創業から半世紀♪　新鮮なてっちりセットで、福が来ますように♪ : ふぐ政

久しぶりに嫁さんと二人で河豚を食べに行ってきました。

自宅以外で二人でふぐを食べるのは二年ぶりとなります。

何故ふぐかと言うと、旅浪漫は一月に誕生日があります。

そのお祝いです。　今年の誕生日は干支が一巡した節目の誕生日。

とうとうオレもそんな年になったのかと感慨もひとしおです。


旅浪漫は約30年間、堺市に住んでいました。　人生の半分です。

初めててっちりを食べたのは20歳代前半、働き始めてからです。

毎年の年末に下請けの忘年会で東住吉の針中野にある美幸寿司の2階で

河豚とお寿司を御呼ばれに預かっていました。　懐かしいです。

有名な新世界のずぼらやなどでも友達らとふぐを食べました。

今の会社の新年会でもてっちりなどで一杯やったこともあります。

その時のお店が、ふぐ政でした。　南大阪を中心に店舗を展開しています。

堺市の寺地町にも店舗があったんですが、現在は閉店してしまっています。

その時食べたふぐのチーズ焼きがめちゃくちゃ美味しかったのが

今でも記憶に残っています。


今住んでいるところから一番近いふぐ政に行ってみたいと

嫁さんにお願いしました。　市内には天王寺店と田辺店があります。

一番近いのが、JR環状線の桃谷駅を降りて徒歩8分ほどの天王寺店。

事前に電話予約をして訪れてみました。　玉造筋にお店はあります。

予約したのは5500円のおすすめＡコース。

◇　てっちり　　◇　てっさ　　◇　唐揚げ　　◇　皮湯引き　　◇　ぞうすい


ご存じのように大阪では、河豚ちりのことをてっちり、

河豚刺しのことをてっさと言います。　河豚のことを鉄砲といいます。

河豚には毒があり、昔はよく当りよく死ぬことから「鉄砲」と呼ばれていました。

1975年に歌舞伎役者の阪東三津五郎(八代目)が

ふぐの肝を食べて亡くなったのが遠い記憶の彼方にあります。　


ふぐの肝はもちろんメニューにはありませんが

一通りのメニューが揃ったコースです。　コスパ的にもまあまあな感じ。

1階のテーブル席でいただきます。

まずは瓶ビールと梅酒ソーダで乾杯。　いつもありがとうね。

すでにテーブルに置かれていたのが、河豚の皮湯引き。

これは大阪ならスーパーでも販売されていて、よく食べる機会のある一品です。

もみじおろしとポン酢でいただきます。

弾力と歯ごたえのある皮の湯引き。　しっとりとしていて美味しいです。

続いて出てきたのが、てっさ。　河豚刺しです。

このふぐ政さんのてっさは切り方が厚め。　

もっと皿の色や柄が見えるほど薄く切るのが普通ですけどね。

1枚ずつ食べないで、3～4枚を一気に食べるのが、美味しい食べ方。　

日本酒の熱燗二合をお願いしました。　

銘柄は教えてもらえませんでしたが、辛口で美味しい日本酒です。

でもレンチンなのか徳利が持てないほど熱い。　これは注意してください。


メインのてっちりのセットも出てきました。　河豚は熊本の養殖ふぐです。

河豚のあらと身、白菜、豆腐、大根、えのき、菊菜、春雨などの具材が

大皿に乗せられています。　もちろん作るのは、自分たち。　セルフです。

えっ、出汁は？　関東の人などはそう思うかもしれません。

てっちりは河豚そのものを味わうもの。　水炊きになっているのもその為です。

この繊細さが、ふぐの美味しさです。

久しぶりに食べるてっちりはやっぱり美味しいです。　酒も進みます。


唐揚げも出来上がってきました。　骨付きの身を揚げています。

味付けが濃いめですが、かえってのほうがふぐの旨味を広げてくれます。

これはお代わりしたいくらい美味しかったです。


あとはぞうすいでこのコースも終わり。　これでも充分です。

でもメニューを見て食べたかったのが、ふたつありました。

ひとつが焼きふぐ。　そしてもうひとつが、焼き白子。

嫁さんにお願いして二人で焼きふぐと焼き白子を一人前ずつお願いしました。

焼きふぐは一人前2600円。　焼き白子は2000円します。

焼きふぐは、骨付きの身と骨なし、皮の三種類の部位が出てきました。

これもコンロで自分で焼いて食べます。

河豚の弾力を楽しみたいのなら、てっちりよりも焼きふぐです。

これは嫁さんとも意見が一致しました。　美味しいですね～♪

辛丹波の冷酒と一緒に楽しみながらただきました。


それに引き換え、めちゃくちゃ繊細なのが焼き白子。

とろりとした食感の濃厚な味わい。　これはお酒のアテにはバッチシです。

あ～、幸せ。　白子は是非とも食べてみてください。　おススメします。

芋焼酎黒霧島のお湯割りもいただきました。


〆のぞうすいをいただきます。　セットで出てきました。

食べたことが無い人はついご飯を多めに入れてしまい失敗するぞうすい。

卵は2つ、お茶は2つ、香の物は2つ、ご飯は茶碗1杯です。

茶碗一杯で二人前。　

それ以上入れると雑炊ではなく、団子状の汁のないおじやになってしまいます。

このぞうすいが河豚から染み出たダシをいただく〆なんです。

味付けは軽くポン酢などをかけていただきます。

それでも茶碗に軽く二杯ずつ食べられました。　膨らみますからね。

250円のチョコアイスケーキを食べてごちそうさん。

美味しかったです。


ふぐ政さんのルーツは兵庫県淡路島の洲本。

祖母が洲本でふぐの店を始め、その子供たちが大阪でそれぞれの店を

始めたようです。　元々は原さん、現在は小林さんが経営を担っています。

一番歴史があるのが富田林店。　その次がここ天王寺店だそうです。

約半世紀の歴史があるようですね。

今回初めて天王寺店に行きましたが、ややアクセスは悪いものの

この日は地元の家族連れが何組か訪れていました。　さすが大阪ですね。

河豚は高根の花ではなく、ちょっと奮発すれば食べられる庶民の食べ物です。

ごちそうさんでした。