14回
2024/03 訪問
入野谷在来
【2024-3-8】
今年初訪問。20分前に1番目で並び、11時開店時は待ち3人。こんな日もあるみたい。
いつもの天ぷらとざるのセットを注文。今日の粗挽きは、入野谷在来。
入野谷在来は、2014年にわずか20gの種が見つかり、そこから発芽したのは6粒だけ、2016年には20kgの収穫、以降順調に収量を増やしていっている、幻の在来種です。
戦後、栽培に手間がかからず収量も多い信濃1号に置き換えられ、入野谷在来をはじめとする在来種は駆逐されていきましたが、昔の蕎麦は美味しかった、と在来種の復活を求める声は多く、近年では色んな在来種が復活を遂げています。
今日の天ぷらは、スナップエンドウ、ほうれん草と新玉ねぎのかき揚げ、ナス、カボチャ、中トロ漬けの大葉包み揚げ、エビ、というラインナップでした。
スナップエンドウは豆が大きくてプリプリと甘く、中トロを漬けにして大葉を巻いて揚げるというのも手がかかってます。
いつもながら天ぷらのレベルの高さには感服します。
一通り天ぷらのネタが出そろったところで蕎麦を茹であげ、出てきました。
挽ぐるみということもあって、黒い殻や白い胚芽も混じる仕上がり、切り口の角が立っているのはいつ見ても気持ちがいいものです。
香りが良く味もいいという評判ですが、確かに深い味わいは感じられますが、奈川在来ほどの穀物臭や甘味は感じられませんでした。奈川在来は程よい甘みもあって、何もつけずにそのまま食べきることも多いのですが、入野谷在来はそれでは物足りず、塩を振ったり、ワサビを少しつけたり、最後には自分には珍しくつゆをつけたりしていただきました。
開店前でシャッターが下りているときには看板が無くて、場所がわからない、という声を聞くので、目印を紹介。
金華橋通り柳ケ瀬バス停の付近の頭上を見上げると、一枚目の写真の看板があります。この看板の下に並んでいれば、11時きっかりに店主がシャッターを開けに出てきます。
2024/03/10 更新
2023/01 訪問
泡々とろろ蕎麦 2023年1月新メニューに加わりました
【2023-1-19】
一足先に新メニューの情報を聞きつけ、それを目指して参りました。
開店15分前でしたが、すでに看板もないシャッターの前には2人。看板も無いのにこの待ち位置がわかるのは常連さん。自分のあとにもまた2人。常連さんが増えてきましたね。
11時きっかりにシャッターが開けられ、席につくと注文はもちろん、泡々とろろ蕎麦。
よくご存知でしたね、実は今日からなんです、と言われました。一番乗りだった!
乗鞍在来種で有名な長野竹田の里で有機栽培された長芋を使っていて、味が濃厚なので、合わせる蕎麦も太打ちや粗挽きでもとろろに負けないそうです。
世間的にはとろろそばは、二八の細打ちらしいです。もちろん細打ちでもどちらでも良いですよ。とも言われましたが、店主は太打ちを勧めていると見抜いた自分は、太打ちで!とオーダー。
今日は、芦原在来の太打ちでした。
長芋は、甘汁仕立てのかえしを使った辛汁を絡めてムース仕立てにしてあります。
ざる蕎麦用の辛汁でもかけ蕎麦用の甘汁でもなく、専用に作ってあるこだわり!
