を選んだが、少食の僕にとってはこれで十分だった。ワインはお任せのペアリングにした。アミューズ ブーシュとミニャルディーズの際に、シェフが挨拶に来てくれた。 菊芋のアミューズ ブーシュは、極限まで薄く揚げた皮の内側にネットリとしたペーストが盛られて、その上に削ったトリュフが掛けられている。食感の対比が素晴らしく、少量ながら印象に残る。 マリネしたカンパチは、上に薄く削った青リンゴを載せ、更に山葵などを練り込んだソースが掛かっている。様々な食感と味の組み合わせが見事。 パテアンクルートは、一転して古典的な味。美味しいが、他の皿に合わせて、もう少し現代的に料理しても良かったと思う。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 シェフのスペシャルテだというマッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 クロムツは皮を微かに焦がした焼き方が見事で、シェリー ヴィネガー ソースが味にアクセントを付けている。添えた野菜は美味しくかつ美しい。 ホロホロ鶏は淡白になりがちな素材だが、トリュフ ソースが味に深みを与えている。少しレアな感じを残した焼き方も見事。 ラム レーズンのデセールは、液体窒素で粉状にしたホワイト チョコレートが掛かっている。適度に濃厚でありつつ食感が軽く、出色の出来だった。 お茶とミニャルディーズを楽しむ祭は、テラスに移動した。気温は若干低かったが、コートを羽織り、電気ストーブも付けてもらったので、和光の時計を眺めながら寛げた。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在り、素晴らしい立地だ。1年程前までティエリーマルクス東京店が在った場所だが、居抜きでなく、内装は完全に新調している。2020年12月に開店したが、その直後にコロナ ウィルスの第二次緊急事態宣言が発出され、多難な出だしとなってしまった。 内装の基調色は黒と灰色と白だが、床は明るい茶色で、単調にはなっていない。テーブル クロスは無いものの、現代的な高級感に溢れる内装だ。料理はお任せのコースで、ワインもお任せのペアリングにした。 アミューズ ブーシュの一皿目は、薄い生地の上にアオリイカやキャビアを載せたもの。生地の軽い食感とアオリイカのねっとりとした食感の対比が良く、微かな塩味の塩梅も見事だ。 アミューズ ブーシュのニ皿目は、 サブレに挟んだ鶏のムース。ムースの滑らかな喉越しに対して、サブレの食感は恐らく意図的に粗くしてある。 三皿目はうすい豆という豆を使った料理。一皿の中に、軽く茹でた豆と、豆から作った滑らかなソースと、豆を衣のように揚げた部位が入っており、豆の様々な味や食感を楽しめる。 四皿目は、鯛のマリネに粉末状にした緑色の野菜を添えている。詳しく訊かなかったが、鯛は恐らく昆布か何かで締めており、深みのある味だ。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 五皿目は、シェフのスペシャルテだというマッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 六皿目は、リドヴォー(仔牛の胸腺)。リドヴォーの揚げ方が見事。 七皿目は、ソテーした平目をパイ生地で包み、野菜から作った色鮮やかなソースを添えている。パイ生地は極めて薄く、ソースもとても良い。 八皿目は羊。一見単にローストしただけみたいだが、中にニンニクを練り込むなど、芸が細かい。肉汁から作ったソースも丁寧な仕事振り。 デセールの一皿目は、ヨモギを粉末状にしている。上品な甘みと軽い食感。 デセールの二皿目は、チョコレート。驚くほど大きいが、液体窒素を使って膨らませているので、しつこさは感じず、アッサリと食べられる。添えた苺のソースも上質だ。 お茶とミニャルディーズを楽しむ祭は、テラスに移動した。気温は若干低かったが、コートを羽織り、電気ストーブも付けてもらったので、和光の時計を眺めながら寛げた。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。
2023/07訪問
3回
