人気化必至、沖縄そばとしゃぶしゃぶの店。 : いしぐふー 前島店

　ランチタイム、13時過ぎの訪問です。
　満席のカウンター席にちょうど空きができたタイミングですが、しっかり賑わっているようです。
　昨年末くらいから芸人さんの間で評判になっているようで、芸人さんのサイン色紙がたくさん貼られていました。

　前回のお昼は「黒マー油そば」を食べたので、今回は看板メニューの「いしぐふーそば」（900円）を注文。
　卵がのったオーソドックスないしぐふースタイルですが、やはり別皿のあぶりソーキが秀逸。クリーンながらコクのあるスープも旨いです。
　お昼の訪問時には「黒マー油そば」とどちらを選ぶか悩ましいところですが、独自性・中毒性を考えると、次回は黒マー油かなー。

　2日前の夜に訪問した際、隣におられた常連さんに「お昼の黒マー油そばが美味しいよ、ハマるよ」と教えていただき、1日半の仕事を終えた帰京前に、タクシーを飛ばしてやってきました。
　定番の「あぶりソーキそば」も気になったのですが、ここは予定通り、黒マー油そば（税込800円）を注文。
　これまで食べたことがないタイプの沖縄そばですが、マー油の香りがかなりヤバい感じで食欲を刺激してきます。沖縄そばの縮れ麺は、本来自分のタイプではないはずなのですが、あぐーの旨味たっぷりのスープ＋マー油が絡んで独特の輝きを放ち、スープとの相性が抜群です。
　そのスープですが、コクのある動物系なのに透明度が高くツンとした味わいで、実直（冗談のキレも悪くないですが）な店主さんの人柄が現れているようです。
　これはお昼もレベルが高いな。タイプが違うとらやと双璧かも。

　先月の出張時に再訪しました。日曜日の20時過ぎで、入店時は空席が半分くらいありましたが、外国人を含むグループの訪問で、お店を出る際には満席になっており、かなり人気が出てきているようです。
　今回は島野菜のしゃぶしゃぶに、あぐー3皿、あぶりソーキ（山葵がいいアクセントになってとても旨い）、自家製ジンジャーエール（まさに生姜ドリンクという感じで体に良さそう）なども追加して3,000円超えとなりましたが、満足度は非常に高い。旨味たっぷりのあぐーの出汁でいただく、モチっとした締めのそばも、前回以上に美味しく感じました。

　沖縄そば好きとして一度は訪問しておかないと、と常々思っていた「いしぐふー」、新都心公園のお店がいつの間にか閉店してしまったのでしばらくは機会がなさそうと諦めかけていたところ、美栄橋駅から余裕で徒歩圏内の前島に新店がオープンしているのを発見しました。
　ホームページを見ると「いしぐふー」のお店は８軒（うち２軒はラーメン店）あるようですが（2017年7月現在）、規格化されたチェーンではなく、名護の店主さんが作り上げてきた基本的な部分を守りながら、お弟子さん達が各々の個性を加えながら暖簾分けで出店しているというスタイルとのこと。そのため、お店によってメニューも異なるようです。
　こちら前島店のウリは、島野菜としゃぶしゃぶで、昼は沖縄そばをメインに、好みの島野菜をしゃぶしゃぶしてトッピングできるのが特徴だそうです。そして夜は、島野菜とあぐーのしゃぶしゃぶがメインとなり、沖縄そばで〆る。カウンター席が殆ど（カウンター８席＋４人掛けテーブルが１卓）で、カセットコンロで一人しゃぶしゃぶをできるのが特徴です。

　訪問したのは（一応）開店時間の17時を少し過ぎた頃で、まだ準備中の状態でしたが（沖縄ではよくあることですね）、間もなくスタートできるとのことで入店させていただきました。
　付出し＋島野菜のしゃぶしゃぶ（食べ放題）＋〆のそばのセットが、なんと1,000円。あぐーのしゃぶしゃぶは一皿600円なので、ドリンクを加えて2,000～3,000円もあれば、あぐーと島野菜を存分に楽しめてしまうのです。
　そして、特筆すべきは、その質の高さ。
　新鮮な島野菜は若い店主さんが毎朝南部まで行って買い付けて来られるそうですが、あぐーで出汁をとったスープでしゃぶしゃぶすると、まろやかさが加わりながらも、それぞれの野菜の味をしっかりと感じることができます。
　へぇー、はんだまって、こんな味だったんだ、チキナー（からし菜）ってこんなにピリッとするんだ、ヘチマはやっぱり独特の風味だなー、島人参って普通の人参とこんなに甘さが違うんだ...などなど、新鮮な発見の連続でとても楽しめます。沖縄料理をよく食べる人であればあるほど、これは楽しいのではないでしょうか。
　あぐーの旨味も秀逸です。肉そのものが十分美味しいので、何もタレをつけずにいただくが基本です。帰京前であまり時間もなく、この日は１皿に抑えましたが、２～３皿はペロリといけてしまいそうです。
　そして、このしゃぶしゃぶした後のスープに投入するそばは、自社農場で栽培した小麦を使った自家製麺の木灰そば。
　ストレートでシャキッとしたとらやの木灰そばとはタイプが異なるモッチリ系ですが、小麦の旨味がしっかり感じられてとても美味。スープの出汁の旨味も含めて、幻の名店・茉家（掲載保留になってるけどどうしたのかな？）を彷彿させるものがあります。そば単品でも一度試してみないと。

　料理の質、価格、店内の清潔さ、気さくな店主さんのサービス、いずれも非の打ち所がなく（１回の訪問だけなので4.5にしましたが、5.0でもいいくらいです）、予約なしの初訪問であっさり入店できてしまったのが不思議です。
　オープンしてまだ１年強、観光客が集まるエリアではなく、少人数でしか入れないことなどが理由として考えられますが、近いうちに人気化することは必至でしょう。
　こんなレビューを書いているとその期間を短くしてしまい、自分の再訪が困難になりかねないので悩ましいところですが（とらやも人気化して晩飯利用が困難になってしまいましたし）、黙っているのも苦しいのでやっぱり投稿しておきます。