海苔の天ぷらが、しっかりとしたとろろの上に立っています。
確かに濃厚、自然薯に近く、スーパーで売られている長芋とは別物です。
蕎麦との絡み具合も程よく、舌にも絡んで、確かな味を感じられます。これは、絶対太打ちか粗挽きですね。
2023/01/27 更新
2022/09 訪問
とうとう予約が取れない店になっちゃいました
【2022-9-3】
口コミも増え、評価も上がってきたので、時々伺っているけど、投稿しないでいましたが、久しぶりの投稿になります。
岐阜に行く用事があるたび、伺うようにしてます。この日は土曜日だったので、開店の15分前に並びました。開店時のお客様は4人でした。
8月19日に家族で伺ったときは、ほぼ同じ15分前でしたが、長い盆休みの人がいたせいか、15人以上並んでいました。カウンター7席だけなので、3順目、1時間半ほど店内で待ちました。早い人は30分くらいで食べ終えて出ていかれますが、遠くから来られた人など、色んなメニューをじっくり味わっている人は1時間以上長居されます。
大抵は天ぷらざる蕎麦セットを注文しますが、久しぶりにぶっかけ蕎麦、桜海老おろしぶっかけを注文しました。
きょうの蕎麦は、ナガワカオリの新蕎麦。
「ナガワカオリとは
東北農研センターで開発された品種で、子実品質に優れる
「奈川在来」を種子親に、早生で多収の「レラノカオリ」(北海道産)
を花粉親として交配育成した品種です。」(奈川特産品オンラインショップから引用)
桜海老は、まとまったかき揚げではなくて、一匹ずつバラバラに揚げてあります。削りたての本枯れ節、ルッコラ、大根おろしが乗っかっています。具がたっぷりなので、具を半分以上食べ進めてやっと、下になった蕎麦が引きずり出せます。
蕎麦とルッコラの組み合わせは、イタリアン出身ならではの発想ですね。
以前は、平日だけは13:30以降の予約ができたのですが、とうとう予約不可になっちゃいましたね。開店前に行って並びましょう。
2022/09/12 更新
2019/10 訪問
まだ、予約が取りにくい店にはなってません
【2019-10-21】
今年5月にミシュランガイドに掲載されてからは、毎日開店と同時にお客さんが並び、12時半には売り切れ、となっています。
幸い、平日は予約ができるので、予約して行くのが良いと思います。今日も10人予約があったということでした。そのうち、予約すら取りにくくなるのでは、と心配しています。
今日は、いつもの天ぷらざる蕎麦セット。10月からは1520円になっています。南相木在来種粗挽きで250円増し。
天ぷらは、パプリカ、ブロッコリー、かぼちゃ、ごぼう、ナス、マイタケ、博多地鶏胸肉、海老でした。
パプリカはしゃきしゃき感を少し残し、ブロッコリーはやや焦げ目を付けて香ばしく、かぼちゃはじっくり揚げて甘く、ごぼうはしっかり揚げて土臭さを飛ばし、なすは隠し包丁で中まで熱を通し、マイタケは瑞々しさを残し、下処理した胸肉は控えめで柔らかさを残し、海老はぷりぷり感を残して、それぞれが絶妙な揚げ具合です。
南相木在来は、鼻で甘みを感じます。奈川在来ほどのもわっとした穀物風味は無いので、穀物感が苦手な人にもいいでしょう。
まずは何も付けずに蕎麦本来の風味を楽しみます。次に蕎麦塩を付けて、甘みを感じながら食します。辛汁は結局使わずでした。
美味しそうな蕎麦屋の情報を見て訪問もしていますが、今のところ、こちらに敵うお店は見つかっていません。
色々探し歩いてがっかりするより、ここに通うのが間違いないと思っています。
2019/10/21 更新
2019/04 訪問
入手困難な在来種を追い求め、蕎麦打ちの技術もさらに高みを目指す姿は、まさに求道者です
【2019-4-6】
今日の蕎麦は何がありますか?と聞くのが通例になっています。
たまたま今日は、椎葉在来種、しかも焼き畑、手刈り、天日干しと至上の条件が揃った蕎麦があり、それをいただきました。
天ぷらざるセットにしたので、まずは天ぷらから。
今日は、春らしくタラの芽、鰆、に続き、ごぼう、なす、かぼちゃ、ズッキーニ、それに海老でした。
蕎麦は、天ぷらを食べ終わる頃を見計らって、少し前から茹で上げます。
いつもの感じ、玄挽きの粗挽きです。しっかりと角が立っていますが、粒度が粗いので、写真のようにぶつぶつが見えます。
まずは、いつものように何も付けずに一口、甘い、穀物の香りが鼻に抜けます。