XL Neo Bistro & Wine Barは銀座の気軽なワイン バー。バーと銘打っているが、下戸でも歓迎とのこと(連れが下戸なので事前に確認しておいた)。カウンターとテーブルが有り、我々はカウンターに座った。 料理はアラカルトと数種類のコースの両方が有り、我々はアラカルトを選んだ。ワインはフランスだけでなく、新世界のものも充実している。ボトルも数多くあるが、グラスの選択肢も多い。 パテ アンクルートは凝縮された旨み。パイと肉との間に挟まれた煮凝りも効果的。 海の幸のスープ ド ポアソンは、ムール貝や甲殻類やズッキーニなど。具の存在感が強く、スープは少な目だが、サフランの味付けが良い。 鴨は上質で、様々な野菜が味に彩りを添えている。 クレープはオレンジのソースが爽やかな酸味。 ワインは新世界主体でグラスで選んでもらったが、満足した。 料理は、奇を衒うことのない王道を行くもの。接客は丁寧。ワイン主体の楽しみ方も、料理主体の楽しみ方も、どちらも可能。銀座という立地を鑑みると、料金は割安に感じる。
2023/06訪問
1回
店名のΑμάρανθος(アマラントス)は、ギリシャ語でヒユ科ヒユ属の植物で一年華の花で、「しぼまない、色あせることのない」という意味だそうだ。10席のカウンターを調理二人、接客二人で回している。コース一種類のみ。 カナッペは少量ながら印象的。和牛ほほ肉という意外な素材は適度にサシが入っている。トウモロコシから作ったポレンタは、微かに甘い。キャビアの適度な塩気。 蕪のコンソメは、品種を変えて一年中供しているそうだ。シンプルながら滋味に満ちた味わい。 スズキとスナップエンドウ。トマトのジュレが微かな酸味を加えている。 甘みを抑えたブリオッシュのようなパンは個性的 。 野菜の一皿は丁寧に仕事が施されており、優しい味わい。 濃密玉子 シャンピニオン コンソメは、 中に卵が隠れており、全体を崩すと、とろけるような食感になる。 クロムツは、皮の焦げ目の付け方が適切で、ソースも美味しい。 花悠仔豚のロティは、部位が3種類。脂の部分をカリッと焼いている。少し中華料理を思わせる味わい。 デセールはとても良かった。 高知県産ミルクは、喜界島の塩を隠し味とし、更にオリーブ オイルで変化を付けている。味の要素のバランスが絶妙。 レモンのメレンゲの中には濃厚なショコラ。全体を崩して、混然とした味わいに。 各皿とも何気無い感じながら、高い技量で丁寧に調理している。
2023/05訪問
1回
kabi(カビ)は目黒通りにあるレストラン。目黒駅から徒歩10分程度だ。 古民家を改装したような感じの店内。カウンターに加え、テーブルが2卓。奥には個室も有るみたいだ。 改装前の古民家に有ったと思しき天井の梁をそのまま使っており、漆喰の白い壁や、クロスを掛けた木のテーブルと相まって、気軽ながら洗練された雰囲気を醸し出している。BGMは環境音楽。 シェフはデンマークで修行し、北欧の影響を受けた料理を供する。 少量多皿構成で、魚介類や山菜や野菜の中核を成し、ソースに発酵を使った皿が多い。 先付けは北寄貝の天麩羅と、クロマグロのカルパッチョ。天麩羅の衣は軽い食感。カルパッチョは、デンマークの松の実などを加えて、味に変化を付けている。 生の赤貝は、若干発酵させたと思わしき野菜を付け合わせている。 生の甘海老は、柑橘類を合わせて味に変化をつけ、発酵したソースで味を整えている。食感の組み合わせがとても良かった。 甘鯛は松笠焼きにし、ケールを添えている。松笠焼きは鱗が立った食感で、ケールはゴツゴツした食感。もう少し食感を柔らかくした方が良いと思う。 鯖は燻製にした身を、何かの緑色のコーティングに閉じ込めている。 火を通した蛤は、野菜を付け合わせ、麹を発酵させたソースで味を整えている。蛤の弾力感が強く、噛み切るのに少し苦労した。 パスタは、ふきのとうを練り込んだ、珍しいもの。 口直しとして出てきた漬物は、日本の漬物のようでありながら、色が鮮やか。 信州黒豚は、素材も火入れも良く、新玉ねぎの付け合わせも美味しい。 締めにおじやが出てきたのには驚いた。と言っても、ご飯に恐らく油を練り込んでいるので、日本のおじやとは少し味が異なる。 デザートの1皿目はとてもよかった。複数の柑橘類にヨーグルトを組み合わせ、酸味と甘味の精妙なバランスを保っている。 接客はフォーマルな感じではないが、給仕達は親しげに話しかけてくれ、また料理の説明も丁寧だ。ワインは味が軽めのものが多い。分量は少なめだが、発酵を積極的に取り入れた料理は、とても個性的だ。
