友だちの友だちは､みな友だちだ・・・【こがねや】 : こがねや

「もう食べログやめよかな～」と思うことがある。皆様にはそんなことはないだろうか？

時間があるんなら仕事の資料とかを見ればイイのに食べログのレビューを書いている時や、

何処かの飲食店で傍目も憚らず、しかも連れに喰うのを待たせて写真撮影してる時。

「ネタになるわい｣とか思って腹一杯なのに余分にもう一品喰ってしまうような生活が続く中、

止せばいいのに体重計に乗ってしまい､目を背けたくなるような現実を思い知らされてしまった時。

行き付けの店に行く回数が減ってしまい､心配してその店から電話が掛かって来てしまった時など

「自分はなんでこんな金にも何にもならん事に血道を上げているのであろうか？」というふうに、

ネガティブ･シンキング状態に陥ってしまうことが、私は月に一度くらいある。

直近はまた仕様が変わって本文と写真の位置が逆になるという改悪が行われた時そうなった。


そんな事をボンヤリ考えながらこの日はＪＲ阪和線の車中に在った。

あべのハルカスのある天王寺から和歌山市までの路線。この電車に乗るのは生まれて２回目位だ。

目指すのは天王寺駅から３駅目の「鶴が丘」という駅。今日の昼飯はこの駅前の洋食屋である。

長居陸上競技場（長居スタジアム）とか大阪市長居球技場（キンチョウスタジアム）の最寄り駅で、

Ｊリーグ、セレッソ大阪の試合がある日などは大いに賑わう駅だ。

それと有名なのはシャープ本社。悪戦苦闘されているようだが大阪を代表する企業だ。頑張れ！！

生まれて初めて平日の午後１時頃の鶴ヶ丘駅は静かなもんである。駅前の洋食屋もすぐ分かる。


【こがねや】｡創業63年目を迎える老舗。外観は食べログで見たとおり。この店に間違いない。

「いらっしゃいませーっ！！」元気に迎えてくれる声を聞きながらズンズン店の奥へ進む。

案内される暇もあらばこそ、オープンキッチンのすぐ前の椅子にドサッと座ってニッコリ。

見たこともない大きなオッサンが、さも親しげにドスドス入って来て笑っているのである。

ホール担当のお母さんも、キッチンの中のマスターもマスターのお姉さんも唖然とするしかない。

「北海道のめたぼ氏に、前から一度行って来いと言われてましてな！ようやっと来れましたわい！」

「はっ？？？北海道のめたぼさんて、小樽の○○さんの事ですよね？？？」

「あんたがマスターですか！？僕はリチャード1958といいます。食べログ仲間ですわい！」

めたぼ氏（http://tabelog.com/rvwr/000055524/）

食べログ参加当初よりお付き合いを頂いている北海道を代表するオムライス･レビュアーである。

愛妻家であり、美しいお嬢様お二人と御家族でのレビュー模様は正に私とは全くの真逆だ。

２年前に来阪された時にお目に掛かかり、その時にここ「こがねや」にも訪問された。

その時のめたぼ氏のレビュー→（http://tabelog.com/rvwr/000055524/rvwdtl/5074982/）

「いつか､こがねやのマスターと３人で西成を飲み歩こう！」がめたぼさんと私の約束だった。

但し、このめたぼさん、そんな事を言うてはいるが全くの下戸である。


「わはははっ！とにかく早速パリパリポテトとしっとりポテトの半熟玉子添えサラダ下さい！」

珍しく少々予習をして来たのである。イキナリのオーダーにマスター狼狽しておるわい！

「夜メニューなもんですから、少し時間が掛かりますけどお待ち下さいネ」

「はっ？ホンマは昼喰えないの？それやったらイイです！イイですよ！」

「イエ！イエ！そんなん！わざわざ遠いとこから来てくれはりましたのに、作らせて下さいな！」

「んっ！その心意気や良し！よっしゃ！今日はオモクソ飲み食いしてこまそうわい！」

※パリパリポテトとしっとりポテトの半熟玉子添えサラダ‘＠600円（税別）

　 細かく切ったじゃが芋をパリッと揚げ､タワーのように盛る。その麓にはポテトサラダが隠れ、

　 その隣には1/2半熟玉子が自家製カクテルソースの上に鎮座まします。

　 混ぜてよし、そのまま食感を楽しむもよし。ボリューム満点ののサラダである。

※サントリーモルツ中瓶＠550円（税別）

　これが嬉しい！最近これ珍しくない？プレモルもスーパードライもあったのだけど、これ！

　 キリンラガー、サッポロ赤星、それにこのサントリーモルツが私の「BEST３」なのだ。

※ハンバーグ＆エビフライ＠1200円（税別）

　 ハンバーグが130ｇ、エビが３尾のボリューム。

　 実はこれも昼に注文する奴が居ると思わないから大急ぎで玉葱を刻むところからスタートした。

※オムライス＠750円（税別）

　 単純なケチャップライスではない！これはブイヨンを使って飯を炊いてるか何かしてるなぁ～。

　
昼の定食とかを注文しないので、一つ一つが出て来るのに時間がかかってしまうのは仕方ない。

昼酒は効く。このインターバルがよけいに酒量を増やし、そしてだんだんイイ調子になってしまう。

「なに！お姉さんの息子は小学５年生！遅く出来た子や！どっちみち甘やかしてるんじゃろう！」

こんな感じでクダを巻き出す。これではまるで居酒屋ではないか。

「今日は男子の育て方というものををシカと教えるから､そのつもりでいさっしゃい！！」

喰い過ぎて、呑み過ぎてもうグダグダである。他の客は皆んな出て行ってしまった。

時間はもうとっくにランチタイムの２時を過ぎている。最低・最悪のオッサンに堕した。

しかしお母さんも、お姉さんもイヤな顔一つせずニコニコ付き合って呉れた。

マスターも満面の笑顔で「西成呑みに行きましょうね」と乗ってくれた。ナイスガイだなぁ。

言いたいことを言い、喰いたいだけ喰い、飲みたいだけ呑んで「さっ、帰るとしようかの」｡

最後の理性で誰も居ない店内の写真を撮る食べロガー、「おかあちゃん！邪魔やがな！」

ホンマにもう最後まで無礼千万なオッサンであった。この場を借りて深くお詫び申し上げたい。


外へ出てお姉さんにシャッターを押してもらってマスターと記念撮影。

固い握手を何度も無理やりに強制しながら「西成呑み歩きツアー」を約して辞去した。

素晴らしいマスター、素晴らしい店、素晴らしい家族だった。

インターネットの爆発的普及で「商圏の概念」は明らかに大きく変化している。

「この店が美味い！」という口コミが今では瞬時で千里を走る時代なのである。

そしてその口コミを見て遠くからでもわざわざ客が遣って来るのだ。

「駅前の洋食屋」という気持ちだけではいけない。地域密着というだけではない。

「大阪を代表する洋食屋」を本気で目指して当然の時代になってしまっているのだ。

「こがねや三代目」にも是非、そんな気宇壮大な精神で前進して欲しいと思った。


幸せな、愉しい楽しい気持ちで阪和線の電車に乗った。

また一人エエ友達が出来た。また１軒好きな店が出来た。また素晴らしい出会いがあったのだ。

これだから食べログはやめられない。