歯ごたえは固すぎず、そこそこで、噛みしめるほどに香りが口いっぱいに広がります。
その香りは、2日たった今でも思い出すことができます。
奈川在来種も感銘を受けましたが、それと双璧を成すと思います。
聞くと、奈川よりも椎葉のほうが、さらに高くて入手困難だそうです。
蕎麦の理想を追求して、入手困難な在来種の蕎麦を求め、蕎麦道をひたすら進む店主の姿は、まさに求道者です。
2019/04/08 更新
2018/12 訪問
発芽蕎麦の自然な甘みに感動
【2018-12-20】
いつも新しい発見や出会いがあるので、楽しみに行っています。
今日は、乗鞍在来種の発芽蕎麦をいただきました。
長野県茅野市にどうづきそばというのがあるようですが、同様に、抜き実の蕎麦を水につけておき、芽が1ミリほど出たところで、つぶしてそのまま捏ね上げる、というものです。
石臼を使っても、どうしても製粉時には温度があがり、蕎麦の風味を少なからず損ねると言うことですが、こちらは水を吸ってふやけた実をつぶすだけなので、温度は上がらず、蕎麦の風味は損ねません。
さらに、発芽することによって、自然な甘みが引き出されます。
写真に瑞々しい蕎麦のアップと、普通の粗挽き蕎麦のアップも載せましたので、見比べてください。
供された蕎麦を見ると、いつもより瑞々しい。鼻を近づけると、ほんのりと甘みがあります。
噛むと、歯ごたえがいつもよりあり、しっかりした腰を感じます。噛む回数は、いつもよりだいぶ多かったです。
そんな初めての蕎麦は、最後まで辛汁なしでいただきました。ここの辛汁は美味しいのですが、それですら、蕎麦の風味を楽しむには不要となります。辛汁は、たっぷりの蕎麦湯で薄めて美味しくいただきました。
今日の天ぷらは、蕎麦を仕入れている日向の農家から送ってもらえたという、ふきのとう。鮮烈な春の香りが口いっぱいに広がって美味しかったです。
他のネタは、ごぼう、かぼちゃ、ヤマイモ、ナス、スズキ、海老です。
2018/12/22 更新
2018/10 訪問
桜海老おろしぶっかけ
【2018-10-11】
いつもは天ぷらセットをいただくことが多いのですが、今日は訳あってぶっかけを。
桜海老のかき揚げが乗っているものを頂きました。
細切りの十割ぞばに、吟味された汁がかけられ、大根おろしを真ん中に、契約農家のルッコラ、刻みねぎ、削り立ての鰹節、そして最後に揚げたての桜海老かき揚げがどーんと乗っかります。
揚げたての桜海老はかりっと香ばしくて美味しいです。
黒い器に、ルッコラの緑、桜海老の桜色、大根おろしの白が映えますね。
かけそばのつゆも、ぶっかけのつゆも、ざるそばのつゆも、それぞれ主役の蕎麦を引き立てるように、濃さも味わいも替えられています。
つゆも最後までいただきました。
2018/10/11 更新
2018/09 訪問
ここの蕎麦は別格です
【2018-9-7】
最近、ダイエットのために蕎麦を食べることが多いのですが、こちらの蕎麦は、他とはあきらかに違います。
以前、某店を蕎麦屋選びの基準という投稿をしましたが、そこをはるかに越えています。
今日は、妙高高原の関山在来種の粗挽きにしました。
しっかりした腰と喉ごし、鼻に抜ける甘み、つゆなし薬味なしで半分ほど楽しみました。
せっかくのつゆは残り半分で楽しみました。蕎麦の風味を邪魔しない、程よい塩梅です。
今日の天ぷらは、ごぼう、ブロッコリー、ズッキーニ、なす、かぼちゃ、海老、昆布じめのクエでした。
クエは、一匹丸ごと仕入れたらしいので、運が良ければ、しばらくはあるかも知れません。
2018/09/08 更新
2018/08 訪問
蕎麦前を楽しんできました
【2018-8-9】
暑いとばかり言ってないで、美味しいものを食べて元気を出そう!と、行ってきました。
でも、柳ヶ瀬のアスファルトには熱風が吹いていました。(^_^;
今日は、蕎麦前で、そばがき、天ぷら、小左右衞門、ざる蕎麦をいただきました。
今日のそばがきは、奈川在来種ですが、北海道産のものでした。
本当の長野県奈川産のものは、年間1トンしかとれない超貴重品ということです。
先月に来たときは、それがまだあって、ざるをいただきましたが、鼻に抜ける香りと甘さに感動しながら、結局最後まで何も付けずそれだけをすすりました。
天ぷらは、ズッキーニ、ごぼう、ブロッコリー、かぼちゃ、なす、稚鮎、海老でした。