2023/03訪問
1回
数年振り2回目の訪問。 ALLIÉは、麻布十番の駅から徒歩5分以内という便利な立地。約10席のテーブルが満席だった。白と濃い焦げ茶の組み合わせを基調とした落ち着いた内装。二種類あるコースの内、品数が少ない方を選んだ。 アミューズ ブーシュがとても印象的。ズワイガニのキッシュは、焼き立てで生地が香ばしい。トリュフのシュークリームは、トリュフを練り込んだクリームが香っている。 鯖は、塩麹でマリネしてから軽く火を通している。脂が乗りつつもサッパリした味わい。 下仁田葱などを合わせている。 白子は、表面をカリッと焼いて、中身のネットリとした食感との対比が良い。菊芋から作ったソースも美味しい。 鰆は身がしっとりとしている。木の子のソースが意外と良く合っている。 カトラリーは燕三条製。 蝦夷鹿は、素材も焼き方も上質。 苺のデセールは、甘味と酸味を上手く組み合わせている。 料理は繊細かつ上質。多くの皿に野菜が組み込まれており、健康にも良さそう。接客も好印象。
2023/02訪問
1回
San Ciro(サン チーロ)は広尾の気軽なイタリア料理店だ。カウンターとテーブル一卓の小さな店をシェフ一人で切り盛りしている。アラカルトで頼んだ。 定番だという前菜の盛り合わせ。真ん中にあるのは、意外にもサヨリのマリネ。サヨリの骨から作ったパルパリした煎餅が美味しい。豚の血から作ったブーダン ノワールは濃厚な味。 少し焦がして焼いたホワイト アスパラガス。卵を合わせる店が多いが、ここでは代わりにパプリカのソースを合わせている。爽やかな味。ベーコンがアクセントを付けている。 空豆を詰めたラヴィオリは、とても美味しかった。トマトとペコリーノ チーズのソースは丁寧な仕事振り。 ホロホロ鳥に菊芋を詰めたローストは、素材も焼き加減も良い。これにはグリーン アスパラガスが添えられている。 遅い時間にバーみたいな使い方もできそう。値段は手頃。
2022/04訪問
1回
Archan(アーチャン)は恵比寿のイタリア料理店だ。古民家を現代的に改装したような内装。オープン キッチンで石造りのカウンターが洒落ている。店名はオーナーの渾名から取ったそうだ。コースとアラカルトが有り、アラカルトを選択した。 四種類の前菜は中々のもの。帆立貝のカルパッチョは肉厚で新鮮。甘海老のジュレ仕立ては上品な味。 パンに添えられた生クリームがとても美味しい。僕は普段は余りパンを食べないが、この日は生クリームの美味しさ故にかなりパンを食べた。 焼いた鰆は堅実な味。添えた野菜も良い。 ミートソースのパスタは適度に腰があり、肉もたっぷり入っており、食べ応えがある。 鴨ローストは、素材も焼き加減も良く、ソースも美味しい。 ワインはお任せにしたが、グラス毎に選択肢が幾つか有るのが良い。 雰囲気が洒落ていて、手頃な値段ながら美味しい料理を楽しめる。
2022/03訪問
1回
Clos des Gourmets(クロ デ グルメ)は白金に在る。強いて分類するならフランス料理店だが、パスタも供し、分野については柔軟だ。小さなカウンターとテーブルが3席。内装は簡素で気楽な感じ。調理一人、接客一人の少人数で回している。コースを頼んだ。 アミューズ ブーシュは焼き茄子とヨーグルトをパイで挟み、キャビアを載せたもの。具のネットリとした食感とパイのサクッとした食感の対比。 冷製カッペリーニは、カリフラワーのソースが滑らかな食感。帆立貝に加えてシャイン マスカットという意外な具材を添えているが、微かな甘味が効果的。 鶏肉のバロティーヌは栗で変化を付けており、トリュフもキチンと香っている。 鯛のポワレは、焼き方も良く、蕪や銀杏や柚のソースも美味しい。 フォアグラのポワレは、素材も上質で、無花果の微かな甘味も良い。 何時間も煮込んだという和牛頬肉の赤ワイン煮込みは、素朴ながら美味しい。 柿のマリネとカシスのソルベで締めた。 気楽な雰囲気の店舗で、堅実に美味しい料理を味わえる。
2021/10訪問
1回
