ボリュームは布施駅周辺のお好み焼き屋随一 : 風月 布施あかつき通り本店

　近鉄布施駅北側、二両半横の路地にあるお好み焼き屋。風月というと鶴橋風月が有名だが、ここは別店。ネットの情報によると鶴橋、布施、千林の風月はそれぞれ兄弟で始めたものらしい。偶然名前が一致したわけではない模様。因みに布施風月は岸和田にもあるようだ。

　夕食には少し早い17:30頃に入店したが、すでに席は半分ぐらい埋まっていた。なかなか流行っているようだ。店内はそこそこ奥行きがあり、外観から受ける印象より広い。テーブルは2人掛けのものから6人掛けの大テーブルまで幅広く揃えている。ついたてが多く設置してあり、半個室のようになっているスペースも。各テーブルには店員呼び出しボタンが設置してあるので、隅っこの席に座っても声を張り上げて店員さんを呼ぶ必要は無い。全体的にとても綺麗な店構えで、気軽に入りやすい。

　メニューはお好み焼き、ネギ焼き、焼きそば、各種鉄板焼きにサラダ、おにぎり、ピザ、デザートと豊富な取り揃え。焼きそばメニューは全て焼きうどんにすることも可能で、味付けも醤油とソースを選ぶことができる。平日に限り「(お好み焼き＋1トッピング) or (焼きそば大)＋1ドリンク（ミニ生ビール or ソフトドリンク or チューハイ）」で900円というサービスセットも提供しているようだ。ドリンクメニューはビール（生/瓶/ハーフ＆ハーフ）、焼酎、チューハイとソフトドリンク各種。

　この日の注文は、店名を冠した「風月玉（950円）」のモダン焼き（＋200円）、それに「豚キムチ炒め（450円）」と焼酎を一杯（380円）。400円を切る一品ものが多いので飲み目的でも利用しやすい。因みに風月玉とはいわゆるミックス玉のことで、豚・イカ（ゲソ）・エビが入っている。

　店員さんはフロアだけでも4，5人いて、皆丁寧な対応。若い人が多かったが、よく教育されているのだと思う。コップの水も無くなったらすぐに注いでくれるし、鉄板の火加減なども頻繁にチェックしてくれる。

　さほど待たされることもなく、「豚キムチ炒め」が到着。厨房の鉄板で焼いたものを客席の鉄板に持ってきてくれるという一般的なスタイル。いや、それはいいのだが、この豚キムチ…量、多くないか…。写真では伝わりにくいが、白菜も豚肉も2人前ぐらいの量がある。これで450円というのだからCPはなかなかのものだ。味は、ごく普通の豚キムチ。市販のキムチと豚肉を絡めて、ちょっと甜麺醤を加えて炒めたような感じ。かなり濃いめなので、この量だとご飯がないとちょっときつい。

　続いて「風月玉」のモダン焼きも到着。予想はしていたが、これもとんでもなく大きい。さっきの豚キムチとこのモダン焼きで鉄板が埋まってしまった。マヨネーズを掛けてもよいか聞かれる。もちろん掛ける。ソースはセルフ。テーブルに置いてあるので、刷毛を使って自分で塗っていく。青のりや一味もセルフ。かつお節が無かったのだが、どうやら最初からお好み焼きの表面に焼き付けられているようだ。

　お好み焼きをコテで扇形に裁断し、小皿に盛って箸で口に運ぶ。食感は「ニュルッ」とした感じ。これはそばのせいだ。自家製麺のそばは、弾力のある極太麺。最初、間違ってうどんにされたのかと思った（モダン焼きのそばはうどんに変更可能）。焼きそばにすると大層うまそうな麺だが、モダン焼きにはややミスマッチ。キャベツが押しつぶされていてフワフワ感とシャキシャキ感が消されてしまっている。また、表面の豚肉と焼きそばがほぼ乖離しているので、かなり食べづらい。扇形に切ったお好み焼きにかぶりつくと、側面から焼きそばが溢れてしまい、結局焼きそばだけ再びソースを塗って食べる羽目になる。生地そのもの、そばそのものは悪くないだけに惜しい。素直にノーマルのお好み焼き、あるいは焼きそばにすればよかった。


　総評すると、「2人以上で行けばCPが極めて良好なお好み焼き屋」といったところ。隣の席に座っていた老夫婦は、前述したサービスセット（900円）で「焼きそば大」を選び、二人で分けて食べていた（普通に2人前ぐらいの量があった）。全体的に値段の割に量が多く、がっつり食べられるという印象。焼きそばはモダン焼きと相性が悪かっただけで、普通の焼きそばとして食べればコシがあって絶対にうまいはず。ネギ焼きも食い出がありそう。気になった点は、やはりかつお節は置いておいて欲しいという点と、ソースも甘口ソースだけなので辛口ソースもできれば欲しいという点（一味はあるが）。比較的入りやすい綺麗なお店で、店員さんの質も高く、CPも良い。今後は、更なる味の向上に期待したい。