いつもはアルコールなしでいただきますが、やはり日本酒と合わせるとさらに美味しいですね。
今日のざるは、黒姫産ということでした。
この間、マツコの番組で、蕎麦通なる人が乾麺を毎日食べているといってましたが、どう頑張ってもここの十割蕎麦とは別物です。かく言う自分も、1週間ほど、その番組の中で薦められていた乾麺を食べてみて、あらためて確信しました。
2018/08/09 更新
2018/04 訪問
冷たいかけそばは、高原のそよ風のような清々しい汁
【2018-4-30】
SGさんの口コミを見て、かけそばが無性に食べたくなって、家族引き連れて行ってきました。
事前に電話したところ、暑いので冷やしかけそばはどうですかといわれ、それに決めてました。
いつもの天ぷらは、ブロッコリー、ナス、サツマイモ、パプリカ、稚鮎、アスパラ、海老でした。
サツマイモの品種は忘れましたが、断面は琥珀色でねっとりと甘く美味でした。カウンターの中に長野産という太いアスパラが立ててありましたが、時間をかけて揚げ、これも美味でした。
家族は、自家製というからすみを注文し、うすにごりの緑川生酒とともに味わっていました。
自分はドライバーのため、匂いを嗅ぐだけでした。
冷やしかけそば、ドンブリではなく浅めのうつわで出てきます。削り節とねぎが添えられてきます。
まずは薬味なしで。
そばはいつもの細くしっかりしめられたもの。汁は透明で、一切の雑味がなく、旨みだけが喉を通り過ぎていきます。高原に吹くそよ風のようです。爽やかで冷たく、暑い夏にこれを食すれば、暑さも忘れそうです。器を持ち上げ、最後の一滴まで飲み干しました。
2018/05/01 更新
2018/03 訪問
対馬在来種は、薬味も蕎麦つゆも無しで味わいたい
【2018-3-1】
対馬在来種が入っているとの情報をいただいたので、行ってきました。
遅めに入って、いつもの天ぷらとそばのセット。
今年から100円上がって1380円になっていました。前回1月に来たときには気がつかなかった(^_^;
蕎麦は、対馬在来種に変更で200円プラスです。
天ぷらは、季節ものの菜の花と山ウドからはじまり、かぼちゃ、サツマイモ、ナス、子持ちワカサギ、〆は海老です。いつ来ても、その時々の材料が楽しめます。
天ぷらを食べ終わるタイミングを見計らって、蕎麦を茹でてしっかりと水切り、いつもの平皿でいただきます。
まずはそのまま一口、うん?天ぷらの味が残っている?お茶を飲んで口を清め、さらに一口、違う、これは蕎麦の味。蕎麦の味が濃い、旨みがある。
結局最後まで、薬味も蕎麦つゆもつけずに、そのまま味わいました。
いままで味わったことの無い蕎麦です。今までの蕎麦を思い出すと、味が薄くて、ずいぶん水っぽかったんだなー、とあらためて思ってしまいました。
他に奈川在来種など、5銘柄の蕎麦を揃えていると聞きました。
挽き方、粒度、など、お好みに応じて蕎麦を打ってもらえるそうです。
二人前以上で、予約してください、とのことでした。
2018/03/01 更新
2017/08 訪問
冷やしトマトとルッコラのぶっかけ蕎麦はしばらく休止です
【2017-8-20】
今日は、第3日曜日。ここ柳ヶ瀬では、月1回のサンデービルディングマーケットの開催日。
柳ヶ瀬のメインストリートは、数十年前の往事を思い出させる賑わいでした。
良いイベントが定着しましたね。
ここくら富も、11時の開店と同時にぞろぞろとお客さんが入店してました。
夏限定の冷やしトマトとルッコラのぶっかけ蕎麦がメニューから消えているので、事情を聞くと、ここのところの日照不足でルッコラの生育が思わしくなく、入手困難になったためということです。
有機・無農薬栽培にこだわられているので、契約農家以外の物は使いたくないという、ご主人のこだわりです。いいですねー。ルッコラが復活すると良いですね。
というわけで、いつもの天ぷらざるそばセット。
今日の天ぷらの具材は、松茸が目玉でした。写真は失念。
2017/08/21 更新
2017/08 訪問
夏限定の冷やしトマトとルッコラのぶっかけ蕎麦をいただきました
【2017-8-2】
いつもは、天ぷらのセットをいただくのですが、夏真っ盛りには、この蕎麦がおすすめです。
イタリアンで20年やられていたご主人ならではの、創作蕎麦ですね。