Restaurant L’allium(レストラン ラリューム)は、白金のフランス料理店だ。 地下に在るが、天井が高いので閉塞感は無い。オープン キッチン式のカウンターに加え、テーブル5卓と半個室が有り、満席だった。明るい茶色の木の壁と、黒い床の内装は高級感がある。コースは完全なお任せではなく、魚と肉は幾つかの選択肢から選べる。 アミューズ ブーシュの一つ目は、レバーのグジュール。濃厚ながら滑らかな食感で、掴みは上々。 アミューズ ブーシュの二つ目は、焼いた秋刀魚。中に茄子が詰めてあり、秋刀魚の少しパリッとした食感と茄子の柔らかい食感の対比が良い。 スミイカのソテーは、香味野菜との優しい組み合わせ。 定番らしいフォアグラのプランシャ(鉄板焼き)は、イチジクのソースで少し甘味を付けている。濃厚ながらも上質。 鹿児島産のスジアラという魚は、関東では余り聞かないが、クエみたいな感じだ。焼き方もアサリのクリーム ソースも良い。 シャラン産鴨のローストも、的確な火入れ。 シャインマスカットとライムのソルベは上品な甘さ。 確かな腕を持ったシェフが、日本の素材を上手く使いながら、フランス料理として纏めている。
2021/10訪問
1回
焼鳥 嘉とう(かとう)の店内は、かなり長いカウンター造りだ。口数の少ない職人気質の大将と、愛想の良い女将の二人で店を回している。コースを頼んだ。 冷たいビシソワーズという、焼き鳥屋らしからぬ品から始まる。酷暑の日には嬉しい。 レバー ムースは適度に濃厚で、微かに添えられているブランデーも効果的だ。これはお土産としても買い求めた。 山葵焼きは、内部は微かにレア。 砂肝はコリコリとした食感。 ここでズッキーニという変化球が投げ込まれる。焦げ目を付けた焼き方が良い。 ボンジリはプリプリとした食感。 続くは、腿と葱を合わせた面白い品。 椎茸は驚くほど大きい。 ツクネも上質。 仄かに甘いトマトの口直しの後に追加で頼んだ親子丼は、卵の半熟加減が丁度良い。 満足した。
2021/07訪問
1回
ab restaurantは四谷の表通りから少し奥まった所に在る。集合住宅(マンション)の一階を店舗に改装し、室内4席に加えてテラスも有るが、シェフとソムリエ兼給仕の二人で店を回しているので、予約は一日に3組までしか受け付けていないそうだ。3種類のコースの内、中間のコースを選択した。 アミューズ ブーシュは、じゅんさいという意外な素材。コリアンダーなどを加えて若干辛みを付けて夏に相応しい味に仕上げている。 続く皿は、この店の定番らしい小肌。鮨みたいに軽く酢で締めた小肌をテリーヌにし、豚の脂で巻いている。難しい素材の組み合わせだが、上手く纏めた爽やかな味だ。 ガスパチョは、西瓜を多めにし、若干トマトを加えている。中に入っているのは上質な帆立貝。この皿も爽やか。 続く皿は数種類の茹でた新鮮な野菜をマリネにし、軽く胡椒を振っている。 ソテーした鱸は米を合わせている。この米はリゾットというより、和食のお茶漬けを洋風に再構築した面白い味だ。 牛肉のハラミは若干固かったが、焼き加減は中々良い。 デセールのクリームは上品な味。 料理は和食の素材を多用しながら、和食とも伝統的なフランス料理とも異なる興味深い味になっている。給仕の説明は丁寧で、好感を抱く。
2021/07訪問
1回
Albero Nero(アルベロ ネロ)は白金のイタリア料理店だ。地下の店内は、やや照明が暗めで、客席の間隔も十分に有り、適度に落ち着いた雰囲気を醸し出している。お任せのコースとペアリングを頼んだ。 一皿目は、鰯のマリネに茄子を合わせたもの。大振りの鰯が新鮮だ。 二皿目は、平貝や野菜のフリット。天麩羅店と張り合えるような揚げ方だ。 ここまでは和食みたいな感じだったが、ここからイタリア料理らしくなる。 三皿目は、ソテーしたアスパラガスに卵を絡ませた皿。よく有るレシピだが、堅実に纏めている。 四皿目の馬肉は、新鮮で臭みが無く、食べ易い。 五皿目は、オーストリア産の子羊。シンプルなローストだが、素材も焼き方も良い。 主菜の後にパスタを供するのは、和食の締めのような感覚だ。蛍烏賊を和えたパスタは、歯応えも丁度良い。 ドルチェのパンナコッタは驚くほど濃厚で、エスプレッソと共に食事を締めた。 料理は堅実で、店の雰囲気を鑑みると、料金は高くない。ペアリングは質が高く、分量も気前良く注いでくれる。
2021/04訪問
1回
