接客が残念 : 麺匠の心つくし つるとんたん 宗右衛門町店

初めてのつるとんたんは一年前に東京駅にある支店にて。今回大阪旅行中、せっかくなら一号店へ行ってみよう、と。


◯外観
豪華な老舗日本料理屋さんのような立派な店構え。

10時半オープン、到着は10時45分。禁煙か喫煙かを尋ねられる。先客で席はいくつか埋まっている。2人だったのでカウンター席へ案内された。カウンターの背部には恐らく待合い用と思われる腰掛けのスペースが。

メニューはとても多い。

頼んだものは、

どちらも冬限定メニューの
牛もつ辛味チゲのおうどん(1380円
味噌煮込みのおうどん(1380円

を二人でシェアした。


牛もつ辛味チゲのうどんの方は、メニュー写真では赤いスープにニラとキャベツ、もつが浮かび、見るからに辛そう。一方、内容は同じでもクリーム色のスープに鷹の爪を散らした、ほぼ辛くないうどんも存在しており、辛味を求めない方のための選択肢といったところ。


店内は次第に混み始め、すぐに満席へ。気づくと背部の腰掛けスペースにも人がずらりと。終始、後ろから視線を感じる。

アジア人観光客が多い。隣に座った方は、自分たちよりも後から来たが、煮込み系のうどんではないため出来上がりまでが早く、先に食べ始めていた。煮込みうどんは15分ほどで着丼。


あれ？？
赤いはずの牛もつ辛味チゲのうどんのスープの色が黄色っぽいクリーム色をしている。

お店では写真と実物とで若干異なる、なんてことはよくあることで、見た目の割に意外と辛いのかも？なんて穏やかな気持ちで半信半疑ではありながらもスープをすすってみる。

しかし辛くない。むしろまろやかなスープ。これは、辛くない方のもつ煮込みうどんと間違えられたのだろう、とすぐに思った。


どうしても牛もつ辛味チゲのうどんが食べたくて仕方がなかった、というわけではないのだが今後また、つるとんたんに足を運ぶ際の教訓のためにも真相が知りたかった。

今、目の前にあるうどんは、オーダーした物で合っているのか、はたまた他のものと間違えられたもので他のテーブルにこのうどんを待ち構えている客がいるのか、色々と考え店員さんに声をかけた。

(写真のメニューを指しながら)私が頼んだものはこの牛もつ辛味チゲのうどんなのですが、(実物を指し)こちらは牛もつ辛味チゲのうどんで合っているのでしょうか？

困惑する店員さん、「辛くないですか？」

は、はい、全然辛くはないです....

「確認しますので、おさげいたします」と、うどんが一旦下げられる。そのまま店員さんは戻って来ず。既に他の仕事をしている。


下げられたうどんが頼んだ物で間違っていないのならそのまま食べるし、ただ真相が知りたかっただけなんだが...と思いながら、5分ほど待ち、先ほどの店員さんに声をかけてみると、

「今作り直しています」と。

ということは、さっきはやはり頼んだ物とは異なるものが運ばれてしまったのか、と理解。


が、煮込みうどんは15分ほど時間がかかる。頼んだ物と違ったのなら作り直しの前にそれを説明し、時間を要するが作り直しをすることの説明が欲しかったところ。あいにく今回は時間に余裕があったからよかった。


そして待つこと15分ほどで再度、牛もつ辛味チゲのうどんが手元に運ばれた。

蓋をあけると先ほどと全く同じビジュアル。


............？？？


店員さんより、「上の者に確認しましたが、やはりこちらがメニュー通りの物で間違いではないとのことです」


ではこの作り直しを待った15分はなんだったのか？間違いではないのならわざわざ作り直しなんてしなくてよかったのにー！！

ただ時間を待たされ、お預けを喰らっただけ。ほんの少しのコミュニケーションで済む話なのだがとても残念に思えた。

先に運ばれた味噌煮込みうどんも友人とシェアしてすっかり食べ終え、なんとなくお腹も満たされてきているだけに、この15分が惜しい。


また、麺は三玉まで無料で増量ができる。味噌煮込みうどんを食べて、すごく麺が少ないように思え、麺の増量の必要を感じた。作り直しとなった、牛もつ辛味チゲのうどんではここぞとばかり二玉にしてもらったが、オーダー時には増量の希望の確認をして欲しかった。

お茶のお代わりも声をかけないとまずもらえない。忙しいのはよくわかるが、だからと言って目の前の客へのホスピタリティが下がるのならそれはお店側の大きな問題であるだろう。


せっかくの美味しい料理も接客一つで一気に評価が下がってしまう。今回はまさに、すごく勿体無い例を体験することとなった。


○味

味噌煮込みのおうどん
味が濃く特に後半は塩っぱさが際立つ。


牛もつ辛味チゲのおうどん
単調でしつこい味、後半になると飽きる。スープはほんのり辛い程度。もつがふんだんに入っている。辛さが思っていたものよりも(写真の物とは全く違う)辛くない。


◯麺
煮込みうどんで後半に差し掛かっても麺はずるずるに伸びることなく、コシを保つ。水分質のあるつるつるな麺で美味しい。


今回は接客面で大きなマイナスポイントがあった。今回当たったごく一部の店員さんがたまたまハズレだったのかもしれないが、やはりそれを総括する全体の教育を疑ってしまう。

日本らしさを前面に出した外観、内装。そして種類豊富なうどんは話題性もあり、飽きずに通える店でもあろう。


ただ値段に見合った内容かと問われると意見が分かれるかもしれない。

帰り際に伝票を確認すると誤って高く計算されており、これでもかと悪いことが続いた。店員さんにこれ以上声をかけるのは嫌気がさしていたが、満足のいかない食事で無駄金を払う訳にはいかないので声をかけて訂正してもらった。

真心のこもった接客とまで言わないが最低限のホスピタリティは兼ね備えて頂きたい。