妙高の在来種、しっかりした腰のある蕎麦の上には、大葉、トマト、揚げナス、さらにその上にはルッコラが敷き詰められ、本枯れ節が乗っています。ソースは、トマト、白ワインビネガー、隠し味に柚子胡椒。
ルッコラは、独特の苦みと辛みがあって、味を引き締めてくれています。越前の辛み大根のおろし蕎麦に似た原理ですね。
トマトやビネガーのほどよい酸味がさっぱりとして、まさに夏向きですね。
2017/08/02 更新
2017/05 訪問
蕎麦の名店
【2017-5-13】
先日、近所にできたばかりの虎玄で麻婆豆腐を食べてから、中華楼の麻婆豆腐が食べたくなって、岐阜に出かけるついでに行こうと決めていた。
そんなとき、自分のレビューにいいねしていただいた人のレビューを見ていると、岐阜のかに本家の跡地にお勧めの蕎麦屋ができたというではないか。
これは行かねば、中華楼はまた今度にしようと、開店の11時に合わせて伺った。
かに本家は、名古屋などにはまだあるが、岐阜の店が無くなったとは、知らなかった。
十数年前まで岐阜の住人だったので、ボーナスをもらうと、決まって家族でいそいそと出かけたものだ。かに御殿とでも言うべきか、豪奢な作りで、家族で数万円と、庶民には年数回しか行けない所であった。
場所は分かっているので迷うことは無かったが、入口には営業中の看板は無いし、のれんも掛かっていない。扉を開けると、鍵はかかっていない。石貼りの廊下を奥へ奥へと進むと、縄のれんがあり、其処がようやく入口であった。
一番乗りだった。
カウンターだけの席で、あとから大勢の客が来るだろうと、一番奥の席に座った。
注文は、あらかじめ予習しておいた、天ぷらざるそばセット1280円(税込)。
注文を受けてから衣を溶きはじめ、手際よく天ぷらが揚げはじめられる。
まず出てきたのは、タラの芽、平地ではもう伸びすぎているが少し山に入ると今が旬、ひるがの高原をさらに登り山に入ると、まだ早いくらい。岐阜に住んでいたときには、良く山菜採りに出かけたものだ、と昔を思い出しながら味を噛みしめる。
次には牛蒡、太めだけれど、ほっこりと揚がって、土臭さも無い。
なす、椎茸、かぼちゃ、と次々に揚げられ、熱々をいただく。
〆は、海老と稚鮎。鮎ははらわたの苦みが〆にふさわしい。
次は蕎麦だ。ご主人お勧めの粗挽き(+100円)をいただく。
写真では見ていたが、どんなものか楽しみに待つ。
ザルでしっかり水切りし、皿に直に盛られた蕎麦。
黒く、つやつやと光り輝き美しい。
まずはそのまま。
見た目通り、つるりとしていて、喉ごし良く、しっかりしている。
これが、粗挽き、10割!!
普通では、ぼそぼそになってしまうところだ。力量を感じる。
次に、わさびを付ける。蕎麦の味が引き立つ。
露なしで最後まで味わってもいいが、露の味も確かめたく、少し付けてみる。
露は濃すぎず甘さも控えめで、蕎麦の味をちゃんと引き立てている。
しばらくは次客も居なかったので、貸し切り状態で、気さくなご主人と色々お話しできた。
曰く、粗挽き蕎麦は、普通の蕎麦と違って、福井県芦原の在来種の蕎麦を使っているという。12月の新蕎麦の時に、産地から直に仕入れたという。
また、紗羅餐で4年修行し、岐阜から名古屋まで毎日60キロを車で通っていたという。紗羅餐では、毎日300食の蕎麦打ちをしていたとも。量が半端じゃないので、普通の蕎麦屋での10年分に相当するとも。
柳ヶ瀬は、行くたびにシャッターが閉まっている店が増えている。
若宮町通りに面した駐車場は、10年程前までは、入りきらない車が道に溢れていたが、それも無くなり、一日駐めても500円に値下げ、それでも車は増えず、3軒並んでいた駐車場の内2つは無くなり、一つに。
追い打ちをかけるように、少し離れたところにあったタワーパーキングも取り壊し、無人のコインパーキングになり、そこは一日400円。栄中心部の1時間分。
人が来なくなり、店を閉める、さらに人が来なくなる。そんな悪循環を絶つべく、名店は柳ヶ瀬に出店して欲しい。
2020年には、高島屋南に35階建ての大規模な再開発ビルができて、低層階に商業施設、上層階には330戸が入るそうだが、かっての賑わいを取り戻せるだろうか。魅力ある店が無いと、名古屋まで出かけてしまうだろう。
くら富さんには、是非柳ヶ瀬に腰を据えて頑張って欲しい。
2017/05/13 更新
蕎麦そのものを追求する店主の姿勢には感動すら覚えます。
行くたびに新しい発見があります。
2018/12/21 更新