Requinquer(ルカンケ)は気軽なビストロという雰囲気だ。コースが何種類か有るが、皿数の少ないコースを選び、ワインはペアリングにした。 趣向を凝らしたアミューズ ブーシュが二皿出てくる。一皿は、沢山の小石の中に豚のリエットが隠れており、もう一皿は沢山の葉っぱの中にチップスが隠れているというものだ。出だしから楽しい演出だ。 続くフォアグラは、チーズケーキのような生地にフォアグラを練り込んでいる。フォアグラだけだと食感が重くなりがちだが、他の生地に練り込むことによって食感を軽くしている。 「スモーク」と題された皿は、給仕がクロッシュを外すと、煙が流れ、燻製香が立ち込める。中に有るのは、キャビアを載せたスモーク サーモン。味だけでなく香りも楽しめる。 鱈の白子はパイ包み仕立てだ。テーブル上で給仕がパイを切り、その場でトリュフを削って掛ける。白子のネットリとした食感とパイのサクサクした食感の対比が面白い。 牝牡蠣は趣向を凝らした調理法で供する。大振りの牡蠣をフリットにし、その上に揚げた海藻を乗せている。その横にはビーツなどを練り込んだ冷たいパウダーが添えられている。複数の構成要素の食感や温度の対比を楽しめる。 鱸のポワレは、サフランや野菜を上に載せた状態でテーブルに運ばれて、最後のに給仕がスープドポワソンを掛けて完成させる。スープドポワソンは魚介類を煮詰めた出汁のようなもので、コクが有る。 小鴨は焼き加減が良く、添えてある豆などのカスレも上質だ。 デセールやミニャルディーズも中々良い。 ルカンケは気軽な雰囲気だが 、プレゼンテーションが練られており、また、給仕が最後に一手間掛けて完成させる皿も多い。各皿とも素材が良く、素材の食感の対比も上手く設計されている。 中々良い店だと思う。
2020/12訪問
1回
Honda7は、恵比寿に在る焼き鳥割烹とでも形容すべき店だ。 9人掛けのカウンターを二人の店員で切り盛りしている。BGMはクラブ ミュージック的なジャズ風の曲。 焼き鳥以外に酒の摘みのような品が幾つか揃っている。 突き出しは、玉葱を丁寧に擦り下ろしたピューレに、焼いたエリンギを載せた品。玉葱から出た自然な甘みが上品だ。 イカゲソとオクラのマリネは、イカの弾力感が良い。 馬肉の刺身は、とても新鮮だ。 続いて焼き鳥を何本か頂いたが、素材も焼き方も中々良い。ジューシーかつ弾力感の有る焼き鳥だ。 締めの土鍋ご飯は数種類有り、我々は真鯛と鱒を選んだ。かなり量が多いが、美味しく完食できた。 ワインはカリフォルニアの甘口のものが多い。 かなり食べて飲んでも、一人1万円以下で収まり、プライス パフォーマンスが高い。
2020/10訪問
1回
iciは恵比寿駅から歩ける距離に在る。カウンターとテーブル一卓の店内は、カジュアルながら上品だ。 アミューズ ブーシュは、炒めた玉葱をパイで挟んだものだが、玉葱は濃い茶色になるまで炒めており、手が掛かっている。 鴨のロースト、フォアグラ、ビーツ、黒イチジクのサラダ仕立ては、優しい味わい。 パイ包み料理は、中身の素材を替えつつ一年中提供しているようだ。この日は鱧と帆立という意外な素材をパテ状にして使っていたが、これがとても美味しい。サクッとした感触のパイをキチンと作れるのは、シェフの技量が高いからだろう。 豚のローストには万願寺唐辛子を合わせているが、この意外な組み合わせが効果的だ。 セップ茸のリゾットは、ソースがスプマンテ状になっており、香り高い。 お手軽な値段の割には、かなり良い料理を味わえる。
2020/08訪問
1回
plate tokyo (プレートトキオ)は、西麻布交差点から少し北、青山墓地の近くに在る。公共交通では不便な場所だが、外国人の客も多いようだ。白い壁に木のテーブルという内装。コースで主菜は2種類から選べた。 海老のスパイシーピンチョス スパークリング ワインのお供に。 フォアグラのテリーヌ リュバーブのジャム フォアグラは上質で、リュバーブの自然な甘みが合っている。 ホタテのフリット ホタテは浅い火入れで、最後に軽く揚げているのだろうか。万願寺とうがらしと思われる辛味がアクセントとなっている。 冷製玉ねぎスープ 添加料を加えずに、自然な甘みが抽出されている。冷製で、暑い日には嬉しい一皿。 高知県目鯛のスチーム 的確な火入れ 豚バラ肉のシュークルート 柔らかい豚肉に発酵キャベツやソーセージを添えている。複数の柔らかい素材が渾然一体となった感が有る。 最近の店にしては珍しく、フロマージュがオプションで頼める。質も中々良かった。 チョコレート ケーキは、口の中でとろける柔らかさ。 オーナーは女性のソムリエーヌで、ニュージーランドやオーストラリアのワインを揃えている。オーナーはとても気さくな人柄で、客に積極的に話しかけてくれる。