海老マニア向け、裏天満のユニークなバル : 活海老バル orb 裏天満ちょうちん通り店

「ちょい飲み手帖」レビュー第6弾になります。前回、第5弾に寄った店からは1ヶ月近く日付が跳ぶわけですが、レビューとしては続けている雰囲気です。

「ちょい飲み手帖」の大阪キタ版は、エリアとして大きく下記のように分かれています。

◆梅田
◆福島
◆天六
◆西中島

天六(てんろく)はJR環状線で言えば天満(てんま)駅界隈になります。私は基本的に環状線での呑み歩きが多いので、西中島以外はターゲットとなり、今回は、上記の中で行ってない天六エリアの店に行くことにしました。

通称“天六”は、正式には天神橋6丁目ですが、実際その辺りを中心としたエリアには、かなり広範囲で飲食店がひしめき合っており、また、日本一長い商店街としても有名な天神橋筋商店街もそこから南に伸びています。今回のちょい飲み手帖では、地下鉄の天神橋筋六丁目駅からJRの天満駅にかけてのエリアが対象になっており、いわゆる“裏天満”の店も複数が対象になっています。

実は天満はこれまでそれなりに行っていますが、裏天満は“未訪地帯”だったのです。そこで、今回は裏天満の店をターゲットにした結果、この店が気になって初訪問した次第です。

“活海老バル”

なんともユニークなネーミングです。なかなか想像が出来ない雰囲気ですが、行ってみて「なるほど」と思いました。

壁やドアがないオープンテラス風な店頭で、店舗前から中が見えるわけですが、その中で目立つのが水槽です。いわゆる生け簀という感じで、中にオマール海老が棲んでいます。(要は活かされているだけですが)

そのオマール海老を中心に、内外の色んな種類の海老が食べられるようで、海老好きにはたまらないメニューとなっているようです。私自身は特に海老好きというわけではありませんが、興味はありました。昨今の海老ラーメンにも食指が動かされているわけで、この店ではさすがにその提供はなかった(※)わけですが、でも、好奇心を満たしてくれる店でした。

(※海老ラーメンの話をスタッフにしたところ、過去に3000円のラーメンを出したことがあるとは言ってましたが、レギュラーメニューではないとのことでした。ちょっと残念でしたが、またやるかも？とも話していたので、今後も要チェックでしょうね)

☆☆☆

「ちょい飲み手帖を使いたいんですけど？」

店頭にいたスタッフに、これまで何度も使ったセリフを投げかけました。ただ、そのスタッフはその存在を知らなかったらしく、別のスタッフに確認していたようで、反応がちょっとよろしくありませんでした。“この店、大丈夫かな？”という第一印象でしたが、結局、1時間半後にはかなり満足してこの店を出ることが出来たのです。

■ドリンク1杯
■たっぷり卵と桜エビのポテサラ
■海老100％の麻婆豆腐

上記がこの店の“ちょい飲み手帖セット”で、ドリンクは490円以下のものを選べます。例によってケチなオヤジは、上限ジャストの490円の瓶ビールを選んだのです。ハートランドの小瓶です。グラスなしで出てくるので、ダイレクトに呑むのがこの店のスタイルでしょうね。なんだか、カッコいいです。(映画の見過ぎか？)

ポテサラは、普段あまり自分からは頼まないアテですが、この店は“海老バル”ということで、ポテサラにも桜エビがトッピングされており、なかなかユニークな味わいでした。

特筆すべきは“海老の麻婆豆腐”で、通常は豚などの挽肉を使うところを、海老が使われており、独特の風味と食感が楽しめるのです。しかも、この店のメニューをよく見ると、他にも中華系の料理もあったりして、得意分野(※)なのでしょうか、麻婆豆腐としてもいい風味になっていました。奇をてらったというわけではなく、料理としても成立しており、“麻辣”の要素がちゃんと引き立っていたように思いました。

(※:スタッフは、メニューの半分は海老料理、半分はイタリアン、って言ってましたが)

そして、なんと言ってもこの店の気に入った点は、スタッフの良さです。前述したように、当初はテンションが下がる感じでしたが、カウンターの末席に座って呑み食いしているうちに、徐々にこの店の各スタッフが優秀だということが分かって来たのです。なので、下記を追加オーダーして、長居することにしました。

■ハイボール
■うし海老のエビフライ

この日は、(おそらく)応援に来たスタッフも含めて厨房に3人、ホールに2人という体制のようでした。実際には両方を担当している人もいるので、明確には分かれてはいませんが、とにかく一見狭い店で、それなりのスタッフで回していたのです。最初、狭いと思っていたのですが、実は2階もあり、おそらく予約客もいたようで、カウンター席に限れば後客2名だけでしたが、全体的にかなり活気がありました。

各スタッフは画一的ではなく、それぞれに特徴があって、私にとってはそれがまた楽しかったのです。

◆ノリのいい人
◆真面目に店のことを話してくれる人
◆とにかく海老に詳しい人

それぞれのスタッフとそれなりに話せて、オヤジ的にはかなり満足しました。上記の“ノリのいい人”と一番たくさん話せたのですが、最終的にちょい飲み手帖内の“オススメの店”を教えていただき、例のよってその店のページにサインをもらいました。いい人です。

“真面目に話してくれる人”というのは、おそらく他店からの応援スタッフで、私が料理の解説を求めると、正直に『この店のメニューのことはあまり詳しくないんですよ』と言ってくれました。こういう正直さは素晴らしいと思います。変に知ったかぶりされても、すぐに分かってしまうし、知らないって言われれば、別の話題に切り替えることも出来ますから。現に、この店の系列店が6つあって、福島エリアにもオススメ店があるとのことで、しっかりブックマークさせていただきました。

そして“海老マニアなスタッフ”です。世界のレアな海老の話を皮切りに、いろんな海老トリビアを話してくれたのですが、『日本に流通する海老ならほとんど知っている』と豪語するほどで、へぇって思いました。私の方に知識がないので、具体的な話には展開しなかったのですが、そのうち、こっそり海老情報を仕込んでから、再訪したいと思いました。

ごちそうさまでした。