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店名 |
移転
たこ竹
|
---|---|
ジャンル | 寿司、郷土料理 |
住所 |
このお店は「大阪市中央区松屋町住吉3-8」から移転しています。 |
交通手段 |
南森町駅から徒歩5分 扇町駅から225m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥2,000~¥2,999 ¥2,000~¥2,999 |
予算(口コミ集計) |
¥2,000~¥2,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
個室 |
無 |
---|---|
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 近隣にコインパーキング有り |
料理 | 魚料理にこだわる |
---|
利用シーン |
|
---|---|
サービス | テイクアウト |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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今回ご紹介するのは、天保2年(1831年)に創業された大阪屈指の老舗、「たこ竹」さん。
【ばらちらし】と【箱寿司】が名物の大阪鮓のお店でしたが、敢え無く2018年に閉店…
全国にファンを持つお店だったので、各地で涙を流した方が多数いたようです。
しかし、なんと2020年に復活を遂げました!
お店のあった松屋町(まっちゃまち)から「日本一長い商店街」である天神橋筋商店街に場所を変え、屋号そのままで再開されたのです。
大阪鮓の老舗「たこ竹」と現6代目のお話
たこ竹さんは前述の通り天保2年(1831年)に創業をさかのぼる老舗です。
歴史のある大阪鮓・関西寿司の専門店ですが、百貨店への出店はしてこなかったそうです。
その心は、5代目が「手を広げると味が落ちて結果的にお客を失う」と言う信念を持っておられたため。
また、テナント料をカバーするための値付けを是としなかったため、ずっと松屋町で商売を営んできたそうです。
近年は5代目の女将さんと職人さんで切り盛りされていましたが、女将さんが80歳を超えて体調的に厳しくなってきたので、閉店せざるを得なくなりました。
本来の後継者である5代目の息子さんは魚を食べられない方だったので早々に職人になることを断念。
そして、6代目は雇われの職人さんだったため、お店を継ぐことはされず、閉業に至りました…
しかし、失ってみると大切さに気付くもの。
閉業を嘆く声が非常に多く、同じ鮓店を経営する社長が6代目に熱い声援を送り、物件まで調達されたそうです。
無事に「たこ竹」の暖簾が引き継がれのです。
その6代目の職人さんのお名前は岡山正さん。
ハタチの頃から40年以上も「たこ竹」で腕を磨かれた方です。
もともと「たこ竹」には職人さんが5人以上いらっしゃったそうですが、徐々に辞めてゆきました。
その結果、岡山さんは早々に仕事を任されて、仕入れから仕込みまで一人で行い、「たこ竹」の味を体得されました。
しかし、道筋は平坦ではありませんでした。
先輩職人が辞める際、残されたのは走り書きのメモのみ。
魚に塩をあてる時間について「鯖は○分、鯛は○分…」と書かれている程度のメモ。
ただ、岡山さんは頼るものが他にないので、メモに従い「たこ竹の味」を作りました。
しかし、ある時、お客さんから「たこ竹、(自分が作った)すし、食べてる?」と聞かれたそうです。
そこで、味を見たところ、塩気が強くて「たこ竹の味」では無かったそうです。
岡山さんはハッとされました。
そこから、深夜の2時〜3時まで作られたり、ご自身で〆について研究されたりして、今の味にたどり着きました。
魚体、脂のノリ、旬など複数の要素を鑑みて塩梅を変えることで「たこ竹の味」が実現されたのです。
これはレシピだけでは真の美味しさを作れないことを示しています。
岡山さんは謙遜され、「自分は何も出来ない」、「せいぜい幾つかの鮓を作るだけしか出来ない」とおっしゃります。
しかし、伝統の味を守り、時代に合うような仕事を編み出されている時点で、卓越した職人だと言えるでしょう。
また、松屋町のお店が閉まった後も、先代の女将さんのお世話をなんと2年されたそうです。
大阪鮓を求めて伺ったのに、義の大切さを教えて頂きました。
たこ竹の大阪鮓の味とは?
それでは、たこ竹さんの大阪鮓のお味についてご紹介します。
たこ竹のメニュー
たこ竹さんの名物は、こちらの3品です。
そして、全メニューはこちらの通りです。
復活後に頂いたものの詳細
2021年3月の訪問
この度頂いたものは、下記の通りです。
・箱すし
・上ちらし
・さば棒すし
上記の「たこ竹名物 自慢の品」全てですね(笑)
品物ごとに包装紙が違うところが素敵だと感じました。
箱すし
最初に酢飯が柔らかめかと思いきや、ぱらりとほどけ、もっちり感のある酢飯です。
昆布出汁が利いている点が大阪らしく、酸味と甘みのバランスが絶妙な酢飯です。
まろみのある酢飯は江戸前鮨の赤酢のシャリとは全く異なる魅力があります。
鯛は昆布〆ながら、身がしっとり、ホロホロとほどけます。
間に海苔を噛ませて香りのアクセントに。
海老はしっかりと茹でて塩を利かせた後に酢で洗う仕事。
具単体だと味が強いものの、酢飯の甘みとのバランスが良好です。
椎茸やキクラゲの食感も魅力。
ケラの玉子はきめ細かく、しゅわっとちぎれる良い焼き加減。
塩を利かせて、これも酢飯との相性を高めています。
穴子は醤油を利かせて香ばしく仕上げています。
これも江戸前の煮穴子とは完全に異なる美味しさ。
キクラゲと椎茸が名脇役!
上ちらし
タネは基本的に【箱すし】と同じですが、味の構成要素は多いです。
木ノ芽、三ツ葉、紫蘇などの香りが爽やかで、オボロと錦糸卵の甘みが加わり、優しいまろやかな味を楽しませてくれます。
オボロは自家製で、甘みが控え目。
貫禄のあるちらし寿司です。
江戸前のばらちらしとは異なる仕事を伝えてくれる、文化財的なちらし寿司だと思います。
ちなみに、ちらしはセイロで蒸しても美味しいです。
蒸すときは薬味類と鯛を外して、後から乗せるのが美味しさの秘訣です。
さば棒すし
鯖の棒寿司は竹皮を開く際に心が踊りますね。
なんと鯖を2尾使用!
鯖は塩気をバシッと利かせて〆していて、鯖の食感はみしっ、ほろっ。
白板昆布は厚みがあり、食感があり、甘みは控えめです。
力強い味わいの鯖寿司です。
全体的に、伝統的な大阪鮓の仕事を伝えるとともに、関西らしい甘みのある酢飯の魅力を伝えてくれるお店です。
なにせ味覚のバランスが良いので。
酢飯に甘みを付けつつ、他の仕事でバランスを取る技は、非凡だと思います。
ブログ記事
https://sushi-blog.com/entry/osaka-takotake